カソードエキステンダを利用する高容量アルカリ電池
【課題】電気化学電池及びそれらの構成部品を提供する。
【解決手段】コンテナと、コンテナ内に配置されたカソード及びアノードと、アノードとカソードの間に配置されたセパレータとを含む電気化学電池が提供される。電池は、カソードに含まれるか又はそれから分離したエキステンダを更に含む。作用物質が更に提供され、これは、カソードに発生する可溶性イオン化学種と相互作用してこの化学種のアノードへの移動を抑制する。
【解決手段】コンテナと、コンテナ内に配置されたカソード及びアノードと、アノードとカソードの間に配置されたセパレータとを含む電気化学電池が提供される。電池は、カソードに含まれるか又はそれから分離したエキステンダを更に含む。作用物質が更に提供され、これは、カソードに発生する可溶性イオン化学種と相互作用してこの化学種のアノードへの移動を抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年12月10日出願の米国特許仮出願第60/528,414号の恩典を請求するものであり、その開示内容は、本明細書においてその全内容が示されるように引用により組み込まれている。
【0002】
連邦後援調査又は開発に関するステートメント
適用せず。
【背景技術】
【0003】
消費者向けアルカリバッテリのための市場は、バッテリ作動式装置のためのより長時間の実働時間をサポートするより高容量の標準サイズ電池を求め続けている。従来型のアルカリZnアノード/MnO2カソードのバッテリの放電効率は、使用される材料の電気化学的容量のためにそれらの限界に達している。本発明は、従来型のアルカリZn/MnO2バッテリにおいて今まで可能であったものよりも高い容量を有するアルカリ電池に関する。従来型アルカリ電池が単一のカソード活性材料(例えば、MnO2)を通常含有するのに対して、本発明のある一定の態様に従って構成された電池は、1次カソード活性材料及びカソードエキステンダを含有する。本発明のある一定の態様による電池は、カソードエキステンダのない従来型アルカリ電池で利用することができるものよりも高い電池容量バランスを特徴とする。電池バランスは、アノード活性材料の容量と1次カソード活性材料の容量との間の比率(以後、アノード:1次カソード容量比)として表現することができる。
【0004】
いくつかの理由のために、適正な電池バランスが望ましい。還元及び酸化の半反応によってバッテリ内に電気化学電流が発生する。アノード活性材料の酸化の間に放出された全ての電子は、カソード活性材料の還元の間に消費される。これらの2つの半反応が進行すべきであるという事実は、1つの半電池反応が全電池放電容量を制限することができるように電池を設計することを可能にする。従って、一方の電極活性材料が電気化学的に過剰に与えられ、同時に他方が電気化学的限界量で与えられる場合、放電の終わりには、限界活性材料の実質的に全てが消費され、一方で一部の非限界活性材料が消費されずに残る。毎年製造されて販売される莫大な数のバッテリを考えれば、この消費されない活性材料は、無駄なコストを表すものである。
【0005】
いずれにせよ、大部分のバッテリシステムの設計においては、安全上の理由で、一方の電極の活性材料の量を電池の放電の後にその材料が残らないように意図的に制限するのが一般的な方法である。例えば、1次リチウムバッテリは、残留リチウムを含有する「表面的に失活した」バッテリの不適切な廃棄がもたらす可能性がある火災及び爆発の危険を避けるために、ほぼ完全なリチウム消費が保証されるように設計される。
【0006】
同様に、残留電極及び/又は電解液を含有するアルカリバッテリは、過放電での電解液及び水の分解は、バッテリシールの破裂圧力を超えて電池の膨張、噴気、漏洩、又は破裂を不要にもたらす可能性のあるレベルまで内部電池圧力を高めるのに十分な量のH2又はO2ガスを発生させる可能性がある。電池が設計容量を使い尽くした後の還元−酸化反応に使用される残留水分の量は、重要な設計パラメータである。カソード制限型電池(すなわち、過剰のアノードを含有する電池)の過放電では、カソードの電圧が十分に低い値まで達した時、電解液内の水は、反応(4H2O+4e→2H2+4OH-)において減少して水素ガスが発生することになり、この反応は、過剰の液体又はアノードが使い尽くされるまでカソード表面で進行することができる。同じように、アノード制限型電池においては、アノード電位が酸素発生のための電気化学的閾値を超えると、アノード表面で利用可能な水酸化物が酸化されることになり(4OH-→O2+2H2O+4e-)、酸素ガスが発生する。両方の反応が同時に起こった時は、両電極でガスが発生する可能性がある。
【0007】
良好なバッテリ設計のためには、アノードが制限電極であることが好ましく、それは、そのようなアノード制限型電池においては、移動電子当たり発生するガスのモル数が、同等のカソード制限型電池よりも少ないであろうという理由による。アノード制限型電池においては、アノード材料が実質的に使い尽くされる時、更なる電子移動は、電解液及び水を分解して1モルのみの酸素を発生させるが、カソード制限型電池における同じ数の電子の移動は、上述の式で見られるように2モルの水素を発生する。水素及び酸素のモル容積は、同等の温度及び圧力で類似のものであるので、電解液のガス発生は、アノード制限型電池ではカソード制限型電池の約半分の内部圧力を生じさせるのみである。この条件においては、図1Aに概略的に示すように、カソード電圧が水素ガスを発生させるほど十分に低いレベルまで低下することができる前に、アノード電圧が急速に高まる。
【0008】
電池の空隙容積及びシール通気圧力は、放電の終わりに電池内に残ると推定される電解液の量に基づき、上昇した圧力を漏洩又は破裂なしに受容するように設計される。当業者はまた、電解液濃度及び電解液と電極の相対量もまた、必要に応じて最適化することができる重要な電池設計要素であることを理解している。従来型の亜鉛アノード及び従来型の二酸化マンガンカソードを有する市販電池では、アノード:カソード容量比は、約1:1よりも低いが、約0.90から約1.0の範囲とすることができる。約0.98:1よりも大きい比の使用は危険であり、商用製品においてはもしあったとしても稀にしか見られない。更に、約1:1よりも大きいアノード:カソード容量比では、カソード電圧が過放電の時に水素発生電気化学的閾値よりも低い電圧に急落し、残留電解液が分解してガス発生及び潜在的にはセル破裂をもたらす可能性がある高い危険性が存在する。類似の状況は、1つの電池が列内の他のものよりも先に消耗され、従って電流が列を通過して依然として流れる直列の電池内で電圧逆転が発生した時の電池の過放電中に同じく生じる可能性がある。
【0009】
電池のガス発生だけが、1:1よりも大きいアノード:MnO2容量比を有するアルカリ電池が直面する問題ではない。二酸化マンガンカソードは、多めの量の電解液と共に与えられた時に固定の電圧カットオフに対してより高い放電効率を示すことは公知である。通常の容量比(1:1未満)では、十分なアノード及び電解液がないことは、カソードの利用度を妨げ、ほとんど装置に対してMnO2の利用可能な放電容量の小さい割合だけを典型的なカットオフ電圧を超えて取り出すことを可能にしている。(図2は、実用電池のカソード放電を利用可能な電解液の無制限(理想的)供給を有するものと比較している。)従って、有意なガス発生の可能性を高めることなくより良くカソードを利用するように設計された実用電池は、現在可能であるものよりも高い電池容量を有するであろう。しかし、現在の物理的な設計制約を考慮すると、消費者向け円形アルカリ電池の放電容量を大きく向上させる唯一の公知の方法は、より高い効率の活性材料を使用するか、又は他のより高い容量の活性材料を用いることである。
【0010】
従って、過剰なガス発生の問題なしに、従来的に達成されるよりも多量のアノードを含有する電気化学電池を準備する(すなわち、従来型のアルカリバッテリよりも多量の電解液も準備する)ことによりアルカリバッテリの放電効率を向上させることが望ましい。
【0011】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/528,414号
【発明の開示】
【0012】
本発明の1つの態様によれば、電気化学電池は、コンテナ及びそのコンテナ内に配置されたカソードを含む。カソードは、1次活性材料を含む。電池は、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダを更に含む。アノード材料を含むアノードは、カソードに隣接してコンテナ内に配置される。少なくとも1つのセパレータが、アノードとカソードの間に配置され、更にアノードとエキステンダの間に配置される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、電気化学電池は、コンテナ及びそのコンテナ内に配置されたカソードを含む。カソードは、1次活性材料を含む。電池は、1次活性材料と異なるエキステンダを更に含む。エキステンダは、1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有する。アノード材料を含むアノードは、カソードに隣接してコンテナ内に配置される。少なくとも1つのセパレータが、アノードとカソードの間に配置され、更にアノードとエキステンダの間に配置される。
【0014】
本発明の更に別の態様によれば、電気化学電池を生成する方法が提供される。本方法は、電池コンテナを準備する段階と、1次活性材料を含むカソードをコンテナに入れる段階と、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダをコンテナに入れる段階と、アノードをコンテナに入れる段階と、少なくとも1つのセパレータをアノードとカソード及びエキステンダの両方との間に設ける段階とを含む。
【0015】
本発明の更に別の態様によれば、電気化学電池を生成する方法が提供される。本方法は、電池コンテナを準備する段階と、1次活性材料を含むカソードをコンテナに入れる段階と、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有するエキステンダをコンテナに入れる段階と、アノードをコンテナに入れる段階と、少なくとも1つのセパレータをアノードとカソード及びエキステンダの両方との間に設ける段階とを含む。
【0016】
本発明の1つのバージョンによれば、電気化学電池は、アノード、カソード、及びアノードとカソードの間に配置されたセパレータを含む。アノードは、電池内部容積の立方センチ当たり少なくとも0.5Ahの容量を有する。
【0017】
本発明の別のバージョンによれば、電気化学電池は、アノード、マンガン酸化物を含むカソード、エキステンダ、及びアノードとカソード及びエキステンダの両方との間に配置された少なくとも1つのセパレータとを含む。
【0018】
本発明の更に別のバージョンによれば、電気化学電池に使用することができるカソードは、1次活性材料と、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダとを含む。
【0019】
本発明の更に別のバージョンによれば、電気化学電池に使用することができるカソードは、マンガン酸化物を含む1次活性材料とエキステンダとを含む。
【0020】
本発明の別の側面では、電気化学電池の1次活性材料を含むカソードと組み合わせて使用することができるエキステンダが提供される。エキステンダは、1次活性材料とは異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在する。
【0021】
本発明の更に別の側面では、電気化学電池は、アノード、カソード、アノードとカソードの間に配置されたセパレータを含む。カソードの少なくとも一部分は、一般的に、MxCuyOzによって特定され、式中の「M」は、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるいずれかの元素である。
【0022】
特許請求の範囲と共に様々な実施形態の以下の詳細説明を考察すると、他の態様及び利点が明らかになり、特定の適応、組成の変形、及び物理的特性のより十分な認識が得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、例えば、アルカリ電気化学電池である電気化学電池及びそれらの構成部品に関する。本発明のある一定の態様は、性能及び/又は信頼性の理由のためにある一定のアノード:カソード容量バランスを現在必要とするあらゆる電気化学システムに適用することができる。従来型の円筒形アルカリ電池が図3に示されているが、当業者は、本発明がこの示された電池に限定されず、他の円筒形電池構成及び平型電池(角型電池及びボタン電池)のような他の非円筒形電池に適用されることを認めるであろう。
【0024】
図3を参照すると、軸線方向に延びる円筒形アルカリ電池18は、約0.012インチの厚みであり、最初に一端が開き一端が閉じている引き抜きスチール製コンテナである正側集電子20を含む。1つ又はそれよりも多くの環状カソードリング24は、それらの外側周囲側壁での外径が正側集電子20の内径よりも大きくなるようにして、複数のリングの形態のカソードマトリックスを生成するようにカソード混合物に圧力を印加することによって形成され、正側集電子20内に設けられて正側集電子20との圧力接触部が形成される。カソードリング24は、アノード区画28を提供する中央に形成された空隙を形成する内面を呈する。セパレータ32とゲル化亜鉛を含むことができるアノード26とは、カソードリング24によって形成される空隙内部に設けられ、カソードリング24の内面及びアノード26の外面がセパレータ32に係合する。それを貫通して延びる負側集電子36を有するシールディスク29が、コンテナの開放端部に配置され、開放端部の近くでコンテナ内に巻き込まれてシールディスク29を支持するビード25と接触する。コンテナ20の開放端部は、シールディスク29の上に圧着され、従って、シールディスク29を圧着開放端部とビード25の間で圧縮し、電池18を閉じてシールする。正側集電子は、外側に延びる残りの部分21を形成する。
【0025】
セパレータ32は実質的に円筒形であり、イオン透過性材料を含み、かつアノード26とカソードリング24の内側周囲側壁との間に挿入されて、アノード26とカソード24の間の電気的接触を妨げ、一方でアノード26とカソード24の間のイオン輸送を可能にする。セパレータ32は、正端子端部の近くに缶22の内面とアノード26との間で電池18の平面を半径方向に横切って更に延びている。セパレータ32のこの部分は、円筒形セパレータ32と一体化することができ、又は、当業技術で普通のように、類似であるが多くの場合により厚い材料から成る図3に示すような分離された「ボトムカップ」の形態とすることができる。一般的に、水酸化カリウム及び水を含むアルカリ性水性電解液は、アノード26、カソードリング24、及びセパレータ32を少なくとも部分的に湿潤させる。図3に示す電池18は、本発明を限定することを意図せず、本発明を実施するために使用することができる電気化学電池の一例を提供するものであり、アルカリ性電解液濃度、アノード亜鉛充填レベル、及びアノード亜鉛粒径分布のうちの1つ又はそれよりも多くが性能的利点を得るために変更された電池構造を含むいくつかの他の電池構造を代替的に使用することができることが認められるものとする。円筒形電池が示されているが、本発明は、寸法及び形状を問わずあらゆる電気化学電池に等しく良好に適用することができ、それらとしては、以下に限定されるものではないが、サイズAA、AAA、C、D、9Vの各電池、並びにボタン電池及び角型電池が挙げられる。
【0026】
カソード24は、二酸化マンガンとすることができるカソード活性材料を含む。二酸化マンガンは、電解二酸化マンガン(EMD)とすることができる。従って、EMDがカソード混合物に添加される時に、対応して、電池18の放電効率が高まる。化学二酸化マンガン(CMD)又は天然二酸化マンガン(NMD)をEMDの代わりに又はEMDと共に代替的に利用することができることを認めるべきである。従って、本発明の開示を通じて用いられる時の二酸化マンガンという用語は、EMD、CMD、NMD、又はその組合せを意味する。過剰のアノードガス発生を起こす可能性のある不純物を最小化するために、二酸化マンガンは、必要に応じて従来的に精製することができることも更に認めるべきである。
【0027】
広範な実施形態では、電気化学電池18は、1次カソード活性材料と異なる電気活性エキステンダ材料を含む。エキステンダ材料は、セパレータ32に関してアノード26とは反対の電池18内の位置に配置され、そのエキステンダ材料は、電池放電特性を改善するので、エキステンダ材料はまた、カソードエキステンダとも称することができ、以下でより詳細に説明するように、これは、カソード24と物理的に分離でき(図5及び図7B)、又はカソード24と混和することができる(図6)。
【0028】
適切なカソードエキステンダ材料の非限定的な例としては、CuO、CuS、Cu(OH)2、Cu2O、CuF2、Cu(IO3)2、酸化銀、オキシ水酸化ニッケルである単一及び混合金属の酸化物、硫化物、水酸化物又は塩、並びにヨウ素酸塩銅、オキシ燐酸塩銅、又は鉱物源から直接に利用でき又は合成錯体として利用することができるものを含むあらゆる安定な金属錯体である錯体が挙げられる。
【0029】
本発明のある一定の態様による適切なカソードエキステンダ材料の追加の非限定的な例は、一般的に式MxCuyOzによって示され、式中のMは、説明したようないずれかの適切な元素であり、1≦x≦5、1≦y≦5、及び1≦z≦20である。一般式としてAMxCuyOz(式中Aは、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBa、並びにそれらの混合物の中から選択することができる)を有する化合物もまたカソード活性材料として用いるように設計することができる。本発明の特定的な実施形態では、CuO、Cu(OH)2及びMxCuyOzのうちの少なくとも一方がカソードエキステンダとして使用される。
【0030】
混合酸化物カソードエキステンダ材料を調製する処理の一例は、錯化剤及び還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、ギ酸ナトリウム、ギ酸、ホルムアルデヒド、フマル酸、又はヒドラジン)を加えて塩の混合溶液を化学還元し、金属を含有する化合物を生成することである。式AMxCuyの錯化合物はまた、この還元段階で前駆物質として第3の金属塩を添加して調製することができる。得られる生成物は、酸化剤(例えば、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過硫酸カリウム又は塩素酸カリウム)を使用して酸性条件で酸化し、銅ベースの混合酸化物を生成することができる。
【0031】
例えば、このようにして調製されたCu/Mn化合物は、X線回折(XRD)分析によって混合銅マンガン酸化物相を含むことが示されている。この酸化物に相当するASTMカードはないが、その回折パターンは、Cu2Mn3O8のパターンと同様である。Cu2Mn2O5単独又はCuOとの組合せなどである他の化合物もまた、酸化処理の間にpHがより低減された(すなわち、より酸性にされた)時に検出されている。酸化条件の制御は、得られる銅ベースの混合酸化物材料の構造を変化させるのに使用することができる。これらの生成物の最終組成及び結晶化度は、有効に制御することができる。この混合酸化物相に加え、合成の生成物は、マンガン酸化物及び銅酸化物を含む他の相を含有することができる。当業者に公知のように、ある程度の低温度から中間温度の溶液ベースの合成方法は、不定形の混合金属酸化物の生成物を生じさせる可能性がある。
【0032】
Cu/Mn化合物の酸化は、例えば、アルカリ溶液中又はpHが中性の溶液中で行うことができることも想定されている。有機又は無機酸(又は塩基)を用いて、酸化液のpHを調整することができる。同様に、化合物は、化学酸化の前に最初に熱処理することができる。更に、合成した混合銅金属酸化物化合物は、導電材料と混合される前に熱処理してカソードを形成することができる。
【0033】
混合酸化物化合物はまた、高エネルギのボールミルを使用する公知の機械的合金形成法により、又はオーブン中での直接高温合成法により、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などのような様々な出発原料を用いて調製することができる。こうした転移反応は、当業者によって容易に設計することができ、電気化学電池の構成要素に使用するための望ましい純度を伴った高収率の反応が達成される。MxCuyOz又はAMxCuyOzの銅ベースの混合酸化物材料は、金属塩溶液の混合物を共沈させた後、適切な条件下でこの沈殿物を加熱することによって代替的に形成することができることが更に想定されている。
【0034】
上述の材料は、1次活性材料として又はその放電電圧が1次活性材料の初期放電電圧よりも低い程度までエキステンダ材料として提供することができることを認めるべきである。酸化銅は、本明細書で共通式CuOで示されているが、当業者が認めるように、この材料は、完全な化学量論性を本質的に持たないこともまた注意すべきである。換言すれば、CuO内の銅及び酸素は、正確には1:1の比率ではなく、Cu:O比は、通常約0.9:1から1:1.1の範囲にある。こうした材料がある一定の範囲の化学量論比率にわたって得られ、そのような範囲で有用な電極材料としての実用性もまた証明されることが見出されるのは一般的である。これは、本明細書に開示された他の電極材料に対しても同様に当て嵌まる。
【0035】
本発明の1つの態様は、電池内のエキステンダ材料を1次活性材料よりも多くない量で提供する。例えば、アルカリZn/MnO2電池の場合、その中の活性材料が100%EMDであるカソードの代わりに、カソードは、実質的に同じ合計重量の活性材料を有し、50%を超える材料がEMDであり、残った部分は、カソードエキステンダ材料である。カソード構成要素の残りは、アルカリZn/MnO2バッテリにおいて慣行的なものとすることができるが、その比率は、エキステンダ材料の量並びに導電性及び結合特性によって変えることができることを当業者は容易に認識するであろう。
【0036】
本発明の別の態様は、1次カソード活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を示すカソードエキステンダ材料を提供する。アルカリMn/ZnO2電池の場合、カソードエキステンダ材料は、望ましくは、二酸化マンガン還元の第1電子よりも低い電圧で放電する。
【0037】
