説明

エレベータ位置決めのための電磁気/超音波点呼/応答(EURA)システム

エレベータかご室(37)のための位置決めシステムは、信号(39)を受信するための固有のIDを有し、かつその固有のIDと信号が等しいときに超音波信号を発信するトランスポンダ・モジュール(10)を含み、位置の特定が信号の持続時間に基づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波およびRF信号を使用して可動プラットフォームの位置を確定するための装置および方法に関する。より詳細に述べれば、本発明は、動作中のエレベータかごの位置を測定できるように、トランシーバおよびトランスポンダ・モジュールの位置を定める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
位置参照システム(Positioning Reference System PRS)は、エレベータ昇降路内におけるエレベータかごの高速かつ正確な位置測定を提供するエレベータ・コントロール・システムのコンポーネントである。多くの現存するPRSは、エレベータ・モータ、ガバナ、または独立したシーブに取り付けられたエンコーダを基礎としている。これらのPRSは、スリップ、ロープの伸び、サブシステム内の機械的損耗、および/または建物の揺れによって生じるエンコーダの読取値と実際の位置の間における差異を欠点として有する。この差異を最小化するためには、乗場の実際の位置およびレベリング・ゾーンを示す何らかの固定された既知の基準ポイントを基礎として頻繁な補正を実施する必要がある。ベーン読取機およびベーンからなるベーン・システムが、これらの基準ポイントならびにその検出手段を提供する。このベーン・システムの単純な機能を考えると、整備員が各階のエレベータ昇降路内にベーンを取り付けるために材料費に10ドル、取り付けに0.5時間、調整に約0.1時間を要することから、ベーン・システムは極めてコスト高率が低い。全体的に見て、現存するPRSにおけるもっとも重要な問題は、性能対コスト比が高いことである。
【0003】
現存するPRSの欠点に応え、短縮してPURISと呼ばれる受動型超音波RF‐IDシステム(Passive Ultrasonic RF−ID Systems)が開発された。しかしながらPURISシステムは、追加の難題をもたらしている。たとえば、超音波を介したワイヤレス給電は、トランスポンダの起動に充分でないことがある。それに加えて空気力学的干渉が位置決め性能をかなり低下させることがある。
【0004】
これらの問題点のそれぞれは、RFIDシステムにおけるようにRFを用いてトランスポンダに給電することによって、また各ドアフレームに2つではなく4つのトランスポンダ(PURIs)を使用することによって技術的に解決することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら2つの解決策は充分に良好であるが、最初の解決策は固体RFIDシステムのカスタム製造を必要とし、2番目は結果として得られるシステムの材料コストがほぼ2倍になることから、必要以上にコスト高となり得る。ワイヤ給電は、最初の問題を容易に解決することができる。しかしながら、それでもまだPURISフレームワークにおける2番目の問題は解決できない。
【0006】
したがって、材料、設置、および保守のためのコストが低い高精度位置決め手段が求められている。
【0007】
本発明の目的は、超音波およびRF信号を使用して可動プラットフォームの位置を確定するための装置ならびに方法を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による位置決めシステムは、固有のIDをそれぞれ有するとともに、コードを含む電磁信号を受信し、かつそのコードが固有のIDに等しいときに超音波信号を発信する複数のトランスポンダ・モジュール、少なくとも3つの超音波信号受信機のセットを少なくとも1つ有するとともに、コード化された電磁信号を少なくとも1つ発信し、かつ超音波信号を受信するトランシーバ・モジュール、コード化された電磁信号の発信と少なくとも3つの超音波受信機による超音波信号の受信との間における持続時間を測定するための手段、および、この持続時間からトランシーバ・モジュールの位置を特定するための手段を有する。
【0009】
