説明

オブジェクト関係の視覚化

コンピューティングデバイスにより、関心のあるオブジェクト及び関心のあるオブジェクトに関する1つ又はそれより多い他のオブジェクトの視覚表現を、コンピューティングデバイスのユーザに与えることを可能にするための方法、装置、及び製品が本明細書において説明される。種々の実施形態においては、1つ又はそれより多いオブジェクトは関係の程度を伝達するように配置されることができ、視覚表現はいずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示、又は、前記オブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示をさらに含む。さらに、コンピューティングデバイスは、ユーザ対話に応答して、視覚表現を変更する又は増大させることを含む、ユーザによる視覚表現との対話を可能にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理の分野に関する。より具体的には、本発明は、オブジェクト関係の視覚化に関する。
(関連出願)
本出願は、2006年12月27日に出願された「Visualizing Object Relationship」という表題の特許文献1、及び、2007年12月26日に出願された「Visualizing Object Relationship」という表題の特許文献2に基づく優先権を主張し、この明細書は、本明細書と矛盾するセクションがある場合には、それ以外のすべてが本明細書において引用によりここに組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサ技術の進歩は、コンピューティングをユビキタス化した。ネットワーキング及び電気通信技術もまた、コンピューティングをますますネットワーク化した。今日、大量のコンテンツ及びサービスが、相互接続された公衆網及び/又は私設網を通して使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/882,115号
【特許文献2】米国仮特許出願第60/964,572号
【特許文献3】米国特許出願第11/923,572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同時に、データコンテンツ及びサービスは、ますます、潜在的に互いに関係を有するデータオブジェクトの形式で表わされるようになっている。さらに、これらの関係は、多くの場合には、複雑であり、例えば、不正の検出のような多数のアプリケーションは、多くの場合には、ユーザがオブジェクト間の複雑で入り組んだ関係を理解することを要求する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の例示的な実施形態は、以下に限定されるものではないが、コンピューティングデバイスにより、関心のあるオブジェクト及び関心のあるオブジェクトに関する1つ又はそれより多い他のオブジェクトの視覚表現を、コンピューティングデバイスのユーザに提供することを可能にするための方法及び装置を含む。種々の実施形態においては、1又はそれより多いオブジェクトは関係の程度又は強さを伝達するように配置されることができ、視覚表現はいずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示、又は、前記オブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示をさらに含む。さらに、コンピューティングデバイスは、ユーザ対話に応答して、視覚表現を変更する又は増大させることを含む、ユーザによる視覚表現との対話(interaction)を可能にすることができる。
【0006】
例示的な実施形態の種々の態様は、他の当業者にその作業の中身を伝達するために当業者により通常採用される用語を用いて説明される。しかし、当業者であれば、代替的な実施形態は、説明される態様の幾つかだけで実施できることを理解するであろう。説明目的で、特定の数、材料、及び構成が、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために述べられる。しかし、当業者であれば、代替的な実施形態は、特定の詳細なしで実施できることを理解するであろう。他の場合においては、周知の特徴は、例示的な実施形態を曖昧にしないように省略される又は単純化される。
【0007】
さらに、種々の動作は、複数の離散的な動作として記載され、順番に、説明的な実施形態を理解するために、最も役立つように記載される。しかしながら、これらの動作が必ず順番に依存していることを示唆するものとして、記載の順番が、記載されている訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】種々の実施形態によるオブジェクト間の関係を視覚化する概観を示す。
【図2】種々の実施形態によるオブジェクト間の関係を視覚化する概観を示す。
【図3】種々の実施形態による選択された動作のフローチャートを示す。