本発明の別の態様は、高い比放電エネルギ密度(1次カソード活性材料のものと少なくとも同程度の)を有するエキステンダ材料を提供する。当業者に公知のように、エネルギ密度は、単位質量当たりの容量(重量エネルギ密度)、又は単位容積当たりのアンペア−時(Ah)として定めることができ、それぞれmAh/g又はAh/ccの単位を有する。例えば、マンガン酸化物カソードを有するアルカリ電池の場合、エキステンダ材料は、例えば、CuO(2電子放電に対して674mAh/g、4.26Ah/cc)、Cu2O(337mAh/g)、又はCu(IO3)2(902mAh/g)のように、少なくとも約300mAh/g又は少なくとも1.5Ah/ccのエネルギ密度を有する。本発明のある一定の態様では、高い容積及び高い重量密度材料が望ましく、その理由は、少量のエキステンダが電池内で過度の容積を占めることなく、放電挙動及び容量に対して望ましい影響を有することをそれが可能にするからである。例えば、本発明のある一定の態様によれば、エキステンダは、カソード容積の約30%未満を占める。
【0038】
本発明の別の態様は、1:1よりも大きいアノード/1次カソード容量比を達成するエキステンダ材料を含む電池を提供する。エキステンダ材料は、酸化銅又は水酸化銅エキステンダの場合におけるように、実質的に平坦で安定な放電電圧プロフィールを有する。図1Bは、アノード/1次カソード容量比が1.0よりも大きく、カソードがCuエキステンダ材料を含有する電池のアノード及びカソード電圧プロフィールを示している。放電のための十分なアノードがある時、CuOは、以下の2段階で放電することになることを認めるべきである。
【0039】
段階1:2CuO+2e+H2O→Cu2O+2OH-
段階2:Cu2O+2e+H2O→2Cu+2OH-
【0040】
更に、本発明の更に別の態様によるエキステンダを含む電気化学電池は、その下限を0.5Ah/cc又は代替的に0.55Ah/ccと定め、その上限を0.9Ah/cc又は代替的に1.0Ah/ccと定めた範囲内のアノード容量/電池内部容積比を有する。カソードエキステンダ材料は、過剰アノード及び電解液の全てが実質的に消費されるまでカソードが放電を継続することを可能にし、それによって過剰にガスを発生させる残留電解液が十分に残らないようにする。現在の市販のアルカリ電池は、820mAh/gの亜鉛容量と、MnO2の1.33電子還元を仮定した400mAh/gのMnO2容量とに基づく、約0.5Ah/ccのアノード容積/内部容積比に制限されている。
【0041】
亜鉛/二酸化マンガン電池の場合には、カソードエキステンダは、顕著な新しい設計柔軟性を可能にし、アノード対1次カソード容量比が0.98:1、1.03:1、1.05:1、及び/又は1.1:1の間にあってそれを含むその下限と、1.5:1のその上限とで定められる範囲内であり、それによってこうした電池の放電容量を多くの装置の利用可能な放電電圧(すなわち、0.8Vを超える)内で顕著に増加させ、かつ、約0.8V未満(放電電圧による)の放電電圧での放電を延長させて、それによって本発明において先に詳述された亜鉛及びMnO2容量を用いて計算して1:1よりも大きいアノード:カソード容量比が使用される時に、従来型電池(エキステンダを用いない)における過放電で通常発生すると考えられる水素発生が避けられる。エキステンダを含む電気化学電池は、エキステンダの代わりに1次活性材料を含有するそれ以外は同一の電池の放電容量よりも大きい電池放電容量を有する。
【0042】
更に、エキステンダは、過放電の間及び電池が電圧逆転に陥った時に1:1よりも大きいアノード対1次カソード電気化学バランス比を有する電池において通常直面する過剰のガス発生を回避する。ガス発生の減少は、直列系列内の電池の信頼性を向上させ、系列内の1つの電池が早発的に劣化した場合での電圧逆転及びデクリンピングの可能性を低減する。
【0043】
カソードエキステンダ材料の使用は、従来型電池に比較して高められたアノード−1次カソード容量比の使用を可能にし、従って、カソード内のMnO2に利用することができる電池内の電解液(従って、水)の量が高まる。これは、電池のガス発生の不都合なしに、従来型電池に比較してMnO2の放電効率を顕著に向上させることができる。1次カソード活性材料の放電効率が高まると、必要なカソードの量が低減され、それによって電池内部の空間が要望される追加の活性材料又はエキステンダ材料のために解放されることが認められるであろう。
【0044】
それに関連して、全アノード容積が増大された時、その時のカソード容積(従って、質量)は、利用可能な電池容積に適合するように低減される。標準ボビンデザイン円形電池においては、従って、カソード内径が必然的により大きくされるべきであり、より大きいカソード活性表面積を作り出す(増えた直径のため)。これは、放電の時のカソード電流密度を低下させることにより、カソード放電効率に利益を与える。
【0045】
図4を参照すると、従来型電池と、本発明の少なくとも1つの態様に従ってエキステンダを含む電池との電気化学バランスが示されている。図4において、Xは、アノードの電気化学容量((mAh/g)*g)を表し、Yは、1次カソード活性材料の電気化学容量を表す。上述のように、従来型電池は、アノード制限型であり、過剰のカソード容量を有するようにバランスが取られ、Xは、Yよりも小である。本発明のある一定の態様に沿えば、カソードエキステンダZの包含は、付加のアノード容量が電池設計内に組み込まれることを可能にする。これは、従来のアノード容量Xへの電気化学活性アノード容量の付加(X1)として表される。この設計は、X+X1>Yであるので、1次カソード材料Yの実質的に全てを使用することができ、一方で、X+X1≦Y+Zであるので、電池の全体的な電気化学バランスは、アノード制限型のままである。
【0046】
一般的に、エキステンダは、それが正端子又は1次カソード材料と電子的に接触している限りはどこにでも配置することができる。従って、それは、1次カソード材料と混和でき又はそれから分離することができる。一部の場合には、それを1次活性材料から分離しておくことが望ましい場合がある。一例として、標準的Zn/MnO2電池では、MnO2は、4.5g/ccの密度を有し、MnO21モル当たり2モルの水を消費し、かつその構造内に陽子を取り込んでMnOOH(不良電子伝導体かつMnO2よりも低密度の材料)を生成させる。カソード反応で電池内の余分の水を必要とすることにより、使用することができる亜鉛の量が制限され、比較的低い容積密度になる。また、EMDは、傾斜放電曲線を有する。
【0047】
一方で、約6.3g/ccの密度を有する酸化銅(CuO)は、第1の電子の放電においてMnO2に比較して半分の水を消費し、より小さい容積膨張を示し、比較的平坦な放電曲線を有して、電池内で高い容積エネルギ密度を提供する。適切な比率のEMD(例えば、全カソード活性材料の80−90重量%)及び10−20重量%のCuOエキステンダを含むカソードでは、初期作動電圧が高いが若干傾斜する放電曲線を有するEMDが最初に放電してCuOが続き、それらの間は比較的鋭く遷移する。この2つの物理的混合物を含有するカソードでは、場合によっては以下の理由でMnO2含量が増大すると、カソードのCuO部分の性能が劣化する。このようなカソードでは、MnO2がその第1の電子を放電した後、CuO放電反応が支配的になる。しかし、この第1のステージではCuOに使用することができる電解液は有効な反応のためには不十分であり、質量移動分極が生じる。MnO2の容積膨張もまた、CuO粒子をMnO2自体から、またカソード内に通常提供されている導電材料(グラファイト)から分離させる可能性がある。導電材料は、天然グラファイト又は合成グラファイトとすることができ、かつ、当業者が認めるように更に膨張グラファイトを含むことができる。初期MnO2放電反応の影響は、カソードでのオーミック抵抗の増大であり、結果として更に別の電圧損失が生じる。これらの処理の正味の影響は、CuO材料が、それがそうでなくて単独に放電する時よりも顕著に低い電圧で作動することである。
【0048】
従って、本発明のある一定の態様は、1次カソードとエキステンダとを個別の層又はペレット(又は、酸化物の混合物を含むことができる別々の層)として又は電池内の別々の位置において電池内に任意的に提供し、その本来の還元電位にできるだけ近く有効に放電することができるようにすることにより、異種の放電作動の悪影響の緩和を追求するものである。
【0049】
カソードをディスク形態とすることができる平型(角型)バッテリでは、活性材料は、一方が他方の上にある積重ね環状層、一方が他方の内部にある同心リング又は隣接するアーチ形セグメント(例えば、半円形セグメント)とすることができ、これらは図5に示されている。層のうちの少なくとも1つがエキステンダ材料を含むことができ、一方で残りの層が1次カソード活性材料を含むことができることを認めるべきである。代替的に、層のうちの少なくとも1つは、エキステンダ材料と1次カソード活性材料との混合物を含むことができる。
【0050】
「タブレット」とも称される複数の中空円筒として外部から加圧挿入されるか又は缶内に原位置で製作される円筒形カソードを缶内に使用する円筒形バッテリ構成の場合には、図6に示すように、材料を分離したまま維持するために同じ概念を使用することができる。材料は、物理的及び電子的に接触しているが、共に混合又は混和されてはいない。しかし、望ましいエキステンダの量に基づき、カソードタブレットのうちの1つが、全てのエキステンダと幾らかの1次カソード活性材料を含有することができ、一方で残りのタブレットは、1次活性材料を含有するのみであると考えられる。
【0051】
製造工程での利点を有する更に関連する電池構成もまた考えられている。例えば、アルカリZn/MnO2電池の場合、エキステンダは、図8に示すようにEMDの重量がエキステンダの重量よりも大きくなるようにして、1次カソード材料とは別の位置で電池内に含まれる(すなわち、エキステンダは、カソードの一部を形成しない)。
【0052】
図7Aを参照すると、エキステンダ材料は、分離したタブレットの形態で提供することができ、例えば、負電池端子23に接近した電池内部の選択された位置で缶の一部分を占めることができる。代替的に、図7Bに示すように、エキステンダ材料を含むタブレットは、電池の負側端部の近く、電池の中央付近、又は電池の正側端部の近くに配置することができる。更に代替的に、1個を超える、エキステンダ材料を含むタブレットを、他のエキステンダタブレットに隣接するか又は隣接しないで(例えば、カソードタブレットによって分離されて)含むことができる。
【0053】
エキステンダが、腐食してアノード汚染化学種を生成する可能性のある材料を含み、その化学種をアノードに移行させると、バッテリ性能にマイナスの影響を与える可能性がある場合には、アノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に抑制することができる分離バリア35を設けることができる。適切なバリア材料としては、セロハンのようなセルロースフィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、改質又は架橋PVAフィルム、及びこのようなフィルムなどの積層組合せ体又は適切な混成物が挙げられる。別のこのようなポリマーは、エチルビニルアセテート(EVA)エマルジョンであり、これは、ビニルアセテートモノマー、ビニルアセテート−エチレン・コポリマー、及びビニルアセテートポリマーを含有し、フィルムとして使用することができるか又は不織セパレータ材料に被覆することができ、アノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に抑制する。バリア材料35は、カソードエキステンダをアノードから隔離し、そのようにしてアノード汚染を最小化する。エキステンダ材料が図7A及び図7Bに示すように配置され、又は図6にあるように1次カソード材料と混和される時、管状セパレータ32全体は、アノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に抑制するバリア材料を含むことができる。代替的に、図7Aに示すように、従来型のセパレータ32(螺旋、渦巻き、交差配置)をバリアセパレータ35と組み合わせて設けることができる。このようなセパレータシステムは、セパレータの縁部周りのアノード汚染可溶性化学種の移動を抑制する継ぎ目シール及び底部シールによって利益を受ける。
【0054】
代替的に、図8を参照すると、エキステンダ33は、残りの部分21を少なくとも部分的に満たすことができ、正端子に接近した位置で電池の全範囲にわたって更に拡がることができる。この実施形態では、バリアセパレータ材料35は、エキステンダ33のアノードに面した表面にわたって拡がり、必要に応じて図示のように従来型のセパレータ32と組み合わせて設けることができる。図8において、バリアセパレータ層の使用は、エキステンダがアノード汚染可溶性化学種を生成する可能性のある材料を含む時に図6及び図7に示す実施形態では望ましいと考えられるアノードと1次カソード材料の間の管状セパレータのための何らかの継ぎ目及び底部シールの必要性もまた都合よく未然に避けるものである。残りのカソードは、従って、従来型の多孔質円筒形(螺旋、渦巻き、交差配置)セパレータ32を有する従来型の円筒形カソードタブレット24の形態とすることができる。
【0055】
代替的に、ここで図9Aを参照すると、電池18は、導電媒体(例えば、カーボンブラック、グラファイト粉末又はグラファイト繊維、金属粒子又は金属繊維など)と組み合わされたエキステンダ材料を含み、バッテリコンテナ20の内面の一部分に被覆された層39を含むことができる。従来型の現在のアルカリバッテリ缶は、バッテリコンテナの内面に炭素コーティングを含むことができ、カソードと缶との接触を改善してカソードの抵抗を低減させ、それによって特に高い電流排出でのバッテリ性能を向上させる。そのような炭素コーティングを導電媒体と組み合わされたエキステンダを含む層と置換することは、顕著な製造の自由度を提供でき、かつバッテリ製造コストを顕著に低減することができる。代替的に、層39(これは、導電媒体と混合されたエキステンダ材料を含むことができる)は、図9Bに示すように、従来型炭素コーティング41とコンテナ20の間に配置することができる。更に代替的に、層39は、図9Bに示すように、従来型炭素コーティングの内面に配置することができる。層39及び41は、様々な方法で吹付けることができ、又は別途当業者に認められるいずれかの方式で被覆することができる。
【0056】
典型的な製造工程では、分離したドーナツ型カソードタブレットが、バッテリ缶に挿入される前にタブレット作製装置で作製される。複数のタブレットが、必要な高さが得られるまで缶内に挿入される。このような処理は、異なる材料の別々のタブレットの使用によく適している。従って、必要なエキステンダの量に基づいて材料比A対Bが変化することができることが想定されている。同様に、こうしたタブレットの数もまた用途に基づいて変化することができる。
【0057】
アルカリ電池のアノード:1次カソード容量比を高め、かつ電池を再均衡化するいくつかの手法が考えられている。アノードとカソードの容積が固定されている(かつ従来型とすることができる)第1の実施形態では、アルカリ電池は、単位アノード容積当たり従来型のものを超える亜鉛質量を有するアノードを含み、それによって広範囲の放電率にわたってより大きい電気化学放電容量を提供する。ゲル化亜鉛アノードの他の成分は、従来型とすることができ、電解液、ゲル化剤、界面活性剤などを含むことができる。
【0058】
第2の実施形態では、アノード:1次カソード容量比は、現在の業界の標準である約1:1未満から、本発明のある一定の態様に従ってアノードに使用することができる容積を増加させることによって約1.5:1のような高さにまで増大することができる。この第2の実施形態では、高められたアノード容量と、その結果高められた水:1次カソードのモル比とが組み合って、より大きいアノード及びカソード放電効率、従って電池容量が得られる。理論によって制約されることは意図しないが、より大きいアノードの量によって可能とされる電池内のより多い電解液(従って、より多い水)の存在は、質量輸送を向上させることによってカソード放電を助け、それによって従来型の電池バランスを有する従来型電池におけるよりも1次カソード活性材料が少なく存在しても、図2に示すように1次カソードの放電効率を高めると考えられる。その結果、顕著な容量の増加を1B又はそれよりも低い終点の場合の典型的な標準放電率での電池放電の間で得ることができる。
【0059】
必要に応じて、エキステンダ材料33とアノード26の間に配置されたバリアセパレータ35は、エキステンダ33からアノード区画28内への生成した銀化学種、銅化学種、及び/又は硫黄化学種であるアノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に制限し、一方で水酸化イオン及び水の移動を可能にする。更に、カソード24又はエキステンダ33又はその両方は、イオン性化学種のカソードからアノードに向う移動を低減又は抑制する作用物質を含むことができる。ポリビニルアルコール、活性炭、様々な粘土、及びラポナイトのようなケイ酸塩などである作用物質は、イオン性化学種を吸着又は阻止する能力を示している。
【実施例】
【0060】
図10は、90%EMD及び10%ジェットミル加工CuO(エキステンダとして)を含有するカソードを有するアルカリ電池の12.5mA(250mA相当AA)連続電流での放電挙動を示し、ここで、CuOの重量パーセントは、全カソード活性材料のパーセントとして測定された。市販のZn/MnO2電池(Rayovac)放電曲線もまた示されている。0.9Vのカットオフ電圧に至るまでの放電容量の最大45%増加が、アノードゲル内のより少ない亜鉛装填と組み合わせてアノード:1次カソード容量比を高めることによって得ることができることが分る。アノード制限型設計を用いて約0.95:1の容量比を有する市販電池は、電池電圧でのこの切り立った低下で示すように突然失活する。多くの装置は、0.9V未満でも作動を続け、従って、エキステンダを含むバッテリは、50%を超えて増加した容量を提供することができる。エキステンダの存在は、低電圧の放電を顕著に延長させ、ガスを発生するほど電圧が低下するのが抑えられる。その効果は、より少ないアノード装填(例えば、66%対68%亜鉛装填)、及びより低電流が使用された例2(図11)に見られるようなより低い放電率で最も明確に見られる。設計最適化は、カソード容量及びエキステンダ性能を更に向上させることができる。
【0061】
図11は、90%EMD及び10%ジェットミル加工CuO(エキステンダとして)を含有するカソードを有するアルカリ電池の5mA(100mA相当AA)電流での放電挙動を示し、ここで、CuOの重量パーセントは、全カソード活性材料のパーセントとして測定された。約0.95:1のアノード/カソード容量比を有する市販AAと比較して、0.9Vに至るまでの最大15%の容量増加を得ることができる。より低い電圧では、この恩典は、30−50%である。約0.95:1比を有する市販電池は、この場合もやはり突然の電圧低下を示し、0.8Vよりも下では容量を持たない。ここでもまた、エキステンダが存在する時に放電は顕著に延びる。
【0062】
図12から図14は、Hg/HgO基準電極を有するZn/MnO2アルカリAA電池における様々なシナリオの影響を示している。図12は、Hg/HgO基準電極に対する従来型アノード:MnO2容量比を有するLR6(AA)のアノード及びカソード電圧を示している。左軸は電池電圧を示している。電池がアノード制限型であるので、アノード電圧(基準に対する)は、8.5時間を超える過放電で急速に上昇し、カソード電圧は約0.45Vである。図13は、アノード:MnO2比を約1.2に高めることが、エキステンダがなくてもバッテリの作動時間を顕著に増加させるであろうことを示している。しかし、この場合はカソード制限型であるので、水素発生のための閾値電位を過ぎてカソード電圧(基準に対する)が約−1.0Vに低下すること(前の実施例とは違って)に注意することが重要である。これは、カソード及びカソード集電子(缶壁部)表面上での急速で顕著な水素発生をもたらし、シールの破れを発生させ、電解液の漏洩又はバッテリ破裂の可能性をもたらすものである。
【0063】
図14は、高い容量及び重量エネルギ密度を有するCuOのような電気活性カソードエキステンダ材料の存在において、エキステンダが複数の段階で放電してカソード放電容量の顕著な増加をもたらすことを概略的に示している。CuOの放電機構は複雑であるが、2つの段階で放電すると理解されている。
【0064】
段階1:2CuO+2e+H2O→Cu2O+2OH-
段階2:Cu2O+2e+H2O→2Cu+2OH-
【0065】
図14に示すように、この電池は、カソード電圧が水素発生の閾値よりも低下することを回避し、それによって過剰亜鉛の放電を延長させ、電解液ガス放出電位に到達する前に過剰の電解液を消費する。このようにして、寿命の終期で、この電池は、あらゆる従来型のアルカリ電池と同様に無害の状態であるが、非常に高い容量を有する。図14に表された電池は、約1.2:1のアノード:MnO2放電容量比を有していた。
【0066】
以上を鑑みて、本発明のいくつかの利点が達成され、他の有利な結果が得られたことが分るであろう。上述の処理及び複合材料において本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができるので、上述の説明に含まれて添付図面で示された全ての事項は、限定的ではなく例示的に解釈されるべきであるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1A】従来型のアノード制限型電池によるガス放出の領域を概略的に示す図である。
【図1B】本発明のある一定の態様に従って構成された電池によるガス放出の領域を概略的に示す図である。
【図2】実用電池と利用可能な無制限(理想的)電解液を有する(無制限アノード容量を模擬する)半電池とに対して、放電効率に対するカソード放電電圧を比較した図である。
【図3】円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図4】従来型電池及び本発明の1つの態様に従ってエキステンダを含む電池の電気化学バランスを概略的に示す図である。
【図5】平型電気化学電池のための複数の構成を示す図である。
【図6】円筒形電気化学電池のための複数の構成を示す図である。
【図7A】エキステンダが1次カソード材料から分離されて電池内部の様々な位置にタブレットの状態で配置されている円筒形電気化学電池のための代替の構成を示す図である。
【図7B】電気化学電池のための複数の代替の構成を示す図である。
【図8】エキステンダが1次カソード材料から分離されて正電池端子の近くに配置されている円筒形電気化学電池のための別の代替の構成を示す図である。
