説明

オゾン氷収納容器

【課題】水漏れが生じることなく、オゾンガスのみを容器外に放出することのできるオゾン氷収納容器、及び当該オゾン氷収納容器の製造方法を提供する。
【解決手段】オゾン氷収納容器1は、略直方体状の箱体2と、箱体2の底面の大きさと同一又はそれよりもわずかに小さく、箱体2内を上下方向に第1の空間22と第2の空間23とに仕切るようにして箱体2内に配置される中板部材4と、第1の空間22に収納されるオゾン氷5と、第2の空間23に収納されるゲル化剤6又は吸水性繊維7とを備え、中板部材4には、第1の空間22と第2の空間23とを連通する1又は2以上の孔43が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン氷を収納する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食品等を輸送する場合、輸送する間に生鮮食品等の鮮度を維持し、生鮮食品等を腐食させないようにする必要があるが、その輸送時間が長いと、輸送する間に生鮮食品等の鮮度が落ちてしまったり、生鮮食品等が腐食してしまったりするおそれがある。そのため、従来、生鮮食品等の輸送において、優れた殺菌力及び脱臭力を有し、無公害なオゾンの利用が盛んに行われている。
【0003】
従来、オゾンは、放電方式、電気分解、紫外線ランプ方式等により生成されているが、いずれの生成方法も複雑であり、大掛かりな機器を必要としたり、大幅な電力消費を伴ったりするものであった。また、生成されたオゾンは、不安定な化合物であるため、即座に酸素に還元されてしまい、オゾンを貯蔵することが困難であった。
【0004】
このような問題を解決するために、高濃度のオゾン水を凍結させることにより生成されるオゾン氷が提案されており、かかるオゾン氷は、そのオゾン氷が溶解することによりオゾンを簡単に放出するため、オゾン殺菌、オゾン消臭を目的とした用途に使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなオゾン氷は、オゾンガスを透過するが水を透過することのない不織布等からなるオゾン氷収納容器に収納された状態で使用されているが、外部からの衝撃等により不織布等からなるオゾン氷収納容器が傷つき、水漏れが起こってしまうという問題があった。
【0006】
特に、生鮮食品等の保存用に使用しているときに水漏れが起こってしまうと、生鮮食品等と水とが接触し、生鮮食品等の品質(味)が低下してしまうという問題があった。
【0007】
このような実情に鑑みて、本発明は、水漏れが生じることなく、オゾンガスのみを容器外に放出することのできるオゾン氷収納容器、及び当該オゾン氷収納容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、略直方体状の箱体と、前記箱体の底面の大きさと同一又はそれよりもわずかに小さく、前記箱体内を上下方向に第1の空間と第2の空間とに仕切るようにして前記箱体内に配置される中板部材と、前記第1の空間に収納されるオゾン氷と、前記第2の空間に収納されるゲル化剤とを備え、前記中板部材には、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通する1又は2以上の孔が設けられていることを特徴とするオゾン氷収納容器を提供する(請求項1)。
【0009】
第1の空間に収納されているオゾン氷が融解すると、箱体からオゾンガスが放出されるが、上記発明(請求項1)によれば、オゾン氷の融解により生じた水が第2の空間に収納されているゲル化剤によりゲル化されるため、オゾン氷収納容器外に水が漏出することなく、オゾンガスのみをオゾン氷収納容器外に放出することができる。
【0010】
上記発明(請求項1)においては、前記中板部材が、前記箱体の底面の大きさと同一又はそれよりもわずかに小さい平板部と、前記平板部の少なくとも対向する2辺のそれぞれから前記箱体の底面に向かって延伸し、前記箱体の底面に当接する側壁部とを有し、前記平板部には、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通する1又は2以上の孔が設けられていることが好ましい(請求項2)。
【0011】
上記発明(請求項1,2)においては、前記箱体の天面には、オゾンガスを透過し水を透過しない径の孔部が複数形成されており、前記オゾン氷が、前記箱体の天面に接するようにして前記第1の空間に収納されることが好ましい(請求項3)。
【0012】
