説明

カッティングのための制御ルールおよび変数

本発明は、ビームカッティング技術を用いて1つの材料からいくつかの部材(31、32、33、34)をマシンカッティングするための方法およびシステムに関する。本発明は、2次元の形状またはパターンをカッティングするための制御ルールおよび変数のセットを提供する。1つのルールまたはいくつかのルールの組合せが、カッティングされる形状またはパターンにより、カッティング動作に用いられ、その形状またはパターンは、その1つの材料から部材(31、32、33、34)を形成する。本発明は、具体的には、自由形状の部材のダスター(3A)の成形のためのルールを備え、それらの部材は、それらの部材の形状が許す限り、そのカッティングビームの厚さのみが、隣接する部材間に見つけられるように互いに非常に近接して位置決めされることを教示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ビームカッティング技術を用いて、1つの材料からいくつかの部材をマシンカッティングするための方法に関し、その方法は、2次元の形状またはパターンをカッティングするための制御ルールおよび変数のセットを提供し、この場合、カッティングすべき形状またはパターンにより、1つのルールまたはいくつかのルールの組合せがカッティング動作に用いられ、その形状またはパターンは、その1つの材料からいくつかの部材を形成する。
【0002】
また、本発明は、それを介して本発明を実施することができるシステムおよびコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0003】
1つの材料から部材をカッティングするための周知の様々なカッティング技術があり、本発明は、いわゆるビームカッティング技術に関する。ビームカッティングは、レーザカッティング、プラズマカッティング、イオンビームカッティング、ガスまたはトーチ切断、ウォーターカッティング、ペレットカッティングまたはエアカッティング等のある種のビームをカッティング手段として有するものと定義される。これを、カッティング手段が鋸刃または回転切削ヘッド等の機械的部材である機械的切断と混同すべきではない。
【背景技術の説明】
【0004】
従来、1つの材料からカッティングすべき部材を選び出して配置するためのネスティング部材配置方法に基づく加工プラン最適化ツールを用いることが知られている。ネスティングは、所定の作業領域内でポリゴンを回転させて詰め込む異なる発見的探索アルゴリズムに基づいている、2次元で機能する幾何学的最適化ツールである。図形的方法において、ネスト化された加工プランは、極めて良好な解決策を与えるが、製造時には、部材間に安全距離を用いることが必要である。安全距離は、製造プロセスで生じる機械加工および材料の技術的条件を考慮しなければならない。安全距離のサイズは、使用する材料および用いられるカッティング技術によって変わり、通常の部材間の安全距離は、5〜20mmである。
【0005】
機械のカッティング動作を制御するために用いる制御ルールの実施例は、
・鋭いエッジ、
・旋回点、
・重要な領域でのビーム制動、
・カッティングヘッドを感知すること、
・材料を位置決めすることができるグリッドを考慮すること、
・予め切断された個々の要素の旋回のリスクを考慮すること、
・導入部の長さおよび角度、
・導出部の長さおよび角度、
・部材のためのマイクロジョイント、および
・カッティングする際の異なるガスの使用、およびウォーターカッティングにおける抽出性材料の容積に対処する方法である。
【0006】
使用する材料に関連する制御ルールの実施例は、
・異なる金属のための回転方向、
・熱、
・材料が安定すること、
・材料におけることなるパターン、
・材料の伸縮、
・部材のための許容差、および
・部材品質、
とすることができる。
【0007】
上述した生産および材料関連の条件により、カットした部材間に屑材が生じる。
【0008】
ビームは材料内に切断部を形成するので、その切断部の厚さは、そのビームの厚さと同じかまたは一致し、そのため、部材を材料上に位置決めして、部材間の安全距離を設定する際には、そのビームの厚さを考慮しなければならない。カッティングプロセスにおいては、工具径補正を用いることが知られており、切断部が、そのカッティング方向において部材の左側に形成される場合は、左側工具径補正が用いられ、切断部が、そのカッティング方向において部材の右側に形成される場合には、右側工具径補正が用いられる。工具径補正を偏向する場合には常に、そのカッティングプロセスが停止され、ビームが止められた後に、新たな穿孔が行われる。
【0009】
信頼性の高い生産工程を提供するのに用いられるいくつかの公知の方法は、通常、材料骨格と呼ばれる、部材と、その部材を囲む材料との間にマイクロジョイントを用いることである。マイクロジョイントは、切断経路に沿った切断におけるカッティングビームを停止させ、そのカッティング装置を、その切断経路に沿った小距離を移動させた後、カッティングビームを再び始動させて、その切断経路に沿った切断を続行することによって形成される。そして、切断されていない小さな部分がマイクロジョイントを構成することとなる。
【0010】
カッティングプロセスにおける穿孔の数および位置決め距離を最小限にするために、部材間にブリッジを手動で配置することおよびチェーンカットすることが知られている。
【0011】
また、材料屑および切断長を最小限にするために、二点間の直線に対して共通の切断を用いることによって、材料屑を最小限にすることも知られている。共通の切断においては、2つの部材間の距離は、単にそのカッティングビームの厚さであり、そのカッティングプロセス中に、工具径補正は用いられない。
【発明の概要】
【0012】
課題
どのような種類のビームカッティング技術を用いても、屑に関して大きな問題がある。通常の信頼できる生産カッティングプランは、20〜50%の屑を有する。生産時に廃棄物が生じる背景は、各切断方法および各材料のための技術的ルールと組合わせた原材料への無効な部材配置方法である。
【0013】
カッティング技術を製造方法として用いる場合、詳細な価格を提示する4つの異なるコストが存在する。通常、詳細な価格の50%をはるかに超える材料コスト、および3つの異なるカテゴリのマシンコスト、すなわち、穿孔、位置距離および切断距離である。屑材の量を減らすことが課題である。また、カッティングプロセスで必要な穿孔の数を制限することも課題であり、また、カッティングプロセスにおける位置距離および切断距離を最適化することが課題である。
【0014】
屑材を最小限にするために、自由形状部材間の距離を最小限にすることが課題である。
【0015】
部材が互いに非常に近接している場合には、穿孔の数を最小限に保つこと、ビームカッティングプロセスのための旋回領域を設けること、および部材を結合することのできる隣接する骨格がない場合に、部材が旋回することを回避することが課題である。
【0016】
ビームカッティング技術においては、そのカッティングビームが、そのカッティング装置と材料の間の相対運動において、材料の上面から材料の底面まで遅れをとることが課題である。これは、マシンがその動きを停止して、そのときのビームを旋回させた場合、その材料は、その切断部の終点を通って完全に切断されないであろうことを意味する。
【0017】
別の課題は、この遅れを取り戻すためにビームが出た状態で、カッティング動作が静止した場合、停止箇所周辺の領域における材料の特性が影響を受け、例えば、いくつかのカッティング方法によって、その材料が加熱されおよび硬くなるということである。新たな切断の開始点でも同じことであり、この場合、材料の穿孔によって、この開始点周辺の影響を受けた特性を有する材料の半径でクレーターが形成されることになる。これらの課題のため、各切断の開始点および終点において、導入部および導出部が用いられることがあり、その導入部および導出部は、実際の切断部の外部にあり、その結果、影響を受けた材料のこの領域は、切断部の一部とはならない。
【0018】
解決策
上述した課題のうちの1つ以上を解決するという目的で、および本発明の上述した分野の観点から、本発明は、制御ルールのセットが、自由形状の部材の一群の成形のためのルールを備え、この場合、それらの部材は、それらの部材の形状が許す限り、1つのカッティングビームの厚さのみが、隣接する部材間に見つけられるように互いに非常に近接して位置決めされることを教示する。
【0019】
このことは、屑材を低減し、また、カッティングプロセスにおける位置距離および切断距離を最適化するであろう。
【0020】