【図9A】電池コンテナの内面に隣接して配置されたエキステンダ材料を含む円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図9B】エキステンダが代替的な実施形態に従って配置されている図9Aに類似した円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図9C】エキステンダが別の代替的な実施形態に従って配置されている図9Bに類似した円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図10】様々なアノード/1次カソード容量比及び90%EMD/10%ジェットミル加工CuO(エキステンダ)を有するアルカリ電池の12.5mA(250mA相当AA)での連続放電挙動を全EMD従来型AA電池と比較して示し、本発明の態様によるエキステンダ効果を示すグラフである。
【図11】5mA(100mA相当AA)の電流での放電挙動である以外は図10と同様のグラフである。
【図12】従来型アノード:1次カソード容量比を有するLR6(AA)電池のアノード及びカソード放電電圧を電池に設けられたHg/HgO基準電極に対してプロットした図である。
【図13】過剰のアノード(すなわち、約1.2:1のアノード:1次カソード容量比)を有するLR6(AA)電池のHg/HgO基準電極に対するアノード及びカソード放電電圧を示す図である。
【図14】本発明のある一定の態様によるカソードエキステンダを含むLR6(AA)電池の基準電極に対するアノード及びカソード放電電圧を示す図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2003年12月10日出願の米国特許仮出願第60/528,414号の恩典を請求するものであり、その開示内容は、本明細書においてその全内容が示されるように引用により組み込まれている。
【0002】
連邦後援調査又は開発に関するステートメント
適用せず。
【背景技術】
【0003】
消費者向けアルカリバッテリのための市場は、バッテリ作動式装置のためのより長時間の実働時間をサポートするより高容量の標準サイズ電池を求め続けている。従来型のアルカリZnアノード/MnO2カソードのバッテリの放電効率は、使用される材料の電気化学的容量のためにそれらの限界に達している。本発明は、従来型のアルカリZn/MnO2バッテリにおいて今まで可能であったものよりも高い容量を有するアルカリ電池に関する。従来型アルカリ電池が単一のカソード活性材料(例えば、MnO2)を通常含有するのに対して、本発明のある一定の態様に従って構成された電池は、1次カソード活性材料及びカソードエキステンダを含有する。本発明のある一定の態様による電池は、カソードエキステンダのない従来型アルカリ電池で利用することができるものよりも高い電池容量バランスを特徴とする。電池バランスは、アノード活性材料の容量と1次カソード活性材料の容量との間の比率(以後、アノード:1次カソード容量比)として表現することができる。
【0004】
いくつかの理由のために、適正な電池バランスが望ましい。還元及び酸化の半反応によってバッテリ内に電気化学電流が発生する。アノード活性材料の酸化の間に放出された全ての電子は、カソード活性材料の還元の間に消費される。これらの2つの半反応が進行すべきであるという事実は、1つの半電池反応が全電池放電容量を制限することができるように電池を設計することを可能にする。従って、一方の電極活性材料が電気化学的に過剰に与えられ、同時に他方が電気化学的限界量で与えられる場合、放電の終わりには、限界活性材料の実質的に全てが消費され、一方で一部の非限界活性材料が消費されずに残る。毎年製造されて販売される莫大な数のバッテリを考えれば、この消費されない活性材料は、無駄なコストを表すものである。
【0005】
いずれにせよ、大部分のバッテリシステムの設計においては、安全上の理由で、一方の電極の活性材料の量を電池の放電の後にその材料が残らないように意図的に制限するのが一般的な方法である。例えば、1次リチウムバッテリは、残留リチウムを含有する「表面的に失活した」バッテリの不適切な廃棄がもたらす可能性がある火災及び爆発の危険を避けるために、ほぼ完全なリチウム消費が保証されるように設計される。
【0006】
同様に、残留電極及び/又は電解液を含有するアルカリバッテリは、過放電での電解液及び水の分解は、バッテリシールの破裂圧力を超えて電池の膨張、噴気、漏洩、又は破裂を不要にもたらす可能性のあるレベルまで内部電池圧力を高めるのに十分な量のH2又はO2ガスを発生させる可能性がある。電池が設計容量を使い尽くした後の還元−酸化反応に使用される残留水分の量は、重要な設計パラメータである。カソード制限型電池(すなわち、過剰のアノードを含有する電池)の過放電では、カソードの電圧が十分に低い値まで達した時、電解液内の水は、反応(4H2O+4e→2H2+4OH-)において減少して水素ガスが発生することになり、この反応は、過剰の液体又はアノードが使い尽くされるまでカソード表面で進行することができる。同じように、アノード制限型電池においては、アノード電位が酸素発生のための電気化学的閾値を超えると、アノード表面で利用可能な水酸化物が酸化されることになり(4OH-→O2+2H2O+4e-)、酸素ガスが発生する。両方の反応が同時に起こった時は、両電極でガスが発生する可能性がある。
【0007】
良好なバッテリ設計のためには、アノードが制限電極であることが好ましく、それは、そのようなアノード制限型電池においては、移動電子当たり発生するガスのモル数が、同等のカソード制限型電池よりも少ないであろうという理由による。アノード制限型電池においては、アノード材料が実質的に使い尽くされる時、更なる電子移動は、電解液及び水を分解して1モルのみの酸素を発生させるが、カソード制限型電池における同じ数の電子の移動は、上述の式で見られるように2モルの水素を発生する。水素及び酸素のモル容積は、同等の温度及び圧力で類似のものであるので、電解液のガス発生は、アノード制限型電池ではカソード制限型電池の約半分の内部圧力を生じさせるのみである。この条件においては、図1Aに概略的に示すように、カソード電圧が水素ガスを発生させるほど十分に低いレベルまで低下することができる前に、アノード電圧が急速に高まる。
【0008】
電池の空隙容積及びシール通気圧力は、放電の終わりに電池内に残ると推定される電解液の量に基づき、上昇した圧力を漏洩又は破裂なしに受容するように設計される。当業者はまた、電解液濃度及び電解液と電極の相対量もまた、必要に応じて最適化することができる重要な電池設計要素であることを理解している。従来型の亜鉛アノード及び従来型の二酸化マンガンカソードを有する市販電池では、アノード:カソード容量比は、約1:1よりも低いが、約0.90から約1.0の範囲とすることができる。約0.98:1よりも大きい比の使用は危険であり、商用製品においてはもしあったとしても稀にしか見られない。更に、約1:1よりも大きいアノード:カソード容量比では、カソード電圧が過放電の時に水素発生電気化学的閾値よりも低い電圧に急落し、残留電解液が分解してガス発生及び潜在的にはセル破裂をもたらす可能性がある高い危険性が存在する。類似の状況は、1つの電池が列内の他のものよりも先に消耗され、従って電流が列を通過して依然として流れる直列の電池内で電圧逆転が発生した時の電池の過放電中に同じく生じる可能性がある。
【0009】
電池のガス発生だけが、1:1よりも大きいアノード:MnO2容量比を有するアルカリ電池が直面する問題ではない。二酸化マンガンカソードは、多めの量の電解液と共に与えられた時に固定の電圧カットオフに対してより高い放電効率を示すことは公知である。通常の容量比(1:1未満)では、十分なアノード及び電解液がないことは、カソードの利用度を妨げ、ほとんど装置に対してMnO2の利用可能な放電容量の小さい割合だけを典型的なカットオフ電圧を超えて取り出すことを可能にしている。(図2は、実用電池のカソード放電を利用可能な電解液の無制限(理想的)供給を有するものと比較している。)従って、有意なガス発生の可能性を高めることなくより良くカソードを利用するように設計された実用電池は、現在可能であるものよりも高い電池容量を有するであろう。しかし、現在の物理的な設計制約を考慮すると、消費者向け円形アルカリ電池の放電容量を大きく向上させる唯一の公知の方法は、より高い効率の活性材料を使用するか、又は他のより高い容量の活性材料を用いることである。
【0010】
従って、過剰なガス発生の問題なしに、従来的に達成されるよりも多量のアノードを含有する電気化学電池を準備する(すなわち、従来型のアルカリバッテリよりも多量の電解液も準備する)ことによりアルカリバッテリの放電効率を向上させることが望ましい。
【0011】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/528,414号
【発明の開示】
【0012】
本発明の1つの態様によれば、電気化学電池は、コンテナ及びそのコンテナ内に配置されたカソードを含む。カソードは、1次活性材料を含む。電池は、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダを更に含む。アノード材料を含むアノードは、カソードに隣接してコンテナ内に配置される。少なくとも1つのセパレータが、アノードとカソードの間に配置され、更にアノードとエキステンダの間に配置される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、電気化学電池は、コンテナ及びそのコンテナ内に配置されたカソードを含む。カソードは、1次活性材料を含む。電池は、1次活性材料と異なるエキステンダを更に含む。エキステンダは、1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有する。アノード材料を含むアノードは、カソードに隣接してコンテナ内に配置される。少なくとも1つのセパレータが、アノードとカソードの間に配置され、更にアノードとエキステンダの間に配置される。
【0014】
本発明の更に別の態様によれば、電気化学電池を生成する方法が提供される。本方法は、電池コンテナを準備する段階と、1次活性材料を含むカソードをコンテナに入れる段階と、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダをコンテナに入れる段階と、アノードをコンテナに入れる段階と、少なくとも1つのセパレータをアノードとカソード及びエキステンダの両方との間に設ける段階とを含む。
【0015】
本発明の更に別の態様によれば、電気化学電池を生成する方法が提供される。本方法は、電池コンテナを準備する段階と、1次活性材料を含むカソードをコンテナに入れる段階と、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有するエキステンダをコンテナに入れる段階と、アノードをコンテナに入れる段階と、少なくとも1つのセパレータをアノードとカソード及びエキステンダの両方との間に設ける段階とを含む。
【0016】
本発明の1つのバージョンによれば、電気化学電池は、アノード、カソード、及びアノードとカソードの間に配置されたセパレータを含む。アノードは、電池内部容積の立方センチ当たり少なくとも0.5Ahの容量を有する。
【0017】
本発明の別のバージョンによれば、電気化学電池は、アノード、マンガン酸化物を含むカソード、エキステンダ、及びアノードとカソード及びエキステンダの両方との間に配置された少なくとも1つのセパレータとを含む。
【0018】
本発明の更に別のバージョンによれば、電気化学電池に使用することができるカソードは、1次活性材料と、1次活性材料と異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダとを含む。
【0019】
本発明の更に別のバージョンによれば、電気化学電池に使用することができるカソードは、マンガン酸化物を含む1次活性材料とエキステンダとを含む。
【0020】
本発明の別の側面では、電気化学電池の1次活性材料を含むカソードと組み合わせて使用することができるエキステンダが提供される。エキステンダは、1次活性材料とは異なり、かつ1次活性材料よりも多くない量で存在する。
【0021】
本発明の更に別の側面では、電気化学電池は、アノード、カソード、アノードとカソードの間に配置されたセパレータを含む。カソードの少なくとも一部分は、一般的に、MxCuyOzによって特定され、式中の「M」は、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるいずれかの元素である。
【0022】
特許請求の範囲と共に様々な実施形態の以下の詳細説明を考察すると、他の態様及び利点が明らかになり、特定の適応、組成の変形、及び物理的特性のより十分な認識が得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、例えば、アルカリ電気化学電池である電気化学電池及びそれらの構成部品に関する。本発明のある一定の態様は、性能及び/又は信頼性の理由のためにある一定のアノード:カソード容量バランスを現在必要とするあらゆる電気化学システムに適用することができる。従来型の円筒形アルカリ電池が図3に示されているが、当業者は、本発明がこの示された電池に限定されず、他の円筒形電池構成及び平型電池(角型電池及びボタン電池)のような他の非円筒形電池に適用されることを認めるであろう。
【0024】
図3を参照すると、軸線方向に延びる円筒形アルカリ電池18は、約0.012インチの厚みであり、最初に一端が開き一端が閉じている引き抜きスチール製コンテナである正側集電子20を含む。1つ又はそれよりも多くの環状カソードリング24は、それらの外側周囲側壁での外径が正側集電子20の内径よりも大きくなるようにして、複数のリングの形態のカソードマトリックスを生成するようにカソード混合物に圧力を印加することによって形成され、正側集電子20内に設けられて正側集電子20との圧力接触部が形成される。カソードリング24は、アノード区画28を提供する中央に形成された空隙を形成する内面を呈する。セパレータ32とゲル化亜鉛を含むことができるアノード26とは、カソードリング24によって形成される空隙内部に設けられ、カソードリング24の内面及びアノード26の外面がセパレータ32に係合する。それを貫通して延びる負側集電子36を有するシールディスク29が、コンテナの開放端部に配置され、開放端部の近くでコンテナ内に巻き込まれてシールディスク29を支持するビード25と接触する。コンテナ20の開放端部は、シールディスク29の上に圧着され、従って、シールディスク29を圧着開放端部とビード25の間で圧縮し、電池18を閉じてシールする。正側集電子は、外側に延びる残りの部分21を形成する。
【0025】
セパレータ32は実質的に円筒形であり、イオン透過性材料を含み、かつアノード26とカソードリング24の内側周囲側壁との間に挿入されて、アノード26とカソード24の間の電気的接触を妨げ、一方でアノード26とカソード24の間のイオン輸送を可能にする。セパレータ32は、正端子端部の近くに缶22の内面とアノード26との間で電池18の平面を半径方向に横切って更に延びている。セパレータ32のこの部分は、円筒形セパレータ32と一体化することができ、又は、当業技術で普通のように、類似であるが多くの場合により厚い材料から成る図3に示すような分離された「ボトムカップ」の形態とすることができる。一般的に、水酸化カリウム及び水を含むアルカリ性水性電解液は、アノード26、カソードリング24、及びセパレータ32を少なくとも部分的に湿潤させる。図3に示す電池18は、本発明を限定することを意図せず、本発明を実施するために使用することができる電気化学電池の一例を提供するものであり、アルカリ性電解液濃度、アノード亜鉛充填レベル、及びアノード亜鉛粒径分布のうちの1つ又はそれよりも多くが性能的利点を得るために変更された電池構造を含むいくつかの他の電池構造を代替的に使用することができることが認められるものとする。円筒形電池が示されているが、本発明は、寸法及び形状を問わずあらゆる電気化学電池に等しく良好に適用することができ、それらとしては、以下に限定されるものではないが、サイズAA、AAA、C、D、9Vの各電池、並びにボタン電池及び角型電池が挙げられる。
【0026】
カソード24は、二酸化マンガンとすることができるカソード活性材料を含む。二酸化マンガンは、電解二酸化マンガン(EMD)とすることができる。従って、EMDがカソード混合物に添加される時に、対応して、電池18の放電効率が高まる。化学二酸化マンガン(CMD)又は天然二酸化マンガン(NMD)をEMDの代わりに又はEMDと共に代替的に利用することができることを認めるべきである。従って、本発明の開示を通じて用いられる時の二酸化マンガンという用語は、EMD、CMD、NMD、又はその組合せを意味する。過剰のアノードガス発生を起こす可能性のある不純物を最小化するために、二酸化マンガンは、必要に応じて従来的に精製することができることも更に認めるべきである。
【0027】
広範な実施形態では、電気化学電池18は、1次カソード活性材料と異なる電気活性エキステンダ材料を含む。エキステンダ材料は、セパレータ32に関してアノード26とは反対の電池18内の位置に配置され、そのエキステンダ材料は、電池放電特性を改善するので、エキステンダ材料はまた、カソードエキステンダとも称することができ、以下でより詳細に説明するように、これは、カソード24と物理的に分離でき(図5及び図7B)、又はカソード24と混和することができる(図6)。
【0028】
適切なカソードエキステンダ材料の非限定的な例としては、CuO、CuS、Cu(OH)2、Cu2O、CuF2、Cu(IO3)2、酸化銀、オキシ水酸化ニッケルである単一及び混合金属の酸化物、硫化物、水酸化物又は塩、並びにヨウ素酸塩銅、オキシ燐酸塩銅、又は鉱物源から直接に利用でき又は合成錯体として利用することができるものを含むあらゆる安定な金属錯体である錯体が挙げられる。
【0029】
本発明のある一定の態様による適切なカソードエキステンダ材料の追加の非限定的な例は、一般的に式MxCuyOzによって示され、式中のMは、説明したようないずれかの適切な元素であり、1≦x≦5、1≦y≦5、及び1≦z≦20である。一般式としてAMxCuyOz(式中Aは、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBa、並びにそれらの混合物の中から選択することができる)を有する化合物もまたカソード活性材料として用いるように設計することができる。本発明の特定的な実施形態では、CuO、Cu(OH)2及びMxCuyOzのうちの少なくとも一方がカソードエキステンダとして使用される。
【0030】
混合酸化物カソードエキステンダ材料を調製する処理の一例は、錯化剤及び還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、ギ酸ナトリウム、ギ酸、ホルムアルデヒド、フマル酸、又はヒドラジン)を加えて塩の混合溶液を化学還元し、金属を含有する化合物を生成することである。式AMxCuyの錯化合物はまた、この還元段階で前駆物質として第3の金属塩を添加して調製することができる。得られる生成物は、酸化剤(例えば、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過硫酸カリウム又は塩素酸カリウム)を使用して酸性条件で酸化し、銅ベースの混合酸化物を生成することができる。
【0031】
例えば、このようにして調製されたCu/Mn化合物は、X線回折(XRD)分析によって混合銅マンガン酸化物相を含むことが示されている。この酸化物に相当するASTMカードはないが、その回折パターンは、Cu2Mn3O8のパターンと同様である。Cu2Mn2O5単独又はCuOとの組合せなどである他の化合物もまた、酸化処理の間にpHがより低減された(すなわち、より酸性にされた)時に検出されている。酸化条件の制御は、得られる銅ベースの混合酸化物材料の構造を変化させるのに使用することができる。これらの生成物の最終組成及び結晶化度は、有効に制御することができる。この混合酸化物相に加え、合成の生成物は、マンガン酸化物及び銅酸化物を含む他の相を含有することができる。当業者に公知のように、ある程度の低温度から中間温度の溶液ベースの合成方法は、不定形の混合金属酸化物の生成物を生じさせる可能性がある。
【0032】
Cu/Mn化合物の酸化は、例えば、アルカリ溶液中又はpHが中性の溶液中で行うことができることも想定されている。有機又は無機酸(又は塩基)を用いて、酸化液のpHを調整することができる。同様に、化合物は、化学酸化の前に最初に熱処理することができる。更に、合成した混合銅金属酸化物化合物は、導電材料と混合される前に熱処理してカソードを形成することができる。
【0033】
混合酸化物化合物はまた、高エネルギのボールミルを使用する公知の機械的合金形成法により、又はオーブン中での直接高温合成法により、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などのような様々な出発原料を用いて調製することができる。こうした転移反応は、当業者によって容易に設計することができ、電気化学電池の構成要素に使用するための望ましい純度を伴った高収率の反応が達成される。MxCuyOz又はAMxCuyOzの銅ベースの混合酸化物材料は、金属塩溶液の混合物を共沈させた後、適切な条件下でこの沈殿物を加熱することによって代替的に形成することができることが更に想定されている。
【0034】
上述の材料は、1次活性材料として又はその放電電圧が1次活性材料の初期放電電圧よりも低い程度までエキステンダ材料として提供することができることを認めるべきである。酸化銅は、本明細書で共通式CuOで示されているが、当業者が認めるように、この材料は、完全な化学量論性を本質的に持たないこともまた注意すべきである。換言すれば、CuO内の銅及び酸素は、正確には1:1の比率ではなく、Cu:O比は、通常約0.9:1から1:1.1の範囲にある。こうした材料がある一定の範囲の化学量論比率にわたって得られ、そのような範囲で有用な電極材料としての実用性もまた証明されることが見出されるのは一般的である。これは、本明細書に開示された他の電極材料に対しても同様に当て嵌まる。
【0035】
本発明の1つの態様は、電池内のエキステンダ材料を1次活性材料よりも多くない量で提供する。例えば、アルカリZn/MnO2電池の場合、その中の活性材料が100%EMDであるカソードの代わりに、カソードは、実質的に同じ合計重量の活性材料を有し、50%を超える材料がEMDであり、残った部分は、カソードエキステンダ材料である。カソード構成要素の残りは、アルカリZn/MnO2バッテリにおいて慣行的なものとすることができるが、その比率は、エキステンダ材料の量並びに導電性及び結合特性によって変えることができることを当業者は容易に認識するであろう。
【0036】
