説明

カウルトップカバー及び非乗員保護装置

【課題】カウルトップカバーにより、歩行者保護装置のアクチュエータを覆う。
【解決手段】エアボックス7に、歩行者保護装置11のアクチュエータ10を配置する。アクチュエータ10により、フード3の後側部を持ち上げて、フード3の変形ストロークを確保する。エアボックス7を覆うカウルトップカバー8に、アクチュエータ10を覆うカバー部41を設ける。カバー部41には、複数の扉部44と、ヒンジ部48とを設ける。カバー部41は、全体として、上側に曲面状に膨出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者などの非乗員と車両との衝突が避けられない場合に、衝突した非乗員の保護を図る非乗員保護装置に用いられるカウルトップカバー及び非乗員保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中の車両が歩行者に衝突した際に、フードの後端部を持ち上げて、フードの変形ストロークを確保し、はね上げられた歩行者がフード上に倒れ込み、この歩行者の頭部などがフードの上面に二次衝突した場合の衝撃の緩和を図った歩行者保護装置が知られている。
【0003】
そして、このような歩行者保護装置について、車体前部のフードの後端下方でフロントガラスの下端より前側に位置するエアボックス内にアクチュエータを備えた構成が知られている。この構成では、車両が歩行者に衝突したことを検出すると、アクチュエータは、ガス圧によりピストンを押し上げ、フードをはね上げるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−348716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアボックスは、室内に外気を取り入れる溝状の部分であり、上側はカウルトップカバーにより覆われている。そこで、エアボックスにアクチュエータを配置し、カウルトップカバーにアクチュエータのピストンが挿通する開口を設けると、この開口からエアボックスに落ち葉やごみなどの異物が侵入しやすくなる問題を有している。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、非乗員保護装置に対応可能であるとともにエアボックスへの異物の侵入を防止可能なカウルトップカバー及び非乗員保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のカウルトップカバーは、車両の前部に設けられた変形可能なフードとこのフードの後方に位置するウインドシールドとの間のエアボックス及びこのエアボックスに配置され前記フードを押動可能な押動部を備えたアクチュエータを覆うカウルトップカバーであって、前記アクチュエータに対向し、常時は前記押動部を覆う扉部と、前記押動部の移動時には屈曲可能に前記扉部を隣接する部分に連結するヒンジ部とを具備したものである。
【0007】
そして、この構成では、カウルトップカバーにより、エアボックス及びこのエアボックスに配置されたアクチュエータが覆われる。車両が非乗員と衝突などしてアクチュエータが動作すると、アクチュエータの押動部が移動し、ヒンジ部を支点として扉部を回動させ、さらに、フードを押動して持ち上げる。常時は、扉部によりアクチュエータの押動部が覆われ、エアボックスへの異物の侵入が抑制されるとともに、外観が向上する。
【0008】
請求項2記載のカウルトップカバーは、請求項1記載のカウルトップカバーにおいて、扉部を常時はこの扉部に隣接する部分に連結して支持するとともに前記押動部の移動時には破断して前記扉部を解放する支持部を具備したものである。
【0009】
そして、この構成では、単数あるいは複数の扉部を支持部を介して周囲の部分に連結し、あるいは、複数の扉部を支持部を介して互いに連結することより、常時の扉部の位置及び形状が維持される。押動部の移動時には破断して扉部を解放し、押動部の円滑な移動が可能になる。
【0010】
請求項3記載のカウルトップカバーは、請求項1または2記載のカウルトップカバーにおいて、扉部は、フード側に向かって膨出するものである。
【0011】
そして、この構成では、外観が向上するとともに、扉部の形状安定性が向上する。
【0012】
請求項4記載のカウルトップカバーは、請求項1ないし3いずれか一記載のカウルトップカバーにおいて、扉部は、押動部の正面側の所定点を中心とし、この所定点を囲んで複数配置されたものである。
【0013】
そして、この構成では、押動部の移動時に、扉部が迅速に移動可能となる。
【0014】
請求項5記載のカウルトップカバーは、請求項1ないし4いずれか一記載のカウルトップカバーにおいて、ヒンジ部は、弾性変形可能な部材にて形成され、曲面板状をなすヒンジ基板部と、このヒンジ基板部の一部を他の部分より変形容易にして形成された面状の変形部とを具備したものである。
【0015】
そして、この構成では、アクチュエータの押動部が移動し、ヒンジ部を支点として扉部が所定の範囲を超えて回動すると、曲面板状の部分に面状の変形部を設けたヒンジ部に開き方向の力が発生し、扉部が開いた状態が維持されるため、アクチュエータの押動部の移動が円滑になる。
【0016】
請求項6記載のカウルトップカバーは、車両の前部に設けられた変形可能なフードとこのフードの後方に位置するウインドシールドとの間に配置され、前記フードを押動可能な押動部を備えたアクチュエータを覆うカウルトップカバーであって、前記アクチュエータに対向してこのアクチュエータの押動部を覆い、この押動部の移動時には、この押動部に係合保持された状態で、カウルトップカバーの他の部分から破断されて前記押動部とともに移動する扉部を具備したものである。
