説明

オンダンセトロン含有口腔内極性及び非極性スプレー

口腔粘膜で急速に吸収されて効果がすぐに現れるオンダンセトロンを備える極性もしくは非極性溶媒を用いた口腔エアロゾルスプレーもしくはカプセルが開発されている。本発明の口腔内極性組成物は、処方1:水性極性溶媒、オンダンセトロン及び任意の風味料、処方2:水性極性溶媒、オンダンセトロン、任意の風味料及び噴射剤、処方3:非極性溶媒、オンダンセトロン及び任意の風味料、処方4:非極性溶媒、オンダンセトロン、任意の風味料及び噴射剤、処方5:極性溶媒と日極性溶媒との混合物、オンダンセトロン及び任意の風味料、処方6:極性溶媒と非極性溶媒との混合物、オンダンセトロン、任意の風味料及び噴射剤を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の相互参照)
本願は、1997年10月1日出願の米国指定段階のPCT/US97/17899の部分継続出願である2000年3月29日出願の特許願第09/537,118号の部分継続出願であり係属中の2002年8月29日出願の特許願第10/230,085号の部分継続出願であり、これらの内容を本明細書に参照により援用する。
【背景技術】
【0002】
ある種の生物学的活性化合物が口腔粘膜を通した方が、胃もしくは腸を通した他の投与経路よりもよく吸収されることが知られている。しかも、後者の経路による投与に適した処方には、それ自身問題がある。例えば、生物学的活性化合物は、噴射剤、溶媒等のような調合物の他の成分に適合しなければならない。これまでそうした多くの処方が提案されてきた。例えば、特許文献1には、ポリエーテルアルコールの混合物に溶解した抗心臓発作薬ニフェジピンの投与用ゼラチン軟カプセルが記載されている。特許文献2には、ニフェジピンを含有するチュアブルゼラチン硬カプセルが記載されている。薬剤の溶液もしくは分散液を含有するチュアブルゼラチンカプセルが特許文献3に記載されている。特許文献4および特許文献5には、ニトログリセリン、エタノール及びその他の成分を含む口腔粘膜への投与用ニトログリンセリンスプレーが記載されている。経口投与用ポンプスプレーが特許文献6に記載されている。炭化水素噴射剤と粘膜表面への投与用薬剤を含有するエアロゾル組成物が特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献10に記載されている。これらの文献は、膜を通じてというよりむしろ吸入により投与される溶液の生体利用能について議論していることに留意すべきである。
【0003】
オンダンセトロンは5−HT受容体拮抗薬である。オンダンセトロンの構造は以下に示す。

【0004】
オンダンセトロンは嘔気及び/又は嘔吐、とりわけ化学療法及び放射線治療で誘発された嘔気及び/又は嘔吐を治療するのに使用する抗嘔吐剤である(非特許文献1)。また、オンダンセトロンは手術前の抗嘔吐剤として使用する(非特許文献2)。フェノチアジンもしくはブチロフェノンのようなコルチコステロイドと組み合わせてオンダンセトロンを投与すると、抗嘔吐剤としての効き目を改善できる(非特許文献3)。さらに、オンダンセトロンは不安症を治療するにも使用することができる(非特許文献4)。
【0005】
オンダンセトロンを経口、静脈内、もしくは筋内に投与することができる。化学療法で誘発された重篤な嘔吐に対する抗嘔吐剤として投与する時、オンダンセトロンは通常化学療法前に約15分から約30分かけて32mgの一日量を静脈内注射によって一度に投与するか、もしくは0.1−0.15mg/kgの量を初回は化学療法の約30分前に、2回目以降は初回から4時間及び8時間後に静脈内に3回に分けて投与する。化学療法で誘発された重篤な嘔吐を治療するために、オンダンセトロンは32mgの一日量をデキゾメサゾン20mgの一日量と組み合わせて、それぞれ静脈内注射によって投与することができる。化学療法で誘発された穏やかな嘔吐に対しては、オンダンセトロンを8mg(錠剤)もしくは10mg(溶液)の投与量で通常化学療法の30分前に経口で(錠剤もしくは溶液として)投与し、引き続き2回目投与はその8時間後に行う。次いで、この投与量を化学療法に引き続いて1日から2日間、1日当たり2回繰り返すことができる(非特許文献5)。
【0006】
オンダンセトロンの口内の生体利用効率は、投与後30−60分後の有効血中濃度で約60%である。オンダンセトロンは約3−4時間の血漿寿命で広範囲に代謝される。オンダンセトロンの副作用は穏やかであり、頭痛、便秘及び目眩が含まれる(非特許文献6)。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,689,233号
【特許文献2】米国特許第4,755,389号
【特許文献3】米国特許第4,935,243号
【特許文献4】米国特許第4,919,919号
【特許文献5】米国特許第5,370,862号
【特許文献6】米国特許第5,186,925号
【特許文献7】英国特許第2,082,457号
【特許文献8】米国特許第3,155,574号
【特許文献9】米国特許第5,011,678号
【特許文献10】米国特許第5,128,132号
【非特許文献1】グッドマン・ギルマン薬理書、第9版、p.260
【非特許文献2】グッドマン・ギルマン薬理書、第9版、p.304
【非特許文献3】グッドマン・ギルマン薬理書、第9版、p.928
【非特許文献4】グッドマン・ギルマン薬理書、第9版、p.427
【非特許文献5】グッドマン・ギルマン薬理書、第9版、p.928−930
【非特許文献6】グッドマン・ギルマン薬理書、第9版、p.928−930
【発明の開示】
【0008】
口腔粘膜で急速に吸収されて効果がすぐに現れる生物学的に活性化合物を備える極性もしくは非極性溶媒を用いた口腔エアロゾルスプレーもしくは噛むゼラチン軟カプセルが開発されている。
【0009】
薬学的に許容避ける非極性溶媒に可溶な薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内エアロゾルスプレー組成物は、全体組成の重量%で、薬学的に許容される噴射剤5−80%、非極性溶媒19−85%、活性化合物0.05−50%を備え、更に風味料0.01−10%を適宜含む。好ましい組成物は、噴射剤10−70%、非極性溶媒25−89.9%、活性化合物0.01−40%、風味料1−8%を備え、より好ましいものは、噴射剤20−70%、非極性溶媒25−74.75%、活性化合物0.25−35%、風味料2−7.5%を備える。
【0010】