本発明の別の態様は、1次カソード活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を示すカソードエキステンダ材料を提供する。アルカリMn/ZnO2電池の場合、カソードエキステンダ材料は、望ましくは、二酸化マンガン還元の第1電子よりも低い電圧で放電する。
【0037】
本発明の別の態様は、高い比放電エネルギ密度(1次カソード活性材料のものと少なくとも同程度の)を有するエキステンダ材料を提供する。当業者に公知のように、エネルギ密度は、単位質量当たりの容量(重量エネルギ密度)、又は単位容積当たりのアンペア−時(Ah)として定めることができ、それぞれmAh/g又はAh/ccの単位を有する。例えば、マンガン酸化物カソードを有するアルカリ電池の場合、エキステンダ材料は、例えば、CuO(2電子放電に対して674mAh/g、4.26Ah/cc)、Cu2O(337mAh/g)、又はCu(IO3)2(902mAh/g)のように、少なくとも約300mAh/g又は少なくとも1.5Ah/ccのエネルギ密度を有する。本発明のある一定の態様では、高い容積及び高い重量密度材料が望ましく、その理由は、少量のエキステンダが電池内で過度の容積を占めることなく、放電挙動及び容量に対して望ましい影響を有することをそれが可能にするからである。例えば、本発明のある一定の態様によれば、エキステンダは、カソード容積の約30%未満を占める。
【0038】
本発明の別の態様は、1:1よりも大きいアノード/1次カソード容量比を達成するエキステンダ材料を含む電池を提供する。エキステンダ材料は、酸化銅又は水酸化銅エキステンダの場合におけるように、実質的に平坦で安定な放電電圧プロフィールを有する。図1Bは、アノード/1次カソード容量比が1.0よりも大きく、カソードがCuエキステンダ材料を含有する電池のアノード及びカソード電圧プロフィールを示している。放電のための十分なアノードがある時、CuOは、以下の2段階で放電することになることを認めるべきである。
【0039】
段階1:2CuO+2e+H2O→Cu2O+2OH-
段階2:Cu2O+2e+H2O→2Cu+2OH-
【0040】
更に、本発明の更に別の態様によるエキステンダを含む電気化学電池は、その下限を0.5Ah/cc又は代替的に0.55Ah/ccと定め、その上限を0.9Ah/cc又は代替的に1.0Ah/ccと定めた範囲内のアノード容量/電池内部容積比を有する。カソードエキステンダ材料は、過剰アノード及び電解液の全てが実質的に消費されるまでカソードが放電を継続することを可能にし、それによって過剰にガスを発生させる残留電解液が十分に残らないようにする。現在の市販のアルカリ電池は、820mAh/gの亜鉛容量と、MnO2の1.33電子還元を仮定した400mAh/gのMnO2容量とに基づく、約0.5Ah/ccのアノード容積/内部容積比に制限されている。
【0041】
亜鉛/二酸化マンガン電池の場合には、カソードエキステンダは、顕著な新しい設計柔軟性を可能にし、アノード対1次カソード容量比が0.98:1、1.03:1、1.05:1、及び/又は1.1:1の間にあってそれを含むその下限と、1.5:1のその上限とで定められる範囲内であり、それによってこうした電池の放電容量を多くの装置の利用可能な放電電圧(すなわち、0.8Vを超える)内で顕著に増加させ、かつ、約0.8V未満(放電電圧による)の放電電圧での放電を延長させて、それによって本発明において先に詳述された亜鉛及びMnO2容量を用いて計算して1:1よりも大きいアノード:カソード容量比が使用される時に、従来型電池(エキステンダを用いない)における過放電で通常発生すると考えられる水素発生が避けられる。エキステンダを含む電気化学電池は、エキステンダの代わりに1次活性材料を含有するそれ以外は同一の電池の放電容量よりも大きい電池放電容量を有する。
【0042】
更に、エキステンダは、過放電の間及び電池が電圧逆転に陥った時に1:1よりも大きいアノード対1次カソード電気化学バランス比を有する電池において通常直面する過剰のガス発生を回避する。ガス発生の減少は、直列系列内の電池の信頼性を向上させ、系列内の1つの電池が早発的に劣化した場合での電圧逆転及びデクリンピングの可能性を低減する。
【0043】
カソードエキステンダ材料の使用は、従来型電池に比較して高められたアノード−1次カソード容量比の使用を可能にし、従って、カソード内のMnO2に利用することができる電池内の電解液(従って、水)の量が高まる。これは、電池のガス発生の不都合なしに、従来型電池に比較してMnO2の放電効率を顕著に向上させることができる。1次カソード活性材料の放電効率が高まると、必要なカソードの量が低減され、それによって電池内部の空間が要望される追加の活性材料又はエキステンダ材料のために解放されることが認められるであろう。
【0044】
それに関連して、全アノード容積が増大された時、その時のカソード容積(従って、質量)は、利用可能な電池容積に適合するように低減される。標準ボビンデザイン円形電池においては、従って、カソード内径が必然的により大きくされるべきであり、より大きいカソード活性表面積を作り出す(増えた直径のため)。これは、放電の時のカソード電流密度を低下させることにより、カソード放電効率に利益を与える。
【0045】
図4を参照すると、従来型電池と、本発明の少なくとも1つの態様に従ってエキステンダを含む電池との電気化学バランスが示されている。図4において、Xは、アノードの電気化学容量((mAh/g)*g)を表し、Yは、1次カソード活性材料の電気化学容量を表す。上述のように、従来型電池は、アノード制限型であり、過剰のカソード容量を有するようにバランスが取られ、Xは、Yよりも小である。本発明のある一定の態様に沿えば、カソードエキステンダZの包含は、付加のアノード容量が電池設計内に組み込まれることを可能にする。これは、従来のアノード容量Xへの電気化学活性アノード容量の付加(X1)として表される。この設計は、X+X1>Yであるので、1次カソード材料Yの実質的に全てを使用することができ、一方で、X+X1≦Y+Zであるので、電池の全体的な電気化学バランスは、アノード制限型のままである。
【0046】
一般的に、エキステンダは、それが正端子又は1次カソード材料と電子的に接触している限りはどこにでも配置することができる。従って、それは、1次カソード材料と混和でき又はそれから分離することができる。一部の場合には、それを1次活性材料から分離しておくことが望ましい場合がある。一例として、標準的Zn/MnO2電池では、MnO2は、4.5g/ccの密度を有し、MnO21モル当たり2モルの水を消費し、かつその構造内に陽子を取り込んでMnOOH(不良電子伝導体かつMnO2よりも低密度の材料)を生成させる。カソード反応で電池内の余分の水を必要とすることにより、使用することができる亜鉛の量が制限され、比較的低い容積密度になる。また、EMDは、傾斜放電曲線を有する。
【0047】
一方で、約6.3g/ccの密度を有する酸化銅(CuO)は、第1の電子の放電においてMnO2に比較して半分の水を消費し、より小さい容積膨張を示し、比較的平坦な放電曲線を有して、電池内で高い容積エネルギ密度を提供する。適切な比率のEMD(例えば、全カソード活性材料の80−90重量%)及び10−20重量%のCuOエキステンダを含むカソードでは、初期作動電圧が高いが若干傾斜する放電曲線を有するEMDが最初に放電してCuOが続き、それらの間は比較的鋭く遷移する。この2つの物理的混合物を含有するカソードでは、場合によっては以下の理由でMnO2含量が増大すると、カソードのCuO部分の性能が劣化する。このようなカソードでは、MnO2がその第1の電子を放電した後、CuO放電反応が支配的になる。しかし、この第1のステージではCuOに使用することができる電解液は有効な反応のためには不十分であり、質量移動分極が生じる。MnO2の容積膨張もまた、CuO粒子をMnO2自体から、またカソード内に通常提供されている導電材料(グラファイト)から分離させる可能性がある。導電材料は、天然グラファイト又は合成グラファイトとすることができ、かつ、当業者が認めるように更に膨張グラファイトを含むことができる。初期MnO2放電反応の影響は、カソードでのオーミック抵抗の増大であり、結果として更に別の電圧損失が生じる。これらの処理の正味の影響は、CuO材料が、それがそうでなくて単独に放電する時よりも顕著に低い電圧で作動することである。
【0048】
従って、本発明のある一定の態様は、1次カソードとエキステンダとを個別の層又はペレット(又は、酸化物の混合物を含むことができる別々の層)として又は電池内の別々の位置において電池内に任意的に提供し、その本来の還元電位にできるだけ近く有効に放電することができるようにすることにより、異種の放電作動の悪影響の緩和を追求するものである。
【0049】
カソードをディスク形態とすることができる平型(角型)バッテリでは、活性材料は、一方が他方の上にある積重ね環状層、一方が他方の内部にある同心リング又は隣接するアーチ形セグメント(例えば、半円形セグメント)とすることができ、これらは図5に示されている。層のうちの少なくとも1つがエキステンダ材料を含むことができ、一方で残りの層が1次カソード活性材料を含むことができることを認めるべきである。代替的に、層のうちの少なくとも1つは、エキステンダ材料と1次カソード活性材料との混合物を含むことができる。
【0050】
「タブレット」とも称される複数の中空円筒として外部から加圧挿入されるか又は缶内に原位置で製作される円筒形カソードを缶内に使用する円筒形バッテリ構成の場合には、図6に示すように、材料を分離したまま維持するために同じ概念を使用することができる。材料は、物理的及び電子的に接触しているが、共に混合又は混和されてはいない。しかし、望ましいエキステンダの量に基づき、カソードタブレットのうちの1つが、全てのエキステンダと幾らかの1次カソード活性材料を含有することができ、一方で残りのタブレットは、1次活性材料を含有するのみであると考えられる。
【0051】
製造工程での利点を有する更に関連する電池構成もまた考えられている。例えば、アルカリZn/MnO2電池の場合、エキステンダは、図8に示すようにEMDの重量がエキステンダの重量よりも大きくなるようにして、1次カソード材料とは別の位置で電池内に含まれる(すなわち、エキステンダは、カソードの一部を形成しない)。
【0052】
図7Aを参照すると、エキステンダ材料は、分離したタブレットの形態で提供することができ、例えば、負電池端子23に接近した電池内部の選択された位置で缶の一部分を占めることができる。代替的に、図7Bに示すように、エキステンダ材料を含むタブレットは、電池の負側端部の近く、電池の中央付近、又は電池の正側端部の近くに配置することができる。更に代替的に、1個を超える、エキステンダ材料を含むタブレットを、他のエキステンダタブレットに隣接するか又は隣接しないで(例えば、カソードタブレットによって分離されて)含むことができる。
【0053】
エキステンダが、腐食してアノード汚染化学種を生成する可能性のある材料を含み、その化学種をアノードに移行させると、バッテリ性能にマイナスの影響を与える可能性がある場合には、アノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に抑制することができる分離バリア35を設けることができる。適切なバリア材料としては、セロハンのようなセルロースフィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、改質又は架橋PVAフィルム、及びこのようなフィルムなどの積層組合せ体又は適切な混成物が挙げられる。別のこのようなポリマーは、エチルビニルアセテート(EVA)エマルジョンであり、これは、ビニルアセテートモノマー、ビニルアセテート−エチレン・コポリマー、及びビニルアセテートポリマーを含有し、フィルムとして使用することができるか又は不織セパレータ材料に被覆することができ、アノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に抑制する。バリア材料35は、カソードエキステンダをアノードから隔離し、そのようにしてアノード汚染を最小化する。エキステンダ材料が図7A及び図7Bに示すように配置され、又は図6にあるように1次カソード材料と混和される時、管状セパレータ32全体は、アノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に抑制するバリア材料を含むことができる。代替的に、図7Aに示すように、従来型のセパレータ32(螺旋、渦巻き、交差配置)をバリアセパレータ35と組み合わせて設けることができる。このようなセパレータシステムは、セパレータの縁部周りのアノード汚染可溶性化学種の移動を抑制する継ぎ目シール及び底部シールによって利益を受ける。
【0054】
代替的に、図8を参照すると、エキステンダ33は、残りの部分21を少なくとも部分的に満たすことができ、正端子に接近した位置で電池の全範囲にわたって更に拡がることができる。この実施形態では、バリアセパレータ材料35は、エキステンダ33のアノードに面した表面にわたって拡がり、必要に応じて図示のように従来型のセパレータ32と組み合わせて設けることができる。図8において、バリアセパレータ層の使用は、エキステンダがアノード汚染可溶性化学種を生成する可能性のある材料を含む時に図6及び図7に示す実施形態では望ましいと考えられるアノードと1次カソード材料の間の管状セパレータのための何らかの継ぎ目及び底部シールの必要性もまた都合よく未然に避けるものである。残りのカソードは、従って、従来型の多孔質円筒形(螺旋、渦巻き、交差配置)セパレータ32を有する従来型の円筒形カソードタブレット24の形態とすることができる。
【0055】
代替的に、ここで図9Aを参照すると、電池18は、導電媒体(例えば、カーボンブラック、グラファイト粉末又はグラファイト繊維、金属粒子又は金属繊維など)と組み合わされたエキステンダ材料を含み、バッテリコンテナ20の内面の一部分に被覆された層39を含むことができる。従来型の現在のアルカリバッテリ缶は、バッテリコンテナの内面に炭素コーティングを含むことができ、カソードと缶との接触を改善してカソードの抵抗を低減させ、それによって特に高い電流排出でのバッテリ性能を向上させる。そのような炭素コーティングを導電媒体と組み合わされたエキステンダを含む層と置換することは、顕著な製造の自由度を提供でき、かつバッテリ製造コストを顕著に低減することができる。代替的に、層39(これは、導電媒体と混合されたエキステンダ材料を含むことができる)は、図9Bに示すように、従来型炭素コーティング41とコンテナ20の間に配置することができる。更に代替的に、層39は、図9Bに示すように、従来型炭素コーティングの内面に配置することができる。層39及び41は、様々な方法で吹付けることができ、又は別途当業者に認められるいずれかの方式で被覆することができる。
【0056】
典型的な製造工程では、分離したドーナツ型カソードタブレットが、バッテリ缶に挿入される前にタブレット作製装置で作製される。複数のタブレットが、必要な高さが得られるまで缶内に挿入される。このような処理は、異なる材料の別々のタブレットの使用によく適している。従って、必要なエキステンダの量に基づいて材料比A対Bが変化することができることが想定されている。同様に、こうしたタブレットの数もまた用途に基づいて変化することができる。
【0057】
アルカリ電池のアノード:1次カソード容量比を高め、かつ電池を再均衡化するいくつかの手法が考えられている。アノードとカソードの容積が固定されている(かつ従来型とすることができる)第1の実施形態では、アルカリ電池は、単位アノード容積当たり従来型のものを超える亜鉛質量を有するアノードを含み、それによって広範囲の放電率にわたってより大きい電気化学放電容量を提供する。ゲル化亜鉛アノードの他の成分は、従来型とすることができ、電解液、ゲル化剤、界面活性剤などを含むことができる。
【0058】
第2の実施形態では、アノード:1次カソード容量比は、現在の業界の標準である約1:1未満から、本発明のある一定の態様に従ってアノードに使用することができる容積を増加させることによって約1.5:1のような高さにまで増大することができる。この第2の実施形態では、高められたアノード容量と、その結果高められた水:1次カソードのモル比とが組み合って、より大きいアノード及びカソード放電効率、従って電池容量が得られる。理論によって制約されることは意図しないが、より大きいアノードの量によって可能とされる電池内のより多い電解液(従って、より多い水)の存在は、質量輸送を向上させることによってカソード放電を助け、それによって従来型の電池バランスを有する従来型電池におけるよりも1次カソード活性材料が少なく存在しても、図2に示すように1次カソードの放電効率を高めると考えられる。その結果、顕著な容量の増加を1B又はそれよりも低い終点の場合の典型的な標準放電率での電池放電の間で得ることができる。
【0059】
必要に応じて、エキステンダ材料33とアノード26の間に配置されたバリアセパレータ35は、エキステンダ33からアノード区画28内への生成した銀化学種、銅化学種、及び/又は硫黄化学種であるアノード汚染可溶性化学種の移動を実質的に制限し、一方で水酸化イオン及び水の移動を可能にする。更に、カソード24又はエキステンダ33又はその両方は、イオン性化学種のカソードからアノードに向う移動を低減又は抑制する作用物質を含むことができる。ポリビニルアルコール、活性炭、様々な粘土、及びラポナイトのようなケイ酸塩などである作用物質は、イオン性化学種を吸着又は阻止する能力を示している。
【実施例】
【0060】
図10は、90%EMD及び10%ジェットミル加工CuO(エキステンダとして)を含有するカソードを有するアルカリ電池の12.5mA(250mA相当AA)連続電流での放電挙動を示し、ここで、CuOの重量パーセントは、全カソード活性材料のパーセントとして測定された。市販のZn/MnO2電池(Rayovac)放電曲線もまた示されている。0.9Vのカットオフ電圧に至るまでの放電容量の最大45%増加が、アノードゲル内のより少ない亜鉛装填と組み合わせてアノード:1次カソード容量比を高めることによって得ることができることが分る。アノード制限型設計を用いて約0.95:1の容量比を有する市販電池は、電池電圧でのこの切り立った低下で示すように突然失活する。多くの装置は、0.9V未満でも作動を続け、従って、エキステンダを含むバッテリは、50%を超えて増加した容量を提供することができる。エキステンダの存在は、低電圧の放電を顕著に延長させ、ガスを発生するほど電圧が低下するのが抑えられる。その効果は、より少ないアノード装填(例えば、66%対68%亜鉛装填)、及びより低電流が使用された例2(図11)に見られるようなより低い放電率で最も明確に見られる。設計最適化は、カソード容量及びエキステンダ性能を更に向上させることができる。
【0061】
図11は、90%EMD及び10%ジェットミル加工CuO(エキステンダとして)を含有するカソードを有するアルカリ電池の5mA(100mA相当AA)電流での放電挙動を示し、ここで、CuOの重量パーセントは、全カソード活性材料のパーセントとして測定された。約0.95:1のアノード/カソード容量比を有する市販AAと比較して、0.9Vに至るまでの最大15%の容量増加を得ることができる。より低い電圧では、この恩典は、30−50%である。約0.95:1比を有する市販電池は、この場合もやはり突然の電圧低下を示し、0.8Vよりも下では容量を持たない。ここでもまた、エキステンダが存在する時に放電は顕著に延びる。
【0062】
図12から図14は、Hg/HgO基準電極を有するZn/MnO2アルカリAA電池における様々なシナリオの影響を示している。図12は、Hg/HgO基準電極に対する従来型アノード:MnO2容量比を有するLR6(AA)のアノード及びカソード電圧を示している。左軸は電池電圧を示している。電池がアノード制限型であるので、アノード電圧(基準に対する)は、8.5時間を超える過放電で急速に上昇し、カソード電圧は約0.45Vである。図13は、アノード:MnO2比を約1.2に高めることが、エキステンダがなくてもバッテリの作動時間を顕著に増加させるであろうことを示している。しかし、この場合はカソード制限型であるので、水素発生のための閾値電位を過ぎてカソード電圧(基準に対する)が約−1.0Vに低下すること(前の実施例とは違って)に注意することが重要である。これは、カソード及びカソード集電子(缶壁部)表面上での急速で顕著な水素発生をもたらし、シールの破れを発生させ、電解液の漏洩又はバッテリ破裂の可能性をもたらすものである。
【0063】
図14は、高い容量及び重量エネルギ密度を有するCuOのような電気活性カソードエキステンダ材料の存在において、エキステンダが複数の段階で放電してカソード放電容量の顕著な増加をもたらすことを概略的に示している。CuOの放電機構は複雑であるが、2つの段階で放電すると理解されている。
【0064】
段階1:2CuO+2e+H2O→Cu2O+2OH-
段階2:Cu2O+2e+H2O→2Cu+2OH-
【0065】
図14に示すように、この電池は、カソード電圧が水素発生の閾値よりも低下することを回避し、それによって過剰亜鉛の放電を延長させ、電解液ガス放出電位に到達する前に過剰の電解液を消費する。このようにして、寿命の終期で、この電池は、あらゆる従来型のアルカリ電池と同様に無害の状態であるが、非常に高い容量を有する。図14に表された電池は、約1.2:1のアノード:MnO2放電容量比を有していた。
【0066】
以上を鑑みて、本発明のいくつかの利点が達成され、他の有利な結果が得られたことが分るであろう。上述の処理及び複合材料において本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができるので、上述の説明に含まれて添付図面で示された全ての事項は、限定的ではなく例示的に解釈されるべきであるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1A】従来型のアノード制限型電池によるガス放出の領域を概略的に示す図である。
【図1B】本発明のある一定の態様に従って構成された電池によるガス放出の領域を概略的に示す図である。
【図2】実用電池と利用可能な無制限(理想的)電解液を有する(無制限アノード容量を模擬する)半電池とに対して、放電効率に対するカソード放電電圧を比較した図である。
【図3】円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図4】従来型電池及び本発明の1つの態様に従ってエキステンダを含む電池の電気化学バランスを概略的に示す図である。
【図5】平型電気化学電池のための複数の構成を示す図である。
【図6】円筒形電気化学電池のための複数の構成を示す図である。
【図7A】エキステンダが1次カソード材料から分離されて電池内部の様々な位置にタブレットの状態で配置されている円筒形電気化学電池のための代替の構成を示す図である。