【0017】
そして、この構成では、カウルトップカバーにより、エアボックス及びアクチュエータが覆われる。車両が非乗員と衝突などしてアクチュエータが動作すると、アクチュエータの押動部がカウルトップカバーを破断して扉部とともに移動し、さらに、フードを押動して持ち上げる。常時は、扉部によりアクチュエータの押動部が覆われ、アクチュエータ付近への異物の侵入が抑制されるとともに、外観が向上する。アクチュエータの作動時には、扉部はカウルトップカバーの他の部分から破断されるが、押動部に係合保持され飛散しない。
【0018】
請求項7記載の非乗員保護装置は、車両の前部に設けられた変形可能なフードと、このフードの後側下方に位置するエアボックスと、このエアボックスに配置され前記フードを押動可能な押動部を備えたアクチュエータと、非乗員との衝突を検出して前記アクチュエータを動作させる制御手段と、前記エアボックス及び前記アクチュエータを覆う請求項1ないし6いずれか一記載のカウルトップカバーとを具備しているものである。
【0019】
そして、この構成では、制御手段が非乗員と車両との衝突を検出すると、すなわち、車両に非乗員が実際に衝突した衝撃を検出しあるいは車両と非乗員との不可避の衝突を予測すると、アクチュエータを動作させ、このアクチュエータの押動部がフードを押動して上方に移動させる。車両の前部に衝突しはね上げられた非乗員がさらにフードに衝突した際に、フードの変形に要する空間が確保され、衝撃吸収特性が向上する。請求項1ないし5いずれか一記載のカウルトップカバーを具備したため、常時は、扉部によりアクチュエータの押動部が覆われ、エアボックスへの異物の侵入が抑制されるとともに、外観が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カウルトップカバーにより、エアボックス及びこのエアボックスに配置されたアクチュエータが覆われ、常時は、扉部によりアクチュエータの押動部を覆い、エアボックスへの異物の侵入を抑制できるとともに、外観を向上できる。一方、車両が非乗員と衝突などしてアクチュエータが動作すると、アクチュエータの押動部が扉部をヒンジ部を支点として回動させながら移動し、さらに、フードを押動して持ち上げることができる。
【0021】
また、本発明によれば、カウルトップカバーにより、エアボックス及びアクチュエータが覆われ、常時は、扉部によりアクチュエータの押動部が覆われ、アクチュエータ付近への異物の侵入を抑制できるとともに、外観を向上できる。また、アクチュエータの作動時には、扉部はカウルトップカバーの他の部分から破断されるが、押動部に係合保持して飛散を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のカウルトップカバー及び非乗員保護装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1ないし図5において、1は車両である自動車の車体で、この車体1には、前部のエンジンルーム2を覆うフード3と、エンジンルーム2の後方に位置する車室4を覆うウインドシールドとしてのフロントガラス5と、これらエンジンルーム2と車室4すなわちフロントガラス5の下端部との間のエアボックス7を覆うカウルトップカバー8となどが取り付けられているとともに、フード3の後端下方などに位置して、図示しない制御装置及び両側一対のアクチュエータ10を備えた非乗員保護装置である歩行者保護装置11が備えられている。なお、以下、前方(矢印F方向)、上方(矢印U方向)、及び車幅方向である両側方向(矢印W方向)などの方向は、車体1の直進方向を基準として説明する。
【0024】
そして、フード3は、ボンネットフードあるいはフロントフードなどとも呼ばれるもので、車体1の前部に設けられ、1枚あるいは複数枚の金属板などから形成されているとともに、いわゆる歩行者傷害軽減ボディを構成し、歩行者が衝突した際に、容易に変形して衝撃を吸収するようになっている。また、このフード3は、前端部近傍に設けた図示しないロック機構と、後端部近傍の両側部に設けたヒンジ機構である一対のフードヒンジ12とにより車体1の他の部分に連結されている。そして、ロック機構は、フード3と下方の車体1側とを係脱可能かつ回動可能に係合保持する図示しない係合機構を備えている。また、フードヒンジ12は、フード3の後端部近傍の両側部に設けられ、エンジンルーム2の両側方の車体1にそれぞれ固定された車体側固定部13と、フード3の下面の両側部にそれぞれ固定されたフード側固定部14と、これら車体側固定部13とフード側固定部14とをそれぞれ連結するリンク15とを備えている。そして、リンク15は、一端部を車体側固定部13に回動可能に連結されるとともに、他端部をフード側固定部14に回動可能に連結されている。そこで、通常のフード3の開閉時には、ロック機構のロックを解除することにより、フード3はフードヒンジ12のリンク15の一方が支点すなわち回転軸となって開閉可能となり、フード3の前端部が上方に回動して、エンジンルーム2の点検などが可能となる。一方、図2及び図3に示すように、歩行者保護装置11が作動してフード3の後端部に上方に向かう力が加わった際は、ロック機構によりフード3の前側部は回動が許容されるとともに、各フードヒンジ12によりフード3の後側部は、リンク15の一端及び他端の軸部が回動し、所定の寸法だけ上方への移動が許容されるようになっている。
【0025】
さらに、このフード3には、両側一対のキャッチ装置16が設けられている。これらキャッチ装置16は、図1、図4、及び図5に示すように、アクチュエータ10の上方に対向してフード側固定部14に取り付けられ、下面に開口部17aを設けた筐体17と、この筐体17に収納された係止機構18とを備えている。