【図4】種々の実施形態による、本発明を実施するのに好適な例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、同じ参照番号が同じ要素を指す添付図面に示される、制限的なものではなく一例としての実施形態により説明される。
「1つの実施形態においては」という句は繰り返し用いられる。この句は、一般に、同じ実施形態を指すものではないが、それを指すこともある。「備える(comprising)」、「有する(having)」、及び「含む(including)」は、内容が別の方法を要求しない限り、同義語である。「A/B」という句は「A又はB」を意味する。「A及び/又はB」という句は、「(A)、(B)又は(A及びB)」を意味する。「A、B、及びCの少なくとも1つ」という句は、「(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する」「(A)(B)」は「(B)又は(AB)」を意味し、すなわち、Aは任意的なものであることを意味する。
【0010】
図1、図2は、種々の実施形態によるオブジェクト間の関係を視覚化する概観を示す。図示のように、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのユーザに、関心のあるオブジェクト102及び関心のあるオブジェクト102に関する1又はそれより多い他のオブジェクト104の視覚表現100を与えるようにすることができる。表現100される他のオブジェクト104を、各々のオブジェクト104と関心のあるオブジェクト102との間の関係の程度又は強さを伝達する方法で、関心のあるオブジェクト102の周りに配置することができる。種々の実施形態においては、視覚表現100は、さらに、いずれか2つのオブジェクト102/104の間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示106(例えば、図2において、オブジェクト104の表現の間のラインとして示される)、又は、オブジェクト102/104の1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示110(例えば、図2において、オブジェクト104の表現の色として示される)を含むことができる。幾つかの実施形態においては、図1及び図2に示すように、視覚表現100は、視覚表現100を見ているユーザが、ズームイン又はズームアウトのように、レベルを調整することにより、表現100と対話できるようにレベル選択ユーザインターフェース制御部108を含んで、効果的に、ユーザが視覚的に表現される関係の程度又は強さを変更できるようにする。さらに、種々の実施形態においては、視覚表現100を与えるコンピューティングデバイスは、ユーザ対話に応じて視覚表現100を変更する又は増大させることを含む、ユーザによる視覚表現100との対話を可能にする、図4に示される命令422といった論理(図示せず)を含むことができる。さらに、種々の実施形態においては、視覚表現100は、二次元であってもよいし、三次元であってもよい。
【0011】
種々の実施形態においては、視覚表現100を与え、視覚表現100との対話を可能にするように構成されたコンピューティングデバイス(図示せず)は、命令422(本明細書においてより詳細に説明される)といった論理(図示せず)、及び、本明細書において、より完全に説明される動作を実行するように適応された他の論理以外であれば、当該技術分野に知られるどのような種類のコンピューティングデバイスであってもよい。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、サーバ、ルータ、メインフレーム、ブレードサーバ又は高密度サーバ内のモジュラーコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、エンターテインメントセンター、セットトップボックス、又はモバイルデバイスとすることができる。例示的なコンピューティングデバイスは図4に示され、本明細書においてより詳細に説明される。
【0012】
幾つかの実施形態においては、コンピューティングデバイスは、ネットワーキング組織に接続し、視覚表現100、視覚表現100の供給を可能にする論理、及び/又は、1つ又はより多い他のコンピューティングデバイス(図示せず)から視覚表現100を生成するのに用いられるデータを受信するように適応させることができる。こうしたネットワーキング組織は、当該技術分野に知られるLAN、WAN、及びインターネットの1つ又はそれより多く含むことができる。1実施形態においては、ネットワーキング組織は、私設ネットワーク又はトンネリングを使用することができる仮想私設ネットワーク(VPN)を含んでもよい。
【0013】
