オートスイングドア装置
【課題】 スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止する。
【解決手段】 レーザレーダか出射されたレーザ光の受光パターンに基づいて、レーザ光が反射した障害物が鏡面反射障害物であるか拡散反射障害物であるかを識別した上で、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定し、揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合には電動モータの作動を禁止する。これにより、従来に比べて揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定することが可能となるので、スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止することが可能となる。
【解決手段】 レーザレーダか出射されたレーザ光の受光パターンに基づいて、レーザ光が反射した障害物が鏡面反射障害物であるか拡散反射障害物であるかを識別した上で、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定し、揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合には電動モータの作動を禁止する。これにより、従来に比べて揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定することが可能となるので、スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動変位するスイングドアを自動的に開閉作動させるオートスイングドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オートスイングドア装置とは、揺動変位するスイングドアを電動モータ等のアクチュエータにより自動的に開閉作動させる装置である。
そして、発明者等は、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定してアクチュエータの作動を制御するオートスイングドア装置を試作・検討したが、障害物の存在を正確に判定できなかったために、スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうといった不具合が発生した。
【0003】
また、上記の試作・検討では、レーザ光を出射した時と障害物にて反射したレーザ光を受光した時との時間差に基づいて、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−157044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、揺動変位することにより開口部(11)を開閉するスイングドア(10)と、スイングドア(10)を揺動変位させるアクチュエータ(2)と、レーザ光を発光する発光部(3A)及び障害物にて反射したレーザ光を受光する受光部(3B)を有し、レーザ光を鏡面反射する障害物(以下、鏡面反射障害物という。)とレーザ光を拡散反射する障害物(以下、拡散反射障害物という。)とを識別した上で、スイングドア(10)の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する判定手段(4)と、アクチュエータ(2)の作動を制御するとともに、判定手段(4)により揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合にはアクチュエータ(2)の作動を禁止する制御手段(4)とを備えることを特徴とする。
【0007】
ところで、発明者等は、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止すべく、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できない原因を調査・研究したところ、特に、障害物が鏡面反射障害物である場合に、不具合が発生し易いことを発見した。
【0008】
すなわち、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とでは、後述するように、障害物で反射したレーザ光が受光部(3B)に至るまでの光路が大きく異なるため、障害物の種類(鏡面反射障害物と拡散反射障害物と)を識別することなく、単純に、レーザ光を出射した時と障害物にて反射したレーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できない可能性が高い。
【0009】
具体的には、障害物が鏡面反射障害物である場合には、障害物にて鏡面反射したレーザ光は、その障害物以外の他の物に反射して受光部(3B)に至るのに対して、障害物が拡散反射障害物である場合には、障害物にて拡散反射したレーザ光のうち受光部(3B)側に向けて反射したレーザ光が、その障害物以外の他の物に反射することなく、直接的に受光部(3B)に至る。
【0010】
このため、障害物が鏡面反射障害物である場合に、単純に、出射時と受光時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、検出距離が実際の距離よりも大きな距離となってしまうため、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できなくなる。
【0011】
これに対して、請求項1に記載の発明では、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とを識別した上で、障害物が揺動範囲内に存在するか否かを判定するので、従来に比べて揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定することが可能となる。したがって、スイングドア(10)を自動的に開閉させた際に、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを防止することが可能となる。
【0012】
ところで、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とでは、前述したように、障害物で反射したレーザ光を受光部(3B)にて受光するまでの光路が大きく異なるので、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とを識別するには、請求項2又は3に記載のごとく行うことが望ましい。
【0013】
すなわち、請求項2に記載の発明では、判定手段(4)は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を拡散反射障害物として認識することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明では、判定手段(4)は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1の位置及び第2の位置にてパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を拡散反射障害物として認識することを特徴とする。なお、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明と請求項3に記載された内容とを組み合わせた発明も含まれる。
【0015】
ところで、障害物が鏡面反射障害物である場合には、前述したように、障害物までの距離を正確に検出することができない可能性が高くなる。
そこで、請求項4に記載の発明では、判定手段(4)は、鏡面反射障害物を認識したときに、揺動範囲に障害物が存在する判定することにより、スイングドア(10)を自動的に開閉させた際に、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止している。
【0016】
また、請求項4に記載の発明では、障害物が鏡面反射障害物であるときには、障害物までの距離を検出することなく、アクチュエータ(2)の作動を禁止するので、オートスイングドア装置の製造原価上昇を抑制することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、判定手段(4)は、パルス状レーザ光を発光した時とパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する距離検出手段(4)を有し、距離検出手段(4)は、障害物が鏡面反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する鏡面反射距離検出手段(4)、及び障害物が拡散反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する拡散反射距離検出手段(4)を有しており、さらに、判定手段(4)は、距離検出手段(4)により検出された距離に基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする。
【0018】
これにより、請求項5に記載の発明では、障害物の種類に適した距離検出手段により障害物までの距離が検出されるので、障害物までの距離を正確に検出することができ、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止できる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明では、判定手段(4)は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第1パターンという。)、又は第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光し、更にその後、第3のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第2パターンという。)には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合(以下、第3パターンという。)には、障害物を拡散反射障害物として認識し、また、判定手段(4)は、第1パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差、及びパルス状レーザ光を発光した時と第2のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第1距離検出手段(4)、第2パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第2距離検出手段(4)、並びに第3パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第3距離検出手段(4)からなる距離検出手段(4)を有しており、さらに、判定手段(4)は、距離検出手段(4)により検出された距離に基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする。