【0026】
また、フロントガラス5は、両側部がピラー部としてのAピラー19により支持されているとともに、前端部近傍の下面が、シール部20を介して車体1の車体パネルを構成するカウルトップパネル21により支持されている。
【0027】
さらに、エアボックス7は、カウル部などとも呼ばれるもので、フード3の後端部付近に車幅方向を長手方向とし、カウルトップパネル21とこのカウルトップパネル21の前方に位置する車体パネル22との間に上側を開口した箱状あるいは樋状に設けられ、この開口を覆ってカウルトップカバー8が取り付けられている。そして、このエアボックス7に、ワイパー23を駆動するモータなどが配置されているとともに、図示しない空調装置の空気取入部などが接続されている。
【0028】
そして、歩行者保護装置11のアクチュエータ10は、いわゆるボンネット跳ね上げ装置であり、エアボックス7内の車幅方向の両端部近傍に配置され、アクチュエータ本体25と、このアクチュエータ本体25の上側に位置する押動部26とを備えている。そして、アクチュエータ本体25には、薬剤と、この薬剤に点火する点火器などが収納されている。また、押動部26は、ロッド部26aと、このロッド部26aの上端部に位置する円板状の係止受け部26bとを備えている。そこで、制御装置からの信号により、点火器が薬剤に点火し、ガスを発生させることにより、このガスの圧力で押動部26を瞬時に上方に移動させることができるようになっている。なお、この実施の形態では、アクチュエータ本体25は、複数の円筒状の部材を組み合わせ、アクチュエータ本体25自体が伸張するように構成されているが、アクチュエータ本体25の長さを一定とし、このアクチュエータ本体25からロッド部26aを突出させる構成とすることもできる。また、このアクチュエータ10は、鉛直方向に対して若干傾斜した方向に押動部26を移動させるものであるが、以下の説明では、基本的に、この押動部26の移動方向に沿って、上下方向を説明する。
【0029】
また、制御装置は、CPUなどを備えるとともに、検出手段である複数のセンサを備え、歩行者などの非乗員と車体1との衝突を検出し、すなわち、実際の衝突の衝撃を検出し、あるいは、不可避の衝突を判別して、各アクチュエータ10を作動させるようになっている。
【0030】
また、カウルトップカバー8は、フロントガラス5の下端部からエンジンルーム2に向かって配置され、カウルトップ周辺カバーなどとも呼ばれるもので、若干弾性的に変形可能な合成樹脂にて形成され、エアボックス7の開口を覆うカバー本体部31を備え、このカバー本体部31に、外気を導入可能なメッシュ部32及びワイパー23の軸が挿通する通孔などが形成されている。そして、カウルトップカバー8の後端部には、フロントガラス5に嵌合して支持される嵌合部34が設けられているとともに、前側部には車体パネル22に支持される支持受け部35が設けられている。さらに、カウルトップカバー8の前端部の上部には、フード3を閉じた状態でフード3の下面に密着する弾性変形可能なフードシール37が貼着などして取り付けられている。
【0031】
そして、このカウルトップカバー8の車幅方向の両側の端部近傍に、各アクチュエータ10の上方に位置して、各アクチュエータ10を覆うカバー部41がカバー本体部31と一体に形成されている。そして、このカバー部41は、図1、図4ないし図8に示すように、カバー本体部31の他の部分より若干高い位置に形成された台部42を備え、この台部42に、単数あるいは複数、本実施の形態では5個の扉部44が形成されている。そして、各扉部44は、それぞれ平面視で扇状をなし、全体として平面視で円形状でフード3すなわち上側に向かって曲面状をなして膨出し、所定点である中心点Oを囲んで配置されている。そして、この中心点Oは、アクチュエータ10の押動部26の中心点の移動方向の軸上に位置を合わせて配置されている。より詳細には、各扉部44は、中心点O側が平面状で、外周側が曲面状に形成されている。さらに、各扉部44同士は、スリットあるいは扉部44よりも薄肉で脆弱な破断予定線などにて構成されるテアライン46により区画されている。そして、本実施の形態では、テアライン46は、スリットとして、中心点Oから径方向に放射状に形成される径方向部46aを備えるとともに、これら径方向部46aの外周側の端部から、周方向に向かって所定の寸法だけ延設された周方向部46bを備え、さらに、これら周方向部46bの端部から、径方向に向かって所定の寸法だけ延設された端末部46cを備えている。
【0032】
そして、このように形成されたテアライン46の端末部46c同士の間に、それぞれヒンジ部48が設定されている。そして、図6ないし図8に示すように、これらヒンジ部48が形成される部分は、扉部44の根本付近の曲面状をなすヒンジ基板部49であり、アクチュエータ10の押動部26の移動方向から見てこの押動部26より外周側に外れた位置であって、このヒンジ基板部49に、端末部46c同士をつなぐようにして、変形部としての薄肉部50が所定の面積を有する面状に形成されている。この薄肉部50は、裏面側すなわち下面側を切削などして凹設し、周辺の板厚に対し厚さ寸法が二分の一以下で他の部分より容易に変形可能に設定されている。さらに、各ヒンジ部48の薄肉部50の平面形状は、端末部46cから離間するにつれて、扉部44の径方向に沿った方向である幅寸法が小さくなり、すなわち扉部44の幅方向の中央部分でくびれた形状に形成されている。
【0033】
次に、この歩行者保護装置11の動作を説明する。
【0034】
