説明

オイルゲル化粧料

【課題】自然なツヤ感の演出及び使用性に優れたメークアップ化粧料を提供する。
【解決手段】油脂70〜93質量%と、粉体5〜20質量%とを含有するオイルゲル化粧料に於いて、平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラスを含有することによって、オイルゲル化粧料の硬度が安定に維持され使用性に優れる。更にリップカラーとして使用した場合、この鱗片状ガラスにより自然なツヤ感を演出する効果に優れたメークアップ化粧料を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルゲル化粧料に関し、さらに好適には使用性に優れ、かつ自然なツヤを付与する機能を有する化粧料に好適な、オイルゲル化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
多量の液体油脂を、一様に分散した少量のワックスが作るゲル構造で構造を持たせた、所謂オイルゲル化粧料は、構造の堅さ故に高比重の粉体を安定に保てる為、必要に応じて、粉体からなる色材なども分散出来る剤形である。このような化粧料には、隠蔽力など粉体の光学効果によりシミ、しわ等の肌のトラブルをカバーすることはもとより、その要求品質としては、肌色を健康的に見せる効果も存する。特に、リップカラー等の口唇用の化粧料においては、美しい色味ののりに加えて唇に自然なツヤを与えることにより、唇をより健康的に見せる効果が求められている。通常はかかるツヤは液体脂の鏡面反射効果を利用するので、その構造維持の為にはワックス構造が必要であった。しかしながら、かかるワックス構造が液体脂の鏡面反射効果を損なうことが少なくなく、構造の安定化とツヤの向上が相反命題となっていた。
【0003】
かかる相反性を打開する一つの方法として、チタンマイカや鱗片状ガラスなどのパール剤の添加により、鏡面反射性を高める方法が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、この方法においては、パール剤が扁平な形状をしているが故に、油脂との相互作用により、皮膚上での摩擦係数を高くし、のびを損なうなどの使用上の課題が新たに生じた。加えて、ワックス分によって、干渉光効果が充分に生かされない場合が存する実状も現存する。また、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコールなど分岐脂肪酸、分岐アルコールのエステル等の液体脂を含有させて、オイルゲルの使用時のツヤを向上させる方法は既に知られている(例えば、特許文献2、特許文献3を参照)。しかしながら、この様な系に於いても、前述のパール剤に起因する使用性の低下と、ワックス分による干渉光阻害は避けられないのも現状であった。
【0004】
一方、オイルゲル化粧料に鱗片状ガラスを含有せしめる技術は既に知られている(例えば、特許文献4を参照)が、この技術においても、前記課題は厳然として存在している。他方、鱗片状ガラスの性状を特定することにより、前記課題を解決しようとする試みは為されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−212719号公報
【特許文献2】特表2005−510496号公報
【特許文献3】特開2005−213204号公報
【特許文献4】特開2007−277108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、オイルゲル化粧料に於いて、使用性を損なうことなく優れたツヤを具現化する手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、オイルゲル化粧料に於いて、使用性を損なうことなく優れたツヤを具現化する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス1〜10質量%を含有せしめることにより、この様な肌、唇に自然なツヤを充分に与え、健康的な印象を演出する油性固形化粧料が得られることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1> 油脂70〜93質量%と、粉体5〜20質量%とを含有するオイルゲル化粧料に於いて、平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス1〜10質量%を含有することを特徴とする、化粧料。
<2>前記油脂中に含有されるワックス分は、5〜10質量%であることを特徴とする、<1>に記載の化粧料。
<3>前記油脂中に、分岐脂肪酸乃至は分岐アルコールのエステルからなる液体脂を35〜45質量%含有することを特徴とする、<1>又は<2>に記載の化粧料。
<4>メークアップ化粧料であることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の化粧料。
<5>口唇用であることを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載のオイルゲル化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オイルゲル化粧料に於いて、使用性を損なうことなく優れたツヤを具現化する手段を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明の化粧料の必須成分である鱗片状ガラス
本発明の化粧料は、油脂70〜93質量%と、粉体5〜20質量%を含有するオイルゲル化粧料であって、平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%を必須成分として含有することを特徴とする。かかる鱗片状ガラスは、国際公開公報WO2007/119395号に開示されている、二酸化珪素が52質量%以上、アルカリ金属酸化物が5質量%以下の鱗片状体質顔料である。本発明の化粧料に用いる鱗片状ガラスの平均粒径は、コールターカウンターを用いて用いることができるが、5〜30μmが好ましく、10〜25μmがさらに好ましい。又、該鱗片状ガラスの表面はハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付、シリル化処理等シリコーン等で処理されていても良い。このような鱗片状ガラスには既に市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することもできる。