説明

オスモチンを含有する化粧品組成物

【課題】抗老化作用を有する化粧品組成物を提供する。
【解決手段】オスモチンまたはオスモチン断片を含有することを特徴とする化粧品組成物。化粧品組成物はさらに、美白剤、抗老化剤、保湿剤、紫外線吸収剤、抗菌剤を含有することができる。化粧品組成物は、化粧品、医薬部外品、医療用品または衛生用品として利用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オスモチンまたはオスモチン断片を有効成分とする化粧品組成物に関するものであり、特に、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品に利用されるものである。
【背景技術】
【0002】
個体老化やこれに伴って発生する各種の疾患などは、分裂するすべての細胞の老化(分裂速度の低下、細胞機能の低下)と深く関わっている。例えば皮膚は、表皮細胞、繊維芽細胞、およびこれら細胞外の皮膚構造を支持するエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリックスによって構成されている。若い皮膚においては、これらの皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことによって水分保持、柔軟性、弾力性が確保され、肌は外観的にも張りと艶があり、みずみずしい状態に維持される。ところが、加齢や紫外線、乾燥、ストレスなどによって特に細胞外マトリックスや繊維芽細胞の機能低下が引き起こされ、その結果、皮膚の柔軟性、保湿機能は低下し、肌は張りや艶を失い、荒れ、しわ、くすみなどの老化症状が発生する。
【0003】
細胞レベルで老化防止や抑制を目的に細胞賦活化剤、抗老化剤の探索が行われている。例えば動物由来の細胞賦活化剤としては、結合組織加水分解物(特許文献1)、胸腺・脾臓由来水溶性蛋白(特許文献2)、牛胎盤エキス(特許文献3)などが知られている。植物由来の細胞賦活化剤としては、ゴマ、サンヤク、トウガラシ、トウキ、ドクダミ、バクモンドウ(特許文献4)、アーモンド、セイヨウタンポポ、セイヨウニワトコ、センキュウ、センブリ、ソウハクヒ、トウニン、ニンジン、ホップ、ムクゲ、ヨクイニン(特許文献5、特許文献6)、ショウガ科ウコン属(特許文献7)、ハナヤスリ科ハナヤスリ属(特許文献8)の抽出物などが知られている。これらの一部は細胞賦活化剤、抗老化剤として医薬部外品や化粧品に利用されているが、満足すべき作用効果を発揮する細胞賦活化剤や抗老化剤は得られていない。
【0004】
また、肌荒れを予防または治癒する検討もなされている。肌荒れとは、一般に角質細胞の剥離現象が認められる乾燥状態の皮膚をいう。このような肌荒れはコレステロール、セラミド、脂肪酸等の角質細胞間脂質の溶出、および紫外線、洗剤等に起因する角質細胞の変性や表皮細胞の増殖・角化バランスの崩壊による角層透過バリアの形成不全等によって発生する。この肌荒れを予防または治癒する目的で、角質細胞間脂質成分又はそれに類似する合成の角質細胞間脂質を供給するなどの検討が行われている。
【0005】
この角層細胞間脂質は、有棘層と顆粒層の細胞で生合成された層板顆粒が、角層直下で細胞間に放出され、伸展し、層板(ラメラ)構造をとり、細胞間に広がったものである。層板顆粒はグルコシルセラミド、コレステロール、セラミド、リン脂質等から構成されるが、角層細胞間脂質にはグルコシルセラミドは殆ど含まれていない。すなわち、層板顆粒中のグルコシルセラミドは、β−グルコセレブロシダーゼによって加水分解を受け、セラミドに変換され、このセラミドがラメラ構造をとる結果、角層細胞間脂質として角層透過バリアの形成を改善し、肌荒れ防御のバリアの働きを持つと考えられる。洗浄剤による肌荒れにはセラミドの補充が有効であり、肌荒れの改善に高い効果を示すことが報告されている(非特許文献1)。
【0006】
しかし、グルコシルセラミドが主成分である植物抽出液は、セラミドの代替としては未だ満足のいく結果は得られていないし、セラミドの合成も反応ステップが多いため、セラミドを大量に得るにはコスト高になる。
【0007】
オスモチンは植物が浸透圧ストレスに応答して発現するPR−5ファミリー・タンパク質であり、種々の生理作用が報告されている(非特許文献2)。また、非特許文献2にはタバコ由来オスモチンが、ヒト、マウスなどにおいて脂肪細胞から分泌され、抗メタボリックシンドローム作用を有する球状アディポネクチンと立体構造上の相同性を示すことが記載されている。さらに、タバコ由来オスモチンの受容体PHO36は酵母のAdipoRホモログであることが記載されている。
【0008】
加えて、非特許文献2には、骨格筋モデル細胞であるC2C12を用いた検討により、オスモチンは、アディポネクチンと同様に、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)をリン酸化させうることが記載されている。また、オスモチンによるAMPKのリン酸化活性はAdipoRの発現低下に伴って減弱することが示されている。そのため、オスモチンはAdipoRを介してAMPKをリン酸化している可能性が示唆されている。
【0009】
しかし、オスモチンまたはオスモチン断片の抗老化効果はこれまで報告されていなかった。
【特許文献1】特開昭62−84024号公報
【特許文献2】特開昭63−188697号公報
【特許文献3】特開平03−141299号公報
【特許文献4】特開平10−45615号公報
【特許文献5】特開平10−036279号公報
【特許文献6】特開平10−36279号公報
【特許文献7】特開2004−75632号公報
【特許文献8】特開2005−89375号公報
【非特許文献1】ジャーナル オブ バイオサイエンス アンド バイオエンジニアリング,94,187(2002)
【非特許文献2】モレキュラー セル,17,171(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
哺乳類、特にヒトに対して細胞賦活化作用や抗老化作用を付与することは極めて重要な課題であり、動物由来、植物由来の細胞賦活化物質や抗老化剤は各種見つかっているが、実際には産業上利用可能な程度に十分かつ安定した効果は得られておらず、新規な細胞賦活化剤や抗老化剤が探索されているのが現状である。
【0011】
本発明の目的は、上記問題点を改善した、抗老化作用、保湿作用、コラーゲン生成促進作用、細胞賦活化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などを有する化粧品組成物を提供することにある。さらに、本発明の目的は、当該化粧品組成物を含む化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意努力した結果、オスモチンまたはオスモチン断片を含む化粧品組成物により、抗老化効果が得られるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(10)の発明を包含する。
(1)オスモチンまたはオスモチン断片を含有することを特徴とする化粧品組成物。
(2)オスモチンまたはオスモチン断片が天然資源から抽出されたものであることを特徴とする(1)に記載の化粧品組成物。
(3)オスモチンまたはオスモチン断片がDNA組換え技術を用いて製造されたものであることを特徴とする(1)に記載の化粧品組成物。
(4)さらに、美白剤、抗老化剤、保湿剤、紫外線吸収剤及び抗菌剤からなる群から選択された少なくとも1種の化粧品配合剤を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧品組成物。
(5)美白剤が、メラニン生成抑制剤、メラニン分解促進剤および/またはメラニン輸送阻害剤であることを特徴とする(4)に記載の化粧品組成物。
(6)抗老化剤が、抗炎症剤および/または抗酸化剤であることを特徴とする(4)に記載の化粧品組成物。
(7)保湿剤が、親水性保湿剤および/または親油性保湿剤であることを特徴とする(4)に記載の化粧品組成物。
(8)紫外線吸収剤が、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であることを特徴とする(4)に記載の化粧品組成物。
(9)抗菌剤が有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であることを特徴とする(4)に記載の化粧品組成物。
(10)化粧品、医薬部外品、医療用品、または衛生用品として利用されるものであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の化粧品組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物により、保湿作用、コラーゲン生成促進作用、細胞賦活化作用、抗老化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などの効果を有する、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品を提供することできる。