図2に示すように、制御装置が走行中の自動車の車体1の前部と歩行者との衝突を検出すると、すなわち、センサが実際の正面付近での衝突の衝撃を検出し、あるいは、車両の進行速度と歩行者との距離から演算して衝突が避けられない状態であることを判別すると、制御装置は、信号すなわち電力を供給して、各アクチュエータ10を瞬時に作動させる。すると、各アクチュエータ10は、図4に示す状態から、軸方向に進展を開始し、各扉部44の下面の、ヒンジ部48より中心点O側の領域に、先端部の押動部26が接触する。そして、各アクチュエータ10がさらに伸びると、各扉部44はヒンジ部48の薄肉部50を軸として上方に回動して開きはじめ、所定の位置まで回動すると、後述するように開いた状態で固定される。そして、各アクチュエータ10の押動部26は、各扉部44が開いた開口部から、カウルトップカバー8のカバー部41を貫通し、さらに、押動部26がフード3のキャッチ装置16に受け止められ、すなわち、押動部26の係止受け部26bがフード3のキャッチ装置16の係止機構18に係止される。そして、各アクチュエータ10が、フード3の前側部のロック機構を支点としてフード3を跳ね上げるように回動させ、最終的には、図3及び図5に示すように、フード3の後側部を所定の高さまで押し上げる。
【0035】
この状態で、はね上げられるなどした歩行者がフード3に衝突すると、フード3は十分なストロークを持って変形し、歩行者の衝突エネルギーを金属製のフード3を下方に押しつぶすことで吸収する。このようにして、歩行者保護装置11は、所定の衝撃吸収特性を発揮し、歩行者に対する衝撃を緩和し、歩行者を保護するようになっている。
【0036】
次に、扉部44が開いた位置に固定される動作を説明する。
【0037】
図9は、図8中のヒンジ部48の中央部を示すII−II断面(B)とヒンジ部48の端部付近を示すIII−III断面(C)とを重ねて示した説明図であり、さらに、扉部44の通常時の位置(44a)と作動時の位置(44b)との両方の状態を重ねて示している。また、図10は、図9の薄肉部50付近を拡大した図である。
【0038】
まず、扉部44を設けたカバー部41は、カウルトップカバー8と合成樹脂により一体に形成されており、若干弾性的に変形可能な特性を有している。
【0039】
そして、扉部44が通常時の位置(44a)にあるとき、曲面状に形成されたヒンジ部48の薄肉部50は、容易には変形せず、扉部44の位置を保持する。
【0040】
ここで、扉部44が通常時の位置(44a)にあるとき、下方から上方に向かって押し上げる力が加わると、扉部44の中央部(II−II断面(B))は、薄肉に形成した薄肉部50の中央部の点S1を中心軸として、上方に回動を開始する。同時に、扉部44の両側の端部近傍(III−III断面(C))は、点S1を中心軸として、中心点O側の点S2が軌跡T1を描くように上方に回動を開始する。ここで、扉部44の中央部(II−II断面(B))は、通常時の位置(44a)と作動時の位置(44b)に至るまで、薄肉部50を折り曲げる力以外の抵抗は発生しないが、扉部44の両側の端部近傍(III−III断面(C))では、中心点O側の点S2の軌跡が、外周側の点S3を中心軸とした軌跡T2に対し、より外側に位置する軌跡T1を描くため、扉部44の両側の端部近傍(III−III断面(C))の薄肉部50が、軌跡T1と軌跡T2との臨界線O1を通過する瞬間には、差α分だけ弾性的に引き伸ばされる抵抗が生じる。そこで、扉部44が下側から押し上げられこの臨界線O1を通過すると、薄肉部50には元の長さに収縮しようとする力が生じ、点S3と点S2との間の長さ寸法が通常時と同じ長さ寸法になるまで、薄肉部50が収縮しながら自力で扉部44を上方に回動させ、これら点S3と点S2との間の長さ寸法が通常時と同じ長さ寸法になった位置で回動が止まり固定される。すなわち、このように一旦開いた状態になると、扉部44を閉じようとする力に対しては開く方向に力が生じ、閉じる方向に向かって臨界線O1を通過するまで負荷を加えない限り、扉部44が閉じないようになっている。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、カウルトップカバー8の扉部44により、エアボックス7及びこのエアボックス7に配置されたアクチュエータ10の押動部26を覆い、室内に外気を導入するエアボックス7やアクチュエータ10付近への異物の侵入を抑制できるとともに、フード3を開いた状態でも、アクチュエータ10が外部に露出せず、外観を向上できる。すなわち、エアボックス7に接続された送風機への枯葉などの異物の吸い込みを防止して空調装置を保護できるとともに、車体の整備の際にも、アクチュエータ10に不意にさわることを防止できる。一方、車両が歩行者などと衝突などしてアクチュエータ10が作動した際には、アクチュエータ10の押動部26が上昇して扉部44をヒンジ部48を支点として回動させ、さらに、フード3を押動して持ち上げ、歩行者保護装置11としての機能を奏することができる。
【0042】
このようにして、アクチュエータ10の押動部26を貫通させる機能を損なうことなく、見栄えを向上するカバーリングを行うことができる。
【0043】
また、アクチュエータ10を独立した区画に配置するように、エアボックス7を仕切る構成に比べて、エアボックス7の空間を広く確保でき、外気導入口となるメッシュ部32を配置する自由度を向上でき、被水によりダメージを受ける電送部品や空調機器の配置の自由度を向上できる。
【0044】
また、この実施の形態では、扉部44は、アクチュエータ10の作動時に所定の位置まで回動し、再び閉じないように位置が保持されるため、アクチュエータ10の作動後の扉部44の位置を設計段階で設定できる。そこで、アクチュエータ10と扉部44とを非接触状態とし、扉部44によるアクチュエータ10への干渉を抑制して、歩行者保護装置11の動作の確実性を向上できる。