【図7B】電気化学電池のための複数の代替の構成を示す図である。
【図8】エキステンダが1次カソード材料から分離されて正電池端子の近くに配置されている円筒形電気化学電池のための別の代替の構成を示す図である。
【図9A】電池コンテナの内面に隣接して配置されたエキステンダ材料を含む円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図9B】エキステンダが代替的な実施形態に従って配置されている図9Aに類似した円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図9C】エキステンダが別の代替的な実施形態に従って配置されている図9Bに類似した円筒形電気化学電池の側面断面図である。
【図10】様々なアノード/1次カソード容量比及び90%EMD/10%ジェットミル加工CuO(エキステンダ)を有するアルカリ電池の12.5mA(250mA相当AA)での連続放電挙動を全EMD従来型AA電池と比較して示し、本発明の態様によるエキステンダ効果を示すグラフである。
【図11】5mA(100mA相当AA)の電流での放電挙動である以外は図10と同様のグラフである。
【図12】従来型アノード:1次カソード容量比を有するLR6(AA)電池のアノード及びカソード放電電圧を電池に設けられたHg/HgO基準電極に対してプロットした図である。
【図13】過剰のアノード(すなわち、約1.2:1のアノード:1次カソード容量比)を有するLR6(AA)電池のHg/HgO基準電極に対するアノード及びカソード放電電圧を示す図である。
【図14】本発明のある一定の態様によるカソードエキステンダを含むLR6(AA)電池の基準電極に対するアノード及びカソード放電電圧を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成するコンテナと、
前記コンテナ内に配置されて1次活性材料を含むカソードと、
前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダと、
前記カソードに隣接して前記コンテナ内に配置された、アノード材料を含むアノードと、
前記アノード及びカソード間に配置され、更に該アノード及びエキステンダ間に配置された少なくとも1つのセパレータと、
を含むことを特徴とする電気化学電池。
【請求項2】
前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項3】
前記量は、重量であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項4】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項5】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の電気化学電池。
【請求項6】
前記エキステンダは、前記1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項7】
前記エキステンダは、銅の酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項8】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項9】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の電気化学電池。
【請求項10】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項9に記載の電気化学電池。
【請求項11】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項12】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定される材料を含み、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項13】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の電気化学電池。
【請求項14】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の電気化学電池。
【請求項15】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の電気化学電池。
【請求項16】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項17】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項18】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントとして設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項19】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項20】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項21】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項20に記載の電気化学電池。
【請求項22】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項21に記載の電気化学電池。
【請求項23】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項22に記載の電気化学電池。
【請求項24】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項25】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項24に記載の電気化学電池。
【請求項26】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項25に記載の電気化学電池。
【請求項27】
前記エキステンダは、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項28】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と混合されることを特徴とする請求項27に記載の電気化学電池。
【請求項29】
前記カソードエキステンダは、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項30】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項31】
作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項30に記載の電気化学電池。
【請求項32】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項33】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項34】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項35】
前記作用物質は、前記可溶性化学種が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項34に記載の電気化学電池。
【請求項36】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の発生を低減することを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項37】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項38】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項37に記載の電気化学電池。
【請求項39】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項40】
前記カソードは、天然グラファイト及び合成グラファイトのうちの少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項41】
前記1次活性材料は、ニッケル、鉛、及び銀のうちの少なくとも1つの酸化物及び水酸化物のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項42】
前記エキステンダと導電剤とを含む層が、前記カソードと前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項43】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、導電剤の層と前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項42に記載の電気化学電池。
【請求項44】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、前記コンテナの内面に隣接して配置された導電剤の層の内面上に配置されていることを特徴とする請求項42に記載の電気化学電池。
【請求項45】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項46】
正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成するコンテナと、
前記コンテナ内に配置されて1次活性材料を含むカソードと、
前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有するエキステンダと、
前記カソードに隣接して前記コンテナ内に配置された、アノード材料を含むアノードと、
前記アノード及びカソード間に配置され、更に該アノード及びエキステンダ間に配置された少なくとも1つのセパレータと、
を含むことを特徴とする電気化学電池。
【請求項47】
前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項48】
前記量は、重量であることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項49】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項50】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項51】
前記エキステンダは、銅の酸化物を含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項52】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項53】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項52に記載の電気化学電池。
【請求項54】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項53に記載の電気化学電池。
【請求項55】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項56】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項57】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項58】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントとして設けられる、
ことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項59】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項60】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項61】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項60に記載の電気化学電池。
【請求項62】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項61に記載の電気化学電池。
【請求項63】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項61に記載の電気化学電池。
【請求項64】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項65】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項64に記載の電気化学電池。
【請求項66】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項65に記載の電気化学電池。
【請求項67】
前記エキステンダは、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項68】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と混合されることを特徴とする請求項67に記載の電気化学電池。
【請求項69】
前記カソードエキステンダは、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くに配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項70】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項71】
作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項70に記載の電気化学電池。
【請求項72】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項73】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項74】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項75】
前記作用物質は、前記可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項74に記載の電気化学電池。
【請求項76】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の発生を低減することを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項77】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項78】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項77に記載の電気化学電池。
【請求項79】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項80】
前記カソードは、天然グラファイト及び合成グラファイトのうちの少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項81】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項82】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項81に記載の電気化学電池。
【請求項83】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項81に記載の電気化学電池。
【請求項84】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項83に記載の電気化学電池。
【請求項85】
前記エキステンダと導電剤とを含む層が、前記カソードと前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項86】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、導電剤の層と前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項85に記載の電気化学電池。
【請求項87】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、前記コンテナの内面に隣接して配置された導電剤の層の内面上に配置されていることを特徴とする請求項85に記載の電気化学電池。
【請求項88】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項89】
電気化学電池を生成する方法であって、
(A)正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成する電池コンテナを準備する段階と、
(B)1次活性材料を含むカソードを前記コンテナに入れる段階と、
(C)前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダを前記コンテナに入れる段階と、
(D)アノードを前記コンテナに入れる段階と、
(E)前記アノード及びカソード間と該アノード及び前記エキステンダ間に少なくとも1つのセパレータを設ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項90】
前記電池は、前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項91】
段階(B)は、前記カソードのアノード対向面によって形成された内部空洞に前記アノードを入れる段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記エキステンダは、前記1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項95】
前記エキステンダは、銅の酸化物を含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項97】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、CuMnO4、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項98】
前記エキステンダは、CuO及びCuSの混合物を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項100】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項101】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項103】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項105】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項106】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントの形態である、
ことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項107】
段階(A)は、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くにカソードエキステンダを配置する段階を含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記電池は、1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項109】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項114】
段階(C)の前に前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項113に記載の方法。
【請求項115】
段階(C)は、前記カソードとは別個に前記エキステンダを維持する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項116】
段階(C)は、前記電池の端子端部の近くに前記エキステンダを配置する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項117】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記カソードは、作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記作用物質は、前記可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の前記発生を低減することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項124】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項125】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項124に記載の方法。
【請求項126】
段階(C)は、前記エキステンダと導電剤とを含む層を前記コンテナの内面に付加する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項127】
電気化学電池を生成する方法であって、
(A)正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成する電池コンテナを準備する段階と、
(B)1次活性材料を含むカソードを前記コンテナに入れる段階と、
(C)前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有するエキステンダを前記コンテナに入れる段階と、