種々の実施形態においては、コンピューティングデバイスは、視覚表現100をユーザに与えることができる。視覚表現100は、コンピューティングデバイスのブラウザに表示されるウェブページのような双方向ネットワークリソースであってもよいし、又は、コンピューティングデバイスを適用したユーザインターフェースであってもよい。1実施形態においては、ブラウザは、視覚表現100の提供を可能にするFlashプレイヤーといったプラグインを含むことができる。上述のように、視覚表現100は、別のコンピューティングデバイスから受信されてもよいし、又は、視覚表現100の仕様といった受信データに基づいて提供側コンピューティングデバイスにより生成されてもよい。識別情報、関係106、及びオブジェクト102/104のセキュリティ・ステータス110といった視覚表現により表わされる実際のデータを、コンピューティングデバイス又は別のコンピューティングデバイスにより実行される分析に基づいて取得することができる。
【0014】
幾つかの実施形態においては、図示のように、視覚表現100は、各々が関係の程度又は強さに対応する同心のリングにおいて、関心のあるオブジェクト102の周りに配置された他の関連するオブジェクト104により取り囲まれる関心のあるオブジェクト102を含むことができ、関心のあるオブジェクト102に最も近いリングは、オブジェクト104に対して直接の関係106を有するオブジェクト104を含む。他の実施形態においては、オブジェクト104及び関心のあるオブジェクト102は、関係の程度又は強さを軸方向距離として表わす空間クラウドで配置することができる。1実施形態においては、同心リング又は空間クラウドではなく、決定木を用いることができ、決定木は、左から右へ又は上から下へ、関係データを表示する。種々の実施形態においては、関係の強さは、多数のネットワーク、代替的な関連トークン、オブジェクト104の出現頻度、及び/又はオブジェクト104の年齢を通して、接続性の重み付けされた集合に基づいてもよい。幾つかの実施形態においては、オブジェクト102/104の間の関係106は、オブジェクト102/104を接続するライン106により示すことができる。また、図1及び図2に示すように、種々の実施形態においては、「例外的な」関係106(後述する)に対応するラインだけを提供することができる。種々の実施形態においては、各々のオブジェクト102/104の表現される形状は、オブジェクトの種類又は特定のセキュリティ・ステータス110を示すことができる。さらに、幾つかの実施形態においては、各々のオブジェクト102/104は、そのセキュリティ・ステータス110を示す、取っておいた色(reserved color)といった色を有することができる。さらに、上述のように、視覚表現100は、レベル選択ユーザインターフェース制御部108を含んで、表現された関係の程度又は強さに関して、ズームイン又はズームアウトすることができる。
【0015】
種々の実施形態においては、関心のあるオブジェクト102及びオブジェクト104は、コンピューティングデバイス、ユーザアカウント、サービス、アプリケーション、及び/又はネットワークといったどのような種類のオブジェクトであってもよい。1実施形態においては、各々のデバイスは、グローバル固有識別子(Globally unique identifiers)といった少なくとも1つの識別子と関連することができる。グローバル固有識別子は、2007年10月24日に出願された「Creating and Verifying Globally Unique Device−Specific Identifiers」という表題の特許文献3においてより詳細に説明されている。少なくとも1つの識別子は、さらに、MACアドレスといったあらゆる非固有識別子であってもよいし、又は、ユーザ名、アカウント名等のあらゆる種類のテキスト列であってもよい。
【0016】
図1及び図2に示すように、オブジェクト102/104の各々の表現は、形状、色及びラベルを有することができる。幾つかの実施形態においては、ラベルは、上述の識別子と対応することができる。形状は、正方形、円形、三角形等の当該技術分野に知られるあらゆる種類の形状とすることができる。幾つかの実施形態においては、各々の形状の種類は、オブジェクトの種類に対応することができる。例えば、正方形は、コンピューティングデバイスに関連することができ、円形はユーザアカウントと関連することができる。他の実施形態においては、各々の形状の種類は、セキュリティ・ステータス110又はセキュリティ・ステータス110のクラスに対応することができ、セキュリティ・ステータス110は、本明細書においてより詳細に説明される。
【0017】
種々の実施形態においては、関心のあるオブジェクト102を、関心のあるオブジェクトについてのユーザクエリに応答して、視覚表現100を与える前に、選択することができる。他の実施形態においては、関心のあるオブジェクト102を、デフォルトにより(オブジェクト102のセキュリティ・ステータス110、オブジェクト102の例外的な関係106、関連するオブジェクト104のセキュリティ・ステータス110に関する)不正の印の最大数を有するオブジェクト102を選択するといった1又はそれより多い規則/方策に基づいてコンピューティングデバイスによって、選択することができる。さらに別の実施形態においては、関心のあるオブジェクト102は、ユーザ対話に応答してオブジェクト104間で交換されるシフティング・ステータスとすることができる。
【0018】
