説明

エレベーター装置

【課題】
駆動機構を小型化するとともに、レイアウトの自由度の高いエレベーター装置を提供する。
【解決手段】
昇降路1内のガイドレールに沿って乗りかご2と釣合いおもり18が巻上機14により駆動されるエレベーター装置において、前記昇降路1上部に設けられた乗りかご側第1返し車10,乗りかご側第2返し車11,乗りかご側第3返し車12及び釣合いおもり側返し車16と、前記乗りかご側第3返し車12から前記巻上機14の綱車13を経由せずに前記釣合いおもり側返し車16に巻き掛けられて前記乗りかご2と前記釣合いおもり18を懸垂する第1ロープ5と、前記乗りかご側第3返し車12から前記巻上機14の綱車
13を経由して前記釣合いおもり側返し車16に巻き掛けられて前記乗りかご2と前記釣合いおもり18を駆動する第2ロープ7を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降路内のガイドレールに沿って乗りかごと釣合いおもりが移動するエレベーター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、乗りかごと釣合いおもりを懸垂するために用いるロープと、駆動力を与えるために用いられるロープとを、別個に設けたエレベーター装置が提案されている。例えば、下記特許文献1には、吊り下げワイヤと駆動ワイヤを分離することにより、駆動ワイヤの張力を小さくすることが記載されている。また、この特許文献1には、駆動ワイヤの径が小さくなるので、結果として駆動機構の小型化が可能となることも示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−63057号公報(段落番号0024等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたエレベーター装置では、駆動ワイヤを方向転換する返し車と、吊り下げワイヤを方向転換する返し車とが、まったく別々に昇降路上部に設けられている。このため、昇降路上部のローピングが複雑になり、エレベーター装置のレイアウトの自由度が制限されてしまう。
【0005】
本発明の目的は、駆動機構を小型化するとともに、レイアウトの自由度の高いエレベーター装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、昇降路内のガイドレールに沿って乗りかごと釣合いおもりが巻上機により駆動されるエレベーター装置において、前記昇降路上部に設けられた乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車と、前記乗りかご側返し車から前記巻上機の綱車を経由せずに前記釣合いおもり側返し車に巻き掛けられて前記乗りかごと前記釣合いおもりを懸垂する第1ロープと、前記乗りかご側返し車から前記巻上機の綱車を経由して前記釣合いおもり側返し車に巻き掛けられて前記乗りかごと前記釣合いおもりを駆動する第2ロープを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、駆動機構を小型化するとともに、レイアウトの自由度の高いエレベーター装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施例を示すエレベーター装置の昇降路1の平面断面図であり、図2は、本実施例のエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。本実施例のエレベーター装置は、乗りかご2が、乗りかごガイドレール3a,3bに沿って昇降し、釣合いおもり18が、釣合いおもりガイドレール19a,19bに沿って昇降するように構成されている。また、乗りかご2と釣合いおもり18を懸垂する第1ロープ(以下、懸垂ロープ)5と、乗りかご2と釣合いおもり18を駆動する第2ロープ(以下、駆動ロープ)7が設けられている。
【0010】
更に、昇降路1の上部には、乗りかご側第1返し車10,乗りかご側第2返し車11,乗りかご側第3返し車12及び釣合いおもり側返し車16が設けられており、乗りかご側第2返し車11以外は、略同じ高さに配置されている。また、昇降路1の下部には、駆動ロープ7を巻き掛けるための綱車13を有する巻上機14が設置されている。ここで、乗りかご側第3返し車12,綱車13,釣合いおもり側返し車16及び釣合いおもり吊り車17a,17bは、その回転軸が、乗りかご側第1返し車10の回転軸及び乗りかご側第2返し車11の回転軸と垂直となるように配置されている(図1参照)。一方、図2では、乗りかご側第3返し車12等の回転軸の向きが図1と異なっているが、これは、ロープの掛け方が理解しやすいように、回転軸の向きを無視して表現したためである(図3,図5,図8についても同様)。
【0011】
ここで、懸垂ロープ5は、昇降路1の上部に設置された懸垂ロープ乗りかご側固定部4から、乗りかご2の右側部を通って下方へ伸び、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bに巻き掛けられる。その後、この懸垂ロープ5は、乗りかご2の左側部を通って上方へ伸び、乗りかご側第1返し車10に至る。更に、この懸垂ロープ5は、乗りかご側第2返し車11及び乗りかご側第3返し車12を経由した後、巻上機