【0015】
また、本発明の化粧品組成物で使用するオスモチンまたはオスモチン断片は植物由来であるため安全性に優れており、本発明の化粧品組成物は長期にわたる使用に十分に耐えることができる。さらに、オスモチンまたはオスモチン断片は、DNA組換え技術により製造できるため原料コストが安価であり、大量生産が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で使用するオスモチンまたはオスモチン断片は、天然資源から抽出するか、DNA組換え技術を用いて製造してもよく、プレミックス品として使用してもよい。
【0017】
天然資源から抽出したオスモチンとは、植物において浸透圧ストレスにより誘導されるオスモチンであり、オスモチン断片とは前記オスモチンの部分配列を指す。オスモチンおよびオスモチン断片は、具体的にはタバコから抽出することが可能であるが、特にこれに限定されず、例えば、ジャガイモ、トマト、ピーマン、あるいはトウガラシからも抽出することができる。
【0018】
また、DNA組換え技術により製造されたオスモチン、すなわちオスモチン組換えタンパク質(以下、単に「本発明にかかる組換えタンパク質」ともいう)は、天然では浸透圧ストレスによって誘導されるオスモチン(以下、「オスモチン」または「Osm」ともいう)の組換えタンパク質であって、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(以下、「AMPK」ともいう)をリン酸化する活性(以下、「AMPKリン酸化活性」ともいう)を有するものである。AMPKリン酸化活性は、Osmが有する生理活性の1つである。したがって、本発明にかかる組換えタンパク質は、AMPKリン酸化活性以外の生理活性を有していてもよい。AMPKリン酸化活性以外の生理活性としては、例えば、抗菌活性が挙げられる。本明細書において、「タンパク質のAMPKリン酸化活性」とは、該タンパク質をAMPKに作用させた時の全AMPK(以下、「total−AMPK」または「t−AMPK」ともいう)中、リン酸化を受けたAMPK(以下、「p−AMPK」ともいう)の割合によって表わされる。つまり、t−AMPK中、p−AMPKの割合が高いほど、該タンパク質のAMPKリン酸化活性が高いことを示す。なお、AMPKリン酸化活性は、本明細書に記載されている方法により測定することができる。本明細書中で使用される場合、用語「タンパク質」は、「ポリペプチド」または「ペプチド」と交換可能に使用される。
【0019】
本発明で使用する組換えタンパク質は、例えば、植物、大腸菌、酵母、真菌類、昆虫、および哺乳類等を宿主として製造されることが好ましく、中でも、大腸菌を宿主として製造されることがより好ましい。
【0020】
本発明で使用する組換えタンパク質は、上述したように、AMPKリン酸化活性を有する。上記AMPKリン酸化活性は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。ここで、本発明で使用する組換えタンパク質の構造について具体的に説明する。本発明で使用する組換えタンパク質としては、例えば、GenBankにアクセション番号CAA43854(タバコ由来)、AAU95241(ジャガイモ由来)、AAC64171(トマト由来)、CAC34055(ピーマン由来)、あるいはAAP86781(トウガラシ由来)として登録されているアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができる。また、本発明で使用する組換えタンパク質は、ポリペプチド以外の構造を含む複合ポリペプチドであってもよい。本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド以外の構造」としては、糖鎖およびイソプレノイド基等を挙げることができるが、特に限定されない。さらに、本発明で使用する組換えタンパク質は、N末端またはC末端に付加的なポリペプチドを含むものであってもよい。付加的なポリペプチドとしては、例えば、His、Myc、Flag等のエピトープ標識ポリペプチドや、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)タグが挙げられる。必要に応じて、これらの付加的なポリペプチドを利用して、本発明で使用する組換えタンパク質のアフィニティー精製を行ってもよい。
【0021】
また、一実施形態において、本発明で使用する組換えタンパク質は、Osmの変異体でありうる。つまり、例えば、GenBankにアクセション番号CAA43854、AAU95241、AAC64171、CAC34055、あるいはAAP86781として登録されているアミノ酸配列からなるポリペプチドの変異体でありうる。具体的には、例えば、GenBankにアクセション番号CAA43854として登録されているアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができる。なお、本明細書中においてタンパク質またはポリペプチドに関して用いられる場合、用語「変異体」は、AMPKリン酸化活性を有するポリペプチドが意図される。
【0022】
また、上記変異体には、欠失、挿入、逆転、反復、およびタイプ置換(例えば、親水性残基の別の残基への置換、しかし通常は強い親水性の残基を強い疎水性の残基には置換しない)を含む変異体が含まれる。特に、ポリペプチドにおける「中性」アミノ酸置換は、一般的にそのポリペプチドの活性にほとんど影響しない。
【0023】
また、好ましい変異体として、保存性もしくは非保存性アミノ酸置換、欠失、または付加を有する変異体が挙げられる。このような変異体もまた、本発明で使用する組換えタンパク質のAMPKリン酸化活性を変化させない。代表的な保存性置換としては、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、およびIleの中での1つのアミノ酸から別のアミノ酸への置換;ヒドロキシル残基SerとThrの間の交換、酸性残基AspとGluの間の交換、アミド残基AsnとGlnの間の置換、塩基性残基LysとArgの間の交換、ならびに芳香族残基PheとTyrの間の置換を挙げることができる。
【0024】
ポリペプチドを構成するアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸が、このポリペプチドの構造または機能に有意に影響することなく容易に改変され得ることは、当該分野において周知である。
【0025】
当業者は、周知技術を使用してポリペプチドのアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸を容易に変異させることができる。例えば、公知の点変異導入法に従えば、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の塩基を変異させることができる。また、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の部位に対応するプライマーを設計して欠失変異体または付加変異体を作製することができる。さらに、本明細書中に記載される方法を用いれば、作製した変異体が所望のAMPKリン酸化活性を有するか否かを容易に決定することができる。
【0026】
また、本発明にかかる組換えタンパク質は、一実施形態として、GenBankにアクセション番号CAA43854として登録されているアミノ酸配列の第1位〜第225位からなるアミノ酸配列からなるポリペプチドでありうる。OsmにおいてC末端側の20アミノ酸残基からなるポリペプチドは、タンパク合成後、液胞へ輸送されるためのシグナル配列であり、削除してもOsmの活性には影響しないことが報告されている。したがって、上記ポリペプチドもまた、AMPKリン酸化活性を有するため、本発明で使用する組換えタンパク質に含まれる。
【0027】
さらに、本発明で使用する組換えタンパク質は、別の実施形態として、GenBankにアクセション番号CAA43854として登録されているアミノ酸配列の第2位〜第245位からなるアミノ酸配列からなるポリペプチド;GenBankにアクセション番号CAA43854として登録されているアミノ酸配列の第2位〜第225位からなるアミノ酸配列からなるポリペプチドでありうる。
【0028】
オスモチンまたはオスモチン断片は、プレミックス品として使用してもよい。「プレミックス品」とは機能性の素材の他に、分散剤などを添加したり、溶媒で化粧品製造時に使いやすいように希釈したりしたものである。
【0029】
オスモチンおよびオスモチン断片は、単独で使用してもよいが、2種以上を併用することもできる。
【0030】
化粧品組成物中のオスモチンまたはオスモチン断片の添加量は、オスモチンまたはオスモチン断片の有する作用を損なわない範囲で添加すれば良く、通常0.001〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。ここで、化粧品組成物に添加する前記オスモチンまたはオスモチン断片の使用形態は任意である。例えば、オスモチンまたはオスモチン断片を天然あるいはDNA組換え技術を用いた宿主からの抽出物のまま、あるいは精製した高純度品、もしくは水に懸濁し、あるいはエタノール等の有機溶媒に溶かした後使用してもよい。
