カメラ制御装置
【課題】ユーザは撮影中の撮影カメラ装置を制御する操作を行うだけで、撮影カメラ装置の周辺に設置された周辺カメラ装置にも同じ制御を行うカメラ制御装置を提供する。
【解決手段】制御データに応じて内蔵カメラの撮影方向を制御し所定の位置で固定された複数のカメラ装置と通信可能に接続されたカメラ制御装置は、カメラ装置それぞれが撮影した動画像データのうち撮影カメラ装置が撮影した動画像データを抽出する映像抽出部と、ユーザから入力されるカメラ制御要求データで、撮影カメラ装置の制御データを補正し、補正後の撮影カメラ装置の制御データを、撮影カメラ装置と、その周辺に配置されている周辺カメラ装置との双方に出力するカメラ制御部を備える。
【解決手段】制御データに応じて内蔵カメラの撮影方向を制御し所定の位置で固定された複数のカメラ装置と通信可能に接続されたカメラ制御装置は、カメラ装置それぞれが撮影した動画像データのうち撮影カメラ装置が撮影した動画像データを抽出する映像抽出部と、ユーザから入力されるカメラ制御要求データで、撮影カメラ装置の制御データを補正し、補正後の撮影カメラ装置の制御データを、撮影カメラ装置と、その周辺に配置されている周辺カメラ装置との双方に出力するカメラ制御部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ制御装置に関し、特に、サーバに備えられ、ネットワークを介して接続された固定カメラの撮影方向を回動自在に制御するカメラ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非特許文献1のように、保育園や幼稚園、託児所などに固設された複数の固定カメラにより撮影された映像を、遠隔地にいるユーザが携帯電話でリアルタイムで見ることができ、さらに、ユーザが携帯電話を操作してパン、チルト、ズームなど固定カメラの制御を行って、見たい場所を見ることができるシステムが実用化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】イルガラージュ株式会社、“ライブキッズ 映像コミュニケーションシステム”、[online]、イルガラージュ株式会社、2009年、[平成21年8月26日検索]、インターネット<URL:http://www.livekids.jp/system/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このシステムでは、1台の携帯電話で1台の固定カメラしか制御できないため、被写体(園児など)が移動して、制御中の第1のカメラ(撮影カメラX)の撮影可能範囲から外れ、隣接する第2のカメラ(周辺カメラY)の撮影可能範囲に入った場合に、ユーザは、第1のカメラから隣接する第2のカメラに映像を切り替える操作を行った後に、その被写体が撮影されるように、次は第2のカメラを制御する操作を行う必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、ユーザは撮影中の撮影カメラを制御する操作を行うだけで、その撮影カメラの周辺に設置された他のカメラにも同じ制御を行うカメラ制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のカメラ制御装置は、制御データに応じて内蔵カメラの撮影方向を制御し所定の位置で固定された複数のカメラ装置と通信可能に接続され、ユーザによって要求データ取得部から入力された要求データに応じて生成した前記制御データを前記カメラ装置に出力するカメラ制御部と、前記カメラ装置それぞれが撮影した動画像データのうち撮影カメラ装置が撮影した動画像データを抽出する映像抽出部とを備えるカメラ制御装置において、前記カメラ制御部が、前記要求データ取得部からカメラ制御要求データを取得した場合に、前記カメラ制御要求データで補正した後の前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置と、その周辺の周辺カメラ装置との双方に出力する構成とした。
【0007】
かかる構成によれば、カメラ制御装置は、複数のカメラ装置のうち、撮影カメラ装置と、その撮影カメラ装置の周辺に配置されている周辺カメラ装置とを制御し、外部からカメラ制御要求データを取得した場合に、撮影カメラ装置と同じ制御データで、周辺カメラ装置を制御するため、撮影カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向と、周辺カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向とを同じにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向と、周辺カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向とを同じにすることができるため、ユーザが、撮影カメラ装置から周辺カメラ装置に映像を切り替える操作を行っても、映像切り替え後もほぼ同じアングルで撮影した映像を提供することができ、ほとんど周辺カメラ装置に制御を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るカメラ制御装置を含む遠隔撮影システムを示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図4】第1の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図5】第1の実施形態に係るカメラ制御装置が備える周辺カメラ情報記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るカメラ制御装置が備える制御データ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係るカメラ制御装置の全体処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ選択要求データ処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ制御要求データ処理を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ切替要求データ処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係るカメラ制御装置のブロック図である。
【図12】第2の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図13】第2の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図14】第2の実施形態に係るカメラ制御装置の全体処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係るカメラ制御装置の擬似視点データ処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ制御要求データ処理を示すフローチャートである。
【図17】複数の通信端末装置に接続され、2台の撮影カメラXが隣接し、周辺カメラが重複した場合の固定カメラの配置図である。
【図18】複数の通信端末装置に接続され、あるユーザが制御する撮影カメラXの周辺カメラに設定されている固定カメラを、別のユーザが制御する撮影カメラXとする場合の固定カメラの配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、本発明のカメラ制御装置を保育園(幼稚園、託児所など)に設置されたサーバに適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[遠隔撮影システムの構成]
図1は、遠隔撮影システムを示す図である。この図1に示すように、遠隔撮影システム100は、保育園内に設置されたサーバ(カメラ制御装置1)と、前記カメラ制御装置1と有線/無線LAN(Local Area Network)などのネットワークLを介して接続して、保育園内の任意の場所に固設され、園児などの被写体Sを撮影して動画像データを生成する複数の固定カメラ2(撮影装置)と、前記カメラ制御装置1とWAN(Wide Area Network)や有線/無線LAN、電話回線などのネットワークNを介して接続して、カメラ制御装置1から配信される動画像データをユーザUが認識可能に提供(再生)する通信端末装置3とを備えるシステムである。
【0012】
[固定カメラ2]
固定カメラ2(2a,2b,2c,・・・)は、保育園内の任意の場所に固設され、LANなどのネットワーク回線Lを介してカメラ制御装置1に接続され、カメラ制御装置1からの制御データに応じて、カメラレンズの向きを左右上下に自由に回動したり、ズームイン/ズームアウトなどの一般的なビデオカメラが有する機能を備え、被写体Sを撮影して動画像データを生成するカメラである。
当該実施環境では、図3に示すように固定カメラ2(2a,2b,・・・,2t)が設置されているとし、固定カメラ2は、天井に設置されていてもよいし、部屋を区切るパーティションの上部などに設置されていてもよい。
【0013】
[通信端末装置3]
通信端末装置3は、例えば、携帯電話やスマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)などの装置である。
例えば、通信端末装置3は、(通信端末装置3が有する)プログラムとハードウェアとを組み合わせた処理により、固定カメラ2を選択し、その固定カメラ2を制御するためのカメラ制御要求データの送信や、受信した動画像データを再生させることができる。
【0014】
(通信端末装置3の動作)
通信端末装置3は、次に示すように、ユーザUにより操作されて、それに応じた動作を行う。
(1)遠隔撮影システムを利用するために、ユーザUにより操作された通信端末装置3は、固定カメラ2(2a,2b,・・・,2t)を選択可能な選択肢を画面に表示する。
(2)通信端末装置3は、ユーザUにより固定カメラ2のうちの一台が選択される(以下、選択された固定カメラ2を“選択カメラ20”という)。
(3)通信端末装置3は、選択カメラ20の識別情報(カメラID)を含んだカメラ選択要求データを生成して、そのカメラ選択要求データをカメラ制御装置1に送信する(要求データ:カメラ選択要求データ)。
(4)通信端末装置3は、カメラ制御装置1から、選択カメラ20が撮影した動画像データを受信し、その動画像データをユーザUが視聴可能な形式に変換して画面に表示する。
(5)ユーザUにより、選択カメラ20のカメラレンズ(内蔵カメラの撮影方向)を上下左右に回動させたり、ズームイン/ズームアウトなどを行わせるための指示が入力される。
このとき入力される指示は、パン角度、チルト角度、ズーム倍率などであり、これらの値は、選択カメラ20の現在の状態(パン角度、チルト角度、ズーム倍率)に対して相対的な値であってもよく、絶対的な値であってもよい。
ここでは、相対的なパン角度、相対的なチルト角度、相対的なズーム倍率が入力されるものとする。
(6)通信端末装置3は、入力された指示(パン角度、チルト角度、ズーム倍率など)を含んだカメラ制御要求データを生成して、そのカメラ制御要求データをカメラ制御装置1に送信する(要求データ:カメラ制御要求データ)。
(7)通信端末装置3は、カメラ制御装置1から配信される選択カメラ20が撮影する動画像データを受信し、その動画像データをユーザUが視聴可能な形式に変換して画面に表示する。
(8)ユーザUにより、カメラ(選択カメラ20)の切り替え指示が入力される。
(9)通信端末装置3は、カメラ切替要求データを生成して、カメラ制御装置1に送信する(要求データ:カメラ切替要求データ)。
(10)通信端末装置3は、カメラ制御装置1から配信される動画像データを受信し、その動画像データをユーザUが視聴可能な形式に変換して画面に表示する。
以上の(1)〜(10)で示す処理により、通信端末装置3は、ユーザUが見たい被写体Sを映す固定カメラ2(選択カメラ20)を選択することができ、さらに、指示を組み合わせて入力することで、移動する被写体Sを追いかけるような指示をすることもできる。
【0015】
[カメラ制御装置1]
カメラ制御装置1は、ネットワークNを介して通信端末装置3と接続し、その通信端末装置3とデータの送受信を行う端末通信部(不図示)と、ネットワークLを介して固定カメラ2と接続し、その固定カメラ2とデータの送受信を行うカメラ通信部(不図示)とを備え、通信端末装置3から要求データ(カメラ選択要求データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)を取得し、カメラ選択要求データに含まれる選択カメラ20のカメラIDから、撮影を行うべきカメラ(撮影カメラX)を決定し、カメラ制御要求データに基づくカメラの制御データを撮影カメラXに出力する。また、カメラ切替要求データに応じて、撮影カメラXを別のカメラに切り替える。そして、固定カメラ2それぞれから映像データを取得し、そのうちの撮影カメラXの映像データを通信端末装置3に出力する装置である。
図2に示すように、カメラ制御装置1は、要求データ取得部11と、カメラ選択制御部12(カメラ制御部10)と、周辺カメラ情報記憶部13と、制御データ記憶部14と、制御データ出力部15と、制御データ供給部16(カメラ制御部10)と、映像入力部17と、映像抽出部18とを備える。以下、端末通信部とカメラ通信部との記載は省略する。
【0016】
なお、カメラ制御装置1は、図示を省略したCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)などを備えた一般的なコンピュータで構成することができる。
【0017】
[要求データ取得部11]
要求データ取得部11は、通信端末装置3から要求データ(カメラ選択要求データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)を取得し、要求データにより出力先を変えて出力する取得部である。
要求データが“カメラ選択要求データ”であれば、要求データ取得部11は、そのカメラ選択要求データをカメラ選択制御部12に出力する。
また、要求データが“カメラ制御要求データ”であれば、要求データ取得部11は、そのカメラ制御要求データをカメラ選択制御部12および制御データ供給部16に出力する。
一方、要求データが“カメラ切替要求データ”であれば、要求データ取得部11は、そのカメラ切替要求データをカメラ選択制御部12に出力する。
【0018】
[周辺カメラ情報記憶部13]
周辺カメラ情報記憶部13は、固定カメラ2それぞれを識別するカメラIDと、その固定カメラ2の設置位置座標と、その固定カメラ2の周辺カメラとして予め設定された周辺カメラIDとを記憶し、図5に示すようにデータ化されて一元管理されている記憶部である。
ここで、周辺カメラとは、カメラx(固定カメラ2)に隣接して設置され、当該カメラxの撮影可能範囲の境界の一部およびその範囲外を撮影可能なカメラy(固定カメラ2)を示す。
図3に示す固定カメラ2間の破線は、破線で接続したカメラ同士が周辺カメラとして関連付けられていることを示し、例えば、固定カメラ2k(カメラx)は、周辺カメラとして8台の固定カメラ2f,2g,2h,2j,2l,2n,2o,2p(カメラy)と関連付けられている。
