説明

エンジン軸受への損傷を検出する方法

【課題】回転しているエンジンの少なくとも1つの回転シャフトを支持する軸受の損傷を検出する。
【解決手段】エンジンの低速度運転での継続可能な動作の間、シャフトの回転速度の範囲に対応する測定区間を定めること(S1)、測定区間全体にわたってエンジンの部品の加速度を表す振動信号を取得すること(S2)、測定区間中のシャフトの回転速度の関数として振動信号をサンプリングすること(S3)、サンプリングした振動信号を周波数信号に変換し、シャフトの回転速度の関数として周波数スペクトル線を取得すること(S4)、スペクトル線の振幅の平均を計算すること(S5)、損傷を受けたローラの理論的周波数の倍数周辺の振幅ピークを求めること(S6)、各振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比を計算すること(S7)、および得られた比を少なくとも1つの所定の損傷閾値と比較すること(S8)、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、エンジンの少なくとも1つの回転シャフト、例えば、航空機ターボ機械のインターシャフト軸受のための回転支持を提供する軸受における摩耗を監視する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受(ボール軸受またはローラ軸受)は航空分野において、詳細にはターボ機械の高圧および低圧スプールのシャフトの回転支持を提供するために通常用いられる。
【0003】
軸受へのあらゆる早期損傷を検出し、したがって、軸受の破壊または重大な故障を予測するために、ターボ機械の軸受の摩耗を監視する必要がある。
【0004】
ターボ機械の軸受の摩耗を監視する知られている方法の1つは、軸受への損傷に起因する周波数が、シャフト、すなわち軸受によって支持されるシャフトの回転速度に比例し、この周波数がターボ機械の部品を経由した振動の形態で伝播する原理に基づく。したがって、この方法は高速で運転中のターボ機械の部品の振動レベルを調査することから構成される。この目的のために、方法は完全な航行サイクル中の振動信号を得ることを提供し、この信号はターボ機械の部品の振動を検出することのできる1つ以上の振動センサから得られる。したがって、軸受への損傷は、健全な軸受を表す所定の閾値を超え、そのための共通の要因が識別された振動レベルに基づいて検出される。例えば、そのような方法の実施を記載するEP1111364号を参照することができる。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1111364号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、損傷を受けた軸受の試験によって、損傷はそのような方法を用いて常に検出されるとは限らないことが判明した。振動センサからの測定は、ターボ機械の高速運転で自然に振動している(燃焼ノイズ、空気力学的流れに起因するノイズ、高圧および低圧シャフトの回転速度の多くの高調波など)環境によって「汚染され」、これは損傷の特性である振動レベルの識別を困難にする。
【0006】
したがって、本発明の主目的は、エンジンの少なくとも1つの回転シャフトの回転支持を提供する軸受への損傷を信頼性高く検出可能にする方法を提案することによってそのような欠点を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、
(a)エンジンの低速度運転での継続可能な動作(renewable activity)の間、シャフトの回転速度の範囲に対応する測定区間を定めること、
(b)測定区間全体にわたってエンジンの部品の加速を表す振動信号を取得すること、
(c)測定区間中のシャフトの回転速度の関数として振動信号をサンプリングすること、
(d)サンプリングした振動信号を周波数信号に変換し、シャフトの回転速度の関数としての周波数スペクトル線を取得すること、
(e)スペクトル線の振幅の平均を計算すること、
(f)損傷したローラの理論的周波数の倍数周辺の振幅ピークを求めること、
(g)各振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比を計算すること、および
(h)得られた比を少なくとも1つの所定の損傷閾値と比較すること、
から構成される方法によって達成される。
【0008】
本発明の方法は、特に、エンジンの低速度回転での継続可能な動作の間に、振動信号の取得と処理を提供することが注目すべき点である。したがって、振動環境はノイズによる汚染が少なく(例えば、ターボ機械では、燃焼および空気力学的流れに伴うノイズが少ない)、それによって検出の信頼性が高くなる。さらに、エンジンの低速度運転時に、軸受への損傷特性である理論的周波数はそれらが高速のときよりも低いことが判明しており、これは高速度時よりも低速度時に軸受損傷の示唆をより多く観察できることを意味する。その結果、軸受への損傷を特に早期に検出することができる。
【0009】
本発明の有利な特徴によれば、ステップ(h)は、得られた比を低い損傷閾値と比較することから構成され、比が低損傷閾値よりも大きければ、それを高損傷閾値と比較して、軸受の受けた可能性のある損傷程度を求めることである。
【0010】
