説明

オンライン取引システム

【課題】 利用者が利用者端末以外のインターネット上のコンピュータに利用者の個人情報を登録せずに、利用者の匿名性を確保してサービスを申込むことができるオンライン取引システムを提供する。
【解決手段】 利用者は、IDを割当てられ、その際に住所、氏名、電話番号のいずれかを含んだ個人情報をサービス提供者コンピュータ2および情報預託機関コンピュータ5に登録する必要性がなく、匿名性を確保しながら、サービス提供者が提供する商品を含むサービスへの申込みと、サービス提供者に通信アドレス(電子メールアドレス)を知られる心配がないサービス提供者との二者の間の通信と、サービス提供者への代金支払と、サービス提供者から商品の受取りと、を行い、個人情報は、利用者が利用者端末3で入力するとともに、利用者が商品の受取りを行うときに、宅配業者が情報預託機関コンピュータ5を通じて使用可能な状態にされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して商品の注文、商品の代金支払、商品の受渡手配等を行うオンライン取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上のWebサイトなどを使って商品の取引を行うオンライン取引が普及している。このオンライン取引は、インターネット上のWebサイトを使ってサービスを提供するサービス提供者と、サービスを利用する利用者とがインターネットを介して行う取引である。
【0003】
従来のオンライン取引システムは、サービス提供者が商品を紹介するWebページを開設し、このWebページを購入する利用者が見て商品を選択するとともに、決済方法を指定して住所やクレジットカード番号などの個人情報をサービス提供者に送信することによって購入申込をすることができる。しかし、この従来システムでは、サービス申込時に商品宅配および連絡に必要な利用者の個人情報、クレジットカード番号等をインターネットを介してサービス提供者コンピュータに送信する必要があり、サービス提供者コンピュータからこれらの情報が漏洩するおそれがあった。これにより利用者は情報の漏洩を危惧し安心してオンライン取引を利用することができず、またサービス提供者も情報漏洩を防止するために多大なコストを必要としていた。
【0004】
そこで上記の問題点を解決するため、利用者とサービス提供者の間に中継業者を設けて商取引を行うシステムが提案されている。特許文献1に記載されている電子商取引における購入代行業システムは、ユーザ(利用者)と仮想商店(サービス提供者)との間に購入代行業会社(中継業者)を設けることによりユーザが直接仮想商店に購入の申込をする必要がなく、ユーザの住所やクレジットカード番号等の個人情報が仮想商店に知られることがない。
【0005】
また、特許文献2に記載されている電子商取引システムも、ユーザ(利用者)と商品販売者(サービス提供者)との間に仲介業者(中継業者)が設けられ、個人情報が仲介業者に知らされず、さらに宅配の依頼も可能である。
【特許文献1】特開2002−133349号
【特許文献2】特開2003−233729号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されている電子商取引における購入代行業システムは、住所等の個人情報を仮想商店に知らせないため、購入した商品をユーザが郵便局またはコンビニエンスストアなどに取りに行かなければならないという煩雑さがあった。
【0007】
また、特許文献2に記載されている電子商取引システムは住所等の個人情報が商品販売者に知られずに商品を直接ユーザの自宅等に配送が可能であるが、これらのデータは送受信の際、セキュリティ対策が行われていない無防備な状態でインターネットに送出されるため、第三者に盗まれ不正に使用されるおそれがあるという欠点があった。
【0008】
さらに、特許文献1、2のシステムはサービスの利用前にあらかじめ利用者の個人情報等を中継業者のコンピュータに登録しなければならず、登録により中継業者のコンピュータに継続的に個人情報が記憶されることにより中継業者のコンピュータから情報が漏洩するおそれがあるという欠点もあった。
【0009】
よって本発明の目的は、システムを構成するコンピュータに利用者の個人情報、およびクレジットカード番号等のデータを登録せず、利用者の匿名性を確保して注文した商品を宅配便で配送することができ、さらにインターネット上での送受信時のデータやシステムを構成するコンピュータに記憶されたサービス利用に関するデータの漏洩を防止することができるオンライン取引システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明のオンライン取引システムは、利用者情報入力過程、サービス申込過程、決済過程、連絡過程および情報預託機関コンピュータと、サービス提供者が管理するサービス提供者コンピュータと、利用者が使用する利用者端末と、が接続されたネットワーク過程を備えるオンライン取引システムにおいて、
利用者は、IDを割当てられ、その際に住所、氏名、電話番号のいずれかを含んだ個人情報をサービス提供者コンピュータおよび情報預託機関コンピュータに登録する必要性がなく、匿名性を確保しながら、サービス提供者が提供する商品を含むサービスへの申込みと、前記サービス提供者に通信アドレス(電子メールアドレス)を知られる心配がない前記サービス提供者との二者の間の通信と、前記サービス提供者に対して代金支払と、前記サービス提供者から前記商品の受取りと、を行い、
利用者情報入力過程は、前記利用者が利用者端末で前記個人情報を入力でき、
サービス申込過程は、前記利用者が前記利用者端末で前記IDを使用して前記サービスを申込みでき、
決済過程は、前記利用者が前記利用者端末で前記代金支払を行うことができ、
連絡過程は、前記二者が前記利用者端末および前記サービス提供者コンピュータ(以降、通信機器と称す)で前記通信を行うことができるとともに、前記通信を前記情報預託機関コンピュータ(以降、通信中継コンピュータと称す)が中継し、前記二者以外の第三者が使用する第三者通信機器(第三者のコンピュータ)が前記通信機器との間で前記通信を行うことができない、
前記個人情報は、前記利用者が前記商品を受取る(以降、受渡しと称す)ために、前記商品の受渡しに係る業者(宅配業者)が前記情報預託機関コンピュータを通じて使用可能な状態にされることを特徴とする。
【0011】
また、次の(1)〜(3)のいずれか1つ以上の要件を備えることを特徴としてもよい。
【0012】
(1)商品受渡過程を備え、
前記ネットワーク過程は、業者コンピュータ(符号4)が接続され、
前記利用者は、前記利用者端末で前記情報預託機関コンピュータから前記IDの割当てを受け、
前記商品受渡過程は、前記業者が前記業者コンピュータで前記個人情報を使用して前記商品の受渡しに係る宛名の印刷を行うことができる。
【0013】
(2)前記ネットワーク過程は、前記代金支払の手段を提供する決済機関コンピュータが接続され、
前記決済過程は、前記利用者が前記利用者端末でカード番号または口座番号を指定することができる。
【0014】
(3)前記連絡過程は、前記通信で使用される前記通信アドレスと、前記通信を発信する者(以降、発信者と称す)と受信する者(以降、受信者と称す)との前記通信を双方向で転送するために設けられ、前記第三者通信機器が前記通信機器と前記通信を行うことができない中継アドレス(中継電子メールアドレス)と、を備え、
前記二者は、少なくとも一方が複数の前記通信アドレスを使用可能で、
前記通信中継コンピュータは、前記中継アドレスに対応して前記複数の通信アドレスを管理するとともに、前記受信者の前記複数の通信アドレスの内のいずれか1つを選択して前記通信を中継する。
【0015】
【0016】
本発明の通信中継システムは、二者が通信に使用する通信機器(2、3)と、前記通信を中継する通信中継コンピュータ(5)と、前記通信で使用される通信アドレス(電子メールアドレス)と、前記通信を発信する者(以降、発信者と称す)と受信する者(以降、受信者と称す)との前記通信を双方向で転送するために設けられ、前記二者以外の第三者が使用する第三者通信機器(第三者のコンピュータ)が前記通信機器と前記通信を行うことができない中継アドレス(中継電子メールアドレス)と、を備える通信中継システムにおいて、
二者は、少なくとも一方が複数の通信アドレスを使用可能で、
通信中継コンピュータは、中継アドレスに対応して前記複数の通信アドレスを管理するとともに、受信者の前記複数の通信アドレスの内のいずれか1つを選択して通信を中継することを特徴とする。
【0017】
本発明の通信中継システムは、サービス提供者および前記サービス提供者からサービスの提供を受ける利用者の二者が通信に使用する通信機器(2、3)と、前記通信を中継する通信中継コンピュータ(5)と、前記通信で使用され、前記通信を行う者を識別する通信ID(電子メールアドレス)と、を備える通信中継システムにおいて、
二者は、少なくとも一方が複数の通信IDを使用可能であり、
通信中継コンピュータは、サービスに対応して前記複数の通信IDを管理するとともに、通信を受信する者の前記複数の通信IDの内のいずれか1つを選択して前記通信を中継し、前記二者以外の第三者が使用する第三者通信機器(第三者のコンピュータ)が通信機器と前記通信を行うことができないようすることを特徴とする。
【0018】
【発明の効果】
【0019】
よって本発明は、サービス提供者コンピュータや情報預託機関コンピュータに利用者の個人情報を登録する必要が無いため、サービス提供者や情報預託機関から個人情報が流出して不正に流用されることを防止できる。さらにはインターネット上での送受信中に情報が漏洩することを防止できるため利用者の匿名性が確保され、利用者は安心してオンライン取引サービスを利用することができる。
【0020】
また本発明は、暗号化された利用者の個人情報とそれを復号するための暗号鍵が異なるコンピュータに記憶されるため、どちらかのデータが漏洩しても第三者が利用者の個人情報を得ることができず、不正に流用されることを防止できる。
【0021】
また本発明は、利用者からサービスの申込を受けたサービス提供者が他のサービス提供者に配送を依頼できることにより、他のサービス提供者が扱う商品も利用者に提供することができ、利用者により多くのサービスを提供することができる。
【0022】
また本発明は、宅配業者に引取先および配達先の情報を与えて、引取先から商品を引取り配達先に配送する機能を有し、利用者間で商品の配送の手配をする手間を省くことができる(ネットオークションに利用する)。
【0023】
また本発明は、インターネットを介してクレジットカードの利用、または口座振込の手続を簡単かつ安全に行うことができ、サービス提供者による決済機関等への成りすましも防止でき、金融機関は従来のような振込通知を必ずしもサービス提供者に通知する必要がなく、振込通知が通知されたとしてもサービス提供者に対し利用者の匿名性が確保され、サービス提供者は従来のように金融機関から通知された振込通知とサービス申込データとのマッチングを行う必要が無いため業務の効率化を図ることができる。
【0024】
また本発明は、利用者とサービス提供者間のみで利用できる中継電子メールアドレスを設け、利用者およびサービス提供者以外の第三者がこの中継電子メールアドレス宛てに電子メールを送信したときには、利用者またはサービス提供者に電子メールが転送されることがなく、利用者に対する不正請求電子メール等の被害を防止することに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のオンライン取引システム1の一実施形態を図1〜図2を参照して説明する。
