説明

カラーフィルター用着色組成物及びそれを用いたカラーフィルター、並びに表示装置

【課題】耐熱性、耐光性が高く、露光感度が高く現像溶解性に優れたカラーフィルター用着色組成物、カラーフィルター及び表示装置を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤、着色剤及び溶媒を含み、前記着色剤が、下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料であるカラーフィルター用着色組成物。


(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基のいずれかを示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルター用着色組成物及びそれを用いたカラーフィルター、並びに表示装置に関し、特に、耐熱性、耐光性が高く、かつ着色層の基板への密着性が高いカラーフィルター用着色組成物、それを用いたカラーフィルター及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶や電界発光(EL)表示装置に、カラーフィルターが用いられることがある。該カラーフィルターは、基板に着色層を積層した構造を有し、該着色層には、耐熱性、耐光性が求められている。
着色層に用いる材料として、トリアリールメタン系染料を、熱や光への耐久性を向上させるためにトリアリールメタン染料の対アニオンに芳香族スルホン酸を用いた例が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
中でも特許文献1では、芳香族スルホン酸の芳香環に光重合性の官能基を導入し、含有する光重合性樹脂および架橋性モノマーに化学結合を形成することで耐久性を向上させている。
しかし、芳香族スルホン酸を対アニオンにもつトリアリールメタン染料は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのエステル系溶媒やアクリル酸樹脂および架橋性モノマーへの溶解性に乏しいため、均一なインキ組成物を与えず、たとえ溶液にできても塗膜中で染料が析出するため、染料の特徴である高い透過性を損なってしまうなどの課題があり、カラーフィルター用着色剤としての仕様を十分に満たしていないために未だ実用に至っていない。
また、特許文献2には、特定構造のトリアリールメタン染料と対アニオンとして芳香族スルホン酸イオンとを有する着色剤を含む組成物が記載されているが、基板との密着性や耐光性が十分ではなかった。
【0004】
一方、トリアリールメタンなどカチオン性染料の耐久性を向上する手段として、対アニオンにイミド酸イオンを用いることが特許文献3に開示されている。当該対アニオンにイミド酸を用いたトリアリールメタン系染料は、PGMEAなどのエステル系溶媒やアクリル酸樹脂および架橋性モノマーへの高い溶解性を示し、均一な塗膜を与える。また芳香族スルホン酸イオンを対アニオンにもつトリアリールメタン系染料に比べ染料そのものの耐久性も優れ、カラーフィルター用着色染料として有望である。
しかしながら、イミド酸を用いたトリアリールメタン系染料をアクリル酸樹脂、および架橋性モノマー、光重合性開始剤と溶媒とを混合した組成物は、露光感度が低下するとともに現像時の溶解性が乏しいといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4266627号明細書
【特許文献2】特開2008−304766号公報
【特許文献3】特開2007−503477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、従来のトリアリールメタン系染料を用いた着色組成物では、耐熱性はある程度確保できるものの、耐光性については十分でなく、しかも製版プロセスの際に露光感度が低く硬化不良となり、現像溶解性が低いという問題があった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、耐熱性、耐光性が高く、露光・現像プロセス時の露光感度が高く現像溶解性に優れたカラーフィルター用着色組成物、それを用いたカラーフィルター及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、トリアリールメタン系染料における対アニオンをオキサゾリジノンスルホニルイミド酸イオンとすることにより、耐熱性を維持しつつ、有機溶媒に対する溶解性と耐光性と両立させ、かつ露光感度と現像溶解性を損なうことなくパターニングすることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)バインダー樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤、着色剤及び溶媒を含み、
前記着色剤が、下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料であるカラーフィルター用着色組成物、
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基のいずれかを示し、R1とR2、R3とR4、及びR5とR6の少なくともいずれかは、結合して環構造あるいは複素環構造の一部を形成していてもよい。式中のXは置換基を有していてもよい、窒素原子及びカルボニル基を骨格内に有する複素環を示し、Yは水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基である。)、
【0010】
(2)前記一般式(I)におけるXが、下記一般式(II)で表わされる複素環である上記(1)に記載のトリアリールメタン系染料、
【0011】
【化2】