オゾンは、その比重が大きいため、オゾン氷の融解により生じたオゾンガスの一部が、箱体の外部に効果的に放出されないおそれもあるが、上記発明(請求項3)によれば、箱体の天面にオゾン氷が接しているため、オゾン氷の融解により生じたオゾンガスが箱体の外部に放出されやすい。特に、オゾン氷の融解により当該オゾン氷の体積が減少すると、箱体内部に隙間が生じてしまい、オゾンガスが効果的に箱体の外部に放出されなくなってしまうおそれがあるが、第2の空間に収納されるゲル化剤又は吸水性繊維と水とが接触することで、ゲル化剤又は吸水性繊維が膨張するため、常にオゾン氷が箱体の天面に接触した状態になり、箱体の外部にオゾンガスを効果的に放出することができる。
【0013】
上記発明(請求項1〜3)においては、前記ゲル化剤又は前記吸水性繊維が、水溶性カプセルに封入されていることが好ましい(請求項4)。かかる発明(請求項4)によれば、カプセルが水溶性樹脂からなることで、オゾン氷の融解水とカプセルとが接触することでカプセルが溶解し、カプセル内のゲル化剤又は吸水性繊維と融解水とが接触することができるため、オゾン氷の融解水へのオゾンガスの再溶解をより防止することができる。
【0014】
上記発明(請求項4)においては、前記水溶性カプセルが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちのいずれか1種又は2種以上からなることが好ましい(請求項5)。
【0015】
上記の水溶性樹脂は、いずれも水への溶解性が高く、オゾン氷の融解水と接触すると、素早くオゾン氷の融解水に溶解するため、上記発明(請求項5)によれば、カプセル内のゲル化剤又は吸水性繊維とオゾン氷の融解水とを接触させることができ、オゾン氷の融解水をゲル化することができ、又はオゾン氷の融解水を吸水性繊維に吸収させることができる。
【0016】
上記発明(請求項5)においては、前記カプセルの膜厚が、80〜100μmであることが好ましい(請求項6)。カプセルがオゾン氷の融解水と接触してから溶解するまでに時間がかかると(例えば、10分超)、オゾン氷から放出されたオゾンがオゾン氷の融解水に再溶解してしまうおそれがあるが、かかる発明(請求項5)によれば、カプセルの膜厚が上記範囲内であることで、カプセルがオゾン氷の融解水と接触してから溶解するまでにかかる時間を短縮することができ(例えば、10分以内)、オゾン氷から放出されたオゾンガスがオゾン氷の融解水に再溶解することを防止することができる。
【0017】
上記発明(請求項1〜6)においては、前記ゲル化剤が、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物であることが好ましい(請求項7)。かかる発明(請求項7)によれば、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物は、水を瞬時にゲル化することができるため、オゾン氷の融解水にオゾンガスが再溶解するのをより防止することができる。
【0018】
また、本発明は、底面にオゾンガスを透過し水を透過しない径の孔部が複数設けられた略直方体状の箱体内に供給された所定量のオゾン水を凍結させ、得られたオゾン氷上に1又は2以上の孔が設けられた中板部材を載置し、前記中板部材上に所定量のゲル化剤又は吸水性繊維を敷設することを特徴とするオゾン氷収納容器の製造方法を提供する(請求項8)。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水漏れが生じることなく、オゾンガスのみを容器外に放出することのできるオゾン氷収納容器、及び当該オゾン氷収納容器の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るオゾン氷収納容器を示す斜視図であり、図2は、本発明の第1の実施形態に係るオゾン氷収納容器を示すA−A線断面図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るオゾン氷収納容器1は、上部開口部を有する略直方体状の箱体2と、箱体2の上部開口部を覆う蓋部材3とからなるものである。
【0022】
箱体2の上部開口部周縁には、フランジ部21が設けられている。また、箱体 は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の樹脂からなるものであればよい。
【0023】
箱体2の成型方法は、特に限定されるものではなく、一般に樹脂の成型に用いられる方法を使用することができる。例えば、押出成型、射出成型、レジンキャスト等により成型すればよい。
【0024】
