カウルトップカバーおよびフロントガラスの取付構造
【課題】フロントガラスの差込量に関わらず、安定してフロントガラスの下端部を支持できる構造の提供を図る。
【解決手段】カウルトップカバー11のガラス差込部40は、フロントガラス5の下端の表面側に当接する上側板部41と、フロントガラス5の下端の裏面側に位置する下側板部42と、これら上側板部41と下側板部42とを連結する連結部44と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部42の先端42b側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラス5の下端の裏面側に当接する弾性片46を備えて構成される。
【解決手段】カウルトップカバー11のガラス差込部40は、フロントガラス5の下端の表面側に当接する上側板部41と、フロントガラス5の下端の裏面側に位置する下側板部42と、これら上側板部41と下側板部42とを連結する連結部44と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部42の先端42b側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラス5の下端の裏面側に当接する弾性片46を備えて構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウルトップカバーおよびフロントガラスの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントガラスとボンネットとの間には、これらの間を覆うカウルトップカバーが用いられている。このカウルトップカバーの後縁部には、車室前面のフロントガラスの下端部を差し込むガラス差込部が車幅方向略全幅に亘って形成されている。
【0003】
特許文献1に開示されるカウルトップカバーのガラス差込部140は、図16に示すように、第1の板部141と、第2の板部142と、これらを連結する連結部144と、により断面コ字状に形成され、フロントガラス105の下端部が差し込まれるようになっている。
【特許文献1】特開2005−238915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカウルトップカバーのガラス差込部140は、金型成形の都合(抜き勾配)により、ガラス差込部の開口端側に向けて第1の板部141と第2の板部142とが徐々に離間するように拡開している。そのため、フロントガラス105の下端部は、図16に示すように2点(C1、C2)で支持されるようになっている。
【0005】
このような構造では、フロントガラス105およびカウルトップカバー111の製品サイズのバラツキならびに取付位置のバラツキなどにより、図17に示すように、フロントガラス105の差込量が、基準となる差込位置P0よりも大きくなったり小さくなったりする。そのため、フロントガラス105の差込量が基準値P0よりも大きくなると(図17中のP1)、フロントガラス105とガラス差込部140との間に強干渉が発生し、フロントガラス105の下端部に応力が集中してしまう虞がある。または逆に、フロントガラス105の差込量が基準値P0よりも小さくなると(図17中のP2)、フロントガラス105とガラス差込部140との間にスキマが発生し、ビビリ音の発生や異物進入の虞がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術に着目してなされたものであり、フロントガラスの差込量に関わらず安定してフロントガラスの下端部を支持できるカウルトップカバーおよびフロントガラスの取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ガラス差込部を備えるカウルトップカバーであって、前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラスの下端の裏面側に当接する弾性片を備えて構成されることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカウルトップカバーであって、前記下側板部よりも前記弾性片のばね定数が小さいことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、前記弾性片は、前記下側板部に一体成形されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、前記弾性片は、前記下側板部とは別体で形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、フロントガラスの取付構造であって、ガラス差込部を有するカウルトップカバーを備え、前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出しフロントガラス裏面側に当接する弾性片を備えて構成され、前記ガラス差込部の上側板部と弾性片との間に前記フロントガラスの下端が狭持されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ガラス差込量が小さいときも大きいときも弾性片がフロントガラスに弾接するため、ガラス差込量が小さいときにガタが発生することを防止しつつガラス差込量が大きいときにフロントガラスに応力が集中してしまうことを防止できる。つまり、フロントガラスの差込量に関わらず安定してフロントガラスを支持できる。