【0026】
《オンライン取引システム1の構成要素》 本実施形態のオンライン取引システム1は、サービス提供者によって管理されるサービス提供者コンピュータ2と、利用者によって使用される利用者端末3と、宅配業者によって管理される宅配業者コンピュータ4と、サービス提供者コンピュータ2と利用者端末3と宅配業者コンピュータ4とのデータの送受信の中継を行う情報預託機関コンピュータ5と、決済機関によって管理される決済機関コンピュータ6とがインターネットを介して接続されている。本実施形態の利用者端末3は、インターネット上のページを閲覧する機能を有している。
【0027】
上記のシステムの構成のうち、利用者端末3と情報預託機関コンピュータ5との相互の送信データは、情報の外部漏洩と、送信途上の改ざんを防止するためにメッセージダイジェストを含む公開暗号化方式により暗号化される。
【0028】
また、サービス提供者コンピュータ2と、情報預託機関コンピュータ5と、宅配業者コンピュータ4との相互の送信データも、情報の外部漏洩と、送信途上の改ざんを防止するためにメッセージダイジェストを含む特定の暗号化方式により暗号化される。
【0029】
また、サービス提供者コンピュータ2と、決済機関コンピュータ6相互の送信データも、情報の外部漏洩と、送信途上の改ざんを防止するためにメッセージダイジェストを含む特定の暗号化方式により暗号化される。
【0030】
サービス提供者コンピュータ2、利用者端末3、宅配業者コンピュータ4、および情報預託機関コンピュータ5の構成と、それぞれのコンピュータ2、3、4、5が有するデータについて説明する。
【0031】
〈サービス提供者コンピュータ2〉 サービス提供者は、サービス提供者コンピュータ2のサービス申込ページを用いてインターネットを介して利用者からの問合せに対応するオンライン問合せ、インターネット上で商取引を行うネットショッピング、インターネット上でオークションを行うネットオークションの落札希望入力、ネットオークションの落札者入力等のサービスを利用者に提供する。
【0032】
サービス提供者コンピュータ2は、利用者端末3からオンライン問合せまたはネットオークションの落札希望入力等のサービス申込要求を受けたときは、申込毎に申込情報を作成し、この申込情報およびサービス提供者の電子メールアドレスを情報預託機関コンピュータ5に知らせるために前記利用者端末3に送信する。そして、申込情報とサービス提供者の電子メールアドレスと利用者端末3にて付加された利用者の電子メールアドレスとを受信した情報預託機関コンピュータ5にて作成され、サービス提供者の電子メールアドレスと利用者の電子メールアドレスとに関連付けられた中継電子メールアドレスを、申込情報とともに情報預託機関コンピュータ5から受信し、この中継電子メールアドレスを介して利用者端末3に申込情報によるサービスを提供する機能を備える。また、サービス提供者コンピュータ2は、利用者端末3からネットショッピングまたはネットオークションの落札者入力等のサービス申込要求を受けたときは、申込毎の申込情報を作成し、この申込情報を情報預託機関コンピュータ5に知らせるために利用者端末3に送信する。そして、申込情報と利用者端末3にて付加された利用者の個人情報を受信した情報預託機関コンピュータ5にて作成され、申込情報に関連付けられた暗号鍵とこの暗号鍵を管理する管理番号とを情報預託機関コンピュータ5から申込情報とともに受信し、宅配により利用者にサービスを提供するため受信した暗号鍵と管理番号とを宅配業者コンピュータ4に送信する。なお、サービス提供者はいずれか1ヶ所の情報預託機関と契約を結び、サービス提供者コンピュータ2を識別するための提供者番号の発行を受ければよい。
【0033】
サービス提供者コンピュータ2は、図3(A)に示すように、インターネットを介して受信したデータおよびサービス提供者コンピュータ2で作成されたデータを格納するサービスデータベース(以下、「データベース」を「DB」と称する)21を有する。サービスDB21内のデータは定期的に更新され、有効期限が過ぎたデータは順次削除される。
【0034】
(サービスDB21) サービスDB21は、申込番号と、サービス申込情報と、有効期限(1)と、中継電子メールアドレスと、情報預託フラグと、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、利用者の配達地区番号と、支払方法と、支払金額と、決済機関番号と、代引き金額とをデータとして有し、また、申込番号を主検索キーに持っている。
【0035】
申込番号は、サービス提供者コンピュータ2で作成され、サービス提供者コンピュータ2がサービス申込を識別するために使用する一意な番号である(上記の申込情報に相当する)。
【0036】
サービス申込情報は、利用者が申込んだサービス申込の内容である。
【0037】
有効期限(1)は、サービスDB21に記憶されたデータの有効期限である。
【0038】
中継電子メールアドレスは、再利用可能で利用者とサービス提供者間とでしか利用することができない双方向性転送用電子メールアドレスである。
【0039】
情報預託フラグは、情報預託機関に利用者の個人情報の預託を行うか否かを示すフラグである。
【0040】
宅配区分は、「宅配なし」、「宅配依頼」、「利用者持込」、「出品者から引取」、「利用者から引取」の区別をする区分である。また、「宅配依頼」、「利用者持込」のときは宅配依頼手段を行い、「出品者から引取」、「利用者から引取」のときは引取配達依頼手段を行う。
【0041】
暗号鍵は、情報預託機関コンピュータ5により作成され、情報預託機関コンピュータ5から宅配業者コンピュータ4に送信される利用者情報の暗号化および復号に用いられる暗号鍵である。
【0042】
管理番号は、暗号鍵を管理するために使用する一意な番号である。さらに、情報預託機関コンピュータ5を識別する預託機関番号が含まれる提供者番号と、申込番号との組合せによって編集された番号である。
【0043】
利用者の配達地区番号は、宅配料金の計算に使用する配達地区の情報である。
【0044】
支払方法は、店舗での現金利用の「現金」、配送時に代金引き替えの「代引き」、カード会社利用の「クレジットカード」、貸金業者利用の「カードローン」、または金融機関利用の「口座振込」のいずれかを選択するものである。
【0045】
支払金額は、サービス利用金額と利用者が負担する宅配料金との合計金額で利用者がサービス提供者に支払う金額である。
【0046】
決済機関番号は、利用者が代金決済のために利用する決済機関を示す識別IDであって、さらにインターネット上で共通に使用される識別IDである。
【0047】
代引き金額は、サービス利用金額と利用者が負担する宅配料金と代引き手数料との合計金額である。さらに支払方法が「代引き」のときに計算される金額である。
【0048】
〈利用者端末3〉 利用者端末3は、情報預託機関コンピュータ5が利用者端末3を識別するための利用者番号を情報預託機関コンピュータ5から取得し、利用したいサービスを申込むためのサービス申込ページデータをサービス提供者コンピュータ2に送信する。そして、このサービス申込ページデータに応答してサービス提供者コンピュータ2から送信されるサービス申込を識別するための申込情報を受信するとともに、この申込情報と利用者の電子メールアドレスまたは個人情報を暗号化して情報預託機関コンピュータ5に送信する機能を備える。
【0049】
また利用者端末3には、利用者の認証を行うためのパスワードが設定されている。
【0050】
利用者端末3は、図3(B)に示すように利用者情報テーブル31を有する。利用者情報テーブル31は、情報の外部漏洩を避けるためにデータは特定の方法により暗号化される。
【0051】
(利用者情報テーブル31) 利用者情報テーブル31は、利用者番号と、利用者情報と、電子メールアドレス(複数設定可)とをデータとして有する。
【0052】
利用者番号は、情報預託機関コンピュータ5が利用者端末3の利用者を識別するために使用するIDであり、情報預託機関コンピュータ5を識別する預託機関番号を含む。さらに利用者番号は利用者等が容易に推測できない番号を用いる。
【0053】
利用者情報は、利用者の配達地区番号・住所・氏名・電話番号を含む。
【0054】
電子メールアドレスは、利用者が取得したものである。また、利用者情報テーブル31には利用者が取得した複数の電子メールアドレスが設定可能で、このとき1件目の電子メールアドレスには利用者がこの利用者端末3上で通常利用する電子メールアドレスが設定される(同じ利用者番号を持つ複数の利用者端末3に対しそれぞれの利用者端末3が通常利用する電子メールアドレスの設定ができる)。
【0055】
〈宅配業者コンピュータ4〉 宅配業者コンピュータ4は、サービス提供者コンピュータ2から宅配または引取配達を依頼されたときは、申込まれたサービス毎に情報預託機関コンピュータ5で作成された暗号鍵と、この暗号鍵を管理する管理番号と、引取配達のときは引取先情報をサービス提供者コンピュータ2から受信し、受信した管理番号を情報預託機関コンピュータ5に送信する。宅配業者コンピュータ4は、管理番号を情報預託機関コンピュータ5に送信することにより情報預託機関コンピュータ5に記憶されている管理番号に対応し暗号化された利用者の個人情報を取得する。そして、暗号化された利用者の個人情報を受信した暗号鍵で復号し、申込情報と、引取配達のときは引取先情報と、得られた個人情報とにより利用者にサービスを提供する機能を備える。
【0056】
宅配業者コ
ンピュータ4は、図3(C)に示すように、宅配DB41と、商品引取DB42と、ダイレクトメールDB43を管理するための専用コンピュータで、情報の外部漏洩を避けるためにデータを特定の方法により暗号化するとともに、ファイルを外部媒体へ複写する機能を持たず、宅配伝票等の印刷に個別データを利用できる機能のみを持つ。宅配DB41および商品引取DB42およびダイレクトメールDB43内のデータは、定期的に更新され、有効期限が過ぎたデータは順次削除される。
【0057】
(宅配DB41) 宅配DB41は、配達伝票番号と、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、代引き金額と、宅配区分と、利用者情報と、贈答先情報と、配達先情報と、有効期限(2)とをデータとして有し、配達伝票番号を主検索キーに持つ。
【0058】
提供者番号は、情報預託機関コンピュータ5および宅配業者コンピュータ4がサービス提供者コンピュータ2を識別するために使用する識別IDであり、情報預託機関コンピュータ5を識別する預託機関番号を含む。
【0059】
提供者電子メールアドレスは、サービス提供者が取得したものである。
【0060】
贈答先情報は、贈答用商品の配達先を識別するIDである贈答先番号と、贈答先の配達地区番号・住所・氏名・電話番号とを含む。
【0061】
配達先情報は、配達先の住所・氏名・電話番号を含む。
【0062】
有効期限(2)は、宅配DB41に記憶されたデータの有効期限である。
【0063】
(商品引取DB42) 商品引取DB42は、配達伝票番号と、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、代引き金額と、宅配区分と、出品者情報と、利用者情報と、配達先情報と、有効期限(3)とをデータとして有し、配達伝票番号を主検索キーに持つ。
【0064】