蓋部材3は、箱体2のフランジ部21に蓋部材3の4辺がそれぞれ貼着されることにより、箱体2の上部開口部を覆っている。蓋部材3には、略長方形状の開口部31,31が2つ形成されており、かかる略長方形状の開口部31,31の裏面側には、ポリエチレン等からなるフィルム部材32が開口部を塞ぐようにして設けられている。当該フィルム部材32には、オゾンガスを透過するが水を透過しない複数の細孔(図示せず)が形成されているため、オゾン氷5の融解により生じたオゾンガスをオゾン氷収納容器1外に放出することができるとともに、水が漏出するのを防止することができる。
【0025】
図2に示すように、オゾン氷収納容器1内には、箱体2内に嵌合し得る中板部材4が備えられており、当該中板部材4が箱体2内に第1の空間22と第2の空間23とを形成するようにして当該箱体2内を上下方向に仕切っている。
【0026】
中板部材4は、箱体2内の底面と略同じ大きさの、又はわずかに小さい略長方形状の平板部41と、平板部41の4辺から下方に延伸し、箱体2内の底面に当接するフラップ部42とからなる。
【0027】
中板部材4の平板部41には、複数の孔43,43・・・が形成されており、かかる複数の孔43により箱体2内の第1の空間22と第2の空間23とが連通されている。
【0028】
箱体2内の第1の空間22には、略直方体状のオゾン氷5が収納されている。このオゾン氷5は、蓋部材3の裏面側に当接するように、第1の空間22に隙間なく嵌まり込むようにして収納されているのが好ましい。これにより、蓋部材3のフィルム部材32に形成されている細孔からオゾン氷包装容器1の外側に効果的にオゾンが放出される。
【0029】
オゾン氷5は、オゾンを含む水(オゾン水)を凍結させることにより得られる。オゾン氷5からのオゾン放出量は、生鮮食品等の殺菌、腐食防止及び変色防止に必要なオゾン量と相対的な関係にあるので、あらかじめ計算して必要量のオゾンが放出されるように、オゾン氷5内にオゾンを封じ込める必要がある。オゾン氷5内に含まれるオゾン量は、原料であるオゾン水のオゾン濃度により決定される。
【0030】
一般に、生鮮食品等の鮮度を維持し、腐食を防止するために、オゾン氷5の原料であるオゾン水のオゾン濃度は、10〜50mg/Lであることが好ましく、特に20〜40mg/Lであることが好ましい。オゾン水のオゾン濃度が10mg/L未満であると、オゾン氷5内に含まれるオゾン量が少なくなり、生鮮食品等の鮮度を維持するためには複数のオゾン氷収納容器1を使用しなければならず、生鮮食品等の保存にコストがかかってしまうおそれがある。また、オゾン水のオゾン濃度が50mg/Lを超えると、生鮮食品等の鮮度を維持し、腐食を防止することはできるが、オゾン氷5から放出されるオゾン量が多くなりすぎて、生鮮食品等が変色したり、漂白されてしまったりするおそれがあり好ましくない。
【0031】
箱体2内の第2の空間23には、ゲル化剤6又は吸水性繊維7が充填されている。かかるゲル化剤6としては、オゾン氷5の融解水をゲル化し得るものであれば得に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物、カチオン系高分子凝集剤、ウレタン系樹脂吸水ポリマー等が挙げられる。
【0032】
オゾン氷収納容器1内におけるゲル化剤6の量は、オゾン氷5の融解水をすべてゲル化し得る量であればよく、ゲル化剤6の種類によって適宜変更することができるものではあるが、例えば、ゲル化剤6としてアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物を用いた場合、1gのオゾン氷5に対して、1〜15mgのゲル化剤6を充填することが好ましく、5〜10mgのゲル化剤6を充填することがより好ましい。
【0033】
吸水性繊維7とは、水膨潤度(自重に対して吸収する水の割合)が3倍以上、好ましくは5倍以上、特に好ましくは10倍以上であり、かつ繊維形態を有するものであれば、特に限定されることなく使用することができる。このような吸水性繊維としては、例えば、アクリロニトリル−アクリル酸塩共重合体、ポリアクリル酸塩−多価アルコール共重合体熱処理物、デンプン−アクリル酸又はその塩グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体ケン化物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、酢酸ビニル−不飽和ジカルボン酸共重合体ケン化物等を繊維状にしたもの;アクリル繊維、セルロース繊維、ポリビニルアルコール維持等を吸水変性処理(ヒドロゲル化)したもの;繊維表面を親水性重合体で被覆したもの等が挙げられる。このようなものの中でも、ヒドロゲル化(吸水性でかつ水不溶性の重合体)外層とアクリロニトリル系重合体内層とで形成されたランシール(登録商標,東洋紡績社製)に代表される複合吸水性繊維は、優れた吸水能を有するものであり望ましい。
【0034】