本発明は、制御ルールのセットが、隣接する部材を互いにまとめて保持するマイクロジョイントによる、一群の部材の接触結合のためのルールを備えることを教示する。具体的には、マイクロジョイントは、輪郭のカッティングを、カッティングすべき輪郭内への設定した距離だけ開始させることにより、または、カッティングすべきその輪郭の端部の前の設定した距離で輪郭のカッティングを停止し、それによってその輪郭の完全なカッティングを完了しないことによって形成され、この場合、その輪郭のカッティングされていない開始部または停止部がそのマイクロジョイントを構成し、およびこれによって形成されたマイクロジョイントのサイズは、その設定された距離に一致することが教示されている。このことは、カッティングプロセス中に、カッティングビームを始動および停止することなく、マイクロジョイントを形成することを可能にし、それによって、カッティングプロセスに、カッティングビームのより少ない始動および停止を伴うカッティングプロセスを生み出すであろう。こうすることで、マイクロジョイントによって互いに接続されている部材の一群を、カッティングプロセスにおいて、1つの複合部材として処理することができる。
【0021】
また、その制御ルールのセットが、その群内の部材を分離し、それらの部材を周囲の材料とまとめて保持するマイクロジョイントによって、その群を包囲する材料とそれらの部材とを結合するためのルールを備えることも企図されている。また、このマイクロジョイントは、輪郭のカッティングを、カッティングすべき輪郭内への設定した距離だけ開始させることにより、または、カッティングすべきその輪郭の端部の前の設定した距離で輪郭のカッティングを停止し、それによってその輪郭の完全なカッティングを完了しないことによって形成され、この場合、その輪郭のカッティングされていない開始部または停止部がそのマイクロジョイントを構成し、およびこれによって形成されたマイクロジョイントのサイズは、その設定された距離に一致する。このことは、部材の一群が、全て周囲の材料に容易に接続される少数の部材を単に含む場合に、より有利になる可能性がある。
【0022】
マイクロジョイントのサイズは、その制御ルールによって制御され、その場合、そのサイズを制御するための変数は、設定した距離、使用する材料および使用するカッティング装置に依存することが企図されている。
【0023】
工具径補正は、多くの場合、隣接する部材間に所望の距離を維持するのに、およびカッティングされる部材の所望の品質が工具径補正を必要とする場合に必要になる。穿孔およびそれに付随する導入部および導出部の数を制限するという目的で、および1つの群に付随する部材の複雑な組合せを可能にするという目的で、その制御ルールのセットが、そのカッティングビームのターンオフおよびターンオンを要することなく、1つのラインまたは輪郭の連続カッティングの間に、右側工具径補正、左側工具径補正および工具径補正なしを切替えるためのルールを備えることが企図されている。
【0024】
同じ理由から、その制御ルールのセットが、この目的のために分割切断を実行することによる、または、必ず必要な長さよりも長い1つのラインまたは輪郭をカッティングして、これによって形成された間隙を旋回領域として利用することによる、方策的に位置決めされた旋回領域の形成のためのルールを備えることも企図されている。
【0025】
そのような旋回領域としての間隙の利用は、その旋回領域内で、そのカッティングビームが、使用するカッティング装置に追い付くことを可能にすることによって行われ、これは、その旋回領域において、そのカッティングビームの遅れをなくすことができるということであり、そのカッティングビームとしての直線状のカッティングビームが方向を変えて、新たな方向でその切断を続けることを可能にする。
【0026】
これによって、そのマシンがそのカッティングビームの方向を別の方向に変える場合に、その旋回点において隣接する材料間に好ましくない架橋材料を残すことなく、その切断が、その旋回点においても、その材料全体にわたって完了することが確実になるであろう。
【0027】
また、その制御ルールのセットは、そのカッティングビームが遮断ポイントを横断する際に、そのカッティングビームが、その遮断ポイントにおいて、使用するカッティング装置に追い付くことを可能にするためのルールを備えることも企図されている。
【0028】
いくつかの部材が互いに近接して位置決めされているため、それらの形態によって、非常に小さな角度のカッティングが必要な場合がある。それらの小さな角度は、2つの直線状の切断により、2つの接線または曲線により、あるいは直線状の切断部と、その角度につながる曲線との組合せによって形成することができる。小さな角度をカッティングするには技術的な問題があり、本発明は、その制御ルールのセットが、小さな角度をカッティングするためのルールを備え、前記ルールは、小さな角度が2つの切断部でカッティングされ、1つは、その角度につながる各ラインのためのものであり、各切断部は、その角度の先端につながっていると述べていることを企図する。
【0029】
互いに非常に近接して位置決めされた部材の一群の成形には、その材料から薄い細長い一片をカッティングすることが必要になる場合があり、本発明は、2つの切断部の間の距離が小さいために、それら2つの切断部の間の材料の特性が影響を受けて乱れ始める可能性がある場合は、それぞれの切断部が、2つの部分的切断部で形成され、それによって、薄い部材において、影響を受ける材料に関する問題を最小限にすることを教示する。それらの部分的切断部は、それぞれの切断部の外側の部材から、それぞれの切断部の中心に向かって始められる。
【0030】
また、それらの部分的切断部は、それぞれの切断部に沿って最後まで形成されていないが、マイクロジョイントは、2つの部分的切断部間に残っており、それに伴って、隣接する部材によってその薄い部材のための支持を実現できることも企図されている。
【0031】
その一群の部材が、マイクロジョイントによってまとめて結合されている場合には、それらの部材からなる群が、周囲の材料から、またはいずれの部材にも属さない部分間の材料から全体的に離れて切断されることが企図されている。
【0032】
屑材をさらに最小限にするために、2つ以上の群を、1つの材料からカッティングするときは常に、少なくとも2つの異なる変数が、2つの異なる群からの隣接する部材間の距離を設定するために用いられることが企図されている。隣接する平行線を伴う隣接する部材間の第1の最小距離を表す第1の変数、および隣接する部材の少なくとも一方が、隣接する接線を有する隣接する部材間の第2の最小距離を表す第2の変数、この場合、2つの平行な切断部が、接線を有する切断部よりも多くの影響をその隣接する部材の材料に及ぼすため、その第2の変数によって表される距離は、第1の変数によって表される距離よりも短い。
【0033】
また、第2の変数によって表される第2の距離は、その接線の半径に依存し、その場合、より小さな半径が、より短い最小距離を可能にすることも企図されている。
【0034】
また、隣接する部材間の第3の最小距離を表す第3の変数を設けることも可能であり、この場合、その隣接する部材のうちの少なくとも1つは、共通の角部を有し、第3の変数によって表される第3の距離は、第1および第2の変数によって表される距離よりも短い。
【0035】
これらのルールの実施は、使用するビームカッティング技術および使用する材料に依存することを理解すべきであり、従って、第4の変数が、使用する材料を表すこと、および第5の変数が、プラズマ、レーザ、ガス、水、イオン、トーチ、ペレットまたは空気を用いたカッティング等の使用するビームカッティング技術を表すことが企図されており、その結果、これらのルールを特定のカッティング動作に適用する場合に、これらの変数を考慮することができる。
【0036】
異なるカッティング技術は、異なる厚さを有するカッティングビームを生成し、また、同じカッティング技術を利用する異なるカッティング装置も、そのカッティング装置の状態により、異なる厚さを有するカッティングビームを生成するであろう。そのため、第6の変数が、そのカッティングビームの幅または厚さを表すことが企図されている。この第6の変数もまた、第4および第5の変数に依存している。
【0037】
本発明は、制御ルールのセットが、使用する材料、使用する材料の厚さおよび使用するカッティング技術により、導入部または導出部のための自動的な角度調節および長さ調節を用いて、その導入部または導出部のためのルールを設けることができ、その角度および長さの調節は、切断の開始点および停止点を、可能な限り小さな導入または導出角度で、その切断から十分に離れたところに配置するように適合されていることを教示する。
【0038】
本発明は、そのカッティング動作が、次の順序で、すなわち、
・全ての穴をカッティングする、すなわち、方策的に位置決めされた分割切断および共通切断、
・一群または部材間に形成された全てのポケットをカッティングする、
・一群の外側の輪郭をカッティングする、
ことで実行されることを企図している。
【0039】
本発明の方法は、コンピュータ支援製造(CAM)、コンピュータ支援設計(CAD)のためのツールとして、または、コンピュータ数値制御(CNC)によって制御されるカッティング装置における数値制御装置によって用いられる制御ルールおよび変数の一部として実施できることを理解すべきである。
【0040】
また、本発明は、1つの材料からいくつかの部材をマシンカッティングするためのシステムであって、ビームカッティング装置と、本発明の方法に従って制御を実行するように適合された、そのビームカッティング装置を制御するための制御ユニットとを備えるシステムに関する。
【0041】
