説明

カチオン電着塗料組成物及びその製造方法

【課題】 カチオン電着塗料組成物及びその製造方法が開示される。
【解決手段】 優れた帯電防止機能を有するカチオン電着塗料組成物及びその製造方法において、カチオン電着塗料組成物は、カチオン電着樹脂組成物42乃至47重量%、顔料ペースト組成物6乃至13重量%、及びイオン交換水40乃至48重量%を含む。前記カチオン電着塗料組成物を利用して塗装された鉄及びアルミニウム合金等の電子部品素材の塗膜は鉛及びスズを含まず、帯電防止機能を通じた摩擦静電気発生防止で電子部品組立時に、不良率を最小化して、静電気発生による火災の危険を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン電着塗料組成物及びその製造方法に係り、より詳細には、塗装された乾燥塗膜が鉛及びスズ等の重金属を含むことなく、摩擦静電気発生防止で電子部品を組み立てる時、不良率を最小化することができるカチオン電着塗料組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電着塗料は被塗装物に電気的に塗料粒子を析出し塗装して、高度の防せい性が要求される電子部品等で使用される塗料である。電着塗料が使用される例を挙げると、ハードディスクドライブのコーティングが挙げられる。ハードディスクドライブは、コンピュータの補助記憶装置の1つであって、磁気ヘッドによって磁気ディスクに保存されたデータを解釈するか、磁気ディスクにデータを記録する装置である。このようなハードディスクドライブを保護するために、アルミニウム合金のダイカスト(die casting)によって製作されるベースフレームが必要であるが、ベースフレームを保護するために電着塗装によって連続的なコーティング膜を形成させる。
【0003】
電着塗料の例としては、一般的にカチオンエポキシ電着塗料、カチオンアクリル電着塗料、アニオン電着塗料等が挙げられる。
【0004】
カチオンエポキシ電着塗料によって塗装された電着塗膜の場合、その乾燥塗膜には素材の耐蝕性を向上させるための目的として鉛及びスズが含まれるが、ハードディスクドライブのベースフレームを塗装するためには、従来、鉛を含有するがスズを含有しないカチオンのエポキシ電着塗料が適用されてきた。しかし、電着塗料組成物の乾燥塗膜から鉛のような有害物質を減少させるか、除去するために全世界的な環境汚染規制が急速に進行されるに従い、ハードディスクドライブのベースフレーム塗装用カチオンエポキシ電着塗料でも鉛の除去を要求している。従って、従来のハードディスクドライブのベースフレーム乾燥塗膜で鉛及びスズを除去すると同時に、塗装時の水素ガス発生によるピンホール現象の外観不良によるアルミニウム合金の露出によってハードディスクドライバの駆動性能に影響を与えることができる要素を排除させようとする努力が進められている。乾燥塗膜で鉛及びスズを除去することができる電着塗料に対する発明は、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】韓国特許出願出願公開第2003−100091号
【0005】
従来のスズを含有しないカチオンエポキシ電着塗料を利用して電子部品及び金属素材を電着塗装する場合、組立工程で摩擦静電気が発生する場合があるが、この状態でハードディスクドライブが完成されると、データ等の損失を誘発する虞があるという問題点がある。
【0006】
従って、鉄及びアルミニウム合金等の電子部品素材に塗装された電着塗料の乾燥塗膜が鉛及びスズ等の重金属成分を含有することなく、適切な範囲の表面抵抗及び摩擦電荷量を有しながら、帯電防止機能を通じて摩擦静電気発生を防止することができるカチオン電着塗料組成物に対する必要性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、重金属を含むことなく、摩擦静電気発生を防止することができるカチオン電着塗料組成物を提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、前記カチオン電着塗料組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した本発明の目的を達成するための本発明の一実施例によるカチオン電着塗料組成物は、カチオン電着樹脂組成物42乃至47重量%、顔料ペースト組成物6乃至13重量%、及びイオン交換水40乃至48重量%を含む。この際、前記カチオン電着樹脂組成物は、カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として、カチオン電着樹脂分散液80乃至95重量%、カチオンマイクロゲル5乃至15重量%、及びエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5乃至2重量%を含む。又、前記カチオン電着樹脂分散液は、カチオン電着樹脂分散液の総重量を基準として、カチオン電着樹脂35乃至50重量%、酢酸亜鉛0.5乃至3重量%、及び脱イオン水55乃至65重量%を含み、前記カチオン電着樹脂は、カチオン電着樹脂の総重量を基準として、アミノ基を含むカチオン合成樹脂50乃至70重量%及びイソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤30乃至50重量%を含む。
【0010】
前述した本発明の他の目的を達成するための本発明の一実施例によるカチオン電着塗料組成物の製造方法において、カチオン電着樹脂の総重量を基準として、アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂50乃至70重量%及びイソシアネート(isocyanate)官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート(polyisocyanate)硬化剤30乃至50重量%を重合反応させてカチオン電着樹脂を製造する。カチオン電着樹脂分散液の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂35乃至50重量%を酢酸亜鉛0.5乃至3重量%及び脱イオン水55乃至65重量%を含む水性媒質に分散させてカチオン電着樹脂分散液を製造する。その後、カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂分散液80乃至95重量%にカチオンマイクロゲル5乃至15重量%及びエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5乃至2重量%を添加して、カチオン電着樹脂組成物を製造する。そして、顔料ペースト組成物の総重量を基準として、顔料粉砕ビヒクル25乃至35重量%、カーボンブラック3乃至12重量%、ビスマス化合物1乃至5重量%、及びイオン交換水を混合して顔料ペースト組成物を製造する。カチオン電着塗料組成物の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂組成物42乃至47重量%、顔料ペースト組成物6乃至13重量%、及びイオン交換水40乃至48重量%を混合してカチオン電着塗料組成物を製造する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施例によるカチオン電着塗料組成物及びその製造方法を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明によるカチオン電着塗料組成物を製造する方法を示す流れ図である。
【0013】
図1を参照すると、まず、アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂及びイソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤を重合反応させて、カチオン電着樹脂を製造する(S100)。前記カチオン電着樹脂を酢酸亜鉛及び脱イオン水を含む水性媒質に分散させて、カチオン電着樹脂分散液を製造する(S200)。前記カチオン電着樹脂分散液にカチオンマイクロゲル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテルを添加して、カチオン電着樹脂組成物を製造する(S300)。その後、顔料粉砕ビヒクル、カーボンブラック、ビスマス化合物、及びイオン交換水を混合して、顔料ペースト組成物を製造する(S400)。前記から得られたカチオン電着樹脂組成物、顔料ペースト組成物、及びイオン交換水を混合して、本発明のカチオン電着塗料組成物を製造する(S500)。
【0014】
以下、前記カチオン電着塗料組成物及びその製造方法をより詳細に説明する。