【0013】
請求項2によれば、下側板部よりも弾性片のばね定数が小さいため、下側板部と弾性片のばね定数が同一である構造に比べて、フロントガラスの差込量のバラツキ幅を大きくとれる。
【0014】
請求項3によれば、弾性片が下側板部に一体成形されているため、部品点数が低減し、製造コストを低減できる。
【0015】
請求項4によれば、弾性片が下側板部とは別体で形成されているため、弾性片を弾性に優れる材料で形成でき、さらにフロントガラスの支持安定性を向上させることができる。
【0016】
請求項5によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0018】
(第1実施形態)
まず図1〜図12に基づいて本発明の第1実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前後、上下、及び両側などの方向に付いては、車両進行方向を基準として説明する。
【0019】
図1、2に示すように、自動車の車体1には、エンジンルーム2を覆うボンネットフード3と、車室4の前面のフロントガラス5と、の間にカウル部6が設けられている。このカウル部6は、エアボックスとも呼ばれるもので、図2に示すようにダッシュパネル12とカウルトップパネル14とに接合して構成され、上側に開口した樋状に形成されている。
【0020】
ダッシュパネル12は、その上側部にフロントガラス受部15を備え、このフロントガラス受部15に、ホットメルトなどの液密に密着するゴム質の接着剤などのシール材16を介して、フロントガラス5が固定されている。
【0021】
一方、カウルトップパネル14は、後側部がダッシュパネル12に固着された底板部18と、この底板部18の前側部が前側上方に傾斜して立ち上げられた前板部19と、この前板部19の上端部が前側に略水平に延設された固定受部20と、を備えて構成されている。この固定受部20の上側には、エンジンルーム2からの熱気や臭気を遮蔽するために、カウルトップカバー11を介して弾性シール部材27が配置され、閉じた状態のボンネットフード3に液密に密着している。このシール部材27は、ゴム製あるいは熱可塑性エラストマー製で、カウルトップカバー11の前端上面に接着などして固定されている。
【0022】
カウル部6内には、ワイパー22のワイパーアーム23を駆動するモータなどが配置され、カウル部6の上部開口がカウルトップカバー11で覆われる。
【0023】
次にカウルトップカバー11についてより詳しく説明する。
【0024】
カウルトップカバー11は、カウルカバーなどとも呼ばれ、例えば、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリアミド系合成樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形して形成される。このカウルトップカバー11は、カウル部6に沿って車幅方向に延在する長尺な略板状に形成されている(図1参照)。このカウルトップカバー11は、断面形状で見ると図2に示すように、板状のカバー本体部31と、カバー本体部31の前端部に形成された平板状の固定部33と、カバー本体部31の後端部に形成されたガラス差込部40と、が一体に形成されている。
【0025】
カバー本体部31は、車両前後方向の略中央部分が車体外側すなわち上側に向かって突出するように湾曲されている。
【0026】
カバー本体部31の前端部の固定部33は、平板状に形成されている。固定部33には、略円形の孔部が形成されており、この孔部に挿通される図示せぬクリップなどの固定手段を用いて、固定部33がカウルトップパネル14に固定される。一方、カバー本体部31の後端部のガラス差込部40は、後側上方を開口した断面略コ字状に形成されており、フロントガラス5の下端部を挿入して支持するようになっている。このガラス差込部40は、カバー本体部31の後端部からそのまま延長形成されて面一に設けられた上側板部41と、この上側板部41の下側に略平行に設けられた下側板部42と、これら上側板部41と下側板部42との前端部同士(基端部同士)を連結する連結部44と、を備えて断面略コ字形状に形成されているおり、このコ字形形状が車幅方向に略一定に延在している。
【0027】
図5、6はガラス差込部40の拡大斜視図であり、図7は拡大断面図である。
【0028】
図5〜7に示すように、ガラス差込部40には、その長手方向(車幅方向)に沿って断続的に弾性片46が一体に設けられている。弾性片46は、下側板部42の先端(後端)からガラス差込部40の差込溝内に突設され、この弾性片46に対応して下側板部42には開口部48が設けられている。弾性片46は、当該差込溝内において下側板部42の先端42bから下側板部42の基端42a側に向けて突設されており、下側板部の先端42b側(当該弾性片46の基端46a側)から下側板部の基端42a側(当該弾性片46のの先端46b側)に向けて、下側板部42から除々に離間して上側板部41除々に近接するように傾斜している。この例では、弾性片46の先端46b側ほど傾斜が大きくなるように除々に湾曲している。
