カテーテル/フィラメント型装置および皮膚表面下の傷を治療する方法
減圧治療システムは、患者の皮下の組織部位(112)に位置する遠位端部(108)と患者の体外に位置する近位端部(116)とを有するフィラメント送達導管(104)を具える。連続的なフィラメント(120)は一端がフィラメント送達導管の近位端部から延び、他端がフィラメント送達導管の遠位端部から延びるように、フィラメント導管内に配置される。連続的なフィラメントは組織部位と隣接するフィラメント体(128)を形成する。減圧送達導管(136)は減圧源(140)およびフィラメント体と流体的に連結されるようになっており、フィラメント体を介して組織部位に減圧を送達する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年5月13日出願の米国特許仮出願番号第61/052,867号の利益を主張するものであり、ここに参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、一般的には減圧治療システムに関し、特に、組織部位にフィラメントを提供し、フィラメントにより形成されたフィラメント体を介して組織部位に減圧をかけるシステムおよび方法に関する。
【0003】
臨床研究および臨床演習では、組織部位近傍を減圧すると、組織部位での新しい組織の成長が増大し、かつ、促進することが明らかにされてきた。この現象の適用例は多数あるが、減圧の1つの適用例として、傷の治療がある。この治療(ときに、医学界では「負圧傷療法」、「減圧療法」または「真空療法」と称される)により、上皮組織および皮下組織の移動、改善された血流、および傷口での組織の僅かな変形を含む種々の利点が得られる。これらの利点とともに、肉芽組織の成長が早まるとともに、治癒にかかる時間が短くなる。通常、減圧は、多孔質パッドまたはその他のマニホールド装置を介して組織にかけられる。
【発明の概要】
【0004】
現在の減圧システムによる問題は、以下の例示的な実施例のシステムおよび方法により解決される。
【0005】
例示的な一実施例では、減圧治療システムは、患者の皮下の組織部位に位置する遠位端部と患者の体外に位置する近位端部とを有するフィラメント送達導管を含む。連続的なフィラメントは、一端が前記フィラメント送達導管の前記近位端部から延び、他端がフィラメント送達導管の遠位端部から延びるようにフィラメント送達導管に位置している。連続的なフィラメントは、すし器部位に隣接するフィラメント体を形成する。減圧送達導管は、減圧源およびフィラメント体と流体的に連結されるようになっており、フィラメント体を介して組織部位に減圧を送達する。
【0006】
例示的な他の実施例では、減圧治療システムは、皮下の組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するカテーテルを含んでいる。生体吸収性フィラメントは、フィラメント体を組織部位に形成するように、カテーテルの管腔を介して組織部位に送達可能である。減圧送達導管は、減圧源およびフィラメント体と流体的に連結するようになっており、フィラメント体を介して減圧を組織部位に送達する。
【0007】
例示的なさらに他の実施例では、減圧治療システムは、フィラメント体に形成され、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントを含んでいる。減圧治療システムは、さらに、フィラメント体と流体的に連結し、組織部位に減圧を送達する減圧源を含む。
【0008】
例示的なさらに他の実施例では、減圧治療システムは、フィラメント体を形成し、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントを含む。減圧治療システムは、さらに、フィラメント体と流体連結し、減圧源に流体的に接続されて、減圧を組織部位へ送達する減圧送達導管を含む。
【0009】
例示的な他の実施例では、患者の皮下の組織部位における新規な組織成長を促進させる方法は、カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させるステップを含む。フィラメントは、カテーテルの管腔を介して組織部位へ進められ、組織部位においてフィラメント体を形成し、また、組織部位においてフィラメント体に減圧がかけられる。
【0010】
例示的な実施例の他の目的、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明に表される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、フィラメントを組織部位へ送るカテーテルを有する、例示的な実施例による減圧治療システムの部分断面側面図である。
【図2A】図2Aは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となる注射器を示す部分断面側面図である。
【図2B】図2Bは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となるガイドワイヤを示す部分断面側面図である。
【図2C】図2Cは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となる拡張器を示す部分断面側面図である。
【図2D】図2Dは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となるシースを示す部分断面側面図である。
【図3A】図3Aは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられる、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図3B】図3Bは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられている、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図3C】図3Cは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられている、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図3D】図3Dは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられている、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図4】図4は、図1に示すカテーテルの4−4線断面図である。
【図5A】図5Aは、図1のカテーテルの断面図であり、カテーテルを介して進める前に、フィラメントが予めどのように捻られるかまたは位置するかを示す実施例を示している。
【図5B】図5Bは、図1のカテーテルの断面図であり、カテーテルを介して進める前に、フィラメントが予めどのように捻られるかまたは位置するかを示す実施例を示している。
【図6】図6は、例示的な実施例による組織部位における新規な組織の成長を促進する方法を示している。
【図7】図7は、例示的な実施例による組織部位における新規な組織の成長を促進する方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に示すいくつかの例示的な実施例の詳細な説明において、本明細書の一部をなす添付の図面には参照番号が付され、発明が実施される特定の好ましい実施例が示される。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に記載されており、他の実施例を用いてもよく、また、論理的構造、機械的、電気的および化学的変更が本発明の意図および範囲から逸脱することなく行われうることが理解できよう。当業者が以下に記載される実施例を実施する際の不要な詳細を省くために、当業者に公知の特定な情報は説明していない。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、例示的な実施例の範囲は、添付する特許請求の範囲にのみ限定されるものである。
【0013】
以下に用いられる用語「減圧」は、一般的に、治療される組織部位における周囲圧力よりも低い圧力のことを指す。多くの場合、この減圧は、患者が置かれる気圧よりも低い。また、減圧は、組織部位における組織と関連する静水圧よりも低い時もある。用語「真空」および「負圧」は、組織部位にかけられる圧力を説明するために用いられるが、組織部位にかけられる実際の減圧は、完全真空と通常は関連する減圧よりもかなり低い時もある。減圧により、まず、組織部位領域において流体流れが発生される。組織部位周辺の静水圧が望ましい減圧に近づくと、流体流れは弱まり、減圧が保たれる。明記しない限り、以下に述べる圧力値は、ゲージ圧である。同様に、減圧の増加は、通常、絶対圧力の減少を指し、減圧の減少は、通常、絶対圧力の増加を指す。
【0014】
以下に用いられる用語「組織部位」は、限定的ではないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、維菅束組織、結合組織、軟骨、腱、または靱帯を含む組織上の、または組織内の傷または欠陥のことである。さらに、用語「組織部位」は、必ずしも傷ついたまたは欠陥のある組織領域を指すのではなく、追加的な組織の成長を増大または促進することが望まれる領域を指してもよい。例えば、減圧組織治療は、採取され、他の組織位置に移植される追加的な組織を成長させる特定の組織領域に用いられる。
【0015】
以下に記載されるシステムは、組織部位にフィラメントを送ることができ、フィラメントにより形成されたフィラメント体を介して組織部位に減圧をかけることができるものである。フィラメントおよび減圧の送達は、1つまたはそれ以上の管腔または導管を用いることにより達成できる。各管腔は、専用または多目的用のものである。管腔は、単なるカテーテルの一部であるか、または、分離してまたはともに組織部位に進むことができる他の装置である。特定のカテーテル内の管腔は、互いに平行に、非対称に、または同軸に設けられる。管腔の断面形状は、円形または非円形であってもよい。選択的に、各管腔は、通気または浄化のために、フィラメントの送達または除去のために、洗浄または他の流体を送るために、または、給気圧力または減圧を送達するために用いられる。適切な場合(例えば、治療中に真空に晒されると)、各管腔は、隔膜、栓、または蓋のような減圧に対するシール手段を含む場合もある。このような手段は、フィラメント周辺をシールする手段や止血技術分野において公知であるのと類似する他の構造体を含むものである。
【0016】
図1および図2を参照すると、例示的な一実施例による減圧治療システム100は、患者114の組織部位112に位置するようになっている遠位端部108と、患者の体外に位置する近位端部116とを有するフィラメント送達導管104を具えている。図1に示す実施例における単一で連続的な細長い材料であるフィラメント120は、フィラメント送達導管104に設けられ、フィラメント120の一端122は、フィラメント送達導管104の近位端部116から延び、フィラメント120の他端124は、フィラメント送達導管104の遠位端部108から延びている。他の実施例において、フィラメント120は非連続的な、フィラメント送達導管104を介して組織部位112に送られるいくつかの別々の分離したフィラメントとなっている。フィラメント送達導管104は、組織部位112に送られるフィラメント120のための、保護されて、好ましくは妨害されない通路を提供する。フィラメント120がフィラメント送達導管104を介して進むと、組織部位112において、フィラメント120は、フィラメント体128を構成する。フィラメント体128は、組織部位112に隣接して位置する。ある実施例では、組織部位112は、皮下にあり、空隙132が組織部位112に隣接して位置している。好ましくは、フィラメント体128は、空隙132内に位置する。
