カップ容器入り食品のガス置換装置
【課題】本発明はカップ容器に充填する食品の流動性が良いのは勿論、流動性の悪い食品でも、充填された食品の上部位置のカップ容器内の空間部の空気を置換ガスに確実に置換して、蓋で密閉することができるカップ容器入り食品のガス置換装置を得るにある。
【解決手段】食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーしカバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とでカップ容器入り食品のガス置換を構成している。
【解決手段】食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーしカバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とでカップ容器入り食品のガス置換を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は味噌、酒粕、あんこ等のペースト状の食品やフライドチキン等の固形食品が充填されるカップ容器入り食品のガス置換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のカップ容器入り食品のガス置換装置は、コンベヤーによって搬送されるカップの搬走路に沿って蓋供給仮シール部、ガス置換部およびシール部が設けられ、前記蓋供給仮シール部には内容物が充填されたカップに前記蓋を載せる蓋供給装置と、該蓋供給装置により供給された蓋の一部をカップに仮シールする仮シール装置が配置され、前記ガス置換部には搬送路の片側に沿って先端部近傍から置換ガスをフラッシュするガスフラッシュプレートが配置され、前記シール部には蓋をカップにヒートシールするヒートシール装置とで構成されている。
【0003】
このため、カップ容器に充填する食品が、液状に近い流動性の良いものであれば、充填された食品の上部の空間部の空気を置換ガスで置換することがある程度可能であるが、粘性が高く流動性の悪い食品では、カップ容器内に充填された食品の上面は平坦にはならず、山状となるため、側面から置換ガスをフラッシュしても山の背面部位に位置する空気を置換ガスに置換することができないという欠点があった。
【特許文献1】特開平9−278016
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、カップ容器に充填する食品の流動性が良いのは勿論、流動性の悪い食品でも、充填された食品の上部位置のカップ容器内の空間部の空気を置換ガスに確実に置換して、蓋で密閉することができるカップ容器入り食品のガス置換装置を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とでカップ容器入り食品のガス置換を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とで構成されているので、カップ容器内に充填された食品の上部が山状になっても、上部から置換ガスをカップ容器内に供給するため、確実にカップ容器内の上部空間部の空気を置換ガスに置換することができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、カップ容器の上部および上側部をカバー体で覆っているので、カバー体内を置換ガス雰囲気にでき、置換後のカップ容器内への空気の流入を効率よく阻止することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、カバー体の下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されるとともに、該端部の近傍に蓋の供給仮シール装置およびシール装置を設けているので、蓋が密閉されるまでにカップ容器内の置換ガス部分に空気が流入するのを極力阻止することができる。
【0011】
(4)前記(1)、(2)、(3)によって、カップ容器内の空間部を確実に置換ガスに置換することができるとともに、置換ガスに置換された状態で蓋で密封することができる。
したがって、カップ容器内に充填された置換ガスによって、充填された食品の品質を確実に保つことができる。
【0012】
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1ないし図5に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の味噌、酒粕、あんこ等のペースト状の食品やフライドチキン等の固形食品2が充填されたカップ容器3の空間部4を炭酸ガス、窒素ガス、炭酸ガスと窒素ガスの混合ガス等の置換ガス5に置換して密封することができるカップ容器入り食品のガス置換装置で、このカップ容器入り食品のガス置換装置1はペースト状の食品2が充填されたカップ容器3を間欠送りするコンベヤー6と、このコンベヤー6でペースト状の食品2が充填され、密封される寸前までのカップ容器2の上部および、該カップ容器2のほぼ半分の高さ寸法までの上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面7に形成されたカバー体8と、このカバー体8内に位置するカップ容器3内へ上方より炭酸ガスや窒素ガス等の置換ガス5を供給する置換ガス供給装置9と、前記カバー体8の下流の端部近傍にカップ容器3の上部先端部に蓋10の一部を仮シールするように蓋10を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置11と、この蓋の供給仮シール装置11で仮シールされた蓋10をカップ容器3内へ外部から空気が流入しないように非熱溶着性シートを用いたシート押さえ23を通過させてシールする、従来から一般に使用されているヒートシール装置等のシール装置12とで構成されている。
【0015】
前記置換ガス供給装置9は前記カバー体8の上面に上方へ突出するように形成された、前記コンベヤー6の停止位置のカップ容器3が直下に位置する部位のカバー部13、13のほぼ中央部に、下方へ置換ガスをフラッシュするように取付けられたノズル14、14と、このノズル14、14へ置換ガス供給源である置換ガスタンク15の置換ガスを開閉弁16を介して供給する、先端が二股状の置換ガス供給管17と、この置換ガス供給管17の前記ノズル14、14近傍に設けられた流量調整弁18、18とで構成されている。
なお、置換ガス供給源は高圧ガス容器と圧力調整器あるいは高圧ガス容器とガス混合装置のいずれかが使用される。
【0016】
前記蓋の供給仮シール装置11は前記コンベヤー6の停止位置で、カップ容器3の先端部が前記カバー体8の下流端部よりわずかに下流側に位置する部位で蓋10の一部をカップ容器3に仮シールする、従来から一般に使用されている構成のスポットシール装置19と、このスポットシール装置19で仮シールすることができる部位へ蓋10を供給する、従来から一般に使用されている構成の蓋供給装置20とで構成されている。