カチオン電着樹脂組成物及びその製造方法
【0015】
図1を参照すると、アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂及びイソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤を重合反応させてカチオン電着樹脂を製造する(S100)。
【0016】
前記カチオン電着合成樹脂は、本発明のカチオン電着塗料組成物でフィルム形成樹脂の役割を果たす。前記カチオン電着合成樹脂は、ポリエポキシド(poly epoxide)と1級、2級、又は3級アミンとの付加反応によって生成されたアミノ基を含む合成樹脂である。
【0017】
前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂は、エポキシ樹脂(epoxy resin)、ポリカプロラクトンジオール(polycaprolactonediol)、ビスフェノールA(bisphenol A)、及びベンジルジメチルアミン(benzyldimethyl amine)を使用して製造することができる。
【0018】
前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂の使用量がカチオン電着樹脂の総重量を基準として約50重量%未満であれば、合成樹脂の水分散時、親水性部の減少で水分散液の製造が困難なので好ましくなく、約70重量%を超えると、親水性部の増加で電着塗装時に所望するフィルムの厚みを得るのが困難で、ピンホール等の塗膜に傷が生じるので好ましくない。従って、前記カチオン電着合成樹脂の使用量はカチオン電着樹脂の総重量を基準として50乃至70重量%が好ましい。
【0019】
前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂は、イソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤と反応して、カチオン電着樹脂を形成する。
【0020】
前記イソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤は、加熱硬化時、封鎖されたイソシアネートが解離されイソシアネート官能基が更に生成する時、前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂主鎖(backbone)のヒドロキシ官能基と反応して、ウレタン架橋結合をするか、末端のアミノ基の活性水素と反応して、ウレア架橋結合をすることができる。
【0021】
前記ポリイソシアネート硬化剤の例としては、イソポロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate)、ヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethylene diisocyanate)、及びそのビウレット化合物、4,4−ビスメチレンジイソシアネート(4,4−bismethylene diisocyanate)単量体又はそのオリゴマーとの混合物であるポリマーメチレンジイソシアネート(polymeric methylene diisocyanate)、4,4−ジサイクロヘキシルメタンジイソシアネート(4,4−dicyclohexylmethane diisocyanate) 、及びノボランジイソシアネート等が挙げ
られる。又、前記イソシアネート官能基を封鎖するための封鎖物質として、メチルエチルケトオキシム(methyl ethyl ketoxime)、ジエチルマロネート(diethyl malonate)、ジメチルピラゾール(dimethyl pyrazole)、ε−カプロラクタム(ε−caprolactam)、及びヒドロキシ(hydroxyl)官能基を有するエーテル等が利用されることができる。
【0022】
本発明の一実施例によると、官能基が部分的に封鎖された前記ポリイソシアネート硬化剤は、前記のポリイソシアネートと封鎖物質を反応させて単独で製造することができる。
本発明の他の実施例によると、ポリイソシアネートとトリメチルオールプロパンを反応させて分子量を増加させた後、前記の封鎖物質であるジエチルマロネート、メチルエチルケトオキシム、ジメチルピラゾール、ε−カプロラクタム、及びヒドロキシ官能基を有するエーテル等と反応させて製造することができる。
【0023】
前記ポリイソシアネート硬化剤の使用量がカチオン電着樹脂の総重量を基準として約30重量%未満であれば、硬化性が足りなくて、鉛筆硬度及び耐塩水噴霧性等の物性低下を招来して好ましくなく、約50重量%を超えると、水分散液の製造を困難にし、耐衝撃性、耐屈曲性等の物性低下を招来するので、好ましくない。従って、前記ポリイソシアネート硬化剤の使用量は、カチオン電着樹脂の総重量を基準として30乃至50重量%であることが好ましく、より好ましくは35乃至45重量%である。
【0024】
前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂とポリイソシアネート硬化剤を反応させて製造した前記カチオン電着樹脂を酢酸亜鉛及び脱イオン水を含む水性媒質に分散させて、カチオン電着樹脂分散液を製造する(S200)。
【0025】
本発明の一実施例によると、前記カチオン電着樹脂分散液は、前記カチオン電着樹脂を35乃至50重量%、酢酸亜鉛を0.5乃至3重量%、脱イオン水を55乃至65重量%に含む。
【0026】
前記水性媒質は、脱イオン水及び酢酸亜鉛を含む。前記水性媒質に含まれた酢酸亜鉛は、カチオン電着塗料組成物が電着塗装された乾燥塗膜における耐蝕性を向上させる。前記酢酸亜鉛の含量がカチオン電着樹脂分散液の総重量を基準として約0.5重量%未満であれば、電着塗装された乾燥塗膜の耐蝕性等の化学的物性等が低下し、約3重量%を超えると、前記酢酸亜鉛が水性媒質で存在する時、亜鉛イオンと2つの酢酸分子に解離され、この時に生成された酢酸分子が前記カチオン電着樹脂を水性媒質に分散させる時に影響を与えて、電着塗料の電気的特性に大きく影響を与えるので、好ましくない。従って、前記酢酸亜鉛は、カチオン電着樹脂分散液の総重量を基準として0.5乃至3重量%で含まれるのが好ましい。
【0027】
前記水性媒質は、中和剤として酸を更に含むことができる。前記酸の例としては、ギ酸、酢酸、乳酸、リン酸等を挙げることができる。
【0028】
図1を更に参照すると、前記カチオン電着樹脂分散液にカチオンマイクロゲル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ethyleneglycol monohexylether)を添加して、カチオン電着樹脂組成物を製造する(S300)。
【0029】
具体的には、カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂分散液80乃至95重量%にカチオンマイクロゲル5乃至15重量%及びエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5乃至2重量%を添加させて、カチオン電着樹脂組成物を製造する。
【0030】
前記カチオンマイクロゲルは、自己架橋型カチオン界面活性剤、内部架橋型化合物、及び開始剤を混合反応させることで形成される。
【0031】
前記自己架橋型カチオン界面活性剤は、300乃至1500のエポキシ当量を有するポリエポキシドにイソシアネート基が部分的に封鎖されたイソシアネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、カチオン4級アンモニウム塩のイソシアネート、有機酸、及び脱イオン水等を混合反応させることで形成される。前記内部架橋型化合物は、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールメタクリレート等が挙げられる。これらは単独又は2つ以上を混合して使用することができる。又、開始剤の例としては、4,4’−アゾビス(4,4’−azobis)、過硫酸アンモニウム(ammonium persulfate)、硫酸ナトリウム(sodium sulfate)、2,2’−アゾビス(2,2’−azobis)等が挙げられる。これらは単独又は2つ以上を混合して使用することができる。
【0032】
前記カチオンマイクロゲルは、塗装時、被塗装物の耐汚染性及び角部位の耐蝕性を向上させる役割を果たす。前記カチオンマイクロゲルの含量がカチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として約5重量%未満であれば、角部位の防せい性を向上させるのが難しく、約15重量%を超えると、電着塗膜の外観が悪くなり、10〜10Ω/sq範囲の表面抵抗及び5nC以下の摩擦電荷量を有しながら帯電防止機能による静電気発生を抑制するのが難しい。従って、前記カチオンマイクロゲルの含量は、カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として5乃至15重量%であることが好ましい。
【0033】
前記エチレングリコールモノヘキシルエーテルは、電着塗装時の水素ガス発生によるピンホール現象の外観不良を遮断して、表面の粗さを除去し、表面抵抗及び摩擦電荷量を維持させて、静電気の発生を抑制する役割を果たす。前記エチレングリコールモノヘキシルエーテルの含量がカチオン電着樹脂組成物の総重量を基準としてカチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として約0.5重量%未満であれば、水素ガス発生による外観不良現象及び表面の粗さを抑制するのが難しく、約2重量%を超えると、電着塗装時、塗膜の厚みが増加して、塗装電圧が低くて均一電着性(throwing power)を低下させるので、好ましくない。従って、前記エチレングリコールモノヘキシルエーテルは、カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準としてカチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として0.5乃至2重量%含まれるのが好ましい。
【0034】
本発明のカチオン電着塗料組成物に含まれる前記カチオン電着樹脂組成物は、固形粉を約35%乃至約38%含み、酸濃度が約28乃至35mg/eqで、pH値が約6乃至約7の特性を有する。