また、本発明は、実行時に、コンピュータが、本発明の方法に従って制御ルールおよび変数を実施することを可能にするコンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0042】
効果
本発明による方法、システム、コンピュータプログラムプロダクトの効果は、本発明によって、材料屑を最小限にし、および穿孔の数、位置距離および切断距離に関する最適化を意味する、最適化されたマシンコストで信頼性の高い生産カッティングプランを作ることが可能であるということである。
【0043】
本発明は、カッティングマシンにおけるカッティング変数を制御して、信頼性のあるプロセスを得ることが可能であるカッティング作業プランを備えた最適なカッティングを提供する。本発明は、2つ以上の自由形状部材、導入部の長さおよび角度、導出部の長さおよび角度をまとめて集団化し、工具径補正を切替え、およびその一群の領域内で走査する場合に、旋回領域、部材間の距離、部材間のマイクロジョイントに関する制御を実行でき、すなわち、位置決め距離を最小限にするために、その一群の領域内の穴、裂け目、共通の切断およびポケット間で検出切削ヘッドを持ち上げることなく、そのヘッドを使用する可能性を実現できる。
【0044】
提供される生産信頼性は、安全なプロセス、部材の適切な許容差、および最小限の資源廃棄物を伴う部材のための最適な品質を意味する。
【0045】
本発明は、自由形状部材のための一群を作る可能性を実現できる。近接した一群における作業領域上に最適化された単一の部材は、材料屑を最小限にする機会をもたらす。一群が形成されるため、一つ一つの要素は互いに接触して位置決めされ、それによって、集団化する際に、全ての接線セグメントを用いることが可能になる。いくつかの部材からなる本発明の一群は、安全距離がなく、接線、裂け目、ブリッジ、旋回領域、マイクロジョイント、共通切断ラインおよびポケットだけがある新たな部材を形成する。本発明のルールおよび変数の異なる一群は、自由形状の2次元部材が、安全距離なしで集団化されようとしている場合の近づきつつあるいかなる種類の状況に対しても、信頼できるカッティングプロセスを生み出す可能性を提供できる。
【0046】
また、部材と骨格の間の代わりに、カッティングすべき部材間でのマイクロジョイントの利用も、手動または自動化された選別プロセスにおいて効果がある。
【0047】
また、本発明の旋回領域の利用によって、カッティング方向を変えるために、その骨格の領域を用いることを避けて、その代わりに、そのカッティング方向が変わっている既に切断されたラインを用いる可能性を実現でき、それにより、ここでもまた、屑を最小限にする。
【図面の簡単な説明】
【0048】
次に、本発明による方法、システムおよびコンピュータプログラムプロダクトを、添付図面を参照して詳細に説明する。
【図1】図1は、本発明による方法、システムおよびコンピュータプログラムプロダクトを概略的かつ単純化した図である。
【図2】図2は、2つの部材のみを有する部材の一群の概略図である。
【図3】図3は、いくつかの部材を有する一群の概略図である。
【図4】図4は、いくつかの遮断ポイントにわたってカッティングする方法の概略図である。
【図5】図5は、異なる方法を実現するために、共通切断を終了する方法を概略的かつ単純化した図である。
【図6】図6は、小さな角度をどのようにカッティングするかについての方法を概略的かつ単純化した図である。
【図7】図7aは、カッティングビームの厚さの距離で隣接する接線を有する2つの部材をカッティングする2つの異なる方法のうちの1つの概略図である。図7bは、カッティングビームの厚さの距離で隣接する接線を有する2つの部材をカッティングする2つの異なる方法のうちの1つの概略図である。
【図8】図8は、薄い細長い一片をカッティングする方法の概略図である。
【図9】図9は、異なる一群の間の距離をどのように設定できるかについての概略図である。
【図10】図10は、導入部および導出部を設定する方法の概略図である。
【図11】図11は、カッティング動作のシーケンスを示すフローチャートである。
【現時点で好適な実施形態の説明】
【0049】
次に、本発明を、ビームカッティング技術を用いて、1つの材料12からいくつかの部材12a、12b、12cをマシンカッティングするための方法を示す図1を参照して説明する。図1の概略図は、カッティング装置13が移動可能であり、および材料12が固定されていることを示しているが、本発明は、そのカッティング装置が固定され、およびその材料が移動可能であるシステムで実施することもできることを理解すべきである。本発明は、何が移動しているかおよび何が固定されているかに関わらず、材料12とカッティング装置13の間の相対運動を制御することに関する。
【0050】
本発明の説明においては、1つの具体的なビームカッティング技術が説明されていることを示唆する特定の用語を用いることができるが、本発明は、いかなるビームカッティング技術にも関連していることを理解すべきであり、当業者は、1つのビームカッティング技術に固有の用語によって説明されている特徴を、どのようにして別のビームカッティング技術に適応させることができ、かつ別のビームカッティング技術で実施できるかを理解するであろう。
【0051】
本発明は、2次元の形状またはパターンをカッティングするための制御ルールおよび変数のセットを提供し、この場合、カッティングすべき形状またはパターンにより、1つのルールまたはいくつかのルールの組合せが、そのカッティング動作に用いられ、その形状またはパターンは、1つの材料から部材を形成する。それらの制御ルールおよびパラメータは、カッティング装置13と1つの材料12との間の相対運動を制御するのに用いられ、その結果、この運動は、そのカッティング動作を実行するための制御された方法で行われる。
【0052】
その制御ルールのセットは、自由形状の部材15からなる一群の形成のためのルールを備えることが具体的に教示されている。自由形状に関しては、それらの部材がその材料から切断される、2次元のいかなる構造または形状も有することができることを意味している。
【0053】
部材12a、12b、12cは、それらの部材の形状が許す限り、カッティングビーム13aの厚さ13a’のみが、隣接する部材間に見つけられるように、互いに非常に近接して位置決めされている。
【0054】
これは、部材間に共通の切断が必要であり、その場合、カッティングすべき共通ラインは、2つの箇所の間の直線ではなく、正確に言えば、その共通ラインは、任意の湾曲形状、または、いくつかの接続された直線とすることができることを意味する。
【0055】
以下の説明で提示する異なる実施形態は、異なる構造または形状の部材を、それらの部材間に所要の骨格を何ら要することなくカッティングすることができ、それによって大量の材料を節約できる実施例を示している。
【0056】
1つの実施例が図2に示されており、そこでは、カッティングビーム23の厚さのみが、部材21、22間に見つけられるように、第1の部材21および第2の部材22が非常に近接して位置決めされている。
【0057】
上記制御ルールのセットは、隣接する部材を互いにまとめて保持するマイクロジョイントによる、前記部材の結合のためのマイクロジョイントの形成のためのルールを備え、およびマイクロジョイントは、輪郭のカッティングを、カッティングすべき輪郭内への設定した距離だけ開始させることにより、または、カッティングすべきその輪郭の端部の前の設定した距離で輪郭のカッティングを停止し、それによってその輪郭の完全なカッティングを完了しないことによって形成されることが企図されており、それについては、図5を参照して詳細に説明する。これによって形成されたマイクロジョイントのサイズは、前記設定された距離と一致する。
【0058】
上記制御ルールのセットは、その一群内の部材を分けて、周りの材料とまとめて部材を保持するマイクロジョイントによって、その一群を包囲する材料とそれらの部材を結合するためのルールを備えてもよいことを理解すべきであり、それについては、第1のマイクロジョイント24および第2のマイクロジョイント25が、周りの材料2とまとめて部材21、22に結合していることを示す図2に図示されている。
【0059】
図2を見て分かるように、第1のマイクロジョイント24は、その輪郭のカッティングを、カッティングすべき輪郭内への設定した距離だけ開始させることによって形成され、また、第2のマイクロジョイント25は、カッティングすべきその輪郭の端部の前の設定した距離で輪郭のカッティングを停止し、それによってその輪郭の完全なカッティングを完了しないことによって形成され、この場合、これによって形成されたマイクロジョイント24、25のサイズは、その設定した距離に一致する。
【0060】
その材料が、小さな部材を傾斜させる恐れがないほど十分に厚い場合は、カットする部材が、その骨格および隣接する部材にくっつくため、その材料の厚さにより、マイクロジョイントは、全く必要ない可能性もあることを理解すべきである。
【0061】