(D)アノードを前記コンテナに入れる段階と、
(E)前記アノード及び前記カソード間と該アノード及び前記エキステンダ間に少なくとも1つのセパレータを設ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項128】
前記電池は、前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項129】
段階(B)は、前記カソードのアノード対向面によって形成された内部空洞に前記アノードを入れる段階を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項130】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項131】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項133】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記エキステンダは、CuO及びCuSの混合物を含むことを特徴とする請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項136】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項138】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項139に記載の方法。
【請求項139】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項140】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項141】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントの形態である、
ことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項142】
段階(A)は、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くにカソードエキステンダを配置する段階を含むことを特徴とする請求項131に記載の方法。
【請求項143】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項127に記載の電気化学電池。
【請求項144】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項145】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項146に記載の方法。
【請求項148】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項149】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項148に記載の方法。
【請求項150】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項152】
段階(C)の前に前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項151に記載の方法。
【請求項153】
段階(C)は、前記カソードとは別個に前記エキステンダを維持する段階を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項154】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項155】
前記カソードは、作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項154に記載の方法。
【請求項156】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項158】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項159】
前記作用物質は、前記可溶性化学種が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の前記発生を低減することを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項161】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項162】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項164】
アノードと、
カソードと、
前記アノード及びカソード間に配置されたセパレータと、
を含み、
前記アノードは、電池内部容積の立方センチ当たり少なくとも0.5Ahの容量を有する、
ことを特徴とする電気化学電池。
【請求項165】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項166】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項165に記載の電気化学電池。
【請求項167】
前記カソードは、1次活性材料と、該1次活性材料とは異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダとを含むことを特徴とする請求項166に記載の電気化学電池。
【請求項168】
前記エキステンダは、前記カソードに含まれていることを特徴とする請求項167に記載の電気化学電池。
【請求項169】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と混合されることを特徴とする請求項168に記載の電気化学電池。
【請求項170】
前記エキステンダは、前記カソードとは別々であることを特徴とする請求項169に記載の電気化学電池。
【請求項171】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項167に記載の電気化学電池。
【請求項172】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項173】
前記カソードは、天然グラファイト及び合成グラファイトのうちの少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項172に記載の電気化学電池。
【請求項174】
前記カソードは、銅の酸化物を更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項175】
前記カソードは、マンガンを更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項176】
前記カソードは、MnO2を更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項177】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項178】
アノードと、
マンガン酸化物を含むカソードと、
エキステンダと、
前記アノードと前記カソード及び前記エキステンダの両方との間に配置された少なくとも1つのセパレータと、
を含むことを特徴とする電気化学電池。
【請求項179】
前記マンガン酸化物は、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項180】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項181】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項182】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項183】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項182に記載の電気化学電池。
【請求項184】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項182に記載の電気化学電池。
【請求項185】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項184に記載の電気化学電池。
【請求項186】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項187】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項188】
前記エキステンダは、前記1次活性材料よりも多くない量で存在することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項189】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項190】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項189に記載の電気化学電池。
【請求項191】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項190に記載の電気化学電池。
【請求項192】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項191に記載の電気化学電池。
【請求項193】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項192に記載の電気化学電池。
【請求項194】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項195】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項194に記載の電気化学電池。
【請求項196】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項195に記載の電気化学電池。
【請求項197】
前記エキステンダは、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項198】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項199】
前記膨張グラファイトは、天然及び合成グラファイトから成る群から選択されることを特徴とする請求項198に記載のアルカリ電気化学電池。
【請求項200】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項201】
前記エキステンダと導電剤とを含む層が、前記カソードと前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項202】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、導電剤の層と前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項201に記載の電気化学電池。
【請求項203】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、前記コンテナの内面に隣接して配置された導電剤の層の内面上に配置されていることを特徴とする請求項201に記載の電気化学電池。
【請求項204】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項205】
アルカリ電気化学電池に使用可能なカソードであって、
1次活性材料と、
前記1次活性材料とは異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダと、
を含むことを特徴とするカソード。
【請求項206】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項207】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項206に記載のカソード。
【請求項208】
前記エキステンダは、銅含有材料、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項207に記載のカソード。
【請求項209】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項208に記載のカソード。
【請求項210】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項209に記載のカソード。
【請求項211】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項212】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項211に記載のカソード。
【請求項213】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項211に記載のカソード。
【請求項214】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項213に記載のカソード。
【請求項215】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記カソードから移動することができるアノード汚染化学種を発生することを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項216】
作用物質を用いない同一カソードに比較してカソードから移動することができるアノード汚染化学種の量を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項215に記載のカソード。
【請求項217】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部を捕捉することを特徴とする請求項216に記載のカソード。
【請求項218】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部が前記アノードに向って移動することを阻止することを特徴とする請求項217に記載のカソード。
【請求項219】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項215に記載のカソード。
【請求項220】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項215に記載のカソード。
【請求項221】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項216に記載のカソード。
【請求項222】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項223】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項224】
カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接したアーチ形セグメントの形態である、
ことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項225】
膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項226】
前記膨張グラファイトは、天然及び合成グラファイトから成る群から選択されることを特徴とする請求項226に記載のカソード。
【請求項227】
エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項228】
電気化学電池に使用可能なカソードであって、
マンガン酸化物を含む1次活性材料と、
エキステンダと、
を含むことを特徴とするカソード。
【請求項229】
前記エキステンダは、基準電極に対する前記1次活性材料の初期電圧レベルよりも低い該基準電極に対する電圧レベルを有することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項230】
前記マンガン酸化物は、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項231】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、CuMnO4、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項232】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項231に記載のカソード。
【請求項233】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項234】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項235】
前記エキステンダは、前記1次活性材料よりも多くない量で存在することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項236】
膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項237】
前記膨張グラファイトは、天然及び合成グラファイトから成る群から選択されることを特徴とする請求項236に記載のカソード。
【請求項238】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項239】
電気化学電池の1次活性材料を含むカソードと組み合わせて使用可能なエキステンダであって、
1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在する、
ことを特徴とするエキステンダ。
【請求項240】
前記1次活性材料の基準電極に対する初期電圧レベルよりも低い該基準電極に対する電圧レベルを有することを特徴とする請求項239に記載のカソード。
【請求項241】
銅含有材料、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項242】
CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、CuMnO4、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項243】
CuO及びCuSの混合物を含むことを特徴とする請求項241に記載のエキステンダ。
【請求項244】
エキステンダが、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項245】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項244に記載のエキステンダ。
【請求項246】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項245に記載のエキステンダ。
【請求項247】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項246に記載のエキステンダ。
【請求項248】
前記電解液に可溶であって電気化学電池のアノードを汚染することができる化学種をアルカリ性電解液の存在下で発生し、
前記化学種の少なくとも一部と相互作用する作用物質を含む、
ことを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項249】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部を吸着することを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項250】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部を阻止することを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項251】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項252】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項253】
前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項254】
少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項255】
Cu2Oを更に含むことを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項256】
アノードと、
カソードと、
前記アノード及び前記カソード間に配置されたセパレータと、
を含み、
前記カソードの少なくとも一部分は、MxCuyOzで一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする電気化学電池。
【請求項257】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項256に記載の電気化学電池。
【請求項258】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項256に記載の電気化学電池。
【請求項259】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項258に記載の電気化学電池。
【請求項1】
正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成するコンテナと、
前記コンテナ内に配置されて1次活性材料を含むカソードと、
前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダと、
前記カソードに隣接して前記コンテナ内に配置された、アノード材料を含むアノードと、
前記アノード及びカソード間に配置され、更に該アノード及びエキステンダ間に配置された少なくとも1つのセパレータと、