幾つかの実施形態においては、関係のデフォルトの度数又はデフォルトの強さは、視覚表現110のために最初に用いることができ、関心のあるオブジェクト102からの関係のその度数又は強さにおけるすべてのオブジェクト104は、関心のあるオブジェクト102で表現することができる。関係のその度数又は強さにおける変化、又は、関心のある異なるオブジェクト102の選択に応答して、新規なオブジェクト104のセットが表現されることになり、新規なセットは、少なくとも部分的に、前のオブジェクト104のウェットを含む。
【0019】
種々の実施形態においては、上述のように、視覚表現100は、オブジェクト102/104の間の関係106を示すラインを提供することができる。オブジェクト102/104の間の関係106は、幾つかの実施形態においては、「例外的」又は「通常」と考えることができる。通常の関係106は、オブジェクト102/104の当事者のいずれも不正行為と関連していない関係とすることができ、例外的な関係106は、オブジェクト102/104の当事者(party)の少なくとも一方が不正行為と関連している関係とすることができる。他の実施形態においては、例外的な関係106は、不正行為との関連を示すのではなく、オブジェクト102/104がいずれの負の証拠(すなわち、不正の証拠)もなしで追跡された時間の期間、オブジェクト102/104がどのような負の証拠もなしで始めたトランザクションの数、及び/又は、オブジェクト102/104がどのような負の証拠の発生させることもなく訪問したワールドワイドなウェブサイトの数を示すことができる。
【0020】
例えば、例外的な関係106は、不正、セキュリティの弱点(exploit)、又は怪しい行動を示す情報と関連することができる。幾つかの実施形態においては、上述のように、例外的な関係106のためのラインだけが、視覚表現100の部分として提供されることができる。通常の関係106に対応するラインは、視覚表現を、よりユーザフレンドリーにするように、及び視覚キューによる散乱を少なくするように、提供されないことがある。例えば、ユーザは、2つのコンピューティングデバイスとユーザアカウントとを有することができ、ユーザは、一方の又は両方のデバイスからそのアカウントにログインすることができる。こうした例においては、コンピューティングデバイスの各々及びユーザアカウントは、オブジェクト102/104であり、直接の通常の関係106は、各々のコンピューティングデバイスとアカウントとの間に存在することができ、間接的な通常の関係106は、2つのコンピューティングデバイスの間に存在することができる(この例においては、デバイスは、2度の関係を有する)。コンピューティングデバイスの1つが、そのデバイスのあらゆる直接の関係106ではなく、不正行為に関係すると知られていた場合には、例外的な関係106になる。
【0021】
種々の実施形態においては、前述のように、各々のオブジェクト102/104は、(「証拠」及び「証拠ステータス」とも呼ばれる)セキュリティ・ステータス110を有することができ、これは、オブジェクト表現の色、形状、又はその両方により表わすことができる。幾つかの実施形態においては、オブジェクト102/104は、3つの色の1つを有することができ、赤色は、オブジェクト102/104が、不正行為に関係すると知られていることを示し、黄色は、オブジェクト102/104が、不正行為に関係すると知られているオブジェクト102/104と関係106があることを示し、緑色は、オブジェクト102/104が不正行為とどのような関連もないことを示す。他の実施形態においては、異なる色及び分類を用いることができる。幾つかの実施形態においては、色及び/又はオブジェクトの形状は、オブジェクト102/104が関連する、フィッシングといった特定の不正行為の種類を示すことができる。こうした実施形態においては、オブジェクト形状を、セキュリティ・ステータス110のクラスを示すのに用いることができ、色はクラス内の特定の行為を示す。さらに別の実施形態においては、色/形状は、オブジェクト102/104の累積状態を示すことができる。例えば、オブジェクト102/104は、識別情報の窃盗といった何らかの特定の不正行為に直接関わっていたことがわかると、1つの形状により表わすことができる。しかし、この同じオブジェクトが、さらに、盗難クレジットカードにも関わっていたことがわかったとき/場合には、新規な視覚インジケータを用いて、評判の蓄積を反映するのに用いることができる。1つの実施形態においては、特別な形状/色(どくろのような)を用いて、絶対的な最悪の評判レベルを表わすことができる。
【0022】