また、薬学的に許容される極性溶媒に可溶な薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内エアロゾルスプレー組成物を噴射剤により生じるエアロゾルの形で投与する。この場合、該組成物は、全体組成の重量%で、水性極性溶媒10−97%、活性化合物0.1−25%を備え、更に全体組成に対し風味料0.05−10重量%と噴射剤2−10重量%を含む。好ましい組成物は、非極性溶媒20−97%、活性化合物0.1−15%、風味料0.1−5%及び噴射剤2−5%を備え、より好ましいものは、極性溶媒25−97%、活性化合物0.2−25%、風味料0.1−2.5%及び噴射剤2−4%を備える。
【0011】
別の実施態様においては、薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内極性エアロゾルスプレー組成物(すなわち噴射剤により生じるエアロゾルの形で投与し得る)は、極性溶媒と非極性溶媒との混合物を含み、全体組成の重量%で、溶媒10−97%、活性化合物0.05−50%及び噴射剤5−80%を備え、任意に味覚マスク及び/又は風味料0.01−10%を含む。好ましい組成物は、溶媒20−97%、活性化合物0.1−49%、噴射剤10−70%並びに味覚マスク及び/又は風味料0.01−10%を備え、より好ましいものは、溶媒25−97%、活性化合物0.25−35%、噴射剤20−70%並びに味覚マスク及び/又は風味料2−7.5%を備える。極性溶媒対非極性溶媒の比率は、約1:99−約99:1の範囲内でよいが、約60:40−約40:60が好ましく、約50:50が最も好ましい。
【0012】
薬学的に許容される非極性溶媒中に可溶な薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内ポンプスプレー組成物、すなわち噴射剤無しの組成物は、全体組成の重量%で、非極性溶媒30−99.69%及び活性化合物0.005−55%を備え、更に風味料0.1−10%を適宜含む。好ましい組成物は、極性溶媒37−98.58%、活性化合物0.005−55%、風味料0.5−8%を備え、より好ましいものは、極性溶媒60.9−97.06%、活性化合物0.01−40%、風味料0.75−7.5%を備える。
【0013】
別の実施態様では、薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の口腔内ポンプスプレー組成物(すなわち、噴射剤無しの組成物)は、極性溶媒と非極性溶媒の混合物を含み、全体組成の重量%で、溶媒30−99.69%及び活性化合物0.001−60%を備え、任意に味覚マスク及び/又は風味料0.1−10%を含む。好ましい組成物は、溶媒37−98.58%、活性化合物0.005−55%、味覚マスク剤及び/又は風味料0.5−8%を備え、より好ましいものは、溶媒60.9−97.06%、活性化合物0.01−40%、味覚マスク剤及び/又は風味料0.75−7.5%を備える。極性溶媒対非極性溶媒の比率は、約1:99−約99:1の範囲内でよいが、約60:40−約40:60が好ましく、約50:50がさらに好ましい。
【0014】
薬学的に許容される非極性溶媒に少なくとも部分的に可溶な薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の本発明の噛むゼラチン軟カプセルに供給した充填組成物は、全体組成の重量%で、非極性溶媒4−99.99%、乳化剤0−20%、活性化合物0.1−80%を備え、ただし該充填剤組成物が10%未満の水を含有し、更に風味料0.01−10%を適宜含む。好ましい噛むゼラチン軟カプセルは、非極性溶媒21.5−99.975%、乳化剤0−15%、活性化合物0.025−70%、風味料1−8%を備え、より好ましいものは、非極性溶媒28.5−97.9%、乳化剤0−10%、活性化合物0.1−65.0%、風味料2−6%を備える。
【0015】
薬学的に許容される極性溶媒に少なくとも部分的に可溶な薬学的に活性な化合物の経粘膜投与用の本発明の噛むゼラチン軟カプセルに供給した組成物は、全体組成の重量%で、極性溶媒25−99.89%、乳化剤0−20%、活性化合物0.01−65%を備え、ただし該化合物が10%未満の水を含有し、更に風味料0.1−10重量%を適宜含む。好ましい噛むゼラチン軟カプセルは、極性溶媒37−96.925%、乳化剤0−15%、活性化合物0.025−55%、風味料1−8%を備え、よりこのましいものは、極性溶媒44−96.925%、乳化剤0−10%、活性化合物0.075−50%、風味料2−6%を備える。
【0016】
本発明の目的は、活性化合物含有スプレーの非常に細かい飛沫又は噛むカプセルからの溶液もしくはペーストで粘膜を覆うことである。
【0017】
また、本発明の目的は、哺乳動物、望ましくはヒトの口腔粘膜に規定量の生物学的活性化合物をスプレーもしくは噛むカプセルにより、またはゼラチン軟カプセルから投与するである。
【0018】
更なる目的は、非極性もしくは極性のエアロゾルスプレー処方の組成物を備えた密閉エアロゾルスプレー容器、及び該容器から規定量の組成物を放出するのに適した計量バルブである。
【0019】
エアロゾルバルブの作動後に噴射剤を蒸発させると、溶媒と活性化合物を含む細かい飛沫の霧が形成される。
【0020】
噴射剤は非フロンの物質、好ましくは直鎖もしくは分枝鎖構造のC3−8炭化水素である。噴射剤は、実質的に非水溶性とすべきである。噴射剤はエアロゾル容器内に圧力を生じ、これは予期した通常の使用下でバルブを作動させた時に溶媒を容器から噴射するのに十分な圧力であるが、容器及びバルブ栓を破損するほど過剰な圧力ではない。
【0021】
非極性溶媒は、非極性炭化水素、好ましくはC7−18の直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素、脂肪酸エステル、及びミグリオールのようなトリグリセリドである。溶媒は活性化合物を溶解し、また噴射剤と混ざらなければならない。すなわち、溶媒と噴射剤は0−40℃の温度かつ1−3気圧の圧力範囲で単一相を形成する必要がある。
【0022】
本発明の極性及び非極性のエアロゾルスプレー組成物は、密閉した加圧容器から投与することを意図している。作動の度に容器内に空気が入ってしまうポンプスプレーと異なり、本発明のエアロゾル容器は製作時に密封される。この容器の内容物は、作動の度に大気中のガスの流入を許可しない計量バルブの作動により放出される。かかる容器は市販されている。
【0023】
更なる目的は、ポンプスプレー処方の組成物を含有するポンプスプレー容器、および該容器から組成物の所定量を放出するのに適した計量バルブである。
【0024】
更なる目的は、前述の組成物を含有する噛むゼラチン軟カプセルである。処方は、活性化合物を含有する粘性溶液もしくはペーストでよい。溶液が好ましいけれども、活性化合物が選択した溶媒に溶解しないかもしくは部分的に溶解する場合にペースト充填物を使用してもよい。水を用いてペースト組成物の一部を形成する場合、水はその10%を超えるべきではない(特記しない限り、%は重量換算である)。