本発明による可動プラットフォームの位置を測定するための装置は、コード化されたRF信号を受信するべく設けられたRF受信機、超音波信号を発信するべく設けられた超音波送信機、および演算ユニットを含む複数のトランスポンダ・モジュール、および、コード化されたRF信号を発信するべく設けられたRF送信機、超音波信号を受信するべく設けられた複数の超音波受信機、コード化されたRF信号の発信と複数の超音波受信機による超音波信号の受信との間における複数の持続時間を測定するための計時機構、およびこれらの複数の持続時間を処理するための演算機構を含む可動プラットフォームに取り付けられた少なくとも1つのトランシーバ・モジュールを有する。
【0010】
本発明による可動プラットフォームの位置を測定するための方法は、コード化されたRF信号を受信し、かつ超音波信号を発信するための複数のトランスポンダ・モジュールを固定位置に配置するステップ、1つのコード化されたRF信号を発信し、かつ複数の超音波受信機を用いて超音波信号を受信する少なくとも1つのトランシーバ・モジュールを配置するステップ、コード化されたRF信号を発信するステップ、コード化されたRF信号を受信し、それに応答して超音波信号を発信するステップ、複数の超音波受信機を用いて超音波信号を受信するステップ、コード化されたRF信号の発信と複数の超音波受信機による超音波信号の受信との間における複数の持続時間を測定するステップ、およびこれらの持続時間からトランシーバ・モジュールの位置を特定するステップを含む。
【0011】
さらに別の本発明による可動プラットフォームの位置を測定するための方法は、コード化されたRF信号を発信するべく設けられたRF送信機、超音波信号を受信するべく設けられた複数の超音波受信機、コード化されたRF信号の発信と超音波信号の受信との間における複数の持続時間を測定するための計時機構、およびこれらの複数の持続時間を処理して位置を計算するための演算機構を有する少なくとも1つのトランシーバ・モジュールを可動プラットフォームに取り付けるステップ、コード化されたRF信号を受信するべく設けられたRF受信機、超音波信号を発信するべく設けられた超音波送信機、および演算ユニットをそれぞれ有する複数のトランスポンダ・モジュールを固定位置に配置するステップ、および複数のトランスポンダ・モジュールの1つによって受信されるコード化されたRF信号をトランシーバ・モジュールから発信するとともに、計時機構を起動するステップ、複数のトランスポンダ・モジュールの1つによってコード化されたRF信号を受信し、それに応答して超音波信号を発信するステップ、発信された超音波信号を、複数の超音波受信機を用いて受信するステップ、コード化されたRF信号の発信と複数の超音波受信機による超音波信号の受信との間における少なくとも3つの持続時間を、計時機構を使用して測定するステップ、および固定された位置および少なくとも3つの測定された持続時間を使用して可動プラットフォームの位置を計算するステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、電磁気/超音波点呼/応答(electromagnetic/ultrasonic roll−calling/answering EURA)システムを開示する。
【0013】
EURAシステムは、好ましくは各乗場ごとに1つ設けられる複数のトランスポンダ・モジュール、およびエレベータかご室に取り付けられるトランシーバ・モジュールからなる。本発明の開示で一例として使用される電磁波は、無線周波数(RF)波である。しかしながら、そのほかのマイクロ波あるいは光などの電磁波を、このコンセプトの具体化のために使用することもできる。ここではエレベータについて説明しているが、本発明がそれに限定されることはない。むしろ本発明は、あらゆる可動プラットフォームと共に使用されるEURAシステムに向けられている。
【0014】
図1を参照すると、本発明のトランスポンダ・モジュールが例示されている。このトランスポンダ・モジュール10は、RF受信機11、狭ビーム角超音波送信機13、および演算ユニット15から構成される。トランスポンダ・モジュール10は、以下に説明するとおり、エレベータ昇降路に沿って各ドアフレーム・シールの同一位置にあらかじめ設置される。トランスポンダ用の給電線17もまた、あらかじめドアフレーム内に適切に設置される。ここで使用する場合、「あらかじめ設置する」という表現は、エレベータ昇降路の外側で行われる設置を意味する。トランスポンダ・モジュール10の超音波送信機13は、すべてが上向きに、あるいはすべてが下向きに取り付けられる。以下に述べるトランシーバ・モジュール内の超音波センサは、超音波送信機13の向く方向の逆向き、すなわちすべてが下向きに、またはすべてが上向きになる。ここでは、トランスポンダ・モジュール10が上向きになり、トランシーバ・モジュールが下向きになるものとする。