出品者情報は、ネットオークション出品者の住所・氏名・電話番号を含む(上記の引取先情報に相当する)。
【0065】
有効期限(3)は、商品引取DB42に記憶されたデータの有効期限である。
【0066】
(ダイレクトメールDB43) ダイレクトメールDB43は、提供者番号と、お客様番号と、利用者の住所・氏名と、有効期限(4)とをデータとして有し、提供者番号とお客様番号との組合せを主検索キーに持つ。
【0067】
お客様番号は、中継電子メールアドレスと一対をなす一意な番号であって、さらにサービス提供者がサービス申込の利用者を特定するために利用する識別IDである。
【0068】
有効期限(4)は、ダイレクトメールDB43に記憶されたデータの有効期限である。
【0069】
〈情報預託機関コンピュータ5〉 情報預託機関コンピュータ5は、利用者端末3から利用者の個人情報とともに申込情報を受信したときは、申込情報に関連付けられた暗号鍵とこの暗号鍵を管理する管理番号を作成し、受信した利用者の個人情報をこの暗号鍵で暗号化して管理番号とともに記憶し、暗号鍵と管理番号と申込情報とをサービス提供者コンピュータ2に送信する。そして、宅配業者コンピュータ4から管理番号を受信したときは、この管理番号から対応する暗号化された利用者の個人情報を抽出し、この暗号化された利用者の個人情報を宅配により利用者にサービスを提供するために宅配業者コンピュータ4に送信する機能を備える。
【0070】
また情報預託機関コンピュータ5は、特定の複数の端末に関連付けられた中継電子メールアドレスおよびこの中継電子メールアドレスに対応するメールボックスを作成する。そして、複数の端末のうち1つの端末から中継電子メールアドレス宛てに電子メールが送信されメールボックスに保存されたときは、受信した電子メールを対応する他の端末の1つに送信する機能を備える。
【0071】
情報預託機関コンピュータ5は、図3(D)に示すように、中継メールアドレスDB51と、メールマガジンDB52と、住所情報DB53とを有する。中継メールアドレスDB51と、メールマガジンDB52と、住所情報DB53とは、情報の外部漏洩を避けるためにデータを特定の方法により暗号化される。住所情報DB53内のデータは定期的に更新され、有効期限が過ぎたデータは順次削除される。
【0072】
情報預託機関コンピュータ5はインターネット上に複数存在することが可能である。そのときには、情報預託機関コンピュータ5を識別する預託機関番号を設ける。そして利用者番号と、提供者番号と、管理番号とに預託機関番号が含まれるものとする。
【0073】
(中継メールアドレスDB51) 中継メールアドレスDB51は、中継電子メールアドレスと、提供者番号と、利用者番号と、提供者電子メールアドレスと、提供者メール区分と、電子メールアドレス(複数設定可)とをデータとして有し、中継電子メールアドレスを主検索キーに持ち、提供者番号と利用者番号との組合せを副次検索キーに持つ。
【0074】
提供者メール区分は、サービス提供者コンピュータ2が自前のメールボックスを有するときは「自前」を編集し、そうでないときは「他者」を編集するものである。
【0075】
(メールマガジンDB52) メールマガジンDB52は、提供者番号と、電子メールアドレスとをデータとして有し、提供者番号と電子メールアドレスとの組合せを主検索キーに持つ。
【0076】
(住所情報DB53) 住所情報DB53は、提供者番号と、管理番号と、暗号化利用者情報と、有効期限(5)をデータとして有し、提供者番号と、管理番号の組合せを主検索キーに持つ。
【0077】
暗号化利用者情報は、暗号鍵で暗号化された利用者情報である。さらに利用者情報のメッセージダイジェストを作成し利用者情報と共に暗号化し、暗号化利用者情報の復号後にメッセージダイジェストを用いて利用者情報の正当性を確認する。
【0078】
有効期限(5)は、住所情報DB53に記憶されたデータの有効期限である。
【0079】
《オンライン取引システム1の動作》 本発明のオンライン取引システム1の一実施形態による処理手順を図4〜図10を参照して手段別に説明する。
【0080】
本実施形態は、利用者番号発行手段と、サービス申込手段と、代金決済手段と、宅配依頼手段と、引取配達依頼手段と、中継電子メール手段と、メールマガジン配信手段とを有する。
【0081】
〈利用者番号発行手段〉 利用者番号発行手段について図4を参照して説明する。
【0082】
利用者は、サービス提供者が提供するインターネット上のWebサイトに表示されている商品を注文するまたはサービスの提供を受けるにあたり、まず情報預託機関から利用者番号の発行を受けることが必要である。利用者番号の発行を受けるには、利用者は利用者端末3に利用者入力画面を表示させる(S1)。利用者により利用者入力画面への利用者情報および電子メールアドレス(複数設定可)の入力が完了したときは(S2)、利用者端末3は利用者番号発行要求を編集し情報預託機関コンピュータ5に送信する(S3)。
【0083】
情報預託機関コンピュータ5は、利用者番号発行要求を受信したときは(S4)、利用者番号を作成し、これを利用者番号データとして編集し利用者端末3に返送する(S5)。利用者端末3は、利用者番号データを受信したときは(S6)、利用者番号、利用者情報、および電子メールアドレスを利用者情報テーブル31として編集し、記憶する。
【0084】
この利用者番号は利用者端末3に記憶されるが、利用者がモニターなどにより確認することはできない情報である。また、この利用者番号は容易に推測できないものであるため、第三者の成りすましによる個人情報の漏洩や後述する中継電子メールアドレスの奪取などを防止することができる。
【0085】
なお、利用者はいずれか1ヶ所の情報預託機関コンピュータ5で利用者番号の発行を受ければよい。
【0086】
また、利用者端末3が複数の利用者で共有利用するパーソナルコンピュータであるときはパーソナルコンピュータに複数の利用者番号の登録を認め複数の利用者で利用可能とする。
【0087】
さらに、インターネット上に同じ利用者番号を持つ別の利用者端末3を同時に存在させることができる。利用者端末3は利用者情報テーブル31を別の利用者端末3に複写する手段を有する。複写手段については利用者の認証と複写途上のデータの暗号化を行い安全に複写が行えるものとする。同じ利用者番号を複数の利用者端末3で共有できることにより、利用者が携帯可能な利用者端末3などからもサービスを利用できるようにするなど利用方法を拡張することができる。
【0088】
〈サービス申込手段〉 サービス申込手段について図5を参照して説明する。
【0089】
上記の利用者番号発行が完了した上でサービス提供者コンピュータ2は、利用者端末3の求めに応じ利用者が提供を求めるサービスを入力するためのサービス申込ページを編集し、利用者端末3に送信する(S11)。
【0090】
利用者端末3はサービス申込ページを受信したときは(S12)、このサービス申込ページを表示させる(S13)。利用者はサービス申込ページにサービス申込内容を含むサービス申込ページデータを編集する。利用者によりサービス申込要求としてサービス申込ページデータが編集されたときは、利用者端末3からサービス提供者コンピュータ2に返送される(S14)。
【0091】
サービス提供者コンピュータ2は、サービス申込ページデータを受信したときは(S15)、申込番号の作成、サービス申込情報の作成、提供者メール区分の編集、有効期限(1)の作成、情報預託フラグ、宅配区分の編集を行う。サービス申込ページデータに含まれるサービスの種別がオンライン問合せと、ネットオークションの落札希望入力等のサービスのときは、情報預託フラグがオフで宅配区分を「宅配なし」にする(請求項1のとき)。また、ネットショッピングのときは、情報預託フラグがオンで宅配区分を「宅配依頼」にする(請求項1、2、3、5のとき)。また、ネットオークションの落札者入力等のサービスのときは、情報預託フラグがオンで宅配区分を「出品者から引取」にする(請求項1、2、4のとき)。情報預託フラグがオンのときは、サービス提供者コンピュータ2は利用者情報等の保存期限を考慮して有効期限(5)を作成する。これらの処理が完了したときにサービス提供者コンピュータ2は、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、提供者メール区分と、情報預託フラグと、宅配区分と、有効期限(5)とを第1サービス申込データとして編集し(有効期限(5)は情報預託フラグがオンのときに編集する)、利用者端末3に返送する(S16)。
【0092】
利用者端末3は、第1サービス申込データを受信し(S17)、第1サービス申込データで情報預託フラグがオフであれば、利用者情報テーブル31から利用者番号および電子メールアドレスを求める。そして、利用者番号と、電子メールアドレスと、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、提供者メール区分と、情報預託フラグと、宅配区分とを第2サービス申込データとして編集し、提供者番号から預託機関番号を求めて該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S18)。
【0093】
第1サービス申込データで情報預託フラグがオンであれば、利用者端末3は、利用者情報テーブル31から利用者番号と、利用者情報と、電子メールアドレスとを求め、利用者番号と、電子メールアドレスと、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、提供者メール区分と、情報預託フラグと、宅配区分と、利用者情報と、有効期限(5)とを第2サービス申込データとして編集し、提供者番号から預託機関番号を求めて該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S18)。
【0094】
情報預託機関コンピュータ5は、第2サービス申込データを受信したときは(S19)提供者番号と、利用者番号の組合せで中継メールアドレスDB51を検索し、該当するデータがあれば中継電子メールアドレスを求め、提供者電子メールアドレスと、提供者メール区分と、電子メールアドレスとを中継メールアドレスDB
51に置換え記憶する。該当するデータがなければ中継電子メールアドレスを作成して中継メールアドレスDB51に、この中継電子メールアドレスと、提供者番号と、利用者番号と、提供者電子メールアドレスと、提供者メール区分と、電子メールアドレスとを記憶する。中継電子メールアドレスは、情報預託機関コンピュータ5が作成時に提供者番号と、申込番号を含む表記を用いる。
【0095】
第2サービス申込データで情報預託フラグがオフであれば、情報預託機関コンピュータ5は申込番号と、中継電子メールアドレスと、情報預託フラグと、宅配区分とを第3サービス申込データとして編集し、提供者番号に該当するサービス提供者コンピュータ2に送信する(S20)。
【0096】
第2サービス申込データで情報預託フラグがオンであれば、情報預託機関コンピュータ5は暗号鍵および管理番号を作成し、利用者情報から利用者の配達地区番号を求め、利用者情報を暗号鍵で暗号化し、提供者番号と、管理番号と、暗号化利用者情報と、有効期限(5)とを住所情報DB53に記憶する。そして、申込番号と、中継電子メールアドレスと、情報預託フラグと、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、利用者の配達地区番号とを第3サービス申込データとして編集し、提供者番号に該当するサービス提供者コンピュータ2に送信する(S20)。管理番号は、提供者番号と申込番号の組合せによって編集された番号である。