かかる市販品としては、平均粒径が10μmの「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD010FY−F01」、平均粒径が25μmの「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」、平均粒径が25μmでシリコーン処理された「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F12」(いずれも日本板硝子株式会社製)等が好ましく例示できる。かかる市販品は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。かかる成分は、本発明の油性固形化粧料において、オイル中でのワックス結晶の分散性に優れる為、かかる鱗片状ガラスと炭化水素ワックス組成物とを混合して用いた場合、自然なツヤを演出することを可能ならしめる。さらに、ワックスの微細結晶によりその光学効果を減ずることが少ないので、安定性上必要量のワックス結晶を含有できるので、本発明の油性固形化粧料の硬度の経時維持率を高くすることも可能となる。ここで、硬度の経時維持率はカードメーターを用いて測定した針入硬度値から、下記の計算式により計算される。
【0010】
(針入硬度の経時維持率)=(一定温度条件放置後に20℃で測定した針入硬度)/(調製直後に20℃で測定した針入硬度)
(ただし、放置温度条件;10℃に12時間放置したのち50℃に12時間放置する。該サイクルを繰り返し、30日間放置する。)
【0011】
前記該鱗片状ガラスの含有量が少なすぎると、ワックス結晶の分散性が悪くなって使用性が低下し硬度の経時維持率が低くなってしまう場合が存し、多すぎると自然なツヤが失われぎらつき感が生じる場合が存するので好ましくない。また前記の平均粒径であれば、鱗片状ガラスとワックス、油脂分の相互作用により使用性を損なうこともない。
【0012】
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、油脂70〜93質量%と、粉体5〜20質量%を含有するオイルゲル化粧料であって、前記必須成分を含有することを特徴とする。また、本発明の化粧料においては、かかる成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧料で使用される任意成分を含有することができる。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、ワセリン等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、赤酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH 、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等、フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
【0013】
かかる任意成分の内、特に好ましいものは炭化水素ワックス類である。この様な炭化水素ワックスの構成要素としては、セレシンとマイクロクリスタリンワックスが好ましく例示できる。かかる炭化水素ワックス組成物は、本発明の油性固形化粧料において硬度維持に働くが、かかる成分を、化粧料全体に対して、5〜10質量%、より好ましくは7〜9質量%含有させることが好ましい。これは少なすぎると固形化粧料としての構造を形成できない場合が存し、多すぎると硬くなりすぎて使用性が悪くなる場合などが存したりするためである。また、セレシンは化粧料全体に対して、3.0〜8.0質量%が好ましく、5〜7質量%がさらに好ましく例示でき、マイクロクリスタリンワックスは化粧料全体に対して、1.5〜2.5質量%が好ましく、1.7〜2.1質量%がさらに好ましく例示できる。さらに、かかる成分と前記鱗片状ガラスとの質量比は、炭化水素ワックス組成物1質量部に対して鱗片状ガラス0.1〜0.7質量部が適当である。この比の領域においては、ワックス分によって鱗片状ガラスの光学的効果を損なうこともない。
【0014】
更に、前記炭化水素ワックスの構造安定化効果を損なわず、ツヤ付与効果を奏する成分である、分岐脂肪酸乃至は分岐アルコールのエステルからなる液体脂が好ましく例示できる。分岐脂肪酸残基としては炭素数10〜30の分岐脂肪酸残基が好ましく例示でき、例えば、2−エチルヘキサン酸残基(オクタン酸残基)、イソパルミチン酸残基、イソステアリン酸残基などが好適に例示でき、中でも2−エチルヘキサン酸残基、イソステアリン酸残基が好ましく例示でき、分岐アルコール残基としては、2−エチルヘキシルアルコール残基(オクチルアルコール残基)、イソステアリルアルコール残基、オクチルドデシルアルコール残基、、デシルドデシルアルコール残基などが好適に例示でき、2−エチルヘキシルアルコール残基とイソステアリルアルコール残基が特に好ましく例示できる。また、エステルの対になる酸又はアルコール部分としてはグリセリン残基、或いは、ジグリセリン残基、トリグリセリン残基、テトラグリセリン残基などのポリグリセリン残基、エチレングリコール残基、1,2−ヘキサンジオール残基、プロピレングリコール残基、ネオペンチルグリコール残基などのグリコール類残基、ペンタエリスリトール残基、リンゴ酸残基、乳酸残基、クエン酸残基等のヒドロキシカルボン酸残基等が好適に例示できる。具体的には、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリングリセリド、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等が好適に例示できる。かかる成分は何れも液体脂であり、鏡面反射増強効果を有する。かかる成分は総量で35〜45質量%含有することが好ましく、40〜45質量%含有することがより好ましい。
【0015】
以下に、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことはいうまでもない。
【実施例】
【0016】
<実施例1〜6>
表1に示した処方に従って、本発明のオイルゲル化粧料である、リップカラーを作製した。即ち、処方成分を90℃で加熱溶解させ、これを加温型の3本ロールに通し、金型に流し入れ、冷却固化させ、本発明のオイルゲル化粧料であるリップカラー1〜6を得た。同様にして、リップカラー1の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を平均粒径が80μmの鱗片状ガラスである「メタシャインMC1080RS」(日本板硝子株式会社製)に置換した比較例1を、リップカラー1の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を球状粉体である「シリコーンKSP−300」(信越化学株式会社製)に置換した比較例2も作製した。
【0017】
【表1】