測定区間を定めるために選択されたエンジンの低速運転での継続可能な動作は、エンジンが始動または停止される間の段階に相当することができる。始動および停止段階はエンジンの低速運転に相当しそれらは継続可能である。特に、ターボ機械を始動または停止段階の間に本発明の方法を適用することは多くの追加の利点を与える。軸受の緩みはこれらの段階で締まる傾向があり、それによって軸受の損傷の示唆が増幅され、したがって、損傷の検出が容易になる。本方法は、例えば、ターボ機械の中断された始動を開始させることによって、低コストおよび必要に応じて実施することができる。
【0011】
本発明の方法は、エンジンの2つの回転シャフトの回転支持を提供する軸受で用いることができる。そのような環境の下で、測定区間は低速度回転のエンジン動作中の2つのシャフトの1つの回転速度の範囲に相当し、振動信号は測定区間中の2つのシャフトの回転速度の差の関数としてサンプリングされる。
【0012】
ステップ(f)は損傷したローラの理論的周波数の偶数整数倍数周辺の振幅ピークを求めることができる。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、非制限的な実施を示す添付図面を参照して行われる以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すれば、エンジンの少なくとも1つの回転シャフトの回転支持を提供する転がり軸受への損傷を検出する本発明による方法を構成するステップが示される。
【0015】
一般に、本発明は、少なくとも1つの回転シャフトおよび少なくとも1つの転がり軸受を有し、低速度での継続可能な動作(始動段階、停止段階、アイドリング、低速度サイクルなど)を示す任意の種類のエンジンに適用される。そのようなエンジンの中で、例えば、飛行機またはヘリコプターのガスタービンエンジン(ターボ機械と称する)、地上ガスタービン、ギアボックス、車軸エンジンなどを挙げることができる。
【0016】
本発明の基とする原理は、軸受損傷に起因する周波数が軸受によって支持される回転シャフトの回転速度に比例することである。この周波数は、それ自体、特に基本周波数で振動しているエンジンの部品を経由して加速度センサに伝達されるものと仮定する。
【0017】
本発明による方法の第1ステップ(S1)は、エンジンの低速度運転での継続可能な動作中に、シャフトの回転速度Nの範囲に相当する測定区間Pを定めることである。
【0018】
次のステップ(S2)は全ての測定区間Pにわたってエンジンの部品の加速を表す振動信号γ(t)を得ることである。そのような信号はエンジンの静止部品に予め設置された加速度センサ(例えば、加速度計またはひずみ計)から来る。
【0019】
続いて、ステップS3の間に、測定区間P中の振動信号γ(t)がシャフトの回転速度Nの関数としてサンプリングされる。
【0020】
次のステップ(S4)はサンプリングされた振動信号を周波数信号に変換してシャフトの回転速度Nに応じた順序で周波数スペクトル線を得ることであり、これはNによって順序付けしたスペクトル図を表すことである。
【0021】
次いで、スペクトル線の振幅の時間平均を計算し(ステップS5)、損傷を受けた軸受の複数の理論的周波数Ftheoの倍数周辺に位置する振幅ピークを調べる(ステップS6)。
【0022】
次いで、各振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比Rを計算し(ステップ7)、少なくとも1つの所定の損傷閾値と比較する(ステップS8)。この比較の結果に応じて、軸受が損傷しているか健全であるかを示すことができる。
【0023】
ここで、本発明による方法のさまざまなステップの1つの特定の実施形態を示すフローチャートを示す図2を参照する。
【0024】
この特定の実施形態において、航空機ターボ機械のインターシャフト軸受中のローラ軸受への損傷の検出に注目されたい。例えば、そのようなインターシャフト軸受はターボ機械の高圧スプールの回転シャフトに対する低圧スプールの回転シャフト用の回転支持を提供する。
【0025】
また、そのようなターボ機械において、本発明はステータに対する単一回転シャフトの回転支持を提供するボール軸受またはローラ軸受の損傷の検出に用いることもできる。
【0026】
さらに、本発明の方法の以下に説明する特定の実施形態は、ターボ機械の継続可能な段階である停止段階および低速度での運転に適用される。本方法はまた、ターボ機械運転の任意の他の継続可能な低速度段階(例えば、始動段階)に適用することもできる。
【0027】
以下の説明において、N1およびN2はそれぞれターボ機械の低圧シャフトの回転速度と高圧シャフトの回転速度であり、これらのシャフトは軸受によって支持される。
【0028】
本発明による方法の第1ステップ(E1)は、ターボ機械の停止中に、ターボ機械の2つのシャフトの1つについて回転速度の範囲に対応する測定区間Pを定めることである。
【0029】
ターボ機械について、測定区間Pは高圧シャフトの回転速度N2の関数として定義され、回転速度の範囲は分当たり数百回転(rpm)の程度の低い閾値と数千rpm程度の高い閾値の間の範囲内にある。
【0030】
次のステップ(E2)は、測定区間P全体にわたって低圧と高圧シャフトの回転速度N1とN2を表すデジタル信号、およびターボ機械の部品の加速度を表す振動デジタル信号γ(t)を得ることである。
【0031】