図示のように、視覚表現100は、レベル選択ユーザインターフェース制御部108を含むことができる。レベル選択ユーザインターフェース制御部108は、図1及び図2に示すようにスライドバーであってもよいし、又は、ラジオボタン、ドラップダウンリスト、半径方向ノブ、又はスピナを含んでもよい。レベル選択ユーザインターフェース制御部108は、画像にズームイン及びズームアウトするための双方向マップに見られることが多い外観とすることができる。前述のように、レベル選択ユーザインターフェース制御部108は、ユーザ対話により、ユーザが示されるべき関心のあるオブジェクト102からの関係の度数又は強さを制御できるようにする。例えば、数が3と設定された場合には、関心のあるオブジェクト102から3度以内のオブジェクトのみを表現することができる。1つの実施形態においては、上方向にレベル選択ユーザインターフェース制御部108の要素を移動させることにより、度数を2に減らすことができ、下方向に要素を移動させることにより、度数を4に増加させることができる。他の実施形態においては、要素をこうした方向に移動させることによる影響を逆にすることができる。幾つかの実施形態においては、度数又は強さを調整するのではなく、レベル選択ユーザインターフェース制御部108は、ディスプレイに影響を与えて、先週/先月/3ヶ月前、前年にサブミットされたオブジェクト104のみが表示されるようにするか、「n」回より多くサブミットされたオブジェクト104のみが表示されるようにするか、又は、「n」個より多くの異なるデータプロバイダによりサブミットされたオブジェクト104のみが表示されるようにすることができる。
【0023】
種々の実施形態においては、前述のように、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのユーザが、ユーザ対話に応答して、視覚表現を変更又は増大させることを含む、視覚表現100との対話を可能にする論理を有することができる。こうしたユーザ対話は、ユーザがレベル選択ユーザインターフェース制御部108を操作することを手助けすること(facilitating)を含むことができる。前述のように、レベル選択ユーザインターフェース制御部108の要素の操作は、視覚表現100に表示されるオブジェクト104の数を増大させる又は減少させることができる。
【0024】
さらに、前述のように、この手助けすることは、ユーザがオブジェクト104の1つを新規な関心のあるオブジェクト104として選択することを可能にすることを含み、変更する又は増大させるステップは、前の関心のあるオブジェクト102の代わりに新規な関心のあるオブジェクト102を用いて、視覚表現100を更新することを含むことができる。1実施形態においては、ユーザは、カーソルにより、オブジェクト104を単純にクリックして、オブジェクト104を新規な関心のあるオブジェクト102として設定することができる。幾つかの実施形態においては、新規な関心のあるオブジェクト102に応答して、コンピューティングデバイスは、付加的なオブジェクト104、その関係016、及びそのセキュリティ・ステータス110についてのさらに別のデータを抽出することができる。1実施形態においては、新規なオブジェクト104の情報は、更新された視覚表現100を生成するのに用いることができる。
【0025】
さらに、幾つかの実施形態においては、変更する又は増大させることは、オブジェクト102/104とのユーザ対話に応答して、オブジェクト102/104の例外的な関係106又はセキュリティ・ステータス110についての付加的な情報を与えることを含むことができ、ユーザ対話は、例えば、オブジェクト102/104のマウスオーバーである。付加的な情報は、例えば、オブジェクト102/104が関連すると知られている不正行為についての付加的な詳細を含むことができる。しかし、付加的な情報は、種々の実施形態により、オブジェクト102/104に関するどのような種類の情報であってもよい。
【0026】
図3は、種々の実施形態による、選択された動作のフローチャート図を示す。図示のように、コンピューティングデバイスは、関心のあるオブジェクトの視覚表現、及び、コンピュータデバイスのユーザに対して関心のあるオブジェクトに関する1又はそれより多い他のオブジェクトを提供できるようにし、ブロック302、1又はそれより多い他のオブジェクトは関係の程度又は強さを伝達するように配置されており、視覚表現はさらに、いずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示又はオブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示を含む。幾つかの実施形態においては、各々のオブジェクトは、コンピュータシステム又はユーザアカウントを表わすことができ、グローバル固有識別子と関連する。さらに、関係の各々の程度又は強さに対する1又はそれより多い他のオブジェクトを、空間クラウド、又は、関係の程度若しくは強さを軸方距離として表わす同心リングにおいて、関心のあるオブジェクトの周りに表示することができる。
【0027】
種々の実施形態においては、第1の表示は、オブジェクトの2つの視覚表現の間のラインを含むことができ、第2の表示は、取っておいた色を含むことができる。さらに、例外的な関係は、不正、セキュリティの弱点、又は怪しい行動を示す情報に関連することができ、セキュリティ・ステータスは、オブジェクトの1つが、不正行為に関わっていると知られること、不正行為に関わっていると知られるオブジェクトの別のものと関連すると知られること、又は知られている不正行為との関連はないことを示すことができる。幾つかの実施形態においては、第2の表示は、オブジェクトの1つが関連する不正行為の特定の種類を示す取っておいた色、及び/又は、オブジェクト形状を含むことができる。
【0028】