これらのマイクロジョイントのサイズは、その制御ルールによって制御され、そのサイズを制御するための変数は、設定された距離、使用する材料および使用するカッティング装置に依存する。例えば、カッティング技術と材料の組合せが、ビームの遅れを引き起こす場合には、その切断は、ほとんど最後まで別の切断部材に対して行うことができ、この場合、そのビームはターンオフされ、ビーム遅れにより、その材料の裏のより厚いジョイントが、そのマイクロジョイントの一部となる。カッティング技術と材料の組合せが、いかなるビームの遅れも引き起こさない場合は、それらのマイクロジョイントは、正確なサイズにカッティングすることができる。
【0062】
第1および第2の部材21、22が工具径補正を必要とする場合、本発明は、箇所2aでカッティングを開始する際、箇所2bに向かって第1の部材21の輪郭をカッティングするために、左側工具径補正が用いられ、この場合、共通の切断が開始する。箇所2bから箇所2cまでは、その輪郭の共通切断部の間は、工具径補正は用いられず、箇所2cから箇所2dまでは、第2の部材22の輪郭をカッティングするために、右側工具径補正が用いられる。そのため、上記制御ルールのセットが、そのカッティングビームのターンオンおよびターンオフを伴うことなく、ラインまたは輪郭の連続カッティングの間に、右側工具径補正、左側工具径補正および工具径補正なしを切替えるためのルールを備えることが企図されている。これは、図2における2つの部材21、22のカッティングを、箇所2aから箇所2dへの1つの連続カッティングで行うことができることを意味する。その図は、マイクロジョイント24、25が、どのようにして最後までその切断を完了せずに形成されるかについても示している。
【0063】
図2は、非常にシンプルな図であり、また、部材の一群が、2つの部材を含むだけであるため、本発明の具体的な実施形態でもある。
【0064】
図3は、4つの部材、すなわち、第1の部材31、第2の部材32、第3の部材33および第4の部材34を有する一群3Aの別の実施例である。ここでは、それらの4つの部材が、丸みの付いた角部を有するため、切断される部材が、それら4つの部材の間の中央部にポケット3Bを形成することが分かる。
【0065】
本発明は、上記制御ルールのセットが、この目的のために分割切断を実行することにより、または、必ず必要な長さよりも長い1つのラインまたは輪郭をカッティングして、これによって形成された間隙を旋回領域として利用することにより、方策的に位置決めされた旋回領域の形成のためのルールを備えることを教示する。
【0066】
図3においては、まず、3つの部材間の共通切断、例えば、最初に第1の部材31と第2の部材32の間の第1の共通切断35、次いで、第2の部材32と第3の部材33の間の第2の共通切断36、そして第3の部材33と第4の部材34の間の第3の共通切断37がカッティングされることが企図されている。これら3つの共通切断35、36、37は、その中央部のポケット3B内へカッティングされ、それによって、それぞれの共通切断の端部に、3つの旋回領域、すなわち、第1の旋回領域35’、第2の旋回領域36’および第3の旋回領域37’が作られる。
【0067】
第4の共通切断38がカッティングされる際、その中央部のポケットは、同じ切断によって形成され、そこでは、3つの旋回領域35’、36’、37’は、そのビームがその旋回領域に入って向きを変えた後、その旋回領域から次の角部のカッティングを続け、そして次の旋回領域に入って続行し、ポケット3B全体を回ること等を可能にする。
【0068】
図3による実施形態もまた、工具径補正の変更が切断中に必要となる可能性のある実施例である。このことを例証するために、第4の共通切断38が実行される際、第1の部材31と第4の部材34の間の切断中には、工具径補正が用いられず、その後、これは、第4の部材34の丸みの付いた角部をカッティングする間、第3の旋回領域37’内で旋回する間、第3の部材33の丸みの付いた角部をカッティングする間、第2の旋回領域36’内で旋回する間、第2の部材32の丸みの付いた角部をカッティングする間、第1の旋回領域35’内で旋回する間、および第1の部材31の丸みの付いた角部をカッティングする間、左側工具径補正に切替えられることが示されている。
【0069】
その間隙の旋回領域としての利用は、そのカッティングビームが、その旋回領域内で、使用するカッティング装置に追い付くことを可能にすることによって行われる。
【0070】
そのビームは、異なる方法でそのカッティング装置に追い付けるようになっており、どの方法を選択するかは、具体的なカッティング状況に依存する。
【0071】
そのビームがカッティング装置に追い付くことを可能にする1つの方法は、その旋回領域内ではカッティング速度を遅くし、カッティング動作がその旋回領域から出て続行する際に、通常のカッティング速度まで加速することを可能にすることである。狭い旋回領域は、本発明の実際の適用においては、その旋回領域内での旋回が行われるときに、そのカッティング速度を遅くさせ、それによって、その旋回領域内で旋回が行われる際に、そのビームがそのカッティング装置に追い付くことを可能にするであろう。いくつかの適用においては、信頼性および/または品質の要件により、そのビームが実際に追い付けることを確実にするために、カッティングプロセスにおける動作を能動的に遅らせ、または、停止させることも必要となる可能性がある。
【0072】
そのビームがカッティング装置に追い付くことを可能にする別の方法は、そのカッティング装置が、その旋回領域内である半径で作動することを可能にすることである。
【0073】
そのビームがカッティング装置に追い付くことを可能にする別の方法は、そのカッティング装置が、その旋回領域内である角度または位相で作動することを可能にすることである。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態を示し、この場合、カッティングビーム41は、いくつかの既にカッティングされたライン4a、4b、4c、4dまたは遮断ポイントに交差する。このことは、そのビームの下方部が、その遮断ポイントの第1の側部を通ってカッティングする前に、そのビームの上方部が、その遮断ポイントの他方の側部でカッティングを開始する可能性があり、そのことは、カッティングの中断のリスクとなる可能性があるため、ビームがカッティング装置に遅れをとる場合に、問題を引き起こす可能性がある。
【0075】
このことを避けるために、本発明は、その制御ルールのセットが、そのカッティングビームが遮断ポイントに交差する際に、そのカッティングビームが、その遮断ポイントにおいて、使用するカッティング装置に追い付くことを可能にするためのルールを備えることを教示する。
【0076】
この追い付きは、異なる方法で行うことができ、企図する3つの異なる方法は、そのカッティング装置を、切断された間隙内で小さな半径Aで作動させること、そのカッティング装置を、その切断された間隙内で小さな位相Bで作動させること、または、その間隙に入っているときには、カッティング速度を遅くし、その後、間隙Cから出る際に、通常の速度でカッティングを開始することである。
【0077】
図5は、本発明の異なる特徴を実現するために、どのように切断を異なる方法で終了させることができるかについての実施例を示す。その図は、部材の一群5Aに属する第1の部材51、第2の部材52、第3の部材53および第4の部材54を概略的に示し、その一群全体は、この図には示されていない。
【0078】
これらの部材は、第1の部材51と第2の部材52の間の第1の切断512が共通切断であり、第2の部材52と第3の部材の間の第2の切断523が共通切断であり、および第3の部材53と第4の部材54の間の第3の切断534が共通切断であり、4つ全ての部材が、外側切断55に隣接しているように位置決めされている。
【0079】
ここでは、外側切断55に達する前に、第1の切断512が停止され、それによって、第1の部材51と第2の部材52の間にマイクロジョイント56が形成されていることが分かる。
【0080】
また、第2の切断523は、外側切断55に対して最後までカッティングされており、それによって、第2および第3の部材52、53を互いに分離していることが分かる。
【0081】
また、第3の切断534は、その外側切断を越えてカッティングされており、それによって、旋回領域57として利用できる方策的に位置決めされた切断を実現できることが分かる。
【0082】
図6は、本発明がどのようにして、小さな角度6Aのカッティングに関する解決策を提案しているかを示す。本発明は、その制御ルールのセットが、小さな角度6Aが2つの切断、すなわち、1つの切断が角度6Aにつながる各ラインのためのものであり、各切断が、角度6Aの先端6A’につながっている、第1の切断61および第2の切断62でカッティングされることを述べているルールを備えることを教示する。その図において、その角度は、互いにつながっている2つの曲線で例示されているが、互いにつながっている2つの直線、または、1つの直線と1つの曲線であってもよいことを理解すべきである。
【0083】