【0097】
住所情報DB53に記憶される暗号化利用者情報は暗号鍵で暗号化されており、さらに情報預託機関コンピュータ5が暗号鍵をファイル等に記憶していないため暗号化利用者情報が外部漏洩しても安全で、さらに暗号化利用者情報は、住所情報DB53のデータ毎にそれぞれ違う暗号鍵で暗号化されている。
【0098】
サービス提供者コンピュータ2は、第3サービス申込データを受信したときは(S21)第3サービス申込データの情報預託フラグがオフであれば、第3サービス申込データの申込番号とS16で第1サービス申込データに送信した申込番号とを対照させ、申込番号と、サービス申込情報と、有効期限(1)と、中継電子メールアドレスと、情報預託フラグと、宅配区分とをサービスDB21に記憶する。情報預託フラグがオンであれば、第3サービス申込データの申込番号とS16で第1サービス申込データに送信した申込番号とを対照させ、サービス提供者コンピュータ2は、申込番号と、サービス申込情報と、有効期限(1)と、中継電子メールアドレスと、情報預託フラグと、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、利用者の配達地区番号とをサービスDB21に記憶する。
【0099】
サービスDB21に記憶後、記憶されているサービス申込情報に含まれるサービスの種別がオンライン問合せであればサービス提供者は返信用テキストを編集する。そして、サービス提供者コンピュータ2は、サービスDB21から中継電子メールアドレスを求め、返信用テキストを含む連絡電子メールを編集し、中継電子メールアドレス宛てに送信する(S22)。中継電子メールアドレス宛てに送信された連絡電子メールは、後述する中継電子メール手段により処理され、該当する利用者端末3に送信される(S23)。それにより、利用者端末3は連絡電子メールを受信し、返信用テキストを取得することができる(S24)。
【0100】
サービスDB21に記憶後、記憶されているサービス申込情報に含まれるサービスの種別がネットショッピングまたはネットオークションの落札者入力であれば代金決済手段に処理を移す。さらに宅配依頼手段の処理、または引取配達依頼手段の処理に移行する。
【0101】
サービス提供者コンピュータ2は、ネットオークションにおいて定期的に落札者決定日が到来した出品物に対し落札者を決定し該当するサービスDB21を検索し、中継電子メールアドレスを求め、ネットオークションの落札者入力用のサービス申込ページのアドレス(さらに申込番号を情報として含む)を含む連絡電子メールを編集し、中継電子メールアドレス宛てに送信する。
【0102】
また、利用者は利用者入力画面で利用者情報および電子メールアドレスの変更を行うことができる。サービス提供者は、申込番号および贈答先番号(贈答先番号は複数設定可能)の入力個所と、変更ボタンを設けた電子メールアドレスおよび配達先変更通知用のサービス申込ページを設ける。利用者はこのサービス申込ページで変更ボタンを押す(未配送の宅配物があるときに対象の申込番号と必要に応じて贈答先番号を入力する)。以降、サービス申込手段のみが行われ申込番号の入力があるときは情報預託フラグがオンで、入力が無いときは情報預託フラグがオフとなる。宅配区分は「宅配なし」となる。これらの操作により中継メールアドレスDB51の電子メールアドレスが書き換えられ、情報預託フラグがオンであれば新たな暗号鍵と管理番号とが作成され、サービス提供者は宅配業者に新たな暗号鍵と、新たな管理番号とを持って、宅配および引取配達を依頼する(宅配業者に宅配および引取配達を依頼済みのときは、宅配業者がサービス提供者から配達伝票番号またはサービス申込ページに入力された申込番号と、新たな暗号鍵と、新たな管理番号との通知を受け宅配物の配達先を変更する手段を設ける)。但し、サービス提供者は利用者確認のためサービス申込ページに入力された申込番号に該当するサービスDB21と新たに記憶されたサービスDB21の中継電子メールアドレスが一致するときに限り配達先の変更を認める。
【0103】
また、サービス提供者コンピュータ2は、有効期限(5)の変更の必要性があるときは、提供者番号と、管理番号と、新たな有効期限(5)とを有効期限変更データとして情報預託機関コンピュータ5に送信する。情報預託機関コンピュータ5は有効期限変更データを受信したときは、住所情報DB53を検索し該当するデータに新たな有効期限(5)を置換え記憶する。
【0104】
また、情報預託機関コンピュータ5は、中継電子メールアドレスの作成件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを中継電子メールアドレスの作成料としてサービス提供者に請求する。また、情報預託機関コンピュータ5は、第3サービス申込データの送信件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを申込データの取次料としてサービス提供者に請求する。また、情報預託機関コンピュータ5は、定期的に集計した住所情報DB53のデータ件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを利用者の個人データの保管料金としてサービス提供者に請求する。また、情報預託機関コンピュータ5は、住所情報DB53に有効期限(5)を記憶するときに求めた有効期限までの期間に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを利用者の個人データの保管期間料金またはその延長料金としてサービス提供者に請求する。また、情報預託機関コンピュータ5は、住所情報DB53のデータへの対象期間内の新たな記憶件数および削除件数を利用者の個人データの処理手数料としてサービス提供者に請求する。
【0105】
〈代金決済手段〉 代金決済手段について図6を参照して説明する。
【0106】
サービス申込の処理が完了したときにサービス提供者コンピュータ2は、サービスDB21のデータを基に宅配料金、サービス利用金額、および代引き手数料を計算し、宅配料金、サービス利用金額、および代引き手数料の表示と、代引きの選択ボタンと、決済機関番号の選択メニューとを決済ページに編集し、利用者端末3に送信する(S31)。
【0107】
利用者端末3は決済ページを受信したときは(S32)この決済ページを表示させ、利用者は代引きか決済機関番号かどちらかを選択し、これを決済ページデータとして編集しサービス提供者コンピュータ2に返送する(S33)。
【0108】
サービス提供者コンピュータ2は、決済ページデータを受信したときは支払金額を計算する。決済ページデータにおいて代引きが選択されているときは、サービス提供者コンピュータ2は当該サービス申込に関するデータのサービスDB21での保存期限として有効期限(1)を編集し、代引き金額を計算し、支払方法に「代引き」を編集し、対象となるサービスDB21のデータに有効期限(1)、支払方法、支払金額、および代引き金額を記憶する。そしてサービスDB21から中継電子メールアドレスを求め、サービス申込内容と、決済内容とを含む決済完了電子メールを編集し、中継電子メールアドレス宛てに送信する(S34)。中継電子メールアドレス宛てに送信された決済完了電子メールは、後述する中継電子メール手段により該当する利用者端末3に送信される(S35)。それにより、利用者端末3は決済完了電子メールを受信し、利用者は決済が完了したことを確認することができる(S36)。
【0109】
サービス提供者コンピュータ2が受信した決済ページデータにおいて決済機関番号が選択されているときには、サービス提供者コンピュータ2は加盟店番号またはサービス提供者口座情報と、支払金額と、利用者端末アドレスと、申込番号(代金決済手段において、これ以降で送受信データを対照させるために用いる申込番号には提供者番号を含める)とを第1決済申込データとして編集し、決済機関番号に該当する決済機関コンピュータ6に送信する(S37)。利用者端末アドレスは、利用者端末3がインターネット上に存在するときの利用者端末3のIPアドレスで、サービス提供者コンピュータ2が受信した決済ページデータの送信元アドレスである。第1決済申込データには、決済機関番号がカード会社または貸金業者であれば加盟店番号を編集し、金融機関であればサービス提供者口座情報を編集する。なお、加盟店番号はカード会社または貸金業者がサービス提供者を識別するために使用する識別IDである。サービス提供者口座情報は振込先金融機関と、その口座番号である。
【0110】
決済機関コンピュータ6は第1決済申込データを受信したときは(S38)「クレジットカード」、「カードローン」、または「口座振込」を選択する決済種別を編集し、この決済種別と、決済機関固有の公開鍵(2)と、支払金額と、決済機関の情報である決済機関情報と、申込番号とを第2決済申込データとして編集し利用者端末3で共通の公開鍵(1)で暗号化して利用者端末3に送信する(S39)。決済種別は、決済機関番号がカード会社であれば「クレジットカード」を、貸金業者であれば「カードローン」を、金融機関であれば「口座振込」を編集する。
【0111】
利用者端末3は第2決済申込データを受信したときは(S40)暗号化された第2決済申込データを利用者端末3で共通の秘密鍵(1)で復号し、決済申込入力画面を表示させる。決済申込入力画面には、カード番号の入力個所と、利用者口座番号の入力個所と、利用者確認IDの入力個所と、決済種別と、支払金額と、決済機関情報とが表示される。利用者確認IDは、カード会社、貸金業者、または金融機関が利用者を確認するために作成し利用者へ事前に通知している情報である。決済申込入力画面は、決済種別が「クレジットカード」または「カードローン」であればカード番号の入力個所を設け、「口座振込」であれば利用者口座番号の入力個所を設ける。
【0112】
利用者によりカード番号または利用者口座番号と、利用者確認IDとが入力されたときは、利用者端末3は入力されたものを申込番号と、利用者番号と(利用者番号は利用者情報テーブル31から求める)とともに第3決済申込データとして編集し、公開鍵(2)で暗号化して決済機関コンピュータ6に返送する(S41)。第3決済申込データの編集時にさらに利用者情報テーブル31から1件目の電子メールアドレスと利用者情報に含まれる利用者の電話番号とを求め、その電子メールアドレスと利用者の電話番号を第3決済申込データの利用者番号の後ろに編集して決済機関コンピュータ6に送信してもよい。これらを追加することにより、決済機関は利用者への連絡手段に電子メールアドレスおよび電話番号を使うことができる。
【0113】
決済機関コンピュータ6は第3決済申込データを受信した
ときは(S42)、暗号化された第3決済申込データを決済機関固有の秘密鍵(2)で復号し、この第3決済申込データの申込番号と、利用者端末3に送信した第2決済申込データの申込番号とを対照させる。そして、決済機関コンピュータ6が受信した利用者のカード番号または利用者口座番号に対する初めての決済申込であれば決済機関コンピュータ6に利用者番号を記憶し、2回目以降の決済申込であれば利用者番号が一致しなければ申込番号を含む決済拒否通知を編集しサービス提供者コンピュータ2に返送する(S43)。利用者番号の記憶または照合により決済が可能であれば、クレジット与信処理、カードローン処理、またはサービス提供者口座への振替処理を行う。各処理の中で利用者確認IDを用いた利用者の決済に関する認証を行う。振替処理ではサービス提供者の振替先金融機関に通知する振替依頼者名を申込番号と決済機関番号に対応する決済機関の名称の組合せとし、振替依頼者の連絡先をこの決済機関の電話番号として用いる。処理を行うことにより決済機関コンピュータ6は、決済が拒否されたときは申込番号を含む決済拒否通知を編集してサービス提供者コンピュータ2に返送し(S43)、決済が許可されたときは申込番号を含む決済許可通知を編集してサービス提供者コンピュータ2に返送する(S47)。