さらに示されるように、コンピューティングデバイスは、次いで、ユーザが視覚表現と対話することを手助けすることができ、ブロック304、これはユーザ対話に応答して、視覚表現を変更する又は増大させることを含む、ブロック306。幾つかの実施形態においては、手助けすること、ブロック304は、ユーザに、レベル選択ユーザインターフェース制御部を与えて、ユーザが、視覚的に表現されている関係の程度又は強さを変更できるようにすることを含む。種々の実施形態においては、可能にすること、ブロック304は、ユーザが、1又はそれより多い他のオブジェクトの1つを、新規な関心のあるオブジェクトとして選択できるようにすることを含み、変更する又は増大させること、ブロック306は、関心のあるオブジェクトの代わりに、新規な関心のあるオブジェクトを用いて、視覚表現を更新することを含むことができる。幾つかの実施形態においては、変更する又は増大させること、ブロック306は、ユーザ対話に応答して、例外的な関係又はセキュリティ・ステータスについての付加的な情報を提供することを含むことができ、ユーザ対話は、第1の表示及び第2の表示のそれぞれとのものとすることができる。
【0029】
図4は、種々の実施形態により本発明を実施するために用いるのに好適な例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。図示のように、コンピューティングシステム400は、1又はそれより多いプロセッサ又はプロセッサコア402と、システムメモリ404とを含む。特許請求の範囲を含む本出願の目的のために、「プロセッサ」及び「プロセッサコア」という用語は、内容が明らかに別の意味を要求しない限り、同義語として考慮することができる。さらに、コンピューティングシステム400は、大容量記憶装置406(ディスケット、ハードドライブ、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CDROM)など)と、入力/出力デバイス408(視覚表現100を提供するディスプレイ、キーボード、カーソル制御部など)と、通信インターフェース(ネットワークインターフェースカード、モデムなど)とを含む。要素は、1つ又はそれより多いバスを表わすシステムバス412により互いに結合される。複数のバスがある場合には、1つ又はそれより多いバスブリッジ(図示せず)によりブリッジされる。
【0030】
これらの要素の各々を、当該技術分野に知られるその通常の機能を実行する。具体的には、システムメモリ404及び大容量記憶装置406は、本明細書においては集合的に422として示される、前述の機能の全て又は一部を実施するプログラミング命令のワーキングコピー及び永久コピーを格納するように採用することができる。命令422は、プロセッサ402によりサポートされるアセンブラ命令であってもよいし、又は、Cといった高レベル言語からコンパイルすることができる命令であってもよい。
【0031】
プログラミング命令の永久コピーは、ファクトリーの永久記憶装置406に置かれてもよいし、又は例えばコンパクトディスク(CD)といった配布媒体(図示せず)を通して、又は、通信インターフェース(配布サーバ(図示せず))からの通信インターフェースを通してフィールドに置かれてもよい。すなわち、命令422を有する1つ又はそれより多い配布媒体を採用して、命令を配布して、種々のコンピューティングデバイスをプログラムすることができる。
【0032】
これらの要素402から412の構成は知られており、したがってこれ以上の説明はない。
【0033】
本発明の実施形態においては、製品(図示せず)を採用して、本明細書に開示される1又はそれより多い方法を実施することができる。例えば、例示的な実施形態においては、製品は
記憶媒体と、記憶媒体上に格納される複数のプログラミング命令であって、コンピューティングデバイスが、第1の関心のあるオブジェクト及び関心のあるオブジェクトに関する1又はそれより多いオブジェクトの視覚表現を、コンピューティングデバイスのユーザに与えることを可能にし、1又はそれより多い他のオブジェクトは関係の程度又は強さを伝達するように配置されており、視覚表現は、いずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示又はオブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示をさらに含むように構成されたプログラムコンピューティングデバイスに適用する複数のプログラミング命令と、を含むことができる。これらの実施形態の種々のものにおいては、プログラミング命令は、ユーザ対話に応答して視覚表現を変更する又は増大させることを含む、ユーザによる視覚表現との対話を手助けするように適用してもよい。
【0034】
本明細書において特定の実施形態が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の範囲から離れることなく、幅広い代替的な及び/又は等価な実施により、図示され説明される特定の実施形態の代わりになることを理解するであろう。当業者であれば、本発明は、非常に広範な実施形態又はそこから拡張されて実施できることを容易に理解するであろう。本明細書は、ここで説明される実施形態のあらゆる適応又は変形をカバーすることが意図される。したがって、本発明は、明らかに、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ制限されることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
