説明

カルボニル化合物をアンモキシム化するための触媒法

本発明は、液相中、触媒の存在下にカルボニル化合物をNHおよびHと反応させることにより対応するオキシムを形成させるオキシムの製造方法であって、この触媒が、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分を含み、前記触媒成分が、ニオブを酸化物として計算して少なくとも50重量%含むことを特徴とする方法に関する。本発明による方法は、非常に多くのオキシム、特にシクロヘキサノンオキシムの製造に適している。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、触媒を用いてカルボニル化合物をアンモキシム化することによりオキシムを形成する触媒法に関する。
【0002】
一般に、オキシムは、化学物質の重要な中間体である。この観点で特に重要な成分は、ナイロン−6のモノマーであるε−カプロラクタムの前駆体となるシクロヘキサノンオキシムである。他の重要なオキシムとしては、シクロドデカノンオキシム、サリチルアルドキシム、およびアセトフェノンオキシムが挙げられる。
【0003】
液相中で触媒を用いるカルボニル化合物のアンモキシム化方法は当該技術分野において周知である。
【0004】
例えば、米国特許第4,745,221号明細書には、チタンシリカライトを含む触媒の存在下にシクロヘキサノンをNHおよびHと液相中で反応させることによるシクロヘキサノンオキシムを調製するための触媒法が記載されている。
【0005】
欧州特許出願公開第347926号明細書には、ケイ素、チタン、および酸素からなる固体組成物を触媒として用いてカルボニル化合物からオキシムを製造するための触媒法が記載されており、この組成物は非晶質固体である。この反応は、t−ブタノールまたはシクロヘキサノール中で実施した場合に最良の結果が得られる。
【0006】
これらの参考文献に記載された方法には欠点がある。まず第1に、チタンシリカライトは複雑かつ困難な特定の合成経路を必要とする特殊な化学物質である。t−ブタノールおよびシクロヘキサノールは環境面で魅力の低い溶媒である。
【0007】
英国特許第1092899号明細書には、液相中、リンタングステン酸、珪タングステン酸、硼タングステン酸、リンタングストバナジン酸、またはリンタングストモリブデン酸から選択される触媒を用いてシクロヘキサノンをアンモニアおよび過酸化水素でアンモキシム化する方法が記載されている。米国特許第3,574,750号明細書には、液相中、タングステン酸、イソポリタングステン酸、ヘテロポリタングステン酸、またはこれらの塩を触媒として用いてシクロヘキサノンをアンモニアおよび過酸化水素でアンモキシム化する方法が記載されている。国際公開第93/08160号パンフレットには、金属ペルオキソ触媒を用いたアンモキシム化反応が記載されている。通常、これらの触媒は反応媒体中に溶解した均一触媒であり、回収が必要である。
【0008】
したがって、これらの欠点を伴わない、カルボニル化合物からオキシムを製造する方法が求められている。本発明はこのような方法を提供するものである。本方法においては、複雑かつ困難な合成方法も後処理も必要とせずに、環境面で魅力的な水等の溶媒の存在下でも高活性を示す触媒が使用される。
【0009】
したがって本発明は、液相中、触媒の存在下にカルボニル化合物をNHおよびHと反応させることにより対応するオキシムを形成させるオキシムの製造方法であって、触媒が、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分を含み、前記触媒成分が、ニオブを、酸化物として計算して少なくとも50重量%含むことを特徴とする方法に関する。
【0010】
この種の触媒を用いることにより高い選択性および高い活性を有する方法が得られ、その結果としてオキシムの収率が高くなることが見出された。本方法を用いることにより、触媒を使用せずにヒドロキシルアミンを使用する方法で生成する副生物が回避される。また、この反応は水性媒体中で実施することができる。触媒は反応媒体に溶解しない不均一触媒である。したがって、これは反応生成物から容易に分離できると共に所望に応じて再利用することができる。
【0011】
本発明に使用される触媒は、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分を含み、前記触媒成分は、ニオブを、酸化物として計算して少なくとも50重量%含む。触媒は、他の触媒成分、すなわち周期律表第4族および第7〜14族等の他の族の金属の酸化物を含むことができる。一実施形態においては、触媒中に存在する触媒成分全体の少なくとも50重量%、その中でも特に少なくとも70重量%、さらにその中でも特に少なくとも90重量%が第5族および第6族の金属の酸化物からなる。一実施形態においては、触媒成分は、第5および6族の金属の酸化物から本質的になり、ここで、から本質的になるという表現は、他の成分は混入物程度にしか存在しないことを意味する。
