説明

オートテンショナ

【課題】ダンパー力の大きさを切り換え可能であり、また燃費が低下しにくいオートテンショナを提供する。
【解決手段】シリンダ7内に作動油を溜め、スリーブ8内にプランジャ11を摺動可能に挿入してシリンダ7内を圧力室12とリザーバ室13に区画し、リーク隙間14を介して圧力室12とリザーバ室13を連通し、プランジャ11と一体に移動するロッド35を設け、そのロッド35をシリンダ7から突出する方向に付勢するリターンスプリング37を設けたオートテンショナ4において、スリーブ8の底9の弁孔21とリザーバ室13とを連通するバイパス通路32を設け、弁孔21を開閉する球状の弁体24と、その弁体24の移動範囲を規制するリテーナ25と、弁体24に当接する弁棒26と、その弁棒26を閉弁方向に付勢するバルブスプリング27と、通電により弁棒26を開弁方向に移動させる電磁コイル29とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンのカム軸を駆動するベルトの張力保持に用いられるオートテンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンのカム軸は、クランクシャフトにベルトで連結されており、そのベルトを介して回転駆動される。このベルトの張力を適正範囲に保つために、一般に、支点軸を中心として揺動可能に設けたプーリアームと、そのプーリアームに回転可能に取り付けたテンションプーリと、そのテンションプーリをベルトに押さえ付ける方向にプーリアームを付勢するオートテンショナからなる張力調整装置が使用される。
【0003】
この張力調整装置に組み込まれるオートテンショナとして、下部に底を有するシリンダ内に作動油を溜め、そのシリンダの底に形成したスリーブ嵌合凹部にスリーブの下部を嵌め合わせ、そのスリーブ内にプランジャを摺動可能に挿入してシリンダ内を圧力室とリザーバ室に区画し、プランジャと軸方向に一体に移動するロッドを設け、そのロッドをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングをリザーバ室内に設けたものが知られている(特許文献1)。
【0004】
このオートテンショナは、リターンスプリングの付勢力がベルトの張力とつり合う位置までロッドが移動することにより、ベルトの張力変動を吸収し、ベルトの張力を適正範囲に保つ。
【0005】
また、圧力室とリザーバ室は、スリーブとプランジャの摺動面間に形成されるリーク隙間を介して連通しており、ロッドがシリンダに押し込まれる方向に移動すると、圧力室内の作動油がリーク隙間を通って流出する。このとき、リーク隙間を流れる作動油の流量が制限されて、ダンパー力がロッドに作用するので、ロッドがゆっくりと移動し、ベルトを安定した状態に保つ。
【0006】
また、このオートテンショナは、プランジャに、圧力室とリザーバ室を連通する油通路が設けられ、その油通路の圧力室側の端部に、リザーバ室側から圧力室側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブが設けられており、ロッドがシリンダから突出する方向に移動すると、前記チェックバルブが開いてリザーバ室側から圧力室側に作動油が流れる。そのため、シリンダから突出する方向には、ロッドが速やかに移動する。
【特許文献1】特開平8−35546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記オートテンショナは、ロッドに作用するダンパー力が一定なので、エンジン回転数が共振点領域にあるときに、ロッドがベルトの張力変動に追従できず、ベルトが過張力となることがある。また、寒冷地や冬期の低温環境下では、リーク隙間を流れる作動油の粘度が高くなるので、ロッドに作用するダンパー力が過大となり、ベルトが過張力となることがあった。
【0008】
この過張力を防止するため、この発明の発明者は、ロッドに作用するダンパー力の大きさを切り換えることが可能なオートテンショナを検討し、そのようなオートテンショナとして、前記スリーブの底を貫通する弁孔を設け、その弁孔と前記リザーバ室とを連通するバイパス通路を前記スリーブと前記シリンダの嵌合面間に設け、前記弁孔の圧力室側とは反対側の端部に形成されたシート面に接触、離反して弁孔を開閉する球状の弁体と、その弁体に当接する弁棒と、その弁棒を開弁方向に付勢するバルブスプリングと、通電により弁棒を閉弁方向に移動させる電磁コイルとを設けたものを考案した。