【0020】
これにより、請求項6に記載の発明では、障害物の種類及び鏡面反射障害物におけるレーザ光の反射状態を考慮した距離検出手段により障害物までの距離が検出されるので、障害物までの距離を正確に検出することができ、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止できる。
【0021】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るオートスイングドア装置の概念図である。
【図2】レーザレーダ3とドア10との関係を示す図である。
【図3】レーザレーダ3の走査(スキャン)範囲を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るオートスイングドア装置の判定制御を示すフローチャートである。
【図5】(a)は第1パターンの光路を示す図であり、(b)第1パターンの受光タイミングを示す図である。
【図6】(a)は第2パターンの光路を示す図であり、(b)第2パターンの受光タイミングを示す図である。
【図7】(a)は第3パターンの光路を示す図であり、(b)第3パターンの受光タイミングを示す図である。
【図8】(a)はレーザレーダ3の走査(スキャン)範囲における走査角を示す図であり、(b)走査角と設定距離等との関係を示す図表である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るオートスイングドア装置の判定制御を示すフローチャートである。
【図10】第2パターンの光路を示す図である。
【図11】受光パターンを示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る受光部3Bの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本実施形態は、本発明に係るオートスイングドア装置を乗用車の乗降用ドアに適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.オートスイングドア装置の構成
オートスイングドア装置1とは、図1に示すように、揺動変位するスイングドア(以下、ドアと略す。)を電動モータ2等のアクチュエータにより自動的に開閉作動させる装置である。なお、ドア10は、図2に示すように、車両外側に開くように揺動変位することにより車両の乗降口11を開閉するものである。
【0024】
レーザレーダ3は、図1に示すように、レーザ光を発光する発光部3A及びレーザ光を受光する受光部3Bを有するとともに、制御装置4と協働してドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する判定手段を構成する。
【0025】
そして、レーザレーダ3は、図2に示すように、ドア10のうち揺動中心側の外板部に設けられており、発光部3Aは、出射されるレーザ光とドア10の外板部とのなす角が常に角度φとなるように設定されている。このため、ドア10が揺動変位すると発光部3Aから出射されるレーザ光の出射方向は、ドア10と共に連動して変化する。
【0026】
さらに、発光部3Aは、ポリゴンミラー等の鏡を回転させることにより、図3に示すように、水平方向前方側を基準として、レーザ光の出射方向を右回り(時計周り)に回転走査する。このため、レーザレーダ3及び制御装置4は、ドア10の揺動範囲を三次元空間として認識してドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する。
【0027】
また、制御装置4は、CPU、ROM及びRAM等からなる周知のコンピュータにて構成されており、ROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性記憶手段には、ドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定するとともに、電動モータ2の作動を制御するためのプログラムが予め記憶されている。このため、制御装置4は、電動モータ2の作動を制御する制御手段としても機能する。因みに、本実施形態に係る制御装置4は、電動モータ2を駆動するための駆動回路も一体化されている。
【0028】
2.オートスイングドア装置の作動の概略
車両に設けられた開閉スイッチ(図示せず。)が乗降者により遠隔操作又は直接操作されると、電動モータ2が作動してドア10が揺動し始める。そして、オートスイングドア装置1は、レーザ光を鏡面反射する障害物(以下、鏡面反射障害物という。)とレーザ光を拡散反射する障害物(以下、拡散反射障害物という。)とを識別した上で、ドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する。
【0029】
そして、揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合には電動モータ2の作動を禁止し、電動モータ2によるドア10の自動開閉を中止する。因みに、鏡面反射障害物とは、例えば車両の外板部等に相当し、拡散反射障害物とは、例えば石垣等に相当する。
【0030】
なお、本実施形態に係るオートスイングドア装置1では、レーザ光がドア10の外側で出射されているので、上記の判定作動はドア10が開かれるときに有効となるが、ドア10が閉じられるときに判定作動を実行してもよい。
【0031】
以下、判定作動の詳細をドア10が開かれる場合を例に図4に示すフローチャートに従って説明する。
ドア10を開くための開閉スイッチが乗降者により操作されて電動モータ2が作動し始めると、先ず、レーザレーダ3が作動するとともに(S1)、ドア10が全開状態になっているか否かが判定される(S3)。なお、本実施形態では、全開状態を検出するドアスイッチ(図示せず。)からの信号の有無、又は電動モータ2への通電電流が所定電流値を超えたか否か等に基づいて、ドア10が全開状態であるか否かが判定される。
【0032】
そして、ドア10が全開状態になっていると判定された場合には(S3:YES)、電動モータ2が停止され(S9)、一方、ドア10が全開状態になっていないと判定された場合には(S3:NO)、ドア10の揺動範囲内に鏡面反射障害物が存在するか否かが判定される(S5)。なお、判定方法の詳細は後述する。
【0033】
このとき、ドア10の揺動範囲内に鏡面反射障害物が存在すると判定された場合には(S5:YES)、その旨が報知されるとともに電動モータ2が停止され(S9)、一方、ドア10の揺動範囲内に鏡面反射障害物が存在しないと判定された場合には(S3:NO)、ドア10の揺動範囲内に拡散反射障害物が存在するか否かが判定される(S7)。なお、判定方法の詳細は後述する。
【0034】
そして、揺動範囲内に拡散反射障害物が存在すると判定された場合には(S7:YES)、その旨が報知されるとともに電動モータ2が停止された後(S9)、本制御フローが終了し、一方、揺動範囲内に拡散反射障害物が存在しないと判定された場合には(S7:NO)、再び、S3が実行される。
【0035】
3.鏡面反射障害物又は拡散反射障害物の存在判定について
本実施形態では、発光部3Aからパルス状レーザ光を出射した後、受光部3Bにてパルス状レーザ光を受光し、その受光タイミングの違いから障害物が鏡面反射障害物であるか又は拡散反射障害物であるかを判定する。
【0036】
以下、障害物判定の理解を容易にするために、図5(a)に示すようなモデルを考える。すなわち、レーザレーダ3(発光部3A及び受光部3B)がA点に位置し、障害物(図5(a)では、鏡面反射障害物)とレーザ光との反射面が地面(大地)に対して直交し、かつ、地面は拡散反射するものとする。
【0037】
ところで、レーザ光が鏡面反射すると、反射の法則に従い、レーザ光は入射角と反射角とが等しくなるように反射し、レーザ光が拡散反射すると、任意の方向(例えば、反射面が平面の場合には、立体角で2πの範囲の方向)に反射するが、現実の障害物は、完全に鏡面反射障害物と拡散反射障害物とに分別することはできず、鏡面反射障害物としての反射と拡散反射障害物としての反射が混ざり合った反射となる。
【0038】
したがって、本明細書でいう鏡面反射障害物とは、拡散反射量に比べて鏡面反射量の度合いが大きい障害物を意味し、拡散反射障害物とは、鏡面反射量に比べて拡散反射量の度合いが大きい障害物を意味する。
【0039】
因みに、入射角及び反射角とは、通常、反射面と直交する仮想軸からの角度として定義されるが、本明細書では、説明の都合上、入射角Θ及び反射角を反射面からのなす角として定義する。
【0040】
そして、以上に説明したモデルにおいて、障害物が鏡面反射障害物であると、発光部3A(A点)からレーザ光が出射されると、障害物のB点に衝突したレーザ光の多くは、鏡面反射して地面のC点に衝突する。C点に衝突したレーザ光の多くは、拡散反射するので、拡散反射したレーザ光の一部は、A点に到達して受光部3Bで受光される。また、C点て拡散反射した他の一部は、再び、障害物のB点に衝突して鏡面反射してA点に到達して受光部3Bで受光される。
【0041】
このため、受光部3Bは、A→B→C→Aの光路を進むレーザ光と、A→B→C→B→Aの光路を進むレーザ光とを受光する。つまり、図5(b)に示すように、1つのパルス状レーザ光が発光された後、受光部3Bは、第1のパルス状レーザ光(図5(b)の第2パルス)を受光した後、第2のパルス状レーザ光(図5(b)の第3パルス)を受光する。以下、この受光パターンを第1パターンという。
【0042】
ところで、鏡面反射障害物であっても、前述したように拡散反射も発生するので、受光部3Bには、A→B→Aの光路を進むレーザ光(図5(b)の第1パルス)が入射するが、入射角Θが小さい(例えば、10度以下)場合には、その光量は小さく、通常、受光部3Bにて検出可能な検出閾値未満となるので、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光が発光された後、2つのパルス状レーザ光を受光したと認識する。