【0029】
この弾性片46は、下側板部42よりもばね定数が小さく設定され、これにより下側板部42よりも弾性変形しやすくなっている。
【0030】
このように形成されたカウルトップカバー11のガラス差込部40を、フロントガラス5の下端部に対して差し込むと、カウルトップカバー11のガラス差込部40にフロントガラス5の下端部が狭持されて支持される。このとき、上側板部41がフロントガラス5の上面に接触し、下側板部42の先端42bから突設された弾性片46がフロントガラス5の下面に接触することとなり、これら上側板部41と弾性片46との間にフロントガラス5が狭持される。この狭持構造では、弾性片46の弾性変形を利用できるため、フロントガラス5の差込量のばらつきを効率良く吸収できることとなる。なお、連結部44は複数のリブ50により弾性変形しないようになっているが、この連結部44から突設された下側板部42は若干ながら弾性変形する。
【0031】
以下、本実施形態の効果を列挙する。
【0032】
(1)本実施形態のカウルトップカバー11およびフロントガラス5の取付構造にあっては、カウルトップカバー11のガラス差込部40が、フロントガラス5の下端の表面側に当接する上側板部41と、フロントガラス5の下端の裏面側に位置する下側板部42と、これら上側板部41と下側板部42とを連結する連結部44と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部42の先端42b側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラス5の下端の裏面側に当接する弾性片46を備えて構成される。
【0033】
そのため、カウルトップカバー11のガラス差込部40を、フロントガラス5の下端部に対して差し込むと、上側板部41と弾性片46との間にフロントガラス5が狭持される。
【0034】
このとき、ガラス差込量の大小に関わらず弾性片46がフロントガラス5に弾接するため、ガラス差込量が小さいときにはガタが発生することを防止しつつガラス差込量が大きいときには応力が集中してしまうことを防止できる。つまり、本実施形態によれば、フロントガラス5の差込量に関わらず安定してフロントガラス5を支持できる。
【0035】
(2)また本実施形態によれば、下側板部42よりも弾性片46のばね定数が小さくなっているため、下側板部42と弾性片46のばね定数が同一である構造に比べて、フロントガラス5の差込量のバラツキ幅を大きくとれる。
【0036】
(3)また本実施形態によれば、下側板部42に車幅方向(差込板部の長手方向)に向けて間欠的に開口部48が設けられているため、開口部48が無い構造に比べて下側板部42の弾性変形も大きくすることができ、これによりさらにフロントガラス5の差込量が過大になったときには下側板部42も撓むことでフロントガラス5の下端部に応力が集中してしまうことをより確実に防止できる。
【0037】
(4)また本実施形態にあっては、弾性片46は、下側板部42に一体成形されている。そのため、部品点数を増すことなく、上記(1)〜(3)の効果が得られる。そのため、部品点数の増加を回避して、製造コストが嵩むことを回避できる。
【0038】
(5)また本実施形態にあっては弾性片46が、その基端46aから先端46b側に向けて徐々に上側板部41側に反り返るように湾曲形成されている。そのため、図7〜9に示すようにフロントガラス5の差込量(dA<dB<dC)が大きくなるほど、弾性片46の弾性変形量(XA<XB<XC)の増大するようになっており、これにより、弾性片46からの弾性復元力がフロントガラス5の差込量に関わらずほぼ一定となり、フロントガラス5の支持安定性が特に優れる。
【0039】
つまり、図10に示すシュミレーションモデルで考えると、図10に示すように平板状の弾性板90に一定の力を加えるとすると、力点(dA、dB、dC)が弾性板90の基端(支点)から遠いほど、弾性板90の弾性変形量(XA、XB、XC)が大きくなる。
【0040】
これに基づいて、本実施形態のようにフロントガラス5の差込量に関わらずに弾性片46の弾性復元力が一定となるようにするには、フロントガラス5との接触点が弾性片46の基端から近い位置(例えばdA)では弾性変形量が小さく、弾性片46の基端から遠い位置(例えばdC)では弾性変形量が大きくなるように、図10のシュミレーション結果によって得られた曲線CLに沿って弾性片46の湾曲形成すればよい。
【0041】
本実施形態では、上述の如く弾性片46を基端46aから先端46b側に向けて徐々に上側板部41側に反り返るように前記曲線CLに沿って湾曲形成したため、図7〜9に示すようにフロントガラス5の差込量(DA、DB、DC)が大きくなるほど弾性片46の弾性変形量(XA、XB、XC)の増大するようになっており、これにより、フロントガラス5の差込量に関わらず弾性片46の弾性復元力がほぼ一定で、フロントガラス5の支持安定性が特に優れる構造となっている。
【0042】
次にその他の実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