【0015】
RF受信機11は、あらかじめ決定済みの周波数信号をトランシーバ・モジュールから受け取り、それを復調してコードを抽出し、そのコードを演算ユニット15へ送信する。このコードは、演算ユニット内に格納された固有のID番号と比較される。この固有のIDについては、それをあらかじめ決定すること、特別な学習モードにおいてトランスポンダに学習させること、あるいは整備員が現場で設定することのうちのいずれも可能である。コードがID番号と同一であれば、演算ユニットが超音波送信機13をトリガし、超音波信号を送信させる。ここでは、各トランスポンダ・モジュール用に電源が備わっていると仮定する。
【0016】
任意の2つの隣接するトランスポンダ・モジュール10の間の距離は、Xm内に制限される。これは、Xmを超えて離隔される2つの隣接するトランスポンダ・モジュール10の間には、1または複数のトランスポンダ・モジュール10が設置されなければならないことを意味する。好ましくは、階床間の距離は約3.5mであり、例外として天井高の高い1階、あるいは急行ゾーン等がある。したがって、Xを3.5に設定することができる。しかしながらXは、EURAシステムの動作の提供に充分な任意の距離とすることができる。このパラメータは、以下に述べるトランシーバ・モジュール20のための別のパラメータの設定に使用される。
【0017】
図2を参照すると、本発明のトランシーバ・モジュール20が例示されている。トランシーバ・モジュール20は、2つのRF送信機回路21、2つの複合超音波受信機23、23’、および2つの別々の演算ユニット25からなる。次の図面は、コンポーネントを示している。図示された好ましい実施態様において、回路の重複は法規で求められる冗長性のためであり、回路の一方のセットは、正常位置決めおよび正常終点停止デバイス(normal terminal stopping device NTSD)機能のために使用され、他方のセットは緊急終点停止デバイス(emergency terminal stopping device ETSD/ETSLD)機能のために使用される。それぞれの複合超音波受信機23、23’は、3つの超音波センサ28のセットを2つ、すなわち27、27’を有し、それらは、他方の受信機23、23’と共有されている。当然のことながら、設計の複雑性とひきかえにより少ないセンサを使用する別のセンサ冗長設計もある。セット内の2つの隣接するセンサ28の間の距離は、好ましくは約10cmとするが、それより小さくすることも可能である。2つのセットの間の距離Yは、次式によって与えられる。
Y>X−Z
ここで、Zは、送信機と受信機の対の間における最大距離を表すシステム・パラメータである。好ましくはZを3mまたは2mまたは1mとする。Zがより小さいということは、測定遅れがより小さいことを意味する。上記の式を満足するパラメータYは、任意の瞬間について、トランシーバ・モジュール20内の2つの超音波センサのセット27、27’の一方からZ未満に位置するトランスポンダ・モジュール10が存在することを保証する。
【0018】
トランシーバ・モジュール20は、あらかじめ設置することが可能であり、またエレベータ昇降路において設置することも可能である。好ましくは、トランシーバ・モジュール20は、かご室37の側方に設置される。
【0019】
ここで、回路のセット27、27’の一方だけについて考える。あらかじめ決定済みの時間ごとに、たとえば10msごとにRF送信機21がトランスポンダ・モジュール20を呼び出す。この時間間隔は、EURAシステムの動作を容易にする充分な任意の長さとすることができる。呼び出しの瞬間が、演算ユニット25、25’によって打刻される。いずれのトランスポンダ・モジュール10が呼び出されるかの決定の詳細については後述する。簡単に述べれば、トランシーバ・モジュール20にもっとも近いトランスポンダ・モジュール10がトランシーバ・モジュール20によって呼び出される。このロジックは、停電の場合を除けば、PRSがかご室37およびトランスポンダ・モジュール10のおおよその位置を知っていることから有効である。
【0020】