【0019】
[カメラ選択制御部12]
カメラ選択制御部12(カメラ制御部10)は、要求データ取得部11からの要求データ(カメラ選択要求データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)に基づき、撮影を行うべきカメラ(撮影カメラX)を決定し、その撮影カメラXのカメラIDと、その撮影カメラXに関連付けられた周辺カメラYのカメラIDとを、後記する制御データ供給部16に出力することと、当該撮影カメラXのカメラIDを後記する映像抽出部18に出力することを行う制御部である。
【0020】
<カメラ選択要求データを取得:撮影カメラXおよび周辺カメラYの設定>
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ選択要求データを取得した場合に、カメラ選択要求データに含まれる選択カメラ20の識別情報(カメラID)を抽出し、この選択カメラ20を撮影カメラXに設定する。そして、カメラ選択制御部12は、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する。
例えば、図4において、カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11から固定カメラ2kが選択されたカメラ選択要求データ(選択カメラ20=固定カメラ2k)を取得した場合、固定カメラ2kを撮影カメラX(固定カメラ2k=撮影カメラX)に設定し、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、その撮影カメラXと関連付けられた8台の固定カメラ2(2f,2g,2h,2j,2l,2n,2o,2p)を周辺カメラYに設定する。
【0021】
ここで、カメラ選択制御部12は撮影カメラID記憶部(不図示)を有しており、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXに該当する固定カメラ2が変わることにより、撮影カメラXのカメラIDが設定または変更される都度、そのカメラIDを撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶する。
【0022】
<カメラ制御要求データを取得:撮影カメラXおよび周辺カメラYの制御>
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得した場合に、撮影カメラID記憶部(不図示)から撮影カメラXのカメラIDを取得し、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データと、周辺カメラYのカメラIDを含む周辺カメラ指示データとを生成し、撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力し、周辺カメラ指示データを制御データ供給部16に出力する。
【0023】
<カメラ切替要求データを取得:撮影カメラXの切替>
また、カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ切替要求データを取得した場合に、撮影カメラID記憶部(不図示)に保持している撮影カメラXのカメラIDに対応する制御データ(パン角度)を制御データ記憶部14から取得する。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXのパン角度と、周辺カメラ情報記憶部13に記憶された設置位置座標とから、撮影カメラXの設置位置からパン角度方向に設置された周辺カメラIDを、周辺カメラ情報記憶部13から抽出し、その周辺カメラIDに該当する周辺カメラYxを新たな撮影カメラXに設定する。そして、カメラ選択制御部12は、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、新たな撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する。
以上の処理により、撮影カメラXの切り替えが行われ、当初撮影カメラXに設定されていた固定カメラ2から、別の固定カメラ2が撮影カメラXに設定される。
【0024】
<撮影カメラ指示データ、周辺カメラ指示データの出力>
カメラ選択制御部12は、撮影カメラXおよび周辺カメラYを設定する都度、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データと、設定した周辺カメラYのカメラIDを含む周辺カメラ指示データとを生成する。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力し、周辺カメラ指示データを制御データ供給部16に出力する。
【0025】
[制御データ記憶部14]
制御データ記憶部14は、固定カメラ2それぞれの状態を示す制御データが記憶された記憶部であり、特に、図6に示すように、カメラレンズの向きを示すカメラ角度制御データとして、水平方向の左右回転角度を示すパン角度と、垂直方向の上下回転角度を示すチルト角度とが記憶される。他にも、ズームイン/ズームアウトによる被写体Sの拡大縮小率を示すズーム倍率が記憶される。ここで、図6に示す制御データ記憶部14において、パン角度は、基準点(0°)から右に回転した角度を正で示し、左に回転した角度を負で示している。また、チルト角度は、基準点(0°)から上に回転した角度を正で示し、下に回転した角度を負で示している。
この制御データは、後記する制御データ供給部16により書き換えられる。
【0026】
[制御データ出力部15]
制御データ出力部15は、後記する制御データ供給部16からカメラIDと制御データとを取得し、カメラIDに該当する固定カメラ2に制御データを出力する出力部である。
【0027】
[制御データ供給部16]
制御データ供給部16(カメラ制御部10)は、カメラ選択制御部12から指示データ(撮影カメラ指示データ、周辺カメラ指示データ)を取得し、指示データに応じた処理を行って得られた制御データを制御データ記憶部14に記憶させ、制御データ出力部15に出力する供給部である。
【0028】
まず、制御データ供給部16は、カメラ選択制御部12から出力されて取得した撮影カメラ指示データに含まれる撮影カメラXのカメラIDを抽出し、そのカメラIDに対応する制御データを制御データ記憶部14から取得する。
【0029】
制御データ供給部16は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得できるか否かを判定する。この判定において、要求データ取得部11からカメラ制御要求データが出力されていれば、制御データ供給部16は当該カメラ制御要求データを取得できる。
カメラ制御要求データを取得できた場合、制御データ供給部16は、そのカメラ制御要求データで制御データを補正し(制御データ±カメラ制御要求データ)、撮影カメラXの新たな制御データ(撮影カメラ制御データ)を算出する。
一方、カメラ制御要求データを取得できなかった場合、制御データ供給部16は、制御データ記憶部14から取得した制御データを、撮影カメラ制御データとする。
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラ制御データを撮影カメラXのカメラIDと対応付けて制御データ記憶部14に記憶させる。
【0030】
次に、制御データ供給部16は、カメラ選択制御部12から出力されて取得した周辺カメラ指示データに含まれるすべての周辺カメラYのカメラIDを抽出し、前記撮影カメラ制御データをそれぞれ周辺カメラYのカメラIDと対応付けて、制御データ記憶部14に記憶させる。当該処理は、周辺カメラ指示データに含まれるすべての周辺カメラYに対して行う。
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとから抽出したカメラIDと撮影カメラ制御データとを制御データ出力部15に出力する。
【0031】
以上に示す制御データ供給部16が行う処理により、図6に示すように、撮影カメラX(固定カメラ2k)と、すべての周辺カメラY(固定カメラ2f,2g,2h,2j,2l,2n,2o,2p)とで、カメラの向き(撮影方向)を示すパン角度およびチルト角度が一致するカメラ角度制御データが、制御データ記憶部14に記憶される。
【0032】
[映像入力部17]
映像入力部17は、固定カメラ2それぞれから出力される映像データを取得する構成部である。ここで、映像入力部17は、取得した映像データを一旦記憶する記憶部を備えてもよい。
【0033】
[映像抽出部18]
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12から出力される撮影カメラ指示データから撮影カメラXのカメラIDを抽出し、そのカメラIDに該当する固定カメラ2から出力された映像データを、映像入力部17(17a,・・・,17n)から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する構成部である。
【0034】
<カメラ制御装置1の動作>
次に、図7ないし図10のフローチャートを参照して、カメラ制御装置1の動作について説明する(適宜、図1ないし図6を参照)。
図7に示すように、ユーザUにより操作された通信端末装置3からの入力データによって(ステップS1)、カメラ選択要求データ処理(ステップS100)、カメラ制御要求データ処理(ステップS120)、カメラ切替要求データ処理(ステップS140)の選択を行う。
【0035】
<カメラ選択要求データ処理:ステップS100>
図8に、ステップS100(図7)のカメラ選択要求データ処理を示す。
まず、カメラ制御装置1は、ユーザUにより操作された通信端末装置3から選択カメラ20の識別情報(カメラID)を含んだカメラ選択要求データを受信する(ステップS101)。
要求データ取得部11は、受信したカメラ選択要求データを、カメラ選択制御部12に出力する(ステップS102)。
【0036】
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ選択要求データを取得して、カメラ選択要求データに含まれる選択カメラ20の識別情報(カメラID)を抽出し、この選択カメラ20を撮影カメラXに設定する(ステップS103)。そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラID記憶部(不図示)に撮影カメラXのカメラIDを記憶する。
次に、カメラ選択制御部12は、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データを生成し、映像抽出部18に出力する(ステップS104)。
【0037】
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12から撮影カメラ指示データを取得して、撮影カメラXのカメラIDを抽出する(ステップS105)。そして、映像抽出部18は、そのカメラIDに該当する固定カメラ2(選択カメラ20)から出力された映像データを、映像入力部17から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する(ステップS106)。これにより、通信端末装置3の画面に表示された動画像をユーザUは視聴することができる。
【0038】
<カメラ制御要求データ処理:ステップS120>
図9に、ステップS120(図7)のカメラ制御要求データ処理を示す。
まず、カメラ制御装置1は、ユーザUにより操作された通信端末装置3からカメラ制御要求データを受信する(ステップS121)。
要求データ取得部11は、受信したカメラ制御要求データを、カメラ選択制御部12と制御データ供給部16とに出力する(ステップS122)。
【0039】
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得して、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する(ステップS123)。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラ指示データと、周辺カメラ指示データとを生成し、撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力し、周辺カメラ指示データを制御データ供給部16に出力する(ステップS124)。
【0040】
制御データ供給部16は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得し、さらに、カメラ選択制御部12から撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとを取得する(ステップS125)。
次に、制御データ供給部16は、撮影カメラ指示データから撮影カメラXのカメラIDを抽出し、撮影カメラXのカメラIDを利用して、制御データ記憶部14に記憶された撮影カメラXの制御データを取得する(ステップS126)。
【0041】
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラXの制御データをカメラ制御要求データで補正し(制御データ±カメラ制御要求データ)、撮影カメラXの新たな制御データ(撮影カメラ制御データ)を算出する(ステップS127)。
次に、制御データ供給部16は、周辺カメラ指示データに含まれるすべての周辺カメラYのカメラIDを抽出し、それぞれのカメラIDと対応付けて、前記撮影カメラ制御データを周辺カメラYの新たな制御データとして制御データ記憶部14に記憶させる(ステップS128)。
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとから抽出したすべてのカメラIDと、撮影カメラ制御データとを制御データ出力部15に出力する(ステップS129)。これにより、撮影カメラ制御データは、制御データ出力部15により、撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとから抽出したすべてのカメラIDに対応する固定カメラ2に送信される。
【0042】
撮影カメラ制御データを受信した固定カメラ2は、撮影カメラ制御データに基づき、内蔵カメラの制御を行い、撮影を行う。生成した映像データを映像入力部17に送信する。
【0043】
映像入力部17は、固定カメラ2ごとの映像データを受信する(ステップS130)。
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12から取得した撮影カメラ指示データから、撮影カメラXのカメラIDを抽出する(ステップS131)。そして、映像抽出部18は、その撮影カメラXのカメラIDに該当する固定カメラ2から出力された映像データを、映像入力部17から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する(ステップS132)。これにより、通信端末装置3の画面に表示された動画像をユーザUは視聴することができる。
【0044】
<カメラ切替要求データ処理:ステップS140>
図10に、ステップS140(図7)のカメラ切替要求データ処理を示す。