吸水性繊維7の繊度は特に限定されるものではないが、1〜9dtexであるのが好ましく、1〜6dtexであるのがより好ましい。また、吸水性繊維7の繊維長も特に限定されるものではないが、50mm程度であればよい。
【0035】
オゾン氷収納容器1内における吸水性繊維7の量は、オゾン氷5の融解水をすべて吸収し得る量であればよく、吸水性繊維7の種類によって適宜変更することができるものではあるが、吸水性繊維7としてランシール(登録商標,東洋紡績社製)を使用する場合、1gのオゾン氷5に対して、20〜50mgの吸水性繊維7を充填することが好ましく、20〜30mgの吸水性繊維7を充填することがより好ましい。
【0036】
このようなオゾン氷収納容器1は、箱体2の底面が開口し、かつ、上面開口部にフィルム部材32を有する蓋部材3が貼着された状態で、底面側からオゾン水を箱体2内に導入し、オゾン水を凍結させてオゾン氷5を製造した後に、当該オゾン氷5の上部に中板部材4を載置し、ゲル化剤6又は吸水性繊維7を充填した上で、箱体2の底面となる板状部材を融着することにより製造してもよい。
【0037】
以上説明したようなオゾン氷収納容器1は、生鮮食品等の鮮度を維持し、腐食を防止するために使用することができる。例えば、生鮮食品等の収納容器に本実施形態に係るオゾン氷収納容器1を収納することができる。このとき、オゾン氷収納容器1内のオゾン氷5が融解することで、オゾン氷5からオゾンガスが発生し、かかるオゾンガスがフィルム部材32の細孔から放出されることで、生鮮食品等の鮮度を維持し、腐食を防止することができる。
【0038】
オゾン氷5が融解することで生じる融解水は、中板部材4の孔43を通じて第2の空間23に導入され、第2の空間23内に充填されているゲル化剤6と接触することでゲル化され、又は吸水性繊維7と接触することで吸水性繊維7に吸収される。融解水がゲル化されると、ゲル化剤6の体積が膨張するため、それに伴い中板部材4が上方へ移動する(押し上げられる)。また、融解水が吸水性繊維7に吸収されても同様に、吸水性繊維7の体積が膨張し、中板部材4が上方へ移動する(押し上げられる)。このようにして、オゾン氷5の融解により体積が減少した分、ゲル化剤6又は吸水性繊維7の体積が膨張し、常にオゾン氷5が蓋部材3の裏面に当接した状態を維持することができる。これにより、オゾン氷5から生じたオゾンガスが、フィルム部材32の細孔を通じてオゾン氷収納容器1の外側に放出される。
【0039】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るオゾン氷収納容器10を図面に基づいて説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図3に示すように、本実施形態に係るオゾン氷収納容器10は、箱体2内の第2の空間23にゲル化剤6又は吸水性繊維7を充填した水溶性カプセル61を収納するようにした以外は、上記第1の実施形態と同様の構成を有するものである。
【0041】
水溶性カプセル61は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース等のセルロース系樹脂;ゼラチン系樹脂;デンプン系樹脂等からなるものであればよい。
【0042】
水溶性カプセル61の膜厚は、80〜100μmであることが好ましい。水溶性カプセル61の膜厚が上記範囲内であることで、オゾン氷5の融解水と水溶性カプセル61とが接触してから10分以内に水溶性カプセル61が融解水に溶解し、ゲル化剤6と融解水とを接触させて融解水をゲル化することができ、又は吸水性繊維7と融解水とを接触させて融解水を吸水性繊維7に吸収させることができるため、オゾン氷5から放出されたオゾンガスが融解水に再溶解するのを防止することができるとともに、オゾン氷5の融解水がオゾン氷収納容器10の外側に漏出するのを防止することができる。
【0043】
水溶性カプセル61に充填されたゲル化剤6は、オゾン氷5の融解水と接触することにより当該融解水をゲル化する。融解水がゲル化されると、ゲル化剤6の体積が膨張するため、それに伴い中板部材4が上方へ移動する(押し上げられる)。また、水溶性カプセル61に充填された吸水性繊維7は、オゾン氷5の融解水と接触することにより当該融解水を吸収する。融解水が吸収されると、吸水性繊維7の体積が膨張するため、それに伴い中板部材4が上方へ移動する(押し上げられる)。このようにして、オゾン氷5の融解により体積が減少した分、ゲル化剤6又は吸水性繊維7の体積が膨張し、常にオゾン氷5が蓋部材3の裏面に当接した状態を維持することができる。これにより、オゾン氷5から生じたオゾンガスが、フィルム部材32の細孔を通じてオゾン氷収納容器10の外側に放出される。