【0043】
しかし、例えば、入射角Θが10度を超えて大きくなると(図6(b)参照)、障害物が鏡面反射障害物であっても、A→B→Aの光路を進むレーザ光(図6(b)の第1パルス)の光量が大きくなり、検出閾値以上となるので、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光が発光された後、3つのパルス状レーザ光を受光したと認識する。以下、この受光パターンを第2パターンという。
【0044】
そこで、本実施形態に係る制御装置4は、1つのパルス状レーザ光を発光した後に、第1のパルス状レーザ光を受光し、更にその後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識するとともに、障害物までの距離を算出することなく、ドア10の揺動範囲内に障害物が存在するとみなす。
【0045】
つまり、本実施形態では、2つのパルス状レーザ光が受光された場合(第1パターン又は第2パターンの場合)には、ドア10の揺動範囲内に現実に障害物(鏡面反射障害物)が存在するか否かを問わず、揺動範囲内に障害物が存在するものとみなされる。
【0046】
また、障害物が拡散反射障害物である場合には、図7(a)に示すように、発光部3A(A点)からレーザ光が出射されると、受光部3Bは、障害物のB点に反射してA点に到達したレーザ光を受光するので、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光(図7(b)の受光パルス)のみを受光する。以下、この受光パターンを第3パターンという。
【0047】
なお、障害物のA点では、拡散反射するので、一部のレーザ光は、第1パターン又は第2パターンと同様な光路にて受光部3Bに入射するが、通常、その光量は小さく、検出閾値未満となるので、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光が発光された後、1つのパルス状レーザ光のみを受光したと認識する。
【0048】
そこで、受光パターンが第3パターンであると認識された場合には、制御装置4は、パルス状レーザ光を発光した時とパルス状レーザ光を受光した時との時間差a1を光速度(レーザ光の速度)の2倍で除した値をA点からB点までの距離xとして算出し、この距離xに基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物(拡散反射障害物)が存在する判定する。
【0049】
なお、レーザ光は、上述したように、揺動範囲内で走査されながら出射されるので、本実施形態では、図8(a)及び図8(b)に示すように、走査角θに対応して予め記憶された距離Lと距離xとを比較することにより、障害物が揺動範囲内に存在するか否かが判定される。つまり、距離xが設定距離Lより小さい場合(例えば、図8(b)の距離xがx2の場合)に、障害物が揺動範囲内に存在すると判定される。
【0050】
4.本実施形態に係るオートスイングドア装置の特徴
鏡面反射障害物と拡散反射障害物とでは、前述したように、障害物で反射したレーザ光が受光部3Bに至るまでの光路が大きく異なるため、障害物の種類(鏡面反射障害物と拡散反射障害物と)を識別することなく、単純に、レーザ光を出射した時と障害物にて反射したレーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できない可能性が高い。
【0051】
具体的には、障害物が鏡面反射障害物である場合には、障害物にて鏡面反射したレーザ光は、第1パターン及び第2パターンに示すように、その障害物以外の他の物(上記の例では、地面)に反射して受光部3Bに至るのに対して、障害物が拡散反射障害物である場合には、障害物にて拡散反射したレーザ光のうち受光部3B側に向けて反射したレーザ光が、第3パターンに示すように、その障害物以外の他の物(上記の例では地面)に反射することなく、直接的に受光部3Bに至る。
【0052】
このため、障害物が鏡面反射障害物である場合に、単純に、出射時と受光時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、検出距離が実際の距離よりも大きな距離となってしまうため、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できなくなる。
【0053】
これに対して、本実施形態では、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とを識別した上で、障害物が揺動範囲内に存在するか否かを判定するので、従来に比べて揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定することが可能となる。したがって、ドア10を自動的に開閉させた際に、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを防止することが可能となる。
【0054】
ところで、障害物が鏡面反射障害物である場合には、前述したように、障害物までの距離を正確に検出することができない可能性が高くなるので、本実施形態では、鏡面反射障害物が認識されたときには、現実に揺動範囲に障害物が存在するか否かを問わず、揺動範囲に障害物が存在するとみなして電動モータ2を停止させることにより、ドア10を自動的に開閉させた際に、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止している。
【0055】
なお、本実施形態では、鏡面反射障害物が認識されたときには、現実に揺動範囲に障害物が存在するか否かを問わず、揺動範囲に障害物が存在するとみなして電動モータ2を停止させるので、揺動範囲に障害物が存在する可能性が高い旨の警告を、例えば音声等にて報知している。
【0056】
また、本実施形態では、障害物が鏡面反射障害物であるときには、障害物までの距離を検出することなく、電動モータ2の作動を禁止するので、障害物までの距離を算出するための算出処理が不要となり、オートスイングドア装置1の製造原価上昇を抑制することができる。
【0057】
ところで、上記の説明では、障害物のうちレーザ光が衝突する反射面は、地面に対して垂直として第1〜第3パターンを分類したが、現実の反射面は地面に対して垂直とならず、地面に対する反射面の角度θ1(図5(a)参照)が小さくなると、入射角Θが大きくなる。
【0058】
このため、例えば、レーザレーダ3に対して同じ位置に存在する障害物であっても、反射面の角度θ1が90度の場合の受光パターンは、鏡面反射障害物及び拡散反射障害物を問わず第3パターンとなるため、現実の障害物が鏡面反射障害物であっても、制御装置4は拡散反射障害物が存在すると認識し、障害物の種別を誤認識する。
【0059】
しかし、受光パターンが第3パターンである場合には、距離xを検出して揺動範囲内に障害物が存在するか否かが判定され、かつ、受光パターンが第3パターンであるときには、出射時と受光時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する手法にて、距離xを十分な精度で得ることができるので、障害物の種別を誤認識した場合であってもドア10と障害物とが衝突してしまうことを防止することができる。
【0060】
したがって、本実施形態では、反射面の角度θ1及び障害物の種別を問わず、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止することができる。
5.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、電動モータ2が特許請求の範囲に記載されたアクチュエータに相当し、制御装置4及び制御装置4にて稼働するプログラムにより、特許請求の範囲に記載された判定手段、距離検出手段及び制御手段が構成されている。
【0061】
(第2実施形態)
上述の実施形態では、2つのパルス状レーザ光が受光された場合(第1パターン又は第2パターンの場合)には、ドア10の揺動範囲内に現実に障害物(鏡面反射障害物)が存在するか否かを問わず、揺動範囲内に障害物が存在するものとみなしたが、本実施形態では、障害物が鏡面反射障害物又は拡散反射障害物であるか、つまり、受光パターンが第1〜第3パターンのうちいずれのパターンであるかを識別した上で、各受光パターンに適した手法にてA点からB点までの距離xを算出し、この距離xに基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物(鏡面反射障害物又は拡散反射障害物)が存在する判定するものである。
【0062】
1.オートスイングドア装置の作動の概略
本実施形態における判定作動の詳細をドア10が開かれる場合を例に図9に示すフローチャートに従って説明する。
【0063】
ドア10を開くための開閉スイッチが乗降者により操作されて電動モータ2が作動し始めると、先ず、レーザレーダ3が作動するとともに(S11)、ドア10が全開状態になっているか否かが第1実施形態と同様な手法にて判定される(S13)。
【0064】
そして、ドア10が全開状態になっていると判定された場合には(S13:YES)、電動モータ2が停止され(S29)、一方、ドア10が全開状態になっていないと判定された場合には(S13:NO)、受光パターンが第1パターンであるか否かが判定され(S15)、受光パターンが第1パターンであると判定された場合には(S15:YES)、第1パターン用の算出手法(詳細は、後述する。)にてA点からB点までの距離xが算出される(S17)。
【0065】
一方、受光パターンが第1パターンでないと判定された場合には(S15:NO)、受光パターンが第2パターンであるか否かが判定され(S19)、受光パターンが第2パターンであると判定された場合には(S19:YES)、第2パターン用の算出手法(詳細は、後述する。)にてA点からB点までの距離xが算出される(S21)。
【0066】
また、受光パターンが第2パターンでないと判定された場合には(S19:NO)、受光パターンが第3パターンであるか否かが判定され(S23)、受光パターンが第3パターンであると判定された場合には(S23:YES)、第3パターン用の算出手法にてA点からB点までの距離xが算出される(S25)。なお、第3パターン用の算出手法とは、第1実施形態において、受光パターンが第3パターンであると認識された場合に実行された距離xを算出手法と同一である。
【0067】
そして、受光パターンが第3パターンでないと判定された場合には(23:NO)、再び、S13が実行され、一方、S17、S21又はS25が実行された場合には、その算出された距離xに基づく障害物の位置が揺動範囲にあるか否かに基づいて、揺動範囲に障害物(鏡面反射障害物又は拡散反射障害物)が存在するか否か判定される(S27)。