カメラ制御装置1は、ユーザUにより操作された通信端末装置3から、カメラ切替要求データを受信する(ステップS141)。
要求データ取得部11は、受信したカメラ切替要求データを、カメラ選択制御部12に出力する(ステップS142)。
【0045】
カメラ選択制御部12は、撮影カメラXのカメラIDを利用して、制御データ記憶部14に記憶された撮影カメラXの制御データを取得する(ステップS143)。ここで、撮影カメラXのカメラIDは、撮影カメラID記憶部(不図示)から取得することができる。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXの制御データから“パン角度”を抽出する(ステップS144)。
カメラ選択制御部12は、撮影カメラXの“パン角度”と、周辺カメラ情報記憶部13に記憶された設置位置座標とから、撮影カメラXの設置位置座標からパン角度方向に設置された周辺カメラIDを抽出する(ステップS145)。
【0046】
次に、カメラ選択制御部12は、その周辺カメラIDに該当する周辺カメラYを新たな撮影カメラX(切替後撮影カメラX2)に設定し(ステップS146)、撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶させる。
そして、カメラ選択制御部12は、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、切替後撮影カメラX2と関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラY(切替後周辺カメラY2)に設定する(ステップS147)。
以上の処理により、撮影カメラXの切り替えが行われ、当初撮影カメラXに設定されていた固定カメラ2から、別の固定カメラ2が撮影カメラXに設定される。
【0047】
そして、カメラ選択制御部12は、ステップS124(図9)に示す処理を行う。その後、ステップS133(図9)に示す処理により、切替後撮影カメラX2から出力された映像データが通信端末装置3に出力される。これにより、通信端末装置3の画面に表示された動画像をユーザUは視聴することができる。
【0048】
以上の動作によって、第1の実施形態のカメラ制御装置1は、制御データ記憶部14に、撮影カメラXの制御データで、周辺カメラYの制御データを記憶させる(ステップS128,図9)。これにより、周辺カメラYに該当する固定カメラ2は、撮影カメラXと同じ制御データで内蔵カメラを制御するため、撮影カメラXの内蔵カメラの撮影方向と、周辺カメラYの内蔵カメラの撮影方向とを同じにすることができる。
【0049】
また、カメラ切替要求データを取得した第1の実施形態のカメラ制御装置1は、ステップS145〜ステップS147(図10)の処理により、撮影カメラXのパン角度(撮影方向)に配置されている周辺カメラYを、新たな撮影カメラXとする変更を行うため、内蔵カメラの撮影方向が同じ向きのカメラ間でカメラの切り替えを行うことができる。
よって、映像切り替え後もほぼ同じアングルで撮影した映像を提供することができるため、ユーザはほとんど映像切り替え後のカメラ装置(新たな撮影カメラX)に制御を行う必要がない。
【0050】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。第1の実施形態と同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0051】
[通信端末装置3A]
(通信端末装置3Aの動作)
通信端末装置3Aは、次に示すように、ユーザUにより操作されて、それに応じた動作を行う。なお、(4)以降の処理は、第1の実施形態における通信端末装置3と同じであるため、説明を省略する。
(1)遠隔撮影システムを利用するために、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aは、仮想視点座標および仮想視点方向を入力可能な画面を表示する。
(2)通信端末装置3Aは、ユーザUにより仮想的な人間がある場所(仮想視点座標)に立ち、ある方向(仮想視点方向)を見ている(図12および図13のP)という情報が入力される。ここで入力される情報は、通信端末装置3Aに表示させた予め決まった場所および方向を、ユーザUに入力させても構わない。
(3)通信端末装置3Aは、入力された仮想視点座標を含む擬似視点データと、入力された仮想視点方向を含むカメラ制御要求データとを生成して、カメラ制御装置1に送信する(要求データ:擬似視点データ、カメラ制御要求データ)。
ここで、通信端末装置3Aは、ズームイン/ズームアウトを行わせる操作(仮想的な人間を前後に移動させる操作)から得られるズーム倍率と、カメラレンズを上下左右に回動させる操作から得られるパン角度とチルト角度とを含むカメラ制御要求データを生成する。
【0052】
図11に示すように、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、第1の実施形態のカメラ制御装置1の構成に、一部の処理が要求データ取得部11と異なる要求データ取得部11Aと、一部の処理がカメラ選択制御部12と異なるカメラ選択制御部12Aとを備え、さらに、移動先予測部110と、仮想位置記憶部120と、入力移動情報記憶部130とを備える。
【0053】
[要求データ取得部11A]
要求データ取得部11Aは、通信端末装置3Aから要求データ(擬似視点データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)を取得し、その要求データが“擬似視点データ”であれば、そのカメラ選択要求データをカメラ選択制御部12Aに出力する。
なお、擬似視点データが入力されること以外は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0054】
[カメラ選択制御部12A]
カメラ選択制御部12A(カメラ制御部10A)は、要求データ取得部11からの要求データ(擬似視点データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)に基づき、擬似視点データから仮想的な人間を配置し、その位置や方向から撮影を行うべき撮影カメラXを決定し、カメラ制御要求データから仮想的な人間の移動先を予測し、その移動先予測位置に最も近くに設置されたカメラを周辺カメラYと設定する制御部である。
【0055】
<擬似視点データを取得:撮影カメラXの設定>
カメラ選択制御部12A(カメラ制御部10A)は、要求データ取得部11Aから擬似視点データを取得した場合に、擬似視点データに含まれる仮想視点座標を抽出し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記仮想視点座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを撮影カメラXに設定し、撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶させる。また、カメラ選択制御部12Aは、仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる。
次に、カメラ選択制御部12Aは、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データを生成し、その撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力する。
【0056】
<カメラ制御要求データを取得:周辺カメラYの設定>
カメラ選択制御部12Aは、要求データ取得部11Aから入力されるカメラ制御要求データからズーム倍率とパン角度とチルト角度とを取得し、そのズーム倍率に応じた移動距離を算出し、撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度とを対応付けて入力移動情報記憶部130に記憶させる。
さらに、カメラ選択制御部12Aは、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得し、仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、新たな仮想視点座標を算出し、新たな仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる。
そして、カメラ選択制御部12Aは、後記する移動先予測部110から移動先予測位置(予測位置座標)を取得し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記予測位置座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを周辺カメラYに設定する。
【0057】
例えば、図12において、要求データ取得部11Aから擬似視点データ(図12のP)を取得したカメラ選択制御部12Aは、撮影カメラXに固定カメラ2kを設定し、撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶させる。そして、カメラ選択制御部12Aは、移動先予測部110から取得した予測位置座標を取得し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記予測位置座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDの固定カメラ2jを周辺カメラYに設定する。
【0058】
[移動先予測部110]
移動先予測部110は、入力移動情報記憶部130の記憶データが更新されたことを受け、入力移動情報記憶部130から撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度のデータを所定の数だけ取得する。
そして、移動先予測部110は、最近更新された(最新の)撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、それ以前に更新された撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、が一致するか否かを判定する。ここで、本実施形態の移動先予測部110は、最近更新されたデータと、その直前で更新されたデータとで判定を行うこととするが、入力移動情報記憶部130から取得した所定数のデータのそれぞれと、最近更新されたデータとで判定を行ってもよい。また、パン角度のみで判定を行うのではなく、移動距離のみや、移動距離とパン角度とチルト角度とのすべてが一致するか否かの判定を行ってもよく、移動距離とパン角度とチルト角度とから2つ以上組み合わせたデータが一致するか否かの判定を行ってもよい。
判定結果が一致した場合、移動先予測部110は、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得する。そして、入力移動情報記憶部130から取得した最近更新された撮影カメラXのカメラIDと移動距離とパン角度とチルト角度とで、前記仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、移動先予測位置(予測位置座標)をカメラ選択制御部12Aに出力する。
一方、判定結果が一致しなかった場合は、移動先予測部110は何も処理しない。
【0059】
[仮想位置記憶部120]
仮想位置記憶部120は、カメラ選択制御部12Aから入力される仮想視点座標を記憶する記憶部である。
【0060】
[入力移動情報記憶部130]
入力移動情報記憶部130は、カメラ選択制御部12Aから入力される、撮影カメラXのカメラIDと、移動距離と、パン角度と、チルト角度とを対応付けて記憶する記憶部である。
【0061】
<カメラ制御装置1Aの動作>
次に、図14ないし図16のフローチャートを参照して、カメラ制御装置1Aの動作について説明する(適宜、図1ないし図13を参照)。
図14に示すように、カメラ制御装置1Aは、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aからの入力データによって(ステップS2)、擬似視点データ処理(ステップS200)、カメラ制御要求データ処理(ステップS220)、カメラ切替要求データ処理(ステップS140)を行う。
ここで、カメラ制御装置1Aが行うカメラ切替要求データ処理は、第1の実施形態のカメラ制御装置が行う処理と同じであるため、記載を省略する。
また、各処理において、第1の実施形態のカメラ制御装置で行われる処理と同じ処理についても、記載を省略する。
【0062】
<擬似視点データ処理:ステップS200>
図15に、ステップS200(図14)の擬似視点データ処理を示す。
カメラ制御装置1Aは、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aから、擬似視点データを受信する(ステップS201)。
要求データ取得部11Aは、受信した擬似視点データを、カメラ選択制御部12Aに出力する(ステップS202)。
【0063】
カメラ選択制御部12Aは、要求データ取得部11Aから擬似視点データを取得して、擬似視点データに含まれる仮想視点座標を抽出する(ステップS203)。さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記仮想視点座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを撮影カメラXに設定する(ステップS204)。ここで、カメラ選択制御部12Aは、撮影カメラID記憶部(不図示)に撮影カメラXのカメラIDを記憶する。
そして、カメラ選択制御部12Aは、仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる(ステップS205)。
次に、カメラ選択制御部12Aは、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データを生成し、映像抽出部18に出力する(ステップS206)。
【0064】
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12Aから撮影カメラ指示データを取得して、撮影カメラXのカメラIDを抽出する(ステップS207)。そして、映像抽出部18は、そのカメラIDに該当する固定カメラ2から出力された映像データを、映像入力部17から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する(ステップS208)。
【0065】
<カメラ制御要求データ処理:ステップS220>
図16に、ステップS220(図14)のカメラ制御要求データ処理を示す。
カメラ制御装置1Aは、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aから、カメラ制御要求データを受信する(ステップS221)。
要求データ取得部11Aは、受信したカメラ制御要求データを、カメラ選択制御部12Aと制御データ供給部16とに出力する(ステップS222)。
【0066】
