説明

オゾン供給装置

【課題】活性汚泥による有機性廃水の廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置において、オゾン用散気管における散気孔の詰まりを抑制する技術を提供する。
【解決手段】オゾン供給装置は、処理槽内に配置されてオゾン含有ガスを有機性廃水中に散気するためのオゾン用散気管と、コンプレッサと、コンプレッサから供給される圧縮空気を原料ガスとして生成したオゾン含有ガスをオゾン用散気管に供給するオゾン発生器と、コンプレッサとオゾン発生器とオゾン用散気管を連通するオゾン系統用通路と、オゾン発生器を制御する制御手段と、オゾン発生器の稼動を一時停止させる場合、その稼動停止期間中に、オゾンを含有しないオゾン非含有ガスをオゾン用散気管に供給すると共にそのオゾン非含有ガスをオゾン用散気管の散気孔から廃水中に散気させる詰まり抑制手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃水の廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機性廃水(排水)の処理方法として、好気性微生物を含む活性汚泥により処理する活性汚泥法が、下水処理や産業廃水処理等において広く利用されている。この活性汚泥法では、処理対象となる各種の有機性廃水を処理槽(曝気槽)へと導き、廃水中の有機性物質を分解させて浄化処理をしている。
【0003】
また、有機性廃水の廃水処理槽(生物処理槽)、有機性廃水の流量調整槽(貯留槽)、廃水等の生物処理で生成する余剰汚泥貯留槽(沈殿槽)等に微量のオゾンを供給することで、これらの槽内における悪臭発生の抑制や、生物処理性能悪化の原因となる糸状菌増殖の抑制が達成できることが知られている。近年では、活性汚泥による有機性廃水の廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置も開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
この種のオゾン供給装置は、コンプレッサ、コンプレッサで加圧された圧縮空気から除湿(減湿)する除湿器、除湿器によって除湿された乾燥空気が供給され、これを原料ガスとしてオゾンを生成するオゾン発生器、オゾン発生器が生成したオゾンを含有するオゾン含有ガス(オゾン含有空気)を槽内に散気するためのオゾン用散気管等を含んで構成される。
【0005】
オゾン供給装置に要求される基本性能として、処理対象となる廃水への高いオゾン溶解効率が挙げられる。オゾンの溶解効率が低いと、より多くのオゾンを廃水中に散気する必要が生じる。その結果、1)大型のオゾン発生器が必要となり装置コストが嵩む、2)オゾン生成コスト(処理対象となる廃水の単位水量当たりに掛かるオゾン生成コスト)が嵩む、3)溶解しきれなかった排オゾンガスの処理(例えば、活性炭処理)に要するコストが嵩む、というデメリットが生じ易くなる。このような実情に鑑み、オゾン用散気管には、耐オゾン性素材であってかつ、微細な気泡によりオゾン含有ガスを散気できる微細多孔質構造を有するセラミックス製の散気管が多く用いられている。
【0006】
ところで、オゾン発生器は、処理対象たる有機性廃水の水質や水量の変動に応じてON−OFF制御が行われることがある。ところが、オゾン発生器の稼動を一時的に停止してオゾン用散気管からの散気を停止させた状態が維持されると、オゾン用散気管における微細な散気孔の内部に有機性廃水が浸入し、その一部が汚濁物質によって閉塞するリスクがある。
【0007】
この状態でオゾン発生器を再稼働させても、オゾン用散気管における散気孔の孔径は微細であるため、閉塞した散気孔を回復させるのは容易でない。そうすると、散気孔の有効断面積が減少してしまい、オゾン含有ガスの吐出圧が上昇することに繋がる。そうなると、散気されたオゾン含有ガスによって形成される気泡径も増大してしまい、オゾン溶解効率の低下を招くことが懸念される。
【0008】
これに関連して、散気管の詰まり抑制に関する技術も提案されている(例えば、特許文献2〜7等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−46624号公報
【特許文献2】特開2005−52773号公報
【特許文献3】特開平10−43789号公報
【特許文献4】特開2003−245684号公報
【特許文献5】特開2005−279495号公報
【特許文献6】特開平10−99663号公報
【特許文献7】特開2002−186991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の従来技術は、オゾン含有ガスを散気するオゾン用散気管における散気孔の詰まりを防止する技術ではない。そして、オゾン用散気管の散気孔は微細であるが故にひとたび閉塞するとそれを解消することが難しく、また、オゾンに晒されると劣化し易い材料(例えば、メンブラン、ゴム材等)でオゾン用散気管の表面を覆うこともできない。
【0011】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされてものであって、その目的は、活性汚泥による有機性廃水の廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置において、オゾン用散気管における散気孔の詰まりを抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係るオゾン供給装置は、活性汚泥による有機性廃水の廃水処理システムに適用され、処理槽内における該有機性廃水にオゾン含有ガスを供給するオゾン供給装置であって、前記処理槽内に配置され、前記オゾン含有ガスを前記有機性廃水中に散気するためのオゾン用散気管と、空気を圧縮して圧縮空気を生成するコンプレッサと、前記コンプレッサから供給される圧縮空気を原料ガスとして前記オゾン含有ガスを生成し、該オゾン含有ガスを前記オゾン用散気管に供給するオゾン発生器と、前記コンプレッサ、前記オゾン発生器、及び前記オゾン用散気管を連通するオゾン系統用通路と、前記オゾン発生器を制御する制御手段と、前記制御手段が前記オゾン発生器の稼動を一時停止させる場合、その稼動停止期間中に、オゾンを含有しないオゾン非含有ガスを前記オゾン用散気管に供給すると共にそのオゾン非含有ガスを該オゾン用散気管の前記散気孔から前記有機性廃水中に散気させる詰まり抑制手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、オゾン発生器が間欠運転されることで一時的に稼動が停止される場合においても、稼動停止期間中にはオゾン含有ガスの代わりにオゾン非含有ガスがオゾン用散気管へと供給されるので、有機性廃水がオゾン用散気管の散気孔内に浸入することが無く、有機性廃水に含まれる汚濁物質によって散気孔が閉塞することを抑制できる。
【0014】