【0045】
さらに、アクチュエータ10の作動後においても、カウルトップカバー8は破壊されるものではないため、容易に安定した開き動作を実現でき、歩行者保護装置11の動作の確実性を向上できるとともに、破片の発生も容易に抑制できる。
【0046】
また、カウルトップカバー8の扉部44は上側に膨出する曲面状としたため、スリットであるテアライン46により分割された状態で、平面にスリットを形成した構成に比べ、扉部44の自立性、形状安定性を向上できる。すなわち、重力や外部からの負荷に対して変形し難く、カウルトップカバー8としての機能を十分に果たすことができる。また、扉部44は、フード3側に向かって膨出するため、アクチュエータ10の動作時に、扉部44が押動部26を案内して、押動部26の突出位置を安定させることができる。
【0047】
さらに、扉部44は、押動部26の正面側の中心点Oを中心とし、この中心点Oを囲んで複数配置したため、押動部26の移動時に、扉部44が迅速に移動できるとともに、扉部44が押動部26を案内して、押動部26の突出位置を安定させることができる。
【0048】
また、扉部44及びヒンジ部48を含むカバー部41の構造はカウルトップカバー8の他の部分と樹脂にて一体に形成できる簡略なものであり、軽量に構成できるため、別体の機構を取り付ける構成に比べ、カウルトップカバー8の製造コストを上昇させることもなく、軽量化を容易に実現できる。
【0049】
なお、上記の実施の形態では、カウルトップカバー8の各カバー部41は、中心点O側が平面状の曲面状で、中心点Oを囲んで5個の扉部44を配置したが、この構成に限られず、種々の形状において、1個から複数個の扉部44を設けた構成とできる。
【0050】
例えば、図12に示すように、扉部44を設けたカバー部41を、全体として球面状に膨出させることができる。また、この構成においても、扉部44は1個から複数個に設定できる。
【0051】
また、例えば、図13に示すように、カバー部41を、全体として円筒面状、いわばかまぼこ状として、相対向する2個の扉部44を設けることもできる。なお、この構成では、テアライン46は、各扉部44を囲む略コの字状に形成されている。また、この構成においては、扉部44は1個とすることもできる。
【0052】
さらに、例えば、図14に示すように、カバー部41を、全体としては平面状とし、ヒンジ部48の部分のみを円筒面状、いわばかまぼこ状とすることもできる。また、この構成においては、扉部44は略円形状のものを1個とし、テアライン46はこの扉部44を囲む弧状としたが、複数の扉部44を設け、それぞれ円筒面状のヒンジ部48を設けることもできる。
【0053】
また、上記の各実施の形態のヒンジ部48の構成とともに、あるいは、上記のヒンジ部48の構成に代えて、各扉部44を常時はこの扉部44に隣接する部分に連結して支持するとともに押動部26の移動時には破断して各扉部44を移動可能に解放する支持部を備えた構成とし、単数あるいは複数の扉部44を支持部を介して周囲の部分に連結し、あるいは、複数の扉部44を支持部を介して互いに連結することより、常時の扉部44の位置及び形状を確実に維持するとともに、押動部26の移動時には破断して扉部44を解放し、押動部26の円滑な移動を確保することもできる。
【0054】
次に、図15ないし図20を参照して、上記のヒンジ部48を設けたカバー部41の構成に代えて、カバー部60に、他の部分より容易に変形するヒンジ部61を設けた扉部62を備えるとともに、支持部としての連結部63を備えたテアライン64を設けた構成について説明する。すなわち、カバー部60以外の構成及び動作については、図1ないし図14に示す構成と同様の構成及び動作であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
この実施の形態では、アクチュエータ10の押動部26の上方を覆うカバー部41は、平面状に形成され、中心点Oを中心として、放射状に6方向に伸びるテアライン64が形成されている。このテアライン64は、スリットであり、連結部63の部分を除いて、上下に連通している。また、このテアライン64の幅寸法L1は、2mm以上7mm以下の範囲であり、本実施の形態では5mmに設定されている。そして、このテアライン64の内側には、テアライン64の長手方向と直交する方向に横切るようにして、互いに隣接する扉部62を連結する連結部63が複数配置されている。互いに隣接する連結部63は、互いに平行に、2mm以上7mm以下の範囲の間隔(ピッチ)L2で配置され、本実施の形態では5mmの間隔で配置されている。また、各連結部63の高さ方向の寸法すなわち厚さ寸法L3及びテアライン64の長手方向に沿った太さ寸法L4は、いずれもカバー部60すなわち扉部44の厚さ寸法tに対して半分以下に設定されている。
【0056】
一方、ヒンジ部61は、アクチュエータ10の押動部26の移動方向から見てこの押動部26より外周側に外れた位置であって、互いに隣接するテアライン64の外側の端部同士を結ぶ位置に直線状あるいは曲線状に配置されている。さらに、これらヒンジ部61の厚さ寸法L5は、扉部44の厚さ寸法tに対して半分以下に肉抜きされた薄肉部として設定されている。
【0057】