顔料ペースト組成物及びその製造方法
【0035】
図1を参照すると、顔料ペースト組成物を製造する(S400)。
【0036】
本発明の顔料ペースト組成物は、顔料粉砕ビヒクル、カーボンブラック、ビスマス化合物、及びイオン交換水を混合して製造する。具体的に、本発明の顔料ペースト組成物は、顔料粉砕ビヒクル25乃至35重量%、カーボンブラック3乃至12重量%、ビスマス化合物1乃至5重量%、及びイオン交換水を混合して製造する。
【0037】
本発明の一実施例によると、前記顔料粉砕ビヒクルは、ビスフェノールAのポリグリシジルエーテル25乃至35重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5乃至12重量%、イソシアネート基が部分的に封鎖されたイソシアネート架橋結合剤8乃至15重量%、エチレングリコールモノブチルエーテル25乃至40重量%、有機3級アミン酸塩10乃至20重量%、及び脱イオン水0.1乃至5重量%を混合して製造する。
【0038】
前記顔料粉砕ビヒクルは、カーボンブラック及びアルミニウムシリケート等のような顔料成分が10μm以下の微粒子サイズを有するように分散剤役割を果たし、又、微粒化された顔料成分が再凝集が発生しないようにする。前記顔料粉砕ビヒクルの含量が前記顔料ペースト組成物の総重量を基準として約25重量%未満であれば、微粒子化された顔料粒
子の再凝集が発生しやすく、10μm以下に微粒子化しにくく、約35重量%を超えると、顔料粉砕ビヒクルに含まれた溶剤量が増加して、顔料ペースト組成物が急激な粘度上昇で安定性が低下しやすい。従って、本発明による顔料粉砕ビヒクルの含量は、前記顔料ペースト組成物の総重量を基準として約25乃至約35重量%が好ましい。
【0039】
本発明に顔料ペースト組成物に含まれる前記カーボンブラックは、鉄及びアルミニウム合金等の電子部品に塗装された乾燥塗膜で適切な範囲の表面抵抗及び摩擦電荷量を有し、帯電防止機能による静電気発生を抑制する役割を果たす。
【0040】
前記カーボンブラックは、平均初期粒子サイズが30nm以下で、又、250m/g以上の表面積を有する。又、前記カーボンブラックの含量が前記顔料ペースト組成物の総重量を基準として約3重量%未満であれば、乾燥塗膜の表面抵抗が上昇し、摩擦電荷量が高く、帯電防止性能を有さず、静電気発生が激しいので好ましくなく、含量が約12重量%を超えると、表面抵抗及び摩擦電荷量等電気的特性は優れるが、カーボンブラックの表面積の増加で顔料ペースト組成物の粘度が急激に増加するという短所があり、又、再凝集による保存安定性が弱くなる。従って、顔料ペースト組成物に含まれるカーボンブラックの含量は、前記顔料ペースト組成物の総重量を基準として約3乃至約12重量%が好ましい。
【0041】
本発明の顔料ペースト組成物に含まれる前記ビスマス化合物は、電着塗装された乾燥塗膜の耐蝕性を向上させるための役割を果たす。前記ビスマス化合物の例としては、ビスマスオキサイド(bismuth oxide)、ビスマスヒドロキシド(bismuth
hydroxide)、ビスマストリオキサイド(bismuth trioxide)等がある。前記ビスマス化合物の含量が前記顔料ペースト組成物の総重量を基準として約1重量%未満であれば、乾燥塗膜の耐蝕性が弱くて腐食されやすく、約5重量%を超えると、従来の鉛化合物に対してビスマス化合物の表面積が大きいため、顔料ペースト組成物の安定性を阻害する。従って、顔料ペースト組成物に含まれる前記ビスマス化合物の含量は、前記顔料ペースト組成物の総重量を基準として約1乃至約5重量%が好ましい。
【0042】
本発明の一実施例によると、前記顔料ペースト組成物は固形粉を約40乃至約45%で含み、pH値が約8乃至約9である。
【0043】
又、本発明の一実施例によると、前記顔料ペースト組成物は、機械的物性の向上のため、アルミニウムシリケート類等のような顔料を更に含むことができる。