【0068】
このとき、揺動範囲内に障害物が存在すると判定された場合には(S27:YES)、その旨が報知されるとともに電動モータ2が停止された後(S29)、本制御フローが終了し、一方、揺動範囲内に障害物が存在しないと判定された場合には(S27:NO)、再び、S13が実行される。
【0069】
2.距離xの算出手法について
2.1.第1パターンの場合
第1パターンの場合には、前述したように、受光部3Bは、A→B→C→Aの光路を進むレーザ光と、A→B→C→B→Aの光路を進むレーザ光とを受光するので、各部の距離等を示す記号を図10に示すように定義する。なお、地面からレーザレーダ3までの距離hは既知であり、角度θ3はレーザ光を走査することにより決定される角度であるので、既知の値である。
【0070】
また、A→B→C→B→Aの光路を進んだ場合のレーザ光の飛行時間(発光した時刻と図5の第3パルスを受光した時刻との差)をa1とし、A→B→C→Aの光路を進んだ場合のレーザ光の飛行時間(発光した時刻と図5の第2パルスを受光した時刻との差)をa2とし、光速度(レーザ光の速度)をCとすると、以下の式1〜5が成立する。
【0071】
2・(x1+x2)=a1/C…式1
x1+x2+x3=a2/C…式2
cosθ1=h/x3…式3
θ2=90−(θ1+θ3)…式4
三角形ABCについての余弦定理より、
(x2)^2=(x1)^2+(x3)^2−2・x1・x3・cosθ2…式5
次に、式1〜式5をx1について解くと、以下の式6となる。
【0072】
x1=1/c×(4・a2−a1^2−2・a1)/[(8・a2−4・a2)sin{θ3+acos((2・a2−a1)/c・h)}]…式6
但し、「acos」は逆余弦(余弦関数の逆関数)を示す。そして、x1はA点からB点までの距離xを示すので、制御装置4は、式6に従って距離xを算出する。
【0073】
2.2.第2パターンの場合
第2パターンの場合には、A→B→Aの光路を進むレーザ光(図6(b)の第1パルス)を受光する。そして、第1パルスは、第3パターンと同一光路を進むレーザ光であるので、制御装置4は、第2パターンの場合には、パルス状レーザ光を発光した時と第1パルスを受光した時との時間差a1を光速度(レーザ光の速度)の2倍で除した値をA点からB点までの距離xとして算出する。
【0074】
3.本実施形態に係るオートスイングドア装置の特徴
本実施形態では、障害物の種類及び鏡面反射障害物におけるレーザ光の反射状態を考慮して障害物までの距離xが検出されるので、障害物までの距離xを正確に検出することができ、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止できる。
【0075】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、2つのパルス状レーザ光が受光された場合(第1パターン又は第2パターンの場合)には、制御装置4は鏡面反射障害物が存在すると認識したが、レーザレーダ3から障害物までの距離が短い場合には、最初にパルス状レーザ光を受光した時刻と次にパルス状レーザ光を受光した時刻とが近接するため、図11に示すように、1つのパルス状レーザ光を受光したものと誤検出してしまうおそれが高い。
【0076】
そこで、本実施形態では、受光部3Bを、図12に示すように、複数個の受光素子3Cを二次元配列(アレイ)状に配置した構造(例えば、CCD)とするとともに、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1の位置及び第2の位置にてパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を拡散反射障害物として認識する。
【0077】
つまり、第3パターンでは、受光部3Bで受光するパルス状レーザ光は1つであるのに対して、第1パターン又は第2パターンでは、異なる光路を経由して受光部3Bに至るので、受光部3Bは、空間的にずれた位置にて少なくとも2つのパルス状レーザ光が受光する。
【0078】
したがって、本実施形態では、最初にパルス状レーザ光を受光した時刻と次にパルス状レーザ光を受光した時刻とが近接している場合であっても、2つのパルス状レーザ光が識別して受光することができるので、障害物が鏡面反射障害物であるか拡散反射障害物であるかを確実に識別することができる。
【0079】
なお、本実施形態は、最初にパルス状レーザ光を受光した時刻と次にパルス状レーザ光を受光した時刻とが近接している場合にその適用が限定されるものではなく、時間的にずれた2つのパルス状レーザ光が識別して受光することができる場合にも適用できる。
【0080】
つまり、障害物の種別判定は、CCD等の空間的にずれた位置にて2つのパルス状レーザ光を受光することが可能な受光部と、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光時刻(時間的ずれ)を容易に検出することが可能な受光部とを組み合わせて受光部3Bを構成してもよい。
【0081】
そして、このような構成とすれば、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の視野角(レーザ光が入射可能な角度)を比較的小さく設定することができるので、外乱光の影響(S/N比)を小さくすることができ、距離xを正確に検出することが可能なとなる。
【0082】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ポリゴンミラーを回転させて出射されるレーザ光を走査したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
また、上述の実施形態では、受光パターンの相違に基づいて障害物の種別を判定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば受光時の光量に基づいて障害物の種別を判定してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、車両用のスイングドアに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建築物のスイングドアにも適用できる。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0085】
1…オートスイングドア装置、3…レーザレーダ、3A…発光部、3B…受光部、
4…制御装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動変位するスイングドアを自動的に開閉作動させるオートスイングドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オートスイングドア装置とは、揺動変位するスイングドアを電動モータ等のアクチュエータにより自動的に開閉作動させる装置である。
そして、発明者等は、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定してアクチュエータの作動を制御するオートスイングドア装置を試作・検討したが、障害物の存在を正確に判定できなかったために、スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうといった不具合が発生した。
【0003】
また、上記の試作・検討では、レーザ光を出射した時と障害物にて反射したレーザ光を受光した時との時間差に基づいて、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−157044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、スイングドアを自動的に開閉させた際に、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、揺動変位することにより開口部(11)を開閉するスイングドア(10)と、スイングドア(10)を揺動変位させるアクチュエータ(2)と、レーザ光を発光する発光部(3A)及び障害物にて反射したレーザ光を受光する受光部(3B)を有し、レーザ光を鏡面反射する障害物(以下、鏡面反射障害物という。)とレーザ光を拡散反射する障害物(以下、拡散反射障害物という。)とを識別した上で、スイングドア(10)の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する判定手段(4)と、アクチュエータ(2)の作動を制御するとともに、判定手段(4)により揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合にはアクチュエータ(2)の作動を禁止する制御手段(4)とを備えることを特徴とする。
【0007】
ところで、発明者等は、スイングドアと障害物とが衝突してしまうことを防止すべく、スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できない原因を調査・研究したところ、特に、障害物が鏡面反射障害物である場合に、不具合が発生し易いことを発見した。
【0008】
すなわち、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とでは、後述するように、障害物で反射したレーザ光が受光部(3B)に至るまでの光路が大きく異なるため、障害物の種類(鏡面反射障害物と拡散反射障害物と)を識別することなく、単純に、レーザ光を出射した時と障害物にて反射したレーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できない可能性が高い。
【0009】
具体的には、障害物が鏡面反射障害物である場合には、障害物にて鏡面反射したレーザ光は、その障害物以外の他の物に反射して受光部(3B)に至るのに対して、障害物が拡散反射障害物である場合には、障害物にて拡散反射したレーザ光のうち受光部(3B)側に向けて反射したレーザ光が、その障害物以外の他の物に反射することなく、直接的に受光部(3B)に至る。
【0010】
このため、障害物が鏡面反射障害物である場合に、単純に、出射時と受光時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、検出距離が実際の距離よりも大きな距離となってしまうため、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できなくなる。