そこで、この実施の形態では、例えば、自動車の空調装置を外気導入モードで作動させた場合、エアボックス7と車室4内の空間との間に設置されたブロワーユニットが作動し、外気がメッシュ部32からエアボックス7の内部に吸い込まれ、最終的にはインストルメントパネルなどに設置された開口部から室内に導入される。メッシュ部32は、外気導入の際にエアボックス7の内部への枯葉などの異物の侵入を防ぐため、一般的に1マスが5mm×5mm程度に仕切られている。ここで、アクチュエータ10の押動部26の上方を覆うカバー部60のテアライン64も、連結部63により内部が細かく仕切られているため、枯葉などの異物の侵入防止機能を有するメッシュ部32と同様の機能を発揮することができる。
【0058】
次に、このカバー部60を備えた歩行者保護装置11の動作を説明する。
【0059】
図2に示すように、制御装置が走行中の自動車の車体1の前部と歩行者との衝突を検出すると、すなわち、センサが実際の正面付近での衝突の衝撃を検出し、あるいは、車両の進行速度と歩行者との距離から演算して衝突が避けられない状態であることを判別すると、制御装置は、信号すなわち電力を供給して、各アクチュエータ10を瞬時に作動させる。すると、各アクチュエータ10は、図16に示す状態から、軸方向に進展を開始し、各扉部62の下面の、ヒンジ部61より中心点O側の領域に、先端部の押動部26が接触する。そして、アクチュエータ10がさらに伸びると、各扉部62がヒンジ部61を軸として上方に回動し始めると同時に、周辺の板厚に対して相対的に脆弱な連結部63が自身の軸方向に引き伸ばされる。アクチュエータ10がさらに伸びると、各扉部62がヒンジ部61を軸としてさらに上方に回動し、各連結部63が引っ張り強度の限界に達して破断する。この後、各扉部62はヒンジ部61を軸として上側に回動して、アクチュエータ10が貫通する開口が形成される。そして、各アクチュエータ10の押動部26は、各扉部62が開いた開口部から、カウルトップカバー8のカバー部60を貫通し、さらに、押動部26がフード3のキャッチ装置16に受け止められ、すなわち、押動部26の係止受け部26bがフード3のキャッチ装置16の係止機構18に係止される。そして、各アクチュエータ10が、フード3の前側部のロック機構を支点としてフード3を跳ね上げるように回動させ、最終的には、図3及び図17に示すように、フード3の後側部を所定の高さまで押し上げる。
【0060】
この状態で、はね上げられるなどした歩行者がフード3に衝突すると、フード3は十分なストロークを持って変形し、歩行者の衝突エネルギーを金属製のフード3を下方に押しつぶすことで吸収する。このようにして、歩行者保護装置11は、所定の衝撃吸収特性を発揮し、歩行者に対する衝撃を緩和し、歩行者を保護するようになっている。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、カウルトップカバー8の扉部62により、エアボックス7及びこのエアボックス7に配置されたアクチュエータ10の押動部26を覆い、室内に外気を導入するエアボックス7やアクチュエータ10付近への異物の侵入を抑制できるとともに、フード3を開いた状態でも、アクチュエータ10が外部に露出せず、外観を向上できる。すなわち、エアボックス7に接続された送風機への枯葉などの異物の吸い込みを防止して空調装置を保護できるとともに、車体の整備の際にも、アクチュエータ10に不意にさわることを防止できる。一方、車両が歩行者などと衝突などしてアクチュエータ10が作動した際には、アクチュエータ10の押動部26が上昇して扉部62をヒンジ部61を支点として回動させ、さらに、フード3を押動して持ち上げ、歩行者保護装置11としての機能を奏することができる。
【0062】
また、アクチュエータ10の押動部26を覆う部分についても、連結部63を有するテアライン64が、異物の侵入を防止しつつ外気を導入可能なメッシュ部32と同様の機能を奏する。
【0063】
このようにして、アクチュエータ10の押動部26を貫通させる機能を損なうことなく、見栄えを向上するカバーリングを行うことができ、さらに、異物を遮断しつつ効率良く外気導入を行う機能を両立できる。
【0064】
また、扉部62同士を連結部63で連結したため、エンジンルーム2という過酷な環境においても、扉部62の形状を容易に維持できる。
【0065】
また、アクチュエータ10を独立した区画に配置するように、エアボックス7を仕切る構成に比べて、エアボックス7の空間を広く確保でき、外気導入口となるメッシュ部32を配置する自由度を向上でき、被水によりダメージを受ける電送部品や空調機器の配置の自由度を向上できる。
【0066】
さらに、扉部62は、押動部26の正面側の中心点Oを中心とし、この中心点Oを囲んで複数配置したため、押動部26の移動時に、扉部62が迅速に移動できるとともに、扉部62が押動部26を案内して、押動部26の突出位置を安定させることができる。
【0067】
また、扉部62及びヒンジ部61を含むカバー部60の構造はカウルトップカバー8の他の部分と樹脂にて一体に形成できる簡略なものであり、軽量に構成できるため、別体の機構を取り付ける構成に比べ、カウルトップカバー8の製造コストを上昇させることもなく、軽量化を容易に実現できる。
【0068】
また、アクチュエータ10の作動後においても、大きな破片を飛散させることなく、安定した開き動作を行い、歩行者保護装置11の動作の確実性を向上できる。
【0069】
なお、上記の実施の形態では、テアライン64を中心点Oから6方向に形成し、すなわち、6個の扉部62を設けたが、この構成に限られず、適宜の数のテアライン64と扉部62とを設けることができる。
【0070】