【0025】
極性もしくは非極性の溶媒は、ゼラチンの殻及び活性化合物と相溶するように選択する。溶媒は活性化合物を溶解するのが好ましい。しかし、活性化合物を溶解しないかもしくはわずかに溶解する他の成分を使用してペースト充填物を形成してもよい。
【0026】
ゼラチン軟カプセルは当業界で周知である。例えば、特許文献3にかかるカプセルが開示されている。本発明のカプセルは、噛む事により低粘性の溶液もしくはペーストを放出し、口腔粘膜を活性化合物で被覆することを意図している。全体を飲み込むもしくは噛んでから飲み込む代表的なカプセルは、活性化合物を胃に運ぶため、最大血中レベルに達し化合物が初回通過効果を受けるまでに非常に大きな遅延時間を生じる。口腔粘膜による化合物のより一層の吸収と初回通過効果の機会がないため、本発明の噛むカプセルの使用はひどい遅延時間を解消して生物学的効果の開始を促進する。本発明のゼラチン軟カプセルの殻は、例えばゼラチン50-75%、グリセリン20-30%、着色料0.5-1.5%、水5-10%及びソルビトール2-10%からなる。
【0027】
活性化合物は、生物学的に活性なペプチド、中枢神経系を活性化するアミン、スルホニル尿素、抗体、抗真菌剤、抗ウイルス剤、睡眠導入剤、抗喘息剤、気管支拡張剤、抗嘔吐剤、ヒスタミンH-2受容体拮抗薬、バルビツール酸塩、プロスタグランジン及び栄養補助食品とすることができる。
【0028】
また、活性化合物は、抗ヒスタミン薬、アルカロイド、ホルモン、ベンゾジアゼピン系薬及び麻薬性鎮痛剤とすることができる。限定しないが、これら活性化合物は非極性ポンプスプレーの処方および用途に特に適している。
【0029】
更に、活性化合物は、抗利尿薬、抗筋痙攣薬、抗痙攣薬、抗尿失禁剤、下痢止め薬、嘔吐及び/もしくは嘔気治療薬、平滑筋収縮剤、抗分泌腺薬、酵素、抗利尿薬、抗潰瘍薬、胆汁酸置換薬及び/又は胆石溶解薬、又はそれらの混合物とすることができる。
【0030】
一つの実施態様では、活性化合物はオンダンセトロンもしくはそれらの薬学的に許容される塩である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明における好ましい活性化合物は、イオン化された塩もしくは薬学的に許容される塩の遊離塩基である(ただし、エアロゾルもしくはポンプスプレー組成物に関しては、スプレー溶媒に可溶である)。これら化合物は本発明の非極性溶媒に有用な濃度で可溶であるか、もしくは有用な濃度でペーストとして調製することができる。口腔粘膜により化合物の吸収が促進されるので、これら濃度は化合物の標準的な許容投与量以下とすることができる。本発明のこの特徴は、初回通過効果が大きい時(40-99.99%)、特に重要である。
【0032】
非極性スプレーの噴射剤として、プロパン、N-ブタン、イソブタン、N-ペンタン、イソペンタン及びネオペンタン並びにこれらの混合物を使用することができる。噴射剤が0.2%以下、通常0.1−0.2%の含水量を有しても差し支えない。ここですべての%は、特記しない限り重量換算である。噴射剤を合成して活性化合物に有害な汚染物質の存在を最小化するのか好ましい。これら汚染物質としては、酸化剤、還元剤、ルイス酸もしくはルイス塩基及び水がある。水が0.2%まででもよいことを除けば、これらのそれぞれの濃度は0.1%以下とすべきである。
【0033】
カプセル及び非極性スプレーに適した非極性溶媒には、(C−C24)脂肪酸(C−C)エステル、C−C18炭化水素、C−Cアルカノイルエステル及び対応する酸のトリグリセリドが含まれる。カプセル充填物がペーストである場合、他の液体成分を上記の低分子量溶媒に代えて使用してもよい。これらは、大豆油、コーン油、その他の植物油を含む。
【0034】
極性カプセルもしくはスプレー用の溶媒として、400−1000Mw(好ましくは400−600)の低分子量ポリエチレングリコール(PEG)、低分子量(C−C)のモノ及びポリオール、及びC7−C18の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素のアルコールを使用することができる。また、グリセリンも存在してもよく、水もスプレーに使用してもよいが、カプセルには限定的な量で使用してもよい。
【0035】
ゼラチンの殻を作るために使用したグリセリンと水のいくらかが、殻の硬化中に殻から充填物に移行するかもしれない。同様に、硬化する間及びカプセルの貯蔵寿命中でさえ、充填物から殻への成分の移行があるかもしれない。
【0036】
それ故、ここでの値は調製されたときの組成物のものであり、軽微な変化が起こることは本発明の範囲内である。
【0037】
好ましい風味料は合成もしくは天然物のハッカ油、スペアミント油、シトラス油、果実の香料、甘味料(砂糖、アスパルテーム、サッカリン等)及びこれらの組み合わせである。
【0038】
組成物はさらに味覚マスクを含んでもよい。ここで使用する「味覚マスク」という用語は、苦味もしくは酸味のような不快な風味を隠すかもしくは最小にする薬品を意味する。代表的な味覚マスクは、バニリン、エチルバニリン、マルトール、イソアミルアセテート、エチルオキシハイドレート、アニス酸アルデヒド及びプロピレングリコール(「PFC 9885 苦味マスク」としてニュージランドのファルマシューティカル フレーバー クリニック オブ カンデンから市販されている)の組み合わせである。風味料と組み合わせた味覚マスクは、活性化合物がアルカロイドである時、アルカロイドはしばしば苦味を持っているので、特に有利である。
【0039】
活性な物質は、シクロスポリン、セルモレリン、酢酸オクトレオチド、カルシトニン−サーモン、インスリン リスプロ、コハク酸スマトリプタン、クロゼピン(clozepine)、シクロベンザプリン、塩酸デキシフェンフルラミン、グリブリド、ジドブジン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、塩酸オンダンセトロン、ジメンヒドリネート、塩酸シメチジン、ファモチジン、フェニトインナトリウム、フェニトイン、カルボプロスト トロメタミン、カルボプロスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、テルブタリン、テオフィリン、硫酸アルブテロール、及び栄養補助食品、特に限定しないが、すなわちカルニチン、バレリアン、エキナシア、並びにその類似物のような薬理作用の栄養素からなる群より選択された活性化合物を含む。
【0040】
別の実施態様では、活性化合物が、抗利尿薬、抗筋痙攣薬、抗痙攣薬、尿失禁治療薬、抗下痢剤、嘔気及び/又は嘔吐治療薬、平滑筋収縮物質、抗分泌物質、酵素、抗利尿薬、胆汁酸置換薬及び/又は胆石溶解剤又はこれらの混合物である。
【0041】