また、本発明に係るオゾン供給装置の第一の形態として、前記詰まり抑制手段は、前記オゾン系統用通路における前記コンプレッサ及び前記オゾン発生器の間の部分と、前記オゾン系統用通路における前記オゾン発生器及び前記オゾン用散気管の間の部分とを接続する連絡通路と、前記コンプレッサが生成した圧縮空気を、前記オゾン発生器側と前記連絡通路側の何れかに導く切り換え弁と、を有し、前記オゾン非含有ガスとは、前記コンプレッサから流出した後、前記オゾン発生器に流入する前の圧縮空気であって、前記オゾン発生器が稼動している間は前記圧縮空気が前記切り換え弁によって前記オゾン発生器側に導かれ、前記稼動停止期間中においては前記圧縮空気が前記切り換え弁によって前記連絡通路側に導かれることで、該圧縮空気が前記オゾン発生器を迂回して直接前記オゾン用散気管に供給される形態を例示できる。
【0015】
また、第二の形態として、前記廃水処理システムは、曝気用空気を送気するブロワーと、曝気用通路を介して該ブロワーから送気されてくる前記曝気用空気を前記処理槽内の前記有機性廃水中に散気する曝気用散気管を更に備え、前記詰まり抑制手段は、前記曝気用通路と、前記オゾン系統用通路における前記オゾン発生器及び前記オゾン用散気管の間の部分とを接続する連絡通路と、前記曝気用空気における前記連絡通路の流通を禁止又は許可する切り換え弁と、を有し、前記オゾン非含有ガスとは、前記ブロワーが送気する前記曝気用空気であって、前記オゾン発生器が稼動している間は前記切り換え弁によって前記曝気用空気における前記連絡通路の流通が禁止され、前記稼動停止期間中においては前記曝気用空気における前記連絡通路の流通が許可されることで該曝気用空気が前記オゾン用散気管に供給される形態を例示できる。
【0016】
また、本発明において、前記切り換え手段は電磁弁であっても良い。その場合、前記詰まり抑制手段は、前記オゾン用散気管内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段による検出値をモニタリングすると共に、該検出値が所定の基準値以下にあると判定した場合に前記電磁弁の切り換え制御を行う切り換え制御部と、を更に有しても良い。これによれば、オゾン用散気管内の圧力の検出結果に基づいて、オゾン用散気管に対してオゾン非含有ガスの供給を開始すべきかどうかの判断を好適に行うことができる。
【0017】
また、本発明において、前記詰まり抑制手段による前記オゾン用散気管への前記オゾン非含有ガスの連続供給時間が第一設定時間以上になる場合には、該第一設定時間の経過毎に、該第一設定時間に比べて短い時間として設定される第二設定時間だけ前記詰まり抑制手段による前記オゾン非含有ガスの供給が中断され、当該中断期間に亘り前記制御手段が前記オゾン発生器を稼働させて前記オゾン含有ガスを前記オゾン用散気管に供給するようにしても良い。
【0018】
これによれば、オゾン発生器の稼動停止期間がたとえ長期に及んだとしても、スポット的、或いは短期的にオゾン用散気管に対するオゾン含有ガスの供給が行われる。そのため、オゾン用散気管の表面に生物膜が生成されたり、この生物膜が過剰に成長することがなく、オゾン用散気管における散気孔の閉塞リスクをより好適に低下させることが可能となる。
【0019】
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、活性汚泥による有機性廃水の廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置において、オゾン用散気管における散気孔の詰まりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1に係る廃水処理システム及びこれに適用するオゾン供給装置の概略構成を示す図である。
【図2】オゾン供給装置によるオゾン含有ガスの供給サイクルを説明する説明図である。
【図3】実施例2に係る廃水処理システム及びこれに適用するオゾン供給装置の概略構成を示す図である。
【図4】実施例3に係る廃水処理システム及びこれに適用するオゾン供給装置の概略構成を示す図である。
【図5】流路切り換え弁の切り換えタイミングを説明するタイミングチャート図である。
【図6】実施例4に係る詰まり防止制御の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置の実施形態について、図面に基づいて例示的に詳しく説明する。なお、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0023】
<実施例1>
図1は、実施例1に係る廃水処理システム及びこれに適用するオゾン供給装置の概略構成を示す図である。廃水処理システム1は、工場廃水、生活廃水、下水等、有機性物質を含む有機性廃水を、活性汚泥により生物処理することで浄化するシステムである。活性汚泥は、一般に細菌、かび類、藻類、原生動物、輪虫類、線虫類など、有機性廃水を浄化するための種々の微生物の集合体である。通常、活性汚泥は排水原水に含まれない。有機性廃水に含まれる汚濁物は、排水原水に含まれる排水成分であって、微生物に捕食される栄養源(エサ)となる成分である。有機性廃水に含まれる汚濁物が活性汚泥中の微生物と接触すると(以下、この現象を「吸着」とも称呼する)、その汚濁物が微生物の栄養源(エサ)となって除去されることで有機性廃水の浄化が行われる。
【0024】
廃水処理システム1は、流量調整槽2、生物処理槽3、沈殿槽4、曝気(ばっき)装置5、オゾン供給装置6などを主に備えている。流量調整槽2は、図示しない流入管から導入される処理前の有機性廃水を一旦貯留するための槽である。より詳しくは、流量調整槽2は、例えば工場等から排出される有機性廃水の排出量に変動が有る場合に、生物処理槽3での処理水量を平均化するために設けられ、これによって生物処理槽3における処理安定化やコンパクト化等が図られる。
【0025】
流量調整槽2に貯留されている有機性廃水は、ポンプ22によって、配管23を通じて生物処理槽3に供給される。生物処理槽3には、流量調整槽2から供給されてくる有機性廃水を分解処理する好気性微生物を含む活性汚泥が投入されており、流入した有機性廃水はこの活性汚泥中の微生物によって分解処理される。生物処理槽3には、好気性環境を維持するために、有機性廃水を活性汚泥と曝気混合する曝気装置5が設けられている。
【0026】
曝気装置5は、曝気用ブロワー51、曝気用散気管52、曝気用通路53を備える。曝気用散気管52は、生物処理槽3の底部に有機性廃水に浸かるように配置されており、曝気用通路53を介して曝気用ブロワー51と連通している。図示の例では、曝気用散気管52は生物処理槽3内に複数配置されている。曝気用通路53は途中から、各曝気用散気管52に対応する曝気用枝通路53aに分岐されており、それぞれの曝気用枝通路53aが対応する曝気用散気管52に曝気用ブロワー51から送気されてくる空気(以下、「曝気用空気」という)を供給する。なお、曝気用通路53のうち、各曝気用枝通路53aへの分岐部よりも上流側の部分を「曝気用主通路53b」と称する。
【0027】
曝気用散気管52は、曝気用ブロワー51から送気されてくる曝気用空気を有機性廃水中に散気するための小径の散気孔を多数有している。曝気用散気管52の散気孔から曝気用の空気(酸素)が生物処理槽3内に供給されると、活性汚泥に含まれる微生物が酸素の供給(曝気)により爆発的に繁殖・増殖を行い、有機性廃水に含まれる汚濁物質の生物分解が促進される。
【0028】
このようにして、生物処理槽3において生物処理された有機性廃水は、ポンプ31によって取水され、移送管32によって沈殿槽4に移送された後、更に配水管42によって系外に廃水される。一方、沈殿筒41内において沈殿した活性汚泥は、戻し用配管43を通