14の綱車13を経由せずに、釣合いおもり側返し車16に至る。そして、この懸垂ロープ5は、下方へ伸び、釣合いおもり上部に取付けられた一対の釣合いおもり吊り車17a,17bに巻き掛けられた後、上方へ伸び、昇降路1上部に設置された懸垂ロープ釣合いおもり側固定部20に至る。
【0012】
次に、懸垂ロープ5とは別個の駆動ロープ7は、昇降路1の上部に設置された駆動ロープ乗りかご側固定部6から、乗りかご2の右側部を通って下方へ伸び、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bに巻き掛けられる。その後、この駆動ロープ7は、乗りかご2の左側部を通って上方へ伸び、乗りかご側第1返し車10に至る。更に、この駆動ロープ7は、乗りかご側第2返し車11及び乗りかご側第3返し車12を経由した後、下方へ伸びて巻上機14の綱車13を経由して再び上方へ伸び、釣合いおもり側返し車16に至る。そして、この駆動ロープ7は、下方へ伸び、釣合いおもり上部に取付けられた一対の釣合いおもり吊り車17a,17bに巻き掛けられた後、上方へ伸び、昇降路1上部に設置された駆動ロープ釣合いおもり側固定部21に至る。
【0013】
また、懸垂ロープ5と駆動ロープ7には、材質など特性の異なるロープがそれぞれ使用されている。つまり、それぞれのロープの機能に適したものが採用され、例えば、懸垂ロープ5には、強度と寿命を考慮したロープを採用し、駆動ロープ7には、摩擦力を考慮したロープを採用することなどが考えられる。
【0014】
このように、駆動ロープ7は、その長さや特性などが懸垂ロープ5と異なっており、懸垂ロープ5よりも全体の伸び量が大きいので、駆動ロープ7に適正な張力が作用しなくなる可能性がある。しかし、本実施例では、駆動ロープ釣合いおもり側固定部21に、駆動ロープ7の伸び量を吸収すると共に、必要な張力を駆動ロープ7に作用させる張力調整装置が設けられている。このため、駆動ロープ7に適正な張力が作用しないことに起因する駆動不能などの不具合の発生を防止することができる。
【0015】
尚、張力調整装置には、リミットスイッチカム22が設けられており、張力調整装置の固定台には、張力異常検出用のリミットスイッチ23が設けられている。また、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bの一方又は両方には、ブレーキ9a,9bが設置されている。そして、駆動ロープ7の伸び量が一定以上に達すると、張力調整装置がこれを検出して、ブレーキ9a,9bの一方又は両方を作動させる。これにより、正常な駆動力が乗りかご2に伝達されないことに起因する異常走行を防止できる。また、同時に巻上機14へ駆動指令を送り、巻上機14を停止させれば、巻上機14の異常動作も防止できる。
【0016】
更に、本実施例では、乗りかご側返し車が3つの返し車で構成され、そのうち釣合いおもり18に近い乗りかご側第3返し車12の鉛直投影が、乗りかご2の鉛直投影の背部に配置され、この乗りかご側第3返し車12の回転軸が、乗りかご側第1返し車10の回転軸及び乗りかご側第2返し車11の回転軸と略垂直となっている。そして、巻上機14の綱車13の回転軸と、釣合いおもり側返し車16の回転軸とが、乗りかご側第3返し車
12の回転軸と略平行となっており、巻上機14の鉛直投影と、釣合いおもり18の鉛直投影とが、乗りかごの鉛直投影の背部に位置している。
【0017】
ここで、本実施例において、返し車に懸垂ロープ5と駆動ロープ7が巻き掛けられている状態としては、1つの返し車に懸垂ロープ5と駆動ロープ7の両方が巻き掛けられている場合に限らない。すなわち、共通の回転軸を有する2つの返し車に、懸垂ロープ5と駆動ロープ7が別個に巻き掛けられる場合も含まれる。
【0018】
また、乗りかご2の右側部とは、エレベーターの乗場側から見て乗りかご2の右の部分を意味し、乗りかご2の背部とは、乗場側から見て乗りかご2の後方の部分を意味する。
【0019】
上述のような本実施例によれば、懸垂ロープ5の長さを、巻上機14の位置によらず、駆動ロープ7と比べて短くできるので、懸垂ロープ5の全体としての伸び量を抑制可能である。このため、エレベーターの昇降行程を拡張することが可能である。また、懸垂ロープ5の摩擦駆動が回避できるので、懸垂ロープ5の長寿命化が可能となる。更に、駆動ロープ7に、必要以上の荷重が作用しないので、巻上機14への負担が軽減でき、結果として、巻上機14の小型軽量化が可能となる。そして、共通の乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車に、懸垂ロープ5及び駆動ロープ7の両方を巻き掛けることにより、設置する返し車の数が少なくてすみ、ローピングが複雑にならないので、エレベーター装置のレイアウトの自由度が増す。
【0020】
また、乗りかご側返し車を3つの返し車で構成し、その配置を工夫することで、巻上機14と釣合いおもり18を乗りかご2の背部に配置でき、巻上機14や釣合いおもり18の配置を昇降路の形状に応じて最適化できる。
【0021】