図7aは、隣接する接線間の距離が、カッティングビームの厚さのみであるように、第1の部材7a1および第2の部材7a2が位置決めされている実施例を示す。図7aにおいて、そのカッティング動作は、第1および第2の部材7a1、7a2の共通接線を通る方策的に位置決めされた分割切断部7a3をカッティングすることによって開始する。その後、2つの部材7a1、7a2が1つの切断でカッティングされ、その場合、カッティングビームは、方策的に位置決めされた分割切断部7a3を旋回領域7a3’として利用することとなる。この切断においては、切断方向7a4、7a4’は、その径補正が、全体の切断中、同じままであるようになっているため、径補正の変更は必要ない。
【0084】
また、図7bは、隣接する接線間の距離が、カッティングビームの厚さのみであるように、第1の部材7b1および第2の部材7b2が位置決めされている実施例を示す。図7bにおいて、2つの部材7b1、7b2は、1つの切断でカッティングされ、その場合、そのカッティングビームが、既に切断されている接点7b3を2度目に通ってカッティングする際、そのカッティングビームは、その接点に交差して、それによって、その既に切断されている接点7b3は、図4による遮断ポイントとなる。工具径補正の要件がある場合、切断方向7b4、7b4’は、そのカッティングビームが接点7b3を通過する際に径補正が変わるため、このことは、そのカッティングビームが第1の部材7b1のカッティングから第2の部材7b2のカッティングに移動する際の(逆の場合も同様)、径補正の変更によって実行できる。
【0085】
図8は、3つの切断、すなわち、第1の切断81、第2の切断82および第3の切断83の間の距離が小さいために、2つの隣接する切断間の材料の特性が影響を受けて乱れる場合に、本発明は、第1、第2および第3の切断81、82、83が、それぞれの切断81、82、83の外側部材から始まって、それぞれの切断81、82、83の中心に向かう2つの部分的切断81a、81b、82a、82b、83a、83bで実行されることを企図していることを示す。
【0086】
また、図8は、第1および第2の部分的切断81a、81b、82a、82bは、それぞれの切断81、82に沿って最後まで行われていないが、2つの部分的切断81a、81b、82a、82bの間に、マイクロジョイント81c、82cが残っており、一方、第3の部分的切断83a、83bは、第3の切断83の輪郭に接近するように最後まで行われる。
【0087】
部材の一群を単一の複合部材として設定することが可能であり、その部材の一群には、周りの材料、または、いずれの部材にも属さない部材間の材料がなく、この場合、その部材の一群は、必要であれば、マイクロジョイントでまとめて結合してもよく、また、その一群には、周りの骨格材料がないことが企図されている。
【0088】
本発明は、そのカッティング装置の制御に異なる変数が利用可能であることを教示する。
【0089】
図9は、1つの材料から2つ以上の群9A、9B、9Cがカッティングされることを示す。それらの群は、いくつかの異なる部材を含むことが可能であるが、簡単にするために、群9A、9B、9Cは、単に一様な部材として概略的に図示されている。少なくとも2つの異なる変数が、異なる2つの群からの隣接する部材間の距離を設定するのに用いられる。第1の変数は、隣接する平行ライン9A’、9B’を有する隣接する部材9A、9B間の第1の最小距離a9を表す。第2の変数は、隣接する部材9A、9C間の第2の最小距離b9を表し、この場合、隣接する部材の少なくとも一方9Cは、隣接する接線9C’を有している。本発明は、第2の変数によって表される距離b9が、第1の変数によって表される距離a9よりも短いことを教示する。
【0090】
また、本発明は、第2の変数によって表される第2の距離b9が、接線9C’の半径に依存することも教示する。
【0091】
また、図9は、第3の変数が、隣接する部材9B、9C間の第3の最小距離c9を表すことができ、この場合に、隣接する部材の少なくとも一方9Bは、隣接する角部9B”を有し、第3の変数によって表される第3の距離c9は、第1および第2の変数によって表される距離a9、b9よりも短いことも示している。
【0092】
第4の変数が、使用する材料を表し、第5の変数が、プラズマ、レーザ、ガス、水、イオン、トーチ、ペレットまたは空気を用いたカッティング等の使用するビームカッティング技術を表すことが企図されている。
【0093】
また、第6の変数が、カッティングビームの幅を表すことも企図されており、この場合、第6の変数は、第4および第5の変数に依存する。
【0094】
図10は、使用する材料、使用する材料の厚さおよび使用するカッティング技術により、導入部101または導出部102のための自動的な角度調節および長さ調節によって、導入部101または導出部102を設けることができることを示す。
【0095】
角度101a、102aは、導入部101および導出部102の長さをそれぞれ最小限にしながらも、カッティングビームが導入部101で始動する際の穿孔によって形成されるクレーター101b、または、そのビームが導出部102で停止した際に形成される影響ゾーン102bが、切断103の外側に位置するように、切断103に関して可能な限り小さく選定されることが企図されている。
【0096】
図11は、カッティング動作、すなわち、
・全ての穴をカッティングする、すなわち、方策的に位置決めされた分割切断および共通切断(111)、
・一群または部材間に形成された全てのポケットをカッティングする(112)、および、
・一群の外側の輪郭をカッティングする(113)、
ことを実行する企図されたシーケンスを示す単純化したフローチャートである。
【0097】
第1の動作111は、全ての穴をカッティングすること、すなわち、方策的に位置決めされた分割切断および共通切断であり、これは、先ず、所要の旋回領域を形成するように行われ、それは、これらの動作の実行中は、全ての部材がまだ、互いにおよび骨格に接続されていて、1つの材料がまだ安定しているため、容易に行うことができる。カッティング、分割および共通切断は、全て、その一群における異なる部材を接続するように位置決めされているいずれかのマイクロジョイントに適合されている。
【0098】
第2の動作112は、一群または部材間に形成された全てのポケットをカッティングすることであり、これは、それらの動作を実行する間は、全ての部材がまだ、互いにおよび骨格に接続されていて、1つの材料がまだ安定しているため、容易に行うことができる。
【0099】
第3のおよび最後の動作113は、その一群の外側の輪郭をカッティングすることであり、これを行う際に、全ての部材は、骨格から解放されて、そのプロセス中に形成されたいずれかのマイクロジョイントによって、単に互いに接続されるだけになる。マイクロジョイントが、一群の部材を互いにではなく、骨格に接続している実施形態を用いる場合は、その外側の輪郭をカッティングする間に、それらのマイクロジョイントが形成されることを理解すべきである。
【0100】
本発明による方法は、コンピュータ支援製造(CAM)、コンピュータ支援設計(CAD)のためのツールとして、または、コンピュータ数値制御(CNC)によって制御されるカッティング機器における数値制御装置によって用いられる制御ルールおよび変数の一部として実施できることを理解すべきである。
【0101】
また、本発明は、図1を再び参照して説明するシステム、すなわち、いくつかの部材12a、12b、12cを1つの材料12からマシンカッティングするためのシステム11に関し、本発明のシステム11は、ビームカッティング装置13と、ビームカッティング装置13を制御するための制御ユニット14を備えている。
【0102】
制御ユニット14は、2次元の形状またはパターンをカッティングするための制御ルールのセットに追従するように適応されており、この場合、カッティングすべき形状またはパターンにより、1つのルール、またはいくつかのルールの組合せをカッティング動作に用いることができ、いずれかの形状またはパターンが、1つの材料12から部材12a、12b、12cを形成する。
【0103】
本発明は、制御ユニット14が、自由形状の部材12a、12b、12cからなる一群15の形成のためのルールを含む制御ルールのセットに追従するように適応されており、この場合、部材12a、12b、12cは、これらの部材の形状が許す限り、隣接する部材間にカッティングビーム13aの厚さ13a’のみが見つけられるように、互いに非常に近接して位置決めされることを具体的に教示する。
【0104】
その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、隣接する部材間にマイクロジョイントを残し、それによって、それらのマイクロジョイントが、隣接する部材を互いにまとめて保持することを可能にするように適応されており、この場合、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、カッティングすべき輪郭内へ設定した距離だけ、その輪郭の切断を開始させるか、または、図5に示すように、そのカッティングすべき輪郭の端部の前の設定した距離で、輪郭512の切断を停止し、それによって、そのカッティング装置は、その輪郭の完全な切断を完了しないように制御され、その結果、第1の部材51と第2の部材52を結合するマイクロジョイント56を設け、そのマイクロジョイントのサイズが、その設定した距離に一致するように適応されることが企図されている。