カチオン電着塗料組成物及びその製造方法
【0044】
図1を参照すると、前記の方法によって製造されたカチオン電着樹脂組成物、顔料ペースト組成物、及びイオン交換水を混合して、カチオン電着塗料組成物を製造する(S500)。
【0045】
具体的に、本発明のカチオン電着塗料組成物は、カチオン電着樹脂組成物42乃至47重量%、顔料ペースト組成物6乃至13重量%、及びイオン交換水40乃至48重量%を混合して製造する。
【0046】
本発明のカチオン電着塗料組成物に含まれる前記カチオン電着樹脂組成物の含量がカチオン電着塗料組成物の総重量を基準として約42重量%未満であれば、耐蝕性及び機械的物性が弱くなり、その含量が約47重量%を超えると、混合される乾燥塗膜内カーボンブラックの含量が減少して、10〜10Ω/sq範囲の表面抵抗及び5nC以下の摩擦電荷量を有しながら、帯電防止機能による静電気発生を抑制することができない。従って
、本発明のカチオン電着樹脂組成物は、カチオン電着塗料組成物の総重量を基準として42重量%乃至47重量%に含むことが好ましい。
【0047】
本発明のカチオン電着塗料組成物に含まれる前記顔料ペースト組成物の含量がカチオン電着塗料組成物の総重量を基準として約6重量%未満であれば、電着塗膜内カーボンブラックの含量が減少して、10〜10Ω/sq範囲の表面抵抗及び5nC以下の摩擦電荷量を有しながら、帯電防止機能による静電気発生を抑制することができない。又、伝導性のカーボンブラックを含む顔料ペースト組成物の含量が約13重量%を超えると、乾燥塗膜の伝導性が急激に増加して、電子部品素材に適用する時、電流の流れが電子部品の機能を破壊する虞がある。従って、本発明のカチオン電着塗料組成物は、カチオン電着塗料組成物の総重量を基準として6重量%乃至13重量%の顔料ペースト組成物を含むことが好ましい。
【0048】
本発明のカチオン電着塗料組成物を電着塗装して形成された塗膜は、鉛及びスズ等の重金属を含まず、10〜10Ω/sq範囲の表面抵抗及び5nC以下の摩擦電荷量を有しながら、帯電防止機能によって静電気発生が抑制される。従って、鉄及びアルミニウム合金等の電子部品素材の塗装に使用され、不良率を最小化させることができる。
【0049】
以下、本発明のカチオン電着樹脂組成物及びその製造方法を下記の実施例を通じてより詳細に説明する。