【0012】
(3)前記一般式(I)におけるYがパーフルオロアルキル基である上記(1)又は(2)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(4)前記一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4、及びR6が各々独立に炭素数1〜20のアルキル基である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物、
(5)R1、R2、R3、R4、及びR6がすべて同一である上記(4)に記載のカラーフィルター用着色組成物、
(6)基板上に少なくとも着色層を備えてなり、該着色層が上記(1)〜(5)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成したものであるカラーフィルター、及び
(7)上記(6)に記載のカラーフィルターを備えた表示装置、
である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耐熱性、耐光性が高く、かつ露光・現像プロセス時の露光感度が高く現像溶解性に優れたカラーフィルター用着色組成物、それを用いたカラーフィルター及び表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<カラーフィルター用着色組成物>
本実施形態のカラーフィルター用着色組成物は、バインダー樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤、着色剤及び溶媒を含み、該着色剤が下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料であることを特徴とする。
【0015】
【化3】

【0016】
上記式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基のいずれかを示し、R1とR2、R3とR4、及びR5とR6の少なくともいずれかは、結合して環構造あるいは複素環構造の一部を形成していてもよい。式中のXは置換基を有していてもよい、窒素原子及びカルボニル基を骨格内に有する複素環を示し、Yは水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基である。
【0017】
従来、トリアリールメタン系染料を着色剤に用いてレジストとした場合、露光・現像プロセス時の露光感度が大きく低下してしまう問題があった。これに対し本発明者らが検討した結果、トリアリールメタン系染料における対アニオンをオキサゾリジノンスルホニルイミド酸イオンとすることにより、耐熱性を維持しつつ前記露光感度が大きく向上することが見出された。
【0018】
(着色剤)
まず、本実施形態における着色剤について説明する。
本実施形態における着色剤は一般式(I)で示されるトリアリールメタン系染料であるが、一般式(I)の前記R1〜R6におけるアルキル基としては、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、及びシクロアルキル基が挙げられ、これらは、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシ基及びシアノ基等の置換基を有していてもよい。
より具体的には、該アルキル基は直鎖または分岐若しくは環状のアルキル基でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコサニル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖または分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、分岐したペンタデシル基、分岐したヘキサデシル基、分岐したヘプタデシル基、分岐したオクタデシル基、直鎖または分岐のノナデシル基、直鎖または分岐のエイコサニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、シス−ミルタニル基、イソピノカンフェニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−(1−アダマンチル)エチル基、3,5−ジメチルアダマンチル基、キヌクリジニル基、シクロペンチルエチル基、ビシクロオクチル基が好ましく挙げられる。
【0019】
前記R1〜R6におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、アンスラキノニル基、ピレニル基、及び複素環基が挙げられ、これらはアルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、置換アミノ基、置換オキシカルボニル基、置換オキシスルホニル基、アルキルチオ基、アリールスルホニル基、及びフェニル基等の置換基を有していてもよい。
【0020】
より具体的に、例えば置換基を有するフェニル基としては、o−、m−もしくはp−メチルフェニル基、o−、m−もしくはp−エチルフェニル基、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル基、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル基、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル基、o−、m−もしくはp−アミノフェニル基、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル基、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル基、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル基、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル基、o−、m−、p−(トリフルオロメチル)フェニル基、o−、m−、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチルスルファニル)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル基、o−、m−もしくはp−クロロフェニル基、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル基、o−、m−もしくはp−ヨードフェニル基、3,4−もしくは3,5−ジメトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニルまたは2,4,5−トリメチルフェニルなどが挙げられる。
また、例えば置換基としてアルキル基を有するアリール基としては、ベンジル基、4−メトキシフェニルエチル基、3−メトキシフェニルエチル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−(トリフルオロメチル)ベンジル基、3−(トリフルオロメチル)ベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−ヨードベンジル基、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル基、3−(トリフルオロメトキシ)ベンジル基及び4−(トリフルオロメチルスルファニル)ベンジル基などが挙げられる。
【0021】
さらに、前記一般式(I)中、R1とR2、R3とR4、及びR5とR6のいずれかは、結合して環構造あるいは複素環構造の一部を形成していてもよく、環としては、例えば、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン等が挙げられる。このようなR12N−、R34N−、及びR56N−で表される置換基として、例えば、ピロリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、N−エチルピペラジンノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、N−エチル−N−イソブチルアミノ基、N−エチル−ベンジルアミノ基、ジアミルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−エチル−N−テトラフルフリルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。これらの中でも、5員環及び6員環が好ましい。
【0022】
これらの中でも、R5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4及びR6が各々独立にアルキル基であることが色素製造のし易さの点で好ましく、該アルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、エチル基及びメチル基であることが特に好ましい。
また、前記のようにR1、R2、R3、R4及びR6は各々異なっていても同一であってもよいが、色素構造の観点からはすべて同一であることが好ましい。
【0023】
一方、対アニオンであるオキサゾリジノンスルホニルイミド酸イオンにおいて、上述のように、Xは置換基を有していてもよい、窒素原子及びカルボニル基を骨格内に有する複素環を示す。
該複素環としては、窒素原子及びカルボニル基を骨格内に有していれば、特に限定されず、例えば、下記に記載するような構造のものが挙げられる。
【0024】
【化4】