じて、ポンプ44によって生物処理槽3に戻される。なお、活性汚泥のうちの余剰部分は、分岐管45のバルブ46を開放することで、系外に排出することが可能である。本実施例においては曝気用ブロワー51が本発明のブロワーに対応している。
【0029】
更に、廃水処理システム1では、生物処理槽3における活性汚泥の活性化、及び糸状菌繁殖の抑制を図るために、生物処理槽3内の有機性廃水中に対して微量のオゾンがオゾン供給装置6によって供給(添加)されるようになっている。オゾン供給装置6は、コンプレッサ61、減湿器62、オゾン発生器63、オゾン用散気管64、及びこれらを接続するオゾン系統用配管65(オゾン系統用通路)等を備えている。
【0030】
コンプレッサ61によって圧縮(加圧)された空気は、オゾン系統用配管65を通じて減湿器62に導入されることで、減湿(除湿)される。このようにして、加圧(圧縮)かつ減湿(除湿)された空気は、オゾンを生成する原料空気(ガス)としてオゾン発生器63に供給される。また、オゾン発生器63に供給される原料空気は、例えば0.4〜0.8Mpa程度に加圧され、かつ、例えば露点温度が−40℃〜−70℃程度まで減湿処理がなされたものであっても良い。
【0031】
このようにして、加圧・減湿処理がなされた原料空気がオゾン系統用配管65を通じてオゾン発生器63に導かれると、このオゾン発生器63においてオゾンが生成される。オゾン発生器63としては、公知の種々の方式を採用することができ、例えば放電方式、紫外線照射方式等を好適に採用することができる。オゾン発生器63において生成されたオゾンは残余の原料空気と共に形成されるオゾン含有ガスを、オゾン系統用配管65を通じてオゾン用散気管64に供給される。
【0032】
オゾン用散気管64は、曝気用散気管52と同様、生物処理槽3の底部に有機性廃水に浸かるように配置されている。図示の例では、オゾン用散気管64は生物処理槽3内に複数配置されている。すなわち、オゾン系統用配管65は途中から、各オゾン用散気管64に対応するオゾン系統用枝配管65aに分岐されており、それぞれのオゾン系統用枝配管65aが対応するオゾン用散気管64にオゾン含有ガスを供給する。なお、オゾン系統用配管65のうち、各オゾン系統用枝配管65aへの分岐部よりも上流側の部分を「オゾン系統用主配管65b」と称する。
【0033】
また、オゾン用散気管64は、曝気用散気管52の散気孔に比べて微細な、微細多孔質構造の散気孔を多数有している。オゾン用散気管64の材質としては、例えば、耐オゾン性に優れ且つ微細多孔質構造を備えたセラミックスを好適に採用することができる。
【0034】
このように構成されるオゾン用散気管64では、オゾン発生器63から送られてくるオゾンを含むオゾン含有ガス(オゾン含有空気)が、散気孔を通じて有機性廃水中に超微細気泡として散気される。このようにして、オゾンの溶解効率を高めることで、イニシャルコスト及びランニングコストの低減を図ることができる。
【0035】
オゾン供給装置6は、オゾン発生器63を制御するための制御ユニットである制御部(制御手段)66を更に備えている。制御部66は、オゾン発生器63と電気配線を介して接続されており、生物処理槽3における有機性廃水の水質や水量(貯留量)に応じて、オゾン発生器63を制御する。そして、制御部66は、例えば処理すべき有機性廃水が生物処理槽3に対して供給されなくなる場合には、オゾン発生器63の稼動を一時的に停止させる場合もある。なお、制御部66によるオゾン発生器63の制御内容には、上記したようなオゾン発生器63の間欠制御(ON−OFF制御)の他、当該処理負荷に応じてオゾンの生成量(出力)を可変とする容量制御も含めることができる。
【0036】
図2は、オゾン供給装置によるオゾン含有ガスの供給サイクルを説明する説明図である。ここでは、週5日連続して稼動する標準的な食品加工工場から排出される廃水を処理する場合を例に挙げて説明する。図2には、上段から、食品加工工場から流量調整槽2への廃水流入量Q1、流量調整槽2から生物処理槽3への廃水流入量Q2、曝気装置5における曝気空気量Q3、オゾン供給装置6によるオゾン含有ガスの供給量Q4を示している。
【0037】
図示の例では、流量調整槽2への廃水は、平日の始業から終業までの時間帯に行われる。ここで、流量調整槽2への廃水流入量が終業時付近で多くなるのは、終業時における場内洗浄に伴い廃水の排出量が増加することによるものである。
【0038】
生物処理槽3への廃水流入量Q2を見ると明らかなように、生物処理槽3における処理負荷が一定となるように、生物処理槽3に流入する廃水量が調節されている。そのため、例えば夜中など、工場の非稼動時においても流量調整槽2で平均化された一定量の廃水が生物処理槽3に供給されるようになっている。また、図示の例では、流量調整槽2に貯留される廃水の貯留量が工場からの1日分の廃水の排出量に概ね等しく設定されている。そのため、工場が稼動しなくなる土曜日においても、流量調整槽2に貯留されている廃水が無くなるまで、生物処理槽3への排水が継続されているのが図2から判る。
【0039】
生物処理槽3への排水が停止されると、生物処理槽3における処理負荷が無くなるため、曝気装置5における曝気空気量Q3が減らされる。そして、活性汚泥に含まれる微生物の呼吸に必要な分(基礎代謝分)だけの曝気用空気が曝気用ブロワー51から送気され、或いは数時間〜1日程度の期間に亘り曝気用空気の供給が停止される。オゾン供給装置6によるオゾン含有ガスの供給量についても、曝気装置5による曝気空気量Q3と概ね同様の調整がなされるが、図示のように、無負荷時にはオゾン発生器63の稼動を停止する場合が多く、このケースでは1日程度、オゾン供給装置6によるオゾン含有ガスの供給量Q4が連続して零に維持されている。
【0040】
上記のように、オゾン発生器63の稼動が一時的に停止される場合、オゾン用散気管64の微細な散気孔内部に対して汚濁物が多く混入した廃水が入り込む。このような状態が、稼動停止期間(以下、「オゾン発生器稼動停止期間」といい、符号ΔTsにて示す)に亘り維持されると、オゾン用散気管64における一部の散気孔が閉塞する。このような状態でオゾン発生器63の稼動を再開しても、オゾン用散気管64における散気孔は微細であるが故に、散気孔に目詰まりを起こさせている汚濁物質をそこから外方に押し出すことは容易でない。そうすると、散気孔の有効断面積が減少することで散気孔から散気されるオゾン含有ガスの吐出圧が上昇する。その結果。オゾン含有ガスによって形成される気泡径が大きくなってしまい、オゾンの溶解効率の低下に繋がる要因となる。
【0041】
そこで、本実施例に係るオゾン供給装置6では、オゾン発生器63を間欠運転する場合においても、オゾン用散気管64の散気孔が有機性廃水に含まれる汚濁物等によって閉塞しないように、以下のような独自の構成を採用している。具体的には、制御部66がオゾン発生器63の稼動を一時停止させる場合、オゾン発生器稼動停止期間ΔTsに亘り、オゾンを含有しないオゾン非含有ガスをオゾン用散気管64に供給すると共に、そのオゾン非含有ガスをオゾン用散気管64の散気孔から生物処理槽3における有機性廃水へと散気させる詰まり防止制御を行うようにした。