実施例1
1.カチオン電着樹脂組成物の製造
1−1.カチオン電着樹脂の製造
【0050】
EPIKOTE 828CD 29.0重量%、PLACCEL 205 10.38重量%、ビスフェノールA 8.45重量%、及びメチルイソブチルケトン2.58重量%を反応容器に導入し、窒素雰囲気下で140℃で昇温した後、ベンジルジメチルアミン0.04重量%を加えて、更に昇温させて180℃で加熱した。還流温度で約30分間反応を行って水を除去した。反応混合物を160℃に冷却し、1時間30分間維持した後、145℃に冷却して、ベンジルジメチルアミン0.12重量%を加えた。145℃で約2時間30分間反応させてエポキシ当量が1500である、アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂を製造した。前記カチオン電着合成樹脂に100℃乃至110℃でジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンから誘導されたジケチミン(メチルイソブチルケトン中の73%固形粉)3.21重量%、N−メチルエタノールアミン2.78重量%を加えた後、125℃で1時間維持した後、100℃に冷却して封鎖されたイソシアネート架橋結合剤43.23重量%及びSurfynol DF−110 0.21重量%を順序に徐々に投入して、固形粉82%のカチオン電着樹脂を製造した。
【0051】
カチオン電着樹脂の構成成分及びその含量は、下記表1に記載されている。
【0052】
【表1】