【0025】
上記式中、Zは全て同じでも異なってもよく、具体的な例としては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ホルミル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリエチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基等の炭素数1〜8のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso-ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、3−(iso−プロピルオキシ)プロピルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基;アセチル基、プロピオル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等の炭素数2〜7のアシル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基等の炭素数2〜8のジアルキルアミノ基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルエチル基、フェノキシカルボニル基等の炭素数3〜7のアルコキシカルボニルアルキル基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、tert−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6のアルキルチオ基;メチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ペンタフルオロエチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロピルカルボニルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基、n−ブチルカルボニルアミノ基、tert−ブチルカルボニルアミノ基、sec−ブチルカルボニルアミノ基、n−ペンチルカルボニルアミノ基等の炭素数2〜6のアルキルカルボニルアミノ基を挙げられる。
【0026】
これらの中でも、窒素及び酸素を含む五員環構造を有するものが好ましく、特に、下記一般式(II)で表わされる複素環であることが好ましい。
【0027】
【化5】

【0028】
Yを構成するアルキル基としては、前記R1〜R6におけるアルキル基と同様のものが挙げられ、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい。特に炭素数が1〜3であり、水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基が好ましい。具体的には、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基等を挙げることができる。
【0029】
前記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料としては、例えば、下記例示化合物(1)〜(3)で示される化合物が挙げられる。
【0030】
【化6】

【0031】
【化7】

【0032】
【化8】

【0033】
前記例示化合物(1)〜(3)のように、一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4及びR6がアルキル基である例示化合物が好ましく、さらにR1、R2、R3、R4及びR6がすべて同一である例示化合物(1)が特に好ましい。
【0034】
一般式(I)で示されるトリアリールメタン系染料は、既知の方法で合成することができる。合成法としては、例えば「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)に記載の方法が参考になる。
対アニオンが、下記式で示される色素は、例えば対アニオンがCl-で示される色素に、対応するオキサゾリジノンスルホニルイミド酸を加え、塩交換を行うことにより合成することができる。
【0035】
【化9】