(第2実施形態)
図13〜15は第2実施形態を示すものである。
【0044】
上述の第1実施形態では弾性片46が下側板部42と一体形成されていたが、第2実施形態では弾性片67が下側板部42と別体で形成されている点で、異なっている。
【0045】
第2実施形態の弾性片67は、下側板部42に取付られるクリップ60に一体形成されている。クリップ60は、下側板部42に取付られて係止されるU字状の係止部61と、この係止部61から突設された弾性片67と、を一体に備えて構成されている。係止部61は、互いに対向配置された一対の平板状の狭持片61a、61bを備え、これら狭持片61a、61bが下側板部42の両面を狭持している。これら狭持片61a、61bには開口部63、65が開口しており、一方の狭持片61aの開口部65に対応する位置において上記弾性片67が突設されている。他方の狭持片61bは、下側板部42の下面から突設され当該狭持片61bに外周の輪郭に沿って形成された枠部42dと、同じく下側板部42の下面から突設され当該狭持片61bの開口部65の輪郭に沿って形成された爪部42cと、によって係止され、下側板部42から脱落しないようになっている。
【0046】
このような第2実施形態によれば、弾性片67が下側板部42とは別体で形成されているため、下側板部42をカウルトップカバー11と同様の材料としつつも弾性片67を弾性などの特性を自由に選択できる利点がある。また、弾性片67と下側板部42と別体で形成することで、既存のカウルトップカバー11を流用することも可能となる。
【0047】
なお、本発明は、上述の実施形態を用いて本発明を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定解釈されるものではない。
【0048】
例えば、上述の実施形態では、弾性片が車幅方向に向けて断続的に設けられているが、車幅方向全幅に設けられていてもよい。また、その他、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフロントガラスの取付構造を適用した自動車の斜視図。
【図2】図1中のIIーII断面図であって同フロントガラスの取付構造の拡大断面図。
【図3】同フロントガラスの取付構造に用いるカウルトップカバーの斜視図。
【図4】同カウルトップカバーのガラス差込部の拡大斜視図。
【図5】同カウルトップカバーのガラス差込部の拡大斜視図であって、図4とは異なる方向から見た図。
【図6】同ガラス差込部の拡大断面図。
【図7】同ガラス差込部に対して、ガラス差込量が小さい時の拡大断面図。
【図8】同ガラス差込部に対して、ガラス差込量が中程度の時の拡大断面図。
【図9】同ガラス差込部に対して、ガラス差込量が大きい時の拡大断面図。
【図10】同ガラス差込部の弾性片の湾曲形状を導き出すための平板状の弾性板を用いたシュミレーションを示す図。
【図11】図10のシュミレーションで得られた結果を示すグラフであって、弾性板に一定の力を作用させた際に、力点の位置dによる弾性変形量Xの変化を示すグラフ。
【図12】図10のシュミレーションで得られた結果を示すグラフであって、弾性板に加える力F、弾性変形量Xの関係をそれぞれの力点の位置A、B、C毎に示すグラフ。
【図13】第2実施形態のガラス差込部を示す拡大斜視図。
【図14】第2実施形態のガラス差込部を示す拡大斜視図であって、図13とは異なる方向からみた図。
【図15】第2実施形態のガラス差込部の拡大断面図。
【図16】従来のフロントガラスの取付構造を示す拡大断面図。
【図17】同フロントガラスの取付構造において、ガラス差込量のバラツキによる問題点を説明するための図。
【符号の説明】
【0050】
1…車体
5…フロントガラス
11…カウルトップカバー
31…カバー本体部
33…固定部
40…ガラス差込部
41…上側板部
42…下側板部
44…連結部
46…弾性片
67…弾性片
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウルトップカバーおよびフロントガラスの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントガラスとボンネットとの間には、これらの間を覆うカウルトップカバーが用いられている。このカウルトップカバーの後縁部には、車室前面のフロントガラスの下端部を差し込むガラス差込部が車幅方向略全幅に亘って形成されている。
【0003】
特許文献1に開示されるカウルトップカバーのガラス差込部140は、図16に示すように、第1の板部141と、第2の板部142と、これらを連結する連結部144と、により断面コ字状に形成され、フロントガラス105の下端部が差し込まれるようになっている。
【特許文献1】特開2005−238915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカウルトップカバーのガラス差込部140は、金型成形の都合(抜き勾配)により、ガラス差込部の開口端側に向けて第1の板部141と第2の板部142とが徐々に離間するように拡開している。そのため、フロントガラス105の下端部は、図16に示すように2点(C1、C2)で支持されるようになっている。