【0012】
上述したように、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分は、ニオブを酸化物として計算して少なくとも50重量%含む。所望により、他の第5族金属、例えばバナジウムも存在させることができる。
【0013】
第6族の中では、クロム、モリブデン、およびタングステン、またはこれらの組合せが好ましく、タングステンを使用することが特に好ましい。
【0014】
一実施形態においては、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分は、第5族金属成分を、酸化物として計算して少なくとも70重量%、その中でも特に少なくとも80重量%、その中でも特に少なくとも90重量%含む。一実施形態においては、触媒成分は、ニオブを、酸化物として計算して少なくとも70重量%、その中でも特に少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%含む。その中でも特に、触媒成分は、第5族金属成分、その中でも特にニオビアから本質的になるものとすることができる。
【0015】
一実施形態においては、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分は、ニオビアおよびバナジアの両方を含み、特にニオブを、酸化物として計算して少なくとも50重量%、その中でも特に少なくとも70重量%、さらにその中でも特に少なくとも90重量%含み、バナジアを50重量%まで、特に30重量%まで、その中でも特に10重量%まで含む。
【0016】
本発明による方法においては、以下の物理的性質を有する触媒を使用することができる:
表面積(B.E.Tにより測定)は、一般に少なくとも10m/g、好ましくは少なくとも20m/gである。一実施形態においては、触媒の表面積は少なくとも80m/gである。一般に触媒は表面積がより高い方がより活性が高くなる。表面積の上限は本発明に重要ではない。一般的な値として言える上限は500m/gである。
【0017】
細孔容積(N吸着により測定)は、一般に少なくとも0.05cm/g、好ましくは少なくとも0.10cm/gである。細孔容積が低すぎると触媒の活性が低下する可能性がある。細孔容積の上限は本発明には重要ではない。一般的な値として言える上限は2cm/gである。
【0018】
平均細孔径(N吸着により測定)は、一般に少なくとも1nm、好ましくは少なくとも2nmである。好ましいと言える範囲は3〜15nm、その中でも特に4〜10nmである。
【0019】
触媒の製造は当該技術分野において周知の方法により行うことができる。一実施形態においては、触媒は、対応する金属の塩を酸素の存在下に焼成ステップに付す方法により製造され、その結果として対応する酸化物が形成される。焼成ステップは、通常は300〜900℃の温度、特に400〜800℃の温度で実施される。
【0020】
他の実施形態においては、出発物質として市販の酸化物が使用される。これらはそのまま使用することができるが、焼成ステップに付して例えば汚染物質を除去することも、あるいは触媒形態を変化させることが好ましい場合もある。好適な焼成条件としては、空気もしくは酸素または不活性ガスの存在下に、一般に少なくとも300℃、好ましくは少なくとも350℃の温度で焼成することが挙げられる。最高温度と述べることができる値は900℃である。好ましくは、焼成は、350〜450℃の温度で行われる。
【0021】
焼成時間は通常は重要ではなく、焼成温度に依存することになる。一般に10分間〜12時間の時間が好適であり、2〜5時間がより好ましい。
【0022】
触媒成分は担体材料上に存在しても存在しなくてもよい。好適な担体材料は当該技術分野において周知であり、例えば、シリカまたはアルミナまたは活性炭のうちの1種またはそれ以上の粒子を含む。触媒成分が担体上に存在する場合は、例えば、酸化物として計算して2〜90重量%の量、その中でも特に20〜90重量%の量、さらにその中でも特に40〜90重量%の量で存在することができる。具体的な量は選択された方法の構成に依存することになる。
【0023】
担体材料を含む触媒は当該技術分野において周知の方法により製造することができる。好適な方法は、金属酸化物の前駆体を担体材料と一体化させるステップと、この材料を焼成することにより前駆体を対応する酸化物に変換するステップとを含む。好適な前駆体は、例えば金属塩である。焼成条件については上述したものを参照されたい。一実施形態においては、金属酸化物の前駆体を担体材料と一体化させるステップは、担体材料の粒子を金属塩を含む含浸液と接触させることを含む。他の実施形態においては、金属酸化物の前駆体を担体材料と接触させるステップは、担体材料の前駆体、例えば、アルミニウム三水和物またはアルミニウム一水和物を金属酸化物または金属酸化物の前駆体と一緒に粉砕するかまたはそれ以外の混合を行った後、この混合物を焼成ステップに付すことにより担体材料の前駆体を酸化物に変換することを含む。所望により、担体材料の前駆体を酸化物に変換する前に、例えば、押出成形、造粒、または当該技術分野において周知の他の手段を用いて付形ステップを行ってもよい。材料を粉末形態で処理する方法も可能である。