*EPIKOTE 828CD:エピクロロヒドリンとビスフェノールAを反応させて製造したエポキシ樹脂であって、クンホP&B(株)(韓国)の商品名で、エポキシ当量は約188である。
*PLACCEL 205:ダイセルコーポレイション(DICEL Corp.、日本)から市販されるポリカプロラクトンジオールの商品名である。
*封鎖されたポリイソシアネート架橋結合体:イソホロンジイソシアネート(DEGUSA(株)(韓国)で商業的に購入可能)をトリメチロールプロパンと3:1のモル比率で反応させた後、メチルエチルケトオキシムと8:2のモル比の組成で混合して、イソシアネートを封鎖させて製造された架橋結合剤である。
*Surfynol DF−104:エアープロダクト社(air product company)で製造され市販されている消泡剤の商品名である。

1.2.カチオン電着樹脂分散液の製造
【0053】
脱イオン水52.06重量%、90%乳酸1.05重量%、酢酸亜鉛1.4重量%を順次に入れて均一にした後、カチオン電着樹脂45.49重量%を徐々に加えて高速で攪拌させることで水分散化させた。一方、60℃で約60mmHgの減圧下に溶剤抽出作業を行って低沸点有機溶剤を除去して、この水分散樹脂を珪藻土で濾過することにより、固形粉含量が39.8%、平均粒子サイズが90nm以下のカチオン電着樹脂の水分散液を得た。
【0054】
カチオン電着樹脂分散液の成分及びその含量は下記表2に記載されている。
【0055】
【表2】

1.3.カチオン電着塗料組成物の製造
【0056】
前記から得られたカチオン電着樹脂分散液84重量%を攪拌しながらイオン交換水4.0重量%とエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.9重量%の混合液を徐々に投入した後、カチオンマイクロゲル11.1重量%を投入して均一にして、カチオン電着樹脂組成物を製造する。
【0057】
カチオン電着塗料組成物の成分及びその含量は下記表3に記載されている。
【0058】
【表3】

2.顔料ペースト組成物の製造
2.1.顔料粉砕ビヒクルの製造
【0059】
EPIKOTE 3004CD 29.0重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.0重量%を反応容器に入れて、110℃〜120℃まで昇温して均一に完全溶解させた。その後、部分的に封鎖されたイソシアネート架橋結合剤12.0重量%を入れて1時間維持した後、エチレングリコールモノブチルエーテル33.0重量%を入れた。反応混合物を80℃〜90℃まで昇温して、有機3級アミン酸塩14.0重量%と脱イオン水2.0重量%を入れて、酸値が約0.8程度になるまで維持して、顔料粉砕ビヒクルを製造した。この際、前記ビスフェノールAのポリグリシジルエーテルのエポキシ当量は900乃至1200であった。
【0060】
顔料粉砕ビヒクル成分及びその含量は下記表4に記載されている。
【0061】
【表4】