【0005】
このような構造では、フロントガラス105およびカウルトップカバー111の製品サイズのバラツキならびに取付位置のバラツキなどにより、図17に示すように、フロントガラス105の差込量が、基準となる差込位置P0よりも大きくなったり小さくなったりする。そのため、フロントガラス105の差込量が基準値P0よりも大きくなると(図17中のP1)、フロントガラス105とガラス差込部140との間に強干渉が発生し、フロントガラス105の下端部に応力が集中してしまう虞がある。または逆に、フロントガラス105の差込量が基準値P0よりも小さくなると(図17中のP2)、フロントガラス105とガラス差込部140との間にスキマが発生し、ビビリ音の発生や異物進入の虞がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術に着目してなされたものであり、フロントガラスの差込量に関わらず安定してフロントガラスの下端部を支持できるカウルトップカバーおよびフロントガラスの取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ガラス差込部を備えるカウルトップカバーであって、前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラスの下端の裏面側に当接する弾性片を備えて構成されることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカウルトップカバーであって、前記下側板部よりも前記弾性片のばね定数が小さいことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、前記弾性片は、前記下側板部に一体成形されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、前記弾性片は、前記下側板部とは別体で形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、フロントガラスの取付構造であって、ガラス差込部を有するカウルトップカバーを備え、前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出しフロントガラス裏面側に当接する弾性片を備えて構成され、前記ガラス差込部の上側板部と弾性片との間に前記フロントガラスの下端が狭持されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ガラス差込量が小さいときも大きいときも弾性片がフロントガラスに弾接するため、ガラス差込量が小さいときにガタが発生することを防止しつつガラス差込量が大きいときにフロントガラスに応力が集中してしまうことを防止できる。つまり、フロントガラスの差込量に関わらず安定してフロントガラスを支持できる。
【0013】
請求項2によれば、下側板部よりも弾性片のばね定数が小さいため、下側板部と弾性片のばね定数が同一である構造に比べて、フロントガラスの差込量のバラツキ幅を大きくとれる。
【0014】
請求項3によれば、弾性片が下側板部に一体成形されているため、部品点数が低減し、製造コストを低減できる。
【0015】
請求項4によれば、弾性片が下側板部とは別体で形成されているため、弾性片を弾性に優れる材料で形成でき、さらにフロントガラスの支持安定性を向上させることができる。
【0016】
請求項5によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0018】
(第1実施形態)
まず図1〜図12に基づいて本発明の第1実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前後、上下、及び両側などの方向に付いては、車両進行方向を基準として説明する。
【0019】
図1、2に示すように、自動車の車体1には、エンジンルーム2を覆うボンネットフード3と、車室4の前面のフロントガラス5と、の間にカウル部6が設けられている。このカウル部6は、エアボックスとも呼ばれるもので、図2に示すようにダッシュパネル12とカウルトップパネル14とに接合して構成され、上側に開口した樋状に形成されている。
【0020】
ダッシュパネル12は、その上側部にフロントガラス受部15を備え、このフロントガラス受部15に、ホットメルトなどの液密に密着するゴム質の接着剤などのシール材16を介して、フロントガラス5が固定されている。
【0021】
一方、カウルトップパネル14は、後側部がダッシュパネル12に固着された底板部18と、この底板部18の前側部が前側上方に傾斜して立ち上げられた前板部19と、この前板部19の上端部が前側に略水平に延設された固定受部20と、を備えて構成されている。この固定受部20の上側には、エンジンルーム2からの熱気や臭気を遮蔽するために、カウルトップカバー11を介して弾性シール部材27が配置され、閉じた状態のボンネットフード3に液密に密着している。このシール部材27は、ゴム製あるいは熱可塑性エラストマー製で、カウルトップカバー11の前端上面に接着などして固定されている。
【0022】
カウル部6内には、ワイパー22のワイパーアーム23を駆動するモータなどが配置され、カウル部6の上部開口がカウルトップカバー11で覆われる。