100:視覚表現
102:関心のあるオブジェクト
104:他のオブジェクト
106:第1の表示
110:第2の表示
400:コンピューティングシステム
402:プロセッサ又はプロセッサコア
404:システムメモリ
406:大容量記憶装置
408:入力/出力デバイス
412:システムバス
422:命令

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって、第1の関心のあるオブジェクト、及び、前記関心のあるオブジェクトに関する、1又はそれより多い他のオブジェクトの視覚表現を、前記コンピューティングデバイスのユーザに与えることを可能にするステップであって、前記1又はそれより多い他のオブジェクトは、関係の程度又は強さを伝達するように配置され、前記視覚表現は、いずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示、又は、前記オブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示をさらに含むステップと、
前記コンピューティングデバイスにより、ユーザ対話に応答して、前記視覚表現を変更すること又は増大させることを含む、ユーザによる前記視覚表現との対話を手助けするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
各々のオブジェクトは、コンピュータシステム又はユーザアカウントを表わし、グローバル固有識別子と関連することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の表示はオブジェクトの2つの視覚表現間のラインを含み、前記第2の表示は取っておいた色を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記例外的な関係は、不正、セキュリティ弱点、怪しい行動、どのような不正の証拠もなしでオブジェクトが追跡された時間の期間、どのような不正の証拠もなしでオブジェクトが始めたトランザクションの数、又はどのような不正の証拠も生じさせることなくオブジェクトが訪問したワールドワイドなウェブサイトの数を示す情報と関連することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記セキュリティ・ステータスは、前記オブジェクトの1つが、不正行為に関わっていると知られていること、又は、ある時間の期間において不正行為がないと知られていること、不正行為に関わっているか又は不正行為がないと知られている前記オブジェクトの別のものと関連すると知られていること、或いは、知られている不正行為との関連はないことを示すことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の表示は、前記オブジェクトの1つが関連する不正行為の特定の種類、又はオブジェクトの累積ステータスを示す取っておいた色及び/又はオブジェクトの形状含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記手助けするステップは、前記ユーザにレベル選択ユーザインターフェース制御部を与えて、前記ユーザが、視覚的に表現される前記関係の程度又は強さを変更すること、或いは、視覚的に表現される前記オブジェクトの新しさに基づいて、視覚的に表現されるオブジェクトの選択、又は、視覚的に表現される前記オブジェクトの出現又は使用の頻度を変更することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記手助けするステップは、前記ユーザが、前記1又はそれより多い他のオブジェクトの1つを新規な関心のあるオブジェクトとして選択すること、及び前記変更すること又は増大させることは、前記第1の関心のあるオブジェクトの代わりに、前記新規な関心のあるオブジェクトを用いて、前記視覚表現を更新することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記変更すること又は増大させることは、前記ユーザ対話に応答して、前記例外的な関係又はセキュリティ・ステータスについての付加的な情報を提供することを含み、前記ユーザ対話は、前記第1の表示又は前記第2の表示のそれぞれを伴うものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各々の関係の程度又は強さに対する1又はそれより多いオブジェクトは、前記関心のあるオブジェクトの周りに、軸方向距離として関係の程度又は強さを表わす空間クラウドにより、同心リングにより、或いは決定木により表示されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサと、