【0031】
本発明の化粧品組成物は、オスモチンまたはオスモチン断片以外に、化粧品配合剤として、美白剤、抗老化剤、保湿剤、紫外線吸収剤及び抗菌剤からなる群から選択された少なくとも1種の化粧品配合剤を含有してもよい。これらの化粧品配合剤により、美白効果、保湿効果、紫外線吸収効果及び抗菌効果を付加することができる。また、抗老化剤については、オスモチンまたはオスモチン断片との相乗効果が期待できる。
【0032】
本発明の化粧品組成物は、オスモチンまたはオスモチン断片以外に、美白剤を含有してもよい。美白剤は、メラニン生成抑制剤、メラニン分解促進剤および/またはメラニン輸送阻害剤であってもよい。
【0033】
美白剤としては、L−アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン及びその誘導体、ルシノール、エデト酸及びその誘導体、並びに胎盤抽出物、t−AMCHA、アセロラエキス、エイジツエキス、エラグ酸またはその誘導体、火辣エキス、カミツレエキス,カミツレ花エキス・(尿素)、キウイエキス、グルタチオン、トコトリエノール、フェルラ酸、ラズベリーケトン、ルシノール、ウワウルシエキス、ジパルミチン酸ピリドキシン、イオウ、コウジ酸またはその誘導体、グルコサミンまたはその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸またはその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物またはその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス等が例示される。
【0034】
これらの美白剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
本発明の化粧品組成物は、オスモチンまたはオスモチン断片以外に、さらに他の抗老化剤を含有してもよい。抗老化剤は、抗炎症剤および/または抗酸化剤であってもよい。
【0036】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、イソプロピルアミノカプロン酸及びその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノールが例示され、抗酸化剤としては、αカロチン、βカロチン、γカロチン、リコピン、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザシクロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、dトコフェロール、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート等のタンニン類、ルチン等のフラボノイド、その他没食子酸プロピル、アスタキサンチン、カロチン、トコフエロール、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、ジビチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、メチルシラノールジオレイルトコフェロール・無水ケイ酸混合物、ニコチン酸ベンジル、感光素401号、アスパラギン酸、アデノシン三リン酸2Na、アミノ酪酸、ウイキョウエキス、オランダカラシエキス、カフェイン、クロレラエキス、サフランエキス、ショウキョウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、葉酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシトール、ウコンエキス、オリザノール、カロチン、カロットエキス、コムギ胚牙エキス、センキュウエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、ドダミエキス、トコフエロール、ニコチン酸トコフエロール、ボタンエキス、エルゴカルシフェロール、ジカプリル酸ピリドキシン、バチルアルコール、ステアリン酸グリチルレチニル、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、塩化リゾチーム、アミノカプロン酸、レイシエキス、ヨクイニン、メリロートエキス、ボタンエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、センキュウエキス、ゲンノショコエキス、アラントイン、アルニカエキス、アルニカ花エキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オドリコソウエキス、ガマ穂エキス、カミツレエキス、カラミン、カワラヨモギエキス、甘草エキス、グアイアズレン、クチナシエキス、クマザサエキス、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、コンフリー葉エキス、酢酸トコフエロール、サリチル酸メチル、酸化亜鉛、シコンエキス,ムラサキ根エキス、シソエキス、シソ葉エキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、スイカズラエキス、セージエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、トウキンセンカエキス、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、フユボダイジュエキス、モモ葉・果実エキス、ヤグルマギクエキス、ユキノシタエキス、ヨモギエキス、レタスエキス、ローマカミツレエキス、ワレモコウエキス及びカカロール、ポリアミン等が例示される。
【0037】
これらの抗老化剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
本発明の化粧品組成物は、オスモチンまたはオスモチン断片以外に、保湿剤を含有してもよい。保湿剤としては、親水性保湿剤および/または親油性保湿剤であればよく、親水性保湿剤として、アミノ酸,ペプチド,蛋白質,高級アルコール及びこれらの誘導体,親油性保湿剤として、リン脂質 ,糖 脂質 ,ステロイド類を用いてもよい。
【0039】
保湿剤としては、ピリドンカルボン酸ナトリウム、グリコール、グリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール、ソルビトール、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、その他セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸またはそのエステル類、エイコサペンタエン酸またはそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物またはその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、ピロリドンカルボン酸、トマトエキス、ツバキ油、大豆リン脂質、ヒアルロン酸、トレオニン、グリコール酸アンモニウム、アルギン酸メチルシラノール、ヨクイニン、トウキエキス、トウキ根エキス、ダイズエキス、アスパラガスエキス、DNA−Na、PCA−Na、RNA−Na、アシタバエキス、アスパラギン酸、アマチヤエキス、アラニン、アルギニン、アルギン酸Na、アルテアエキス、アロエベラエキスー、オイスタエキス、オオムギバクガエキス、カキ葉、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキオリン、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、加水分解シルク、加水分解ダイズタンパク、褐藻エキス、カリンエキス、キイチゴエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、キュウリ果実エキス、グアバ菓エキス、クインスシードエキス、グリシン、グリセリン、グルコース、グレープフルーツエキス、グレープフルーツ果実エキス、クレマティスエキス、ゴボウエキス、コメ発酵液、コンドロイチン硫酸Na、魚コラ一ゲノ、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、グリセリン、シスチン、システイン、スギナエキス、ゼニアオイエキス、セリン、ソルビトール、ダイズタンパク、トマトエキス、乳酸Na、乳酸桿菌、ダイズ醗酵エキス、尿素仰/ノバラエキス・アーモンド浬、コーン油、ハチミツ、ヒアルロン酸Na、フクノエキス、ベタイン、ヘチマエキス、マルチトール、マルトース、マンニトール、ユリエキス、ラクトフェリン、リシン、リンゴエキス、レンゲソウエキス、ローヤルゼリー、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール1000、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソブチル、ヘキシルデカノール、乳酸ミリスチル、ラノリン脂肪酸、トリカプリルグリセリル、オレイルアルコール、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、還元ラノリン、オクチルドデカノール、アーモンド油、アボカド油、オリーブ油、オレイン酸、オレンジラフイー油、カカオ脂、カロットエキス、ゴマ油、サザンカ油、サフラワー油、ジヒドロコレステロール、スクワラン、ステアリン酸コレステリル、セラミド2、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、セフニド3、ヒマワリ種子油、ハイブリッドヒマワリ油、フィトスフィンゴシン、ブドウ種子油、ホホバ油、ホホバ種子油、ミネラルオイル、ミンク油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユーカリ葉油、ラノリン、リノール酸、ローズヒップ油、ワセリン及びポリグルタミン酸等が例示される。