【0042】
ここで、詰まり防止制御に関連する構成について、図1を参照して説明する。図示のように、オゾン系統用配管65におけるコンプレッサ61及びオゾン発生器63の間の部分と、オゾン系統用配管65におけるオゾン発生器63及びオゾン用散気管64の間の部分が、バイパス通路71(連絡通路)によって接続されている。より詳しくは、バイパス通路71は、オゾン系統用配管65におけるコンプレッサ61及び減湿器62の間の部分と
、オゾン系統用主配管65bにおけるオゾン発生器63よりも下流側の部分を接続している。
【0043】
オゾン系統用配管65からのバイパス通路71の分岐部には、電磁式の三方弁(電磁弁)である流路切り換え弁72(切り換え弁)が設けられている。この流路切り換え弁72は、コンプレッサ61が生成した圧縮空気(加圧空気)を、オゾン発生器63側とバイパス通路71側の何れかに選択的に導く。この流路切り換え弁72は、制御部66と電気配線を介して接続されており、制御部66の制御信号に基づいて切り換え制御がなされる。また、バイパス通路71がオゾン系統用配管65に合流する合流部及びオゾン発生器63の間と、バイパス通路71の夫々には、ガスが上流側に逆流することを防止するための逆止弁73が設けられている。
【0044】
オゾン発生器63が稼動している間は、制御部66は、流路切り換え弁72にコンプレッサ61と減湿器62(オゾン発生器63)とを導通させ、コンプレッサ61とバイパス通路71とを遮断させる。これにより、コンプレッサ61が生成した圧縮空気がオゾン発生器63側に導かれる。そのため、コンプレッサ61が生成した圧縮空気は、減湿器62によって減湿されてからオゾン発生器63に供給され、これを原料ガスとしてオゾンが生成される。その後、オゾン発生器63から流出したオゾン含有ガスがオゾン用散気管64に供給されて、その散気孔から有機性廃水へと散気される。
【0045】
一方、生物処理槽3において生物処理する有機性廃水の処理負荷が零、或いは顕著に少なくなった場合、制御部66は、オゾン発生器63の稼動を一時停止させると共に、詰まり防止制御を実施する。その際、制御部66は、流路切り換え弁72に切り換え信号を出力し、コンプレッサ61と減湿器62(オゾン発生器63)とを遮断させ、コンプレッサ61とバイパス通路71とを導通させる。これにより、コンプレッサ61が生成した圧縮空気の流通経路が変更され、この圧縮空気がバイパス通路71側に導かれるようになる。
【0046】
その結果、オゾン発生器63の稼動が停止されるオゾン発生器稼動停止期間においては、バイパス通路71を経由する圧縮空気がオゾン発生器63を迂回してオゾン用散気管64に直接導かれ、オゾン用散気管64の散気孔からオゾン含有ガスに代わり圧縮空気が散気されるようになる。これによって、オゾン発生器稼動停止期間においても、有機性廃水が散気孔内に逆流することが無く、廃水に含まれる汚濁物質によって散気孔が閉塞することが防止される。
【0047】
これによれば、オゾン供給装置6によってオゾンを間欠的に供給する場合においても、長期に亘って微細な気泡のオゾン含有ガスの供給が可能となり、オゾンの溶解効率を良好に維持することができる。従って、装置のメンテナンスを行う頻度も少なくできる。更には、オゾン発生器63をコンパクトにすることができるので、イニシャルコストの低減を実現できる。また、有機性廃水の単位水量あたりの処理に掛かるオゾン生成コストや、溶解しきれなかった排オゾンガスの処理に要するランニングコストを低減することも可能となる。
【0048】
なお、上記詰まり防止制御中に、生物処理槽3における有機性廃水の処理負荷が増加した場合には、オゾン発生器63の稼動を再開させるのはいうまでもない。その場合、制御部66は、圧縮空気の流路がオゾン発生器63側となるように、すなわちコンプレッサ61で加圧された後の圧縮空気がオゾン発生器63に導かれるように流路切り換え弁72を切り換えるとともに、オゾン発生器63を再稼動させる。本実施例においては、詰まり防止制御を実施する制御部66、バイパス通路71、及び流路切り換え弁72を含んで本発明における詰まり抑制手段を構成している。また、本実施例では、オゾン発生器稼動停止期間にバイパス通路71を介してオゾン用散気管64に供給される圧縮空気が、本発明に
おけるオゾン非含有ガスに対応する。
【0049】
(変形例)
以下、変形例について説明する。図1に示した流路切り換え弁72は、電磁弁を採用しているがこれに限定されるものではなく、手動式の三方弁を代わりに設置しても良い。この場合、オゾン発生器63の稼動を停止させる際には、本システムの管理者等が手動によって流路切り換え弁72を切り換え、電磁弁のときと同様に、コンプレッサ61から送られてくる圧縮空気がバイパス通路71側に導入されるように、圧縮空気の流通経路を変更することで、先に述べたものと同様の効果を奏する。
【0050】
また、実施例1では、部品数をなるべく少なくする観点から、バイパス通路71がオゾン系統用配管65から分岐する分岐部に単一の三方弁を設置しているが、これに代えて、上記バイパス通路71の分岐部と減湿器62の間の部分と、バイパス通路71のそれぞれに、空気の流路を遮断、或いはその解除を行う第1及び第2の遮断弁を設置しても良い。この場合、コンプレッサ61からの圧縮空気をオゾン発生器63側に導く際には、バイパス通路71側に設けられている第2の遮断弁のみを閉弁し、第1の遮断弁は開弁した状態に維持すると良い。一方、上記の圧縮空気をバイパス通路71側に導く際には、オゾン系統用配管65側に設けられている第1の遮断弁のみを閉弁し、第2の遮断弁は開弁した状態に維持すると良い。また、図1において配置されていた減湿器62の代わりに、酸素発生器を設置しても良い。
【0051】
また、本実施例では、詰まり防止制御を制御部66に実施させているが、この制御部66とは別の第2の制御部を、詰まり防止制御を実施する専用の制御手段として備えていても良い。この場合、制御部66からオゾン発生器63の稼動状況を表す信号が、逐次、第2の制御部に送信されると良い。そして、第2の制御部は、制御部66から送信されてくる信号に基づいて、例えば、オゾン発生器63の稼動が停止される際には、コンプレッサ61からの圧縮空気がバイパス通路71側に導かれるように流路切り換え弁72を切り換え、オゾン発生器63の稼動が再開される際には、流路切り換え弁72を再び元の制御位置に復帰させると良い。
【0052】
<実施例2>
図3は、実施例2に係る廃水処理システム及びこれに適用するオゾン供給装置の概略構成を示す図である。実施例1と共通する構成については、図1と共通の符号を付すことで詳しい説明を割愛する。また、図3では、図1に示す流量調整槽2、ポンプ22、配管23などの図示を便宜上割愛しているが、実施例1と同様、流量調整槽2に貯留されている有機性廃水はポンプ22によって配管23を通じて生物処理槽3に供給されるものとする。以下、実施例1における構成上の相違点、及び実施例1に係る詰まり防止制御の内容との相違点を中心に説明する。
【0053】
図3の構成例では、図1に示したバイパス通路71の代わりに、連絡通路75が設けられている。連絡通路75は、曝気用通路53(より詳しくは、曝気用主通路53b)と、オゾン系統用配管65におけるオゾン発生器63及びオゾン用散気管64の間の部分(より詳しくは、オゾン系統用主配管65bにおけるオゾン発生器63よりも下流側の部分)とを接続する通路である。