トランシーバ・モジュール20は、トランスポンダ・モジュール10を呼び出した後、それぞれの超音波センサにおいて超音波信号を受信するまで待機する。各センサ28におけるそれぞれの受信は、演算ユニット25によって打刻される。
【0021】
演算ユニット25は、かご室位置の計算のために、呼び出しの瞬間ならびに最初から3番目までの受信の時間情報を使用する。この位置計算は、3つの未知の変数、すなわち垂直および水平のかご室位置、および局部的な音響速度が存在するが、3つの超音波センサ28から3つの独立式が得られることから可能である。ここで注意が必要であるが、通信および演算における何らかの遅延によって生じる決定論的な時間バイアスが移動時間(flight time)内に存在する。実際、このシステムの具体化における1つの重要な制約として時間的範囲、すなわちその間に通信の成功が保証される時間的範囲の設定がある。
【0022】
図3に、結果として得られるEURAシステムの構成を詳細に示す。PURISとEURAシステムの間における主要な相違は、トランシーバ20が各トランスポンダ10のID番号を知っており、複数のトランスポンダ10を同時に呼び出すのではなく、そのID番号によって1つのトランスポンダ10だけを呼び出すということであることに再度注意されたい。
【0023】
正常動作においてEURAシステムは、以下のとおりに機能する。
1. トランシーバ・モジュール20は、10ms前のかご室位置および各トランスポンダ・モジュールの絶対位置ならびにIDを知っている。
2. トランシーバ・モジュール20は、超音波センサ28の2つのセット27、27’の間の中心ポイントともっとも近いトランスポンダ・モジュール10を、コード化RF信号39を介して呼び出す。呼び出しの瞬間は打刻される。
3. 各トランスポンダ・モジュール10は、連続的にトランシーバ・モジュール20のリスニングを行っており、受信RF信号39があればデコードし、そのコードとそれ自体のIDを比較する。コードがそれ自体のIDと同一であれば、その超音波送信機13をトリガして超音波信号を送信する。
4. トランシーバ・モジュールは、それぞれの超音波センサ28において超音波信号35の受信を検出し、打刻する。
5. トランシーバは、少なくとも3つの受信打刻を使用してかご室の位置を計算する。この計算は、3つの連立方程式を解く程度に単純であるか、それより複雑なものとなり得る。たとえば、超音波信号がかご室および/またはエレベータ昇降路の壁から反射することから種々のエコーが存在することがある。適応エコー・キャンセルを使用して、このタイプの干渉を低減することができる。
注意:エレベータ昇降路が複数ある場合について、各エレベータ昇降路は、RFおよび超音波信号の周波数の異なるセットを有し、あらゆる種類の信号干渉を最小化する。
【0024】
NTSDおよびETSD動作のために、トランスポンダ・モジュールが、X/2mごとに設置される。このようにすることによって、元の測定遅れを半分に抑えることができる。NTSDおよびETSD領域においては、回路の2つのセット27、27’が、5msの開始時間差を伴って正常位置決め処理を実行する。すなわち、一方のセット27がt=0にトランスポンダ・モジュールを呼び出した後、他方のセット27’がt=5msにおいてその動作を開始する。一方のセットはNTSD用であり、他方はETSD/ETSLD用である。ドプラ効果によって生じた周波数シフトを測定することによって、あるいは位置測定を微分することによって、トランシーバ・モジュールは、かご室の移動速度を計算する。
【0025】
急行ゾーン内の位置決めについては、その急行ゾーンの両端の早期検出のために、トランスポンダ・モジュール10が各急行ゾーンの両端に設置される。底部側の端に取り付けられるトランスポンダ・モジュール10は、長いレンジの超音波送信機を含む。ここでは、そのレンジが急行ゾーン全体をカバーするものと仮定する。それが無理であれば、急行ゾーン内にトランスポンダ・モジュール10を設置する。
【0026】
かご室37が急行ゾーン内に入り、そのゾーンの終端に配置されたトランスポンダ・モジュールを通過した後は、トランシーバ・モジュール20は、位置決めを長いレンジのトランスポンダ・モジュール10に頼る。トランシーバ・モジュール20は、超音波応答の受信まで、より長い待機を必要とする。1つを受信すると、続いてトランスポンダ・モジュール10を再度呼び出す。
【0027】