【0017】
さらに、減圧治療システム100は、減圧源140およびフィラメント体128に流体結合されるようになっている減圧送達導管136を具えており、減圧は、フィラメント体128を介して組織部位112に送達されるようになっている。図1に示す実施例において、減圧送達導管136およびフィラメント送達導管104は、1つまたはそれ以上の管腔を含むカテーテル142の一部である。ある実施例において、カテーテル142の遠位部141は、分岐部146においてカテーテル142の近位部143内に個々の管腔に分岐する単一の管腔を含んでいる。また、個々の管腔は、カテーテル142の遠位部141に設けられ、各管腔の別々の機能を有している。図4のある実施例による遠位部141の断面は、3つの異なる別個の管腔145、147、および149を示しており、そのうちの2つは断面が円形であり、他の1つはD形状となっている。管腔145は、フィラメント送達導管104として用いられ、フィラメント120を組織部位112へ送る。管腔149は、減圧送達導管136として用いられ、減圧を組織部位に送達する。管腔147は、換気または浄化、または、洗浄または他の流体を送るために用いられる。
【0018】
ある実施例において、別個の管腔を有する別個のカテーテルは、独立してまたは同時に組織部位へ送達され、フィラメント送達導管104および減圧送達導管136として作用する。
【0019】
本書に記載されるカテーテルは、ポリエチレン、ナイロン、ナイロンの混紡、ポリウレタン、ビニル、シリコーン、およびフッ素重合体に限らず、この分野で公知の多くの材料で構成することができる。カテーテルの材料は、タイプ30A〜タイプ75Dのショアー・デュロメター(Shore durometers)硬さを有する材料である。いくつかの実施例では、カテーテルは、タイプ80A〜タイプ65Dのショア・デュロメター硬さで構成され、他の実施例では、タイプ55D〜タイプ65Dで構成される。また、カテーテルを、当分野で公知の材料で被覆してもよい。いくつかの実施例では、内側の管腔は、摩擦を低下させるヒドロゲルおよび/または血栓形成を低下させるヘパリンで被覆される。いくつかの実施例では、感染の危険性を低減させるために、外側が抗生物質で被覆されてもよい。
【0020】
図1に示す実施例において、減圧源140は、電気駆動される真空ポンプである。その他の場合、減圧源140を、電力を必要としない手動駆動型または手動充電型ポンプやその他の種類の減圧ポンプとすることができる。さらに他の実施例では、減圧源140は、病院やその他の医療機関で利用可能な壁面吸い込みポートである。減圧源140は、減圧治療ユニット144内に収容されるか、または、それと関連して用いられ、減圧治療ユニット144は、センサ、処理ユニット、警告表示器、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示ユニット、および、組織部位112に減圧治療を容易に適用できるようにするユーザインタフェースを具えていてもよい。一例では、減圧源140またはその近傍にセンサまたはスイッチ(図示せず)を設け、減圧源140が発生する源圧力が設定される。センサは、減圧源140により送達される減圧を監視および制御する処理ユニットと協働してもよい。
【0021】
減圧をフィラメント体128および組織部位112に送達すると、組織部位から滲出液を排出し続け、組織部位を包囲する組織への血流を高め、組織部位にミクロひずみを形成することにより、新規の組織増殖が助長される。減圧源140と組織部位112との間には、容器148が流体的に連結されており、減圧源140により、組織部位112および空隙132からの滲出液およびその他の流体が収集される。
【0022】
ある実施例では、フィラメント120を、減圧治療後に患者の体から除去不要な生体分解性材料で構成してもよい。好適な生体分解性材料は、非限定的に、ポリ乳酸(PLA)およびポリグリコール酸(PGA)のポリマーブレンドを含んでいる。ポリマーブレンドは、また、非限定的に、ポリカーボネート、ポリフマル酸、およびカプララクトンを含んでいる。さらに、フィラメント120およびフィラメント体128が、新規な細胞成長のためのスキャフォールドとして提供されてもよいし、スキャフォールド材が細胞成長を促進させるために、フィラメント120とともに用いられてもよい。スキャフォールドは、細胞成長のための型版を提供する多孔質の三次元構造物のような、細胞成長または組織形成を増幅または促進させるために用いられる物質または構造体である。例示的なスキャフォールド材料の例は、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラルヒドロキシアパタイト、炭酸塩、または処理された同種移植片材料を含んでいる。他の実施例では、フィラメント120は、非生体分解性材料で構成される。この材料は、織られた、または編まれた単一フィラメントでもよい。好適な材料は、非限定的に、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素重合体、ポリウレタンおよびナイロンを含んでもよい。
【0023】
減圧治療システム100のフィラメント体128は、フィラメント120が組織部位112に配置される際に形成される折り曲げられたまたは絡み合った塊である。フィラメント120は、規則的に空隙132内に設けることができ、予測可能な方法で、フィラメント120を折り曲げ、多くの場合、空隙132内に設けられる時にフィラメント120を不規則にねじったり折り曲げることができるのが望ましい。フィラメント体128の大きさ、形状または厚みは、任意であるが、皮下組織部位の治療に用いられる場合には、フィラメント体128の境界は、空隙132により画定される。
【0024】
フィラメント体128は、組織部位112と接触するようになっている。フィラメント体128の一部または全部が、治療される組織部位112と接触することができる。組織部位112が傷である場合、フィラメント体128の一部または全てが傷を満たす。フィラメント体128は分配マニホールドとして作用し、フィラメント体128の中にある間隙およびその他の空隙を介して、減圧を組織部位112に分配できるようになっている。フィラメント体128のフィラメント120は、緩く纏められているので、フィラメント体128には、空隙や空隙ができている。フィラメント120をより密集させ、フィラメント体128を高「密度」とすると、フィラメント体128の中の空隙および空隙の量は通常減少する。空隙および空隙の量は、特定の組織部位および所望の減圧量により増減される。
【0025】
また、フィラメント体の「密度」は、減圧がかけられた時に空隙132が壊れることに抵抗するフィラメント120の能力に影響する。減圧がかけられる時、空隙132は概ね密閉されているので、空隙132を包囲する組織は、通常は接近し、空隙132が収縮する。幾分かの収縮を許容しつつ、フィラメント体128は、空隙132が完全に壊れてしまうのを防止するのに役立ち、これにより、減圧を組織部位112に分配し続けることができる。フィラメント体128が高密度になると、フィラメント体128は、空隙132が壊れることにさらに抵抗できるようになる。
【0026】
また、フィラメント体128は、組織部位112におけるミクロ歪みを誘発させることにより、組織部位112における組織成長を促進するのを助ける。減圧がかけられると、組織部位112およびフィラメント体128は、互いに密接するように引っぱられ、組織がフィラメント体128のフィラメント120に接触するにつれ、組織部位112の細胞レベルでミクロ歪みが発生する。フィラメント体128のフィラメント120の捩れ、捻れ、および折り曲がりにより、フィラメント体が組織部位112でのミクロ歪みを良好に形成できるようにする角部および縁部が形成されると考えられる。
【0027】
フィラメント体128が、開口性で非皮下の傷である組織部位に隣接して位置すると、被層(図示せず)や減菌布が、フィラメント体128および組織部位上に設けられ、組織部位における被層下の減圧が保たれる。この被層は、組織部位の周辺を超えて延び、組織部位に隣接する組織を被層が確実に覆うように、被層上の接着剤または結合材を含む場合もある。また、ヒドロゲル材料のような密閉層を、被層と組織との間に設け、組織部位における被層の密閉を改善するようにしてもよい。
【0028】
フィラメント体128が図1の組織部位112のような皮下組織部位に位置する場合、空隙132は、空隙132周辺の患者自身の組織により周囲から概ね密閉されるので、組織部位112における減圧を保つために空隙132を密閉する被層を使用する必要はない。しかしながら、患者に注入されたカテーテル142の周囲を密閉することが望まれることがある。このような密閉は、患者の皮膚に注入されたカテーテル142の周囲に減菌布や被層を設けることにより達成される。また、縫合線や接着剤を、カテーテル142周辺を良好に密閉するために、その位置に設けてもよい。
【0029】
図2A〜図2Dを参照すると、減圧治療システム100は、フィラメント120を組織部位112に案内して送るのを補助する追加的な部材を含んでいる。図2Aにおいて、針210は、患者の皮膚214を介して挿入され、組織部位112に隣接する空隙132に案内される。空隙132は、皮膚214の下側の組織内または組織に囲まれて位置し、このため、いくつかの層または数種類の組織を介して針210を案内する必要がある。針210を空隙132に進めることは、超音波、X線、透視ガイド、またはその他の監視または案内技術により監視または案内される。図2Aの針210は、注射器218とともに示されているが、注射器218は任意である。注射器218が針201に取り付けられる場合、針210を通過する管腔に直接的に触れることができるように、注射器218は、挿入後に針210から取り外されるのが好ましい。
【0030】
図2Bを参照すると、ガイドワイヤ222は、針210の管腔を介して空隙132に進む。ある実施例では、ガイドワイヤ222は、可撓性を増すために、コイルにより被覆された一般的なコア形状となっている。また、ガイドワイヤ222は、スタイレットや心棒のような可撓性が劣る形状の場合もある。ガイドワイヤ222は、線保管装置226により、管腔内に挿入されてもよい。針210と同様に、ガイドワイヤを、X線、透視ガイド、またはその他の監視または案内技術により監視または案内してもよい。ガイドワイヤ222の端部を空隙132に送った後、針210は、空隙132から引き抜かれ、ガイドワイヤ222から取り外される。
【0031】
ガイドワイヤ222のスタイレットまたは心棒は、ガイドワイヤ222として十分な強度の材料で選択的に構成され、体の組織に押し入れられる。ある実施例において、針210の管腔の内径およびガイドワイヤ222の直径は、摩擦により発生される不当な圧力を被ることなく、ガイドワイヤ222が針210を通過することのできる大きさとなっている。他の実施例では、ガイドワイヤは、針を用いる必要性のない十分な硬さとなっている。この場合、ガイドワイヤの遠位端部は、鋭利な套管針またはその他のスタイレット端となっている。
【0032】
図2Cを参照すると、拡張器232およびシース236が、ガイドワイヤ222に沿って空隙132へ進むことができる。ともに示してはいるが、拡張器232を、独立して用いることができ、ガイドワイヤ222に沿って組織を拡張または細かくするのを補助し、シース236を挿入することができるようになっているか、または、他の実施例では、カテーテル142が直接挿入されるようになっている。拡張器232の端部240は、好ましくはテーパー状となっており、組織を拡張するのを補助する。図2Cに示す実施例では、シース236は、拡張器232を同軸状で覆うように位置しており、拡張器232と同時に組織部位112へ進む。ある実施例では、シース236の壁厚は、比較的薄く、拡張器232およびシース236が挿入された時に、組織を不必要に拡張または損傷しないようになっている。シース236の壁厚は、ある実施例では0.020インチ以下である。シース236が空隙132に進んだ後、拡張器232は、ガイドワイヤ222に沿って患者から引き抜かれて取り外される。