例えば、図21に示すように、テアライン64を中心点Oから3方向に形成し、3個の扉部62を設けることができる。また、図22に示すように、テアライン64を中心点Oから4方向に形成し、4個の扉部62を設けることができる。また、図23に示すように、テアライン64を中心点Oから5方向に形成し、5個の扉部62を設けることができる。また、図24に示すように、テアライン64を中心点Oから7方向に形成し、7個の扉部62を設けることができる。また、図25に示すように、テアライン64を中心点Oから8方向に形成し、8個の扉部62を設けることができる。また、図26に示すように、テアライン64を中心点Oから9方向に形成し、9個の扉部62を設けることができる。また、図27に示すように、テアライン64を中心点Oから10方向に形成し、10個の扉部62を設けることができる。
【0071】
さらに、テアライン64の構成については、下面側を凹設する構成に限られず、図28に示すように、上面側を凹設して薄肉としても良く、また、図29に示すように、上面側と下面側とを凹設して薄肉とすることもできる。
【0072】
また、上記の各実施の形態において、カウルトップカバー8は、両側方向すなわち長手方向の全長にわたり合成樹脂にて一体に形成するほか、両側方向に2分割などした複数の部材を組み合わせて形成することもできる。また、各アクチュエータ10を覆うカバー部41は、カウルトップカバー8の他の部分と一体に形成する他、別体として形成することもできる。
【0073】
また、上記の各実施の形態では、各アクチュエータ10の押動部26を覆う扉部44,62は、展開時にもヒンジ部48,61によりカウルトップカバー8の他の部分に連結されて保持されているが、この構成に限られず、カウルトップカバー以外の部材に保持されて飛散を防止する構造とすることもできる。また、上記の各実施の形態では、扉部44,62は、エアボックス7に収納されたアクチュエータ10の押動部26を覆う構成としたが、エアボックス7に収納されていないアクチュエータ10の押動部26を覆うこともできる。
【0074】
例えば、図30及び図31に示すカバー部70のように、エアボックス7に収納されていないアクチュエータ10の押動部26を覆い、また、ヒンジ部を備えず、環状の薄肉なテアライン72に囲まれた扉部73を形成することもできる。さらに、この構成では、扉部73の裏面には、爪状の係合部74が突設され、常時及びアクチュエータ10の作動時において、扉部73をアクチュエータ10の押動部26にしている。
【0075】
すなわち、この構成では、扉部73を設けたカバー部70は、常時においてアクチュエータ10を覆い、アクチュエータ10に不意にさわることを防止できるとともに、アクチュエータ10の付近に塵埃などの異物が侵入することを防止し、歩行者保護装置11の動作の確実性を向上できる。
【0076】
そして、アクチュエータ10の作動時には、テアライン72が破断して、扉部73はカウルトップカバー8の他の部分から分離される。そして、扉部73は、係合部74により押動部26に保持されたまま、押動部26とともに移動し、この扉部73を介して押動部26がフード3を押動して持ち上げ、歩行者保護装置11としての機能を奏するとともに、破片の飛散も容易に抑制できる。
【0077】
なお、この図30及び図31に示す構成において、常時は、扉部73をアクチュエータ10の押動部26から離間させて係合保持させず、押動部26が移動した状態で、押動部26を係合部74に係合保持させることもできる。
【0078】
また、ひも状のストラップを用い、このストラップの端部を扉部73とカウルトップカバー8の他の部分とにかしめるなどして連結することもできる。この構成では、アクチュエータ10の作動時に、テアライン72が破断して、扉部73がカウルトップカバー8の他の部分から分離されても、ストラップにより扉部73の外れを所定範囲内に容易に限定できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、前部にフードを備えた車両の非乗員保護装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の非乗員保護装置の一実施の形態を示す非乗員保護装置を備えた車両のフードを開いた状態の一部の斜視図である。
【図2】同上非乗員保護装置の動作を示す説明図である。
【図3】同上非乗員保護装置の動作を示す説明図である。
【図4】同上非乗員保護装置を示す図1のI−I断面相当位置の通常時の状態を示す説明図である。
【図5】同上非乗員保護装置を示す図1のI−I断面相当位置の作動時の状態を示す説明図である。
【図6】同上非乗員保護装置を示すカウルトップカバーのカバー部の一部を拡大した説明図である。
【図7】同上非乗員保護装置を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図8】同上非乗員保護装置を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って下方から見た底面図である。
【図9】同上非乗員保護装置の動作を示す説明図である。
【図10】同上非乗員保護装置の動作を示す図9の一部を拡大した説明図である。
【図11】同上非乗員保護装置の動作を示す図9のIV−IV断面相当位置の説明図である。
【図12】本発明の非乗員保護装置の他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部の斜視図である。
【図13】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部の斜視図である。
【図14】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部の斜視図である。
【図15】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示す非乗員保護装置を備えた車両のフードを開いた状態の一部の斜視図である。