【0114】
また、第2決済申込データと、第3決済申込データをそれぞれ受信した側は、データが正しく復号できなければ成りすまし、またはデータの改ざんが行われたものと判断し、そのデータの受信を無効にする(破棄する)(送信側は、メッセージダイジェストを作成し暗号化前の送信データに付加し、受信側は、受信データを復号後、メッセージダイジェストを用いて受信データの正当性を確認する)。
【0115】
決済機関コンピュータ6は第2決済申込データを送信し一定時間が経過しても第2決済申込データの申込番号と対照する申込番号を持つ第3決済申込データが受信できなければ申込番号を含む決済拒否通知を編集しサービス提供者コンピュータ2に返送する(S43)。
【0116】
サービス提供者コンピュータ2は、決済拒否通知を受信したときは(S44)、決済拒否通知の申込番号と決済機関コンピュータ6に送信した第1決済申込データの申込番号とを対照させ、取扱拒否のメッセージを含む決済ページを編集し利用者端末3に送信する(S45、S46)。サービス提供者コンピュータ2は、決済許可通知を受信したときは(S48)、決済許可通知の申込番号と決済機関コンピュータ6に送信した第1決済申込データの申込番号とを対照させ、当該サービス申込に関するデータのサービスDB21での保存期限として有効期限(1)を作成し、支払方法に決済種別を編集し、対象となるサービスDB21のデータに有効期限(1)と、支払方法と、支払金額と、決済機関番号とを記憶する。そしてサービス提供者コンピュータ2は、サービスDB21から中継電子メールアドレスを求め、サービス申込内容と、決済内容とを含む決済完了電子メールを編集し中継電子メールアドレス宛てに送信する(S49)。中継電子メールアドレス宛てに送信された決済完了電子メールは、後述する中継電子メール手段により該当する利用者端末3に送信される(S50)。それにより、利用者端末3は決済完了電子メールを受信し、利用者は決済が完了したことを確認することができる(S51)。
【0117】
またサービス提供者コンピュータ2から、他のサービス提供者にサービス対象物の配送を依頼することができる。他のサービス提供者にサービス対象物の配送を依頼するときは、依頼元のサービス提供者コンピュータ2は、商品発注時に依頼先のサービス提供者コンピュータ2’に、暗号鍵と、管理番号と、利用者の配達地区番号とを含む発注データを送信する(但し、贈答用商品の取扱いであれば後述の〈他の実施形態〉贈答用商品の取扱機能に従ったデータを送信する)(S52)。依頼先のサービス提供者コンピュータ2’は発注データを受信し受注ファイルを編集し記憶する(S53)。サービス提供者コンピュータ2と2’との間の送信データは、情報の外部漏洩と、送信途上の改ざんを防止するためにメッセージダイジェストを含む特定の暗号化方式により暗号化される。
【0118】
同時に、依頼元のサービス提供者コンピュータ2は、依頼元のサービス提供者コンピュータ2の提供者番号、依頼先のサービス提供者コンピュータ2’の提供者番号、および管理番号を直送提供者データとして編集し依頼元の提供者番号に含まれる預託機関番号に該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S54)。
【0119】
情報預託機関コンピュータ5は依頼元のサービス提供者コンピュータ2から直送提供者データを受信したときは(S55)直送提供者データを送信した依頼元のサービス提供者コンピュータ2が持つ固有の提供者番号と直送提供者データの依頼元の提供者番号が一致しなければ直送提供者データの受信を無効にする(破棄する)。
【0120】
情報預託機関コンピュータ5は依頼元のサービス提供者コンピュータ2から直送提供者データを受信したときは(S55)依頼先の提供者番号に含まれる預託機関番号が自らの預託機関番号でないときは依頼元の提供者番号と、管理番号との組合せで住所情報DB53を検索し、暗号化利用者情報と、有効期限(5)とを求め依頼先の提供者番号と、管理番号と、暗号化利用者情報と、有効期限(5)を利用者データとして編集し依頼先の提供者番号に含まれる預託機関番号に該当する情報預託機関コンピュータ5’に送信する(S56)。情報預託機関コンピュータ5と5’との間の送信データは、情報の外部漏洩と、送信途上の改ざんを防止するためにメッセージダイジェストを含む特定の暗号化方式により暗号化される。情報預託機関コンピュータ5’は利用者データを受信したときは(S57)依頼先の提供者番号と、管理番号と、暗号化利用者情報と、有効期限(5)とを住所情報DB53に記憶する。情報預託機関コンピュータ5は依頼先の提供者番号に含まれる預託機関番号が自らの預託機関番号であるときは、依頼元の提供者番号と、管理番号との組合せで住所情報DB53を検索し、該当するデータの提供者番号を依頼先の提供者番号に変更し、変更したデータを新たに住所情報DB53に記憶する。
【0121】
決済機関コンピュータ6は第3決済申込データの受信件数または決済許可通知の送信件数に対して課金した額を算出する。決済機関は、これを決済処理の処理手数料としてサービス提供者または利用者に請求する。
【0122】
本実施例によれば、従来カード会社が店舗に貸出し設置しているCAT端末とその通信回線が不要になる。また、カード会社はCAFIS(Credit And Finance Information Switching system)に支払うクレジットオーソリゼーションデータの取次費用が不要になる。
【0123】
〈宅配依頼手段〉 宅配依頼手段について図7を参照して説明する。
【0124】
サービス提供者が利用者に宅配物を配送する必要が生じたとき、サービス提供者コンピュータ2は対象となるサービスDB21または受注ファイル(依頼先のサービス提供者コンピュータ2’のときのみ)を検索し、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、支払方法と、代引き金額(支払方法が「代引き」のときのみ)とを求め、DM送付フラグを編集し、必要に応じて(DM送付フラグがオンのとき)お客様番号と、有効期限(4)を編集し、宅配業者から与えられた範囲で配達伝票番号を作成する。受注ファイルでは宅配区分が「宅配依頼」で、支払方法と、代引き金額がなく、DM送付フラグがオフである。DM送付フラグはダイレクトメールまたは通販カタログの配送対象のときはオンで、配送対象でないときはオフである。お客様番号は、サービス提供者コンピュータ2が中継電子メールアドレスから作成する。配達伝票番号は、配送可能な状態に梱包されている宅配物毎に付せられる番号であり、1つの申込番号に対し複数設定可能である。そして、配達伝票番号と、提供者番号と、提供者電子メールアドレスと、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、申込番号と、DM送付フラグと、代引き金額と、お客様番号と、有効期限(4)と、贈答先番号とを宅配データとして編集し宅配業者コンピュータ4に送信する(代引き金額、お客さま番号、および有効期限(4)は必要に応じて送信され、贈答先番号は贈答用商品を取扱うときに送信される)(S61)。サービス提供者は、複数の宅配業者の中から選択した宅配業者に宅配を依頼することができる。
【0125】
宅配区分が「宅配依頼」であればサービス提供者コンピュータ2が宅配伝票に配達伝票番号およびサービス提供者の住所情報(ご依頼主欄に)を印刷し、サービス提供者が印刷された宅配伝票を商品に張り付ける。また、宅配区分が「利用者持込」であればサービス提供者コンピュータ2が宅配伝票に配達伝票番号を印刷し、サービス提供者が印刷された宅配伝票を利用者が持込んだ宅配物に張り付ける。
【0126】
宅配業者コンピュータ4は宅配データを受信したときは(S62)宅配データを送信したサービス提供者コンピュータ2が持つ固有の提供者番号と宅配データの提供者番号が一致しなければ宅配データの受信を無効にする(破棄する)。
【0127】
宅配業者コンピュータ4は宅配データを受信したときは(S62)提供者番号と、管理番号と、配達伝票番号とを住所要求データとして編集し、提供者番号から預託機関番号を求めて該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S63)。
【0128】
情報預託機関コンピュータ5は、住所要求データを受信したときは(S64)住所情報DB53を検索し、該当するデータがあれば暗号化利用者情報を求め、暗号化利用者情報と配達伝票番号とを住所データとして編集し宅配業者コンピュータ4に返送する(S65)。
【0129】
情報預託機関コンピュータ5は、住所要求データを受信し住所情報DB53を検索したとき、該当するデータがなければ配達伝票番号を住所拒否通知として編集し宅配業者コンピュータ4に返送する(S65)。
【0130】
住所要求データ(暗号化利用者情報の要求)の問合せ時に提供者番号と管理番号とを問合せキーにしているため第三者のサービス提供者が不正に暗号鍵と、管理番号を取得したとしても、利用者へ代引き等による不正な商品の送り付けができない機能を有する。
【0131】
宅配業者コンピュータ4は、住所データを受信したときは(S66)、住所データの配達伝票番号と住所要求データを送信したときの配達伝票番号を対照させ、暗号化利用者情報を暗号鍵で復号し(さらに利用者情報に贈答先情報または配達先情報が含まれるときは、利用者情報と、贈答先情報と、配達先情報をそれぞれに分離する)、復号した利用者情報に正当性があれば有効期限(2)を作成し、利用者情報から利用者の住所・氏名を求め、配達伝票番号、提供者番号、申込番号、提供者電子メールアドレス、代引き金額(宅配データに代引き金額があるときのみ)、宅配区分と、利用者情報、贈答先情報(宅配データに贈答先番号があるときのみ贈答先番号に対応する贈答先情報を抽出し編集する)と、配達先情報(配達先情報があるときのみ)および有効期限(2)を宅配DB41に記憶する。そして宅配データのDM送付フラグがオンであれば、宅配業者コンピュータ4は提供者番号、お客様番号、利用者の住所・氏名、および有効期限(4)をダイレクトメールDB43に記憶する。復号した利用者情報に正当性がなければ提供者電子メールアドレス宛てに申込番号、および配達伝票番号を含む宅配先不明通知電子メールを編集し送信する(S67、S68)。
【0132】
本実施例は、宅配業者コンピュータ4がダイレクトメールDB43を持つことで、宅配業者がサービス提供者に代わりダイレクトメール、および通販カタログの宛名印刷を含めた配送業務を受託することができる。また、利用者がこれらの配送を停止するためにはサービス申込ページにDM停止ボタンを設け、情報預託フラグがオフで、宅配区分が「宅配なし」のサービス申込手段を行い、サービス提供者コンピュータ2は、サービスDB
21を記憶後、中継電子メールアドレスからお客様番号を求め、提供者番号とお客様番号とをDM停止データとして宅配業者コンピュータ4に送信する。宅配業者コンピュータ4はDM停止データを受信したときはダイレクトメールDB43を検索し該当するデータを削除する。
【0133】