【0054】
連絡通路75の途中には遮断弁76が設けられている。この遮断弁76は、閉弁されることで連絡通路75を遮断し、開弁されると連絡通路75の遮断を解除する機能を有し、制御部66から出力される制御信号に基づいて制御される電磁弁である。言い換えると、遮断弁76は、閉弁されることで曝気用ブロワー51から送気される曝気用空気における連絡通路75の流通を禁止し、開弁されることで曝気用空気における連絡通路75の流通
を許可するように機能する。
【0055】
その他、連絡通路75がオゾン系統用配管65に合流する合流部とオゾン発生器63との間には、ガスが上流側に逆流することを防止する逆止弁73が設けられている。
【0056】
オゾン発生器63が稼動している間は、制御部66は、遮断弁76を閉弁状態に制御することで、連絡通路75を遮断させた状態に維持する。これにより、曝気用ブロワー51からの曝気用空気における連絡通路75の流通が禁止されることになる。そのため、曝気用ブロワー51からの曝気用空気は、その全量が曝気用通路53を介して曝気用散気管52に導かれ、曝気用散気管52の散気孔から生物処理槽3内に散気される。このように有機性廃水が曝気されることで、これに含まれる汚濁物質の生物分解を促進させることができる。
【0057】
一方、生物処理槽3において生物処理する有機性廃水の処理負荷が無くなってオゾン発生器63の稼動を一時停止させる場合には、制御部66は、オゾン発生器63の稼動停止と併せて、詰まり防止制御を実施する。その際、制御部66は、遮断弁76を閉弁状態から開弁状態に切り換えることで、連絡通路75の遮断状態を解除する。これにより、曝気用ブロワー51からの曝気用空気における連絡通路75の流通が許可されるようになる。また、連絡通路75の流通が許可されるようになった曝気用空気は、逆止弁73の働きにより、オゾン系統用配管65をオゾン発生器63側に向けて逆流することは無い。
【0058】
その結果、曝気用空気が連絡通路75を介してオゾン用散気管64に導かれ、オゾン用散気管64の散気孔からは、オゾン含有ガスに代わり、曝気用ブロワー51からの曝気用空気が散気されるようになる。これによって、オゾン発生器稼動停止期間においても、有機性廃水が散気孔内に逆流することが無く、廃水に含まれる汚濁物質によって散気孔が閉塞することが防止される。従って、実施例1において述べた内容と同等の効果を奏する。
【0059】
本実施例においても、その形態に種々の変更を加えることができる。例えば、曝気用空気における連絡通路75の流通の禁止、許可を選択的に切り換えることの可能な弁であれば、遮断弁76以外の構成を採用しても良い。オゾン発生器63が稼動している間は曝気用ブロワー51からの曝気用空気における連絡通路75の流通を禁止し、オゾン発生器稼動停止期間においてはその流通を許可することができれば、種々の構成を採用することができる。
【0060】
図3の構成例では、オゾン発生器稼動停止期間に、曝気用ブロワー51からの曝気用空気を、オゾン用散気管64と曝気用散気管52の双方に供給しているが、オゾン発生器稼動停止期間にはオゾン用散気管64のみに曝気用空気を供給する構成を採用することもできる。
【0061】
例えば、曝気用通路53からの連絡通路75の分岐部に、曝気用空気を曝気用散気管52と連絡通路75側の何れか一方に導く流路切り換え弁を設置しても良い。そして、オゾン発生器63が稼動している間は、曝気用空気を曝気用散気管52に導き、オゾン発生器63の稼動が停止されている間は、曝気用空気を連絡通路75に導くようにしても良い。
【0062】
また、曝気用空気が曝気用散気管52と連絡通路75側の何れか一方に導かれる状態と、曝気用空気が双方に導かれる状態とを切り替え可能な流路切り換え弁を、連絡通路75の上記分岐部に設置しても良い。この構成例では、オゾン発生器63が稼動している間は曝気用空気を曝気用散気管52のみに導き、オゾン発生器63の稼動が停止されている間は曝気用空気を曝気用散気管52及び連絡通路75の双方に導くようにしても良い。
【0063】
更には、オゾン発生器稼動停止期間に曝気用ブロワー51からの曝気用空気をオゾン用散気管64と曝気用散気管52の双方に供給する場合と、オゾン用散気管64のみに供給する場合とで、曝気用ブロワー51の回転数(送気量)を可変制御するようにしても良い。上述のように、オゾン用散気管64の散気孔は曝気用散気管52の散気孔に比べて微細であるため、オゾン発生器稼動停止期間においてオゾン用散気管64のみに送気する場合には、曝気用ブロワー51が閉め切り運転に近い状態となる。このような場合に、多量の曝気用空気がオゾン用散気管64に送気されると、オゾン用散気管64の内圧が増大して曝気用ブロワー51やオゾン用散気管64等が破損する虞がある。また、上記した閉め切り運転が行われると、オゾン用散気管64からの送気量が曝気用ブロワー51の定格送気量に比べて極めて少なくなり、曝気用ブロワー51の駆動エネルギー(駆動電力)の損失が大きくなる虞がある。
【0064】
そこで、オゾン発生器稼動停止期間に曝気用ブロワー51からの曝気用空気をオゾン用散気管64のみに導く構成では、オゾン発生器稼動停止期間における曝気用ブロワー51の回転数(送気量)を例えばインバータ制御等によって、オゾン発生器63の稼動中に比べて減少させても良い。これにより、オゾン発生器稼動停止期間に曝気用ブロワー51からの曝気用空気の全量をオゾン用散気管64に導いたとしてもオゾン用散気管64の内圧が過度に上昇することが無いため、破損曝気用ブロワー51等の破損をより確実に回避することができる。それと同時に、破損曝気用ブロワー51の閉め切り運転を回避することで、破損曝気用ブロワー51の駆動電力のロスが増加することも抑止できる。なお、オゾン発生器稼動停止期間において、曝気用ブロワー51からの曝気用空気をオゾン用散気管64と曝気用散気管52の双方に送気する場合には、曝気用ブロワー51の回転数をオゾン発生器63の稼動中と同等に維持しても構わない。
【0065】
また、本実施例に係るオゾン供給装置においても、実施例1で説明した各変形例を好適に適用することができる。すなわち、遮断弁76を電磁弁とせずに、手動によって遮断、及びその解除を切り換えるようにしても良い。また、制御部66とは別に詰まり防止制御を実施する専用の第2の制御部を備えても良い。また、図3における減湿器62に代えて酸素発生器を設置しても良い。
【0066】
本実施例においては、詰まり防止制御を実施する制御部66、連絡通路75、及び遮断弁76を含んで本発明における詰まり抑制手段を構成している。また、本実施例では、オゾン発生器稼動停止期間に連絡通路75を介してオゾン用散気管64に供給される曝気用空気が、本発明におけるオゾン非含有ガスに対応する。
【0067】
<実施例3>
図4は、実施例3に係る廃水処理システム及びこれに適用するオゾン供給装置の概略構成を示す図である。実施例1と共通する構成については、図1と共通の符号を付すことで詳しい説明を割愛する。
【0068】