【0040】
これらの保湿剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
本発明の化粧品組成物は、オスモチンまたはオスモチン断片以外に、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などを使用しても良い。
【0042】
紫外線吸収剤として、安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸およびその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルフォン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸エチル、トプチルメトキシジペンゾイルメタン、オキシベンゾン−1、グアイアズレンスルホン酸エチル、酸化亜鉛、シノキサート、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートなどが例示される。
【0043】
これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
本発明の化粧品組成物は、オスモチンまたはオスモチン断片以外に、抗菌剤を含有してもよい。抗菌剤は、有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であってもよい。
【0045】
抗菌剤としては、オウバク抽出液、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸およびそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体などが例示される。
【0046】
これらの抗菌剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
オスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物の形態は特に制限されない。したがって、固体、液体、ペースト、ゼリー、粉末などのいずれの状態をとるものであってもよい。このような状態を形成するために、例えばゲル化剤を用いて固化したり、液体を用いて分散状態にしたりすることができる。また、溶媒を添加して溶液にしたり、噴霧乾燥して粉末状にしたりすることもできる。
【0048】
例えば、本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は化粧品として使用することができる。化粧品としては、化粧石鹸、シャンプー、洗顔料、リンス、アイクリーム、アイシャドウ、クリーム・乳液、化粧水、香水、おしろい、化粧油、頭髪用化粧品、染毛料、練香水、パウダー、パック、クレンジングクリーム、ひげそり用クリーム、ひげそり用ローション、日焼けオイル、日焼け止めオイル、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ファンデーション、粉末香水、ほお紅、マスカラ、眉墨、爪クリーム、美爪エナメル、美爪エナメル除去液、洗毛料、浴用化粧品、口紅、リップクリーム、アイライナー、歯磨き、デオドラント剤、オーデコロン、養毛剤および育毛剤などが例示される。また、本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、軟膏剤や湿布剤などとして使用することもできる。
【0049】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物には、使用目的に応じて様々な成分をさらに添加させておくことができる。
【0050】
例えば、オスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、非イオン性界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、油類、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル、シリコーンなどに溶解して用いてもよい。
【0051】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0052】
POE系の親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0053】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0054】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0055】
油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油およびその硬化油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンが挙げられる。
【0056】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などが挙げられる。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等が挙げられる。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等が挙げられる。
【0057】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、化粧品以外に、医薬部外品、医療用品、衛生用品に配合して利用されることができる。
【0058】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物を、医薬部外品、医療用品、衛生用品の形態で実施する場合、剤形は限定されず、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、丸剤、錠剤、固形剤、液剤、ゲル、気泡、乳液、クリーム、軟膏、シート、ムース、浴用剤など多様なものとすることができる。
【0059】
医薬部外品、医療用品、衛生用品としては、例えば内用・外用薬用製剤、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パックなどの基礎化粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、整髪料、パーマ剤、ヘアートニック、染毛料、育毛・養毛料などの頭髪化粧料、ファンデーション、白粉、おしろい、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、眉墨、まつ毛などのメークアップ化粧料、美爪料などの仕上げ用化粧料、香水類、浴用剤、その他、歯磨き類、口中清涼剤・含嗽剤、液臭・防臭防止剤、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュなどが挙げられる。また、本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、軟膏剤や湿布剤などとして使用することもできる。
【0060】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が期待できる限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0061】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、医薬部外品、医療用品、衛生用品に使用される成分や添加剤を併用して配合することができる。これらの成分や添加剤としては、ロウ類、鉱物油、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、金属セッケン、ガム質および水溶性高分子化合物、界面活性剤、ビタミン類、アミノ酸、動物あるいは植物、生薬の抽出物やエキス、微生物培養代謝物、α−ヒドロキシ酸、無機顔料、収斂剤、殺菌・消毒薬、頭髪用剤、香料、色素・着色剤、甘味料、栄養強化剤などが挙げられる。