【0024】
本発明による方法において出発物質として使用されるカルボニル化合物は、ケトンまたはアルデヒドである。好適なケトンは、一般に、式R1−CO−R2(式中、R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシル、アルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基で任意選択的に置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基から選択され、R1およびR2は、1〜20個の炭素原子を有し、R1およびR2は、結合して環状アルキルまたは(ヘテロ)アリール化合物を形成していてもよい)のケトンである。一実施形態においては、好ましいケトンは環状アルキルケトンであり、環は5〜12個の炭素原子を含み、環は、任意選択的にC1〜C6アルキル基で置換されていてもよい。特に好ましいケトンは、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、t−ブチル−シクロヘキサノン、およびシクロドデカノンである。
【0025】
他の実施形態においては、好ましいケトンは、式R1−CO−R2(式中、R1およびR2は、C1〜C6アルキルおよびフェニルから選択される)のケトンである。この群の好適なケトンの例としては、アセトン、メチル−エチル−ケトン、アセトフェノン、およびベンゾフェノンが挙げられる。
【0026】
一般に好適なアルデヒドは、式R3−CHOを有するアルデヒド(式中、R3は、ヒドロキシル、アルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基で任意選択的に置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基から選択され、R3は、1〜20個の炭素原子を有する)である。好ましい実施形態においては、R3は、任意選択的に置換されたフェニルおよびC1〜C10アルキルから選択される。好ましいアルデヒドとして、ベンズアルデヒド、p−トルアルデヒド、およびサリチルアルデヒドを挙げることができる。
【0027】
本発明による方法を用いて製造することができる好ましいオキシムは、上述した好ましいケトンおよびアルデヒドに対応するオキシムである。特に好ましいオキシムとして、以下の化合物すなわちシクロヘキサノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、サリチルアルドキシム、およびアセトフェノンオキシムを挙げることができ、シクロヘキサノンオキシムが特に好ましい。
【0028】
反応は液相中で行われる。これは、反応中は少なくともカルボニル化合物が液相中にあることを意味する。
【0029】
反応は、通常、液体媒体の存在下に実施される。液体媒体は、例えば、HおよびNHの溶媒となることによって、様々な反応体が確実に十分に接触することを助けるものである。液体媒体は、反応体を希釈することにより副生物の形成防止を助けることもできる。
【0030】
液体媒体は、水、有機液体、およびこれらの混合物から選択することができる。水が最も好適な反応媒体である。有機液体を使用することもできるが、但し、NHまたは(適切であれば)アンモニア水を溶解させることができる場合に限る。反応媒体の沸点は好ましい反応温度を上回ることが必要である。
【0031】
環境面から、水を含む液体媒体を使用することが好ましい。特に好ましくは、水を少なくとも50重量%、好ましくは水を少なくとも70重量%、より好ましくは水を少なくとも90重量%含む媒体が使用される。
【0032】
反応を実施する温度は、カルボニル化合物および反応媒体が液相中に存在するように選択される。上限は、これらの化合物の反応条件下における沸点に支配される。より高い反応温度を用いると反応速度が増大するが、副生物の形成も増大する。より低い反応温度を用いると選択性が増大するが、反応速度も低下する。一実施形態においては、反応が実施される最高温度は100℃、特に90℃、その中でも特に80℃である。一実施形態においては、反応は、少なくとも4℃、特に少なくとも20℃、その中でも特に少なくとも50℃の温度で実施される。
【0033】
反応は、好ましくは大気圧下で実施される。反応媒体中におけるNHの濃度を増大させるのを助けるために5バールまでの圧力を適用することができる。
【0034】