【0036】
具体的には、対アニオンがCl-で示される色素を反応溶媒に溶解し、対応するオキサゾリジノンスルホニルイミド酸を加え、攪拌した後、沈殿を濾過により取り出すことにより合成できる。オキサゾリジノンスルホニルイミド酸の添加量としては、例えば1〜3等量程度である。反応溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;あるいはそれらの混合溶媒が挙げられ、反応温度としては例えば0℃から40℃が好適である。
【0037】
(バインダー樹脂)
本実施形態に使用するバインダー樹脂は、特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。また、アルカリ可溶性であることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダー樹脂としては、線状有機高分子重合体で、有機溶媒に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号広報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニールピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
【0038】
また、上記アルカリ可溶性のバインダー樹脂は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級および3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸およびその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
【0039】
また架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等も有用である。これらの重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、COOH基、OH基、アンモニウム基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素不飽和結合が含まれていればこれらに限定されない。
OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、およびこれらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基と反応性を有するエポキシ環と炭素−炭素不飽和結合基を有する化合物、例えばグリシジルアクリレートのような化合物を反応させて得られる化合物等が使用できる。OH基との反応ではエポキシ環の他に酸無水物、イソシアネート基およびアクリロイル基を有する化合物も使用できる。また特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に開示されるエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
【0040】
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素−炭素不飽和基とを併せ持つ化合物としては、例えばダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)などが挙げられる。
【0041】
また、本実施形態に用いるバインダー樹脂としては、アルカリ可溶性フェノール樹脂も用いることができる。該アルカリ可溶性フェノール樹脂は、本実施形態のカラーフィルター用着色組成物をポジ型の組成物とする場合に好適に用いることができる。アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えばノボラック樹脂またはビニル重合体等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂としては、例えばフェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトールまたはビスフェノールA等が挙げられる。上記フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたはベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾールまたはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。また、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール性水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
【0042】
これらの各種バインダー樹脂のなかで、本実施形態に用いるバインダー樹脂としては、耐熱性の観点から、ポリヒドロキシスチレン系樹脂;ポリシロキサン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂等のアクリル樹脂が好ましい。また、後述する基板との密着性、現像性向上の観点から、(メタ)アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂等のアクリル樹脂が好ましい。
なお、上記(メタ)アクリル系樹脂としてはベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、重合性側鎖を有する(メタ)アクリル系樹脂、例えば、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、ビスコートR264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)等が好ましい。
【0043】
上記バインダー樹脂は、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000〜1×105の重合体がさらに好ましく、3000〜5×104の重合体が特に好ましい。
また、バインダー樹脂の使用量は、現像性等の観点から、本実施形態のカラーフィルター用着色組成物中の全固形分に対して10〜90質量%の範囲が好ましく、20〜80質量%の範囲がさらに好ましく、30〜70質量%の範囲が特に好ましい。
【0044】
(架橋性モノマー)
本実施形態における架橋性モノマーは光重合可能であればいずれのものでも使用可能であるが、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好まし。その具体例としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの;特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート;およびこれらの混合物を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
【0045】
上記架橋性モノマーとしては、(メタ)アクリルエステル系モノマーが好ましく、4官能以上の(メタ)アクリルエステル系モノマーが特に好ましい。
架橋性モノマーの組成物中における含有量は、硬化性等の観点から、全固形分に対して0.1〜90質量%の範囲が好ましく、1.0〜80質量%の範囲がさらに好ましく、2.0〜70質量%の範囲が特に好ましい。
【0046】
(光重合開始剤)
本実施形態における光重合開始剤は、上述の重合性を有するモノマーを重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、等が挙げられ、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリールイミダゾールダイマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
また上記光重合開始剤としては、分解によって酸を発生しない化合物であることが好ましい。
【0047】
上記ハロメチルオキサジアゾール化合物等の活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
【0048】
トリハロメチル−s−トリアジン系化合物の光重合開始剤としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物が挙げられる。
【0049】
また、上記α−アミノケトン系化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアシリーズ(イルガキュア907、イルガキュア369)、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。
【0050】
上記オキシム系化合物としては、特に限定されないが、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ブタン−2−オキシム−O−アセタート、1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート、ヒドロキシイミノ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸エチルエステル−O−アセタート、ヒドロキシイミノ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸エチルエステル−O−ベンゾアート等が挙げられる。