【0062】
例えば、ロウ類としては、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウなどが挙げられる。
【0063】
例えば、鉱物油としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス、ポリエチレン末、スクワレン、スクワラン、プリスタンなどが挙げられる。
【0064】
例えば、脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸などの合成脂肪酸が挙げられる。
【0065】
例えば、アルコール類としては、エタノール、イソピロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの天然アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール、酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、バチルアルコール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール、ブドウ糖、ショ糖などの多価アルコール類などが挙げられる。
【0066】
例えば、エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどが挙げられる。
【0067】
例えば、金属セッケンとしては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛などが挙げられる。
【0068】
例えば、ガム質および水溶性高分子化合物としては、アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシアルキルキチン、キトサン、ヒドロキシアルキルキチン、低分子キトサン、キトサン塩、硫酸化キチン、リン酸化キチン、アルギン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイドまたはその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
【0069】
例えば、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アミン塩、四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤(カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤)、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤などが挙げられる。
【0070】
例えば、ビタミン類としては、ビタミンA群ではレチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群では、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群では、アスコルビン酸およびその誘導体、ビタミンD群では、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群では、トコフェロールおよびその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群では、フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)などが挙げられる。
【0071】
例えば、アミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンなどや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、あるいはピロリドンカルボン酸の如きアミノ酸誘導体などが挙げられる。
【0072】
例えば、動物あるいは植物、生薬の抽出物やエキスとしては、アセンヤク(阿仙薬)、アシタバ、アセロラ、アルテア、アルニカ、アボカド、アマチャ(甘茶)、アロエ、アロエベラ、イラクサ、イチョウ(銀杏葉、銀杏)、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金)、ウスバサイシン(細辛)、ウメ(烏梅)、ウラジロガシ、ウワウルシ、ノイバラ(営実)、ヒキオコシ(延命草)、オウギ(黄耆)、コガネバナ(オウゴン)、ヤマザクラ(桜皮)、キハダ(黄柏)、オウレン(黄連)、オタネニンジン(人参)、オトギリソウ(弟切草)、オドリコソウ、オランダガラシ、オレンジ、イトヒメハギ(遠志)、ウツボグサ(夏枯草)、ツルドクダミ(何首烏)、エンジュ(槐花)、ヨモギ(ガイ葉)、ガジュツ(莪朮)、クズ(葛根)、カノコソウ(吉草根)、カミツレ、キカラスウリ(瓜呂根)、カワラヨモギ(茵チン蒿)、カンゾウ(甘草)、フキタンポポ(款冬花、款冬葉)、キイチゴ、キウイ果実、キキョウ(桔梗)、キク(菊花)、キササゲ(梓実)、ミカン属植物果実(枳実)、タチバナ(橘皮)、キュウリ、ウドまたはシシウド(羌活、独活)、アンズ(杏仁)、クコ(地骨皮、枸杞子、枸杞葉)、クララ(苦参)、クスノキ、クマザサ、グレープフルーツ果実、ニッケイ(桂皮)、ケイガイ(ケイガイ)、エビスグサ(決明子)、マルバアサガオまたはアサガオ(ケン牛子)、ベニバナ(紅花)、ゴバイシ(五倍子)、コンフリー、コパイバ、クチナシ(山梔子)、ゲンチアナ、ホオノキ(厚朴)、ヒナタイノコズチ(牛膝)、ゴシュユ(呉茱萸)、ゴボウ、チョウセンゴミシ(五味子)、米、米ぬか、コムギ、ミシマサイコ(柴胡)、サフラン、サボンソウ、サンザシ(山ザ子)、サンショウ(山椒)、サルビア、サンシチニンジン(三七人参)、シイタケ(椎茸)、ジオウ(地黄)、シクンシ(使君子)、ムラサキ(紫根)、シソ(紫蘇葉、紫蘇子)、カキ(柿蒂)、シャクヤク(芍薬)、オオバコ(車前子、車前草)、ショウガ(生姜)、ショウブ(菖蒲)、トウネズミモチ(女貞子)、シモツケソウ、シラカバ、スイカズラ(金銀花、忍冬)、セイヨウキヅタ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウニワトコ、アズキ(赤小豆)、ニワトコ(接骨木)、ゼニアオイ、センキュウ(川キュウ)、センブリ(当薬)、クワ(桑白皮、桑葉)、ナツメ(大棗)、ダイズ、タラノキ、チクセツニンジン(竹節人参)、ハナスゲ(知母)、ワレモコウ(地楡)、ドクダミ(十薬)、フユムシナツクサタケ(冬虫夏草)、トウガラシ、ホオズキ(登呂根)、タチジャコウソウ、リョクチャ(緑茶)、コウチャ(紅茶)、チョウジ(丁子)、ウンシュウミカン(陳皮)、ツバキ、ツボクサ、トウガラシ(番椒)、トウキ(当帰)、トウキンセンカ、ダイダイ(橙皮)、ワレモコウ(地楡)、トウモロコシ(南蛮毛)、トチュウ(杜仲、杜仲葉)、トマト、ナンテン(南天実)、ニンニク(大サン)、オオムギ(麦芽)、ハクセン(白蘚皮)、ジャノヒゲ(麦門冬)、パセリ、バタタ、ハッカ(薄荷)、ハマメリス、バラ、ビワ葉(枇杷葉)、マツホド(茯リョウ)、ブドウまたはその葉、ヘチマ、ボダイジュ、ボタン(牡丹皮)、ホップ、マイカイ(マイ瑰花)、松葉、マロニエ、マンネンロウ、ムクロジ、メリッサ、メリロート、ボケ(木瓜)、モヤシ、モモ(桃仁、桃葉)、ヒオウギ(射干)、ビンロウジュ(檳ロウ子)、メハジキ(益母草)、ヤグルマギク、ユキノシタ(虎耳草)、ヤマモモ(楊梅皮)、ヤシャブシ(矢車)、ハトムギ(ヨクイニン)、モウコヨモギ、ヤマヨモギ、ラベンダー、リンゴ果実、マンネンタケ(霊芝)、レモン果実、レンギョウ(連翹)、レンゲソウ、ゲンノショウコ(老鸛草)、ハシリドコロ(ロート根)、鶏トサカ、牛・人の胎盤抽出物、豚・牛の胃、十二指腸、或いは腸の抽出物若しくはその分解物、水溶性コラーゲン、水溶性コラーゲン誘導体、コラーゲン加水分解物、エラスチン、エラスチン加水分解物、水溶性エラスチン誘導体、シルク蛋白、シルク蛋白分解物、牛血球蛋白分解物などが挙げられる。
【0073】
例えば、微生物培養代謝物としては、酵母エキス、亜鉛含有酵母エキス、ゲルマニウム含有酵母エキス、セレン含有酵母エキス、マグネシウム含有酵母エキス、米醗酵エキス、ユーグレナ抽出物、脱脂粉乳の乳酸発酵物などが挙げられる。
【0074】
例えば、α−ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などが挙げられる。
【0075】
例えば、無機顔料としては、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミンなどが挙げられる。
【0076】
例えば、収斂剤としては、乳酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、アラントイン、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン、p−フェノールスルホン酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、レソルシン、塩化第二鉄、タンニン酸などが挙げられる。