宅配業者コンピュータ4は、住所データを受信したときは集荷部門へ宅配物の集荷を手配する。集荷部門は、サービス提供者から宅配物を集荷する。さらに宅配業者コンピュータ4は、宅配物の宅配伝票から配達伝票番号を読取り、宅配DB41を検索し利用者情報、贈答先情報、配達先情報および代引き金額を求めて、宅配物を集荷した宅配業者の営業所でシールに贈答先情報があれば利用者情報(贈答主欄として)および贈答先情報(お届け先欄として)を印刷し、配達先情報があれば利用者情報(ご依頼主欄として)および配達先情報(お届け先欄として)を印刷し、贈答先情報と配達先情報がなければ利用者情報(お届け先欄として)および代引き金額(宅配DB41に代引き金額があるときのみ)を印刷し、宅配業者は宅配物または宅配伝票にそのシールを張り付ける。
【0134】
宅配業者コンピュータ4は、住所拒否通知を受信したときは(S66)、住所拒否通知の配達伝票番号と住所要求データを送信したときの配達伝票番号とを対照させ、提供者電子メールアドレス宛てに申込番号、および配達伝票番号を含む宅配先不明通知電子メールを編集し送信する(S67、S68)。
【0135】
宅配業者は、宅配伝票等に張り付けられたシールに代引き金額の印刷があるときは配送時に利用者との決済を行う。代金の集金が完了したときは、宅配業者コンピュータ4は宅配DB41を検索し、申込番号、および提供者電子メールアドレスを求め、提供者電子メールアドレス宛てに申込番号を含む代引き完了電子メールを編集し送信する(S69、S70)。
【0136】
情報預託機関コンピュータ5は、住所データの送信件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを住所データの処理手数料としてサービス提供者および宅配業者に請求する。
【0137】
〈引取配達依頼手段〉 引取配達依頼手段について図8を参照して説明する。
【0138】
引取配達依頼手段は、サービス提供者が運営するネットオークションサイトにおいて、出品物を宅配業者が出品者より直接引取り、落札した利用者に配送するための手段を提供する。また、利用者が宅配物の配送をサービス申込ページで申込み宅配業者が利用者から宅配物を引取る手段を提供する。
【0139】
サービス提供者コンピュータ2は対象となるサービスDB21を検索し、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、支払方法と、代引き金額とを求め、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、宅配区分と、暗号鍵と、管理番号と、出品者情報と、代引き金額とを引取データとして編集し、宅配業者コンピュータ4に送信する(出品者情報は宅配区分が「出品者から引取」のときに送信され、代引き金額は支払方法が「代引き」のときに送信される)(S71)。
【0140】
宅配業者コンピュータ4は引取データを受信したときは(S72)引取データを送信したサービス提供者コンピュータ2が持つ固有の提供者番号と引取データの提供者番号が一致しなければ引取データの受信を無効にする(破棄する)。
【0141】
宅配業者コンピュータ4は引取データを受信したときは(S72)、配達伝票番号を作成し、提供者番号、管理番号および配達伝票番号を住所要求データとして編集し、提供者番号から預託機関番号を求めて該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S73)。配達伝票番号は1つの申込番号に対し1つ作成される。
【0142】
情報預託機関コンピュータ5は、住所要求データを受信したときは(S74)、宅配依頼手段と同様に暗号化利用者情報により住所データまたは住所拒否通知を編集し、宅配業者コンピュータ4に返送する(S75)。宅配業者コンピュータ4は住所データを受信したときは(S76)、住所データの配達伝票番号と住所要求データを送信したときの配達伝票番号とを対照させ、暗号化利用者情報を暗号鍵で復号し(さらに配達先情報が含まれるときは利用者情報と、配達先情報をそれぞれに分離する)、復号した利用者情報に正当性があれば有効期限(3)を作成し、配達伝票番号と、提供者番号と、申込番号と、提供者電子メールアドレスと、代引き金額(引取データに代引き金額があるときのみ)と、宅配区分と、出品者情報(出品者情報があるときのみ)と、利用者情報と、配達先情報(配達先情報があるときのみ)と、有効期限(3)とを商品引取DB42に記憶する。そして宅配業者コンピュータ4は宅配区分が「出品者から引取」であれば宅配伝票に配達伝票番号、出品者情報(ご依頼主欄に)、利用者情報(お届け先欄に)、代引き金額(引取データに代引き金額があるときのみ)を印刷し、宅配区分が「利用者から引取」であれば宅配伝票に配達伝票番号、利用者情報(ご依頼主欄に)、配達先情報(お届け先欄に)を印刷し、宅配業者は宅配物をご依頼主欄の相手から引取り、宅配伝票を宅配物に張り付け、お届け先欄の相手に配送する。復号した利用者情報に正当性がなければ提供者電子メールアドレス宛てに申込番号を含む宅配先不明通知電子メールを編集し送信する(S77、S78)。
【0143】
宅配業者コンピュータ4は住所拒否通知を受信したときは(S76)、住所拒否通知の配達伝票番号と住所要求データを送信したときの配達伝票番号とを対照させ、提供者電子メールアドレス宛てに申込番号を含む宅配先不明通知電子メールを編集し送信する(S77、S78)。
【0144】
宅配業者は、宅配物の引取時に宅配伝票のご依頼主欄に印刷されている当事者が在住していないときは、宅配業者コンピュータ4は商品引取DB42を検索し、申込番号、および提供者電子メールアドレスを求め、提供者電子メールアドレス宛てに申込番号を含む引取先不明通知電子メールを編集し送信する(S79、S80)。
【0145】
宅配業者は、宅配伝票に代引き金額が印刷されているときは配送時に利用者との決済を行う。代引きにより決済が完了したときは、宅配業者コンピュータ4は商品引取DB42を検索し、申込番号、および提供者電子メールアドレスを求め、提供者電子メールアドレス宛てに申込番号を含む代引き完了電子メールを編集し送信する(S81、S82)。
【0146】
情報預託機関コンピュータ5は、住所データの送信件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを住所データの処理手数料としてサービス提供者および宅配業者に請求する。
【0147】
〈中継電子メール手段〉 中継電子メール手段について図9を参照して説明する。
【0148】
上記の処理の中で、利用者端末3とサービス提供者コンピュータ2との間で電子メールの送受信が行われるときに使用される中継電子メール手段について説明する。
【0149】
情報預託機関コンピュータ5には、中継電子メールアドレスに対する中継電子メールボックスが備えられている。中継電子メールアドレスは再利用可能で、利用者とサービス提供者間でしか利用することができない双方向性転送用電子メールアドレスである。サービス提供者が中継電子メールアドレス宛てに電子メールを送信すると利用者に電子メールが転送され、利用者が同じ中継電子メールアドレス宛てに電子メールを送信するとサービス提供者に電子メールが転送される仕組みである。さらに電子メールの転送時に発信元の電子メールアドレスを中継電子メールアドレスに置換える機能を持つ。
【0150】
利用者とサービス提供者以外の第三者がこの中継電子メールアドレス宛てに電子メールを送信したときには、利用者またはサービス提供者に電子メールが転送されることがなく、利用者に対して不正請求電子メール等の被害を防止することに役立つ。
【0151】
サービス提供者コンピュータ2または利用者端末3から中継電子メールアドレス宛てに電子メールが送信されたとき(S91、S96)、電子メールは情報預託機関コンピュータ5の中継電子メールボックスにて受信される。情報預託機関コンピュータ5は、サービス提供者コンピュータ2または利用者端末3から電子メールを受信したときは(S92、S97)、中継電子メールアドレスで中継メールアドレスDB51を検索し、中継メールアドレスDB51に該当するデータがあるときは提供者電子メールアドレス、提供者メール区分、および電子メールアドレス(複数設定可)を求める。情報預託機関コンピュータ5は、発信元の電子メールアドレスが提供者電子メールアドレスと一致する(提供者メール区分が「自前」であればアドレスの「@」以降が一致すること、それ以外はすべてが一致すること)ときは、中継メールアドレスDB51の提供者電子メールアドレスを発信元の電子メールアドレスに置換え記憶し、発信元の電子メールアドレスを中継電子メールアドレスに置換えて(S93)1件目の電子メールアドレス宛てに電子メールを送信し(S94)、利用者端末3は電子メールを受信する(S95)。利用者は、一度電子メールを送信してきたサービス提供者の担当者または担当部門との間に電子メールの送受信を継続することができる。但し、利用者が当該サービス提供者に新たなサービス申込を行うとその継続状態が絶たれる。
【0152】
情報預託機関コンピュータ5は、発信元の電子メールアドレスが電子メールアドレス(複数設定可)のいずれかと一致するときは、その一致した電子メールアドレスを電子メールアドレス(複数設定可)の1件目に並べ替え、その電子メールアドレス(複数設定可)を中継メールアドレスDB51に置換え記憶し、発信元の電子メールアドレスを中継電子メールアドレスに置換えて(S98)提供者電子メールアドレス宛てに電子メールを送信し(S99)、サービス提供者コンピュータ2は電子メールを受信する(S100)。利用者は、サービス提供者にサービス申込を行うとそのサービス提供者からの電子メールを同じ利用者端末3で受信することができる。但し、他の利用者端末3で当該サービス提供者に新たなサービス申込または電子メールの送信を行うとその利用者端末3で以降の電子メールを受信することになる。
【0153】
情報預託機関コンピュータ5は、受信した電子メール(S101、S102)が中継メールアドレスDB51に該当するデータがないか、発信元の電子メールアドレスが提供者電子メールアドレスまたはいずれかの電子メールアドレスと一致しなければエラーメールを編集し、発信元の電子メールアドレス宛てに返送する(S103、S104)。
【0154】
情報預託機関コンピュータ5は、利用者端末3またはサービス提供者コンピュータ2から中継電子メールアドレス宛てに送信され中継電子メールボックスにて受信した電子メールの件数に対して課金した額を算出する。また、受信した電子メールをサービス提供者コンピュータ2または利用者端末3に送信した件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これらを電子メールの中継料金としてサービス提供者に請求する。
【0155】
〈メールマガジン配信手段〉 メールマガジン配信手段について図10を参照して説明する。
【0156】
利用者がサービス提供者からのメールマガジンの配信を希望するときには、前述の利用番号発行が完了した上で利用者端末3からメールマガジン登録申込を行うためのメールマガジン登録ページをサービス提供者コンピュータ2に要求する。サービス提供者コンピュータ2は利用者端末3からの要求に応じ提供者番号を情報として含むメールマガジン登録ページを編集し利用者端末3に送信する(S111)。利用者端末3がメールマガジン登録ページを受信したときは(S112)利用者はメールマガジン登録ページでページ上に設けられた登録ボタンを押すことによりメールマガジン登録申込を行う。そして利用者端末3は、利用者情報テーブル31から1件目の電子メールアドレスを求め、提供者番号と、その電子メールアドレスとをメールマガジン登録データとして編集し、提供者番号から預託機関番号を