【0009】
このオートテンショナは、電磁コイルに通電すると、弁体が弁孔を閉じてバイパス通路の作動油の流れを禁止するので、ロッドに作用するダンパー力が大きくなる。また、電磁コイルへの通電を遮断すると、弁体が弁孔を開いてバイパス通路の作動油の流れを許容するので、ロッドに作用するダンパー力が小さくなる。
【0010】
しかし、このオートテンショナを用いてダンパー力を制御すると、エンジン回転数が共振点領域にあるときやエンジンが低温環境下にあるときなど、ダンパー力を小さくする必要がある少ない場合を除いては、常に電磁コイルが通電状態となって電力を消費するので、エンジンの燃費が低下しやすい。
【0011】
この発明が解決しようとする課題は、ダンパー力の大きさを切り換え可能であり、また燃費が低下しにくいオートテンショナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、前記スリーブの底を貫通する弁孔を設け、その弁孔と前記リザーバ室とを連通するバイパス通路を前記スリーブと前記シリンダの嵌合面間に設け、前記弁孔の圧力室側の端部に形成されたシート面に接触、離反して弁孔を開閉する球状の弁体と、その弁体の移動範囲を規制するリテーナと、前記弁体に当接する弁棒と、その弁棒を閉弁方向に付勢するバルブスプリングと、通電により前記弁棒を開弁方向に移動させる電磁コイルとを設けた。このようにすると、電磁コイルへの通電を遮断したときに、弁体が弁孔を閉じてバイパス通路の作動油の流れを禁止するので、ロッドに作用するダンパー力が大きくなる。また、電磁コイルに通電したときに、弁体が弁孔を開いてバイパス通路の作動油の流れを許容するので、ロッドに作用するダンパー力が小さくなる。
【0013】
前記チェックバルブが、油通路の圧力室側の端部に形成されたシート面に接触、離反して油通路を開閉するチェックボールと、そのチェックボールの移動範囲を規制するリテーナとからなる場合、前記球状の弁体として、前記チェックボールと同一のものを使用することができる。このようにすると、弁体とチェックボールを共通化できるので、低コストである。
【0014】
前記チェックボールのリテーナと前記弁体のリテーナとを同一のものとすると、リテーナを共通化することができるので、低コストである。また、前記弁体が接触、離反するシート面と、前記チェックボールが接触、離反するシート面とを同一形状とすると、シート面の加工コストを低減することができる。また、前記弁体の移動ストロークと前記チェックボールの移動ストロークは同一とすることができ、この場合、その移動ストロークは0.2〜0.3mmの範囲に設定することができる。前記チェックボールのリテーナと前記弁体のリテーナとを互いに反対方向に付勢する圧縮コイルばねを前記圧力室内に組み込むと、その圧縮コイルばねの押圧によって各リテーナを固定することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明のオートテンショナは、電磁コイルへの通電と非通電とを切り換えることによって、ダンパー力の大きさを切り換えることができる。また、このオートテンショナを用いてダンパー力を制御すると、エンジン回転数が共振点領域にあるときやエンジンが低温環境下にあるときなど、ダンパー力を小さくする必要がある少ない場合を除いては、電磁コイルに通電する必要がないので、エンジンの燃費が低下しにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に、エンジンのカム軸を駆動するベルトの張力調整装置を示す。この張力調整装置は、支点軸1を中心として揺動可能に支持されたプーリアーム2と、プーリアーム2に回転可能に取り付けたテンションプーリ3と、この発明の実施形態に係るオートテンショナ4とを有する。オートテンショナ4は、プーリアーム2を付勢して、テンションプーリ3をベルト5に押さえ付けている。
【0017】
オートテンショナ4は、下部に底6を有するシリンダ7を有し、そのシリンダ7内に作動油が溜められている。シリンダ7内には、有底のスリーブ8が底9を下側にして挿入され、そのスリーブ8の下部が、シリンダ7の底6に形成されたスリーブ嵌合凹部10に嵌め合わされている。スリーブ8内には、プランジャ11が軸方向に摺動可能に挿入されており、そのスリーブ8とプランジャ11によって、シリンダ7内が圧力室12とリザーバ室13に区画されている。