【0077】
例えば、殺菌・消毒薬としては、アクリノール、イオウ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、クレゾール、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリンまたはその加水分解物などが挙げられる。
【0078】
例えば、頭髪用剤としては、二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム液、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カスタリチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、塩酸キニーネ、強アンモニア水、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、チオグリコール酸などが挙げられる。
【0079】
例えば、香料としては、ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、檜精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油などの植物性香料、その他合成香料などが挙げられる。
【0080】
例えば、色素・着色剤としては、赤キャベツ色素、赤米色素、アカネ色素、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、エンジュ色素、オキアミ色素、柿色素、カラメル、金、銀、クチナシ色素、コーン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、スピルリナ色素、ソバ全草色素、チェリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、ブドウ果汁色素、マリーゴールド色素、紫イモ色素、紫ヤマイモ色素、ラック色素、ルチンなどが挙げられる。
【0081】
例えば、甘味料としては、砂糖、甘茶、果糖、アラビノース、ガラクトース、キシロース、マンノース、麦芽糖、蜂蜜、ブドウ糖、ミラクリン、モネリンなどが挙げられる。
【0082】
例えば、栄養強化剤としては、貝殻焼成カルシウム、シアノコラバミン、酵母、小麦胚芽、大豆胚芽、卵黄粉末、ヘミセルロース、ヘム鉄などが挙げられる。
【0083】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物に配合することができる成分や添加剤としては、その他、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質およびその分解物、動・植物性多糖類およびその分解物、動・植物性糖蛋白質およびその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、調味料、酵素などが挙げられる。
【0084】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物は、抗老化効果、保湿効果、コラーゲン生成促進効果、細胞賦活化効果、育毛効果及び肌荒れ改善効果などが必要とされる場合に広く使用することができる。使用量は、所期の抗老化効果、保湿効果、コラーゲン生成促進効果、細胞賦活化効果、育毛効果及び肌荒れ改善効果などを十分に奏する範囲内で決定する。
【0085】
本発明の化粧品組成物は、前記のような効果から、化粧品組成物や化粧品として利用されることは勿論であるが、そのほかにも、医薬部外品組成物、医療用品組成物、衛生用品組成物、機能性食品組成物や、医薬部外品、医療用品、衛生用品などの形態やプレミックス品などの形態で利用することができる。
【0086】
なお、本明細書において「細胞賦活化」とは、細胞機能や細胞活性を維持または亢進させることを指している。「細胞賦活化」の結果、細胞機能や細胞活性の低下を抑制、すなわち細胞の老化を抑制することができる。したがって、「細胞賦活化剤」は、「抗老化剤」としての有用性を持つ。例えば、皮膚細胞における「細胞賦活化、抗老化」とは、加齢や光老化による基底膜の構造変化の蓄積に伴う皮膚細胞の機能低下を小さくすることで、皮膚のしわ、たるみ、硬化等を防止、改善して弾力のある若々しい健康な肌の状態を維持することなどを指している。また、例えば、毛乳頭細胞または毛母細胞においては、加齢、ストレス、ホルモンバランスによる毛乳頭細胞または毛母細胞の機能低下を小さくすることで、ヘアサイクルを維持して脱毛を抑えることなどを指している。
【実施例】
【0087】
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
【0088】
実施例1 オスモチンのDNA組換え技術による製造
〔調製例1:タバコBY−2培養細胞からのタバコオスモチン遺伝子の単離〕
タバコBY−2培養細胞から、図1に示すフローで、タバコオスモチン遺伝子を単離した。以下、タバコオスモチン遺伝子の単離方法について詳細に説明する。
【0089】
(1)鋳型DNAサンプルの調製
タバコBY−2培養細胞より、RNeasy Plant RNA Kit(QIAGEN)を用いて全RNAを抽出した。抽出した全RNA 3μgに対してRQ1 RNase−Free DNase(Promega)を用いてDNase除去処理を行い、TaqMan Reverse Transcription Reagent(Applied Biosystems)を用いて逆転写反応を行い、cDNA(以下、「試料1」ともいう)を含む溶液を調製した。
【0090】
(2)タバコオスモチン遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチド(PCR用のプライマー)の合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号2および3に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(以下、それぞれ、「オリゴ1」および「オリゴ2」ともいう)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製は、パーキンエルマー社OPCカラムにて実施するか、もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、オペロン(株)、シグマジェノシス(株)等)に依頼した。なお、オリゴ1はGenBankにアクセション番号X61679として登録されている塩基配列(配列番号1に示される塩基配列)の第1位〜第20位の塩基と相同な配列からなるフォワードプライマーであり、オリゴ2はGenBankにアクセション番号X61679として登録されている塩基配列(配列番号1に示される塩基配列)の第718位〜第738位の塩基に相補的な配列からなるリバースプライマーである。
【0091】
(3)PCR法によるタバコオスモチン遺伝子の増幅
上記試料1を含む溶液2μl、オリゴ1およびオリゴ2を各25pmoles、および10×PCRmix、0.2mM dNTPs、1mM MgSO、KOD−plus DNAポリメラーゼにミリQを加えて全量を50μlとした。PCR反応は最初に94℃で1分間の熱処理後、次いで94℃−15秒間のデナチュレーション工程、及び55℃−30秒間のアニーリング及び68℃−1分間のDNA伸長反応工程を1サイクルとして、これを計30サイクル行うことにより実施した。
【0092】
(4)タバコオスモチン遺伝子のクローニング
上記で増幅したタバコオスモチン遺伝子を含むPCR反応液を2%アガロースゲル電気泳動にて単離し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)にて精製し、タバコオスモチン遺伝子のみを含むDNA(PCR産物;以下、「試料2」ともいう)を含有する溶液を調製した。試料2はTArget Clone−plus(東洋紡績)を用いてプラスミドベクターへ挿入し、E.coli DH5α株に形質転換し、全長タバコオスモチン遺伝子を挿入したプラスミドDNA(以下、「試料3」ともいう)を含む溶液を調製した。
【0093】
〔調製例2:タバコオスモチン遺伝子を含む組換え発現ベクターの作製〕
調製例1で単離したタバコオスモチン遺伝子を用いて、図1に示すフローで、組換え発現ベクターを構築した。以下、組換えベクターの構築方法について詳細に説明する。
【0094】