停電後に位置を回復するために、トランシーバ・モジュール20は、エレベータ昇降路のトップから順にトランスポンダ・モジュール10の点呼を行う。トランスポンダ・モジュール10内のすべての超音波送信機13が上向きであると仮定されていることから、トランシーバ・モジュール20は、トランシーバ・モジュール20内の超音波センサ28の上側セット27より下に位置する最初のトランスポンダ・モジュール10が呼び出されるまで有効な超音波21を検出することができない。望ましくない応答に対する追加の耐故障性は、許容可能応答の時間ゲーティングによって可能である。
【0028】
トランシーバ・モジュール20内の超音波センサの上側セット27より下に位置する最初のトランスポンダ・モジュール10が呼び出されると、トランシーバ・モジュール20は、かご室37の現在位置情報を回復することができる。
【0029】
その結果として本発明は、エレベータ昇降路内のどこでも高精度の位置測定を提供し、位置更新率が高く、最小のエレベータ昇降路設置/調整のために設置/調整コストが低く、単純な構造および機械的損耗がないために保守コストがなく、グローバルな適用可能性のために管理コストが低く、かつ補正走行が必要ない。
【0030】
この開示は、垂直のエレベータ輸送について示されているが、より一般的な、水平および垂直の輸送に対して等しく適用することができる。
【0031】
本発明によれば、可動プラットフォームの位置を確定するための超音波およびRF信号を含む装置およびそれを使用するための方法が提供され、先に示した目的、手段、および利点が完全に満たされることは明らかである。本発明は、その特定の実施態様に関して述べられているが、このほかの変更、修正、および変形についても、以上の説明を読んだ当業者には明らかになるであろう。したがって、それらの変更、修正、および変形が付随する広い特許請求の範囲内に含まれることから、それらを含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のトランスポンダ・モジュールの概略図である。
【図2】本発明のトランシーバ・モジュールの概略図である。
【図3】本発明のEURAシステムの好ましい実施態様の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有のIDをそれぞれ有するとともに、コードを含む電磁信号を受信し、かつ前記コードが前記固有のIDに等しいときに超音波信号を発信する複数のトランスポンダ・モジュールと、
少なくとも3つの超音波信号受信機のセットを少なくとも1つ有するとともに、前記コード化された電磁信号を少なくとも1つ発信し、かつ前記超音波信号を受信するトランシーバ・モジュールと、
前記コード化された電磁信号の発信と、前記少なくとも3つの超音波受信機による前記超音波信号の受信と、の間における持続時間を測定するための手段と、
前記トランシーバ・モジュールの位置を、前記持続時間から特定するための手段と、を有する位置決めシステム。
【請求項2】
前記トランシーバ・モジュールの少なくとも1つは、可動プラットフォームに取り付けられる、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項3】
前記可動プラットフォームはエレベータである、請求項2に記載の位置決めシステム。
【請求項4】
前記音響信号は超音波信号であり、前記電磁信号はRF信号である、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項5】
少なくとも3つの超音波信号受信機のセットを2つ含む、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項6】
可動プラットフォームの位置を測定するための装置であって、
コード化されたRF信号を受信するべく設けられたRF受信機と、
超音波信号を発信するべく設けられた超音波送信機と、
演算ユニットと、を含む複数のトランスポンダ・モジュールと、
コード化されたRF信号を発信するべく設けられたRF送信機と、
超音波信号を受信するべく設けられた複数の超音波受信機と、
前記コード化されたRF信号の発信と、前記複数の超音波受信機による前記超音波信号の受信と、の間における複数の持続時間を測定するための計時機構と、
前記複数の持続時間を処理して前記位置を計算するための演算機構と、を含む前記可動プラットフォームに取り付けられた少なくとも1つのトランシーバ・モジュールと、を有する装置。
【請求項7】