求めて該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S113)。情報預託機関コンピュータ5はメールマガジン登録データを受信したときは(S114)提供者番号および電子メールアドレスをメールマガジンDB52に記憶する。
【0157】
サービス提供者が情報預託機関にメールマガジンの配信を依頼するときには、サービス提供者コンピュータ2は、メールマガジン情報(メールマガジン原稿)を編集し、提供者番号およびメールマガジン情報を含むメールマガジンデータを編集し、情報預託機関コンピュータ5に送信する(S115)。
【0158】
情報預託機関コンピュータ5は、メールマガジンデータを受信したときは(S116)、提供者番号が一致するデータをメールマガジンDB52から並び順に読み出し、個別のデータに対し電子メールアドレスを求め、メールマガジン情報を含むメールマガジン電子メールを編集し、その電子メールアドレス宛てに送信し(S117)、利用者はメールマガジン電子メールを受信する(S118)。
【0159】
利用者がサービス提供者からのメールマガジンの配信を停止したいときには、利用者端末3からメールマガジン解除申込を行うためのメールマガジン解除ページをサービス提供者コンピュータ2に要求する。サービス提供者コンピュータ2は利用者端末3からの要求に応じ提供者番号を情報として含むメールマガジン解除ページを編集し利用者端末3に送信する(S119)。利用者端末3がメールマガジン解除ページを受信したときは(S120)、利用者はメールマガジン解除ページでページ上に設けられた解除ボタンを押すことによりメールマガジン解除申込を行う。そして利用者端末3は、利用者情報テーブル31から1件目の電子メールアドレスを求め、提供者番号とその電子メールアドレスをメールマガジン解除データとして編集し、提供者番号から預託機関番号を求めて該当する情報預託機関コンピュータ5に送信する(S121)。情報預託機関コンピュータ5はメールマガジン解除データを受信したときは(S122)メールマガジンDB52を検索し、該当するデータを削除する。
【0160】
情報預託機関コンピュータ5は、メールマガジンデータの受信件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これを電子メールの作成料金として提供者番号別にサービス提供者に請求する。また、情報預託機関コンピュータ5は、メールマガジン電子メールの送信件数に対して課金した額を算出する。情報預託機関は、これをメールマガジン電子メールの送信料金としてサービス提供者に請求する。
【0161】
〈他の実施形態〉 また、本発明のオンライン取引システム1の他の実施形態として、以下の機能を有するオンライン取引システム1がある。
【0162】
サービス提供者が利用者限定電子クーポン、および特典ポイントを利用者に付与するときの他の実施形態について説明する。サービス提供者コンピュータ2は、お客様番号を用いて利用者を特定し利用者に利用者限定電子クーポン、および特典ポイントを付与し(お客様番号を主検索キーとするファイルを作成し、利用者限定電子クーポン、および特典ポイントを管理する)、代金決済手段において利用者限定電子クーポン、および利用可能な特典ポイントの点数を決済ページに編集し送信する。利用者は、決済ページで利用者限定電子クーポンを選択し、利用する特典ポイントの点数を入力できる。サービス提供者コンピュータ2は、支払金額および代引き金額を計算するときに利用者限定電子クーポン、および利用した特典ポイントの点数を考慮する。この機能により、利用者の個人情報を一切用いることなく、サービス提供者は利用者を特定し利用者限定電子クーポン、および特典ポイントを利用者に与えることができる。また、利用者限定電子クーポン、および特典ポイントは、中継電子メールアドレスから作成したお客様番号によって管理される。
【0163】
また、サービス提供者の店舗でサービス提供者に対し利用者の個人情報の登録を不要とする会員登録を行うときの他の実施形態について説明する。サービス提供者の店舗は非接触通信可能な端末であるPOS端末で必要な操作を実施後、利用者が店舗のPOS端末に利用者端末3(携帯端末)を近付けると、利用者端末3をインターネットに接続することにより割り振られる利用者端末アドレス(IPアドレス)が赤外線暗号化通信または特定小電力無線暗号化通信等でPOS端末に送信されることによりサービス提供者コンピュータ2に送信され、情報預託フラグがオンで宅配区分が「宅配なし」のサービス申込手段のS16〜S21が行われる(会員管理は中継電子メールアドレスから作成されるお客様番号を持って行う)。また、会員サービスの提供時にはPOS端末と携帯端末との間で上記の利用者端末アドレスの遣り取りが行われ、情報預託フラグがオフで宅配区分が「宅配なし」のサービス申込手段のS16〜S21が行われる。またこれらのときは、サービスDB21への編集・記憶を行わない。また、お客様番号を用い上記の特典ポイント、利用者限定電子クーポンを店舗での代金精算に利用することもできる。
【0164】
また、サービス提供者の店舗で利用者がサービス提供者にクレジットカード、カードローン、口座振込による代金精算を行うときの他の実施形態について説明する。サービス提供者の店舗はPOS端末で必要な操作を実施後、POS端末と利用者端末3(携帯端末)との間で上記の利用者端末アドレスの遣り取りが行われ代金決済手段が行われる(このときは、決済ページの宅配料金と、代引き手数料の計算および表示と、代引き選択ボタンは無い、申込番号と、サービス利用金額はPOS端末が作成または計算しサービス提供者コンピュータ2に送信されるが、この代金決済手段でサービスDB21への編集・記憶は行わない)。また、決済に用いるカードについてはICタグが内蔵されており、ICタグに従来、利用者に与えていた番号とは違うカード番号、または口座番号が記憶されており、利用者端末3が決済申込入力画面を表示している最中にそのICタグを利用者端末3に近付けるとカード番号、または利用者口座番号が利用者端末3に取込まれる(利用者端末3はICタグの記憶情報を読取る機能を有する)。また、本実施形態の代金決済手段については、利用者端末3の利用者番号と、カード番号または口座番号と、利用者確認IDのすべてが決済機関コンピュータ6に記憶されている情報と一致しなければ決済が処理されない特徴を有しているため非常に安全な代金決済手段を提供できる。また、本実施形態によればS45およびS49における決済ページおよび決済完了電子メールの編集・送信を行う必要がない。また、代金決済手段が完了後、サービス提供者コンピュータ2は決済の処理結果をPOS端末に送信する。
【0165】
また、サービス提供者の店舗で利用者が現金支払サービスの提供を受けるときの他の実施形態について説明する。利用者はサービス提供者コンピュータ2で現金支払サービスを選択して要求する。サービス提供者の店舗はPOS端末で必要な操作を実施後、POS端末と利用者端末3(携帯端末)との間で上記の利用者端末アドレスの遣り取りが行われ代金決済手段が行われる。その際、サービス利用金額である支払金額は、利用者がページに入力する。さらに利用者端末3(携帯端末)をICタグを用いた情報媒体を収納しているクレジットカードまたはキャッシュカードなどに近付けることにより、利用者端末3(携帯端末)に利用者の個人情報を取得させる。そして、利用者端末3(携帯端末)に利用者確認IDを入力して決済機関コンピュータ6に送信する。決済の利用が可能であれば、サービス提供者コンピュータ2は入力された支払金額を利用者に提供する。これにより、従来のキャッシュディスペンサ用の通信回線より強固な暗号手段が可能な仕組みを用い、カード情報および暗証番号を決済機関コンピュータ6に送信することができる。
【0166】
また、サービス提供者の店舗で利用者がサービス提供者に商品取寄せを注文するときの実施形態について説明する。サービス提供者の店舗はPOS端末で必要な操作を実施後、POS端末と利用者端末3(携帯端末)の間で上記の利用者端末アドレスの遣り取りが行われ、サービス申込手段において情報預託フラグがオンで宅配区分が「宅配なし」のS16〜S21が行われる。サービス申込手段が完了後、サービス提供者コンピュータ2は支払金額を計算しPOS端末に送信し、利用者は支払金額を店舗で精算し、利用者が精算完了後、サービス提供者コンピュータ2はサービスDB21での保存期限として有効期限(1)を編集し、支払方法を編集し、有効期限(1)、支払方法、支払金額をサービスDB21に記憶する。また、利用者の連絡先中継電子メールアドレスと、利用者が商品を取りに来なかったときに宅配依頼手段が利用できる(宅配依頼手段を行うときはサービスDB21の宅配区分を「宅配依頼」に変更する)。サービス提供者の店舗が電子メールにより利用者と連絡が行えるようにするためPOS端末に電子メールの送受信機能を設ける。
【0167】
また、利用者が宅配物をサービス提供者の店舗である取次店に持込む(宅配を依頼する)ときの実施形態について説明する。サービス提供者の店舗はPOS端末で必要な操作を実施後、POS端末と利用者端末3(携帯端末)の間で上記の利用者端末アドレスの遣り取りが行われ、サービス申込手段が行われ配達先入力画面がS13で一緒に表示され利用者は配達先情報の入力を行い、サービス申込ページに配達先の配達地区番号(宅配料金の計算に用いる)の入力を行い、情報預託フラグがオンで、宅配区分が「利用者持込」として、配達先情報を第2サービス申込データの利用者情報に含める。サービス申込手段が完了後、サービス提供者コンピュータ2は支払金額を計算しPOS端末に送信し、利用者は支払金額を店舗で精算し、利用者が精算完了後、サービス提供者コンピュータ2はサービスDB21での保存期限として有効期限(1)を編集し、支払方法を編集し、有効期限(1)、支払方法、支払金額をサービスDB21に記憶する。さらに、宅配依頼手段が行われる。
【0168】
また、宅配業者が宅配伝票を印刷後に利用者の所へ取りに行くときの実施形態について説明する。サービス申込手段において配達先入力画面がS13で一緒に表示され利用者は配達先情報の入力を行い、情報預託フラグがオンで、宅配区分が「利用者から引取」として、配達先情報を第2サービス申込データの利用者情報に含める。さらに、引取配達依頼手段が行われる。
【0169】
また、サービス提供者コンピュータ2はサービス申込手段のネットショッピングなどのサービス申込ページに掲載商品毎に贈答チェックボックスを設けることで、贈答用商品の取扱機能を実現する。利用者がサービス申込ページで商品選択とともに贈答チェックボックスをオンにしたとき、または贈答先番号の入力個所で贈答先番号を入力したときに、利用者端末3は贈答先入力画面を表示させる。利用者は贈答先入力画面に贈答先の配達地区番号・住所・氏名・電話番号を入力する(利用者端末3にアドレス帳ファイルを設けあらかじめ贈答先情報を記憶して置き、利用者はアドレス帳ファイルから贈答先入力画面に必要な贈答先情報を表示させることもできる)。そして利用者端末3は贈答先番号を作成し(サービス申込ページに贈答先番号の入力個所があるときと、アドレス帳ファイルのデータを利用するときは作成しない)、贈答チェックボックスの代入変数(この代入変数には定められた命名ルールに従った変数名が割当てられる)またはサービス申込ページデータに直接、贈答先番号と、贈答先の配達地区番号とを組合せて編集し、贈答先番号と、贈答先の配達地区番号・住所・氏名・電話番号で贈答先情報を編集し利用者端末3に記憶する(贈答先情報は贈答先番号を主検索キーに持つアドレス帳ファイルとして記憶される)。この贈答先番号と贈答先の配達地区番号はサービス申込ページデータに編集され、その後サービス申込情報に編集されサービスDB21に記憶される。この贈答先の配達地区番号は贈答用商品の宅配料金を計算するために