【0011】
これに対して、請求項1に記載の発明では、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とを識別した上で、障害物が揺動範囲内に存在するか否かを判定するので、従来に比べて揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定することが可能となる。したがって、スイングドア(10)を自動的に開閉させた際に、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを防止することが可能となる。
【0012】
ところで、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とでは、前述したように、障害物で反射したレーザ光を受光部(3B)にて受光するまでの光路が大きく異なるので、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とを識別するには、請求項2又は3に記載のごとく行うことが望ましい。
【0013】
すなわち、請求項2に記載の発明では、判定手段(4)は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を拡散反射障害物として認識することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明では、判定手段(4)は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1の位置及び第2の位置にてパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を拡散反射障害物として認識することを特徴とする。なお、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明と請求項3に記載された内容とを組み合わせた発明も含まれる。
【0015】
ところで、障害物が鏡面反射障害物である場合には、前述したように、障害物までの距離を正確に検出することができない可能性が高くなる。
そこで、請求項4に記載の発明では、判定手段(4)は、鏡面反射障害物を認識したときに、揺動範囲に障害物が存在する判定することにより、スイングドア(10)を自動的に開閉させた際に、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止している。
【0016】
また、請求項4に記載の発明では、障害物が鏡面反射障害物であるときには、障害物までの距離を検出することなく、アクチュエータ(2)の作動を禁止するので、オートスイングドア装置の製造原価上昇を抑制することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、判定手段(4)は、パルス状レーザ光を発光した時とパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する距離検出手段(4)を有し、距離検出手段(4)は、障害物が鏡面反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する鏡面反射距離検出手段(4)、及び障害物が拡散反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する拡散反射距離検出手段(4)を有しており、さらに、判定手段(4)は、距離検出手段(4)により検出された距離に基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする。
【0018】
これにより、請求項5に記載の発明では、障害物の種類に適した距離検出手段により障害物までの距離が検出されるので、障害物までの距離を正確に検出することができ、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止できる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明では、判定手段(4)は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第1パターンという。)、又は第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光し、更にその後、第3のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第2パターンという。)には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合(以下、第3パターンという。)には、障害物を拡散反射障害物として認識し、また、判定手段(4)は、第1パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差、及びパルス状レーザ光を発光した時と第2のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第1距離検出手段(4)、第2パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第2距離検出手段(4)、並びに第3パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第3距離検出手段(4)からなる距離検出手段(4)を有しており、さらに、判定手段(4)は、距離検出手段(4)により検出された距離に基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする。
【0020】
これにより、請求項6に記載の発明では、障害物の種類及び鏡面反射障害物におけるレーザ光の反射状態を考慮した距離検出手段により障害物までの距離が検出されるので、障害物までの距離を正確に検出することができ、スイングドア(10)と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止できる。
【0021】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るオートスイングドア装置の概念図である。
【図2】レーザレーダ3とドア10との関係を示す図である。
【図3】レーザレーダ3の走査(スキャン)範囲を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るオートスイングドア装置の判定制御を示すフローチャートである。
【図5】(a)は第1パターンの光路を示す図であり、(b)第1パターンの受光タイミングを示す図である。
【図6】(a)は第2パターンの光路を示す図であり、(b)第2パターンの受光タイミングを示す図である。
【図7】(a)は第3パターンの光路を示す図であり、(b)第3パターンの受光タイミングを示す図である。
【図8】(a)はレーザレーダ3の走査(スキャン)範囲における走査角を示す図であり、(b)走査角と設定距離等との関係を示す図表である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るオートスイングドア装置の判定制御を示すフローチャートである。
【図10】第2パターンの光路を示す図である。
【図11】受光パターンを示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る受光部3Bの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本実施形態は、本発明に係るオートスイングドア装置を乗用車の乗降用ドアに適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.オートスイングドア装置の構成
オートスイングドア装置1とは、図1に示すように、揺動変位するスイングドア(以下、ドアと略す。)を電動モータ2等のアクチュエータにより自動的に開閉作動させる装置である。なお、ドア10は、図2に示すように、車両外側に開くように揺動変位することにより車両の乗降口11を開閉するものである。
【0024】
レーザレーダ3は、図1に示すように、レーザ光を発光する発光部3A及びレーザ光を受光する受光部3Bを有するとともに、制御装置4と協働してドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する判定手段を構成する。
【0025】
そして、レーザレーダ3は、図2に示すように、ドア10のうち揺動中心側の外板部に設けられており、発光部3Aは、出射されるレーザ光とドア10の外板部とのなす角が常に角度φとなるように設定されている。このため、ドア10が揺動変位すると発光部3Aから出射されるレーザ光の出射方向は、ドア10と共に連動して変化する。
【0026】
さらに、発光部3Aは、ポリゴンミラー等の鏡を回転させることにより、図3に示すように、水平方向前方側を基準として、レーザ光の出射方向を右回り(時計周り)に回転走査する。このため、レーザレーダ3及び制御装置4は、ドア10の揺動範囲を三次元空間として認識してドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する。
【0027】
また、制御装置4は、CPU、ROM及びRAM等からなる周知のコンピュータにて構成されており、ROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性記憶手段には、ドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定するとともに、電動モータ2の作動を制御するためのプログラムが予め記憶されている。このため、制御装置4は、電動モータ2の作動を制御する制御手段としても機能する。因みに、本実施形態に係る制御装置4は、電動モータ2を駆動するための駆動回路も一体化されている。
【0028】
2.オートスイングドア装置の作動の概略
車両に設けられた開閉スイッチ(図示せず。)が乗降者により遠隔操作又は直接操作されると、電動モータ2が作動してドア10が揺動し始める。そして、オートスイングドア装置1は、レーザ光を鏡面反射する障害物(以下、鏡面反射障害物という。)とレーザ光を拡散反射する障害物(以下、拡散反射障害物という。)とを識別した上で、ドア10の揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する。
【0029】