カメラ選択制御部12Aは、要求データ取得部11Aからカメラ制御要求データを取得して、カメラ制御要求データからズーム倍率とパン角度とチルト角度とを抽出し(ステップS223)、そのズーム倍率に応じた移動距離を算出する(ステップS224)。そして、カメラ選択制御部12Aは、撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度とを対応付けて入力移動情報記憶部130に記憶させる(ステップS225)。
【0067】
さらに、カメラ選択制御部12Aは、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得し(ステップS226)、仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、新たな仮想視点座標を算出し(ステップS227)、新たな仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる(ステップS228)。
【0068】
移動先予測部110は、入力移動情報記憶部130の記憶データが更新されたことを受け、入力移動情報記憶部130から撮影カメラXのカメラIDとパン角度と(撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度)のデータを所定の数だけ取得する(ステップS229)。
そして、移動先予測部110は、最近更新された(最新の)撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、それ以前に更新された撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、が一致するか否かを判定する(ステップS230)。ここで、本実施形態の移動先予測部110は、最近更新されたデータ(最新のデータ)と、その直前で更新されたデータとで比較を行うこととする。
【0069】
判定結果が一致しなかった場合(ステップS230,No)、移動先予測部110は処理を終了する。そして、カメラ選択制御部12Aにより、第1の実施形態におけるステップS123(図9)に示される処理が行われる。
【0070】
一方、判定結果が一致した場合(ステップS230,Yes)、移動先予測部110は、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得する(ステップS231)。そして、入力移動情報記憶部130から取得した最新のデータ(最新の撮影カメラXのカメラIDと移動距離とパン角度とチルト角度)で、前記仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、移動先予測位置(予測位置座標)を算出し(ステップS232)、カメラ選択制御部12Aに出力する(ステップS233)。
【0071】
カメラ選択制御部12Aは、移動先予測部110から予測位置座標を取得し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記予測位置座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを周辺カメラYに設定する(ステップS234)。
【0072】
そして、カメラ選択制御部12AはステップS124(図9)に示す処理を行い、そして、ステップS133に示す処理において、撮影カメラXから出力された映像データが通信端末装置3に出力される。
【0073】
以上の動作によって、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、通信端末装置3Aから所定の回数以上(本実施形態の説明では2回以上)の同じカメラ制御要求データが入力されることにより(ステップS230にてYes)、1台のカメラだけを周辺カメラYに設定することができる。そのため、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、第1の実施形態のカメラ制御装置1と異なり、複数のカメラ装置を周辺カメラYに設定して制御することがないため、データ処理などカメラ制御装置1Aにかかる負担が軽減される。
【0074】
<複数台の通信端末装置3(3A)と接続する場合>
第1の実施形態および第2の実施形態の説明において、カメラ制御装置1(1A)と接続する通信端末装置3(3A)は1台として説明したが、カメラ制御装置1(1A)は、複数台の通信端末装置3(3A)と接続する構成であっても構わない。
複数台の通信端末装置3(3A)と接続する場合、カメラ制御装置1(1A)は、通信端末装置3(3A)からの要求データを、送信先を識別する情報(IPアドレスなど)で区別して処理を行う。
また、カメラ制御装置1(1A)は、複数のユーザUと接続され、異なるユーザUにより制御される2台の固定カメラ(撮影カメラX)が隣接するとき、周辺カメラYを設定する際にどちらのユーザUが先に本システムを利用したかを示す情報などでユーザUの優先順位を決め、周辺カメラYを、優先順位の高いユーザUが制御する撮影カメラXの周辺カメラとして設定する。
【0075】
例えば、図17に示すように、ユーザU1が撮影カメラXとして固定カメラ2oを制御し、ユーザU2が撮影カメラXとして固定カメラ2fを制御する場合、固定カメラ2fと固定カメラ2oとで重複する周辺カメラの固定カメラ2fと固定カメラ2kは、優先順位の高いユーザU1が制御する固定カメラ2oの周辺カメラYとして設定される。
ここで、カメラ制御装置1(カメラ選択制御部12)が、撮影カメラID記憶部(不図示)から撮影カメラXとなっている固定カメラ2のカメラIDを取得し、その撮影カメラXの周辺カメラIDを周辺カメラ情報記憶部13から取得することで、重複する周辺カメラYがわかる。
【0076】
また、優先順位の高いユーザU1が制御する撮影カメラX1の周辺カメラ(固定カメラα)を、別の優先順位の低いユーザU2が撮影カメラX2とするカメラ切り替え操作を行った場合、優先順位に関係なく、カメラ選択制御部12により固定カメラαは撮影カメラX2に設定される。
例えば、図17に示すように、優先順位の高いユーザU1が固定カメラ2oを撮影カメラX1とし、優先順位の低いユーザU2が固定カメラ2fを撮影カメラX2としており、固定カメラ2jは、撮影カメラX1の周辺カメラ(固定カメラα)として処理されている。ここで、図18に示すように、優先順位の低いユーザU2が、撮影カメラX2を固定カメラ2j(固定カメラα)に切り替える操作を行った場合、そのカメラ切替要求データを取得したカメラ制御装置1(1A)は、固定カメラ2fの制御データで固定カメラ2jの制御データを書き換える(制御データ記憶部14に記憶させる)ことで、撮影カメラX2を固定カメラ2jに切り替える処理が行われる。
【0077】
以上のように、カメラ選択制御部12(12A)が、ユーザUに対して優先順位を割り当て、その優先順位によりカメラの制御権を決める処理を有することで、カメラ制御装置1(1A)は、複数のユーザUと接続した状態でも実現することができる。
【0078】
また、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、周辺カメラ情報記憶部13にさらに、固定カメラ2それぞれの設置位置座標を基準点とした、固定カメラ2の撮影領域を記憶させてもよい。そして、カメラ選択制御部12Aは、移動先予測部110から移動先予測位置(予測位置座標)を取得した後に、さらに、周辺カメラ情報記憶部13に記憶されたすべての固定カメラ2の撮影領域と、予測位置座標とを比較する。そして、予測位置座標が撮影領域内となる固定カメラ2のカメラIDを抽出し、周辺カメラYに設定するとしてもよい。
これは、例えば、周辺カメラ情報記憶部13に、固定カメラ2の設置位置座標を中心とした円を撮影領域とした円の半径を記憶させることで、カメラ選択制御部12Aは、予測位置座標が、固定カメラ2の設置位置座標を中心とした撮影領域内か否かの比較を、予測位置座標から固定カメラ2の設置位置座標までの距離と、円の半径長とを比較することで、実現することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 カメラ制御装置
2(2a,2b,・・・,2n) 固定カメラ
3 通信端末装置
10 カメラ制御部
11 要求データ取得部
12 カメラ選択制御部
13 周辺カメラ情報記憶部
14 制御データ記憶部
15 制御データ出力部
16 制御データ供給部
17 映像入力部
18 映像抽出部
L ネットワーク
N ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ制御装置に関し、特に、サーバに備えられ、ネットワークを介して接続された固定カメラの撮影方向を回動自在に制御するカメラ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非特許文献1のように、保育園や幼稚園、託児所などに固設された複数の固定カメラにより撮影された映像を、遠隔地にいるユーザが携帯電話でリアルタイムで見ることができ、さらに、ユーザが携帯電話を操作してパン、チルト、ズームなど固定カメラの制御を行って、見たい場所を見ることができるシステムが実用化されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】イルガラージュ株式会社、“ライブキッズ 映像コミュニケーションシステム”、[online]、イルガラージュ株式会社、2009年、[平成21年8月26日検索]、インターネット<URL:http://www.livekids.jp/system/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このシステムでは、1台の携帯電話で1台の固定カメラしか制御できないため、被写体(園児など)が移動して、制御中の第1のカメラ(撮影カメラX)の撮影可能範囲から外れ、隣接する第2のカメラ(周辺カメラY)の撮影可能範囲に入った場合に、ユーザは、第1のカメラから隣接する第2のカメラに映像を切り替える操作を行った後に、その被写体が撮影されるように、次は第2のカメラを制御する操作を行う必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、ユーザは撮影中の撮影カメラを制御する操作を行うだけで、その撮影カメラの周辺に設置された他のカメラにも同じ制御を行うカメラ制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のカメラ制御装置は、制御データに応じて内蔵カメラの撮影方向を制御し所定の位置で固定された複数のカメラ装置と通信可能に接続され、ユーザによって要求データ取得部から入力された要求データに応じて生成した前記制御データを前記カメラ装置に出力するカメラ制御部と、前記カメラ装置それぞれが撮影した動画像データのうち撮影カメラ装置が撮影した動画像データを抽出する映像抽出部とを備えるカメラ制御装置において、前記カメラ制御部が、前記要求データ取得部からカメラ制御要求データを取得した場合に、前記カメラ制御要求データで補正した後の前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置と、その周辺の周辺カメラ装置との双方に出力する構成とした。
【0007】
かかる構成によれば、カメラ制御装置は、複数のカメラ装置のうち、撮影カメラ装置と、その撮影カメラ装置の周辺に配置されている周辺カメラ装置とを制御し、外部からカメラ制御要求データを取得した場合に、撮影カメラ装置と同じ制御データで、周辺カメラ装置を制御するため、撮影カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向と、周辺カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向とを同じにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向と、周辺カメラ装置の内蔵カメラの撮影方向とを同じにすることができるため、ユーザが、撮影カメラ装置から周辺カメラ装置に映像を切り替える操作を行っても、映像切り替え後もほぼ同じアングルで撮影した映像を提供することができ、ほとんど周辺カメラ装置に制御を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るカメラ制御装置を含む遠隔撮影システムを示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図4】第1の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図5】第1の実施形態に係るカメラ制御装置が備える周辺カメラ情報記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るカメラ制御装置が備える制御データ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係るカメラ制御装置の全体処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ選択要求データ処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ制御要求データ処理を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ切替要求データ処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係るカメラ制御装置のブロック図である。
【図12】第2の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図13】第2の実施形態に係る遠隔撮影システムにおける固定カメラの配置図である。
【図14】第2の実施形態に係るカメラ制御装置の全体処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係るカメラ制御装置の擬似視点データ処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態に係るカメラ制御装置のカメラ制御要求データ処理を示すフローチャートである。
【図17】複数の通信端末装置に接続され、2台の撮影カメラXが隣接し、周辺カメラが重複した場合の固定カメラの配置図である。
【図18】複数の通信端末装置に接続され、あるユーザが制御する撮影カメラXの周辺カメラに設定されている固定カメラを、別のユーザが制御する撮影カメラXとする場合の固定カメラの配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、本発明のカメラ制御装置を保育園(幼稚園、託児所など)に設置されたサーバに適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[遠隔撮影システムの構成]
図1は、遠隔撮影システムを示す図である。この図1に示すように、遠隔撮影システム100は、保育園内に設置されたサーバ(カメラ制御装置1)と、前記カメラ制御装置1と有線/無線LAN(Local Area Network)などのネットワークLを介して接続して、保育園内の任意の場所に固設され、園児などの被写体Sを撮影して動画像データを生成する複数の固定カメラ2(撮影装置)と、前記カメラ制御装置1とWAN(Wide Area Network)や有線/無線LAN、電話回線などのネットワークNを介して接続して、カメラ制御装置1から配信される動画像データをユーザUが認識可能に提供(再生)する通信端末装置3とを備えるシステムである。