【0051】
これら光重合開始剤には増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や、特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
【0052】
本実施形態のカラーフィルター用着色組成物には、以上の光重合開始剤の他に、他の公知の光重合開始剤を使用することができる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号明細書および同第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号明細書および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリールイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチル−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
【0053】
光重合開始剤の使用量は、架橋性モノマー固形分に対し、0.01質量%〜50質量%の範囲が好ましく、1質量%〜30質量%の範囲がより好ましく、1質量%〜20質量%の範囲が特に好ましい。光重合開始剤の使用量が0.01質量%〜50質量%の範囲内にあると、分子量が低くなりすぎて膜強度が弱くなるのを防止することができる。
【0054】
(溶媒)
本実施形態で用いられる溶媒は、組成物の溶解性、塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、バインダー樹脂の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
好適な溶媒としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル);
【0055】
2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル);ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
【0056】
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が好ましい。
【0057】
これらのうち、本実施形態に用いられる溶媒としては、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
【0058】
本実施形態のカラーフィルター用着色組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
これらの添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0059】
また、現像除去をしようとする領域のアルカリ溶解性を促進し、現像性の更なる向上を図る場合には、本実施形態のカラーフィルター用着色組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。具体的には、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0060】
<カラーフィルター、表示装置>
本実施形態のカラーフィルターは、基板上に少なくとも着色層を備えてなり、該着色層が前記本実施形態のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成したものである。
本実施形態のカラーフィルターは、前記カラーフィルター用着色組成物を基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して着色層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型もしくはポジ型の着色されたパターンを形成することで製造することができる。また、前記カラーフィルターの製造方法には、必要により上記レジストパターンを加熱および/または露光により硬化する工程を含まれていてもよい。
この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
【0061】
上記基板としては、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を光学的に隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基板上に必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
【0062】
上記本実施形態のカラーフィルターの製造に用いる現像液としては、本実施形態のカラーフィルター用着色組成物を溶解し、一方、放射線照射部を溶解しない組成物であればいかなるものも用いることができる。具体的には種々の有機溶媒の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
上記有機溶媒としては、本実施形態の組成物を調製する際に使用される前述の溶媒が挙げられる。
【0063】
アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、水で洗浄する。
【0064】
前記本実施形態のカラーフィルターは、有機または無機EL素子、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、本実施形態の表示装置は、このカラーフィルターを備えたものである。
例えば、得られたカラーフィルター(表示側基板)と、TFTアレイ基板(液晶駆動側基板)を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール剤により接合すると、両基板は所定距離のセルギャップを保持した状態で貼り合わされる。そして、基板間の間隙部に液晶を満たして密封することにより、液晶パネルに属するアクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置が得られる。また、有機EL素子の場合は例えば、発光層に積層して用いることができる。
【実施例】
【0065】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
【0066】
実施例1
((オキサゾリジノンスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニルイミド酸)トリエチルアミン塩の合成)
東京化成工業(株)製クロロスルホニルイソシアネート8.00g(56.5mmol)を塩化メチレン中に溶解させ、5℃以下に冷却した。これに東京化成工業(株)製2−ブロモエタノール7.42g(59.4mmol)を5℃以下で滴下し、滴下終了後10℃以下で1時間攪拌した。このようにして調製したものを、以下「反応液A」という。
次に、東京化成工業(株)製トリフルオロメタンスルホンアミド8.43g(56.5mmol)を塩化メチレン20mL中に溶解し、内温を5℃以下に冷却した。内温が10℃を越えないように和光純薬工業(株)製トリエチルアミン14.30g(141.4mmol)を滴下し、滴下終了後、あらかじめ調製した(反応液A)を10℃以下で滴下した。その後、10℃以下で1時間攪拌し、次いで室温で10時間攪拌した。
該反応液に水100mLを加え抽出した。分液した有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで脱水後、有機層をエバポレーターで減圧濃縮して、下記構造式(5)で示される(オキサゾリジノンスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニルイミド酸)トリエチルアミン塩7.96g(収率47%)を得た。
下記構造式(5)について、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS(ESI)(m/z):102(+)、297(−)
・元素分析値:CHN実測値(30.22%、4.94%、10.38%);理論値( 30.07%、5.05%、10.52%)
【0067】
(染料の合成)
下記構造式(4)で示される東京化成工業(株)製Basic Blue 7(CI−42595)5g(9.73mmol)をメタノール30mLに溶解し、下記構造式(5)で示される(オキサゾリジノンスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニルイミド酸)トリエチルアミン塩を攪拌しながら、3.88g(9.73mmol)を加え、さらに室温で1時間攪拌した。エバポレーターで溶液中のメタノールを濃縮し、水100mLを加え沈殿物を濾取し、水で洗浄した。該ケーキを減圧乾燥して、前記例示化合物(1)で表される染料A、6.72g(収率89%)を得た。
【0068】
【化10】