*EPIKOTE 3004CD:クンホP&B(株)(韓国)で市販しているビスフェノールAのポリグリシジルエーテル(エポキシ当量900−1200)の商品名である。*部分的に封鎖されたイソシアネート架橋結合剤:2,4−トルエンイソシアネート54.3重量%と2−エチルヘキサノール40.7重量%で40℃以下で3時間反応させた後
、メチルイソブチルケトン5.0重量%を入れて希釈して、部分的に封鎖されたイソシアネート架橋結合剤を使用した。
*有機3級アミン酸塩:ジメチルエタノールアミン15.5重量%と部分的に封鎖されたイソシアネート架橋結合剤56.7重量%を常温で2時間反応させ、80℃でNCOピークが無くなることを確認した後、乳酸(88%純度)17.4重量%と脱イオン水3.5重量%、エチレングリコールモノブチルエーテル7.0重量%を入れて、60℃で1時間反応させて、有機3級アミン酸塩を得て使用した。

2−2.顔料ペースト組成物の製造
【0062】
前記から得られた顔料粉砕ビヒクル33重量%、平均初期粒子サイズが30nm以下で、250m/g以上の表面積を有する伝導性のカーボンブラック11.0重量%、アルミニウムシリケート13.0重量%、ビスマストリオキサイド3重量%、及びイオン交換水40.0重量%の混合物をビーズミル(bead mill)で粒度10μm以下に粉砕して、カーボンブラックを含有した伝導性を有する顔料ペースト組成物を製造した。
【0063】
顔料ペースト組成物の成分及びその含量は下記表5に記載されている。
【0064】
【表5】

3.カチオン電着塗料組成物の製造
【0065】
前記から得られた水性媒質に分散された樹脂相を含むカチオン電着樹脂組成物42.0重量%、伝導性のカーボンブラックを含有した顔料ペースト組成物12.2重量%、及びイオン交換水45.8重量%を混合して、カチオン電着塗料組成物を製造した。

実施例2及び実施例3
【0066】
上述と同様な方法でカチオン電着塗料組成物を製造したが、カチオン電着樹脂組成物、顔料ペースト組成物、及びイオン交換水の重量%は下記表6のように調節した。
【0067】
【表6】

物性評価
【0068】
前記実施例1乃至実施例3によるカチオン電着塗料組成物をそれぞれ金属素材に170Vの直流電圧で3分間塗装して、140℃で20分間乾燥させて乾燥塗膜を形成した。
【0069】
前記乾燥塗膜の表面抵抗、摩擦電荷量、及び耐塩水噴霧性の特性を測定し、その結果を下記表7に示した。
【0070】
【表7】