【0012】
[固定カメラ2]
固定カメラ2(2a,2b,2c,・・・)は、保育園内の任意の場所に固設され、LANなどのネットワーク回線Lを介してカメラ制御装置1に接続され、カメラ制御装置1からの制御データに応じて、カメラレンズの向きを左右上下に自由に回動したり、ズームイン/ズームアウトなどの一般的なビデオカメラが有する機能を備え、被写体Sを撮影して動画像データを生成するカメラである。
当該実施環境では、図3に示すように固定カメラ2(2a,2b,・・・,2t)が設置されているとし、固定カメラ2は、天井に設置されていてもよいし、部屋を区切るパーティションの上部などに設置されていてもよい。
【0013】
[通信端末装置3]
通信端末装置3は、例えば、携帯電話やスマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)などの装置である。
例えば、通信端末装置3は、(通信端末装置3が有する)プログラムとハードウェアとを組み合わせた処理により、固定カメラ2を選択し、その固定カメラ2を制御するためのカメラ制御要求データの送信や、受信した動画像データを再生させることができる。
【0014】
(通信端末装置3の動作)
通信端末装置3は、次に示すように、ユーザUにより操作されて、それに応じた動作を行う。
(1)遠隔撮影システムを利用するために、ユーザUにより操作された通信端末装置3は、固定カメラ2(2a,2b,・・・,2t)を選択可能な選択肢を画面に表示する。
(2)通信端末装置3は、ユーザUにより固定カメラ2のうちの一台が選択される(以下、選択された固定カメラ2を“選択カメラ20”という)。
(3)通信端末装置3は、選択カメラ20の識別情報(カメラID)を含んだカメラ選択要求データを生成して、そのカメラ選択要求データをカメラ制御装置1に送信する(要求データ:カメラ選択要求データ)。
(4)通信端末装置3は、カメラ制御装置1から、選択カメラ20が撮影した動画像データを受信し、その動画像データをユーザUが視聴可能な形式に変換して画面に表示する。
(5)ユーザUにより、選択カメラ20のカメラレンズ(内蔵カメラの撮影方向)を上下左右に回動させたり、ズームイン/ズームアウトなどを行わせるための指示が入力される。
このとき入力される指示は、パン角度、チルト角度、ズーム倍率などであり、これらの値は、選択カメラ20の現在の状態(パン角度、チルト角度、ズーム倍率)に対して相対的な値であってもよく、絶対的な値であってもよい。
ここでは、相対的なパン角度、相対的なチルト角度、相対的なズーム倍率が入力されるものとする。
(6)通信端末装置3は、入力された指示(パン角度、チルト角度、ズーム倍率など)を含んだカメラ制御要求データを生成して、そのカメラ制御要求データをカメラ制御装置1に送信する(要求データ:カメラ制御要求データ)。
(7)通信端末装置3は、カメラ制御装置1から配信される選択カメラ20が撮影する動画像データを受信し、その動画像データをユーザUが視聴可能な形式に変換して画面に表示する。
(8)ユーザUにより、カメラ(選択カメラ20)の切り替え指示が入力される。
(9)通信端末装置3は、カメラ切替要求データを生成して、カメラ制御装置1に送信する(要求データ:カメラ切替要求データ)。
(10)通信端末装置3は、カメラ制御装置1から配信される動画像データを受信し、その動画像データをユーザUが視聴可能な形式に変換して画面に表示する。
以上の(1)〜(10)で示す処理により、通信端末装置3は、ユーザUが見たい被写体Sを映す固定カメラ2(選択カメラ20)を選択することができ、さらに、指示を組み合わせて入力することで、移動する被写体Sを追いかけるような指示をすることもできる。
【0015】
[カメラ制御装置1]
カメラ制御装置1は、ネットワークNを介して通信端末装置3と接続し、その通信端末装置3とデータの送受信を行う端末通信部(不図示)と、ネットワークLを介して固定カメラ2と接続し、その固定カメラ2とデータの送受信を行うカメラ通信部(不図示)とを備え、通信端末装置3から要求データ(カメラ選択要求データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)を取得し、カメラ選択要求データに含まれる選択カメラ20のカメラIDから、撮影を行うべきカメラ(撮影カメラX)を決定し、カメラ制御要求データに基づくカメラの制御データを撮影カメラXに出力する。また、カメラ切替要求データに応じて、撮影カメラXを別のカメラに切り替える。そして、固定カメラ2それぞれから映像データを取得し、そのうちの撮影カメラXの映像データを通信端末装置3に出力する装置である。
図2に示すように、カメラ制御装置1は、要求データ取得部11と、カメラ選択制御部12(カメラ制御部10)と、周辺カメラ情報記憶部13と、制御データ記憶部14と、制御データ出力部15と、制御データ供給部16(カメラ制御部10)と、映像入力部17と、映像抽出部18とを備える。以下、端末通信部とカメラ通信部との記載は省略する。
【0016】
なお、カメラ制御装置1は、図示を省略したCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)などを備えた一般的なコンピュータで構成することができる。
【0017】
[要求データ取得部11]
要求データ取得部11は、通信端末装置3から要求データ(カメラ選択要求データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)を取得し、要求データにより出力先を変えて出力する取得部である。
要求データが“カメラ選択要求データ”であれば、要求データ取得部11は、そのカメラ選択要求データをカメラ選択制御部12に出力する。
また、要求データが“カメラ制御要求データ”であれば、要求データ取得部11は、そのカメラ制御要求データをカメラ選択制御部12および制御データ供給部16に出力する。
一方、要求データが“カメラ切替要求データ”であれば、要求データ取得部11は、そのカメラ切替要求データをカメラ選択制御部12に出力する。
【0018】
[周辺カメラ情報記憶部13]
周辺カメラ情報記憶部13は、固定カメラ2それぞれを識別するカメラIDと、その固定カメラ2の設置位置座標と、その固定カメラ2の周辺カメラとして予め設定された周辺カメラIDとを記憶し、図5に示すようにデータ化されて一元管理されている記憶部である。
ここで、周辺カメラとは、カメラx(固定カメラ2)に隣接して設置され、当該カメラxの撮影可能範囲の境界の一部およびその範囲外を撮影可能なカメラy(固定カメラ2)を示す。
図3に示す固定カメラ2間の破線は、破線で接続したカメラ同士が周辺カメラとして関連付けられていることを示し、例えば、固定カメラ2k(カメラx)は、周辺カメラとして8台の固定カメラ2f,2g,2h,2j,2l,2n,2o,2p(カメラy)と関連付けられている。
【0019】
[カメラ選択制御部12]
カメラ選択制御部12(カメラ制御部10)は、要求データ取得部11からの要求データ(カメラ選択要求データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)に基づき、撮影を行うべきカメラ(撮影カメラX)を決定し、その撮影カメラXのカメラIDと、その撮影カメラXに関連付けられた周辺カメラYのカメラIDとを、後記する制御データ供給部16に出力することと、当該撮影カメラXのカメラIDを後記する映像抽出部18に出力することを行う制御部である。
【0020】
<カメラ選択要求データを取得:撮影カメラXおよび周辺カメラYの設定>
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ選択要求データを取得した場合に、カメラ選択要求データに含まれる選択カメラ20の識別情報(カメラID)を抽出し、この選択カメラ20を撮影カメラXに設定する。そして、カメラ選択制御部12は、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する。
例えば、図4において、カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11から固定カメラ2kが選択されたカメラ選択要求データ(選択カメラ20=固定カメラ2k)を取得した場合、固定カメラ2kを撮影カメラX(固定カメラ2k=撮影カメラX)に設定し、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、その撮影カメラXと関連付けられた8台の固定カメラ2(2f,2g,2h,2j,2l,2n,2o,2p)を周辺カメラYに設定する。
【0021】
ここで、カメラ選択制御部12は撮影カメラID記憶部(不図示)を有しており、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXに該当する固定カメラ2が変わることにより、撮影カメラXのカメラIDが設定または変更される都度、そのカメラIDを撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶する。
【0022】
<カメラ制御要求データを取得:撮影カメラXおよび周辺カメラYの制御>
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得した場合に、撮影カメラID記憶部(不図示)から撮影カメラXのカメラIDを取得し、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データと、周辺カメラYのカメラIDを含む周辺カメラ指示データとを生成し、撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力し、周辺カメラ指示データを制御データ供給部16に出力する。
【0023】
<カメラ切替要求データを取得:撮影カメラXの切替>
また、カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ切替要求データを取得した場合に、撮影カメラID記憶部(不図示)に保持している撮影カメラXのカメラIDに対応する制御データ(パン角度)を制御データ記憶部14から取得する。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXのパン角度と、周辺カメラ情報記憶部13に記憶された設置位置座標とから、撮影カメラXの設置位置からパン角度方向に設置された周辺カメラIDを、周辺カメラ情報記憶部13から抽出し、その周辺カメラIDに該当する周辺カメラYxを新たな撮影カメラXに設定する。そして、カメラ選択制御部12は、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、新たな撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する。
以上の処理により、撮影カメラXの切り替えが行われ、当初撮影カメラXに設定されていた固定カメラ2から、別の固定カメラ2が撮影カメラXに設定される。
【0024】
<撮影カメラ指示データ、周辺カメラ指示データの出力>
カメラ選択制御部12は、撮影カメラXおよび周辺カメラYを設定する都度、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データと、設定した周辺カメラYのカメラIDを含む周辺カメラ指示データとを生成する。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力し、周辺カメラ指示データを制御データ供給部16に出力する。
【0025】
[制御データ記憶部14]
制御データ記憶部14は、固定カメラ2それぞれの状態を示す制御データが記憶された記憶部であり、特に、図6に示すように、カメラレンズの向きを示すカメラ角度制御データとして、水平方向の左右回転角度を示すパン角度と、垂直方向の上下回転角度を示すチルト角度とが記憶される。他にも、ズームイン/ズームアウトによる被写体Sの拡大縮小率を示すズーム倍率が記憶される。ここで、図6に示す制御データ記憶部14において、パン角度は、基準点(0°)から右に回転した角度を正で示し、左に回転した角度を負で示している。また、チルト角度は、基準点(0°)から上に回転した角度を正で示し、下に回転した角度を負で示している。
この制御データは、後記する制御データ供給部16により書き換えられる。
【0026】
[制御データ出力部15]
制御データ出力部15は、後記する制御データ供給部16からカメラIDと制御データとを取得し、カメラIDに該当する固定カメラ2に制御データを出力する出力部である。
【0027】
[制御データ供給部16]
制御データ供給部16(カメラ制御部10)は、カメラ選択制御部12から指示データ(撮影カメラ指示データ、周辺カメラ指示データ)を取得し、指示データに応じた処理を行って得られた制御データを制御データ記憶部14に記憶させ、制御データ出力部15に出力する供給部である。
【0028】
まず、制御データ供給部16は、カメラ選択制御部12から出力されて取得した撮影カメラ指示データに含まれる撮影カメラXのカメラIDを抽出し、そのカメラIDに対応する制御データを制御データ記憶部14から取得する。
【0029】
制御データ供給部16は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得できるか否かを判定する。この判定において、要求データ取得部11からカメラ制御要求データが出力されていれば、制御データ供給部16は当該カメラ制御要求データを取得できる。
カメラ制御要求データを取得できた場合、制御データ供給部16は、そのカメラ制御要求データで制御データを補正し(制御データ±カメラ制御要求データ)、撮影カメラXの新たな制御データ(撮影カメラ制御データ)を算出する。
一方、カメラ制御要求データを取得できなかった場合、制御データ供給部16は、制御データ記憶部14から取得した制御データを、撮影カメラ制御データとする。
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラ制御データを撮影カメラXのカメラIDと対応付けて制御データ記憶部14に記憶させる。
【0030】
次に、制御データ供給部16は、カメラ選択制御部12から出力されて取得した周辺カメラ指示データに含まれるすべての周辺カメラYのカメラIDを抽出し、前記撮影カメラ制御データをそれぞれ周辺カメラYのカメラIDと対応付けて、制御データ記憶部14に記憶させる。当該処理は、周辺カメラ指示データに含まれるすべての周辺カメラYに対して行う。
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとから抽出したカメラIDと撮影カメラ制御データとを制御データ出力部15に出力する。
【0031】
以上に示す制御データ供給部16が行う処理により、図6に示すように、撮影カメラX(固定カメラ2k)と、すべての周辺カメラY(固定カメラ2f,2g,2h,2j,2l,2n,2o,2p)とで、カメラの向き(撮影方向)を示すパン角度およびチルト角度が一致するカメラ角度制御データが、制御データ記憶部14に記憶される。