回転速度N1とN2はシャフト上に配置された速度センサ(例えば、デジタルタコメータなど)を用いて測定される。振動信号γ(t)は、通常通り、例えば、ターボ機械のファンの平衡を助けるためにターボ機械の静止部品上に配置された加速度センサから来ることができる。速度および加速度センサから来るデジタル信号は、この種の信号を処理するのに適したソフトウェアを有するコンピュータに送られる。
【0032】
実施において、ターボ機械の停止命令の試験が肯定の結果を与え(ステップE1−1)、高圧シャフトの回転速度N2が測定区間Pに定めた高い閾値よりも降下すると(ステップE1−2)、振動信号γ(t)の取得が開始する。高圧シャフトの回転速度N2が所定の低い閾値よりも降下すると振動信号γ(t)の取得は直ちに停止する(ステップE2−1)。
【0033】
次のステップ(E3)は、適切なソフトウェアを用いて高圧シャフトの回転速度N2と低圧シャフトの回転速度N1との間の差に相当する時間f(t)の関数を計算することである。この関数f(t)は、その後のステップに適用されるローパスフィルタの遮断周波数を計算するのに使用するため、および信号のサンプリングのためである。
【0034】
図3は、停止中のターボ機械の低圧シャフトと高圧シャフトの回転速度N1とN2の曲線を示す。また、この図はこれらの2つの回転速度間の差f(t)に相当する曲線N2−N1も示す。
【0035】
次いで、ステップE4において、f(N2−N1)に相当する遮断周波数をもつローパスフィルタが振動信号γ(t)に適用される。このローパスフィルタの適用はターボ機械の基本周波数ならびにその高調波成分を除去する働きをする。
【0036】
次のステップ(E5)は、以前に濾波された振動信号γ(t)、時間を表す信号、回転速度N1およびN2を表す信号といったデジタル信号をf(t)の関数として(すなわち、測定区間P中の2つのシャフト間の回転速度の差(N2−N1)の関数として)サンプリングすることである。このサンプリングは(N2−N1)の大きさに関する分解能が一定である信号を生成する働きをする。
【0037】
そのようなサンプリングに基づいて、次のステップ(E6)は、N2−N1の関数として整理した周波数スペクトル線を得るために、サンプリングされた振動信号を周波数信号に変換(フーリエ変換を用いて)する。これはN2−N1の倍数に整理した振動周波数を示すスペクトル図を確立することに等しい。図4は、高圧シャフトの回転速度N2が数千rpmから数百rpmに降下する間のターボ機械のそのようなスペクトル図(「ピークg」(pg)で表わされる)を示す。
【0038】
信号のサンプリングと周波数変換によるスペクトル図表示のステップE5およびE6は当業者にはよく知られており、したがって、それらは本明細書には詳細が説明されない。それらはコンピュータによって実行される演算ソフトウェアを用いて実施される。
【0039】
次に、スペクトル図のスペクトル線の振幅平均がステップE7で計算される。図5は、図4に示したスペクトル図に基づくそれらの平均の計算結果を示す。図5において、振幅のピークは、スペクトル図の水平線に対応することを見ることができる。その結果、(N2−N1)の関数として整理されないものは全て平均の効果によって弱まり、したがって、N2−N1の関数として整理された現象の出現、例えば、インターシャフト軸受の欠陥を表すことができる。
【0040】
この平均の計算および損傷を受けたローラの理論的周波数Ftheoの前の計算から開始して(ステップE7−1)、損傷を受けたローラの理論的周波数Ftheoの倍数周辺の振幅ピークがステップ8の間に求められる。そのような振幅ピークは軸受への損傷を特徴付ける。
【0041】
損傷を受けたローラの理論的周波数Ftheoの倍数は、図5に示すようにFtheoの偶数整数倍数とすることができる(図5において、理論的周波数Ftheoの偶数倍数である周波数は水平の点線で表わされる)。あるいは、これらの倍数は理論的周波数の非整数倍数および/または、奇数倍数とすることができる。
【0042】
インターシャフト軸受について、損傷を受けたローラの理論的周波数Ftheoは次の式を適用して計算される:
theo=(D/(2d))(N2−N1)(1−(d/D)
式中、Dは軸受の公称直径であり、dはローラの直径であり、N1とN2はそれぞれ2つのシャフトの回転速度である。
【0043】
一般に、軸受の損傷についての理論的周波数は軸受の幾何形状、ローリング要素の数、およびシャフトの回転速度に依存する関数である。この種の計算は当業者によく知られている。
【0044】
次に、このようにして求められた各振幅ピークと健全な軸受によって定まる振幅レベルとの間の比Rが計算され(ステップE9)、この比Rを少なくとも1つの所定の損傷閾値(例えば、1)と比較して、軸受が損傷しているかどうかを求める。
【0045】
この目的のために、さまざまな異なる健全なエンジンで評価された平均と試験中のさまざまな異なる取得から、健全なベアリンについての振幅レベルが求められる。損傷閾値については、それらは、損傷を受けた軸受での試験から、または閾値を定めるべき軸受に類似した損傷を受けた軸受での経験から定められる。
【0046】
本発明の有利な特徴において、振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比Rは、最初にステップE9−1で低い損傷閾値Slow(例えば、3)と比較され、次に、ステップE9−2で高い閾値Shi(例えば、10)と比較され得る。比Rが低い損傷閾値Slow未満であれば、軸受は健全であると考えられる。対照的に、比RがSlowよりも大きければ、軸受は損傷を受けていると考えられる。次いで、損傷の程度を求めるために、比Rは高い損傷閾値Shiと比較され、比がShi未満であれば軸受はわずかに損傷を受けていると考えられ、比がShiよりも大きければ軸受は大きく損傷を受けていると考えられる。