【0017】
上記構成のカップ容器入り食品のガス置換装置1は、カップ容器3にペースト状の食品2が充填された状態でカバー体8内をコンベヤー6によって間欠送りされる。
このカバー体8内を通過する時に、カバー体8の上部より下方へフラッシュされる置換ガス5によって、ペースト状の食品2が山状になっていても、カップ容器3内の空気は外部へ押し出され置換される。
【0018】
カバー体8の下流端部より置換ガス5に置換されたカップ容器3の端部が突出すると、該部位に蓋の供給仮シール装置11の蓋供給装置20で蓋10の端部が位置され、スポットシール装置19で仮シールされる。
【0019】
この仮シールされた状態でコンベヤー6で移動され、カップ容器3の後端部がカバー体8の下流端部よりわずかに出た所で、シール装置12でカップ容器3に蓋10をシールして、カップ容器3を蓋10で密封することで、カップ容器3内の上部空間部4は置換ガス5に置換された状態となる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0020】
次に、図6ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図6ないし図8に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、蓋の供給仮シール装置11のスポットシール装置19の下流部位に仮シールされたカップ容器3の蓋10が、該カップ容器3の開口縁3aより離れるのを阻止するローラ21を介装した点で、このようなローラ21を用いて構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Aは、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、仮シールから完全にシールされるまでの間に、カップ容器3内への空気の流入をより確実に阻止することができる。
【0022】
図9および図10に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、置換ガスとして空気より重い炭酸ガスを用い、下流側より上流部側の上面が順次高いカバー体8Aを用いた点で、このように構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、カップ容器3内の空気をカバー体8Aの上面に沿って、外部へ効率よく排出することができる。
【0023】
図11および図12に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、置換ガスとして空気より軽い窒素ガスを用い、上流側の端部にガス流出阻止片22を設けたカバー体8Bを用いた点で、このように構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、カップ容器3内の空気をカバー体8Bの下部より外部へ排出して、カバー体8B内を置換ガス雰囲気に効率よくできる。
【0024】
図13および図14に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、内部にシャワー状に置換ガスをカップ容器3内へ向けて噴射する事ができるシャワープレート24を設置したカバー体8Cを用いた点で、このように構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Dにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、カップ容器3内の空気をより効率良く置換ガスに置換することができる。
【0025】
なお、前記本発明を実施するための各形態では、カット済み蓋を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、連続シート蓋を用いて、仮シールおよびシール後にレーザーカット等でシールを切断するシール切断装置を用いることで、連続シート蓋も使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明はカップ容器入り食品のガス置換装置を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の正面図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の要部拡大断面図。
【図5】図4の5−5線に沿う断面図。
【図6】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の要部拡大断面図。
【図9】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の要部拡大断面図。
【図11】本発明を実施するための第4の形態の平面図。
【図12】本発明を実施するための第4の形態の要部拡大断面図。
【図13】本発明を実施するための第5の形態の要部拡大断面図。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0028】
1、1A、1B、1C、1D:カップ容器入り食品のガス置換装置、
2:食品、 3:カップ容器、
4:空間部、 5:置換ガス、
6:コンベヤー、 7:傾斜面、
8、8A、8B、8C:カバー体、 9:置換ガス供給装置、
10:蓋、 11:蓋の供給仮シール装置、
12:シール装置、 13:カバー部、
14:ノズル、 15:置換ガスタンク、
16:開閉弁、 17:置換ガス供給管、
18:流量調整弁、 19:スポットシール装置、
20:蓋供給装置、 21:ローラ、
22:ガス流出阻止片、 23:シート押さえ、
24:シャワープレート。
【技術分野】
【0001】
本発明は味噌、酒粕、あんこ等のペースト状の食品やフライドチキン等の固形食品が充填されるカップ容器入り食品のガス置換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のカップ容器入り食品のガス置換装置は、コンベヤーによって搬送されるカップの搬走路に沿って蓋供給仮シール部、ガス置換部およびシール部が設けられ、前記蓋供給仮シール部には内容物が充填されたカップに前記蓋を載せる蓋供給装置と、該蓋供給装置により供給された蓋の一部をカップに仮シールする仮シール装置が配置され、前記ガス置換部には搬送路の片側に沿って先端部近傍から置換ガスをフラッシュするガスフラッシュプレートが配置され、前記シール部には蓋をカップにヒートシールするヒートシール装置とで構成されている。
【0003】