【0032】
[映像入力部17]
映像入力部17は、固定カメラ2それぞれから出力される映像データを取得する構成部である。ここで、映像入力部17は、取得した映像データを一旦記憶する記憶部を備えてもよい。
【0033】
[映像抽出部18]
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12から出力される撮影カメラ指示データから撮影カメラXのカメラIDを抽出し、そのカメラIDに該当する固定カメラ2から出力された映像データを、映像入力部17(17a,・・・,17n)から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する構成部である。
【0034】
<カメラ制御装置1の動作>
次に、図7ないし図10のフローチャートを参照して、カメラ制御装置1の動作について説明する(適宜、図1ないし図6を参照)。
図7に示すように、ユーザUにより操作された通信端末装置3からの入力データによって(ステップS1)、カメラ選択要求データ処理(ステップS100)、カメラ制御要求データ処理(ステップS120)、カメラ切替要求データ処理(ステップS140)の選択を行う。
【0035】
<カメラ選択要求データ処理:ステップS100>
図8に、ステップS100(図7)のカメラ選択要求データ処理を示す。
まず、カメラ制御装置1は、ユーザUにより操作された通信端末装置3から選択カメラ20の識別情報(カメラID)を含んだカメラ選択要求データを受信する(ステップS101)。
要求データ取得部11は、受信したカメラ選択要求データを、カメラ選択制御部12に出力する(ステップS102)。
【0036】
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ選択要求データを取得して、カメラ選択要求データに含まれる選択カメラ20の識別情報(カメラID)を抽出し、この選択カメラ20を撮影カメラXに設定する(ステップS103)。そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラID記憶部(不図示)に撮影カメラXのカメラIDを記憶する。
次に、カメラ選択制御部12は、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データを生成し、映像抽出部18に出力する(ステップS104)。
【0037】
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12から撮影カメラ指示データを取得して、撮影カメラXのカメラIDを抽出する(ステップS105)。そして、映像抽出部18は、そのカメラIDに該当する固定カメラ2(選択カメラ20)から出力された映像データを、映像入力部17から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する(ステップS106)。これにより、通信端末装置3の画面に表示された動画像をユーザUは視聴することができる。
【0038】
<カメラ制御要求データ処理:ステップS120>
図9に、ステップS120(図7)のカメラ制御要求データ処理を示す。
まず、カメラ制御装置1は、ユーザUにより操作された通信端末装置3からカメラ制御要求データを受信する(ステップS121)。
要求データ取得部11は、受信したカメラ制御要求データを、カメラ選択制御部12と制御データ供給部16とに出力する(ステップS122)。
【0039】
カメラ選択制御部12は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得して、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、撮影カメラXと関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラYに設定する(ステップS123)。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラ指示データと、周辺カメラ指示データとを生成し、撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力し、周辺カメラ指示データを制御データ供給部16に出力する(ステップS124)。
【0040】
制御データ供給部16は、要求データ取得部11からカメラ制御要求データを取得し、さらに、カメラ選択制御部12から撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとを取得する(ステップS125)。
次に、制御データ供給部16は、撮影カメラ指示データから撮影カメラXのカメラIDを抽出し、撮影カメラXのカメラIDを利用して、制御データ記憶部14に記憶された撮影カメラXの制御データを取得する(ステップS126)。
【0041】
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラXの制御データをカメラ制御要求データで補正し(制御データ±カメラ制御要求データ)、撮影カメラXの新たな制御データ(撮影カメラ制御データ)を算出する(ステップS127)。
次に、制御データ供給部16は、周辺カメラ指示データに含まれるすべての周辺カメラYのカメラIDを抽出し、それぞれのカメラIDと対応付けて、前記撮影カメラ制御データを周辺カメラYの新たな制御データとして制御データ記憶部14に記憶させる(ステップS128)。
そして、制御データ供給部16は、撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとから抽出したすべてのカメラIDと、撮影カメラ制御データとを制御データ出力部15に出力する(ステップS129)。これにより、撮影カメラ制御データは、制御データ出力部15により、撮影カメラ指示データと周辺カメラ指示データとから抽出したすべてのカメラIDに対応する固定カメラ2に送信される。
【0042】
撮影カメラ制御データを受信した固定カメラ2は、撮影カメラ制御データに基づき、内蔵カメラの制御を行い、撮影を行う。生成した映像データを映像入力部17に送信する。
【0043】
映像入力部17は、固定カメラ2ごとの映像データを受信する(ステップS130)。
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12から取得した撮影カメラ指示データから、撮影カメラXのカメラIDを抽出する(ステップS131)。そして、映像抽出部18は、その撮影カメラXのカメラIDに該当する固定カメラ2から出力された映像データを、映像入力部17から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する(ステップS132)。これにより、通信端末装置3の画面に表示された動画像をユーザUは視聴することができる。
【0044】
<カメラ切替要求データ処理:ステップS140>
図10に、ステップS140(図7)のカメラ切替要求データ処理を示す。
カメラ制御装置1は、ユーザUにより操作された通信端末装置3から、カメラ切替要求データを受信する(ステップS141)。
要求データ取得部11は、受信したカメラ切替要求データを、カメラ選択制御部12に出力する(ステップS142)。
【0045】
カメラ選択制御部12は、撮影カメラXのカメラIDを利用して、制御データ記憶部14に記憶された撮影カメラXの制御データを取得する(ステップS143)。ここで、撮影カメラXのカメラIDは、撮影カメラID記憶部(不図示)から取得することができる。
そして、カメラ選択制御部12は、撮影カメラXの制御データから“パン角度”を抽出する(ステップS144)。
カメラ選択制御部12は、撮影カメラXの“パン角度”と、周辺カメラ情報記憶部13に記憶された設置位置座標とから、撮影カメラXの設置位置座標からパン角度方向に設置された周辺カメラIDを抽出する(ステップS145)。
【0046】
次に、カメラ選択制御部12は、その周辺カメラIDに該当する周辺カメラYを新たな撮影カメラX(切替後撮影カメラX2)に設定し(ステップS146)、撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶させる。
そして、カメラ選択制御部12は、周辺カメラ情報記憶部13の記憶データを用いて、切替後撮影カメラX2と関連付けられた固定カメラ2を周辺カメラY(切替後周辺カメラY2)に設定する(ステップS147)。
以上の処理により、撮影カメラXの切り替えが行われ、当初撮影カメラXに設定されていた固定カメラ2から、別の固定カメラ2が撮影カメラXに設定される。
【0047】
そして、カメラ選択制御部12は、ステップS124(図9)に示す処理を行う。その後、ステップS133(図9)に示す処理により、切替後撮影カメラX2から出力された映像データが通信端末装置3に出力される。これにより、通信端末装置3の画面に表示された動画像をユーザUは視聴することができる。
【0048】
以上の動作によって、第1の実施形態のカメラ制御装置1は、制御データ記憶部14に、撮影カメラXの制御データで、周辺カメラYの制御データを記憶させる(ステップS128,図9)。これにより、周辺カメラYに該当する固定カメラ2は、撮影カメラXと同じ制御データで内蔵カメラを制御するため、撮影カメラXの内蔵カメラの撮影方向と、周辺カメラYの内蔵カメラの撮影方向とを同じにすることができる。
【0049】
また、カメラ切替要求データを取得した第1の実施形態のカメラ制御装置1は、ステップS145〜ステップS147(図10)の処理により、撮影カメラXのパン角度(撮影方向)に配置されている周辺カメラYを、新たな撮影カメラXとする変更を行うため、内蔵カメラの撮影方向が同じ向きのカメラ間でカメラの切り替えを行うことができる。
よって、映像切り替え後もほぼ同じアングルで撮影した映像を提供することができるため、ユーザはほとんど映像切り替え後のカメラ装置(新たな撮影カメラX)に制御を行う必要がない。
【0050】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。第1の実施形態と同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0051】
[通信端末装置3A]
(通信端末装置3Aの動作)
通信端末装置3Aは、次に示すように、ユーザUにより操作されて、それに応じた動作を行う。なお、(4)以降の処理は、第1の実施形態における通信端末装置3と同じであるため、説明を省略する。
(1)遠隔撮影システムを利用するために、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aは、仮想視点座標および仮想視点方向を入力可能な画面を表示する。
(2)通信端末装置3Aは、ユーザUにより仮想的な人間がある場所(仮想視点座標)に立ち、ある方向(仮想視点方向)を見ている(図12および図13のP)という情報が入力される。ここで入力される情報は、通信端末装置3Aに表示させた予め決まった場所および方向を、ユーザUに入力させても構わない。
(3)通信端末装置3Aは、入力された仮想視点座標を含む擬似視点データと、入力された仮想視点方向を含むカメラ制御要求データとを生成して、カメラ制御装置1に送信する(要求データ:擬似視点データ、カメラ制御要求データ)。
ここで、通信端末装置3Aは、ズームイン/ズームアウトを行わせる操作(仮想的な人間を前後に移動させる操作)から得られるズーム倍率と、カメラレンズを上下左右に回動させる操作から得られるパン角度とチルト角度とを含むカメラ制御要求データを生成する。
【0052】
図11に示すように、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、第1の実施形態のカメラ制御装置1の構成に、一部の処理が要求データ取得部11と異なる要求データ取得部11Aと、一部の処理がカメラ選択制御部12と異なるカメラ選択制御部12Aとを備え、さらに、移動先予測部110と、仮想位置記憶部120と、入力移動情報記憶部130とを備える。
【0053】
[要求データ取得部11A]
要求データ取得部11Aは、通信端末装置3Aから要求データ(擬似視点データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)を取得し、その要求データが“擬似視点データ”であれば、そのカメラ選択要求データをカメラ選択制御部12Aに出力する。
なお、擬似視点データが入力されること以外は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0054】
[カメラ選択制御部12A]
カメラ選択制御部12A(カメラ制御部10A)は、要求データ取得部11からの要求データ(擬似視点データやカメラ制御要求データ、カメラ切替要求データ)に基づき、擬似視点データから仮想的な人間を配置し、その位置や方向から撮影を行うべき撮影カメラXを決定し、カメラ制御要求データから仮想的な人間の移動先を予測し、その移動先予測位置に最も近くに設置されたカメラを周辺カメラYと設定する制御部である。
【0055】
<擬似視点データを取得:撮影カメラXの設定>
カメラ選択制御部12A(カメラ制御部10A)は、要求データ取得部11Aから擬似視点データを取得した場合に、擬似視点データに含まれる仮想視点座標を抽出し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記仮想視点座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを撮影カメラXに設定し、撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶させる。また、カメラ選択制御部12Aは、仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる。
次に、カメラ選択制御部12Aは、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データを生成し、その撮影カメラ指示データを制御データ供給部16と映像抽出部18とに出力する。
【0056】
<カメラ制御要求データを取得:周辺カメラYの設定>
カメラ選択制御部12Aは、要求データ取得部11Aから入力されるカメラ制御要求データからズーム倍率とパン角度とチルト角度とを取得し、そのズーム倍率に応じた移動距離を算出し、撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度とを対応付けて入力移動情報記憶部130に記憶させる。
さらに、カメラ選択制御部12Aは、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得し、仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、新たな仮想視点座標を算出し、新たな仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる。