次に、図3は、本発明の第2の実施例を示すエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。本実施例のエレベーター装置は、第1の実施例と異なり、巻上機が2つ設置されており、駆動ロープ7の一部が第1巻上機14aの綱車13aに巻き掛けられ、駆動ロープ7の他の一部が第2巻上機14bの綱車13bに巻き掛けられている。例えば、駆動ロープ7の総本数を1/2を綱車13aに巻き掛け、残りを綱車13bに巻き掛けてもよい。これにより、大きな駆動力の巻上機を使用しなくても、複数の巻上機を使用することで、大きな駆動力を得ることが可能となる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施例について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本発明の第3の実施例を示すエレベーター装置の昇降路1の平面断面図であり、図5は、本実施例のエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。本実施例のエレベーター装置の昇降路1上部には、乗りかご側返し車25及び釣合いおもり側返し車27が略同じ高さに設けられており、この乗りかご側返し車25と釣合いおもり側返し車27の間に、中間返し車26を有している。
【0023】
本実施例における懸垂ロープ5は、昇降路1の上部に設置された懸垂ロープ乗りかご側固定部4から、乗りかご2の右側部を通って下方へ伸び、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bに巻き掛けられる。その後、この懸垂ロープ5は、乗りかご2の左側部を通って上方へ伸び、乗りかご側返し車25に至る。更に、この懸垂ロープ5は、中間返し車26を経由した後、巻上機14の綱車13を経由せずに、釣合いおもり側返し車27に至る。そして、この懸垂ロープ5は、下方へ伸び、釣合いおもり上部に取付けられた一対の釣合いおもり吊り車17a,17bに巻き掛けられた後、上方へ伸び、昇降路1上部に設置された懸垂ロープ釣合いおもり側固定部20に至る。
【0024】
次に、懸垂ロープ5とは別個の駆動ロープ7は、昇降路1の上部に設置された駆動ロープ乗りかご側固定部6から、乗りかご2の右側部を通って下方へ伸び、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bに巻き掛けられる。その後、この駆動ロープ7は、乗りかご2の左側部を通って上方へ伸び、乗りかご側返し車25に至る。更に、この駆動ロープ7は、下方へ伸びて巻上機14の綱車13を経由して再び上方へ伸び、釣合いおもり側返し車27に至る。そして、この駆動ロープ7は、下方へ伸び、釣合いおもり上部に取付けられた一対の釣合いおもり吊り車17a,17bに巻き掛けられた後、上方へ伸び、昇降路1上部に設置された駆動ロープ釣合いおもり側固定部21に至る。
【0025】
更に、本実施例では、巻上機14の鉛直投影と、釣合いおもり側返し車27の一部の鉛直投影とが、乗りかご2の鉛直投影の左側部に位置し、釣合いおもり18の鉛直投影と、釣合いおもり側返し車27の一部の鉛直投影とが、乗りかご2の鉛直投影の背部に位置している。
【0026】
このように、乗りかご側返し車、釣合いおもり側返し車及び中間返し車の配置を工夫することで、巻上機14を乗りかご2の側部に、釣合いおもり18を乗りかご2の背部にそれぞれ配置でき、巻上機14や釣合いおもり18の配置を昇降路の形状に応じて最適化できる。
【0027】
次に、本発明の第4の実施例について、図6及び図8を用いて説明する。図6は、本発明の第4の実施例を示すエレベーター装置の昇降路1の平面断面図であり、図8は、本実施例のエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。本実施例のエレベーター装置の昇降路1上部には、乗りかご側返し車28a,釣合いおもり側第1返し車29及び釣合いおもり側第2返し車30が略同じ高さに設けられている。
【0028】
本実施例における懸垂ロープ5は、昇降路1の上部に設置された懸垂ロープ乗りかご側固定部4から、乗りかご2の右側部を通って下方へ伸び、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bに巻き掛けられる。その後、この懸垂ロープ5は、乗りかご側返し車28aと巻上機14の綱車13を経由せずに、釣合いおもり側第1返し車29に至る。そして、この懸垂ロープ5は、釣合いおもり側第2返し車30に巻き掛けられた後に下方へ伸び、釣合いおもり上部に取付けられた一対の釣合いおもり吊り車17a,17bに巻き掛けられた後に上方へ伸び、昇降路1上部に設置された懸垂ロープ釣合いおもり側固定部20に至る。
【0029】
次に、懸垂ロープ5とは別個の駆動ロープ7は、昇降路1の上部に設置された駆動ロープ乗りかご側固定部6から、乗りかご2の右側部を通って下方へ伸び、乗りかご2の下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車8a,8bに巻き掛けられる。その後、この駆動ロープ7は、乗りかご2の左側部を通って上方へ伸び、乗りかご側返し車28aに至る。更に、この駆動ロープ7は、下方へ伸びて巻上機14の綱車13を経由して再び上方へ伸び、釣合いおもり側第1返し車29に至る。そして、この駆動ロープ7は、釣合いおもり側第2返し車30に巻き掛けられた後に下方へ伸び、釣合いおもり上部に取付けられた一対の釣合いおもり吊り車17a,17bに巻き掛けられた後に上方へ伸び、昇降路1上部に設置された駆動ロープ釣合いおもり側固定部21に至る。