【0033】
図2Dを特に参照すると、シース236の管腔を介して進ませることにより、カテーテル142は、空隙132に導入されうる。カテーテル142の遠位部141が空隙132に送られた後、シース236が取り外されてもよい。ある実施例では、シース236は、患者から引き抜かれた後、カテーテル142から分離または引き抜き可能な剥離型または引きはがし型シースである。引きはがし型の形状とすることにより、医療専門家は、カテーテル142周辺からシース236を容易に取り外すことができる。他の実施例では、シースは、シースとカテーテルとの間に環状の管腔を形成するために残され、カテーテルを容易に交換および/またはフィラメントを送るカテーテルを引き抜いた後に、真空の送り管腔として作用したりする。
【0034】
カテーテル142を組織部位112に設けた後に、フィラメント送達導管104のようなカテーテル142の管腔を介して、フィラメント120を組織部位112へ送ることができる。種々のシステムおよび方法により、フィラメント120を組織部位112に送ることができる。図3A〜図3Dを参照すると、ある実施例では、減圧治療システム100は、フィラメント供給システム312を含んでいる。フィラメント供給システム312は、第1の管316および第2の管320を含んでいる。第1の管316および第2の管320の両方は、フィラメント120が進む通路を含んでいる。第1の管316は、第2の管320の内径よりもやや狭い外形を有している。管316と管320の相対的な直径により、第1の管316は、第2の管320の通路により伸縮自在に受け入れられる。通路328を有する把持部材324は、第2の管320とともに動作し、図3Aに示す開位置と図3Bに示す閉位置または把持位置との間で移動できるようになっている。開位置において、通路328は、フィラメント120が自由に通路328を通過することができるような寸法となっている。閉位置では、通路328は、把持部材324がフィラメント120を把持し、フィラメント120が通路328を自由に移動できないような寸法となっている。後述するように、管腔の直径は、ねじれた繊維を進ませることに対する摩擦抵抗と、繊維を管腔の軸と整列させ続け、管腔内にわたって繊維が折れ曲がるのを防止する必要性とを釣り合わせるように選択される。
【0035】
動作中には、フィラメント供給システム312は、第1の管316の一端が第2の管320の通路内に設けられるように配列される。フィラメント120は、通路328、第1の管316および第2の管320を介して送られる(図3A参照)。把持部材324は、その後、閉位置へ移動され、フィラメント120を把持する(図3B参照)。第2の管320は、進み距離332だけ第1の管316に沿って進む。第2の管320が進むと、フィラメント120も第1の管316を介して進み距離332だけ進む。好ましくは、第1の管316および第2の管320の内径は十分小さく、フィラメント120は、第1の管316および第2の管320の通路内で挟まれるのが防止されるのに十分な硬さとなっている。図3Cに示すように、第2の管320を第1の管316上に移動させた後、図3Dに示すように、把持部材324は、開位置に戻ることができ、第2の管320は、第1の管316から後退する。第2の管320が後退すると、フィラメント120は、第1の管316に対して静止した状態となる。フィラメント120を進め続けるために、第2の管320、把持部材324およびフィラメント120を図3A〜図3Dに示すように移動させることが繰り返される。
【0036】
ある実施例では、第1の管316は、フィラメント送達導管104内に設けられたカテーテル142、または、フィラメント120を組織部位112に進めるのを補助するカテーテル142から分離された導管である。他の実施例では、第1の管316は、通路を有するカテーテル142、または、フィラメント送達導管104であるカテーテル142である。
【0037】
フィラメント供給システム312は、フィラメント120を組織部位112に送る素早く効率的な手段を提供し、フィラメント120は、医療専門家に都合の良い手段により組織部位112に送られる。ある実施例では、フィラメント120は、フィラメント送達導管104を介して、手で供給されたり、手動で進められたりする。他の実施例では、カテーテル142の遠位端部143にリールが取り付けられ、フィラメント120が組織部位112に素早く配置されたり送られたりする。
【0038】
さらに他の実施例では、カテーテル142は、フィラメント120が組織部位112に配置された後、フィラメント120を切断する手段を含む。このような手段は、カテーテル142とともに設けられる、例えば、刃先や鋭い刃である。
【0039】
図5Aおよび図5Bを参照すると、ある実施例では、フィラメント120は、単一で連続するフィラメントとして組織部位112へ進む。他の実施例では、フィラメント120は、別々にまたは同時に組織部位112へ進む複数の別個のフィラメントを含んでもよい。フィラメント120は、カテーテル142を介して進められる前に予め捻られ、フィラメントを「丸める」または「もつれさせる」ことにより、フィラメント体128を容易に形成できる。捻りは、選択的に、捻り方向の規則的な(繰り返し)パターンや不規則な(可変)パターンを含む。捻りは、選択的に、単一面または多層平面でなされる。フィラメント120が捻られると、図5Aに示すように、カテーテル142の管腔を介して進む。フィラメントに対する管腔の直径は、捻れた繊維を進めることに対する摩擦抵抗と、繊維を管腔の軸に整列させ続け、繊維が管腔内にわたって折り曲げられるのを防止する必要性とを釣り合わせるように選択される。これは、一般的に、管腔の直径がフィラメントと管腔の壁との間の角度を45度以下に保つことにより達成される。捻られていないフィラメントは、管腔の壁と概ね平衡に整列する(実質的に0度の角度)。フィラメント120がカテーテル142から出ると、フィラメント120は緩み、ループ形状、ジグザグ形状、波形状、しわ形状、螺旋形状、またはその他の不規則な形状となり始め、図5Bに示すように位置する。また、フィラメント120の遠位端部がカテーテル142から出ると、組織部位の壁を突き刺すことを防止するように、図5Aに示すような弁髪の先端を形成する。フィラメント120が組織部位112に隣接する空隙132に進み続けると、フィラメント120の捻れおよび曲がりは、丸まったりもつれたりして、図5Bに示すようなフィラメント体128が容易に形成され、空隙132が満たされる。
【0040】
図6を参照すると、患者の皮下組織部位において新規な組織の成長を促進させる方法610は、ステップ614において、選択的に、針を組織部位に送る。ステップ616では、針が送られると、針先が組織部位に到達するまで、針の位置が監視される。ステップ618において、ガイドワイヤが針の管腔を介して組織部位に送られる。ガイドワイヤを挿入する前に、針が用いられない場合、比較的硬い鋭利なガイドワイヤが、組織部位へ直接進む。ガイドワイヤの配置および案内は、針の位置を監視する上述した手段により監視される。ステップ622において、シースおよび拡張器は、ガイドワイヤ上で組織部位へ進む。ステップ626では、拡張器が取り外され、ステップ630において、カテーテルは、シースを介して組織部位へ送られる。カテーテルが組織部位に位置すると、ステップ634において、フィラメントはカテーテルの管腔を介して組織部位へ進み、組織部位においてフィラメント体を形成する。ステップ638において、組織部位のフィラメント体に減圧がかけられる。選択的に、減圧治療に続き、ステップ642に示すように、フィラメントが組織部位から除去されるか、または、ステップ646に示すように、組織部位に残されて生体吸収される。
【0041】
大きな利点を有する本発明が提供されることは、上述から明らかである。本発明をいくつかの形態で示したが、本発明は、それらに限定されずに本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および修正が可能である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年5月13日出願の米国特許仮出願番号第61/052,867号の利益を主張するものであり、ここに参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、一般的には減圧治療システムに関し、特に、組織部位にフィラメントを提供し、フィラメントにより形成されたフィラメント体を介して組織部位に減圧をかけるシステムおよび方法に関する。
【0003】
臨床研究および臨床演習では、組織部位近傍を減圧すると、組織部位での新しい組織の成長が増大し、かつ、促進することが明らかにされてきた。この現象の適用例は多数あるが、減圧の1つの適用例として、傷の治療がある。この治療(ときに、医学界では「負圧傷療法」、「減圧療法」または「真空療法」と称される)により、上皮組織および皮下組織の移動、改善された血流、および傷口での組織の僅かな変形を含む種々の利点が得られる。これらの利点とともに、肉芽組織の成長が早まるとともに、治癒にかかる時間が短くなる。通常、減圧は、多孔質パッドまたはその他のマニホールド装置を介して組織にかけられる。
【発明の概要】
【0004】
現在の減圧システムによる問題は、以下の例示的な実施例のシステムおよび方法により解決される。
【0005】
例示的な一実施例では、減圧治療システムは、患者の皮下の組織部位に位置する遠位端部と患者の体外に位置する近位端部とを有するフィラメント送達導管を含む。連続的なフィラメントは、一端が前記フィラメント送達導管の前記近位端部から延び、他端がフィラメント送達導管の遠位端部から延びるようにフィラメント送達導管に位置している。連続的なフィラメントは、すし器部位に隣接するフィラメント体を形成する。減圧送達導管は、減圧源およびフィラメント体と流体的に連結されるようになっており、フィラメント体を介して組織部位に減圧を送達する。
【0006】
例示的な他の実施例では、減圧治療システムは、皮下の組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するカテーテルを含んでいる。生体吸収性フィラメントは、フィラメント体を組織部位に形成するように、カテーテルの管腔を介して組織部位に送達可能である。減圧送達導管は、減圧源およびフィラメント体と流体的に連結するようになっており、フィラメント体を介して減圧を組織部位に送達する。
【0007】
例示的なさらに他の実施例では、減圧治療システムは、フィラメント体に形成され、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントを含んでいる。減圧治療システムは、さらに、フィラメント体と流体的に連結し、組織部位に減圧を送達する減圧源を含む。
【0008】
例示的なさらに他の実施例では、減圧治療システムは、フィラメント体を形成し、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントを含む。減圧治療システムは、さらに、フィラメント体と流体連結し、減圧源に流体的に接続されて、減圧を組織部位へ送達する減圧送達導管を含む。
【0009】
例示的な他の実施例では、患者の皮下の組織部位における新規な組織成長を促進させる方法は、カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させるステップを含む。フィラメントは、カテーテルの管腔を介して組織部位へ進められ、組織部位においてフィラメント体を形成し、また、組織部位においてフィラメント体に減圧がかけられる。
【0010】