このため、カップ容器に充填する食品が、液状に近い流動性の良いものであれば、充填された食品の上部の空間部の空気を置換ガスで置換することがある程度可能であるが、粘性が高く流動性の悪い食品では、カップ容器内に充填された食品の上面は平坦にはならず、山状となるため、側面から置換ガスをフラッシュしても山の背面部位に位置する空気を置換ガスに置換することができないという欠点があった。
【特許文献1】特開平9−278016
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、カップ容器に充填する食品の流動性が良いのは勿論、流動性の悪い食品でも、充填された食品の上部位置のカップ容器内の空間部の空気を置換ガスに確実に置換して、蓋で密閉することができるカップ容器入り食品のガス置換装置を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とでカップ容器入り食品のガス置換を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0008】
(1)食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とで構成されているので、カップ容器内に充填された食品の上部が山状になっても、上部から置換ガスをカップ容器内に供給するため、確実にカップ容器内の上部空間部の空気を置換ガスに置換することができる。
【0009】
(2)前記(1)によって、カップ容器の上部および上側部をカバー体で覆っているので、カバー体内を置換ガス雰囲気にでき、置換後のカップ容器内への空気の流入を効率よく阻止することができる。
【0010】
(3)前記(1)によって、カバー体の下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されるとともに、該端部の近傍に蓋の供給仮シール装置およびシール装置を設けているので、蓋が密閉されるまでにカップ容器内の置換ガス部分に空気が流入するのを極力阻止することができる。
【0011】
(4)前記(1)、(2)、(3)によって、カップ容器内の空間部を確実に置換ガスに置換することができるとともに、置換ガスに置換された状態で蓋で密封することができる。
したがって、カップ容器内に充填された置換ガスによって、充填された食品の品質を確実に保つことができる。
【0012】
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1ないし図5に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の味噌、酒粕、あんこ等のペースト状の食品やフライドチキン等の固形食品2が充填されたカップ容器3の空間部4を炭酸ガス、窒素ガス、炭酸ガスと窒素ガスの混合ガス等の置換ガス5に置換して密封することができるカップ容器入り食品のガス置換装置で、このカップ容器入り食品のガス置換装置1はペースト状の食品2が充填されたカップ容器3を間欠送りするコンベヤー6と、このコンベヤー6でペースト状の食品2が充填され、密封される寸前までのカップ容器2の上部および、該カップ容器2のほぼ半分の高さ寸法までの上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面7に形成されたカバー体8と、このカバー体8内に位置するカップ容器3内へ上方より炭酸ガスや窒素ガス等の置換ガス5を供給する置換ガス供給装置9と、前記カバー体8の下流の端部近傍にカップ容器3の上部先端部に蓋10の一部を仮シールするように蓋10を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置11と、この蓋の供給仮シール装置11で仮シールされた蓋10をカップ容器3内へ外部から空気が流入しないように非熱溶着性シートを用いたシート押さえ23を通過させてシールする、従来から一般に使用されているヒートシール装置等のシール装置12とで構成されている。
【0015】
前記置換ガス供給装置9は前記カバー体8の上面に上方へ突出するように形成された、前記コンベヤー6の停止位置のカップ容器3が直下に位置する部位のカバー部13、13のほぼ中央部に、下方へ置換ガスをフラッシュするように取付けられたノズル14、14と、このノズル14、14へ置換ガス供給源である置換ガスタンク15の置換ガスを開閉弁16を介して供給する、先端が二股状の置換ガス供給管17と、この置換ガス供給管17の前記ノズル14、14近傍に設けられた流量調整弁18、18とで構成されている。
なお、置換ガス供給源は高圧ガス容器と圧力調整器あるいは高圧ガス容器とガス混合装置のいずれかが使用される。
【0016】
前記蓋の供給仮シール装置11は前記コンベヤー6の停止位置で、カップ容器3の先端部が前記カバー体8の下流端部よりわずかに下流側に位置する部位で蓋10の一部をカップ容器3に仮シールする、従来から一般に使用されている構成のスポットシール装置19と、このスポットシール装置19で仮シールすることができる部位へ蓋10を供給する、従来から一般に使用されている構成の蓋供給装置20とで構成されている。
【0017】
上記構成のカップ容器入り食品のガス置換装置1は、カップ容器3にペースト状の食品2が充填された状態でカバー体8内をコンベヤー6によって間欠送りされる。
このカバー体8内を通過する時に、カバー体8の上部より下方へフラッシュされる置換ガス5によって、ペースト状の食品2が山状になっていても、カップ容器3内の空気は外部へ押し出され置換される。
【0018】
カバー体8の下流端部より置換ガス5に置換されたカップ容器3の端部が突出すると、該部位に蓋の供給仮シール装置11の蓋供給装置20で蓋10の端部が位置され、スポットシール装置19で仮シールされる。
【0019】
この仮シールされた状態でコンベヤー6で移動され、カップ容器3の後端部がカバー体8の下流端部よりわずかに出た所で、シール装置12でカップ容器3に蓋10をシールして、カップ容器3を蓋10で密封することで、カップ容器3内の上部空間部4は置換ガス5に置換された状態となる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0020】
次に、図6ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図6ないし図8に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、蓋の供給仮シール装置11のスポットシール装置19の下流部位に仮シールされたカップ容器3の蓋10が、該カップ容器3の開口縁3aより離れるのを阻止するローラ21を介装した点で、このようなローラ21を用いて構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Aは、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、仮シールから完全にシールされるまでの間に、カップ容器3内への空気の流入をより確実に阻止することができる。