*耐塩水噴霧性:35℃、5% NaCl溶液で1000時間噴霧、24時間放置した後、テーピングテストを実施してテーピング部の剥離幅を調査した。
【0071】
前記表6を参照すると、実施例1乃至実施例3によって製造されたカチオン電着塗料組成物を使用して塗装され乾燥された塗膜は、10〜10Ω/sq範囲の表面抵抗及び5nC以下の摩擦電荷量を有する。従って、本発明によると、帯電防止機能による静電気発生を抑制して、外観及び耐蝕性能に優れた乾燥塗膜を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によると、カチオン電着樹脂組成物、顔料ペースト組成物、及びイオン交換水を含むカチオン電着塗料組成物を利用して、鉄及びアルミニウム合金等の電子部品を塗装する時、10〜10Ω/sq範囲の表面抵抗及び5nC以下の摩擦電荷量を有しながら帯電防止機能による静電気発生を抑制して、外観及び耐蝕性能に優れた乾燥塗膜を形成することができる。
【0073】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明によるカチオン電着塗料組成物を製造する方法を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン電着樹脂組成物42乃至47重量%と、
顔料ペースト組成物6乃至13重量%と、
イオン交換水40乃至48重量%と、を含むカチオン電着塗料組成物。
【請求項2】
前記カチオン電着樹脂組成物は、カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として、カチオン電着樹脂分散液80乃至95重量%、カチオンマイクロゲル5乃至15重量%、及びエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5乃至2重量%を含むことを特徴とする請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項3】
前記カチオン電着樹脂分散液は、カチオン電着樹脂分散液の総重量を基準として、カチオン電着樹脂35乃至50重量%、酢酸亜鉛0.5乃至3重量%、及び脱イオン水55乃至65重量%を含み、前記カチオン電着樹脂は、カチオン電着樹脂の総重量を基準として、アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂50乃至70重量%及びイソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤30乃至50重量%を含むことを特徴とする請求項2記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項4】
前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂は、ポリエポキシド(poly epoxide)と1級、2級、又は3級アミンとの付加反応によって製造されたことを特徴とする請求項3記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項5】
前記イソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤は、イソポロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びそのビウレット化合物、4,4−ビスメチレンジイソシアネート単量体又はそのオリゴマーとの混合物であるポリマーメチレンジイソシアネート、4,4−ジサイクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びノボランジイソシアネートからなる群から選択されたいずれか一つのポリイソシアネートと、ジエチルマロネート、メチルエチルケトオキシム、ジメチルピラゾール、エチレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択されるいずれか一つの封鎖物質とを反応させて製造されたことを特徴とする請求項3記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項6】
前記顔料ペースト組成物は、顔料粉砕ビヒクル25乃至35重量%、カーボンブラック3乃至12重量%、ビスマス化合物1乃至5重量%、及びイオン交換水を含むことを特徴とする請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項7】
前記顔料ペースト組成物は、アルミニウムシリケートを更に含むことを特徴とする請求項6記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項8】
前記顔料粉砕ビヒクルは、ビスフェノールAのポリグリシジルエーテル25乃至35重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5乃至12重量%、イソシアネート基が部分的に封鎖されたイソシアネート架橋結合剤8乃至15重量%、エチレングリコールモノブチルエーテル25乃至40重量%、有機3級アミン酸塩10乃至20重量%、及び脱イオン水0.1乃至5重量%を含むことを特徴とする請求項6記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項9】
前記カーボンブラックは、30nm以下の平均初期粒子サイズ及び250m/g以上の表面積を有することを特徴とする請求項6記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項10】
前記ビスマス化合物は、ビスマスオキサイド、ビスマスハイドロキサイド、及びビスマ
ストリオキサイドからなる群から選択されたいずれか一つを含むことを特徴とする請求項6記載のカチオン電着塗料組成物。
【請求項11】
カチオン電着樹脂の総重量を基準として、アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂50乃至70重量%及びイソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤30乃至50重量%を重合反応させてカチオン電着樹脂を製造する段階と、
カチオン電着樹脂分散液の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂35乃至50重量%を酢酸亜鉛0.5乃至3重量%及び脱イオン水55乃至65重量%を含む水性媒質に分散させてカチオン電着樹脂分散液を製造する段階と、
カチオン電着樹脂組成物の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂分散液80乃至95重量%にカチオンマイクロゲル5乃至15重量%及びエチレングリコールモノヘキシルエーテル0.5乃至2重量%を添加して、カチオン電着樹脂組成物を製造する段階と、
顔料ペースト組成物の総重量を基準として、顔料粉砕ビヒクル25乃至35重量%、カーボンブラック3乃至12重量%、ビスマス化合物1乃至5重量%、及びイオン交換水を混合して顔料ペースト組成物を製造する段階と、
カチオン電着塗料組成物の総重量を基準として、前記カチオン電着樹脂組成物42乃至47重量%、顔料ペースト組成物6乃至13重量%、及びイオン交換水40乃至48重量%を混合する段階と、を含むカチオン電着塗料組成物の製造方法。
【請求項12】
前記カーボンブラックは、30nm以下の平均初期粒子サイズ及び250m/g以上の表面積を有することを特徴とする請求項11記載のカチオン電着塗料組成物の製造方法。
【請求項13】
前記顔料ペースト組成物は、アルミニウムシリケートを更に含んで製造することを特徴とする請求項11記載のカチオン電着塗料組成物の製造方法。
【請求項14】
前記アミノ基を含むカチオン電着合成樹脂は、ポリエポキシドと1級、2級、又は3級アミンとの付加反応によって製造されることを特徴とする請求項11記載のカチオン電着塗料組成物の製造方法。
【請求項15】
前記イソシアネート官能基が部分的に封鎖されたポリイソシアネート硬化剤は、イソポロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びそのビウレット化合物、4,4−ビスメチレンジイソシアネート単量体又はそのオリゴマーとの混合物であるポリマーメチレンジイソシアネート、4,4−ジサイクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びノボランジイソシアネートからなる群から選択されたいずれか一つのポリイソシアネートと、ジエチルマロネート、メチルエチルケトオキシム、ジメチルピラゾール、エチレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択されたいずれか一つの封鎖物質とを反応させて製造されたことを特徴とする請求項11記載のカチオン電着塗料組成物の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−182540(P2007−182540A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235780(P2006−235780)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(506296259)株式会社 ディーピーアイ ホールディングズ (2)
【Fターム(参考)】