例示的な実施例の他の目的、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明に表される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、フィラメントを組織部位へ送るカテーテルを有する、例示的な実施例による減圧治療システムの部分断面側面図である。
【図2A】図2Aは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となる注射器を示す部分断面側面図である。
【図2B】図2Bは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となるガイドワイヤを示す部分断面側面図である。
【図2C】図2Cは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となる拡張器を示す部分断面側面図である。
【図2D】図2Dは、図1のカテーテルを組織部位へ送る際の補助となるシースを示す部分断面側面図である。
【図3A】図3Aは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられる、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図3B】図3Bは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられている、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図3C】図3Cは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられている、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図3D】図3Dは、図1のフィラメントをカテーテルを介して組織部位へ送るのに用いられている、例示的な実施例によるフィラメント供給システムの部分断面側面図である。
【図4】図4は、図1に示すカテーテルの4−4線断面図である。
【図5A】図5Aは、図1のカテーテルの断面図であり、カテーテルを介して進める前に、フィラメントが予めどのように捻られるかまたは位置するかを示す実施例を示している。
【図5B】図5Bは、図1のカテーテルの断面図であり、カテーテルを介して進める前に、フィラメントが予めどのように捻られるかまたは位置するかを示す実施例を示している。
【図6】図6は、例示的な実施例による組織部位における新規な組織の成長を促進する方法を示している。
【図7】図7は、例示的な実施例による組織部位における新規な組織の成長を促進する方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に示すいくつかの例示的な実施例の詳細な説明において、本明細書の一部をなす添付の図面には参照番号が付され、発明が実施される特定の好ましい実施例が示される。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に記載されており、他の実施例を用いてもよく、また、論理的構造、機械的、電気的および化学的変更が本発明の意図および範囲から逸脱することなく行われうることが理解できよう。当業者が以下に記載される実施例を実施する際の不要な詳細を省くために、当業者に公知の特定な情報は説明していない。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、例示的な実施例の範囲は、添付する特許請求の範囲にのみ限定されるものである。
【0013】
以下に用いられる用語「減圧」は、一般的に、治療される組織部位における周囲圧力よりも低い圧力のことを指す。多くの場合、この減圧は、患者が置かれる気圧よりも低い。また、減圧は、組織部位における組織と関連する静水圧よりも低い時もある。用語「真空」および「負圧」は、組織部位にかけられる圧力を説明するために用いられるが、組織部位にかけられる実際の減圧は、完全真空と通常は関連する減圧よりもかなり低い時もある。減圧により、まず、組織部位領域において流体流れが発生される。組織部位周辺の静水圧が望ましい減圧に近づくと、流体流れは弱まり、減圧が保たれる。明記しない限り、以下に述べる圧力値は、ゲージ圧である。同様に、減圧の増加は、通常、絶対圧力の減少を指し、減圧の減少は、通常、絶対圧力の増加を指す。
【0014】
以下に用いられる用語「組織部位」は、限定的ではないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、維菅束組織、結合組織、軟骨、腱、または靱帯を含む組織上の、または組織内の傷または欠陥のことである。さらに、用語「組織部位」は、必ずしも傷ついたまたは欠陥のある組織領域を指すのではなく、追加的な組織の成長を増大または促進することが望まれる領域を指してもよい。例えば、減圧組織治療は、採取され、他の組織位置に移植される追加的な組織を成長させる特定の組織領域に用いられる。
【0015】
以下に記載されるシステムは、組織部位にフィラメントを送ることができ、フィラメントにより形成されたフィラメント体を介して組織部位に減圧をかけることができるものである。フィラメントおよび減圧の送達は、1つまたはそれ以上の管腔または導管を用いることにより達成できる。各管腔は、専用または多目的用のものである。管腔は、単なるカテーテルの一部であるか、または、分離してまたはともに組織部位に進むことができる他の装置である。特定のカテーテル内の管腔は、互いに平行に、非対称に、または同軸に設けられる。管腔の断面形状は、円形または非円形であってもよい。選択的に、各管腔は、通気または浄化のために、フィラメントの送達または除去のために、洗浄または他の流体を送るために、または、給気圧力または減圧を送達するために用いられる。適切な場合(例えば、治療中に真空に晒されると)、各管腔は、隔膜、栓、または蓋のような減圧に対するシール手段を含む場合もある。このような手段は、フィラメント周辺をシールする手段や止血技術分野において公知であるのと類似する他の構造体を含むものである。
【0016】
図1および図2を参照すると、例示的な一実施例による減圧治療システム100は、患者114の組織部位112に位置するようになっている遠位端部108と、患者の体外に位置する近位端部116とを有するフィラメント送達導管104を具えている。図1に示す実施例における単一で連続的な細長い材料であるフィラメント120は、フィラメント送達導管104に設けられ、フィラメント120の一端122は、フィラメント送達導管104の近位端部116から延び、フィラメント120の他端124は、フィラメント送達導管104の遠位端部108から延びている。他の実施例において、フィラメント120は非連続的な、フィラメント送達導管104を介して組織部位112に送られるいくつかの別々の分離したフィラメントとなっている。フィラメント送達導管104は、組織部位112に送られるフィラメント120のための、保護されて、好ましくは妨害されない通路を提供する。フィラメント120がフィラメント送達導管104を介して進むと、組織部位112において、フィラメント120は、フィラメント体128を構成する。フィラメント体128は、組織部位112に隣接して位置する。ある実施例では、組織部位112は、皮下にあり、空隙132が組織部位112に隣接して位置している。好ましくは、フィラメント体128は、空隙132内に位置する。
【0017】
さらに、減圧治療システム100は、減圧源140およびフィラメント体128に流体結合されるようになっている減圧送達導管136を具えており、減圧は、フィラメント体128を介して組織部位112に送達されるようになっている。図1に示す実施例において、減圧送達導管136およびフィラメント送達導管104は、1つまたはそれ以上の管腔を含むカテーテル142の一部である。ある実施例において、カテーテル142の遠位部141は、分岐部146においてカテーテル142の近位部143内に個々の管腔に分岐する単一の管腔を含んでいる。また、個々の管腔は、カテーテル142の遠位部141に設けられ、各管腔の別々の機能を有している。図4のある実施例による遠位部141の断面は、3つの異なる別個の管腔145、147、および149を示しており、そのうちの2つは断面が円形であり、他の1つはD形状となっている。管腔145は、フィラメント送達導管104として用いられ、フィラメント120を組織部位112へ送る。管腔149は、減圧送達導管136として用いられ、減圧を組織部位に送達する。管腔147は、換気または浄化、または、洗浄または他の流体を送るために用いられる。
【0018】
ある実施例において、別個の管腔を有する別個のカテーテルは、独立してまたは同時に組織部位へ送達され、フィラメント送達導管104および減圧送達導管136として作用する。
【0019】
本書に記載されるカテーテルは、ポリエチレン、ナイロン、ナイロンの混紡、ポリウレタン、ビニル、シリコーン、およびフッ素重合体に限らず、この分野で公知の多くの材料で構成することができる。カテーテルの材料は、タイプ30A〜タイプ75Dのショアー・デュロメター(Shore durometers)硬さを有する材料である。いくつかの実施例では、カテーテルは、タイプ80A〜タイプ65Dのショア・デュロメター硬さで構成され、他の実施例では、タイプ55D〜タイプ65Dで構成される。また、カテーテルを、当分野で公知の材料で被覆してもよい。いくつかの実施例では、内側の管腔は、摩擦を低下させるヒドロゲルおよび/または血栓形成を低下させるヘパリンで被覆される。いくつかの実施例では、感染の危険性を低減させるために、外側が抗生物質で被覆されてもよい。
【0020】
図1に示す実施例において、減圧源140は、電気駆動される真空ポンプである。その他の場合、減圧源140を、電力を必要としない手動駆動型または手動充電型ポンプやその他の種類の減圧ポンプとすることができる。さらに他の実施例では、減圧源140は、病院やその他の医療機関で利用可能な壁面吸い込みポートである。減圧源140は、減圧治療ユニット144内に収容されるか、または、それと関連して用いられ、減圧治療ユニット144は、センサ、処理ユニット、警告表示器、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示ユニット、および、組織部位112に減圧治療を容易に適用できるようにするユーザインタフェースを具えていてもよい。一例では、減圧源140またはその近傍にセンサまたはスイッチ(図示せず)を設け、減圧源140が発生する源圧力が設定される。センサは、減圧源140により送達される減圧を監視および制御する処理ユニットと協働してもよい。
【0021】
減圧をフィラメント体128および組織部位112に送達すると、組織部位から滲出液を排出し続け、組織部位を包囲する組織への血流を高め、組織部位にミクロひずみを形成することにより、新規の組織増殖が助長される。減圧源140と組織部位112との間には、容器148が流体的に連結されており、減圧源140により、組織部位112および空隙132からの滲出液およびその他の流体が収集される。
【0022】
ある実施例では、フィラメント120を、減圧治療後に患者の体から除去不要な生体分解性材料で構成してもよい。好適な生体分解性材料は、非限定的に、ポリ乳酸(PLA)およびポリグリコール酸(PGA)のポリマーブレンドを含んでいる。ポリマーブレンドは、また、非限定的に、ポリカーボネート、ポリフマル酸、およびカプララクトンを含んでいる。さらに、フィラメント120およびフィラメント体128が、新規な細胞成長のためのスキャフォールドとして提供されてもよいし、スキャフォールド材が細胞成長を促進させるために、フィラメント120とともに用いられてもよい。スキャフォールドは、細胞成長のための型版を提供する多孔質の三次元構造物のような、細胞成長または組織形成を増幅または促進させるために用いられる物質または構造体である。例示的なスキャフォールド材料の例は、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラルヒドロキシアパタイト、炭酸塩、または処理された同種移植片材料を含んでいる。他の実施例では、フィラメント120は、非生体分解性材料で構成される。この材料は、織られた、または編まれた単一フィラメントでもよい。好適な材料は、非限定的に、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素重合体、ポリウレタンおよびナイロンを含んでもよい。