【0030】
更に、本実施例では、巻上機14の鉛直投影と、釣合いおもり18の鉛直投影と、乗りかご側返し車28aの鉛直投影と、釣合いおもり側第1返し車29及び釣合いおもり側第2返し車30の鉛直投影とが、乗りかご2の鉛直投影の左側部に位置している。
【0031】
このように、乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車の配置を工夫することで、巻上機14と釣合いおもり18を乗りかご2の側部に配置でき、巻上機14や釣合いおもり18の配置を昇降路の形状に応じて最適化できる。
【0032】
ここで、本実施例の懸垂ロープ5は、乗りかご側返し車28aを経由せずに、釣合いおもり側第1返し車29及び釣合いおもり側第2返し車30を経由しているが、乗りかご側返し車と釣合いおもり側返し車のうち少なくとも1つを経由させるものであっても良い。
【0033】
次に、本発明の第5の実施例について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第5の実施例を示すエレベーター装置の昇降路1の平面断面図である。本実施例によっても、巻上機14と釣合いおもり18を乗りかご2の側部に配置できるが、第4の実施例と異なり、乗場側から見て、巻上機14を釣合いおもり18の後方の部分に配置できる。
【0034】
尚、本明細書中では、駆動ロープ7が巻き掛けられる昇降路1上部の返し車のうち、巻上機14と乗りかご2を結ぶ経路に介在するものを乗りかご側返し車と定義し、巻上機
14と釣合いおもり18を結ぶ経路に介在するものを釣合いおもり側返し車と定義した。したがって、乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車は、何個用いても構わない。また、釣合いおもり18上部の釣合いおもり吊り車は、一対でなく1つであっても良いし、巻上機14を設置する高さは、エレベーターの保守効率や性能を考慮して、最良と考えられる位置に配置すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施例を示すエレベーター装置の昇降路の平面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示すエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示すエレベーター装置の昇降路の平面断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示すエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例を示すエレベーター装置の昇降路の平面断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例を示すエレベーター装置の昇降路の平面断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示すエレベーター装置におけるロープの掛け方を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1…昇降路、2…乗りかご、3a,3b…乗りかごガイドレール、4…懸垂ロープ乗りかご側固定部、5…懸垂ロープ、6…駆動ロープ乗りかご側固定部、7…駆動ロープ、
8a,8b…乗りかご吊り車、9a,9b…ブレーキ、10…乗りかご側第1返し車、
11…乗りかご側第2返し車、12…乗りかご側第3返し車、13…綱車、14…巻上機、16,27…釣合いおもり側返し車、17a,17b…釣合いおもり吊り車、18…釣合いおもり、19a,19b…釣合いおもりガイドレール、20…懸垂ロープ釣合いおもり側固定部、21…駆動ロープ釣合いおもり側固定部、22…リミットスイッチカム、
23…リミットスイッチ、24…レールブラケット、25,28a,28b…乗りかご側返し車、26…中間返し車、29…釣合いおもり側第1返し車、30…釣合いおもり側第2返し車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内のガイドレールに沿って乗りかごと釣合いおもりが巻上機により駆動されるエレベーター装置において、前記昇降路上部に設けられた乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車と、前記乗りかご側返し車から前記巻上機の綱車を経由せずに前記釣合いおもり側返し車に巻き掛けられて前記乗りかごと前記釣合いおもりを懸垂する第1ロープと、前記乗りかご側返し車から前記巻上機の綱車を経由して前記釣合いおもり側返し車に巻き掛けられて前記乗りかごと前記釣合いおもりを駆動する第2ロープを備えたことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項2】