【0023】
次にカウルトップカバー11についてより詳しく説明する。
【0024】
カウルトップカバー11は、カウルカバーなどとも呼ばれ、例えば、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリアミド系合成樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形して形成される。このカウルトップカバー11は、カウル部6に沿って車幅方向に延在する長尺な略板状に形成されている(図1参照)。このカウルトップカバー11は、断面形状で見ると図2に示すように、板状のカバー本体部31と、カバー本体部31の前端部に形成された平板状の固定部33と、カバー本体部31の後端部に形成されたガラス差込部40と、が一体に形成されている。
【0025】
カバー本体部31は、車両前後方向の略中央部分が車体外側すなわち上側に向かって突出するように湾曲されている。
【0026】
カバー本体部31の前端部の固定部33は、平板状に形成されている。固定部33には、略円形の孔部が形成されており、この孔部に挿通される図示せぬクリップなどの固定手段を用いて、固定部33がカウルトップパネル14に固定される。一方、カバー本体部31の後端部のガラス差込部40は、後側上方を開口した断面略コ字状に形成されており、フロントガラス5の下端部を挿入して支持するようになっている。このガラス差込部40は、カバー本体部31の後端部からそのまま延長形成されて面一に設けられた上側板部41と、この上側板部41の下側に略平行に設けられた下側板部42と、これら上側板部41と下側板部42との前端部同士(基端部同士)を連結する連結部44と、を備えて断面略コ字形状に形成されているおり、このコ字形形状が車幅方向に略一定に延在している。
【0027】
図5、6はガラス差込部40の拡大斜視図であり、図7は拡大断面図である。
【0028】
図5〜7に示すように、ガラス差込部40には、その長手方向(車幅方向)に沿って断続的に弾性片46が一体に設けられている。弾性片46は、下側板部42の先端(後端)からガラス差込部40の差込溝内に突設され、この弾性片46に対応して下側板部42には開口部48が設けられている。弾性片46は、当該差込溝内において下側板部42の先端42bから下側板部42の基端42a側に向けて突設されており、下側板部の先端42b側(当該弾性片46の基端46a側)から下側板部の基端42a側(当該弾性片46のの先端46b側)に向けて、下側板部42から除々に離間して上側板部41除々に近接するように傾斜している。この例では、弾性片46の先端46b側ほど傾斜が大きくなるように除々に湾曲している。
【0029】
この弾性片46は、下側板部42よりもばね定数が小さく設定され、これにより下側板部42よりも弾性変形しやすくなっている。
【0030】
このように形成されたカウルトップカバー11のガラス差込部40を、フロントガラス5の下端部に対して差し込むと、カウルトップカバー11のガラス差込部40にフロントガラス5の下端部が狭持されて支持される。このとき、上側板部41がフロントガラス5の上面に接触し、下側板部42の先端42bから突設された弾性片46がフロントガラス5の下面に接触することとなり、これら上側板部41と弾性片46との間にフロントガラス5が狭持される。この狭持構造では、弾性片46の弾性変形を利用できるため、フロントガラス5の差込量のばらつきを効率良く吸収できることとなる。なお、連結部44は複数のリブ50により弾性変形しないようになっているが、この連結部44から突設された下側板部42は若干ながら弾性変形する。
【0031】
以下、本実施形態の効果を列挙する。
【0032】
(1)本実施形態のカウルトップカバー11およびフロントガラス5の取付構造にあっては、カウルトップカバー11のガラス差込部40が、フロントガラス5の下端の表面側に当接する上側板部41と、フロントガラス5の下端の裏面側に位置する下側板部42と、これら上側板部41と下側板部42とを連結する連結部44と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部42の先端42b側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラス5の下端の裏面側に当接する弾性片46を備えて構成される。
【0033】
そのため、カウルトップカバー11のガラス差込部40を、フロントガラス5の下端部に対して差し込むと、上側板部41と弾性片46との間にフロントガラス5が狭持される。
【0034】
このとき、ガラス差込量の大小に関わらず弾性片46がフロントガラス5に弾接するため、ガラス差込量が小さいときにはガタが発生することを防止しつつガラス差込量が大きいときには応力が集中してしまうことを防止できる。つまり、本実施形態によれば、フロントガラス5の差込量に関わらず安定してフロントガラス5を支持できる。
【0035】
(2)また本実施形態によれば、下側板部42よりも弾性片46のばね定数が小さくなっているため、下側板部42と弾性片46のばね定数が同一である構造に比べて、フロントガラス5の差込量のバラツキ幅を大きくとれる。