【0023】
減圧治療システム100のフィラメント体128は、フィラメント120が組織部位112に配置される際に形成される折り曲げられたまたは絡み合った塊である。フィラメント120は、規則的に空隙132内に設けることができ、予測可能な方法で、フィラメント120を折り曲げ、多くの場合、空隙132内に設けられる時にフィラメント120を不規則にねじったり折り曲げることができるのが望ましい。フィラメント体128の大きさ、形状または厚みは、任意であるが、皮下組織部位の治療に用いられる場合には、フィラメント体128の境界は、空隙132により画定される。
【0024】
フィラメント体128は、組織部位112と接触するようになっている。フィラメント体128の一部または全部が、治療される組織部位112と接触することができる。組織部位112が傷である場合、フィラメント体128の一部または全てが傷を満たす。フィラメント体128は分配マニホールドとして作用し、フィラメント体128の中にある間隙およびその他の空隙を介して、減圧を組織部位112に分配できるようになっている。フィラメント体128のフィラメント120は、緩く纏められているので、フィラメント体128には、空隙や空隙ができている。フィラメント120をより密集させ、フィラメント体128を高「密度」とすると、フィラメント体128の中の空隙および空隙の量は通常減少する。空隙および空隙の量は、特定の組織部位および所望の減圧量により増減される。
【0025】
また、フィラメント体の「密度」は、減圧がかけられた時に空隙132が壊れることに抵抗するフィラメント120の能力に影響する。減圧がかけられる時、空隙132は概ね密閉されているので、空隙132を包囲する組織は、通常は接近し、空隙132が収縮する。幾分かの収縮を許容しつつ、フィラメント体128は、空隙132が完全に壊れてしまうのを防止するのに役立ち、これにより、減圧を組織部位112に分配し続けることができる。フィラメント体128が高密度になると、フィラメント体128は、空隙132が壊れることにさらに抵抗できるようになる。
【0026】
また、フィラメント体128は、組織部位112におけるミクロ歪みを誘発させることにより、組織部位112における組織成長を促進するのを助ける。減圧がかけられると、組織部位112およびフィラメント体128は、互いに密接するように引っぱられ、組織がフィラメント体128のフィラメント120に接触するにつれ、組織部位112の細胞レベルでミクロ歪みが発生する。フィラメント体128のフィラメント120の捩れ、捻れ、および折り曲がりにより、フィラメント体が組織部位112でのミクロ歪みを良好に形成できるようにする角部および縁部が形成されると考えられる。
【0027】
フィラメント体128が、開口性で非皮下の傷である組織部位に隣接して位置すると、被層(図示せず)や減菌布が、フィラメント体128および組織部位上に設けられ、組織部位における被層下の減圧が保たれる。この被層は、組織部位の周辺を超えて延び、組織部位に隣接する組織を被層が確実に覆うように、被層上の接着剤または結合材を含む場合もある。また、ヒドロゲル材料のような密閉層を、被層と組織との間に設け、組織部位における被層の密閉を改善するようにしてもよい。
【0028】
フィラメント体128が図1の組織部位112のような皮下組織部位に位置する場合、空隙132は、空隙132周辺の患者自身の組織により周囲から概ね密閉されるので、組織部位112における減圧を保つために空隙132を密閉する被層を使用する必要はない。しかしながら、患者に注入されたカテーテル142の周囲を密閉することが望まれることがある。このような密閉は、患者の皮膚に注入されたカテーテル142の周囲に減菌布や被層を設けることにより達成される。また、縫合線や接着剤を、カテーテル142周辺を良好に密閉するために、その位置に設けてもよい。
【0029】
図2A〜図2Dを参照すると、減圧治療システム100は、フィラメント120を組織部位112に案内して送るのを補助する追加的な部材を含んでいる。図2Aにおいて、針210は、患者の皮膚214を介して挿入され、組織部位112に隣接する空隙132に案内される。空隙132は、皮膚214の下側の組織内または組織に囲まれて位置し、このため、いくつかの層または数種類の組織を介して針210を案内する必要がある。針210を空隙132に進めることは、超音波、X線、透視ガイド、またはその他の監視または案内技術により監視または案内される。図2Aの針210は、注射器218とともに示されているが、注射器218は任意である。注射器218が針201に取り付けられる場合、針210を通過する管腔に直接的に触れることができるように、注射器218は、挿入後に針210から取り外されるのが好ましい。
【0030】
図2Bを参照すると、ガイドワイヤ222は、針210の管腔を介して空隙132に進む。ある実施例では、ガイドワイヤ222は、可撓性を増すために、コイルにより被覆された一般的なコア形状となっている。また、ガイドワイヤ222は、スタイレットや心棒のような可撓性が劣る形状の場合もある。ガイドワイヤ222は、線保管装置226により、管腔内に挿入されてもよい。針210と同様に、ガイドワイヤを、X線、透視ガイド、またはその他の監視または案内技術により監視または案内してもよい。ガイドワイヤ222の端部を空隙132に送った後、針210は、空隙132から引き抜かれ、ガイドワイヤ222から取り外される。
【0031】
ガイドワイヤ222のスタイレットまたは心棒は、ガイドワイヤ222として十分な強度の材料で選択的に構成され、体の組織に押し入れられる。ある実施例において、針210の管腔の内径およびガイドワイヤ222の直径は、摩擦により発生される不当な圧力を被ることなく、ガイドワイヤ222が針210を通過することのできる大きさとなっている。他の実施例では、ガイドワイヤは、針を用いる必要性のない十分な硬さとなっている。この場合、ガイドワイヤの遠位端部は、鋭利な套管針またはその他のスタイレット端となっている。
【0032】
図2Cを参照すると、拡張器232およびシース236が、ガイドワイヤ222に沿って空隙132へ進むことができる。ともに示してはいるが、拡張器232を、独立して用いることができ、ガイドワイヤ222に沿って組織を拡張または細かくするのを補助し、シース236を挿入することができるようになっているか、または、他の実施例では、カテーテル142が直接挿入されるようになっている。拡張器232の端部240は、好ましくはテーパー状となっており、組織を拡張するのを補助する。図2Cに示す実施例では、シース236は、拡張器232を同軸状で覆うように位置しており、拡張器232と同時に組織部位112へ進む。ある実施例では、シース236の壁厚は、比較的薄く、拡張器232およびシース236が挿入された時に、組織を不必要に拡張または損傷しないようになっている。シース236の壁厚は、ある実施例では0.020インチ以下である。シース236が空隙132に進んだ後、拡張器232は、ガイドワイヤ222に沿って患者から引き抜かれて取り外される。
【0033】
図2Dを特に参照すると、シース236の管腔を介して進ませることにより、カテーテル142は、空隙132に導入されうる。カテーテル142の遠位部141が空隙132に送られた後、シース236が取り外されてもよい。ある実施例では、シース236は、患者から引き抜かれた後、カテーテル142から分離または引き抜き可能な剥離型または引きはがし型シースである。引きはがし型の形状とすることにより、医療専門家は、カテーテル142周辺からシース236を容易に取り外すことができる。他の実施例では、シースは、シースとカテーテルとの間に環状の管腔を形成するために残され、カテーテルを容易に交換および/またはフィラメントを送るカテーテルを引き抜いた後に、真空の送り管腔として作用したりする。
【0034】
カテーテル142を組織部位112に設けた後に、フィラメント送達導管104のようなカテーテル142の管腔を介して、フィラメント120を組織部位112へ送ることができる。種々のシステムおよび方法により、フィラメント120を組織部位112に送ることができる。図3A〜図3Dを参照すると、ある実施例では、減圧治療システム100は、フィラメント供給システム312を含んでいる。フィラメント供給システム312は、第1の管316および第2の管320を含んでいる。第1の管316および第2の管320の両方は、フィラメント120が進む通路を含んでいる。第1の管316は、第2の管320の内径よりもやや狭い外形を有している。管316と管320の相対的な直径により、第1の管316は、第2の管320の通路により伸縮自在に受け入れられる。通路328を有する把持部材324は、第2の管320とともに動作し、図3Aに示す開位置と図3Bに示す閉位置または把持位置との間で移動できるようになっている。開位置において、通路328は、フィラメント120が自由に通路328を通過することができるような寸法となっている。閉位置では、通路328は、把持部材324がフィラメント120を把持し、フィラメント120が通路328を自由に移動できないような寸法となっている。後述するように、管腔の直径は、ねじれた繊維を進ませることに対する摩擦抵抗と、繊維を管腔の軸と整列させ続け、管腔内にわたって繊維が折れ曲がるのを防止する必要性とを釣り合わせるように選択される。
【0035】
動作中には、フィラメント供給システム312は、第1の管316の一端が第2の管320の通路内に設けられるように配列される。フィラメント120は、通路328、第1の管316および第2の管320を介して送られる(図3A参照)。把持部材324は、その後、閉位置へ移動され、フィラメント120を把持する(図3B参照)。第2の管320は、進み距離332だけ第1の管316に沿って進む。第2の管320が進むと、フィラメント120も第1の管316を介して進み距離332だけ進む。好ましくは、第1の管316および第2の管320の内径は十分小さく、フィラメント120は、第1の管316および第2の管320の通路内で挟まれるのが防止されるのに十分な硬さとなっている。図3Cに示すように、第2の管320を第1の管316上に移動させた後、図3Dに示すように、把持部材324は、開位置に戻ることができ、第2の管320は、第1の管316から後退する。第2の管320が後退すると、フィラメント120は、第1の管316に対して静止した状態となる。フィラメント120を進め続けるために、第2の管320、把持部材324およびフィラメント120を図3A〜図3Dに示すように移動させることが繰り返される。
【0036】
ある実施例では、第1の管316は、フィラメント送達導管104内に設けられたカテーテル142、または、フィラメント120を組織部位112に進めるのを補助するカテーテル142から分離された導管である。他の実施例では、第1の管316は、通路を有するカテーテル142、または、フィラメント送達導管104であるカテーテル142である。
【0037】
フィラメント供給システム312は、フィラメント120を組織部位112に送る素早く効率的な手段を提供し、フィラメント120は、医療専門家に都合の良い手段により組織部位112に送られる。ある実施例では、フィラメント120は、フィラメント送達導管104を介して、手で供給されたり、手動で進められたりする。他の実施例では、カテーテル142の遠位端部143にリールが取り付けられ、フィラメント120が組織部位112に素早く配置されたり送られたりする。