昇降路内のガイドレールに沿って乗りかごと釣合いおもりが巻上機により駆動されるエレベーター装置において、前記乗りかごに取付けられた乗りかご吊り車と、前記昇降路上部に取付けられた乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車と、前記釣合いおもりに取付けられた釣合いおもり吊り車と、前記乗りかご吊り車に巻き掛けられ、前記乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車を経由して、前記釣合いおもり吊り車に巻き掛けられた第1ロープと、前記乗りかご吊り車に巻き掛けられ、前記乗りかご側返し車を経由して、前記巻上機の綱車に巻き掛けられ、前記釣合いおもり側返し車を経由して、前記釣合いおもり吊り車に巻き掛けられた第2ロープを備えたことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項3】
昇降路内のガイドレールに沿って乗りかごと釣合いおもりが巻上機により駆動されるエレベーター装置において、前記乗りかごの下部に取付けられた一対の乗りかご吊り車と、前記昇降路上部に取付けられた乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車と、前記釣合いおもりの上部に取付けられた釣合いおもり吊り車と、前記乗りかご吊り車に巻き掛けられ、前記乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車を経由して、前記釣合いおもり吊り車に巻き掛けられた第1ロープと、前記乗りかご吊り車に巻き掛けられ、前記乗りかご側返し車を経由して、前記昇降路の下部に設置された前記巻上機の綱車に巻き掛けられ、前記釣合いおもり側返し車を経由して、前記釣合いおもり吊り車に巻き掛けられた第2ロープを備えたことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記乗りかご側返し車が3つの返し車を有し、そのうち前記釣合いおもりに近い乗りかご側返し車の鉛直投影と、前記巻上機の鉛直投影と、前記釣合いおもりの鉛直投影とが、前記乗りかごの鉛直投影の背部に位置することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項5】
請求項4において、前記釣合いおもりに近い乗りかご側返し車の回転軸と、前記巻上機の綱車の回転軸と、前記釣合いおもり側返し車の回転軸とが、互いに略平行であることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記乗りかご側返し車と釣合いおもり側返し車の間に中間返し車を有し、この中間返し車に前記第1ロープが巻き掛けられており、前記巻上機の鉛直投影と、前記釣合いおもり側返し車の一部の鉛直投影とが、前記乗りかごの鉛直投影の側部に位置し、前記釣合いおもりの鉛直投影と、前記釣合いおもり側返し車の一部の鉛直投影とが、前記乗りかごの鉛直投影の背部に位置することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項7】
昇降路内のガイドレールに沿って乗りかごと釣合いおもりが巻上機により駆動されるエレベーター装置において、前記昇降路上部に設けられた乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車と、前記巻上機の綱車を経由せずに前記乗りかご側返し車と前記釣合いおもり側返し車のうち少なくとも一つに巻き掛けられて前記乗りかごと前記釣合いおもりを懸垂する第1ロープと、前記乗りかご側返し車から前記巻上機の綱車を経由して前記釣合いおもり側返し車に巻き掛けられて前記乗りかごと前記釣合いおもりを駆動する第2ロープを備え、前記巻上機の鉛直投影と、前記釣合いおもりの鉛直投影と、前記乗りかご側返し車及び釣合いおもり側返し車とが、前記乗りかごの鉛直投影の側部に位置することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記第1ロープの特性が前記第2ロープの特性と異なることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記第2ロープの張力を調整する手段が、前記第2ロープの端部に設けられていることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、前記巻上機は、少なくとも第1巻上機と第2巻上機を有し、前記第2ロープの一部が前記第1巻上機の綱車に巻き掛けられ、前記第2ロープの一部が前記第2巻上機の綱車に巻き掛けられていることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、前記第2ロープの伸び量が一定以上に達すると、前記乗りかごの吊り車に設けられたブレーキが作動することを特徴とするエレベーター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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