【0036】
(3)また本実施形態によれば、下側板部42に車幅方向(差込板部の長手方向)に向けて間欠的に開口部48が設けられているため、開口部48が無い構造に比べて下側板部42の弾性変形も大きくすることができ、これによりさらにフロントガラス5の差込量が過大になったときには下側板部42も撓むことでフロントガラス5の下端部に応力が集中してしまうことをより確実に防止できる。
【0037】
(4)また本実施形態にあっては、弾性片46は、下側板部42に一体成形されている。そのため、部品点数を増すことなく、上記(1)〜(3)の効果が得られる。そのため、部品点数の増加を回避して、製造コストが嵩むことを回避できる。
【0038】
(5)また本実施形態にあっては弾性片46が、その基端46aから先端46b側に向けて徐々に上側板部41側に反り返るように湾曲形成されている。そのため、図7〜9に示すようにフロントガラス5の差込量(dA<dB<dC)が大きくなるほど、弾性片46の弾性変形量(XA<XB<XC)の増大するようになっており、これにより、弾性片46からの弾性復元力がフロントガラス5の差込量に関わらずほぼ一定となり、フロントガラス5の支持安定性が特に優れる。
【0039】
つまり、図10に示すシュミレーションモデルで考えると、図10に示すように平板状の弾性板90に一定の力を加えるとすると、力点(dA、dB、dC)が弾性板90の基端(支点)から遠いほど、弾性板90の弾性変形量(XA、XB、XC)が大きくなる。
【0040】
これに基づいて、本実施形態のようにフロントガラス5の差込量に関わらずに弾性片46の弾性復元力が一定となるようにするには、フロントガラス5との接触点が弾性片46の基端から近い位置(例えばdA)では弾性変形量が小さく、弾性片46の基端から遠い位置(例えばdC)では弾性変形量が大きくなるように、図10のシュミレーション結果によって得られた曲線CLに沿って弾性片46の湾曲形成すればよい。
【0041】
本実施形態では、上述の如く弾性片46を基端46aから先端46b側に向けて徐々に上側板部41側に反り返るように前記曲線CLに沿って湾曲形成したため、図7〜9に示すようにフロントガラス5の差込量(DA、DB、DC)が大きくなるほど弾性片46の弾性変形量(XA、XB、XC)の増大するようになっており、これにより、フロントガラス5の差込量に関わらず弾性片46の弾性復元力がほぼ一定で、フロントガラス5の支持安定性が特に優れる構造となっている。
【0042】
次にその他の実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と同様の構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0043】
(第2実施形態)
図13〜15は第2実施形態を示すものである。
【0044】
上述の第1実施形態では弾性片46が下側板部42と一体形成されていたが、第2実施形態では弾性片67が下側板部42と別体で形成されている点で、異なっている。
【0045】
第2実施形態の弾性片67は、下側板部42に取付られるクリップ60に一体形成されている。クリップ60は、下側板部42に取付られて係止されるU字状の係止部61と、この係止部61から突設された弾性片67と、を一体に備えて構成されている。係止部61は、互いに対向配置された一対の平板状の狭持片61a、61bを備え、これら狭持片61a、61bが下側板部42の両面を狭持している。これら狭持片61a、61bには開口部63、65が開口しており、一方の狭持片61aの開口部65に対応する位置において上記弾性片67が突設されている。他方の狭持片61bは、下側板部42の下面から突設され当該狭持片61bに外周の輪郭に沿って形成された枠部42dと、同じく下側板部42の下面から突設され当該狭持片61bの開口部65の輪郭に沿って形成された爪部42cと、によって係止され、下側板部42から脱落しないようになっている。
【0046】
このような第2実施形態によれば、弾性片67が下側板部42とは別体で形成されているため、下側板部42をカウルトップカバー11と同様の材料としつつも弾性片67を弾性などの特性を自由に選択できる利点がある。また、弾性片67と下側板部42と別体で形成することで、既存のカウルトップカバー11を流用することも可能となる。
【0047】
なお、本発明は、上述の実施形態を用いて本発明を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定解釈されるものではない。
【0048】
例えば、上述の実施形態では、弾性片が車幅方向に向けて断続的に設けられているが、車幅方向全幅に設けられていてもよい。また、その他、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフロントガラスの取付構造を適用した自動車の斜視図。
【図2】図1中のIIーII断面図であって同フロントガラスの取付構造の拡大断面図。
【図3】同フロントガラスの取付構造に用いるカウルトップカバーの斜視図。
【図4】同カウルトップカバーのガラス差込部の拡大斜視図。
【図5】同カウルトップカバーのガラス差込部の拡大斜視図であって、図4とは異なる方向から見た図。
【図6】同ガラス差込部の拡大断面図。