前記プロセッサにより動作される論理と、
を含み、前記論理は、
第1の関心のあるオブジェクト及び前記関心のあるオブジェクトに関する、1又はそれより多い他のオブジェクトの視覚表現を、コンピュータデバイスのユーザに与えることを可能にし、前記1又はそれより多い他のオブジェクトは、関係の程度又は強さを伝達する方法で配置され、前記視覚表現は、いずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示、又は、前記オブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示をさらに含み、
ユーザ対話に応答して、前記視覚表現を変更する又は増大させることを含む、ユーザによる前記視覚表現との対話を手助けする、
ように構成されることを特徴とするコンピューティングデバイス。
【請求項12】
各々のオブジェクトは、コンピュータシステム又はユーザアカウントを表わし、グローバル固有識別子と関連することを特徴とする請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記第1の表示はオブジェクトの2つの視覚表現間のラインを含み、前記第2の表示は取っておいた色を含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記論理は、前記ユーザにレベル選択ユーザインターフェース制御部を与えて、前記ユーザが、視覚的に表現される前記関係の程度又は強さを変更すること、或いは、視覚的に表現される前記オブジェクトの新しさに基づいて、視覚的に表現されるオブジェクトの選択、又は、視覚的に表現される前記オブジェクトの出現又は使用の頻度を変更することを可能にするように構成されることを特徴とする請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記論理は、前記ユーザが、前記1つ又はそれより多い他のオブジェクトの1つを新規な関心のあるオブジェクトとして選択することを可能にし、
前記第1の関心のあるオブジェクトの代わりに、前記新規な関心のあるオブジェクトを用いて、前記視覚表現を更新する、
ようにさらに構成されることを含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項16】
記憶媒体と、
前記記憶媒体上に格納される複数のプログラミング命令であって、コンピューティングデバイスが、
第1の関心のあるオブジェクト及び前記関心のあるオブジェクトに関する1又はそれより多いオブジェクトの視覚表現を、前記コンピューティングデバイスのユーザに与えることを可能にし、前記1又はそれより多いオブジェクトは、関係の程度又は強さを伝達するように配置され、前記視覚表現は、いずれかの2つのオブジェクト間の少なくとも1つの例外的な関係の第1の表示又は前記オブジェクトの1つのセキュリティ・ステータスの第2の表示をさらに含み、
ユーザ対話に応答して、前記視覚表現を変更する又は増大させることを含む、ユーザによる前記視覚表現との対話を可能にする、
ようにプログラムをする構成にされた複数のプログラミング命令と、
を含むことを特徴とする製品。
【請求項17】
各々のオブジェクトは、コンピュータシステム又はユーザアカウントを表わし、グローバル固有識別子と関連することを特徴とする請求項16に記載の製品。
【請求項18】
前記第1の表示はオブジェクトの2つの視覚表現間にラインを含み、前記第2の表示は取っておいた色を含むことを特徴とする請求項16に記載の製品。
【請求項19】
前記プログラミング命令は、前記ユーザにレベル選択ユーザインターフェース制御部を与えて、前記ユーザが、視覚的に表現される前記関係の程度又は強さを変更すること、又は、視覚的に表現される前記オブジェクトの新しさに基づいて、視覚的に表現されるオブジェクトの選択、又は、視覚的に表現される前記オブジェクトの出現又は使用の頻度を変更することを可能にする構成にさらにされることを特徴とする請求項16に記載の製品。
【請求項20】
前記プログラミング命令は、
前記ユーザが、前記1又はそれより多い他のオブジェクトの1つを新規な関心のあるオブジェクトとして選択することを可能にし、
前記第1の関心のあるオブジェクトの代わりに、前記新規な関心のあるオブジェクトを用いて、前記視覚表現を更新する、
構成にさらにされることを特徴とする請求項16に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−515154(P2010−515154A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544126(P2009−544126)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/026525
【国際公開番号】WO2008/082672
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(509089616)イオヴェイション インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】