そして、揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合には電動モータ2の作動を禁止し、電動モータ2によるドア10の自動開閉を中止する。因みに、鏡面反射障害物とは、例えば車両の外板部等に相当し、拡散反射障害物とは、例えば石垣等に相当する。
【0030】
なお、本実施形態に係るオートスイングドア装置1では、レーザ光がドア10の外側で出射されているので、上記の判定作動はドア10が開かれるときに有効となるが、ドア10が閉じられるときに判定作動を実行してもよい。
【0031】
以下、判定作動の詳細をドア10が開かれる場合を例に図4に示すフローチャートに従って説明する。
ドア10を開くための開閉スイッチが乗降者により操作されて電動モータ2が作動し始めると、先ず、レーザレーダ3が作動するとともに(S1)、ドア10が全開状態になっているか否かが判定される(S3)。なお、本実施形態では、全開状態を検出するドアスイッチ(図示せず。)からの信号の有無、又は電動モータ2への通電電流が所定電流値を超えたか否か等に基づいて、ドア10が全開状態であるか否かが判定される。
【0032】
そして、ドア10が全開状態になっていると判定された場合には(S3:YES)、電動モータ2が停止され(S9)、一方、ドア10が全開状態になっていないと判定された場合には(S3:NO)、ドア10の揺動範囲内に鏡面反射障害物が存在するか否かが判定される(S5)。なお、判定方法の詳細は後述する。
【0033】
このとき、ドア10の揺動範囲内に鏡面反射障害物が存在すると判定された場合には(S5:YES)、その旨が報知されるとともに電動モータ2が停止され(S9)、一方、ドア10の揺動範囲内に鏡面反射障害物が存在しないと判定された場合には(S3:NO)、ドア10の揺動範囲内に拡散反射障害物が存在するか否かが判定される(S7)。なお、判定方法の詳細は後述する。
【0034】
そして、揺動範囲内に拡散反射障害物が存在すると判定された場合には(S7:YES)、その旨が報知されるとともに電動モータ2が停止された後(S9)、本制御フローが終了し、一方、揺動範囲内に拡散反射障害物が存在しないと判定された場合には(S7:NO)、再び、S3が実行される。
【0035】
3.鏡面反射障害物又は拡散反射障害物の存在判定について
本実施形態では、発光部3Aからパルス状レーザ光を出射した後、受光部3Bにてパルス状レーザ光を受光し、その受光タイミングの違いから障害物が鏡面反射障害物であるか又は拡散反射障害物であるかを判定する。
【0036】
以下、障害物判定の理解を容易にするために、図5(a)に示すようなモデルを考える。すなわち、レーザレーダ3(発光部3A及び受光部3B)がA点に位置し、障害物(図5(a)では、鏡面反射障害物)とレーザ光との反射面が地面(大地)に対して直交し、かつ、地面は拡散反射するものとする。
【0037】
ところで、レーザ光が鏡面反射すると、反射の法則に従い、レーザ光は入射角と反射角とが等しくなるように反射し、レーザ光が拡散反射すると、任意の方向(例えば、反射面が平面の場合には、立体角で2πの範囲の方向)に反射するが、現実の障害物は、完全に鏡面反射障害物と拡散反射障害物とに分別することはできず、鏡面反射障害物としての反射と拡散反射障害物としての反射が混ざり合った反射となる。
【0038】
したがって、本明細書でいう鏡面反射障害物とは、拡散反射量に比べて鏡面反射量の度合いが大きい障害物を意味し、拡散反射障害物とは、鏡面反射量に比べて拡散反射量の度合いが大きい障害物を意味する。
【0039】
因みに、入射角及び反射角とは、通常、反射面と直交する仮想軸からの角度として定義されるが、本明細書では、説明の都合上、入射角Θ及び反射角を反射面からのなす角として定義する。
【0040】
そして、以上に説明したモデルにおいて、障害物が鏡面反射障害物であると、発光部3A(A点)からレーザ光が出射されると、障害物のB点に衝突したレーザ光の多くは、鏡面反射して地面のC点に衝突する。C点に衝突したレーザ光の多くは、拡散反射するので、拡散反射したレーザ光の一部は、A点に到達して受光部3Bで受光される。また、C点て拡散反射した他の一部は、再び、障害物のB点に衝突して鏡面反射してA点に到達して受光部3Bで受光される。
【0041】
このため、受光部3Bは、A→B→C→Aの光路を進むレーザ光と、A→B→C→B→Aの光路を進むレーザ光とを受光する。つまり、図5(b)に示すように、1つのパルス状レーザ光が発光された後、受光部3Bは、第1のパルス状レーザ光(図5(b)の第2パルス)を受光した後、第2のパルス状レーザ光(図5(b)の第3パルス)を受光する。以下、この受光パターンを第1パターンという。
【0042】
ところで、鏡面反射障害物であっても、前述したように拡散反射も発生するので、受光部3Bには、A→B→Aの光路を進むレーザ光(図5(b)の第1パルス)が入射するが、入射角Θが小さい(例えば、10度以下)場合には、その光量は小さく、通常、受光部3Bにて検出可能な検出閾値未満となるので、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光が発光された後、2つのパルス状レーザ光を受光したと認識する。
【0043】
しかし、例えば、入射角Θが10度を超えて大きくなると(図6(b)参照)、障害物が鏡面反射障害物であっても、A→B→Aの光路を進むレーザ光(図6(b)の第1パルス)の光量が大きくなり、検出閾値以上となるので、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光が発光された後、3つのパルス状レーザ光を受光したと認識する。以下、この受光パターンを第2パターンという。
【0044】
そこで、本実施形態に係る制御装置4は、1つのパルス状レーザ光を発光した後に、第1のパルス状レーザ光を受光し、更にその後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識するとともに、障害物までの距離を算出することなく、ドア10の揺動範囲内に障害物が存在するとみなす。
【0045】
つまり、本実施形態では、2つのパルス状レーザ光が受光された場合(第1パターン又は第2パターンの場合)には、ドア10の揺動範囲内に現実に障害物(鏡面反射障害物)が存在するか否かを問わず、揺動範囲内に障害物が存在するものとみなされる。
【0046】
また、障害物が拡散反射障害物である場合には、図7(a)に示すように、発光部3A(A点)からレーザ光が出射されると、受光部3Bは、障害物のB点に反射してA点に到達したレーザ光を受光するので、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光(図7(b)の受光パルス)のみを受光する。以下、この受光パターンを第3パターンという。
【0047】
なお、障害物のA点では、拡散反射するので、一部のレーザ光は、第1パターン又は第2パターンと同様な光路にて受光部3Bに入射するが、通常、その光量は小さく、検出閾値未満となるので、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光が発光された後、1つのパルス状レーザ光のみを受光したと認識する。
【0048】
そこで、受光パターンが第3パターンであると認識された場合には、制御装置4は、パルス状レーザ光を発光した時とパルス状レーザ光を受光した時との時間差a1を光速度(レーザ光の速度)の2倍で除した値をA点からB点までの距離xとして算出し、この距離xに基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物(拡散反射障害物)が存在する判定する。
【0049】
なお、レーザ光は、上述したように、揺動範囲内で走査されながら出射されるので、本実施形態では、図8(a)及び図8(b)に示すように、走査角θに対応して予め記憶された距離Lと距離xとを比較することにより、障害物が揺動範囲内に存在するか否かが判定される。つまり、距離xが設定距離Lより小さい場合(例えば、図8(b)の距離xがx2の場合)に、障害物が揺動範囲内に存在すると判定される。
【0050】
4.本実施形態に係るオートスイングドア装置の特徴
鏡面反射障害物と拡散反射障害物とでは、前述したように、障害物で反射したレーザ光が受光部3Bに至るまでの光路が大きく異なるため、障害物の種類(鏡面反射障害物と拡散反射障害物と)を識別することなく、単純に、レーザ光を出射した時と障害物にて反射したレーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できない可能性が高い。
【0051】
具体的には、障害物が鏡面反射障害物である場合には、障害物にて鏡面反射したレーザ光は、第1パターン及び第2パターンに示すように、その障害物以外の他の物(上記の例では、地面)に反射して受光部3Bに至るのに対して、障害物が拡散反射障害物である場合には、障害物にて拡散反射したレーザ光のうち受光部3B側に向けて反射したレーザ光が、第3パターンに示すように、その障害物以外の他の物(上記の例では地面)に反射することなく、直接的に受光部3Bに至る。
【0052】
このため、障害物が鏡面反射障害物である場合に、単純に、出射時と受光時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出すると、検出距離が実際の距離よりも大きな距離となってしまうため、揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定できなくなる。
【0053】
これに対して、本実施形態では、鏡面反射障害物と拡散反射障害物とを識別した上で、障害物が揺動範囲内に存在するか否かを判定するので、従来に比べて揺動範囲に障害物が存在するか否かを正確に判定することが可能となる。したがって、ドア10を自動的に開閉させた際に、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを防止することが可能となる。
【0054】
ところで、障害物が鏡面反射障害物である場合には、前述したように、障害物までの距離を正確に検出することができない可能性が高くなるので、本実施形態では、鏡面反射障害物が認識されたときには、現実に揺動範囲に障害物が存在するか否かを問わず、揺動範囲に障害物が存在するとみなして電動モータ2を停止させることにより、ドア10を自動的に開閉させた際に、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止している。
【0055】