【0022】
図9および図10に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、置換ガスとして空気より重い炭酸ガスを用い、下流側より上流部側の上面が順次高いカバー体8Aを用いた点で、このように構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、カップ容器3内の空気をカバー体8Aの上面に沿って、外部へ効率よく排出することができる。
【0023】
図11および図12に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、置換ガスとして空気より軽い窒素ガスを用い、上流側の端部にガス流出阻止片22を設けたカバー体8Bを用いた点で、このように構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、カップ容器3内の空気をカバー体8Bの下部より外部へ排出して、カバー体8B内を置換ガス雰囲気に効率よくできる。
【0024】
図13および図14に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、内部にシャワー状に置換ガスをカップ容器3内へ向けて噴射する事ができるシャワープレート24を設置したカバー体8Cを用いた点で、このように構成したカップ容器入り食品のガス置換装置1Dにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、カップ容器3内の空気をより効率良く置換ガスに置換することができる。
【0025】
なお、前記本発明を実施するための各形態では、カット済み蓋を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、連続シート蓋を用いて、仮シールおよびシール後にレーザーカット等でシールを切断するシール切断装置を用いることで、連続シート蓋も使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明はカップ容器入り食品のガス置換装置を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の正面図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の要部拡大断面図。
【図5】図4の5−5線に沿う断面図。
【図6】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の要部拡大断面図。
【図9】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の要部拡大断面図。
【図11】本発明を実施するための第4の形態の平面図。
【図12】本発明を実施するための第4の形態の要部拡大断面図。
【図13】本発明を実施するための第5の形態の要部拡大断面図。
【図14】図13の14−14線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0028】
1、1A、1B、1C、1D:カップ容器入り食品のガス置換装置、
2:食品、 3:カップ容器、
4:空間部、 5:置換ガス、
6:コンベヤー、 7:傾斜面、
8、8A、8B、8C:カバー体、 9:置換ガス供給装置、
10:蓋、 11:蓋の供給仮シール装置、
12:シール装置、 13:カバー部、
14:ノズル、 15:置換ガスタンク、
16:開閉弁、 17:置換ガス供給管、
18:流量調整弁、 19:スポットシール装置、
20:蓋供給装置、 21:ローラ、
22:ガス流出阻止片、 23:シート押さえ、
24:シャワープレート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とからなることを特徴とするカップ容器入り食品のガス置換装置。
【請求項2】
ペースト状の食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーでペースト状の食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置して、該カップ容器の上面近傍に位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より炭酸ガスや窒素ガス等の置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しないようにローラで押えた状態でシールするシール装置とからなることを特徴とするカップ容器入り食品のガス置換装置。
【請求項1】
食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーで食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しない状態でシールするシール装置とからなることを特徴とするカップ容器入り食品のガス置換装置。
【請求項2】
ペースト状の食品が充填されたカップ容器を間欠送りするコンベヤーと、このコンベヤーでペースト状の食品が充填され、密封される寸前までのカップ容器の上部および上側部をカバーし、該カバーの下流側の上面が順次下方へ位置して、該カップ容器の上面近傍に位置する傾斜面に形成されたカバー体と、このカバー体内に位置するカップ容器内へ上方より炭酸ガスや窒素ガス等の置換ガスを供給する置換ガス供給装置と、前記カバー体の下流の端部近傍にカップ容器の上部先端部に蓋の一部を仮シールするように蓋を供給し仮シールする蓋の供給仮シール装置と、この蓋の供給仮シール装置で仮シールされた蓋をカップ容器内へ外部から空気が流入しないようにローラで押えた状態でシールするシール装置とからなることを特徴とするカップ容器入り食品のガス置換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−62676(P2006−62676A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244856(P2004−244856)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000187149)昭和炭酸株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000187149)昭和炭酸株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
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