そして、カメラ選択制御部12Aは、後記する移動先予測部110から移動先予測位置(予測位置座標)を取得し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記予測位置座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを周辺カメラYに設定する。
【0057】
例えば、図12において、要求データ取得部11Aから擬似視点データ(図12のP)を取得したカメラ選択制御部12Aは、撮影カメラXに固定カメラ2kを設定し、撮影カメラID記憶部(不図示)に記憶させる。そして、カメラ選択制御部12Aは、移動先予測部110から取得した予測位置座標を取得し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記予測位置座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDの固定カメラ2jを周辺カメラYに設定する。
【0058】
[移動先予測部110]
移動先予測部110は、入力移動情報記憶部130の記憶データが更新されたことを受け、入力移動情報記憶部130から撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度のデータを所定の数だけ取得する。
そして、移動先予測部110は、最近更新された(最新の)撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、それ以前に更新された撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、が一致するか否かを判定する。ここで、本実施形態の移動先予測部110は、最近更新されたデータと、その直前で更新されたデータとで判定を行うこととするが、入力移動情報記憶部130から取得した所定数のデータのそれぞれと、最近更新されたデータとで判定を行ってもよい。また、パン角度のみで判定を行うのではなく、移動距離のみや、移動距離とパン角度とチルト角度とのすべてが一致するか否かの判定を行ってもよく、移動距離とパン角度とチルト角度とから2つ以上組み合わせたデータが一致するか否かの判定を行ってもよい。
判定結果が一致した場合、移動先予測部110は、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得する。そして、入力移動情報記憶部130から取得した最近更新された撮影カメラXのカメラIDと移動距離とパン角度とチルト角度とで、前記仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、移動先予測位置(予測位置座標)をカメラ選択制御部12Aに出力する。
一方、判定結果が一致しなかった場合は、移動先予測部110は何も処理しない。
【0059】
[仮想位置記憶部120]
仮想位置記憶部120は、カメラ選択制御部12Aから入力される仮想視点座標を記憶する記憶部である。
【0060】
[入力移動情報記憶部130]
入力移動情報記憶部130は、カメラ選択制御部12Aから入力される、撮影カメラXのカメラIDと、移動距離と、パン角度と、チルト角度とを対応付けて記憶する記憶部である。
【0061】
<カメラ制御装置1Aの動作>
次に、図14ないし図16のフローチャートを参照して、カメラ制御装置1Aの動作について説明する(適宜、図1ないし図13を参照)。
図14に示すように、カメラ制御装置1Aは、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aからの入力データによって(ステップS2)、擬似視点データ処理(ステップS200)、カメラ制御要求データ処理(ステップS220)、カメラ切替要求データ処理(ステップS140)を行う。
ここで、カメラ制御装置1Aが行うカメラ切替要求データ処理は、第1の実施形態のカメラ制御装置が行う処理と同じであるため、記載を省略する。
また、各処理において、第1の実施形態のカメラ制御装置で行われる処理と同じ処理についても、記載を省略する。
【0062】
<擬似視点データ処理:ステップS200>
図15に、ステップS200(図14)の擬似視点データ処理を示す。
カメラ制御装置1Aは、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aから、擬似視点データを受信する(ステップS201)。
要求データ取得部11Aは、受信した擬似視点データを、カメラ選択制御部12Aに出力する(ステップS202)。
【0063】
カメラ選択制御部12Aは、要求データ取得部11Aから擬似視点データを取得して、擬似視点データに含まれる仮想視点座標を抽出する(ステップS203)。さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記仮想視点座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを撮影カメラXに設定する(ステップS204)。ここで、カメラ選択制御部12Aは、撮影カメラID記憶部(不図示)に撮影カメラXのカメラIDを記憶する。
そして、カメラ選択制御部12Aは、仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる(ステップS205)。
次に、カメラ選択制御部12Aは、設定した撮影カメラXのカメラIDを含む撮影カメラ指示データを生成し、映像抽出部18に出力する(ステップS206)。
【0064】
映像抽出部18は、カメラ選択制御部12Aから撮影カメラ指示データを取得して、撮影カメラXのカメラIDを抽出する(ステップS207)。そして、映像抽出部18は、そのカメラIDに該当する固定カメラ2から出力された映像データを、映像入力部17から取得して、その映像データを通信端末装置3に出力する(ステップS208)。
【0065】
<カメラ制御要求データ処理:ステップS220>
図16に、ステップS220(図14)のカメラ制御要求データ処理を示す。
カメラ制御装置1Aは、ユーザUにより操作された通信端末装置3Aから、カメラ制御要求データを受信する(ステップS221)。
要求データ取得部11Aは、受信したカメラ制御要求データを、カメラ選択制御部12Aと制御データ供給部16とに出力する(ステップS222)。
【0066】
カメラ選択制御部12Aは、要求データ取得部11Aからカメラ制御要求データを取得して、カメラ制御要求データからズーム倍率とパン角度とチルト角度とを抽出し(ステップS223)、そのズーム倍率に応じた移動距離を算出する(ステップS224)。そして、カメラ選択制御部12Aは、撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度とを対応付けて入力移動情報記憶部130に記憶させる(ステップS225)。
【0067】
さらに、カメラ選択制御部12Aは、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得し(ステップS226)、仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、新たな仮想視点座標を算出し(ステップS227)、新たな仮想視点座標を仮想位置記憶部120に記憶させる(ステップS228)。
【0068】
移動先予測部110は、入力移動情報記憶部130の記憶データが更新されたことを受け、入力移動情報記憶部130から撮影カメラXのカメラIDとパン角度と(撮影カメラXのカメラIDと共に、移動距離とパン角度とチルト角度)のデータを所定の数だけ取得する(ステップS229)。
そして、移動先予測部110は、最近更新された(最新の)撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、それ以前に更新された撮影カメラXのカメラIDとパン角度と、が一致するか否かを判定する(ステップS230)。ここで、本実施形態の移動先予測部110は、最近更新されたデータ(最新のデータ)と、その直前で更新されたデータとで比較を行うこととする。
【0069】
判定結果が一致しなかった場合(ステップS230,No)、移動先予測部110は処理を終了する。そして、カメラ選択制御部12Aにより、第1の実施形態におけるステップS123(図9)に示される処理が行われる。
【0070】
一方、判定結果が一致した場合(ステップS230,Yes)、移動先予測部110は、仮想位置記憶部120から仮想視点座標を取得する(ステップS231)。そして、入力移動情報記憶部130から取得した最新のデータ(最新の撮影カメラXのカメラIDと移動距離とパン角度とチルト角度)で、前記仮想視点座標を、パン角度とチルト角度とで示される方向に、移動距離だけ進んだ、移動先予測位置(予測位置座標)を算出し(ステップS232)、カメラ選択制御部12Aに出力する(ステップS233)。
【0071】
カメラ選択制御部12Aは、移動先予測部110から予測位置座標を取得し、さらに、周辺カメラ情報記憶部13から前記予測位置座標に最も近い設置位置座標に対応するカメラIDを抽出し、このカメラIDのカメラを周辺カメラYに設定する(ステップS234)。
【0072】
そして、カメラ選択制御部12AはステップS124(図9)に示す処理を行い、そして、ステップS133に示す処理において、撮影カメラXから出力された映像データが通信端末装置3に出力される。
【0073】
以上の動作によって、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、通信端末装置3Aから所定の回数以上(本実施形態の説明では2回以上)の同じカメラ制御要求データが入力されることにより(ステップS230にてYes)、1台のカメラだけを周辺カメラYに設定することができる。そのため、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、第1の実施形態のカメラ制御装置1と異なり、複数のカメラ装置を周辺カメラYに設定して制御することがないため、データ処理などカメラ制御装置1Aにかかる負担が軽減される。
【0074】
<複数台の通信端末装置3(3A)と接続する場合>
第1の実施形態および第2の実施形態の説明において、カメラ制御装置1(1A)と接続する通信端末装置3(3A)は1台として説明したが、カメラ制御装置1(1A)は、複数台の通信端末装置3(3A)と接続する構成であっても構わない。
複数台の通信端末装置3(3A)と接続する場合、カメラ制御装置1(1A)は、通信端末装置3(3A)からの要求データを、送信先を識別する情報(IPアドレスなど)で区別して処理を行う。
また、カメラ制御装置1(1A)は、複数のユーザUと接続され、異なるユーザUにより制御される2台の固定カメラ(撮影カメラX)が隣接するとき、周辺カメラYを設定する際にどちらのユーザUが先に本システムを利用したかを示す情報などでユーザUの優先順位を決め、周辺カメラYを、優先順位の高いユーザUが制御する撮影カメラXの周辺カメラとして設定する。
【0075】
例えば、図17に示すように、ユーザU1が撮影カメラXとして固定カメラ2oを制御し、ユーザU2が撮影カメラXとして固定カメラ2fを制御する場合、固定カメラ2fと固定カメラ2oとで重複する周辺カメラの固定カメラ2fと固定カメラ2kは、優先順位の高いユーザU1が制御する固定カメラ2oの周辺カメラYとして設定される。
ここで、カメラ制御装置1(カメラ選択制御部12)が、撮影カメラID記憶部(不図示)から撮影カメラXとなっている固定カメラ2のカメラIDを取得し、その撮影カメラXの周辺カメラIDを周辺カメラ情報記憶部13から取得することで、重複する周辺カメラYがわかる。
【0076】
また、優先順位の高いユーザU1が制御する撮影カメラX1の周辺カメラ(固定カメラα)を、別の優先順位の低いユーザU2が撮影カメラX2とするカメラ切り替え操作を行った場合、優先順位に関係なく、カメラ選択制御部12により固定カメラαは撮影カメラX2に設定される。
例えば、図17に示すように、優先順位の高いユーザU1が固定カメラ2oを撮影カメラX1とし、優先順位の低いユーザU2が固定カメラ2fを撮影カメラX2としており、固定カメラ2jは、撮影カメラX1の周辺カメラ(固定カメラα)として処理されている。ここで、図18に示すように、優先順位の低いユーザU2が、撮影カメラX2を固定カメラ2j(固定カメラα)に切り替える操作を行った場合、そのカメラ切替要求データを取得したカメラ制御装置1(1A)は、固定カメラ2fの制御データで固定カメラ2jの制御データを書き換える(制御データ記憶部14に記憶させる)ことで、撮影カメラX2を固定カメラ2jに切り替える処理が行われる。
【0077】
以上のように、カメラ選択制御部12(12A)が、ユーザUに対して優先順位を割り当て、その優先順位によりカメラの制御権を決める処理を有することで、カメラ制御装置1(1A)は、複数のユーザUと接続した状態でも実現することができる。
【0078】
また、第2の実施形態のカメラ制御装置1Aは、周辺カメラ情報記憶部13にさらに、固定カメラ2それぞれの設置位置座標を基準点とした、固定カメラ2の撮影領域を記憶させてもよい。そして、カメラ選択制御部12Aは、移動先予測部110から移動先予測位置(予測位置座標)を取得した後に、さらに、周辺カメラ情報記憶部13に記憶されたすべての固定カメラ2の撮影領域と、予測位置座標とを比較する。そして、予測位置座標が撮影領域内となる固定カメラ2のカメラIDを抽出し、周辺カメラYに設定するとしてもよい。
これは、例えば、周辺カメラ情報記憶部13に、固定カメラ2の設置位置座標を中心とした円を撮影領域とした円の半径を記憶させることで、カメラ選択制御部12Aは、予測位置座標が、固定カメラ2の設置位置座標を中心とした撮影領域内か否かの比較を、予測位置座標から固定カメラ2の設置位置座標までの距離と、円の半径長とを比較することで、実現することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 カメラ制御装置
2(2a,2b,・・・,2n) 固定カメラ
3 通信端末装置
10 カメラ制御部
11 要求データ取得部
12 カメラ選択制御部
13 周辺カメラ情報記憶部
14 制御データ記憶部
15 制御データ出力部
16 制御データ供給部
17 映像入力部
18 映像抽出部
L ネットワーク
N ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御データに応じて内蔵カメラの撮影方向を制御し所定の位置で固定された複数のカメラ装置と通信可能に接続され、ユーザによって要求データ取得部から入力された要求データに応じて生成した前記制御データを前記カメラ装置に出力するカメラ制御部と、前記カメラ装置それぞれが撮影した動画像データのうち撮影カメラ装置が撮影した動画像データを抽出する映像抽出部とを備えるカメラ制御装置であって、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記撮影カメラ装置の制御データを補正するカメラ制御要求データを取得した場合に、補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置と、その周辺に配置されている周辺カメラ装置との双方に出力することを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