カルボニル化合物およびNHのモル比は、通常は1:5〜5:1の範囲、特に1:2〜2:1の範囲、その中でも特に1:1〜1:2の範囲にある。NHおよびHのモル比は、通常は1:5〜5:1の範囲、好ましくは1:2〜2:1の範囲にある。望ましくない副反応を防止するためには、NHおよびHの比は、好ましくは少なくとも1:1、より好ましくは少なくとも1.5:1となるであろう。
【0035】
適切な反応構成の選択は当業者の技術範囲内である。この方法は回分方式または連続方式で実施することができる。この方法が回分式方法である場合、触媒成分(酸化物として計算)をカルボニル化合物100部当たり0.1〜100重量部、特に1〜20重量部使用することが好ましい。この方法が連続式方法である場合は、カルボニル化合物の液時空間速度は、好ましくは触媒成分(酸化物として計算)1kg当たりカルボニル化合物0.1〜100kgの範囲にある。モルで表した場合、カルボニル化合物/触媒のモル比は、好ましくは50:1〜2:1である。
【0036】
触媒は、固定床、例えば、トリクルベッド、沸騰床、または流動床の形態とすることも、あるいは反応媒体中に微分散させることもできる。触媒粒子のサイズおよび形状は、選択された方法に使用するのに好適となるように選択されることになる。固定床の場合、これは、一般に、粒子の直径が0.1〜15mmの範囲にあることを意味する。反応媒体中に微分散された触媒の場合、これは直径が1〜1000、好ましくは1〜100ミクロンであることを意味する。触媒を反応媒体中に微分散させる方法が好ましい場合がある。適切な方法の構成の選択は当業者の技術範囲内である。
【0037】
以下の実施例を用いて本発明を説明するが、これらに限定されるものでも、これらによって限定されるものでもない。
【0038】
[実施例]
実験を以下のように実施した:
触媒1グラムを100ml容の反応器に装入した。触媒を反応媒体25mlに懸濁させた。反応媒体を78℃の温度に維持した。カルボニル化合物2gを装入し、全体をマグネチックスターラーで連続撹拌した。アンモニアの25%水溶液2.8gを加えた。Hの30%水溶液4.6gをシリンジポンプを用いて2g/時の速度で反応器に加えた。転化が完了したら総反応時間が3時間になるように撹拌を継続した。加熱を停止し、反応の最後に反応器の内容物を冷却した。生成物をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0039】
[実施例1:シクロヘキサノンのアンモキシム化−触媒焼成温度の影響]
シクロヘキサノンを上述したようにアンモキシム化方法に付した。反応媒体をエタノールとした。シクロヘキサノン:NH:Hのモル比を1:2:2とした。シクロヘキサノン:Nbのモル比を5:1とした。
【0040】
触媒は市販のニオビアを異なる温度で焼成したとものとした。
【0041】
出発物質は、表面積が123m/g、細孔容積が0.19cm/g、平均細孔径が5.2nmであるニオビア(Nb)を用いた。
【0042】
出発物質を空気中で4時間、異なる温度で焼成した。焼成温度および幾つかの触媒特性を表1Aに示す。
【0043】
【表1】



【0044】
結果を表1Bに示す。
【0045】
【表2】



【0046】
[実施例2:様々なカルボニル化合物のアンモキシム化]
異なる種類のカルボニル化合物を用いて上述したアンモキシム化方法を実施した。触媒として、上述したように400℃の温度で焼成したニオビアを用いた。反応媒体をエタノールとした。シクロヘキサノン:ΝH:Hのモル比を1:2:2とした。シクロヘキサノン:Nbのモル比を5:1とした。結果を表2に示す。
【0047】
【表3】



【0048】
[実施例3:様々な反応媒体を用いたシクロヘキサノンのアンモキシム化]
異なる種類の反応媒体を用いて上述したシクロヘキサノンのアンモキシム化方法を実施した。触媒として、上述したように300℃(実験3.A)または400℃(実験3.Bおよび3.C)の温度で焼成したニオビアを用いた。シクロヘキサノン:NH:Hのモル比を1:2:2とした。シクロヘキサノン:Nbのモル比を5:1とした。結果を表3に示す。
【0049】
【表4】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相中、触媒の存在下に、カルボニル化合物をNHおよびHと反応させることにより対応するオキシムを形成させるオキシムの製造方法であって、前記触媒が、第5族および第6族の金属の酸化物から選択される触媒成分を含み、前記触媒成分が、ニオブを酸化物として計算して少なくとも50重量%含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記触媒成分の少なくとも70重量%、その中でも特に少なくとも80重量%、さらにその中でも特に少なくとも90重量%が第5族および第6族の金属の酸化物からなることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒成分が、ニオブを、酸化物として計算して少なくとも70重量%、その中でも特に少なくとも80重量%、さらにその中でも特に少なくとも90重量%含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒成分が、ニオビアから本質的になることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒の表面積が少なくとも80m/gであり、細孔容積が少なくとも0.1cm/gであり、平均細孔径が3〜10nmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記カルボニル化合物が、式R1−CO−R2(式中、R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシ、アルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基で任意選択的に置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基から選択され、R1およびR2は、1〜20個の炭素原子を有し、R1およびR2は、結合して環状アルキルまたは(ヘテロ)アリール化合物を形成していてもよい)のケトンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ケトンが環状アルキルケトンであり、前記環が、5〜10個の炭素原子を含み、前記環が、任意選択的にC1〜C6アルキル基で置換されていてもよい、特にシクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、t−ブチル−シクロヘキサノン、シクロドデカノンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ケトンが、式R1−CO−R2(式中、R1およびR2は、C1〜C6アルキルおよびフェニル、特にアセトン、メチル−エチル−ケトン、アセトフェノン、およびベンゾフェノンから選択される)のケトンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記カルボニル化合物が、式R3−CHO(式中、R3は、ヒドロキシ、アルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基で任意選択的に置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、および複素環式アリール基から選択され、R3は、1〜20個の炭素原子を有する)のアルデヒドであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
R3が、任意選択的に置換されたフェニルおよびC1〜10アルキルから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記反応が、水を好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは水を少なくとも70重量%、より好ましくは水を少なくとも90重量%含む液体媒体の存在下に実施されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応が、最高100℃、特に最高90℃、その中でも特に最高80℃の温度で実施され、かつ前記温度が少なくとも4℃、特に少なくとも20℃、その中でも特に少なくとも50℃であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
カルボニル化合物およびNHのモル比が1:5〜5:1の範囲、特に1:2〜2:1の範囲、その中でも特に1:1〜1:2の範囲にあり、かつNHおよびHのモル比が1:5〜5:1の範囲、好ましくは1:2〜2:1の範囲にあり、より好ましくは少なくとも1:1、その中でもより好ましくは少なくとも1.5:1であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が回分式方法の場合は、触媒成分(酸化物として計算)をカルボニル化合物100部当たり0.1〜100重量部、特に1〜20重量部を使用して実施され、前記方法が連続式方法の場合は、前記カルボニル化合物の液時空間速度が好ましくは触媒成分(酸化物として計算)1kg当たりカルボニル化合物0.1〜100kgの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−518855(P2013−518855A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551626(P2012−551626)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051600
【国際公開番号】WO2011/095563
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】