【0018】
スリーブ8とプランジャ11の摺動面間には、圧力室12とリザーバ室13を連通するリーク隙間14が形成されている。
【0019】
また、圧力室12とリザーバ室13は、プランジャ11に設けられた油通路15を介して連通しており、その油通路15の圧力室12側の端部には、リザーバ室13側から圧力室12側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ16が設けられている。
【0020】
図2に示すように、チェックバルブ16は、油通路15の圧力室12側の端部に形成されたシート面17に接触、離反して油通路15を開閉するチェックボール18と、そのチェックボール18の移動範囲を規制するリテーナ19とからなる。
【0021】
リテーナ19は、油通路15の圧力室12側の開口を囲むようにプランジャ11に形成された突起20に嵌合する筒部19Aと、筒部19Aの上端に設けられたフランジ部19Bと、筒部19Aの下端に設けられた端板19Cとからなり、筒部19Aには、その内外を貫通する開口が形成されている。リテーナ19は、突起20に対する筒部19Aの嵌合によって、プランジャ11と同軸に位置決めされている。
【0022】
スリーブ8の底9には、上下に貫通する弁孔21が設けられ、その上端が圧力室12に連通している。図1、図2に示すように、弁孔21には、電磁開閉弁22が設けられている。電磁開閉弁22は、弁孔21の圧力室12側の端部に形成されたテーパ状のシート面23に接触、離反して弁孔21を開閉する球状の弁体24と、弁体24の移動範囲を規制するリテーナ25と、弁体24に当接する弁棒26と、その弁棒26を閉弁方向に付勢するバルブスプリング27と、弁棒26に固定された鉄心28と、通電により鉄心28を吸引して弁棒26を開弁方向に移動させる電磁コイル29とからなる。
【0023】
図2に示すように、リテーナ25は、リテーナ19と同一形状のものが使用されている。リテーナ25は、弁孔21を囲むようにスリーブ8の底9に形成された突起30に嵌合する筒部25Aと、筒部25Aの下端に設けられたフランジ部25Bと、筒部25Aの上端に設けられた端板25Cとからなり、筒部25Aには、その内外を貫通する開口が形成されている。リテーナ25は、突起30に対する筒部25Aの嵌合によって、スリーブ8と同軸に位置決めされている。
【0024】
弁体24は、チェックボール18と同一のものが使用されている。また、弁体24が接触するシート面23と、チェックボール18が接触するシート面17も同一形状となっている。さらに、リテーナ25が許容する弁体24の移動ストロークと、リテーナ19が許容するチェックボール18の移動ストロークは同一であり、その移動ストロークは0.2〜0.3mmの範囲に設定されている。
【0025】
圧力室12内には、リテーナ19のフランジ部19Bとリテーナ25のフランジ部25Bを互いに反対方向に付勢する圧縮コイルばね31が組み込まれており、この圧縮コイルばね31の押圧によって、リテーナ19はプランジャ11に固定され、リテーナ25はスリーブ8の底9に固定されている。圧縮コイルばね31は円筒状に形成されており、その内周がリテーナ19の筒部19Aの外周とリテーナ25の筒部25Aの外周とに嵌合している。
【0026】
また、スリーブ8とシリンダ7の嵌合面間には、弁孔21とリザーバ室13とを連通するバイパス通路32が形成されている。バイパス通路32は、スリーブ8の外周とスリーブ嵌合凹部10の内周との間に形成された軸方向通路33と、スリーブ8の底9とシリンダ7の底6との間に形成された径方向通路34とからなる。
【0027】
図1に示すように、プランジャ11には、プランジャ11から上方に延びてシリンダ7から突出するロッド35が接続している。プランジャ11は、圧縮コイルばね31で付勢されてロッド35に押圧されており、その押圧によって、ロッド35は、プランジャ11と一体に軸方向に移動するようになっている。
【0028】