【0018】
<試験例>リップカラーの官能評価
実施例1〜6、比較例1及び2のリップカラーを唇に塗布した場合の使用感を評価した。すなわち熟練した評価者5名により実施例1〜6、比較例1及び2のリップカラーを使用した場合の仕上がりを以下の観点で評価し5名の平均点を評点とした。結果を表2に示す。また、針入硬度の経時維持率も併せて表2に示す。
1.唇へのあたりのなめらかさ(ある;5 ややある;4 普通;3 ややない;2 ない;1)
2.自然なツヤ感(ある;5 ややある;4 普通;3 ややない;2 ない;1)
3.仕上がりの均一性(良い;5 やや良い;4 普通;3 やや悪い;2 悪い;1)
【0019】
【表2】

【0020】
試験例より、本発明のリップカラーは唇へのあたりのなめらかさ、自然なツヤ感及び仕上がりの均一性でともに優れた効果を有し、かつ硬度維持率が高いために使用性が低下する等の問題も生じず、オイルゲル化粧料として優れることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明はリップカラーなどのメークアップ化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂70〜93質量%と、粉体5〜20質量%とを含有するオイルゲル化粧料に於いて、平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス1〜10質量%を含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記油脂中に含有されるワックス分は、5〜10質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記油脂中に、分岐脂肪酸乃至は分岐アルコールのエステルからなる液体脂を35〜45質量%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
メークアップ化粧料であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
口唇用であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のオイルゲル化粧料。

【公開番号】特開2010−254581(P2010−254581A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102645(P2009−102645)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】