ある実施態様においては、活性化合物が抗利尿剤である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した抗利尿薬は、特に限定しないが、アセタゾラミド、ベンズチアジド、ベンドロフルメタジン(bendroflumethazide)、ブメタニド、クロルタリドン、クロロチアジン、エタクリン酸、フルセミド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、キネサゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン(triamterene)、トルセミド、トリクロルメチアジド及びこれらの混合物を含む。
【0042】
ある実施態様においては、活性化合物が抗筋痙攣物質である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した抗筋痙攣物質は、特に限定しないが、バクロフェン、ボツリヌス毒素、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、メタキサロン、メトカルバモル、オルフェナドリン、チザニジン及びこれらの混合物を含む。
【0043】
一つの実施態様では、活性化合物が抗痙攣物質である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した抗痙攣物質は、特に限定しないが、アトロピン、バクロフェン、ジシクロミン、ヒヨスチン、プロパンテリン、オキシブチニン、S−オキシブチニン、チザニジン及びこれらの混合物を含む。
【0044】
一つの実施態様では、活性化合物が尿失禁治療用物質である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した尿失禁治療用物質は、特に限定しないが、ダリフェナシン(darifenacin)、バミカミド、デトロール、ジトロパン(ditropan)、イミプラミン及びこれらの混合物を含む。
【0045】
一つの実施態様では、活性化合物が下痢止めである。本発明の口腔内スプレーの使用に適した下痢止めは、特に限定しないが、オンダンセトロン、パルノセトロン(palnosetron)、トロピセトロン、アタパルジャイト、アトロピン、ビスマス、ジフェノキシレート、ロペラミド及びこれらの混合物を含む。
【0046】
一つの実施態様では、活性化合物が嘔気及び/又は嘔吐治療用薬剤である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した嘔気及び/又は嘔吐治療用薬剤は、特に限定しないが、アロセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、メクリジン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、パルノセトロン(palnosetron)、プロクロペラジン、プロメタジン、トリメトベンザミド、トロピセトロン(tropisetron)及びこれらの混合物を含む。
【0047】
一つの実施態様では、活性化合物が平滑筋収縮物質である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した平滑筋収縮物質は、特に限定しないが、ヒヨスチンを含む。
【0048】
一つの実施態様では、活性化合物が抗分泌物質である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した抗分泌物質は、特に限定しないが、エソメプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、テネトプラゾール(tenetoprazole)、エカベト、ミソプロストール、テプレノン及びこれらの混合物を含む。
【0049】
一つの実施態様では、活性化合物が酵素である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した酵素は、特に限定しないが、a-ガラクトシダーゼ、a-L-イズロニダーゼ、イミグルセラーゼ/アルグルセラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、パンクレアチン、オルサラジン及びこれらの混合物を含む。
【0050】
一つの実施態様では、活性化合物が抗利尿剤である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した抗利尿剤は、特に限定しないが、デスモプレシン、オキシトシン及びこれらの混合物を含む。
【0051】
一つの実施態様では、活性化合物が抗潰瘍薬である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した抗潰瘍薬は、特に限定しないが、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ミソプロストール、スクラルファート、パントプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール及びこれらの混合物を含む。
【0052】
一つの実施態様では、活性化合物が胆汁酸置換薬及び/又は胆石溶解薬である。本発明の口腔内スプレーの使用に適した胆汁酸置換薬及び/又は胆石溶解薬は、特に限定しないが、ウルソジオールを含む。
【0053】
一つの実施態様では、活性化合物がオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩である。一つの実施態様では、活性化合物がオンダンセトロン塩酸塩である。
【0054】
一般に、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が活性化合物である場合、口腔内スプレーは、約0.01−20重量/重量(w/w)%のオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を、好ましくは約0.1−15w/w%、最も好ましくは約0.2−10w/W%のオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を含む。
【0055】
更に、本発明はオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を備える口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することによる患者の嘔吐を治療する方法に関するものである。
【0056】
一つの実施態様では、嘔吐は化学療法によって誘発された嘔吐である。
【0057】
別の実施態様では、嘔吐は放射線によって誘発された嘔吐である。
【0058】