図4に示すように、本実施例では、オゾン発生器63よりも下流側のオゾン系統用主配管65bには、オゾン系統用主配管65b内の圧力を検出する圧力検出センサ67が設けられている。オゾン供給装置6は、更に第2の制御部68を備えている。圧力検出センサ67は第2の制御部68と電気配線を介して接続され、圧力検出センサ67の検出結果は逐次、第2の制御部68に入力される。また、本実施例において、流路切り換え弁72は第2の制御部68と電気的に接続されており、第2の制御部68によって切り換え制御がなされる。なお、本実施例においても、流路切り換え弁72を電磁弁として構成している。
【0069】
圧力検出センサ67によって圧力が検出されるオゾン系統用主配管65bは各オゾン用
散気管64と連通しているため、圧力検出センサ67は実質的にオゾン用散気管64の内部圧力を検出しているといえる。勿論、圧力検出センサ67によってオゾン用散気管64の内部圧力を直接検出するようにしても構わない。あるいは、オゾン系統用配管65におけるオゾン系統用枝配管65aに圧力検出センサ67を設けても良い。その場合、各オゾン系統用枝配管65aを代表して一のオゾン系統用枝配管65aのみに圧力検出センサ67を設置しても良いし、各オゾン系統用枝配管65aに圧力検出センサ67を設置しても良い。
【0070】
但し、オゾン用散気管64は生物処理槽3における有機性廃水に浸かっているため、当該廃水に浸からないオゾン系統用主配管65b、あるいはオゾン系統用枝配管65aのうち水に浸からない部位に圧力検出センサ67を設けるのが好ましいといえる。また、オゾン系統用主配管65bに圧力検出センサ67を設置する構成を採用した場合、圧力検出センサ67をよりオゾン発生器63に近い部位やオゾン発生器63の筐体内部に設置することができるようになるため、圧力検出センサ67の設置が容易であり、コスト削減の観点からも有利である。本実施例においては圧力検出センサ67が本発明における圧力検出手段に対応している。
【0071】
本実施例では、第2の制御部68が圧力検出センサ67による圧力の検出値を一定周期毎にモニタリングし、その結果に基づいて詰まり防止制御を実施すべく流路切り換え弁72の切り換え制御を行う。本実施例においては第2の制御部68が本発明における切り換え制御部に対応している。
【0072】
図5は、第2の制御部68による流路切り換え弁の切り換えタイミングを説明するタイミングチャート図である。縦軸には、圧力検出センサ67によって検出されるオゾン用散気管64内の圧力(以下、「散気管内検出圧力」という)Prvを示し、横軸には時間を示す。符号Prvsは、オゾン供給装置6によりオゾン含有ガスを供給しているときのオゾン用散気管64内の圧力であり、「オゾン供給時圧力レベル」と称する。符号Prvaは、オゾン用散気管64の微細多孔質構造の散気孔に有機性廃水が浸入する可能性があると考えられるオゾン用散気管64内の圧力であり、「散気孔浸水圧力レベル」と称する。
【0073】
ここで、散気管内検出圧力Prvの推移について説明すると、オゾン発生器63が稼動している間は、散気管内検出圧力Prvはオゾン供給時圧力レベルPrvsの近傍を推移する。そして、時間t1において、例えば生物処理槽3における処理負荷が無くなることでオゾン発生器63の稼動が一時停止されると、散気管内検出圧力Prvは徐々に低下する。
【0074】
このままの状態で放置する(時間が経過する)と、散気管内検出圧力Prvは廃水進入圧力レベルPrvaまで低下してしまうことになる。そこで、本実施例では、散気管内検出圧力Prvが所定の基準圧力Pvrb以下になった場合に、詰まり防止制御を行うようにする。この基準圧力Pvrbは、オゾン供給時圧力レベルPrvsよりも低く、かつ、廃水進入圧力レベルPrvaよりも高い圧力レベルとして設定されており、詰まり防止制御を開始するかどうかを決定する基準となる圧力レベルである。
【0075】
第2の制御部68は、圧力検出センサ67から散気管内検出圧力Prvを取得するたびに、散気管内検出圧力Prvが基準圧力Pvrb以下であるかどうかを判定する。第2の制御部68は、散気管内検出圧力Prvが基準圧力Pvrbより高いと判定した場合には、特に何もしない。すなわち、この状態では、オゾン発生器63は通常通り稼動していることを意味しており、オゾン用散気管64における散気孔の詰まり、閉塞が問題となることはない。
【0076】
ここで、図5では、時間t2において、散気管内検出圧力Prvが基準圧力Pvrbに到達している。そして、第2の制御部68は、散気管内検出圧力Prvが基準圧力Pvrb以下であると判定すると、流路切り換え弁72にコンプレッサ61と減湿器62とを遮断させ、コンプレッサ61とバイパス通路71とを導通させるように切り換え制御信号を出力する。
【0077】
その後、若干のタイムラグを伴い時間t3において散気管内検出圧力Prvは上昇を開始するが、散気管内検出圧力Prvが廃水進入圧力レベルPrvaまで低下することはない。すなわち、散気管内検出圧力Prvは、オゾン発生器63の稼動が間欠運転される場合においても、常に散気管内検出圧力Prvを廃水進入圧力レベルPrvaよりも高いレベルの圧力に維持させることができる。
【0078】
なお、流路切り換え弁72を切り換えるトリガーとなる基準圧力Pvrbは、オゾン供給時圧力レベルPrvs、廃水進入圧力レベルPrva、及び流路切り換え弁72への制御信号が出されてから実際に流路切り換え弁72の切り換えが完了するまでの応答時間等に応じて設定すると良い。但し、オゾン発生器63の稼動を停止する際に、オゾン用散気管64内の圧力がオゾン供給時圧力レベルPrvsから廃水進入圧力レベルPrvaに低下するまでの時間が短いことに起因して、オゾン用散気管64内の圧力が一時的に廃水進入圧力レベルPrva以下になることがあっても殆ど支障はないと考えられる。これは、本処理システムに適用されるオゾン用散気管64の散気孔は微細多孔質構造を有しているため、管内圧力が廃水進入圧力レベルPrvaに到達したとしても、散気孔内に廃水が進入する速度が非常に遅いからである。
【0079】
その後、間もなく流路切り換え弁72の切り換えが完了すれば、バイパス通路71を経由する圧縮空気がオゾン発生器63を迂回してオゾン用散気管64に直接導かれ、オゾン用散気管64の散気孔から圧縮空気が散気されるようになる。その結果、オゾン用散気管64内の圧力上昇が開始されることになり、オゾン用散気管64における散気孔が閉塞することを回避できる。なお、本実施例に係る制御内容は、図3に示す構成にも好適に適用することができる。
【0080】
なお、オゾン発生器63に対する間欠制御(ON−OFF制御)においてオゾン発生器63の稼動が停止される状況の他、図5に示すような散気管内検出圧力Prvの低下、すなわちオゾン用散気管64の内圧低下は、上述した容量制御においてオゾン生成量が小さな制御値まで減ぜられる状況においても起こり得る。このように容量制御に係るオゾン生成量が少なくなることに起因して散気管内検出圧力Prvが基準圧力Pvrb以下になった場合にも、流路切り換え弁72の切り替え制御を行うことによりバイパス通路71を経由させた圧縮空気をオゾン用散気管64の散気孔から散気させ、あるいは図3の構成を採用する場合には遮断弁76を開弁することで曝気用ブロワー51からの曝気用空気をオゾン用散気管64の散気孔から散気させると良い。
【0081】
(他の制御例)