【0038】
さらに他の実施例では、カテーテル142は、フィラメント120が組織部位112に配置された後、フィラメント120を切断する手段を含む。このような手段は、カテーテル142とともに設けられる、例えば、刃先や鋭い刃である。
【0039】
図5Aおよび図5Bを参照すると、ある実施例では、フィラメント120は、単一で連続するフィラメントとして組織部位112へ進む。他の実施例では、フィラメント120は、別々にまたは同時に組織部位112へ進む複数の別個のフィラメントを含んでもよい。フィラメント120は、カテーテル142を介して進められる前に予め捻られ、フィラメントを「丸める」または「もつれさせる」ことにより、フィラメント体128を容易に形成できる。捻りは、選択的に、捻り方向の規則的な(繰り返し)パターンや不規則な(可変)パターンを含む。捻りは、選択的に、単一面または多層平面でなされる。フィラメント120が捻られると、図5Aに示すように、カテーテル142の管腔を介して進む。フィラメントに対する管腔の直径は、捻れた繊維を進めることに対する摩擦抵抗と、繊維を管腔の軸に整列させ続け、繊維が管腔内にわたって折り曲げられるのを防止する必要性とを釣り合わせるように選択される。これは、一般的に、管腔の直径がフィラメントと管腔の壁との間の角度を45度以下に保つことにより達成される。捻られていないフィラメントは、管腔の壁と概ね平衡に整列する(実質的に0度の角度)。フィラメント120がカテーテル142から出ると、フィラメント120は緩み、ループ形状、ジグザグ形状、波形状、しわ形状、螺旋形状、またはその他の不規則な形状となり始め、図5Bに示すように位置する。また、フィラメント120の遠位端部がカテーテル142から出ると、組織部位の壁を突き刺すことを防止するように、図5Aに示すような弁髪の先端を形成する。フィラメント120が組織部位112に隣接する空隙132に進み続けると、フィラメント120の捻れおよび曲がりは、丸まったりもつれたりして、図5Bに示すようなフィラメント体128が容易に形成され、空隙132が満たされる。
【0040】
図6を参照すると、患者の皮下組織部位において新規な組織の成長を促進させる方法610は、ステップ614において、選択的に、針を組織部位に送る。ステップ616では、針が送られると、針先が組織部位に到達するまで、針の位置が監視される。ステップ618において、ガイドワイヤが針の管腔を介して組織部位に送られる。ガイドワイヤを挿入する前に、針が用いられない場合、比較的硬い鋭利なガイドワイヤが、組織部位へ直接進む。ガイドワイヤの配置および案内は、針の位置を監視する上述した手段により監視される。ステップ622において、シースおよび拡張器は、ガイドワイヤ上で組織部位へ進む。ステップ626では、拡張器が取り外され、ステップ630において、カテーテルは、シースを介して組織部位へ送られる。カテーテルが組織部位に位置すると、ステップ634において、フィラメントはカテーテルの管腔を介して組織部位へ進み、組織部位においてフィラメント体を形成する。ステップ638において、組織部位のフィラメント体に減圧がかけられる。選択的に、減圧治療に続き、ステップ642に示すように、フィラメントが組織部位から除去されるか、または、ステップ646に示すように、組織部位に残されて生体吸収される。
【0041】
大きな利点を有する本発明が提供されることは、上述から明らかである。本発明をいくつかの形態で示したが、本発明は、それらに限定されずに本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および修正が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧治療システムであって、
患者の皮下の組織部位に位置する遠位端部と患者の体外に位置する近位端部とを有するフィラメント送達導管と、
一端が前記フィラメント送達導管の前記近位端部から延び、他端が前記フィラメント送達導管の前記遠位端部から延び、前記組織部位に隣接するフィラメント体を形成する、前記フィラメント送達導管に位置する連続的なフィラメントと、
減圧源および前記フィラメント体と流体的に連結されるようになっており、前記フィラメント体を介して前記組織部位に減圧を送達する減圧送達導管とを具えている減圧治療システム。
【請求項2】
請求項1の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤを具え、
前記フィラメント送達導管は、カテーテルの管腔であり、
前記カテーテルは、前記ガイドワイヤ上を前記組織部位へ進むようになっている減圧治療システム。
【請求項3】
請求項1の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位へ進むことができるシースおよび拡張器とを具え、
前記フィラメント送達導管は、カテーテルの管腔であり、
前記カテーテルは、前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後に、前記シースを介して前記組織部位へ進むようになっている減圧治療システム。
【請求項4】
請求項3の減圧治療システムが、さらに、
前記ガイドワイヤを位置させる前に、前記組織部位へ進むことができる針を具え、前記ガイドワイヤは、前記針の管腔を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項5】
請求項1の減圧治療システムであって、前記減圧送達導管は、前記フィラメント送達導管である減圧治療システム。
【請求項6】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント送達導管は、カテーテルの第1の管腔であり、前記減圧送達導管は、前記カテーテルの第2の管腔である減圧治療システム。
【請求項7】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント送達導管と前記減圧送達導管とは、別個のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項8】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメントは、単一フィラメントである減圧治療システム。
【請求項9】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメントは、複数の編まれた繊維である減圧治療システム。
【請求項10】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント体は、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項11】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント送達導管の前記近位端部から延びる前記フィラメントの前記一端を引っ張ることにより、前記フィラメントを前記組織部位から除去することができるようになっている減圧治療システム。
【請求項12】
減圧治療システムであって、
皮下の組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するカテーテルと、
フィラメント体を前記組織部位に形成するように、前記カテーテルの管腔を介して前記組織部位に送達可能な生体吸収性フィラメントと、
減圧源および前記フィラメント体と流体的に連結するようになっており、前記フィラメント体を介して減圧を前記組織部位に送達する減圧送達導管とを具えている減圧治療システム。
【請求項13】
請求項12の減圧治療システムであって、前記カテーテルの硬さが、80ショアAおよび65ショアDの範囲である減圧治療システム。
【請求項14】
請求項12の減圧治療システムであって、前記カテーテルは補強され、前記カテーテルの硬さは、30ショアAおよび70ショアAの間である減圧治療システム。
【請求項15】
請求項12の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤを具え、
前記カテーテルは、前記ガイドワイヤ上を前記組織部位に進むようになっている減圧治療システム。
【請求項16】
請求項12の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位へ進みうるシースおよび拡張器とを具え、
前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後で、前記カテーテルは、前記シースを介して前記組織部位へ進むようになっている減圧治療システム。
【請求項17】
請求項16の減圧治療システムが、さらに、
前記ガイドワイヤを位置させる前に、前記組織部位に進みうる針を具え、前記ガイドワイヤは、前記針の管腔を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項18】
請求項12の減圧治療システムであって、前記カテーテルの前記管腔が、前記減圧送達導管として作用するようになっている減圧治療システム。
【請求項19】
請求項12の減圧治療システムであって、前記減圧送達導管が、前記カテーテルの第2の管腔である減圧治療システム。
【請求項20】
請求項12の減圧治療システムであって、前記減圧送達導管が、前記組織部位に位置されうる第2のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項21】
請求項12の減圧治療システムであって、前記フィラメントが、単一フィラメントである減圧治療システム。
【請求項22】
請求項12の減圧治療システムであって、前記フィラメントが、連続的である減圧治療システム。
【請求項23】
請求項12の減圧治療システムであって、減圧治療が終了した後、前記フィラメントが、前記組織部位に残るようになっている減圧治療システム。
【請求項24】
請求項12の減圧治療システムであって、前記フィラメント体が、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項25】
減圧治療システムであって、
フィラメント体に形成され、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントと、
前記フィラメント体と流体的に連結し、前記組織部位に減圧を送達する減圧源とを具える減圧治療システム。
【請求項26】
請求項25の減圧治療システムであって、前記組織部位は、皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するフィラメント送達導管を具える減圧治療システム。
【請求項27】
請求項25の減圧治療システムであって、前記組織部位は、皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位に進みうるシースおよび拡張器と、
前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後で、前記シースを介して前記組織部位へ進みうるカテーテルとを具え、前記カテーテルは、前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送る少なくとも1つの管腔を有する減圧治療システム。
【請求項28】
請求項25の減圧治療システムが、さらに、
前記減圧源と前記組織部位との間を流体的に連結する減圧送達導管を具える減圧治療システム。
【請求項29】
請求項28の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、前記減圧送達導管を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項30】