【図16】同上非乗員保護装置を示す図15のV−O−V断面相当位置の通常時の状態を示す説明図である。
【図17】同上非乗員保護装置を示す図15のV−O−V断面相当位置の作動時の状態を示す説明図である。
【図18】同上非乗員保護装置を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図19】同上非乗員保護装置を示す図18のVI−VI断面相当位置の説明図である。
【図20】同上非乗員保護装置を示す図18のVII−VII断面相当位置の説明図である。
【図21】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図22】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図23】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図24】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図25】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図26】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図27】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示すカウルトップカバーのカバー部のアクチュエータの動作方向に沿って上方から見た平面図である。
【図28】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示す図18のVI−VI断面相当位置の説明図である。
【図29】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示す図18のVI−VI断面相当位置の説明図である。
【図30】本発明の非乗員保護装置のさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【図31】同上非乗員保護装置の作動時の説明図である。
【符号の説明】
【0081】
1 車両としての車体
3 フード
5 ウインドシールドとしてのフロントガラス
7 エアボックス
8 カウルトップカバー
10 アクチュエータ
11 非乗員保護装置としての歩行者保護装置
26 押動部
44,62 扉部
48,61 ヒンジ部
49 ヒンジ基板部
50 変形部としての薄肉部
63 支持部としての連結部
O 所定点としての中心点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部に設けられた変形可能なフードとこのフードの後方に位置するウインドシールドとの間のエアボックス及びこのエアボックスに配置され前記フードを押動可能な押動部を備えたアクチュエータを覆うカウルトップカバーであって、
前記アクチュエータに対向し、常時は前記押動部を覆う扉部と、
前記押動部の移動時には屈曲可能に前記扉部を隣接する部分に連結するヒンジ部とを具備した
ことを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項2】
扉部を常時はこの扉部に隣接する部分に連結して支持するとともに前記押動部の移動時には破断して前記扉部を解放する支持部を具備した
ことを特徴とする請求項1記載のカウルトップカバー。
【請求項3】
扉部は、フード側に向かって膨出する
ことを特徴とする請求項1または2記載のカウルトップカバー。
【請求項4】
扉部は、押動部の正面側の所定点を中心とし、この所定点を囲んで複数配置された
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のカウルトップカバー。
【請求項5】
ヒンジ部は、弾性変形可能な部材にて形成され、
曲面板状をなすヒンジ基板部と、
このヒンジ基板部の一部を他の部分より変形容易にして形成された面状の変形部とを具備した
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のカウルトップカバー。
【請求項6】
車両の前部に設けられた変形可能なフードとこのフードの後方に位置するウインドシールドとの間に配置され、前記フードを押動可能な押動部を備えたアクチュエータを覆うカウルトップカバーであって、
前記アクチュエータに対向してこのアクチュエータの押動部を覆い、この押動部の移動時には、この押動部に係合保持された状態で、カウルトップカバーの他の部分から破断されて前記押動部とともに移動する扉部を具備した
ことを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項7】
車両の前部に設けられた変形可能なフードと、
このフードの後側下方に位置するエアボックスと、
このエアボックスに配置され前記フードを押動可能な押動部を備えたアクチュエータと、
非乗員との衝突を検出して前記アクチュエータを動作させる制御手段と、
前記エアボックス及び前記アクチュエータを覆う請求項1ないし6いずれか一記載のカウルトップカバーと
を具備していることを特徴とする非乗員保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−120325(P2008−120325A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309019(P2006−309019)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】