【0069】
【化11】

【0070】
上記染料Aについて、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS(ESI)(m/z):478(+)、297(−)
・元素分析値:CHN実測値(57.48%、5.88%、8.83%);理論値(57.27%、5.72%、9.03%)
【0071】
(カラーフィルター用着色組成物の調製)
まず、以下の組成からなる感光性透明樹脂組成物を調製した。
・アクリル酸樹脂のPGMEA溶液(有効成分42質量%、樹脂(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=62/38(質量比))、酸価:70mgKOH/g、重量平均分子量:9000、PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):18質量部
・多官能アクリレートモノマー(SR399E、巴化学):8質量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ スペシャルティ ケミカルズ製)):2質量部
・光増感剤(4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン):0.2質量部
【0072】
次いで、以下の各成分を混合、攪拌して、不揮発成分が30質量%の着色樹脂組成物(カラーフィルター用着色組成物)を調製した。
・10質量%の染料AのPGMEA溶液:10質量部
・感光性透明樹脂組成物:20質量部
・フッ素系添加剤(メガファックR−08MH(DIC(株)製)):0.02質量部
・PGMEA:2質量部
【0073】
(評価)
上記着色樹脂組成物を塗液として、これをスピンコート法によりガラス基板上に塗布し、80℃で乾燥させ、塗膜側から高圧水銀灯にて紫外光を100mJ/m2露光し、硬化させることより評価用の塗膜を作製した。この塗膜を用いて、以下の方法により、露光感度、耐光性及び耐熱性の評価を行なった。評価した結果を第1表に示す。
【0074】
−露光感度−
作製したガラス基板上の塗膜に対して、高圧水銀灯により全面露光を行い、照射量を変化させた。塗膜表面に指を接触させた際に指紋が付着しなくなるとともにスパチュラで約1cmの傷をつけることで硬化状態となるのを、目視と傷が生じる際の抵抗とにより確認し、そのときの露光量を求め露光感度とした。硬化不良の際にはスパチュラで傷をつける際に全く抵抗がなく、十分に硬化が進行していれば抵抗を感じ、1cmの傷をつける際に違いを判別することができた。
【0075】
−現像溶解性−
前記耐熱性評価と同様にして、作製したガラス基板上の塗膜に対して、アルカリ現像液(0.05質量%水酸化カリウム水溶液)で60秒間シャワー現像し、さらに60秒間超純水で洗浄することで、塗膜が全て溶解したかどうかを目視で判別し、以下の基準により現像溶解性を評価した。膜厚は現像前後で(株)アルバック製触針式表面形状測定器Dektak 150により測定した。
<現像溶解性の評価基準>
○:現像後の膜厚が現像前の膜厚に比べ60%以下であった。
×:現像後の膜厚が現像前の膜厚に比べ70%以上であった。
【0076】
−耐熱性−
前記塗膜を作製したガラス基板を、該基板面が接するようにホットプレート上に載置し、下記の3つの条件下で放置(放置+露光)した後、透過率ピーク値と放置する前後での塗膜における色度変化、すなわちΔEab値をオリンパス(株)製顕微分光装置OSP−SP200を用いて測定した。なお、前記透過率は高く、ΔEab値は小さい方が耐熱性に優れることを示す。
・条件(a):80℃で3分間放置後、高圧水銀灯により100mJ/m2で露光。
・条件(b):170℃で30分間放置。
・条件(c):230℃で30分間放置。
【0077】
−耐光性−
前記耐熱性評価と同様にして作製したガラス基板上の塗膜に対して、粘着材を塗布したガラス基板を張り合わせたものを耐光試験のサンプルとした。このサンプルにキセノンランプ(アトラス社製Ci4000ウェザメータ、内側フィルターとしてCIRA、外側フィルターとしてソーダライムを用いた条件:波長300nm以下をカット)を用い、420nmの波長での照度を1.2mW/m2で70時間照射(300kJ/m2相当)した後、前記耐熱性評価と同様にして透過率及びΔEab値を測定した。
【0078】
比較例1
実施例1におけるカラーフィルター用着色組成物の調製において、染料Aの代わりに、東京化成工業(株)製Basic Blue 7(CI−42595、前記構造式(4))を用いた以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルター用着色組成物を作製した。これを用いて実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第1表に示す。
【0079】
比較例2
実施例1において、染料Aの代わりに下記構造式(6)で示される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下記構造式(6)で示される化合物は実施例1における染料の合成において、パーフルオロオクチルスルホン酸カリウムの代わりにp−トルエンスルホン酸を等モル用いた以外は、実施例1と同様にして合成した。評価結果を第1表に示す。
【0080】
【化12】