用いられる。サービス提供者コンピュータ2は第1サービス申込データ編集時にサービス申込ページデータからすべての贈答先番号を抽出し第1サービス申込データにその贈答先番号を含める(S16)。利用者端末3は第2サービス申込データを編集時に第1サービス申込データの贈答先番号に対応するすべての贈答先情報を抽出し利用者情報の中にその贈答先情報を含める(S18)。サービス提供者コンピュータ2は他のサービス提供者にサービス対象物の配送を依頼するときは、商品発注時に依頼先のサービス提供者コンピュータ2’に暗号鍵と、管理番号と、贈答先番号と、贈答先の配達地区番号とを発注データに含めて送信する(S52)。
【0170】
また、サービス提供者の店舗で利用者が贈答用商品を注文するときの実施形態について説明する。サービス提供者の店舗はPOS端末で必要な操作を実施後、POS端末と利用者端末3(携帯端末)の間で上記の利用者端末アドレスの遣り取りが行われ、情報預託フラグがオンで宅配区分が「宅配依頼」の贈答用商品を取扱うサービス申込手段が行われる。サービス申込手段が完了後、サービス提供者コンピュータ2は支払金額を計算しPOS端末に送信し、利用者は支払金額を店舗で精算し、利用者が精算完了後、サービス提供者コンピュータ2はサービスDB21での保存期限として有効期限(1)を編集し、支払方法を編集し、有効期限(1)、支払方法、支払金額をサービスDB21に記憶する。さらに宅配依頼手段が行われる。
【0171】
また、サービス提供者がサービス申込手段による懸賞応募入力を実現するときの実施形態について説明する。情報預託フラグがオンで宅配区分が「宅配依頼」のサービス申込手段が行われ、利用者は利用者端末3でアンケート等に答える形式のサービス申込ページに懸賞応募を申込む。サービス提供者は当選者を決定後、宅配依頼手段により当選者に懸賞商品を配送する。このとき、中継電子メールアドレスが通知されるため、重複応募を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】本発明のオンライン取引システムの一実施形態を示す全体図である。
【図2】本発明のオンライン取引システムの一実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明のオンライン取引システムの各コンピュータおよび端末が有するデータの一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明のオンライン取引システムの利用者番号発行手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【図5】本発明のオンライン取引システムのサービス申込手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【図6】本発明のオンライン取引システムの代金決済手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【図7】本発明のオンライン取引システムの宅配依頼手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【図8】本発明のオンライン取引システムの引取配達依頼手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【図9】本発明のオンライン取引システムの中継電子メール手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【図10】本発明のオンライン取引システムのメールマガジン配信手段の一実施形態を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0173】
1 オンライン取引システム2 サービス提供者コンピュータ3 利用者端末4 宅配業者コンピュータ5 情報預託機関コンピュータ6 決済機関コンピュータ21 サービスDB31 利用者情報テーブル41 宅配DB42 商品引取DB43 ダイレクトメールDB51 中継メールアドレスDB52 メールマガジンDB53 住所情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者情報入力過程、サービス申込過程、決済過程、連絡過程および情報預託機関コンピュータと、サービス提供者が管理するサービス提供者コンピュータと、利用者が使用する利用者端末と、が接続されたネットワーク過程を備えるオンライン取引システムにおいて、
利用者は、IDを割当てられ、その際に住所、氏名、電話番号のいずれかを含んだ個人情報をサービス提供者コンピュータおよび情報預託機関コンピュータに登録する必要性がなく、匿名性を確保しながら、サービス提供者が提供する商品を含むサービスへの申込みと、前記サービス提供者に通信アドレス(電子メールアドレス)を知られる心配がない前記サービス提供者との二者の間の通信と、前記サービス提供者に対して代金支払と、前記サービス提供者から前記商品の受取りと、を行い、
利用者情報入力過程は、前記利用者が利用者端末で前記個人情報を入力でき、
サービス申込過程は、前記利用者が前記利用者端末で前記IDを使用して前記サービスを申込みでき、
決済過程は、前記利用者が前記利用者端末で前記代金支払を行うことができ、
連絡過程は、前記二者が前記利用者端末および前記サービス提供者コンピュータ(以降、通信機器と称す)で前記通信を行うことができるとともに、前記通信を前記情報預託機関コンピュータ(以降、通信中継コンピュータと称す)が中継し、前記二者以外の第三者が使用する第三者通信機器(第三者のコンピュータ)が前記通信機器との間で前記通信を行うことができない、
前記個人情報は、前記利用者が前記商品を受取る(以降、受渡しと称す)ために、前記商品の受渡しに係る業者(宅配業者)が前記情報預託機関コンピュータを通じて使用可能な状態にされることを特徴とするオンライン取引システム。
【請求項2】
次の(1)〜(3)のいずれか1つ以上の要件を備えることを特徴とする請求項1に記載のオンライン取引システム。
(1)商品受渡過程を備え、
前記ネットワーク過程は、業者コンピュータ(符号4)が接続され、
前記利用者は、前記利用者端末で前記情報預託機関コンピュータから前記IDの割当てを受け、
前記商品受渡過程は、前記業者が前記業者コンピュータで前記個人情報を使用して前記商品の受渡しに係る宛名の印刷を行うことができる。
(2)前記ネットワーク過程は、前記代金支払の手段を提供する決済機関コンピュータが接続され、
前記決済過程は、前記利用者が前記利用者端末でカード番号または口座番号を指定することができる。
(3)前記連絡過程は、前記通信で使用される前記通信アドレスと、前記通信を発信する者(以降、発信者と称す)と受信する者(以降、受信者と称す)との前記通信を双方向で転送するために設けられ、前記第三者通信機器が前記通信機器と前記通信を行うことができない中継アドレス(中継電子メールアドレス)と、を備え、
前記二者は、少なくとも一方が複数の前記通信アドレスを使用可能で、
前記通信中継コンピュータは、前記中継アドレスに対応して前記複数の通信アドレスを管理するとともに、前記受信者の前記複数の通信アドレスの内のいずれか1つを選択して前記通信を中継する。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のオンライン取引システムを構成する情報預託機関コンピュータ、サービス提供者コンピュータ、業者コンピュータまたは決済機関コンピュータのいずれかであることを特徴とするコンピュータ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のオンライン取引システムを構成する情報預託機関コンピュータ、サービス提供者コンピュータ、業者コンピュータまたは決済機関コンピュータのいずれかを制御することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のオンライン取引システムを構成する情報預託機関コンピュータ、サービス提供者コンピュータ、業者コンピュータまたは決済機関コンピュータのいずれかを制御するプログラムであることを特徴とする制御プログラム。

【請求項6】
二者が通信に使用する通信機器(2、3)と、前記通信を中継する通信中継コンピュータ(5)と、前記通信で使用される通信アドレス(電子メールアドレス)と、前記通信を発信する者(以降、発信者と称す)と受信する者(以降、受信者と称す)との前記通信を双方向で転送するために設けられ、前記二者以外の第三者が使用する第三者通信機器(第三者のコンピュータ)が前記通信機器と前記通信を行うことができない中継アドレス(中継電子メールアドレス)と、を備える通信中継システムにおいて、
二者は、少なくとも一方が複数の通信アドレスを使用可能で、
通信中継コンピュータは、中継アドレスに対応して前記複数の通信アドレスを管理するとともに、受信者の前記複数の通信アドレスの内のいずれか1つを選択して通信を中継することを特徴とする通信中継システム。
【請求項7】
サービス提供者および前記サービス提供者からサービスの提供を受ける利用者の二者が通信に使用する通信機器(2、3)と、前記通信を中継する通信中継コンピュータ(5)と、前記通信で使用され、前記通信を行う者を識別する通信ID(電子メールアドレス)と、を備える通信中継システムにおいて、
二者は、少なくとも一方が複数の通信IDを使用可能であり、
通信中継コンピュータは、サービスに対応して前記複数の通信IDを管理するとともに、通信を受信する者の前記複数の通信IDの内のいずれか1つを選択して前記通信を中継し、前記二者以外の第三者が使用する第三者通信機器(第三者のコンピュータ)が通信機器と前記通信を行うことができないようすることを特徴とする通信中継システム。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の通信中継システムを構成する通信中継コンピュータであることを特徴とするコンピュータ。
【請求項9】
請求項6または請求項7に記載の通信中継システムを構成する通信中継コンピュータを制御することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項6または請求項7に記載の通信中継システムを構成する通信中継コンピュータを制御するプログラムであることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−76101(P2009−76101A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324799(P2008−324799)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【分割の表示】特願2004−211771(P2004−211771)の分割
【原出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(396006309)
【Fターム(参考)】