を含むことを特徴とする電気化学電池。
【請求項2】
前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項3】
前記量は、重量であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項4】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項5】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の電気化学電池。
【請求項6】
前記エキステンダは、前記1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項7】
前記エキステンダは、銅の酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項8】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項9】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項8に記載の電気化学電池。
【請求項10】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項9に記載の電気化学電池。
【請求項11】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項12】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定される材料を含み、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項13】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の電気化学電池。
【請求項14】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の電気化学電池。
【請求項15】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の電気化学電池。
【請求項16】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項17】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項18】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントとして設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項19】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項20】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項21】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項20に記載の電気化学電池。
【請求項22】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項21に記載の電気化学電池。
【請求項23】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項22に記載の電気化学電池。
【請求項24】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項25】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項24に記載の電気化学電池。
【請求項26】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項25に記載の電気化学電池。
【請求項27】
前記エキステンダは、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項28】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と混合されることを特徴とする請求項27に記載の電気化学電池。
【請求項29】
前記カソードエキステンダは、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項30】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項31】
作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項30に記載の電気化学電池。
【請求項32】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項33】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項34】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項35】
前記作用物質は、前記可溶性化学種が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項34に記載の電気化学電池。
【請求項36】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の発生を低減することを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項37】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項31に記載の電気化学電池。
【請求項38】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項37に記載の電気化学電池。
【請求項39】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項40】
前記カソードは、天然グラファイト及び合成グラファイトのうちの少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項41】
前記1次活性材料は、ニッケル、鉛、及び銀のうちの少なくとも1つの酸化物及び水酸化物のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項42】
前記エキステンダと導電剤とを含む層が、前記カソードと前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項43】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、導電剤の層と前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項42に記載の電気化学電池。
【請求項44】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、前記コンテナの内面に隣接して配置された導電剤の層の内面上に配置されていることを特徴とする請求項42に記載の電気化学電池。
【請求項45】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
【請求項46】
正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成するコンテナと、
前記コンテナ内に配置されて1次活性材料を含むカソードと、
前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有するエキステンダと、
前記カソードに隣接して前記コンテナ内に配置された、アノード材料を含むアノードと、
前記アノード及びカソード間に配置され、更に該アノード及びエキステンダ間に配置された少なくとも1つのセパレータと、
を含むことを特徴とする電気化学電池。
【請求項47】
前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項48】
前記量は、重量であることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項49】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項50】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項51】
前記エキステンダは、銅の酸化物を含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項52】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項53】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項52に記載の電気化学電池。
【請求項54】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項53に記載の電気化学電池。
【請求項55】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項56】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項57】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項58】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントとして設けられる、
ことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項59】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項60】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項61】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項60に記載の電気化学電池。
【請求項62】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項61に記載の電気化学電池。
【請求項63】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項61に記載の電気化学電池。
【請求項64】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項65】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項64に記載の電気化学電池。
【請求項66】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項65に記載の電気化学電池。
【請求項67】
前記エキステンダは、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項68】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と混合されることを特徴とする請求項67に記載の電気化学電池。
【請求項69】
前記カソードエキステンダは、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くに配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項70】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項71】
作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項70に記載の電気化学電池。
【請求項72】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項73】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項74】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項75】
前記作用物質は、前記可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項74に記載の電気化学電池。
【請求項76】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の発生を低減することを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項77】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項71に記載の電気化学電池。
【請求項78】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項77に記載の電気化学電池。
【請求項79】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項80】
前記カソードは、天然グラファイト及び合成グラファイトのうちの少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項81】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項82】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項81に記載の電気化学電池。
【請求項83】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項81に記載の電気化学電池。
【請求項84】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項83に記載の電気化学電池。
【請求項85】
前記エキステンダと導電剤とを含む層が、前記カソードと前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項86】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、導電剤の層と前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項85に記載の電気化学電池。
【請求項87】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、前記コンテナの内面に隣接して配置された導電剤の層の内面上に配置されていることを特徴とする請求項85に記載の電気化学電池。
【請求項88】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項46に記載の電気化学電池。
【請求項89】
電気化学電池を生成する方法であって、
(A)正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成する電池コンテナを準備する段階と、
(B)1次活性材料を含むカソードを前記コンテナに入れる段階と、
(C)前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダを前記コンテナに入れる段階と、
(D)アノードを前記コンテナに入れる段階と、
(E)前記アノード及びカソード間と該アノード及び前記エキステンダ間に少なくとも1つのセパレータを設ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項90】
前記電池は、前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項91】
段階(B)は、前記カソードのアノード対向面によって形成された内部空洞に前記アノードを入れる段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記エキステンダは、前記1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項95】
前記エキステンダは、銅の酸化物を含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項97】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、CuMnO4、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項98】
前記エキステンダは、CuO及びCuSの混合物を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項100】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項101】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項103】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項105】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項106】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントの形態である、
ことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項107】
段階(A)は、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くにカソードエキステンダを配置する段階を含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記電池は、1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項109】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項114】
段階(C)の前に前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項113に記載の方法。
【請求項115】
段階(C)は、前記カソードとは別個に前記エキステンダを維持する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項116】
段階(C)は、前記電池の端子端部の近くに前記エキステンダを配置する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項117】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記カソードは、作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記作用物質は、前記可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の前記発生を低減することを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項124】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項118に記載の方法。
【請求項125】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項124に記載の方法。
【請求項126】
段階(C)は、前記エキステンダと導電剤とを含む層を前記コンテナの内面に付加する段階を更に含むことを特徴とする請求項89に記載の方法。
【請求項127】
電気化学電池を生成する方法であって、
(A)正側電池端子端部及び負側電池端子端部を形成する電池コンテナを準備する段階と、
(B)1次活性材料を含むカソードを前記コンテナに入れる段階と、
(C)前記1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料の初期放電電圧よりも低い放電電圧を有するエキステンダを前記コンテナに入れる段階と、
(D)アノードを前記コンテナに入れる段階と、
(E)前記アノード及び前記カソード間と該アノード及び前記エキステンダ間に少なくとも1つのセパレータを設ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項128】
前記電池は、前記エキステンダの代わりに1次活性材料を含有する以外は同一の電池よりも大きい放電容量を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項129】
段階(B)は、前記カソードのアノード対向面によって形成された内部空洞に前記アノードを入れる段階を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項130】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項131】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記エキステンダは、金属、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項133】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記エキステンダは、CuO及びCuSの混合物を含むことを特徴とする請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項136】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項135に記載の方法。
【請求項138】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項139に記載の方法。
【請求項139】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項140】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項141】