(1)タバコオスモチン遺伝子へ制限酵素サイトを付加するためのオリゴヌクレオチドの合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号3および4に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(以下、それぞれ「オリゴ3」および「オリゴ4」ともいう)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製は、パーキンエルマー社OPCカラムにて実施するか、もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、オペロン(株)、シグマジェノシス(株)等)に依頼した。なお、オリゴ3はGenBankにアクセション番号X61679として登録されている塩基配列(配列番号1に示される塩基配列)の第4位〜第19位の塩基と相同な配列の5’末端側にEcoRIサイトが付加された塩基配列からなるフォワードプライマーであり、オリゴ4はGenBankにアクセション番号X61679として登録されている塩基配列(配列番号1に示される塩基配列)の第662位〜第675位の塩基に相補的な配列の5’末端側にSacIサイトが付加された塩基配列からなるリバースプライマーである。
【0095】
(2)タバコオスモチン遺伝子への制限酵素サイトの付加
上記試料3を含む溶液を2μl、オリゴ3およびオリゴ4を各25pmoles、および10×PCRmix、0.2mM dNTPs、1mM MgSO、KOD−plus DNAポリメラーゼにミリQを加えて全量を50μlとした。
PCR反応は最初に94℃で1分間の熱処理後、次いで94℃−15秒間のデナチュレーション工程、及び55℃−30秒間のアニーリング及び68℃−1分間のDNA伸長反応工程を1サイクルとして、これを計30サイクル行うことにより実施した。上記で増幅したPCR反応液を2%アガロースゲル電気泳動にて単離し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)にて精製し、制限酵素サイトを付加されたタバコオスモチン遺伝子のみを含むDNA(EcoRI/SalIサイトを付加したタバコオスモチン遺伝子;以下、「試料4」ともいう)を含有する溶液を調製した。
【0096】
(3)タバコオスモチン遺伝子タンパク発現ベクターの構築
上記試料4を制限酵素EcoRI(東洋紡績)およびSacI(東洋紡績)にて制限酵素処理し、制限酵素処理した試料4を含むDNA溶液を1%アガロースゲル電気泳動にて単離し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)にて精製し、制限酵素により切断されたタバコオスモチン遺伝子を含むDNA(osmotin−EcoRI/SalI;以下、「試料5」ともいう)を含有する溶液を調製した。なお、制限酵素処理の試薬組成および反応条件は試薬の推奨条件に従った。同様にpET28aベクターも制限酵素EcoRIおよびSacIにて制限酵素処理し、pET28aベクターを含むDNA溶液より、制限酵素により切断されたpET28aベクターを含むDNA(pET28−EcoRI/SalI;以下、「試料6」ともいう)を含有する溶液を調製した。
【0097】
試料5と試料6とをモル比で5:1の割合で混合し、DNA Liagation Kit Ver.1(宝酒造)を加え、16℃にて18時間のライゲーション反応を行った。得られた反応液1μlを大腸菌DH5α株(東洋紡績)50μlと混合し、定法に従い形質転換した。出現したコロニーよりプラスミドDNAを抽出し、pET28aに組込まれたタバコオスモチン遺伝子を含むプラスミドDNA(osmotin−pET28;以下、「試料7」ともいう)を含む溶液を調製した。
【0098】
実施例2:大腸菌を用いたタバコオスモチン組換えタンパク質の大量発現
(1)形質転換体大腸菌の作製およびタバコオスモチン組換えタンパク質の発現誘導
調製例2で調製した試料7を含む溶液を1μlと、大腸菌BL21 Star (DE3)株 20μlとを混合し、定法に従い形質転換した。出現したコロニーより釣菌し、LB−Kam(カナマイシン)液体培地5mlに植菌し、37℃にて16時間培養した。翌日、培養液5mlをTB−Kam液体培地500mlに添加し、37℃にて4時間培養後、IPTG 0.1mMを添加し、さらに25℃にて4時間培養した。
【0099】
(2)可溶性画分からのタバコオスモチン組換えタンパク質の精製
上記で培養したTB−Kam液体培地より集菌し、得られた大腸菌ペレットをBugBuster MasterMix(Novagen)20mlに懸濁した。室温にて20分間インキュベートした後、5800×gにて20分間遠心し、上清を回収し、ライセートを調製した。調製したライセートは精製バッファー(50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)で平衡化したNi−NTAアガロース・ビーズと混合し、4℃で1時間インキュベートを行い、ライセートに含まれるタバコオスモチン組換えタンパク質をビーズに吸着させた。インキュベート終了後、1500×gにて5分間遠心し、上清を除去してビーズを回収した。ビーズは洗浄バッファー(20mMイミダゾール、20%グリセロール、50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)で洗浄し、溶出バッファー(250mMイミダゾール、50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)にて溶出を行い、精製されたタバコオスモチン組換えタンパク質を回収した。
【0100】
(3)シャペロニンの除去
上記で調製したタバコオスモチン組換えタンパク質をPD−10 Column(GEヘルスケア)にて脱塩および50mM Tris−HCl(pH8.0)への置換を行った。脱塩し、バッファー置換を行ったタバコオスモチン組換えタンパク質を最終濃度が50μg/mlになるように反応バッファー(50mMTris−HCl、10mM ATP、10mM MgSO、5mg/ml カゼイン:pH8.0)で調整し、37℃で30分間インキュベートし、タバコオスモチン組換えタンパク質に結合した大腸菌由来シャペロニンを除去した。シャペロニンを除去したタバコオスモチン組換えタンパク質溶液にNaClを最終濃度が300mMになるように添加したのち、5800×gで20分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は精製バッファー(50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)で平衡化したNi−NTAアガロース・ビーズと混合し、4℃で1時間インキュベートを行い、上清に含まれるタバコオスモチン組換えタンパク質をビーズに吸着させた。インキュベート終了後、1500×gにて5分間遠心し、上清を除去してビーズを回収した。ビーズは洗浄バッファー(20mMイミダゾール、20%グリセロール、50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)、およびLPS除去バッファー(1.25%TritonX−114、50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)で洗浄し、溶出バッファー(250mMイミダゾール、50mM Tris−HCl、0.3M NaCl:pH8.0)にて溶出を行い、タバコオスモチン組換えタンパク質を回収した。
【0101】
回収したタバコオスモチン組換えタンパク質はPBS(pH7.4)にて4℃で16時間透析し、脱塩およびPBSへの置換を行った。PBS置換したタバコオスモチン組換えタンパク質を還元レムリ処理し、2−15%グラジエントゲルを用いてSDS−PAGEを行った。SDS−PAGE後、ゲルをクマシー染色したところ、図2に示すように、約26kDの位置にバンドが検出された。
【0102】
実施例3:タバコオスモチン組換えタンパク質のAMPKリン酸化活性測定
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0103】
(2)タバコオスモチン組換えタンパク質の添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後に、実施例2で調製したタバコオスモチン組換えタンパク質をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0104】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
【0105】
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図3に示す。
【0106】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図3を参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合(AMPKリン酸化活性)を算出した。その結果、図4に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、タバコオスモチン組換えタンパク質の添加により、AMPKがリン酸化されている割合(AMPKリン酸化活性)が増加することが確認できた。
【0107】