ロッド35は、大径軸部35Aと、大径軸部35Aの下端に連なる小径軸部35Bとからなる。小径軸部35Bの外周には、シリンダ7の内周を軸方向に摺動可能なウエアリング36が嵌め合わされており、そのウエアリング36で大径軸部35Aの下端が支持されている。ウエアリング36は、リザーバ室13内に組み込まれたリターンスプリング37で上向きに押圧されており、そのウエアリング36を介して、ロッド35がシリンダ7から突出する方向に付勢されている。
【0029】
シリンダ7の上部には、シリンダ7内の作動油の漏れを防止するオイルシール38が装着されている。オイルシール38は環状に形成され、ロッド35の大径軸部35Aがスライド可能に貫通している。
【0030】
次に、このオートテンショナ4の動作例を説明する。
【0031】
ベルト5の張力が大きくなると、その張力が、テンションプーリ3、プーリアーム2を介してロッド35に伝達し、圧力室12の圧力が高まる。圧力室12の圧力がリザーバ室13の圧力よりも高くなると、図2に示すように、作動油がリーク隙間14を圧力室12側からリザーバ室13側に流れる。このとき、チェックバルブ16が閉じるので、作動油は油通路15を流れない。
【0032】
このようにして、作動油がリーク隙間14を流れることによりロッド35が下方に移動し、ベルト5の張力とリターンスプリング37の付勢力とがつり合う位置までテンションプーリ3が移動する。このとき、リーク隙間14を流れる作動油の流量が制限されてダンパー作用が生じるので、テンションプーリ3はゆっくりと移動し、ベルト5を安定した状態に保つ。
【0033】
ここで、電磁コイル29を非通電状態にしておくと、図2に示すように、弁体24が弁孔21を閉じるので、圧力室12の作動油はバイパス通路32を流れない。そのため、ロッド35に作用するダンパー力は大きくなる。また、電磁コイル29を通電状態にすると、図3に示すように、弁体24が弁棒26で押し動かされ、シート面23から離反して弁孔21を開く。そのため、圧力室12の作動油が、バイパス通路32を介してリザーバ室13に流れ、ロッド35に作用するダンパー力は小さくなる。
【0034】
一方、ベルト5の張力が小さくなると、リターンスプリング37の付勢力によってロッド35が上方に移動し、圧力室12の容積が拡大することで、圧力室12の圧力が低くなる。圧力室12の圧力がリザーバ室13の圧力よりも低くなるとチェックバルブ16が開き、作動油が油通路15をリザーバ室13側から圧力室12側に流れる。このとき、テンションプーリ3は、ベルト5の張力とリターンスプリング37の付勢力とがつり合う位置まで速やかに移動し、ベルト5の弛みを迅速に吸収する。
【0035】
上記のように、このオートテンショナ4は、電磁コイル29への通電と非通電を切り換えることによって、ロッド35に作用するダンパー力の大きさを、エンジン作動中にも切り換えることができる。
【0036】
例えば、このオートテンショナ4を使用すると、エンジン回転数が共振点領域にあるか否かを判定する共振判定手段を設け、その共振判定手段でエンジン回転数が共振点領域にあると判定したときに、電磁コイル29に通電してダンパー力を小さくする制御を行なうことが可能となる。このようにすると、エンジンが共振したときにも、ロッド35がベルト5の張力変動に確実に追従し、ベルト5が過張力となりにくい。
【0037】
また、エンジン温度が低温域にあるか否かを判定する低温判定手段を設け、その低温判定手段でエンジン温度が低温域にあると判定したときに、電磁コイル29に通電してダンパー力を小さくする制御を行なうことも可能となる。このようにすると、寒冷地や冬期の低温環境下でもロッド35に作用するダンパー力が過大となりにくく、ベルト5が過張力となりにくい。
【0038】
このオートテンショナ4は、電磁コイル29への通電と非通電とを切り換えることによって、ダンパー力の大きさを切り換えることができる。また、このオートテンショナ4を用いてダンパー力を制御すると、エンジン回転数が共振点領域にあるときやエンジンが低温環境下にあるときなど、ダンパー力を小さくする必要がある少ない場合を除いては、電磁コイル29に通電する必要がないので、エンジンの燃費が低下しにくい。
【0039】
また、このオートテンショナ4は、リテーナ19とリテーナ25とが同一のものなので、リテーナ19,25の製造を共通化することができ、低コストである。同様に、弁体24とチェックボール18とが同一のものなので、弁体24とチェックボール18の製造を共通化することができ、低コストである。また、シート面17とシート面23とが同一形状なので、シート面17,23の加工コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施形態のオートテンショナを組み込んだ張力調整装置を示す断面図