前記カメラ装置それぞれの識別情報と、前記それぞれのカメラ装置に隣接して配置され、前記カメラ装置の撮影可能範囲の境界の一部およびその範囲外を撮影可能な前記周辺カメラ装置を特定する識別情報とが記憶される周辺カメラ情報記憶部をさらに備え、
前記周辺カメラ装置は、
前記撮影カメラ装置の識別情報に基づき前記周辺カメラ情報記憶部から得られる識別情報によって特定されることを特徴とする請求項1に記載されたカメラ制御装置。
【請求項3】
前記周辺カメラ情報記憶部は、
さらに、前記カメラ装置の識別情報と対応付けて、前記カメラ装置の固定位置情報を記憶し、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記撮影カメラ装置を別のカメラ装置に切り替えるためのカメラ切替要求データを取得した場合に、前記撮影カメラ装置の制御データから内蔵カメラの撮影方向情報を取得すると共に、前記周辺カメラ情報記憶部から前記カメラ装置の固定位置情報を取得し、前記撮影カメラ装置の固定位置から撮影方向に配置されている周辺カメラ装置を新たな撮影カメラ装置とすることを特徴とする請求項2に記載されたカメラ制御装置。
【請求項4】
前記カメラ制御装置は、
前記カメラ装置それぞれの制御データを、前記カメラ装置の識別情報と対応付けて記憶する制御データ記憶部をさらに備え、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得してから、前記カメラ制御要求データで補正を行い、
前記撮影カメラ装置の制御データを出力するときに、前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置の識別情報と、前記撮影カメラ装置の周辺に配置されている前記周辺カメラ装置の識別情報とのそれぞれに対応付けて、前記制御データ記憶部に記憶させることを特徴とする請求項3に記載されたカメラ制御装置。
【請求項5】
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記撮影カメラ装置の識別情報を用いて、前記周辺カメラ情報記憶部から前記撮影カメラ装置の周辺に配置されている周辺カメラ装置の識別情報を取得し、
一方、前記要求データ取得部から前記カメラ切替要求データを取得した場合に、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得する共に、その制御データから内蔵カメラの撮影方向を示す情報を取得し、前記周辺カメラ情報記憶部の固定位置情報に基づき、前記撮影カメラ装置の撮影方向に配置されている前記周辺カメラ装置を新たな撮影カメラ装置とする変更を行い、前記周辺カメラ情報記憶部から変更後の前記撮影カメラ装置の周辺に配置されている前記周辺カメラ装置の識別情報を取得し、変更後の前記撮影カメラ装置の識別情報を含む撮影カメラ指示データを生成するカメラ選択制御部と、
前記要求データ取得部から前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記カメラ選択制御部から前記撮影カメラ装置の識別情報と前記周辺カメラ装置の識別情報とを取得すると共に、前記撮影カメラ装置の識別情報を用いて、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得して、前記撮影カメラ装置の制御データを前記カメラ制御要求データで補正し、補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置の識別情報と対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させると共に、前記周辺カメラ装置の識別情報とも対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させ、前記撮影カメラ装置および前記周辺カメラ装置に補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを出力し、
一方、前記要求データ取得部から前記カメラ切替要求データを取得した場合に、前記カメラ選択制御部から前記撮影カメラ装置の識別情報と前記周辺カメラ装置の識別情報とを取得すると共に、前記撮影カメラ装置の識別情報を用いて、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得して、前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置の識別情報と対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させると共に、前記周辺カメラ装置の識別情報とも対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させ、前記撮影カメラ装置および前記周辺カメラ装置に補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを出力する制御データ供給部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載されたカメラ制御装置。
【請求項6】
仮想視点位置を記憶する仮想位置記憶部と、
前記撮影カメラの識別情報と、入力移動距離と、入力撮影方向とを一組のデータとして記憶する入力移動情報記憶部と、
前記入力移動情報記憶部に記憶された最新の前記データとその直前の前記データとを比較し、一致した場合に、前記仮想視点位置を前記入力撮影方向に前記入力移動距離だけ進んだ、移動先予測位置を算出する移動先予測部とをさらに備え、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記仮想視点位置にて仮想視点方向を向いているという擬似視点データを取得した場合に、前記周辺カメラ情報記憶部を用いて、前記仮想視点位置に最も近い位置にあるカメラ装置を前記撮影カメラ装置とすると共に、前記仮想視点位置を前記仮想位置記憶部に記憶させ、
前記要求データ取得部からズーム倍率と入力撮影方向とを含む前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記ズーム倍率から入力移動距離を算出し、このときの前記撮影カメラの識別情報と共に、前記入力移動距離と前記入力撮影方向とを前記入力移動情報記憶部に記憶させ、
前記移動先予測部から前記移動先予測位置を取得し、前記周辺カメラ情報記憶部を用いて、前記移動先予測位置に最も近い位置にあるカメラ装置を周辺カメラ装置とする
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載されたカメラ制御装置。
【請求項7】
前記周辺カメラ情報記憶部は、
さらに、前記カメラ装置それぞれの撮影領域を示す情報を記憶し、
前記カメラ制御部は、
前記移動先予測部から前記移動先予測位置を取得したときに、前記移動先予測位置が、前記カメラ装置それぞれの前記撮影領域内にあるか否かを判定し、前記撮影領域内にあれば、その撮影領域を持つ前記カメラ装置を周辺カメラ装置とする請求項6に記載されたカメラ制御装置。
【請求項1】
制御データに応じて内蔵カメラの撮影方向を制御し所定の位置で固定された複数のカメラ装置と通信可能に接続され、ユーザによって要求データ取得部から入力された要求データに応じて生成した前記制御データを前記カメラ装置に出力するカメラ制御部と、前記カメラ装置それぞれが撮影した動画像データのうち撮影カメラ装置が撮影した動画像データを抽出する映像抽出部とを備えるカメラ制御装置であって、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記撮影カメラ装置の制御データを補正するカメラ制御要求データを取得した場合に、補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置と、その周辺に配置されている周辺カメラ装置との双方に出力することを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
前記カメラ装置それぞれの識別情報と、前記それぞれのカメラ装置に隣接して配置され、前記カメラ装置の撮影可能範囲の境界の一部およびその範囲外を撮影可能な前記周辺カメラ装置を特定する識別情報とが記憶される周辺カメラ情報記憶部をさらに備え、
前記周辺カメラ装置は、
前記撮影カメラ装置の識別情報に基づき前記周辺カメラ情報記憶部から得られる識別情報によって特定されることを特徴とする請求項1に記載されたカメラ制御装置。
【請求項3】
前記周辺カメラ情報記憶部は、
さらに、前記カメラ装置の識別情報と対応付けて、前記カメラ装置の固定位置情報を記憶し、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記撮影カメラ装置を別のカメラ装置に切り替えるためのカメラ切替要求データを取得した場合に、前記撮影カメラ装置の制御データから内蔵カメラの撮影方向情報を取得すると共に、前記周辺カメラ情報記憶部から前記カメラ装置の固定位置情報を取得し、前記撮影カメラ装置の固定位置から撮影方向に配置されている周辺カメラ装置を新たな撮影カメラ装置とすることを特徴とする請求項2に記載されたカメラ制御装置。
【請求項4】
前記カメラ制御装置は、
前記カメラ装置それぞれの制御データを、前記カメラ装置の識別情報と対応付けて記憶する制御データ記憶部をさらに備え、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得してから、前記カメラ制御要求データで補正を行い、
前記撮影カメラ装置の制御データを出力するときに、前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置の識別情報と、前記撮影カメラ装置の周辺に配置されている前記周辺カメラ装置の識別情報とのそれぞれに対応付けて、前記制御データ記憶部に記憶させることを特徴とする請求項3に記載されたカメラ制御装置。
【請求項5】
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記撮影カメラ装置の識別情報を用いて、前記周辺カメラ情報記憶部から前記撮影カメラ装置の周辺に配置されている周辺カメラ装置の識別情報を取得し、
一方、前記要求データ取得部から前記カメラ切替要求データを取得した場合に、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得する共に、その制御データから内蔵カメラの撮影方向を示す情報を取得し、前記周辺カメラ情報記憶部の固定位置情報に基づき、前記撮影カメラ装置の撮影方向に配置されている前記周辺カメラ装置を新たな撮影カメラ装置とする変更を行い、前記周辺カメラ情報記憶部から変更後の前記撮影カメラ装置の周辺に配置されている前記周辺カメラ装置の識別情報を取得し、変更後の前記撮影カメラ装置の識別情報を含む撮影カメラ指示データを生成するカメラ選択制御部と、
前記要求データ取得部から前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記カメラ選択制御部から前記撮影カメラ装置の識別情報と前記周辺カメラ装置の識別情報とを取得すると共に、前記撮影カメラ装置の識別情報を用いて、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得して、前記撮影カメラ装置の制御データを前記カメラ制御要求データで補正し、補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置の識別情報と対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させると共に、前記周辺カメラ装置の識別情報とも対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させ、前記撮影カメラ装置および前記周辺カメラ装置に補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを出力し、
一方、前記要求データ取得部から前記カメラ切替要求データを取得した場合に、前記カメラ選択制御部から前記撮影カメラ装置の識別情報と前記周辺カメラ装置の識別情報とを取得すると共に、前記撮影カメラ装置の識別情報を用いて、前記制御データ記憶部から前記撮影カメラ装置の制御データを取得して、前記撮影カメラ装置の制御データを、前記撮影カメラ装置の識別情報と対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させると共に、前記周辺カメラ装置の識別情報とも対応付けて前記制御データ記憶部に記憶させ、前記撮影カメラ装置および前記周辺カメラ装置に補正後の前記撮影カメラ装置の制御データを出力する制御データ供給部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載されたカメラ制御装置。
【請求項6】
仮想視点位置を記憶する仮想位置記憶部と、
前記撮影カメラの識別情報と、入力移動距離と、入力撮影方向とを一組のデータとして記憶する入力移動情報記憶部と、
前記入力移動情報記憶部に記憶された最新の前記データとその直前の前記データとを比較し、一致した場合に、前記仮想視点位置を前記入力撮影方向に前記入力移動距離だけ進んだ、移動先予測位置を算出する移動先予測部とをさらに備え、
前記カメラ制御部は、
前記要求データ取得部から前記仮想視点位置にて仮想視点方向を向いているという擬似視点データを取得した場合に、前記周辺カメラ情報記憶部を用いて、前記仮想視点位置に最も近い位置にあるカメラ装置を前記撮影カメラ装置とすると共に、前記仮想視点位置を前記仮想位置記憶部に記憶させ、
前記要求データ取得部からズーム倍率と入力撮影方向とを含む前記カメラ制御要求データを取得した場合に、前記ズーム倍率から入力移動距離を算出し、このときの前記撮影カメラの識別情報と共に、前記入力移動距離と前記入力撮影方向とを前記入力移動情報記憶部に記憶させ、
前記移動先予測部から前記移動先予測位置を取得し、前記周辺カメラ情報記憶部を用いて、前記移動先予測位置に最も近い位置にあるカメラ装置を周辺カメラ装置とする
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載されたカメラ制御装置。
【請求項7】
前記周辺カメラ情報記憶部は、
さらに、前記カメラ装置それぞれの撮影領域を示す情報を記憶し、
前記カメラ制御部は、
前記移動先予測部から前記移動先予測位置を取得したときに、前記移動先予測位置が、前記カメラ装置それぞれの前記撮影領域内にあるか否かを判定し、前記撮影領域内にあれば、その撮影領域を持つ前記カメラ装置を周辺カメラ装置とする請求項6に記載されたカメラ制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−61583(P2011−61583A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210220(P2009−210220)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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