前記カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接するアーチ形セグメントの形態である、
ことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項142】
段階(A)は、前記正側電池端子端部及び前記負側電池端子端部の少なくとも一方の近くにカソードエキステンダを配置する段階を含むことを特徴とする請求項131に記載の方法。
【請求項143】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項127に記載の電気化学電池。
【請求項144】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項145】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項146に記載の方法。
【請求項148】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項149】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項148に記載の方法。
【請求項150】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項152】
段階(C)の前に前記エキステンダを前記カソード内に統合する段階を更に含むことを特徴とする請求項151に記載の方法。
【請求項153】
段階(C)は、前記カソードとは別個に前記エキステンダを維持する段階を更に含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項154】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記アノードに向けて移動することができるアノード汚染化学種を発生させることを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項155】
前記カソードは、作用物質を用いない同一電池に対して前記可溶性化学種によるアノード汚染を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項154に記載の方法。
【請求項156】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項158】
前記作用物質は、前記可溶性化学種と相互作用して、該発生した可溶性化学種の少なくとも一部が前記アノードに向けて移動するのを防止することを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項159】
前記作用物質は、前記可溶性化学種が前記アノードに向けて移動するのを阻止することを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記作用物質は、前記エキステンダへの前記電解液の接近を制限して可溶性化学種の前記発生を低減することを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項161】
前記作用物質は、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項155に記載の方法。
【請求項162】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項127に記載の方法。
【請求項164】
アノードと、
カソードと、
前記アノード及びカソード間に配置されたセパレータと、
を含み、
前記アノードは、電池内部容積の立方センチ当たり少なくとも0.5Ahの容量を有する、
ことを特徴とする電気化学電池。
【請求項165】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項166】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項165に記載の電気化学電池。
【請求項167】
前記カソードは、1次活性材料と、該1次活性材料とは異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダとを含むことを特徴とする請求項166に記載の電気化学電池。
【請求項168】
前記エキステンダは、前記カソードに含まれていることを特徴とする請求項167に記載の電気化学電池。
【請求項169】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と混合されることを特徴とする請求項168に記載の電気化学電池。
【請求項170】
前記エキステンダは、前記カソードとは別々であることを特徴とする請求項169に記載の電気化学電池。
【請求項171】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項167に記載の電気化学電池。
【請求項172】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項173】
前記カソードは、天然グラファイト及び合成グラファイトのうちの少なくとも一方を更に含むことを特徴とする請求項172に記載の電気化学電池。
【請求項174】
前記カソードは、銅の酸化物を更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項175】
前記カソードは、マンガンを更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項176】
前記カソードは、MnO2を更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項177】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項164に記載の電気化学電池。
【請求項178】
アノードと、
マンガン酸化物を含むカソードと、
エキステンダと、
前記アノードと前記カソード及び前記エキステンダの両方との間に配置された少なくとも1つのセパレータと、
を含むことを特徴とする電気化学電池。
【請求項179】
前記マンガン酸化物は、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項180】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項181】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項182】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項183】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項182に記載の電気化学電池。
【請求項184】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項182に記載の電気化学電池。
【請求項185】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項184に記載の電気化学電池。
【請求項186】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項187】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項188】
前記エキステンダは、前記1次活性材料よりも多くない量で存在することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項189】
0.98:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項190】
1:1よりも大きいアノード:1次カソード容量比を有することを特徴とする請求項189に記載の電気化学電池。
【請求項191】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.03:1よりも大きいことを特徴とする請求項190に記載の電気化学電池。
【請求項192】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.05:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項191に記載の電気化学電池。
【請求項193】
前記アノード:1次カソード容量比は、1.1:1と1.50:1の間であることを特徴とする請求項192に記載の電気化学電池。
【請求項194】
0.5Ah/ccよりも大きいアノード容量/電池内部容積比を有することを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項195】
前記アノード容量/電池内部容積比は、0.55Ah/ccよりも大きいことを特徴とする請求項194に記載の電気化学電池。
【請求項196】
前記アノード容量/電池内部容積比は、1.0Ah/cc未満であることを特徴とする請求項195に記載の電気化学電池。
【請求項197】
前記エキステンダは、前記カソード内に配置されていることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項198】
前記カソードは、膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項199】
前記膨張グラファイトは、天然及び合成グラファイトから成る群から選択されることを特徴とする請求項198に記載のアルカリ電気化学電池。
【請求項200】
アルカリ電気化学電池を更に含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項201】
前記エキステンダと導電剤とを含む層が、前記カソードと前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項202】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、導電剤の層と前記コンテナの間に配置されていることを特徴とする請求項201に記載の電気化学電池。
【請求項203】
前記エキステンダと導電剤とを含む前記層は、前記コンテナの内面に隣接して配置された導電剤の層の内面上に配置されていることを特徴とする請求項201に記載の電気化学電池。
【請求項204】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項178に記載の電気化学電池。
【請求項205】
アルカリ電気化学電池に使用可能なカソードであって、
1次活性材料と、
前記1次活性材料とは異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在するエキステンダと、
を含むことを特徴とするカソード。
【請求項206】
前記1次活性材料は、二酸化マンガンを含むことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項207】
前記1次活性材料は、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガン、及び天然二酸化マンガンから成る群から選択されることを特徴とする請求項206に記載のカソード。
【請求項208】
前記エキステンダは、銅含有材料、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項207に記載のカソード。
【請求項209】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項208に記載のカソード。
【請求項210】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項209に記載のカソード。
【請求項211】
前記エキステンダは、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項212】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項211に記載のカソード。
【請求項213】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項211に記載のカソード。
【請求項214】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項213に記載のカソード。
【請求項215】
アルカリ性電解液の存在下で、前記エキステンダは、該電解液に可溶であって前記カソードから移動することができるアノード汚染化学種を発生することを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項216】
作用物質を用いない同一カソードに比較してカソードから移動することができるアノード汚染化学種の量を低減する作用物質を更に含むことを特徴とする請求項215に記載のカソード。
【請求項217】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部を捕捉することを特徴とする請求項216に記載のカソード。
【請求項218】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部が前記アノードに向って移動することを阻止することを特徴とする請求項217に記載のカソード。
【請求項219】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項215に記載のカソード。
【請求項220】
前記可溶性化学種は、銅化学種であることを特徴とする請求項215に記載のカソード。
【請求項221】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項216に記載のカソード。
【請求項222】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項223】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項224】
カソードの少なくとも一部分は、環状の形状で設けられ、
前記1次活性材料は、積み重ねた層又はタブレット、同心リング、又は隣接したアーチ形セグメントの形態である、
ことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項225】
膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項226】
前記膨張グラファイトは、天然及び合成グラファイトから成る群から選択されることを特徴とする請求項226に記載のカソード。
【請求項227】
エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項205に記載のカソード。
【請求項228】
電気化学電池に使用可能なカソードであって、
マンガン酸化物を含む1次活性材料と、
エキステンダと、
を含むことを特徴とするカソード。
【請求項229】
前記エキステンダは、基準電極に対する前記1次活性材料の初期電圧レベルよりも低い該基準電極に対する電圧レベルを有することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項230】
前記マンガン酸化物は、二酸化マンガンであることを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項231】
前記エキステンダは、CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、CuMnO4、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項232】
前記エキステンダは、CuO及びCuSを含むことを特徴とする請求項231に記載のカソード。
【請求項233】
前記エキステンダは、前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項234】
前記エキステンダは、少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項235】
前記エキステンダは、前記1次活性材料よりも多くない量で存在することを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項236】
膨張グラファイトを更に含むことを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項237】
前記膨張グラファイトは、天然及び合成グラファイトから成る群から選択されることを特徴とする請求項236に記載のカソード。
【請求項238】
前記エキステンダは、Cu2Oを含むことを特徴とする請求項228に記載のカソード。
【請求項239】
電気化学電池の1次活性材料を含むカソードと組み合わせて使用可能なエキステンダであって、
1次活性材料と異なり、かつ該1次活性材料よりも多くない量で存在する、
ことを特徴とするエキステンダ。
【請求項240】
前記1次活性材料の基準電極に対する初期電圧レベルよりも低い該基準電極に対する電圧レベルを有することを特徴とする請求項239に記載のカソード。
【請求項241】
銅含有材料、硫黄含有材料、水酸化物、及び塩のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項242】
CuO、CuS、Cu(OH)2、CuF2、CuMnO4、Cu(IO3)2、及びオキシ燐酸銅から成る群から選択されることを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項243】
CuO及びCuSの混合物を含むことを特徴とする請求項241に記載のエキステンダ。
【請求項244】
エキステンダが、MxCuyOzによって一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項245】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項244に記載のエキステンダ。
【請求項246】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項245に記載のエキステンダ。
【請求項247】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項246に記載のエキステンダ。
【請求項248】
前記電解液に可溶であって電気化学電池のアノードを汚染することができる化学種をアルカリ性電解液の存在下で発生し、
前記化学種の少なくとも一部と相互作用する作用物質を含む、
ことを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項249】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部を吸着することを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項250】
前記作用物質は、前記化学種の少なくとも一部を阻止することを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項251】
前記可溶性化学種は、硫黄化学種であることを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項252】
前記作用物質は、ポリビニルアルコール、活性炭、及びケイ酸塩から成る群から選択されることを特徴とする請求項248に記載のエキステンダ。
【請求項253】
前記1次活性材料と少なくとも同じくらい高い比放電容量を有することを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項254】
少なくとも1.5Ah/ccの比放電容量を有することを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項255】
Cu2Oを更に含むことを特徴とする請求項239に記載のエキステンダ。
【請求項256】
アノードと、
カソードと、
前記アノード及び前記カソード間に配置されたセパレータと、
を含み、
前記カソードの少なくとも一部分は、MxCuyOzで一般的に特定され、
Mは、混合酸化物の化合物又は錯体を生成することができるあらゆる元素であり、
1≦x≦5、
1≦y≦5、及び
1≦z≦20、
であることを特徴とする電気化学電池。
【請求項257】
Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Sn、V、Mo、Pb、及びAgから成る群から選択されることを特徴とする請求項256に記載の電気化学電池。
【請求項258】
前記銅ベースの混合酸化物材料は、化合物AMxCuyOzに特定されている付加的な金属「A」を更に含むことを特徴とする請求項256に記載の電気化学電池。
【請求項259】
「A」は、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Mg、Sr、及びBaから成る群から選択されることを特徴とする請求項258に記載の電気化学電池。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−515758(P2007−515758A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544035(P2006−544035)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041484
【国際公開番号】WO2005/060026
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(506044720)ロヴカル インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041484
【国際公開番号】WO2005/060026
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(506044720)ロヴカル インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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