また、上記の制御例では、散気管内検出圧力Prvのモニタリング結果に基づいて詰まり防止制御を開始するかどうかを判断しているが、以下のような判断手法を採用することもできる。第一に、曝気装置5の稼動状況に連動させ、曝気装置5の稼動が停止される期間に亘り、詰まり防止制御を実施するようにしても良い。例えば、曝気装置5が制御部66によって制御される場合、制御部66により曝気装置5への稼動停止指令が出された際には、曝気装置5に対する再稼働の指令が出されるまでの期間に亘り、詰まり防止制御を実施しても良い。
【0082】
第二には、生物処理槽3における酸素濃度(溶存酸素濃度)を酸素濃度センサ(図示せ
ず)によって検出し、第2の制御部68は上記溶存酸素濃度のモニタリング結果に基づいて、詰まり防止制御を開始しても良い。
【0083】
ここで、有機性廃水に含まれる汚濁物質は活性汚泥中の微生物の栄養分(エサ)となる。より詳しく述べると、活性汚泥中の微生物によって捕食された有機物はその一部が微生物の繁殖に費やされ、残りは水と二酸化炭素まで分解されるが、何れの場合においても有機性廃水中における酸素が消費されることになる。そして、活性汚泥に含まれる微生物がより多くのエサを捕食する状況下ほど、有機性廃水中に溶存する酸素の消費量が増加する。
【0084】
一方、活性汚泥に含まれる微生物へのエサの供給が無くなると、微生物による酸素消費量が減少することになる(微生物の基礎代謝分の酸素は消費されるが、その消費量は上記有機物を捕食した際の酸素消費量に比べて少ない)。従って、例えば流量調整槽2から生物処理槽3への有機性廃水の流入(供給)停止に伴い廃水処理負荷が減少してゆくと、微生物のエサ不足が起こることによって酸素濃度の上昇に繋がる。
【0085】
そこで、第2の制御部68は、生物処理槽3内の有機性廃水における酸素濃度が所定の規定溶存酸素濃度以上であると判定した場合に、詰まり防止制御を開始するようにしても良い。通常、生物処理槽3における溶存酸素濃度の好適な制御範囲としては1〜3ppm程度を例示することができるため、上記規定溶存酸素濃度を例えば5〜6ppm程度に設定し、この判断基準値まで溶存酸素濃度が上昇した場合に詰まり防止制御を開始しても良い。なお、活性汚泥に含まれる微生物による酸素消費が零となる場合を仮定すると、その際の溶存酸素濃度は飽和濃度に一致する。この飽和濃度は水温に依存するものの、8〜9ppm程度が一般的な値として例示することができる。なお、上述した規定溶存酸素濃度の値は例示的なものであり、上記範囲に限定される趣旨ではない。
【0086】
<実施例4>
次に、実施例4に係る詰まり防止制御について説明する。本実施例に係るオゾン供給装置のハード構成は図1に示したものと同様である。上述までの実施例に係る詰まり防止制御では、オゾン発生器稼動停止期間ΔTsに亘り詰まり防止制御を継続していた。ここで、図2にも示したように、オゾン発生器稼動停止期間ΔTsが過度に長くなることは通常想定されないが(通常の工場廃水では、オゾン発生器稼動停止期間ΔTsの継続は1日程度である)、詰まり防止制御に係るオゾン非含有ガスの連続供給時間が長期に及ぶと、オゾン用散気管64から散気が行われていたとしてもオゾン用散気管64の表面に生物膜(例えば、ぬめり状のスライム層)が成長し易くなる。
【0087】
これは、汚濁物質を含んだ有機性廃水がオゾン用散気管64の散気孔内に逆流することによる閉塞リスクよりは小さいが、生物膜の成長を放置すると散気孔の閉塞リスクが僅かながら増加するとも考えられる。
【0088】
そこで、制御部66は、オゾン発生器稼動停止期間ΔTsが長くなるような場合には、以下のように詰まり防止制御を行うようにした。図6は、本実施例に係る詰まり防止制御の処理内容を示すフローチャートである。本ルーチンは制御部66によって所定周期毎に実行される。
【0089】
ステップS101では、詰まり防止制御が継続中か否かを判定する。本ステップにおいて否定判定された場合にはステップS102に進む。一方、肯定判定された場合にはステップS105に進む。ステップS102では、オゾン発生器63の稼動停止条件が成立しているか否かを判定する。本ステップでは、既述のように生物処理槽3において生物処理する有機性廃水の処理負荷が無くなった場合に成立するようにしても良い。本ステップに
おいて稼動停止条件が成立していると判定された場合にはステップS103に進み、そうでない場合には本ルーチンを一旦終了する。
【0090】
ステップS103では、制御部66が詰まり防止制御を開始する。詰まり防止制御を開始する際の処理内容は実施例1において説明したものと同様である。すなわち、制御部66は、オゾン発生器63に稼動停止信号を出力してその稼動を停止させると共に、流路切り換え弁72に切り換え信号を出力して圧縮空気の流路をバイパス通路71側に切り換えさせる。本ステップの処理が終了すると、ステップS104の処理に進む。
【0091】
ここで、制御部66は、図示しない計時装置(タイマー)を備える。ステップS104において、制御部66は、計時装置による時間のカウントを開始する。これにより、ステップS103において流路切り換え弁72が圧縮空気の流路をバイパス通路71側に切り換えてからの経過時間、すなわちオゾン非含有ガスの連続供給時間(以下、「オゾン非含有ガス連続供給時間」という)ΔToの計測が開始される。本ステップの処理が終了すると、ステップS105の処理に進む。
【0092】
ステップS105において、制御部66は、オゾン非含有ガス連続供給時間ΔToが第一設定時間ΔTob1以上であるか否かを判定する。ここで、肯定判定された場合(ΔTo≧ΔTob1)にはステップS106に進み、否定判定された場合(ΔTo<ΔTob1)には本ルーチンを一旦終了する。
【0093】
ステップS106において、以下に説明する短期オゾン供給処理を行う。この短期オゾン供給処理は、上記のように、オゾン非含有ガス連続供給時間ΔToが第一設定時間ΔTob1に到達した場合には、第一設定時間ΔTob1よりも短い時間として設定される第二設定時間ΔTob2だけ詰まり防止制御に係るオゾン非含有ガスの供給を中断し、この中断期間に亘りオゾン発生器63を稼働させてオゾン含有ガスをオゾン用散気管64に供給する処理である。
【0094】
ここで、第一設定時間ΔTob1は、オゾン用散気管64の表面に生物膜が生成されることに起因して散気孔の閉塞リスクが増大する可能性がある、オゾン非含有ガスの連続供給時間である。一方、第二設定時間ΔTob2は、第一設定時間ΔTob1に比べて短い時間として設定される。第二設定時間ΔTob2は、詰まり防止制御に際して、オゾン用散気管64の表面に生物膜が生成されることに起因して生じる散気孔の閉塞リスクを無くすために、スポット的にオゾン含有ガスの供給を行うときの継続時間としての意義を有する。
【0095】
第一設定時間ΔTob1、第二設定時間ΔTob2は、予め設定されていても良いが、処理対象たる有機性廃水の水質により可変設定することもできる。例えば、有機性廃水における有機性成分濃度が低く、処理負荷が少ないときほど、第一設定時間ΔTob1をより長い時間として設定しても良い。一方、有機性廃水における有機性成分濃度が低く、処理負荷が少ないときほど、第二設定時間ΔTob2をより短い時間として設定しても良い。そして、第一設定時間ΔTob1は例えば12時間〜240時間の範囲で好適に設定することができ、第二設定時間ΔTob2は例えば1分〜60分の範囲で好適に設定することができる。