なお、本実施形態では、鏡面反射障害物が認識されたときには、現実に揺動範囲に障害物が存在するか否かを問わず、揺動範囲に障害物が存在するとみなして電動モータ2を停止させるので、揺動範囲に障害物が存在する可能性が高い旨の警告を、例えば音声等にて報知している。
【0056】
また、本実施形態では、障害物が鏡面反射障害物であるときには、障害物までの距離を検出することなく、電動モータ2の作動を禁止するので、障害物までの距離を算出するための算出処理が不要となり、オートスイングドア装置1の製造原価上昇を抑制することができる。
【0057】
ところで、上記の説明では、障害物のうちレーザ光が衝突する反射面は、地面に対して垂直として第1〜第3パターンを分類したが、現実の反射面は地面に対して垂直とならず、地面に対する反射面の角度θ1(図5(a)参照)が小さくなると、入射角Θが大きくなる。
【0058】
このため、例えば、レーザレーダ3に対して同じ位置に存在する障害物であっても、反射面の角度θ1が90度の場合の受光パターンは、鏡面反射障害物及び拡散反射障害物を問わず第3パターンとなるため、現実の障害物が鏡面反射障害物であっても、制御装置4は拡散反射障害物が存在すると認識し、障害物の種別を誤認識する。
【0059】
しかし、受光パターンが第3パターンである場合には、距離xを検出して揺動範囲内に障害物が存在するか否かが判定され、かつ、受光パターンが第3パターンであるときには、出射時と受光時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する手法にて、距離xを十分な精度で得ることができるので、障害物の種別を誤認識した場合であってもドア10と障害物とが衝突してしまうことを防止することができる。
【0060】
したがって、本実施形態では、反射面の角度θ1及び障害物の種別を問わず、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止することができる。
5.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、電動モータ2が特許請求の範囲に記載されたアクチュエータに相当し、制御装置4及び制御装置4にて稼働するプログラムにより、特許請求の範囲に記載された判定手段、距離検出手段及び制御手段が構成されている。
【0061】
(第2実施形態)
上述の実施形態では、2つのパルス状レーザ光が受光された場合(第1パターン又は第2パターンの場合)には、ドア10の揺動範囲内に現実に障害物(鏡面反射障害物)が存在するか否かを問わず、揺動範囲内に障害物が存在するものとみなしたが、本実施形態では、障害物が鏡面反射障害物又は拡散反射障害物であるか、つまり、受光パターンが第1〜第3パターンのうちいずれのパターンであるかを識別した上で、各受光パターンに適した手法にてA点からB点までの距離xを算出し、この距離xに基づく障害物の位置が揺動範囲にあるときに、揺動範囲に障害物(鏡面反射障害物又は拡散反射障害物)が存在する判定するものである。
【0062】
1.オートスイングドア装置の作動の概略
本実施形態における判定作動の詳細をドア10が開かれる場合を例に図9に示すフローチャートに従って説明する。
【0063】
ドア10を開くための開閉スイッチが乗降者により操作されて電動モータ2が作動し始めると、先ず、レーザレーダ3が作動するとともに(S11)、ドア10が全開状態になっているか否かが第1実施形態と同様な手法にて判定される(S13)。
【0064】
そして、ドア10が全開状態になっていると判定された場合には(S13:YES)、電動モータ2が停止され(S29)、一方、ドア10が全開状態になっていないと判定された場合には(S13:NO)、受光パターンが第1パターンであるか否かが判定され(S15)、受光パターンが第1パターンであると判定された場合には(S15:YES)、第1パターン用の算出手法(詳細は、後述する。)にてA点からB点までの距離xが算出される(S17)。
【0065】
一方、受光パターンが第1パターンでないと判定された場合には(S15:NO)、受光パターンが第2パターンであるか否かが判定され(S19)、受光パターンが第2パターンであると判定された場合には(S19:YES)、第2パターン用の算出手法(詳細は、後述する。)にてA点からB点までの距離xが算出される(S21)。
【0066】
また、受光パターンが第2パターンでないと判定された場合には(S19:NO)、受光パターンが第3パターンであるか否かが判定され(S23)、受光パターンが第3パターンであると判定された場合には(S23:YES)、第3パターン用の算出手法にてA点からB点までの距離xが算出される(S25)。なお、第3パターン用の算出手法とは、第1実施形態において、受光パターンが第3パターンであると認識された場合に実行された距離xを算出手法と同一である。
【0067】
そして、受光パターンが第3パターンでないと判定された場合には(23:NO)、再び、S13が実行され、一方、S17、S21又はS25が実行された場合には、その算出された距離xに基づく障害物の位置が揺動範囲にあるか否かに基づいて、揺動範囲に障害物(鏡面反射障害物又は拡散反射障害物)が存在するか否か判定される(S27)。
【0068】
このとき、揺動範囲内に障害物が存在すると判定された場合には(S27:YES)、その旨が報知されるとともに電動モータ2が停止された後(S29)、本制御フローが終了し、一方、揺動範囲内に障害物が存在しないと判定された場合には(S27:NO)、再び、S13が実行される。
【0069】
2.距離xの算出手法について
2.1.第1パターンの場合
第1パターンの場合には、前述したように、受光部3Bは、A→B→C→Aの光路を進むレーザ光と、A→B→C→B→Aの光路を進むレーザ光とを受光するので、各部の距離等を示す記号を図10に示すように定義する。なお、地面からレーザレーダ3までの距離hは既知であり、角度θ3はレーザ光を走査することにより決定される角度であるので、既知の値である。
【0070】
また、A→B→C→B→Aの光路を進んだ場合のレーザ光の飛行時間(発光した時刻と図5の第3パルスを受光した時刻との差)をa1とし、A→B→C→Aの光路を進んだ場合のレーザ光の飛行時間(発光した時刻と図5の第2パルスを受光した時刻との差)をa2とし、光速度(レーザ光の速度)をCとすると、以下の式1〜5が成立する。
【0071】
2・(x1+x2)=a1/C…式1
x1+x2+x3=a2/C…式2
cosθ1=h/x3…式3
θ2=90−(θ1+θ3)…式4
三角形ABCについての余弦定理より、
(x2)^2=(x1)^2+(x3)^2−2・x1・x3・cosθ2…式5
次に、式1〜式5をx1について解くと、以下の式6となる。
【0072】
x1=1/c×(4・a2−a1^2−2・a1)/[(8・a2−4・a2)sin{θ3+acos((2・a2−a1)/c・h)}]…式6
但し、「acos」は逆余弦(余弦関数の逆関数)を示す。そして、x1はA点からB点までの距離xを示すので、制御装置4は、式6に従って距離xを算出する。
【0073】
2.2.第2パターンの場合
第2パターンの場合には、A→B→Aの光路を進むレーザ光(図6(b)の第1パルス)を受光する。そして、第1パルスは、第3パターンと同一光路を進むレーザ光であるので、制御装置4は、第2パターンの場合には、パルス状レーザ光を発光した時と第1パルスを受光した時との時間差a1を光速度(レーザ光の速度)の2倍で除した値をA点からB点までの距離xとして算出する。
【0074】
3.本実施形態に係るオートスイングドア装置の特徴
本実施形態では、障害物の種類及び鏡面反射障害物におけるレーザ光の反射状態を考慮して障害物までの距離xが検出されるので、障害物までの距離xを正確に検出することができ、ドア10と障害物とが衝突してしまうことを確実に防止できる。
【0075】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、2つのパルス状レーザ光が受光された場合(第1パターン又は第2パターンの場合)には、制御装置4は鏡面反射障害物が存在すると認識したが、レーザレーダ3から障害物までの距離が短い場合には、最初にパルス状レーザ光を受光した時刻と次にパルス状レーザ光を受光した時刻とが近接するため、図11に示すように、1つのパルス状レーザ光を受光したものと誤検出してしまうおそれが高い。
【0076】
そこで、本実施形態では、受光部3Bを、図12に示すように、複数個の受光素子3Cを二次元配列(アレイ)状に配置した構造(例えば、CCD)とするとともに、制御装置4は、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1の位置及び第2の位置にてパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を鏡面反射障害物として認識し、一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を拡散反射障害物として認識する。
【0077】
つまり、第3パターンでは、受光部3Bで受光するパルス状レーザ光は1つであるのに対して、第1パターン又は第2パターンでは、異なる光路を経由して受光部3Bに至るので、受光部3Bは、空間的にずれた位置にて少なくとも2つのパルス状レーザ光が受光する。
【0078】
したがって、本実施形態では、最初にパルス状レーザ光を受光した時刻と次にパルス状レーザ光を受光した時刻とが近接している場合であっても、2つのパルス状レーザ光が識別して受光することができるので、障害物が鏡面反射障害物であるか拡散反射障害物であるかを確実に識別することができる。
【0079】
なお、本実施形態は、最初にパルス状レーザ光を受光した時刻と次にパルス状レーザ光を受光した時刻とが近接している場合にその適用が限定されるものではなく、時間的にずれた2つのパルス状レーザ光が識別して受光することができる場合にも適用できる。
【0080】
つまり、障害物の種別判定は、CCD等の空間的にずれた位置にて2つのパルス状レーザ光を受光することが可能な受光部と、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光時刻(時間的ずれ)を容易に検出することが可能な受光部とを組み合わせて受光部3Bを構成してもよい。
【0081】
そして、このような構成とすれば、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の視野角(レーザ光が入射可能な角度)を比較的小さく設定することができるので、外乱光の影響(S/N比)を小さくすることができ、距離xを正確に検出することが可能なとなる。