前記可動プラットフォームは中心軸に沿って移動するべく設けられている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記可動プラットフォームはエレベータを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記トランスポンダ・モジュールの少なくとも2つは、複数のドアフレーム上に取り付けられる、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
コード化されたRF信号を受信し、かつ超音波信号を発信する複数のトランスポンダ・モジュールを固定位置に配置するステップと、
1つのコード化されたRF信号を発信し、かつ複数の超音波受信機を用いて前記超音波信号を受信する少なくとも1つのトランシーバ・モジュールを配置するステップと、
前記コード化されたRF信号を発信するステップと、
前記コード化されたRF信号を受信し、それに応答して超音波信号を発信するステップと、
前記複数の超音波受信機を用いて前記超音波信号を受信するステップと、
前記コード化されたRF信号の発信と、前記複数の超音波受信機による前記超音波信号の受信と、の間における複数の持続時間を測定するステップと、
前記持続時間から前記トランシーバ・モジュールの位置を特定するステップと、を含む、位置を特定するための方法。
【請求項11】
前記トランスポンダ・モジュールは、可動プラットフォームに取り付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
可動プラットフォームの位置を測定するための方法であって、
前記可動プラットフォームに少なくとも1つのトランシーバ・モジュールを取り付けるステップを含み、このトランシーバ・モジュールは、
コード化されたRF信号を発信するべく設けられたRF送信機と、
超音波信号を受信するべく設けられた複数の超音波受信機と、
前記コード化されたRF信号の発信と前記超音波信号の受信との間における複数の持続時間を測定する計時機構と、
前記複数の持続時間を処理する演算機構と、を有し、
複数のトランスポンダ・モジュールを固定位置にそれぞれ配置するステップを含み、これらのトランスポンダ・モジュールは、
コード化されたRF信号を受信するべく設けられたRF受信機と、
超音波信号を発信するべく設けられた超音波送信機と、
演算ユニットと、をそれぞれ有し、
前記複数のトランスポンダ・モジュールの1つによって受信される前記コード化されたRF信号を前記トランシーバ・モジュールから発信するとともに、計時機構を起動するステップと、
前記複数のトランスポンダ・モジュールの1つによって前記コード化されたRF信号を受信し、それに応答して超音波信号を発信するステップと、
前記発信された超音波信号を、前記複数の超音波受信機を用いて受信するステップと、
前記コード化されたRF信号の発信と前記複数の超音波受信機による前記超音波信号の受信との間における少なくとも3つの持続時間を、前記計時機構を使用して測定するステップと、
前記固定された位置および前記少なくとも3つの測定された持続時間を使用して前記可動プラットフォームの前記位置を計算するステップと、を含む方法。
【請求項13】
前記複数のトランスポンダ・モジュールの配置は、建物の各階ごとに少なくとも1つの前記トランスポンダ・モジュールを配置するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のトランスポンダ・モジュールの配置は、前記可動プラットフォームが移動する中心軸と平行な線内に少なくとも2つの前記トランスポンダ・モジュールを配置するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記可動プラットフォームに取り付けられる前記少なくとも1つのトランシーバ・モジュールの配置は、前記少なくとも1つのトランシーバ・モジュールをエレベータかごに配置することを含む、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−526554(P2006−526554A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500611(P2005−500611)
【出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/016936
【国際公開番号】WO2004/108574
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】