【0105】
図2に示すように、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、部材21、22、およびその一群を包囲している材料2の間にマイクロジョイント24、25を残し、それによって、マイクロジョイント24、25が、その包囲している材料とまとめて部材21、22を保持することを可能にするように適応されることが企図されている。
【0106】
その制御ユニットは、マイクロジョイントのサイズを設定する制御ルールに追従するように適応されており、そのサイズを制御するための変数は、使用する材料および使用するカッティング装置に依存する。
【0107】
その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、新たな穴をカッティングすることなく、1つのラインまたは輪郭の連続的な切断中に、右側工具径補正、左側工具径補正および工具径補正なしを切替えるように適応されることが企図されている。図2は、箇所2aでカッティングを開始する場合、第1の部材21の輪郭から箇所2bへカッティングするのに、左側工具径補正が用いられることを示すことによって、このことを示している。箇所2bから箇所2cへ共通切断を開始する場合、その輪郭の共通切断部の間は、工具径補正は用いられず、箇所2cから箇所2dへ向かうときには、第2の部材22の輪郭をカッティングするために、右側工具径補正が用いられる。
【0108】
図3に示すように、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、この目的のための分割切断を実行することにより、または、必要な長さよりも長いラインまたは輪郭をカッティングし、およびそのカッティング装置を制御して、これによって形成された間隙を旋回領域として利用することにより、方策的に位置決めされた旋回領域35’、36’、37’を形成するように適応されることが企図されている。
【0109】
その制御ユニットは、そのカッティングビームが、その旋回領域内で、そのカッティング装置に追い付けるように、そのカッティング装置を制御することによって、そのカッティング装置を制御して、その間隙を旋回領域として利用するように適応されている。
【0110】
そのビームの追い付きは、異なる方法で実現することができる。その制御ユニットは、そのカッティング動作を制御して、そのカッティングされた間隙内でのカッティング速度を遅くし、およびそのカッティング動作が、その間隙の他の側部で始められる際に、通常のカッティング速度に加速させるように適応させることが可能である。その旋回領域内の狭い旋回点の本来の理由は、旋回が行われる際に、カッティング速度が減速されるが、いくつかの用途においては、信頼性および/または品質要件により、そのビームが実際に追い付けるようになっていることを確実にするために、そのカッティングプロセス中の動作を能動的に減速させ、または停止させることも必要となる可能性があるということである。
【0111】
また、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、カッティングされた間隙内の半径で作動するように、または、カッティングされた間隙内のある角度または位相で作動するように適応させることも可能である。
【0112】
同様に、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、カッティングビームが遮断ポイントに交差する際に、その遮断ポイント内で、使用するカッティング装置に追い付くことを可能にするように適応させることができる。
【0113】
図6に示すように、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、2つの切断で、すなわち、1つが、角度6Aにつながっている各ラインのための切断であり、各切断61、62が、角度6Aの先端6A’につながっている、第1の切断61および第2の切断62で、小さな角度6Aをカッティングするように適応されることが企図されている。
【0114】
図8に示すように、2つの切断、すなわち、第1の切断81と第2の切断82の間の距離が小さいために、2つの切断81、82の間の材料の特性が影響を受けて、乱れ始める場合には、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、それぞれの切断の外側の部分から始まって、それぞれの切断の中心に向かう2つの部分的切断81a、81b、82a、82bで、それぞれの切断81、82を実行するように適応されることが企図されている。
【0115】
また、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、部分的切断81a、81b、82a、82bをそれぞれの切断に沿って最後まで実行させないが、前記2つの部分的切断の間にマイクロジョイントが残るように適応されることも企図されている。また、第3の切断83も図示されており、この場合、マイクロジョイントを残すことなく、最後まで第3の切断83の輪郭に近接して、2つの部分的切断83a、83bが実行される。
【0116】
また、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、周りの材料またはいずれの部材にも属さない部材間の材料が全体的にない部材の一群をカッティングするように適応されることが企図されている。
【0117】
図9は、2つ以上の群9A、9B、9Cを、1つの材料からカッティングするときは常に、その制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、隣接する平行ライン9A’、9B’を有する隣接する部材9A、9B間の第1の最小距離a9を用いるように適応され、この場合、この最小距離a9は、第1の変数によって表されることが企図されている。隣接する部材の少なくとも一方が、隣接する接線9C’を有する、隣接する部材9A、9Cの間の第2の最小距離b9は、第2の変数によって表され、この場合、第2の変数によって表される第2の距離b9は、第1の変数によって表される第1の距離a9よりも短い。
【0118】
第2の変数によって表される第2の距離b9は、接線9C’の半径に依存する。
【0119】
第3の変数が、隣接する部材9B、9C間の第3の最小距離c9を表すように適応され、この場合、隣接する部材の少なくとも一方の9Bは、隣接する角度9B”を有し、この場合、第3の変数によって表される第3の距離c9は、第1および第2の変数によって表される距離a9、b9よりも短いこともまた企図されている。
【0120】
その制御ユニットは、使用する材料を表す第4の変数、およびプラズマ、レーザ、ガス、水、イオン、トーチまたは空気を用いたカッティング等の使用するビームカッティング技術を表す第5の変数を考慮するように適応されることもまた企図されている。
【0121】
その制御ユニットは、そのカッティングビームの幅を表す第6の変数を考慮するように適応され、その第6の変数は、第4および第5の変数に依存することもまた企図されている。
【0122】
図10は、その制御ユニットが、使用する材料、使用する材料の厚さおよび使用するカッティング技術により、導入部101または導出部102のための自動的な角度調節および長さ調節によって、導入部101または導出部102を設けるように適応されることを示す。
【0123】
本発明による制御ユニットは、そのカッティング装置を制御して、図11のフローチャートに示されている次のシーケンスで、すなわち、
・全ての穴をカッティングする、すなわち、方策的に位置決めされた分割切断および共通切断(111)、
・一群または部材間に形成された全てのポケットをカッティングする(112)、および、
・一群の外側の輪郭をカッティングする(113)、
ことでカッティング動作を実行するように適応され得る。
【0124】
本発明のシステムは、コンピュータ支援製造(CAM)またはコンピュータ支援設計(CAD)のためのツールとして機能するように適応され得、また、本発明の制御ユニットは、コンピュータ数値制御(CNC)マシンにおける数値制御装置とすることができる。
【0125】
また、本発明は、図1に概略的に示されているようなコンピュータプログラムプロダクトPであって、実行時に、コンピュータCが、本発明の方法に従って制御ルールおよび変数を実施することを可能にするコンピュータプログラムコードP1を備えるコンピュータプログラムプロダクトPにも関する。
【0126】