【0096】
短期オゾン供給処理の実施に際して、制御部66は、切り換え弁72に切り換え信号を出力して圧縮空気の流路をオゾン発生器63側に切り換えさせる。そして、オゾン発生器63に始動信号を出力して、オゾンを生成させる。これにより、オゾン発生器63からオゾン含有ガスがオゾン用散気管64に供給され、生物処理層3内の有機性廃水中に散気される。
【0097】
制御部66は、計時装置により、短期オゾン供給処理を開始してからの経過時間、すなわち短期オゾン供給処理の継続時間のカウントを開始する。そして、制御部66は、短期オゾン供給処理の継続時間が第二設定時間ΔTob2に到達したか否かを判定する。そして、短期オゾン供給処理の継続時間が第二設定時間ΔTob2に至っていない場合には短期オゾン供給処理を継続し、至った場合には短期オゾン供給処理を終了すると共に、詰まり防止制御を再開する。詰まり防止制御の再開に際しては、ステップS103における処理内容と同様、制御部66は、オゾン発生器63に稼動停止信号を出力してその稼動を停止させると共に、流路切り換え弁72に切り換え信号を出力して圧縮空気の流路をバイパス通路71側に切り換えさせる。本ステップの処理が終了すると、ステップS107の処理に進む。
【0098】
ステップS107において、制御部66は、計時装置によってカウントしているオゾン非含有ガス連続供給時間ΔTo、及び短期オゾン供給処理の継続時間をリセットし、本ルーチンを一旦終了する。
【0099】
以上のように、本制御によれば、詰まり防止制御が長期に及ぶような場合においても、オゾン非含有ガス連続供給時間ΔToが第一設定時間ΔTob1経過するごとに、第二設定時間ΔTob2だけオゾン含有ガスがオゾン用散気管64にスポット的、短期的に供給されることになる。従って、たとえ詰まり防止制御が長期に及ぶ場合においても、オゾン用散気管64の表面に生物膜が成長することを抑制し、オゾン用散気管64における散気孔の閉塞リスクをより確実に低減することができる。
【0100】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得る。例えば、本実施の形態では、生物処理層3に流入する有機性廃水に対してオゾンを供給するオゾン供給装置を例に説明したが、流量調整槽2や沈殿槽4における有機性廃水に対してオゾンを供給しても良い。また、本発明に係る廃水処理システムに適用されるオゾン供給装置は各実施例の態様に限定されるものではなく、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【符号の説明】
【0101】
1・・・廃水処理システム
2・・・流量調整槽
3・・・生物処理槽
4・・・沈殿槽
5・・・曝気装置
6・・・オゾン供給装置
51・・曝気用ブロワー
52・・曝気用散気管
53・・曝気用通路
61・・コンプレッサ
62・・減湿器
63・・オゾン発生器
64・・オゾン用散気管
65・・オゾン系統用配管
66・・制御部
71・・バイパス通路
72・・流路切り換え弁
75・・連絡通路
76・・遮断弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性汚泥による有機性廃水の廃水処理システムに適用され、処理槽内における該有機性廃水にオゾン含有ガスを供給するオゾン供給装置であって、
前記処理槽内に配置され、前記オゾン含有ガスを前記有機性廃水中に散気するためのオゾン用散気管と、
空気を圧縮して圧縮空気を生成するコンプレッサと、
前記コンプレッサから供給される圧縮空気を原料ガスとして前記オゾン含有ガスを生成し、該オゾン含有ガスを前記オゾン用散気管に供給するオゾン発生器と、
前記コンプレッサ、前記オゾン発生器、及び前記オゾン用散気管を連通するオゾン系統用通路と、
前記オゾン発生器を制御する制御手段と、
前記制御手段が前記オゾン発生器の稼動を一時停止させる場合、その稼動停止期間中に、オゾンを含有しないオゾン非含有ガスを前記オゾン用散気管に供給すると共にそのオゾン非含有ガスを該オゾン用散気管の前記散気孔から前記有機性廃水中に散気させる詰まり抑制手段と、
を備える、オゾン供給装置。
【請求項2】
前記詰まり抑制手段は、
前記オゾン系統用通路における前記コンプレッサ及び前記オゾン発生器の間の部分と、前記オゾン系統用通路における前記オゾン発生器及び前記オゾン用散気管の間の部分とを接続する連絡通路と、
前記コンプレッサが生成した圧縮空気を、前記オゾン発生器側と前記連絡通路側の何れかに導く切り換え弁と、
を有し、
前記オゾン非含有ガスとは、前記コンプレッサから流出した後、前記オゾン発生器に流入する前の圧縮空気であって、
前記オゾン発生器が稼動している間は前記圧縮空気が前記切り換え弁によって前記オゾン発生器側に導かれ、前記稼動停止期間中においては前記圧縮空気が前記切り換え弁によって前記連絡通路側に導かれることで、該圧縮空気が前記オゾン発生器を迂回して直接前記オゾン用散気管に供給される、
請求項1に記載のオゾン供給装置。
【請求項3】
前記廃水処理システムは、曝気用空気を送気するブロワーと、曝気用通路を介して該ブロワーから送気されてくる前記曝気用空気を前記処理槽内の前記有機性廃水中に散気する曝気用散気管を更に備え、
前記詰まり抑制手段は、
前記曝気用通路と、前記オゾン系統用通路における前記オゾン発生器及び前記オゾン用散気管の間の部分とを接続する連絡通路と、
前記曝気用空気における前記連絡通路の流通を禁止又は許可する切り換え弁と、
を有し、
前記オゾン非含有ガスとは、前記ブロワーが送気する前記曝気用空気であって、
前記オゾン発生器が稼動している間は前記切り換え弁によって前記曝気用空気における前記連絡通路の流通が禁止され、前記稼動停止期間中においては前記曝気用空気における前記連絡通路の流通が許可されることで該曝気用空気が前記オゾン用散気管に供給される、
請求項1に記載のオゾン供給装置。
【請求項4】
前記切り換え手段は電磁弁であって、
前記詰まり抑制手段は、
前記オゾン用散気管内の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段による検出値をモニタリングすると共に、該検出値が所定の基準値以下にあると判定した場合に前記電磁弁の切り換え制御を行う切り換え制御部と、を更に有する、
請求項2又は3に記載のオゾン供給装置。
【請求項5】
前記詰まり抑制手段による前記オゾン用散気管への前記オゾン非含有ガスの連続供給時間が第一設定時間以上になる場合には、該第一設定時間の経過毎に、該第一設定時間に比べて短い時間として設定される第二設定時間だけ前記詰まり抑制手段による前記オゾン非含有ガスの供給が中断され、当該中断期間に亘り前記制御手段が前記オゾン発生器を稼働させて前記オゾン含有ガスを前記オゾン用散気管に供給する、
請求項1から4の何れか一項に記載のオゾン供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−71238(P2012−71238A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216995(P2010−216995)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【Fターム(参考)】