別の実施態様では、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を、フェノチアジンもしくはブチロフェノンのようなコルチコステロイドと組み合わせて投与する。
【0059】
別の実施態様では、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を、デキサメタゾンと組み合わせて投与する。
【0060】
化学療法もしくは放射線によって誘発された嘔吐を治療するための別の実施態様では、患者の口腔粘膜にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を化学療法もしくは放射線治療の始まる前に噴霧する。一般に、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を患者の口腔粘膜に化学療法もしくは放射線治療の開始の約5分から2時間前に、好ましくは約15分から1時間前、更に好ましくは約30分前に噴霧する。別の実施態様では、化学療法もしくは放射線治療後にさらにオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。一般に、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を患者の口腔粘膜に化学療法もしくは放射線治療終了の約1時間から6時間、好ましくは約2時間から5時間、さらに好ましくは約4時間後に噴霧する。
【0061】
別の実施態様では、嘔吐が麻酔薬によって生じた嘔吐である。従って、本発明は、麻酔を投与する前に、治療に有効な量のオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を備える口腔内スプレーを患者の口腔粘膜に噴霧することによる麻酔の投与方法にも関するものである。
【0062】
また、本発明は、治療に有効な量のオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を備える口腔内スプレーを患者の口腔粘膜に噴霧することによる患者の不安症の治療法にも関するものである。
【0063】
本発明の処方には、活性化合物もしくはその薬学的に許容される塩を備える。「薬学的に許容される塩」という用語は、有機及び無機の酸もしくは塩基を含む薬学的に許容される無毒の酸もしくは塩基から調製した塩を意味する。
【0064】
本発明の活性化合物が酸性である場合、塩を薬学的に許容される塩基から調製してもよい。あらゆる安定な無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含む。とりわけ、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩が好ましい。薬学的に許容される有機の無毒の塩基から誘導される塩は、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルフォリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リシン、メチルーグルコサミン、モルフォリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン等のような、一級、二級及び三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩を含む。
【0065】
本発明の活性化合物が塩基性である場合、塩を薬学的に許容される無毒な酸から調製してもよい。かかる酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンホルスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸等がある。とりわけ、クエン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が好ましい。
【0066】
治療方法を議論するとき、活性化合物はその薬学的に許容される塩を含むことを意味する。ある種の処方をここで述べているけれども、哺乳動物もしくはヒトに投与すべき実際の量は治療している医師が決めなければならない。
【0067】
本発明は、次の実施例を参照することによってさらに規定されるがこれらに限定するものではない。
【0068】
以下は特定の類の実施例である。特記しない限り、すべての値は重量%である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、哺乳動物の系における薬学的に活性な物質の吸収及び処理の経路の概念図である。
【0070】





















【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の噴射剤なしの口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.001−60重量%の量及び極性溶媒が全体組成の30−99重量%の量であることを特徴とする噴射剤無しの口腔内スプレー組成物。
【請求項2】
更に味覚マスク及び/又は風味料を全体組成の0.1−10重量%の量で含む請求項1記載の組成物。
【請求項3】
極性溶媒が全体組成の37−98重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.005−55重量%の量、味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の0.5−8重量%の量で存在する請求項2記載の組成物。
【請求項4】
極性溶媒が全体組成の60−97重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.01−40重量%の量、味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の0.75−7.5重量%の量で存在する請求項3記載の組成物。
【請求項5】
極性溶媒が、400−1000の分子量を有するポリエチレングリコール、C2−C8のモノ及びポリアルコール並びにC7−C18である直鎖もしくは分枝鎖構造のアルコールからなる群より選択される請求項1記載の組成物。
【請求項6】
極性溶媒がポリエチレングリコールである請求項1記載の組成物。
【請求項7】
極性溶媒がエタノールである請求項1記載の組成物。
【請求項8】
風味料が、合成もしくは天然物のハッカ油、スペアミント油、シトラス油、果実の香料、甘味料及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項2記載の組成物。
【請求項9】
請求項1の組成物を哺乳動物の口腔粘膜に噴霧することを備える哺乳動物にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与する方法。