本発明が、本発明の上述したおよび図示されている例示的な実施形態に限定されないこと、および添付クレームに説明されている本発明のコンセプトの範囲内で変更可能であることを理解されたい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームカッティング技術を用いて1つの材料からいくつかの部材をマシンカッティングするための方法であって、前記方法は、2次元の形状またはパターンをカッティングするための制御ルールおよび変数のセットを提供し、1つのルールまたはいくつかのルールの組合せが、カッティングされる形状またはパターンにより、カッティング動作に用いられ、前記形状またはパターンが、前記1つの材料から前記部材を形成する方法であって、前記制御ルールのセットは、自由形状の部材の一群の成形のためのルールを備え、前記部材は、前記部材の形状が許す限り、カッティングビームの厚さのみが、隣接する部材間に見つけられるように互いに非常に近接して位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記制御ルールのセットは、隣接する部材を互いにまとめて保持するマイクロジョイントによる、前記部材の接触結合のためのルールを備え、およびマイクロジョイントは、輪郭のカッティングを、カッティングすべき輪郭内への設定した距離だけ開始させることにより、または、カッティングすべき前記輪郭の端部の前の設定した距離で前記輪郭のカッティングを停止し、それによって前記輪郭の完全なカッティングを完了しないことによって形成され、これによって形成されたマイクロジョイントのサイズが、前記設定された距離に一致することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御ルールのセットが、前記群内の部材を分離し、それらの部材を周囲の材料とまとめて保持するマイクロジョイントによって、前記群を包囲する材料とそれらの部材とを結合するためのルールを備え、およびマイクロジョイントは、輪郭のカッティングを、カッティングすべき輪郭内への設定した距離だけ開始させることにより、または、カッティングすべき前記輪郭の端部の前の設定した距離で前記輪郭のカッティングを停止し、それによって前記輪郭の完全なカッティングを完了しないことによって形成され、これによって形成されたマイクロジョイントのサイズが、前記設定された距離に一致することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マイクロジョイントのサイズは、前記制御ルールによって制御され、および前記サイズを制御するための変数は、前記設定された距離、使用する材料および使用するカッティング装置に依存することを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記制御ルールのセットは、前記カッティングビームのターンオフおよびターンオンを要することなく、1つのラインまたは輪郭の連続カッティングの間に、右側工具径補正、左側工具径補正および工具径補正なしを切替えるためのルールを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記制御ルールのセットが、この目的のために分割切断を実行することによる、または、必ず必要な長さよりも長い1つのラインまたは輪郭をカッティングして、これによって形成された間隙を旋回領域として利用することによる、方策的に位置決めされた旋回領域の形成のためのルールを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記間隙の旋回領域としての利用は、前記旋回領域において、前記カッティングビームが、使用するカッティング装置に追い付くことを可能にすることによって行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記制御ルールのセットは、前記カッティングビームが遮断ポイントを横断する際に、前記カッティングビームが、使用するカッティング装置に前記遮断ポイントで追い付くことを可能にするためのルールを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記制御ルールのセットは、小さな角度をカッティングするためのルールを備え、前記ルールは、小さな角度は2つの切断部でカッティングされ、1つは、前記角度につながる各ラインのためのものであり、各切断部は、前記角度の先端につながっていると述べていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
2つの切断部の間の距離が小さいために、それら2つの切断部の間の材料の特性が影響を受けて乱れ始める場合は、それぞれの切断部が、前記切断部の外側の部材から前記切断部の中心に向かって開始する2つの部分的切断部で形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記部分的切断部は、それぞれの切断部に沿って最後まで形成されないこと、およびマイクロジョイントは、前記2つの部分的切断部の間に残っていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記部材の一群を、周囲の材料またはいずれの部材にも属さない部材間の材料から全体的に離れてカッティングすることを特徴とする請求項1、2、4、5、6、7、8、9、10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記2つ以上の群を、1つの材料からカッティングするときは常に、少なくとも2つの異なる変数が、2つの異なる群からの隣接する部材間の距離、隣接する平行線を伴う隣接する部材間の第1の最小距離を表す第1の変数、および前記隣接する部材の少なくとも一方が、隣接する接線を有する隣接する部材間の第2の最小距離を表す第2の変数を設定するのに用いられ、この場合、前記第2の変数によって表される距離は、前記第1の変数によって表される距離よりも短いことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第2の変数によって表される第2の距離は、前記接線の半径に依存することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第3の変数が、隣接する部材間の第3の最小距離を表し、前記隣接する部材のうちの少なくとも1つが隣接する角部を有し、前記第3の変数によって表される第3の距離は、前記第1および第2の変数によって表される距離よりも短いことを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
第4の変数が、使用する材料を表し、および第5の変数が、プラズマ、レーザ、ガス、水、イオン、トーチ、ペレットまたは空気を用いたカッティング等の使用するビームカッティング技術を表すことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
第6の変数が、前記カッティングビームの幅を表し、前記第6の変数は、前記第4および第5の変数に依存していることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
使用する材料、前記使用する材料の厚さおよび使用するカッティング技術により、導入部および導出部のための自動的角度調節および長さ調節を用いて、前記導入部および導出部を設けることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記カッティング動作を次の順序で、すなわち、
・全ての穴をカッティングする、すなわち、方策的に位置決めされた分割切断および共通切断、
・一群または部材間に形成された全てのポケットをカッティングする、および
・前記一群の外側の輪郭をカッティングする、
ことで実行することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、コンピュータ支援製造(CAM)またはコンピュータ支援設計(CAD)のためのツールとして実施されることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、コンピュータ数値制御(CNC)によって制御されるカッティング装置における数値制御装置によって用いられる制御ルールおよび変数の一部として実施されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