【0047】
図6Aから図6Cは、どのようにしてそのような有利な特性が適用されるかを示す。これらの図は、耐久試験中に異なる段階についての損傷を受けた軸受について、本発明による方法によって得られた結果を示す。それらが、上述のステップを用いて、ターボ機械のインターシャフト軸受耐久試験の異なる段階について表したスペクトル図に基づいて実施された平均計算を示す点で、それらは図5に類似している。
【0048】
図6Aにおいて、損傷を受けたローラについての理論的周波数の偶数倍数周辺の水平線の振幅ピークと良好なローラについて求めた振幅レベルとの間の比Rは、低い損傷閾値Slo未満である。結果として、このように解析された軸受は健全であると考えられる。
【0049】
図6Bにおいて、振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比Rは、低い損傷閾値Sloよりも大きいが、高い損傷閾値Shi未満である。したがって、軸受はわずかに損傷を受けていると考えられる(また、耐久試験の開始時に損傷を受けていた軸受であるとも言える)。
【0050】
最終的に図6Cにおいて、振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比Rは、低い損傷閾値Slowよりも大きく、高い損傷閾値Shiより大きい。したがって、軸受は大きく損傷を受けていると考えられる(また、耐久試験の終わりに損傷を受けた軸受であるとも言える)。
【0051】
当然ながら、軸受により受けた損傷の程度をさらに詳細にするために、2よりも大きい損傷閾値のいくつかの数と比Rを比較することも考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による方法の実施形態のさまざまなステップを示す図である。
【図2】航空機ターボ機械におけるインターシャフトの転がり軸受の損傷を検出するのに適用される、本発明による方法のさまざまなステップを示すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートの応用実施例を示すグラフである。
【図4】図2のフローチャートの応用実施例を示すグラフである。
【図5】図2のフローチャートの応用実施例を示すグラフである。
【図6A】図2のフローチャートの応用実施例を示すグラフである。
【図6B】図2のフローチャートの応用実施例を示すグラフである。
【図6C】図2のフローチャートの応用実施例を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの少なくとも1つの回転シャフトの回転支持を提供する軸受への損傷を検出する方法であって、
(a)エンジンの低速度運転での継続可能な動作の間、シャフトの回転速度の範囲に対応する測定区間を定めること(S1)、
(b)測定区間全体にわたってエンジンの部品の加速度を表す振動信号を取得すること(S2)、
(c)測定区間中のシャフトの回転速度の関数として振動信号をサンプリングすること(S3)、
(d)サンプリングした振動信号を周波数信号に変換し、シャフトの回転速度の関数として周波数スペクトル線を取得すること(S4)、
(e)スペクトル線の振幅の平均を計算すること(S5)、
(f)損傷を受けたローラの理論的周波数の倍数周辺の振幅ピークを求めること(S6)、
(g)各振幅ピークと健全な軸受について求めた振幅レベルとの間の比を計算すること(S7)、および
(h)得られた比を少なくとも1つの所定の損傷閾値と比較すること(S8)、
から構成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
ステップ(h)が、得られた比を低損傷閾値と比較(S8)し、比が低損傷閾値よりも大きければ、それを高損傷閾値と比較して、軸受の受けた可能性のある損傷程度を求めることから構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
測定区間を定めるために選択されたエンジンの低速度回転での継続可能な動作が、エンジンの始動段階または停止段階に相当する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
軸受が回転中のエンジンの2つの回転シャフトを支持し、
測定区間が、エンジンの低速度回転での動作中に2つのシャフトの1つの回転速度の範囲に相当し、
振動信号が、測定区間中の2つのシャフトの回転速度間の差の関数としてサンプリングされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(f)が、損傷を受けたローラの理論的周波数の偶数倍数周辺の振幅ピークを求める(S6)ことから構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate


【公開番号】特開2008−249699(P2008−249699A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−52051(P2008−52051)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】