【0044】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0045】
例えば、上記実施形態では、中板部材4の平板部41に複数の孔43が形成されていたが、第1の空間22と第2の空間23とを連通することができる限り、少なくとも1つの孔43が形成されていればよい。この場合、平板部41の略中心に1つの孔43を形成し、平板部41を孔43に向かって凹状に湾曲した形状としてもよい。これにより、オゾン氷5の融解水とゲル化剤6又は吸水性繊維7とを接触しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るオゾン氷収納容器を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るオゾン氷収納容器を示すA−A線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るオゾン氷収納容器を示すA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1…オゾン氷収納容器
2…箱体
22…第1の空間
23…第2の空間
3…蓋部材
4…中板部材
41…平板部
42…フラップ部
43…孔
5…オゾン氷
6…ゲル化剤
61…水溶性カプセル
7…吸水性繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体状の箱体と、
前記箱体の底面の大きさと同一又はそれよりもわずかに小さく、前記箱体内を上下方向に第1の空間と第2の空間とに仕切るようにして前記箱体内に配置される中板部材と、
前記第1の空間に収納されるオゾン氷と、
前記第2の空間に収納されるゲル化剤又は吸水性繊維と
を備え、
前記中板部材には、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通する1又は2以上の孔が設けられていることを特徴とするオゾン氷収納容器。
【請求項2】
前記中板部材が、前記箱体の底面の大きさと同一又はそれよりもわずかに小さい平板部と、前記平板部の少なくとも対向する2辺のそれぞれから前記箱体の底面に向かって延伸し、前記箱体の底面に当接するフラップ部とを有し、
前記平板部には、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通する1又は2以上の孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン氷収納容器。
【請求項3】
前記箱体の天面には、オゾンガスを透過し水を透過しない径の孔部が複数形成されており、
前記オゾン氷が、前記箱体の天面に接するようにして前記第1の空間に収納されることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン氷収納容器。
【請求項4】
前記ゲル化剤又は前記吸水性繊維が、水溶性カプセルに封入されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオゾン氷収納容器。
【請求項5】
前記水溶性カプセルが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルエチルセルロースのうちのいずれか1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項4に記載のオゾン氷収納容器。
【請求項6】
前記カプセルの膜厚が、80〜100μmであることを特徴とする請求項4又は5に記載のオゾン氷収納容器。
【請求項7】
前記ゲル化剤が、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のオゾン氷収納容器。
【請求項8】
底面にオゾンガスを透過し水を透過しない径の孔部が複数設けられた略直方体状の箱体内に供給された所定量のオゾン水を凍結させ、
得られたオゾン氷上に1又は2以上の孔が設けられた中板部材を載置し、
前記中板部材上に所定量のゲル化剤又は吸水性繊維を敷設することを特徴とするオゾン氷収納容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−239236(P2008−239236A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86627(P2007−86627)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(599102158)
【Fターム(参考)】