【請求項10】
噴霧量が規定量である請求項9記載の方法。
【請求項11】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.1−25重量%の量、極性溶媒が全体組成の10−97重量%の量並びにC−Cである直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素である噴射剤が全体組成の2−10重量%の量であることを特徴とする口腔内スプレー組成物。
【請求項12】
更に味覚マスク及び/又は風味料を全体組成の0.05−10重量%の量で含む請求項11記載の組成物。
【請求項13】
極性溶媒が全体組成の20−97重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.1−15重量%の量、噴射剤が全体組成の2−5重量%の量、味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の0.1−5重量%の量で存在する請求項12記載の組成物。
【請求項14】
極性溶媒が全体組成の25−97重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.2−25重量%の量、噴射剤が全体組成の2−4重量%の量、味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の0.1−2.5重量%の量で存在する請求項13記載の組成物。
【請求項15】
極性溶媒が、400−1000の分子量を有するポリエチレングリコール、C−Cのモノ及びポリアルコール並びにC−C18である直鎖もしくは分枝鎖構造のアルコールからなる群より選択される請求項11記載の組成物。
【請求項16】
極性溶媒がポリエチレングリコールである請求項15記載の組成物。
【請求項17】
極性溶媒がエタノールである請求項15記載の組成物。
【請求項18】
風味料が、合成もしくは天然物のハッカ油、スペアミント油、シトラス油、果実の香料、甘味料及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項12記載の組成物。
【請求項19】
噴射剤が、プロパン、N-ブタン、イソブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項11記載の組成物。
【請求項20】
請求項11の組成物を哺乳動物の口腔粘膜に噴霧することを備える哺乳動物にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与する方法。
【請求項21】
噴霧量が規定量である請求項20記載の方法。
【請求項22】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の噴射剤無しの口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.005−55重量%の量及び非極性溶媒が全体組成の30−99重量%の量であることを特徴とする噴射剤無しの口腔内スプレー組成物。
【請求項23】
更に味覚マスク及び/又は風味料を全体組成の0.1−10重量%の量で含む請求項22記載の組成物。
【請求項24】
風味料が、合成もしくは天然物のハッカ油、スペアミント油、シトラス油、果実の香料、甘味料及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項23記載の組成物。
【請求項25】
溶媒が、(C-C24)脂肪酸(C-C)エステル、C-C18の直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素、C-C のアルカノイルエステル及びC-C のカルボン酸のトリグリセリドからなる群より選択される請求項22記載の組成物。
【請求項26】
溶媒がトリグリセリドである請求項25記載の組成物。
【請求項27】
請求項22の組成物を哺乳動物の口腔粘膜に噴霧することを備える哺乳動物にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与する方法。
【請求項28】
噴霧量が規定量である請求項27記載の方法。
【請求項29】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.05−50重量%の量、非極性溶媒が全体組成の19−85重量%の量並びにC−Cである直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素である噴射剤が全体組成の5−80重量%の量であることを特徴とする口腔内スプレー組成物。
【請求項30】
更に味覚マスク及び/又は風味料を全体組成の0.1−10重量%の量で含む請求項29記載の組成物。
【請求項31】
風味料が、合成もしくは天然物のハッカ油、スペアミント油、シトラス油、果実の香料、甘味料及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項30記載の組成物。
【請求項32】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.01−40重量%の量、非極性溶媒が全体組成の25−89重量%の量、C−Cである直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素である噴射剤が全体組成の10−70重量%の量、及び味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の1−8重量%の量であることを特徴とする口腔内スプレー組成物。
【請求項33】
噴射剤が全体組成の20−70重量%の量、非極性溶媒が全体組成の25−75重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.25−35重量%の量、及び味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の2−7.5重量%の量で存在する請求項32記載の組成物。
【請求項34】
噴射剤が、プロパン、N-ブタン、イソブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項29記載の組成物。
【請求項35】
噴射剤が、N-ブタンもしくはイソブタンであり、0.2%以下の含水量及び0.1%未満の酸化剤、還元剤、ルイス酸及びルイス塩基の濃度を有する請求項34記載の組成物。
【請求項36】
溶媒が、(C-C24)脂肪酸(C-C) エステル、C-C18の直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素、C-Cのアルカノイルエステル及びC-Cのカルボン酸のトリグリセリドからなる群より選択される請求項29記載の組成物。