請求項28の減圧治療システムが、さらに、
前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送るフィラメント送達導管を具え、
前記フィラメント送達導管および前記減圧送達導管が、別個のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項31】
請求項25の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントが、生体吸収性であり、減圧治療が終了した後、前記組織部位に残るようになっている減圧治療システム。
【請求項32】
請求項25の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、減圧治療が終了した後、前記組織部位から取り除かれるようになっている減圧治療システム。
【請求項33】
請求項25の減圧治療システムであって、前記フィラメント体が、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項34】
減圧治療システムであって、
フィラメント体を形成し、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントと、
前記フィラメント体と流体連結し、減圧源に流体的に連結されて、減圧を前記組織部位へ送達するようになっている減圧送達導管とを具える減圧治療システム。
【請求項35】
請求項34の減圧治療システムであって、前記組織部位は皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するフィラメント送達導管を具える減圧治療システム。
【請求項36】
請求項34の減圧治療システムであって、前記組織部位は皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位に進みうるシースおよび拡張器と、
前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後で、前記シースを介して前記組織部位へ進みうるカテーテルとを具え、前記カテーテルは、前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送る少なくとも1つの管腔を有している減圧治療システム。
【請求項37】
請求項34の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、前記減圧送達導管を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項38】
請求項34の減圧治療システムであって、さらに、
前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送るフィラメント送達導管を具え、
前記フィラメント送達導管および前記減圧送達導管は、別個のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項39】
請求項34の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは生体吸収性であり、減圧治療が終了した後、前記組織部位に残るようになっている減圧治療システム。
【請求項40】
請求項34の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、減圧治療の終了後に、前記組織部位から除去されるようになっている減圧治療システム。
【請求項41】
請求項34の減圧治療システムであって、前記フィラメント体は、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項42】
患者の皮下の組織部位における新規な組織成長を促進させる方法であって、
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させるステップと、
前記カテーテルの管腔を介して前記組織部位へフィラメントを進ませて、前記組織部位においてフィラメント体を形成するステップと、
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかけるステップとを含む方法。
【請求項43】
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させる請求項42の方法が、さらに、
ガイドワイヤを前記組織部位へ進ませるステップと、
前記ガイドワイヤ上でシースおよび拡張器を前記組織部位へ進ませるステップと、
前記拡張器を取り外すステップと、
前記シースの管腔を介して前記カテーテルを前記組織部位へ進ませるステップとを含む方法。
【請求項44】
ガイドワイヤを前記組織部位に進ませる請求項43の方法が、さらに、
針を前記組織部位へ送るステップと、
前記針の管腔を介して、前記ガイドワイヤを前記組織部位へ送るステップとを含む方法。
【請求項45】
針を組織部位へ送る請求項44の方法が、さらに、
前記針の先端が前記組織部位へ到達するまで、前記針の位置を監視するステップを含む方法。
【請求項46】
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させる請求項42の方法が、さらに、
ガイドワイヤを前記組織部位へ進ませるステップと、
前記ガイドワイヤ上で前記カテーテルを前記組織部位へ進ませるステップとを含む方法。
【請求項47】
請求項46の方法が、さらに、
前記カテーテルを進ませる前に、前記ガイドワイヤと隣接する組織を拡張するステップを含む方法。
【請求項48】
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかける請求項42の方法が、さらに、前記カテーテルの管腔を介して減圧をかけるステップを含む方法。
【請求項49】
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかける請求項42の方法が、さらに、前記カテーテルの第2の管腔を介して減圧をかけるステップを含む方法。
【請求項50】
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかける請求項42の方法が、さらに、前記カテーテルとは別個の導管を介して減圧をかけるステップを含む方法。
【請求項51】
請求項42の方法であって、前記フィラメントが、連続的である方法。
【請求項52】
請求項42の方法であって、前記フィラメントが、単一フィラメントである方法。
【請求項53】
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位に位置させる請求項42の方法が、さらに、前記遠位端部を前記組織部位と隣接する空隙に位置させるステップを含む方法。
【請求項54】
請求項42の方法であって、前記フィラメントの端部が、前記組織部位に進められる前に予め捻られている方法。
【請求項55】
請求項42の方法であって、前記フィラメントが、生体吸収性である方法。
【請求項56】
請求項42の方法が、さらに、
減圧をかけた後で、前記フィラメントを前記管腔を介して前記組織部位から除去するステップを含む方法。
【請求項57】
請求項42の方法であって、前記カテーテルの硬さは、80ショアAおよび65ショアDの間である方法。
【請求項58】
請求項42の方法であって、前記カテーテルは、補強され、前記カテーテルの硬さは、30ショアAおよび70ショアAの間である方法。
【請求項1】
減圧治療システムであって、
患者の皮下の組織部位に位置する遠位端部と患者の体外に位置する近位端部とを有するフィラメント送達導管と、
一端が前記フィラメント送達導管の前記近位端部から延び、他端が前記フィラメント送達導管の前記遠位端部から延び、前記組織部位に隣接するフィラメント体を形成する、前記フィラメント送達導管に位置する連続的なフィラメントと、
減圧源および前記フィラメント体と流体的に連結されるようになっており、前記フィラメント体を介して前記組織部位に減圧を送達する減圧送達導管とを具えている減圧治療システム。
【請求項2】
請求項1の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤを具え、
前記フィラメント送達導管は、カテーテルの管腔であり、
前記カテーテルは、前記ガイドワイヤ上を前記組織部位へ進むようになっている減圧治療システム。
【請求項3】
請求項1の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位へ進むことができるシースおよび拡張器とを具え、
前記フィラメント送達導管は、カテーテルの管腔であり、
前記カテーテルは、前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後に、前記シースを介して前記組織部位へ進むようになっている減圧治療システム。
【請求項4】
請求項3の減圧治療システムが、さらに、
前記ガイドワイヤを位置させる前に、前記組織部位へ進むことができる針を具え、前記ガイドワイヤは、前記針の管腔を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項5】
請求項1の減圧治療システムであって、前記減圧送達導管は、前記フィラメント送達導管である減圧治療システム。
【請求項6】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント送達導管は、カテーテルの第1の管腔であり、前記減圧送達導管は、前記カテーテルの第2の管腔である減圧治療システム。
【請求項7】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント送達導管と前記減圧送達導管とは、別個のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項8】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメントは、単一フィラメントである減圧治療システム。
【請求項9】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメントは、複数の編まれた繊維である減圧治療システム。
【請求項10】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント体は、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項11】
請求項1の減圧治療システムであって、前記フィラメント送達導管の前記近位端部から延びる前記フィラメントの前記一端を引っ張ることにより、前記フィラメントを前記組織部位から除去することができるようになっている減圧治療システム。
【請求項12】
減圧治療システムであって、
皮下の組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するカテーテルと、
フィラメント体を前記組織部位に形成するように、前記カテーテルの管腔を介して前記組織部位に送達可能な生体吸収性フィラメントと、
減圧源および前記フィラメント体と流体的に連結するようになっており、前記フィラメント体を介して減圧を前記組織部位に送達する減圧送達導管とを具えている減圧治療システム。
【請求項13】
請求項12の減圧治療システムであって、前記カテーテルの硬さが、80ショアAおよび65ショアDの範囲である減圧治療システム。
【請求項14】
請求項12の減圧治療システムであって、前記カテーテルは補強され、前記カテーテルの硬さは、30ショアAおよび70ショアAの間である減圧治療システム。
【請求項15】