【0082】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ポリゴンミラーを回転させて出射されるレーザ光を走査したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
また、上述の実施形態では、受光パターンの相違に基づいて障害物の種別を判定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば受光時の光量に基づいて障害物の種別を判定してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、車両用のスイングドアに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建築物のスイングドアにも適用できる。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0085】
1…オートスイングドア装置、3…レーザレーダ、3A…発光部、3B…受光部、
4…制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動変位することにより開口部を開閉するスイングドアと、
前記スイングドアを揺動変位させるアクチュエータと、
レーザ光を発光する発光部及び障害物にて反射した前記レーザ光を受光する受光部を有し、前記レーザ光を鏡面反射する障害物(以下、鏡面反射障害物という。)と前記レーザ光を拡散反射する障害物(以下、拡散反射障害物という。)とを識別した上で、前記スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する判定手段と、
前記アクチュエータの作動を制御するとともに、前記判定手段により前記揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合には前記アクチュエータの作動を禁止する制御手段と
を備えることを特徴とするオートスイングドア装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を前記鏡面反射障害物として認識し、
一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を前記拡散反射障害物として認識することを特徴とする請求項1に記載のオートスイングドア装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1の位置及び第2の位置にてパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を前記鏡面反射障害物として認識し、
一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を前記拡散反射障害物として認識することを特徴とする請求項1又は2に記載のオートスイングドア装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記鏡面反射障害物を認識したときに、前記揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のオートスイングドア装置。
【請求項5】
前記判定手段は、パルス状レーザ光を発光した時とパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する距離検出手段を有し、
前記距離検出手段は、障害物が前記鏡面反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する鏡面反射距離検出手段、及び障害物が前記拡散反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する拡散反射距離検出手段を有しており、
さらに、前記判定手段は、前記距離検出手段により検出された距離に基づく障害物の位置が前記揺動範囲にあるときに、前記揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のオートスイングドア装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第1パターンという。)、又は第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光し、更にその後、第3のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第2パターンという。)には、障害物を前記鏡面反射障害物として認識し、
一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合(以下、第3パターンという。)には、障害物を前記拡散反射障害物として認識し、
また、前記判定手段は、
前記第1パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差、及びパルス状レーザ光を発光した時と第2のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第1距離検出手段、
前記第2パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第2距離検出手段、並びに
前記第3パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第3距離検出手段からなる距離検出手段を有しており、
さらに、前記判定手段は、前記距離検出手段により検出された距離に基づく障害物の位置が前記揺動範囲にあるときに、前記揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする請求項1に記載のオートスイングドア装置。
【請求項1】
揺動変位することにより開口部を開閉するスイングドアと、
前記スイングドアを揺動変位させるアクチュエータと、
レーザ光を発光する発光部及び障害物にて反射した前記レーザ光を受光する受光部を有し、前記レーザ光を鏡面反射する障害物(以下、鏡面反射障害物という。)と前記レーザ光を拡散反射する障害物(以下、拡散反射障害物という。)とを識別した上で、前記スイングドアの揺動範囲に障害物が存在するか否かを判定する判定手段と、
前記アクチュエータの作動を制御するとともに、前記判定手段により前記揺動範囲に障害物が存在すると判定された場合には前記アクチュエータの作動を禁止する制御手段と
を備えることを特徴とするオートスイングドア装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を前記鏡面反射障害物として認識し、
一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を前記拡散反射障害物として認識することを特徴とする請求項1に記載のオートスイングドア装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1の位置及び第2の位置にてパルス状レーザ光を受光した場合には、障害物を前記鏡面反射障害物として認識し、
一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合には、障害物を前記拡散反射障害物として認識することを特徴とする請求項1又は2に記載のオートスイングドア装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記鏡面反射障害物を認識したときに、前記揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のオートスイングドア装置。
【請求項5】
前記判定手段は、パルス状レーザ光を発光した時とパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する距離検出手段を有し、
前記距離検出手段は、障害物が前記鏡面反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する鏡面反射距離検出手段、及び障害物が前記拡散反射障害物であると認識された場合に障害物までの距離を検出する拡散反射距離検出手段を有しており、
さらに、前記判定手段は、前記距離検出手段により検出された距離に基づく障害物の位置が前記揺動範囲にあるときに、前記揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のオートスイングドア装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第1パターンという。)、又は第1のパルス状レーザ光を受光した後、第2のパルス状レーザ光を受光し、更にその後、第3のパルス状レーザ光を受光した場合(以下、第2パターンという。)には、障害物を前記鏡面反射障害物として認識し、
一方、1つのパルス状レーザ光を発光した後、第1のパルス状レーザ光のみを受光した場合(以下、第3パターンという。)には、障害物を前記拡散反射障害物として認識し、
また、前記判定手段は、
前記第1パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差、及びパルス状レーザ光を発光した時と第2のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第1距離検出手段、
前記第2パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第2距離検出手段、並びに
前記第3パターン時には、パルス状レーザ光を発光した時と第1のパルス状レーザ光を受光した時との時間差に基づいて障害物までの距離を検出する第3距離検出手段からなる距離検出手段を有しており、
さらに、前記判定手段は、前記距離検出手段により検出された距離に基づく障害物の位置が前記揺動範囲にあるときに、前記揺動範囲に障害物が存在する判定することを特徴とする請求項1に記載のオートスイングドア装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−162957(P2011−162957A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24358(P2010−24358)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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