【図2】図1に示すロッドが押し込み方向に移動する過程を示す拡大断面図
【図3】図2に示す弁体が弁孔を開いた状態を示す拡大断面図
【符号の説明】
【0041】
4 オートテンショナ
7 シリンダ
8 スリーブ
9 底
11 プランジャ
12 圧力室
13 リザーバ室
14 リーク隙間
15 油通路
16 チェックバルブ
17 シート面
18 チェックボール
19 リテーナ
21 弁孔
23 シート面
24 弁体
25 リテーナ
26 弁棒
27 バルブスプリング
29 電磁コイル
31 圧縮コイルばね
32 バイパス通路
35 ロッド
37 リターンスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底のシリンダ(7)内に有底のスリーブ(8)を嵌め合わせ、そのシリンダ(7)内に作動油を溜め、前記スリーブ(8)内にプランジャ(11)を摺動可能に挿入してシリンダ(7)内を圧力室(12)とリザーバ室(13)に区画し、前記プランジャ(11)とスリーブ(8)の摺動面間に形成されるリーク隙間(14)を介して前記圧力室(12)とリザーバ室(13)を連通し、前記プランジャ(11)と軸方向に一体に移動するロッド(35)を設け、そのロッド(35)をシリンダ(7)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(37)を設け、前記プランジャ(11)に圧力室(12)とリザーバ室(13)を連通する油通路(15)を形成し、その油通路(15)にリザーバ室(13)側から圧力室(12)側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ(16)を設けたオートテンショナ(4)において、
前記スリーブ(8)の底(9)を貫通する弁孔(21)を設け、その弁孔(21)と前記リザーバ室(13)とを連通するバイパス通路(32)を前記スリーブ(8)と前記シリンダ(7)の嵌合面間に設け、前記弁孔(21)の圧力室(12)側の端部に形成されたシート面(23)に接触、離反して弁孔(21)を開閉する球状の弁体(24)と、その弁体(24)の移動範囲を規制するリテーナ(25)と、前記弁体(24)に当接する弁棒(26)と、その弁棒(26)を閉弁方向に付勢するバルブスプリング(27)と、通電により前記弁棒(26)を開弁方向に移動させる電磁コイル(29)とを設けたことを特徴とするオートテンショナ。
【請求項2】
前記チェックバルブ(16)が、油通路(15)の圧力室(12)側の端部に形成されたシート面(17)に接触、離反して油通路(15)を開閉するチェックボール(18)と、そのチェックボール(18)の移動範囲を規制するリテーナ(19)とからなり、前記チェックボール(18)と前記球状の弁体(24)とが同一のものである請求項1に記載のオートテンショナ。
【請求項3】
前記チェックボール(18)のリテーナ(19)と前記弁体(24)のリテーナ(25)とが同一のものである請求項2に記載のオートテンショナ。
【請求項4】
前記弁体(24)が接触、離反するシート面(23)と、前記チェックボール(18)が接触、離反するシート面(17)とが同一形状である請求項2または3に記載のオートテンショナ。
【請求項5】
前記弁体(24)の移動ストロークと前記チェックボール(18)の移動ストロークとが同一である請求項2から4のいずれかに記載のオートテンショナ。
【請求項6】
前記弁体(24)の移動ストロークと前記チェックボール(18)の移動ストロークとが0.2〜0.3mmの範囲にある請求項5に記載のオートテンショナ。
【請求項7】
前記チェックボール(18)のリテーナ(19)と前記弁体(24)のリテーナ(25)とを互いに反対方向に付勢する圧縮コイルばね(31)を前記圧力室(12)内に組み込んだ請求項2から6のいずれかに記載のオートテンショナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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