【請求項37】
溶媒がトリグリセリドである請求項36記載の組成物。
【請求項38】
請求項29の組成物を哺乳動物の口腔粘膜に噴霧することを備える哺乳動物にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与する方法。
【請求項39】
噴霧量が規定量である請求項38記載の方法。
【請求項40】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.2−10重量%の量、極性溶媒がプロピレングリコール及びエタノールで、全体組成の50−99重量%の量であることを特徴とする口腔内スプレー組成物。
【請求項41】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の噴射剤無しの口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.001−60重量%の量、及び極性溶媒対非極性溶媒の比率が1:99から99:1である極性溶媒と非極性溶媒の混合物が全体組成の30−99.69重量%の量であることを特徴とする噴射剤無しの口腔内スプレー組成物。
【請求項42】
更に味覚マスク及び/又は風味料を全体組成の0.1−10重量%の量で含む請求項40記載の組成物。
【請求項43】
極性溶媒が全体組成の37−98重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.005−55重量%の量及び味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の0.5−8重量%の量で存在する請求項42記載の組成物。
【請求項44】
極性溶媒が全体組成の60−97重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.01−40重量%の量及び味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の0.75−7.5重量%の量で存在する請求項43記載の組成物。
【請求項45】
極性溶媒が、400−1000の分子量を有するポリエチレングリコール、C2−C8のモノ及びポリアルコール並びにC−C18である直鎖もしくは分枝鎖構造のアルコール、(C-C24)脂肪酸(C-C) エステル、C-C18の直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素、C-Cのアルカノイルエステル及びC-Cのカルボン酸のトリグリセリドからなる群より選択される請求項41記載の組成物。
【請求項46】
風味料が、合成もしくは天然物のハッカ油、スペアミント油、シトラス油、果実の香料、甘味料及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項42記載の組成物。
【請求項47】
請求項41の組成物を哺乳動物の口腔粘膜に噴霧することを備える哺乳動物にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与する方法。
【請求項48】
噴霧量が規定量である請求項47記載の方法。
【請求項49】
オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩の経粘膜投与用の口腔内スプレー組成物で、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.05−50重量%の量、極性溶媒対非極性溶媒の比率が1:99から99:1である極性溶媒と非極性溶媒の混合物が全体組成の10−97重量%の量並びにC3−C8である直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素である噴射剤が全体組成の5−80重量%の量であることを特徴とする口腔内スプレー組成物。
【請求項50】
味覚マスク及び/又は風味料を全体組成の0.01−10重量%の量で含む請求項49記載の組成物。
【請求項51】
噴射剤が全体組成の10−70重量%の量、極性溶媒が全体組成の20−97重量%の量、オンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩が全体組成の0.1−40重量%の量、味覚マスク及び/又は風味料が全体組成の1−8重量%の量で存在する請求項50記載の組成物。
【請求項52】
噴射剤が、プロパン、N-ブタン、イソブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項49記載の組成物。
【請求項53】
噴射剤が、N-ブタンもしくはイソブタンであり、0.2%以下の含水量及び0.1%未満の酸化剤、還元剤、ルイス酸及びルイス塩基の濃度を有する請求項52記載の組成物。
【請求項54】
極性溶媒が、400−1000の分子量を有するポリエチレングリコール、C-Cであるモノ及びポリアルコール、C-C18である直鎖もしくは分枝鎖構造のアルコールからなる群より選択され、非極性溶媒が、(C-C24)脂肪酸(C-C) エステル、C-C18の直鎖もしくは分枝鎖構造の炭化水素、C-Cのアルカノイルエステル及びC2-C6 のカルボン酸のトリグリセリドからなる群より選択される請求項49記載の組成物。
【請求項55】
請求項49の組成物を哺乳動物の口腔粘膜に噴霧することを備える哺乳動物にオンダンセトロンもしくはその薬学的に許容される塩を投与する方法。
【請求項56】
噴霧量が規定量である請求項55記載の方法。
【請求項57】
請求項1の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口内粘膜に噴霧することを備える患者の嘔吐を治療する方法。
【請求項58】
嘔吐が化学療法もしくは放射線によって生じる請求項57記載の方法。
【請求項59】
患者にコルチコステロイドを更に投与する請求項58記載の方法。
【請求項60】
患者にデキソメタゾンを更に投与する請求項58記載の方法。
【請求項61】
化学療法もしくは放射線治療の開始約5分から2時間前に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項58記載の方法。
【請求項62】
化学療法もしくは放射線治療の終了の約1時間から6時間後に、更に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項61記載の方法。
【請求項63】
麻酔を投薬する前に請求項1の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者へ麻酔を投与する方法。