請求項12の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤを具え、
前記カテーテルは、前記ガイドワイヤ上を前記組織部位に進むようになっている減圧治療システム。
【請求項16】
請求項12の減圧治療システムが、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位へ進みうるシースおよび拡張器とを具え、
前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後で、前記カテーテルは、前記シースを介して前記組織部位へ進むようになっている減圧治療システム。
【請求項17】
請求項16の減圧治療システムが、さらに、
前記ガイドワイヤを位置させる前に、前記組織部位に進みうる針を具え、前記ガイドワイヤは、前記針の管腔を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項18】
請求項12の減圧治療システムであって、前記カテーテルの前記管腔が、前記減圧送達導管として作用するようになっている減圧治療システム。
【請求項19】
請求項12の減圧治療システムであって、前記減圧送達導管が、前記カテーテルの第2の管腔である減圧治療システム。
【請求項20】
請求項12の減圧治療システムであって、前記減圧送達導管が、前記組織部位に位置されうる第2のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項21】
請求項12の減圧治療システムであって、前記フィラメントが、単一フィラメントである減圧治療システム。
【請求項22】
請求項12の減圧治療システムであって、前記フィラメントが、連続的である減圧治療システム。
【請求項23】
請求項12の減圧治療システムであって、減圧治療が終了した後、前記フィラメントが、前記組織部位に残るようになっている減圧治療システム。
【請求項24】
請求項12の減圧治療システムであって、前記フィラメント体が、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項25】
減圧治療システムであって、
フィラメント体に形成され、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントと、
前記フィラメント体と流体的に連結し、前記組織部位に減圧を送達する減圧源とを具える減圧治療システム。
【請求項26】
請求項25の減圧治療システムであって、前記組織部位は、皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するフィラメント送達導管を具える減圧治療システム。
【請求項27】
請求項25の減圧治療システムであって、前記組織部位は、皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位に進みうるシースおよび拡張器と、
前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後で、前記シースを介して前記組織部位へ進みうるカテーテルとを具え、前記カテーテルは、前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送る少なくとも1つの管腔を有する減圧治療システム。
【請求項28】
請求項25の減圧治療システムが、さらに、
前記減圧源と前記組織部位との間を流体的に連結する減圧送達導管を具える減圧治療システム。
【請求項29】
請求項28の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、前記減圧送達導管を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項30】
請求項28の減圧治療システムが、さらに、
前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送るフィラメント送達導管を具え、
前記フィラメント送達導管および前記減圧送達導管が、別個のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項31】
請求項25の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントが、生体吸収性であり、減圧治療が終了した後、前記組織部位に残るようになっている減圧治療システム。
【請求項32】
請求項25の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、減圧治療が終了した後、前記組織部位から取り除かれるようになっている減圧治療システム。
【請求項33】
請求項25の減圧治療システムであって、前記フィラメント体が、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項34】
減圧治療システムであって、
フィラメント体を形成し、組織部位に位置する連続的な単一フィラメントと、
前記フィラメント体と流体連結し、減圧源に流体的に連結されて、減圧を前記組織部位へ送達するようになっている減圧送達導管とを具える減圧治療システム。
【請求項35】
請求項34の減圧治療システムであって、前記組織部位は皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置するようになっている遠位端部を有するフィラメント送達導管を具える減圧治療システム。
【請求項36】
請求項34の減圧治療システムであって、前記組織部位は皮下にあり、
前記減圧治療システムは、さらに、
前記組織部位に位置しうる端部を有するガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤ上を前記組織部位に進みうるシースおよび拡張器と、
前記ガイドワイヤおよび前記拡張器を取り外した後で、前記シースを介して前記組織部位へ進みうるカテーテルとを具え、前記カテーテルは、前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送る少なくとも1つの管腔を有している減圧治療システム。
【請求項37】
請求項34の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、前記減圧送達導管を介して前記組織部位へ送られるようになっている減圧治療システム。
【請求項38】
請求項34の減圧治療システムであって、さらに、
前記連続的な単一フィラメントを前記組織部位へ送るフィラメント送達導管を具え、
前記フィラメント送達導管および前記減圧送達導管は、別個のカテーテルである減圧治療システム。
【請求項39】
請求項34の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは生体吸収性であり、減圧治療が終了した後、前記組織部位に残るようになっている減圧治療システム。
【請求項40】
請求項34の減圧治療システムであって、前記連続的な単一フィラメントは、減圧治療の終了後に、前記組織部位から除去されるようになっている減圧治療システム。
【請求項41】
請求項34の減圧治療システムであって、前記フィラメント体は、前記組織部位と隣接する空隙に位置している減圧治療システム。
【請求項42】
患者の皮下の組織部位における新規な組織成長を促進させる方法であって、
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させるステップと、
前記カテーテルの管腔を介して前記組織部位へフィラメントを進ませて、前記組織部位においてフィラメント体を形成するステップと、
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかけるステップとを含む方法。
【請求項43】
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させる請求項42の方法が、さらに、
ガイドワイヤを前記組織部位へ進ませるステップと、
前記ガイドワイヤ上でシースおよび拡張器を前記組織部位へ進ませるステップと、
前記拡張器を取り外すステップと、
前記シースの管腔を介して前記カテーテルを前記組織部位へ進ませるステップとを含む方法。
【請求項44】
ガイドワイヤを前記組織部位に進ませる請求項43の方法が、さらに、
針を前記組織部位へ送るステップと、
前記針の管腔を介して、前記ガイドワイヤを前記組織部位へ送るステップとを含む方法。
【請求項45】
針を組織部位へ送る請求項44の方法が、さらに、
前記針の先端が前記組織部位へ到達するまで、前記針の位置を監視するステップを含む方法。
【請求項46】
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位と隣接して位置させる請求項42の方法が、さらに、
ガイドワイヤを前記組織部位へ進ませるステップと、
前記ガイドワイヤ上で前記カテーテルを前記組織部位へ進ませるステップとを含む方法。
【請求項47】
請求項46の方法が、さらに、
前記カテーテルを進ませる前に、前記ガイドワイヤと隣接する組織を拡張するステップを含む方法。
【請求項48】
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかける請求項42の方法が、さらに、前記カテーテルの管腔を介して減圧をかけるステップを含む方法。
【請求項49】
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかける請求項42の方法が、さらに、前記カテーテルの第2の管腔を介して減圧をかけるステップを含む方法。
【請求項50】
前記組織部位において前記フィラメント体に減圧をかける請求項42の方法が、さらに、前記カテーテルとは別個の導管を介して減圧をかけるステップを含む方法。
【請求項51】
請求項42の方法であって、前記フィラメントが、連続的である方法。
【請求項52】
請求項42の方法であって、前記フィラメントが、単一フィラメントである方法。
【請求項53】
カテーテルの遠位端部を前記皮下の組織部位に位置させる請求項42の方法が、さらに、前記遠位端部を前記組織部位と隣接する空隙に位置させるステップを含む方法。
【請求項54】
請求項42の方法であって、前記フィラメントの端部が、前記組織部位に進められる前に予め捻られている方法。
【請求項55】
請求項42の方法であって、前記フィラメントが、生体吸収性である方法。
【請求項56】
請求項42の方法が、さらに、
減圧をかけた後で、前記フィラメントを前記管腔を介して前記組織部位から除去するステップを含む方法。
【請求項57】
請求項42の方法であって、前記カテーテルの硬さは、80ショアAおよび65ショアDの間である方法。
【請求項58】
請求項42の方法であって、前記カテーテルは、補強され、前記カテーテルの硬さは、30ショアAおよび70ショアAの間である方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公表番号】特表2011−520519(P2011−520519A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509651(P2011−509651)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/043778
【国際公開番号】WO2009/140376
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/043778
【国際公開番号】WO2009/140376
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】
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