【0081】
比較例3
実施例1において、染料Aの代わりに下記構造式(7)で示される化合物)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下記構造式(7)で示される化合物は実施例1における染料の合成において、パーフルオロオクチルスルホン酸カリウムの代わりにビストリフルオロメタンスルホニルイミドを等モル用いた以外は、実施例1と同様にして合成した。
【0082】
【化13】

【0083】
比較例4
実施例1において、染料Aの代わりに下記構造式(8)で示される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、下記構造式(8)で示される化合物は実施例1における染料の合成において、パーフルオロオクチルスルホン酸ナトリウムの代わりに2−ナフタレンスルホン酸を等モル用いた以外は、実施例1と同様にして合成した。
【0084】
【化14】

【0085】
【表1】

【0086】
第1表の結果に示すように、実施例の対アニオンとしてオキサゾリジノンスルホニルイミド酸イオンを有するトリアリールメタン系染料を用いたカラーフィルター用着色組成物では、耐熱性及び耐光性に優れるだけでなく、光感光性樹脂との配合における露光感度が良好なだけでなく、アルカリ水溶液への現像溶解性も良好であった。一方、本発明とは異なるトリアリールメタン系染料を用いた比較例では、耐熱性、露光感度はある程度満足できるものの、アルカリ水溶液への現像溶解性に乏しいため、マスク露光−現像によるパターニングに不適であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明のカラーフィルター用着色組成物を用いて着色層を形成すると、耐熱性、耐光性が高く、かつ着色層の基板への密着性が高いカラーフィルターが得られる。
このため、本発明のカラーフィルターは、有機または無機EL素子、液晶表示素子やCCD等のカラーフィルターに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤、着色剤及び溶媒を含み、前記着色剤が、下記一般式(I)で表されるトリアリールメタン系染料であるカラーフィルター用着色組成物。
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基のいずれかを示し、R1とR2、R3とR4、及びR5とR6の少なくともいずれかは、結合して環構造あるいは複素環構造の一部を形成していてもよい。式中のXは置換基を有していてもよい、窒素原子及びカルボニル基を骨格内に有する複素環を示し、Yは水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基である。)
【請求項2】
前記一般式(I)におけるXが、下記一般式(II)で表わされる複素環である請求項1に記載のトリアリールメタン系染料。
【化2】

【請求項3】
前記一般式(I)におけるYがパーフルオロアルキル基である請求項1又は2に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項4】
前記一般式(I)におけるR5が水素原子であり、R1、R2、R3、R4、及びR6が各々独立に炭素数1〜20のアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項5】
1、R2、R3、R4、及びR6がすべて同一である請求項4に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項6】
基板上に少なくとも着色層を備えてなり、該着色層が請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物を用いて形成したものであるカラーフィルター。
【請求項7】
請求項6に記載のカラーフィルターを備えた表示装置。

【公開番号】特開2011−116803(P2011−116803A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272834(P2009−272834)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】