【図7】同ガラス差込部に対して、ガラス差込量が小さい時の拡大断面図。
【図8】同ガラス差込部に対して、ガラス差込量が中程度の時の拡大断面図。
【図9】同ガラス差込部に対して、ガラス差込量が大きい時の拡大断面図。
【図10】同ガラス差込部の弾性片の湾曲形状を導き出すための平板状の弾性板を用いたシュミレーションを示す図。
【図11】図10のシュミレーションで得られた結果を示すグラフであって、弾性板に一定の力を作用させた際に、力点の位置dによる弾性変形量Xの変化を示すグラフ。
【図12】図10のシュミレーションで得られた結果を示すグラフであって、弾性板に加える力F、弾性変形量Xの関係をそれぞれの力点の位置A、B、C毎に示すグラフ。
【図13】第2実施形態のガラス差込部を示す拡大斜視図。
【図14】第2実施形態のガラス差込部を示す拡大斜視図であって、図13とは異なる方向からみた図。
【図15】第2実施形態のガラス差込部の拡大断面図。
【図16】従来のフロントガラスの取付構造を示す拡大断面図。
【図17】同フロントガラスの取付構造において、ガラス差込量のバラツキによる問題点を説明するための図。
【符号の説明】
【0050】
1…車体
5…フロントガラス
11…カウルトップカバー
31…カバー本体部
33…固定部
40…ガラス差込部
41…上側板部
42…下側板部
44…連結部
46…弾性片
67…弾性片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス差込部を備えるカウルトップカバーであって、
前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラスの下端の裏面側に当接する弾性片を備えて構成されることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のカウルトップカバーであって、
前記下側板部よりも前記弾性片のばね定数が小さいことを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、
前記弾性片は、前記下側板部に一体成形されていることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項4】
請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、
前記弾性片は、前記下側板部とは別体で形成されていることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項5】
フロントガラスの取付構造であって、
ガラス差込部を有するカウルトップカバーを備え、
前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出しフロントガラス裏面側に当接する弾性片を備えて構成され、
前記ガラス差込部の上側板部と弾性片との間に前記フロントガラスの下端が狭持されることを特徴とするフロントガラスの取付構造。
【請求項1】
ガラス差込部を備えるカウルトップカバーであって、
前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出して前記フロントガラスの下端の裏面側に当接する弾性片を備えて構成されることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のカウルトップカバーであって、
前記下側板部よりも前記弾性片のばね定数が小さいことを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、
前記弾性片は、前記下側板部に一体成形されていることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項4】
請求項1または2に記載のカウルトップカバーであって、
前記弾性片は、前記下側板部とは別体で形成されていることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項5】
フロントガラスの取付構造であって、
ガラス差込部を有するカウルトップカバーを備え、
前記ガラス差込部は、フロントガラスの下端の表面側に当接する上側板部と、フロントガラスの下端の裏面側に位置する下側板部と、これら上側板部と下側板部とを連結する連結部と、を有して略断面コ字状に形成されるとともに、前記下側板部の先端側から前記ガラス差込部内に突出しフロントガラス裏面側に当接する弾性片を備えて構成され、
前記ガラス差込部の上側板部と弾性片との間に前記フロントガラスの下端が狭持されることを特徴とするフロントガラスの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−83593(P2009−83593A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254047(P2007−254047)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
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