1つの材料からいくつかの部材をマシンカッティングするためのシステムであって、ビームカッティング装置と、前記ビームカッティング装置を制御するための制御ユニットとを備え、前記制御ユニットは、2次元の形状またはパターンをカッティングするための制御ルールのセットに追従するように適応されており、この場合、カッティングすべき前記形状またはパターンにより、1つのルール、またはいくつかのルールの組合せをカッティング動作に用いることができ、前記形状またはパターンは、前記1つの材料から前記部材を形成するシステムであって、前記制御ユニットは、自由形状の部材の一群の形成のためのルールを備える制御ルールのセットに追従するように適応され、前記部材は、前記部材の形状が許す限り、カッティングビームの厚さのみが、隣接する部材間に見つけられるように、互いに非常に近接して位置決めされることを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、隣接する部材間にマイクロジョイントを残し、それによって、前記マイクロジョイントが、隣接する部材を互いにまとめて保持することを可能にするように適応され、前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、カッティングすべき輪郭内へ設定した距離だけ、前記輪郭の切断を開始させるか、または、カッティングすべき前記輪郭の端部の前の設定した距離で、前記輪郭の切断を停止し、それによって、前記カッティング装置が、前記輪郭の完全な切断を完了しないように制御され、その結果、前記設定した距離に一致するサイズを有するマイクロジョイントを設けるように適応されることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、前記一群内の部材を分離し、および前記部材と、前記一群を包囲する材料との間にマイクロジョイントを残し、それによって、前記マイクロジョイントが、前記部材を前記包囲する材料とまとめて保持することを可能にするように適応され、前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、カッティングすべき輪郭内へ設定した距離だけ、前記輪郭の切断を開始させるか、または、カッティングすべき前記輪郭の端部の前の設定した距離で、前記輪郭の切断を停止し、それによって、前記カッティング装置が、前記輪郭の完全な切断を完了しないように制御され、その結果、前記設定した距離に一致するサイズを有するマイクロジョイントを設けるように適応されることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記制御ユニットは、前記マイクロジョイントのサイズを設定する制御ルールに追従するように適応され、および前記サイズを制御するための変数は、前記設定した距離、使用する材料および使用するカッティング装置に依存することを特徴とする請求項23または24に記載のシステム。
【請求項26】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、新たな穴をカッティングすることなく、1つのラインまたは輪郭の連続的な切断中に、右側工具径補正、左側工具径補正および工具径補正なしを切替えるように適応されることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、この目的のために分割切断を実行することにより、または、必ず必要な長さよりも長い1つのラインまたは輪郭をカッティングし、前記カッティング装置を制御して、これによって形成された間隙を旋回領域として利用することにより、方策的に位置決めされた旋回領域を形成するように適応されることを特徴とする請求項22〜26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、前記カッティングビームが、旋回領域内で前記カッティング装置に追い付くことができるように前記カッティング装置を制御することによって、前記間隙を前記旋回領域として利用するように適応されることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、前記カッティングビームが遮断ポイントに交差する際に、前記カッティングビームが、前記遮断ポイントで使用するカッティング装置に追い付くことを可能にするように適応されることを特徴とする請求項22〜28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、1つが、小さな角度につながる各ラインのためのものであり、および各切断が前記角度の先端につながっている2つの切断で前記小さな角度をカッティングするように適応されることを特徴とする請求項22〜29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
2つの切断間の距離が小さいために、前記2つの切断間の材料の特性が影響を受けて乱れ始める場合に、前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、前記切断の外側の部材から始まって、前記切断の中心に向かう2つの部分的切断で、それぞれの切断を実行するように適応されることを特徴とする請求項22〜30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、前記部分的切断をそれぞれの切断に沿って最後まで実行しないが、前記2つの部分的切断の間にマイクロジョイントが残るように適応されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、周りの材料、または、いずれの部材にも属さない部材間の材料が全体的にない前記部材の一群をカッティングするように適応されることを特徴とする請求項22、23、25、26、27、28、29、30、31または32に記載のシステム。
【請求項34】
2つ以上の一群を1つの材料からカッティングすべきときは常に、前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、第1の変数で表される、隣接する平行線を有する隣接する部材間の第1の最小距離を用いるように、および隣接する部材間の第2の最小距離を用いるように適合され、前記隣接する部材の少なくとも一方は隣接する接線を有し、前記第2の最小距離は、第2の変数によって表され、前記第2の変数によって表される第2の距離は、前記第1の変数で表される第1の距離よりも短いことを特徴とする請求項22〜33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記第2の変数によって表される第2の距離は、前記接線の半径に依存することを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
第3の変数が、隣接する部材間の第3の最小距離を表すように適合され、前記隣接する部材のうちの少なくとも1つは、隣接する角部を有し、前記第3の変数によって表される第3の距離は、前記第1および第2の変数によって表される距離よりも短いことを特徴とする請求項34または35に記載のシステム。
【請求項37】
前記制御ユニットは、使用する材料を表す第4の変数と、プラズマ、レーザ、ガス、水、イオン、トーチ、ペレットまたは空気を用いたカッティング等の使用するビームカッティング技術を表す第5の変数を考慮するように適合されていることを特徴とする請求項22〜36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記制御ユニットは、前記カッティングビームの幅を表す第6の変数を考慮するように適合され、前記第6の変数は前記第4および第5の変数に依存していることを特徴とする請求項22〜37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記制御ユニットは、使用する材料、前記使用する材料の厚さおよび使用するカッティング技術により、導入部および導出部のための自動的な角度調節および長さ調節によって、前記導入部および導出部を設けるように適合されていることを特徴とする請求項22〜38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記制御ユニットは、前記カッティング装置を制御して、次の順序で、すなわち、
・全ての穴をカッティングする、すなわち、方策的に位置決めされた分割切断および共通切断、
・一群または部材間に形成された全てのポケットをカッティングする、
・前記一群の外側の輪郭をカッティングする、
ことで前記カッティング動作を実行するように適合されていることを特徴とする請求項22〜39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記システムは、コンピュータ支援製造(CAM)またはコンピュータ支援設計(CAD)のためのツールとして機能するように適合されていることを特徴とする請求項22〜40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記制御ユニットは、コンピュータ数値制御(CNC)マシンにおける数値制御装置であることを特徴とする請求項22〜40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
実行した場合に、コンピュータが、請求項1〜21のいずれか一項に記載の制御ルールおよび変数を実施することを可能にするコンピュータプログラムコードを備えることを特徴とするコンピュータプログラムプロダクト。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−507253(P2013−507253A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532465(P2012−532465)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063122
【国際公開番号】WO2011/042058
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512091431)トモロジック アーベー (1)
【Fターム(参考)】