【請求項64】
請求項1の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の不安症を治療する方法。
【請求項65】
請求項11の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の嘔吐を治療する方法。
【請求項66】
嘔吐が化学療法もしくは放射線によって生じる請求項65記載の方法。
【請求項67】
患者にコルチコステロイドを更に投与する請求項66記載の方法。
【請求項68】
患者にデキソメタゾンを更に投与する請求項66記載の方法。
【請求項69】
化学療法もしくは放射線治療の開始約5分から2時間前に、患者の口腔粘膜に噴霧する請求項66記載の方法。
【請求項70】
化学療法もしくは放射線治療の終了約1時間から6時間後に、更に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項69記載の方法。
【請求項71】
麻酔を投薬する前に請求項11の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者へ麻酔を投与する方法。
【請求項72】
請求項11の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の不安症を治療する方法。
【請求項73】
請求項22の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の嘔吐を治療する方法。
【請求項74】
嘔吐が化学療法もしくは放射線によって生じる請求項73記載の方法。
【請求項75】
患者に更にコルチコステロイドを更に投与する請求項74記載の方法。
【請求項76】
患者に更にデキソメタゾンを更に投与する請求項74記載の方法。
【請求項77】
化学療法もしくは放射線治療の開始約5分から2時間前に、患者の口腔粘膜に噴霧する請求項74記載の方法。
【請求項78】
化学療法もしくは放射線治療の終了約1時間から6時間後に、更に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項77記載の方法。
【請求項79】
麻酔を投与する前に請求項22の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者へ麻酔を投与する方法。
【請求項80】
請求項22の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の不安症を治療する方法。
【請求項81】
請求項29の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の嘔吐を治療する方法。
【請求項82】
嘔吐が化学療法もしくは放射線によって生じる請求項81記載の方法。
【請求項83】
患者にコルチコステロイドを更に投与する請求項82記載の方法。
【請求項84】
患者にデキソメタゾンを更に投与する請求項82記載の方法。
【請求項85】
化学療法もしくは放射線治療の開始約5分から2時間前に、患者の口腔粘膜に噴霧する請求項82記載の方法。
【請求項86】
化学療法もしくは放射線治療の終了約1時間から6時間後に、更に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項85記載の方法。
【請求項87】
請求項29の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者へ麻酔を投与する方法。
【請求項88】
請求項29の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の不安症を治療する方法。
【請求項89】
請求項41の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の嘔吐を治療する方法。
【請求項90】
嘔吐が化学療法もしくは放射線によって生じる請求項89記載の方法。
【請求項91】
患者に更にコルチコステロイドを投与する請求項90記載の方法。
【請求項92】
患者に更にデキソメタゾンを投与する請求項90記載の方法。
【請求項93】
化学療法もしくは放射線治療の開始約5分から2時間前に、患者の口腔粘膜に噴霧する請求項90記載の方法。
【請求項94】
化学療法もしくは放射線治療の終了約1時間から6時間後に、更に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項93記載の方法。
【請求項95】
請求項41の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者へ麻酔を投与する方法。
【請求項96】
請求項41の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の不安症を治療する方法。
【請求項97】
請求項49の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の嘔吐を治療する方法。
【請求項98】
嘔吐が化学療法もしくは放射線によって生じる請求項97記載の方法。
【請求項99】
患者に更にコルチコステロイドを投与する請求項98記載の方法。
【請求項100】
患者に更にデキソメタゾンを投与する請求項98記載の方法。
【請求項101】
化学療法もしくは放射線治療の開始約5分から2時間前に、患者の口腔粘膜に噴霧する請求項98記載の方法。
【請求項102】
化学療法もしくは放射線治療の終了約1時間から6時間後に、更に患者の口腔粘膜に噴霧する請求項101記載の方法。
【請求項103】
請求項49の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者へ麻酔を投与する方法。
【請求項104】
請求項49の口腔内スプレーの治療に有効な量を患者の口腔粘膜に噴霧することを備える患者の不安症を治療する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−507509(P2007−507509A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534019(P2006−534019)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/031801
【国際公開番号】WO2005/032520
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506105928)ノヴァデル ファーマ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】