実施例4:オスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例4)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0108】
実施例5:保湿剤を含むオスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例5)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
保湿剤:ポリグルタミン酸 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0109】
実施例6:紫外線吸収剤を含むオスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例6)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
紫外線吸収剤:パラアミノ安息香酸オクチル 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0110】
実施例7:保湿剤と紫外線吸収剤を含むオスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例7)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
保湿剤:ポリグルタミン酸 4.0
紫外線吸収剤:パラアミノ安息香酸オクチル 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0111】
実施例8:抗菌剤を含むオスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例8)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0112】
実施例9:保湿剤と抗菌剤を含むオスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例9)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
保湿剤:ポリグルタミン酸 4.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0113】
実施例10:保湿剤と紫外線吸収剤と抗菌剤を含むオスモチン美容液の製造
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。オスモチンは、実施例2で調製したものを使用した。コントロール(比較例10)として、オスモチンを含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
油相成分:ステアリン酸 3.0
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
オスモチン 5.0
乳化剤:POEソルビタンモノラウレート 5.0
ソルビタンモノステアレート 5.0
アルカリ:トリエタノールアミン 1.0
保湿剤:ポリグルタミン酸 4.0
紫外線吸収剤:パラアミノ安息香酸オクチル 4.0
抗菌剤:ウンデシレン酸亜鉛 4.0
水相成分:プロピレングリコール 5.0
精製水 全体で100となる量
【0114】
美容液の評価(比較例)
比較例4〜10の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、つき、しっとり感、かさつきにくさについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表1に示す。表1から明らかなように、比較例の美容液はしっとり感、のび、かさつき難さのいずれかで良好と評価される場合もあるが、つきに関しては良好と評価されることはなかった。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
【0115】
【表1】

【0116】
美容液の評価(本発明例)
実施例4〜10に示したオスモチンを含む組成の美容液を用いて、5名のパネリストが、これを使用したときの、のび、つき、しっとり感、かさつきにくさについて評価し、次の基準に従って判定した。結果を表2に示す。表2から明らかなように、本発明の美容液はのび、つき、しっとり感、かさつきにくさのいずれも良好であった。なお、いずれの場合も、本発明の美容液の抗老化効果は良好と評価された。
判定基準:
◎:5名中4名以上が良好と評価した。
○:5名中3名が良好と評価した。
△:5名中2名が良好と評価した。
×:5名中1名以下が良好と評価した。
【0117】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明のオスモチンまたはオスモチン断片を含有する化粧品組成物により、抗老化作用、保湿作用、コラーゲン生成促進作用、細胞賦活化作用、育毛作用及び肌荒れ改善作用などの効果を有する、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品を提供することができる。また、従来より、原料コストが安価であり、大量生産可能となり、長期にわたる使用に十分に耐え得ることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】実施例におけるタバコオスモチン組換えタンパク質の発現ベクターの構築方法を示す図である。
【図2】実施例にかかるタバコオスモチン組換えタンパク質のSDS−PAGEの結果を示す図である。
【図3】実施例にかかるタバコオスモチン組換えタンパク質を添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図4】実施例にかかるタバコオスモチン組換えタンパク質によるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【配列表フリーテキスト】
【0120】
配列番号2〜5は合成オリゴヌクレオチドの配列である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オスモチンまたはオスモチン断片を含有することを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
オスモチンまたはオスモチン断片が天然資源から抽出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
オスモチンまたはオスモチン断片がDNA組換え技術を用いて製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
さらに、美白剤、抗老化剤、保湿剤、紫外線吸収剤及び抗菌剤からなる群から選択された少なくとも1種の化粧品配合剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項5】
美白剤が、メラニン生成抑制剤、メラニン分解促進剤および/またはメラニン輸送阻害剤であることを特徴とする請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
抗老化剤が、抗炎症剤および/または抗酸化剤であることを特徴とする請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
保湿剤が、親水性保湿剤および/または親油性保湿剤であることを特徴とする請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
紫外線吸収剤が、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群から選択された少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
抗菌剤が有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であることを特徴とする請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
化粧品、医薬部外品、医療用品、または衛生用品として利用されるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の化粧品組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−256264(P2009−256264A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108884(P2008−108884)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年4月20日 社団法人日本内分泌学会発行の「日本内分泌学会雑誌 Vol.84,No.1,第81回 日本内分泌学会学術総会抄録集」に発表
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】