説明

カルボン酸アミドのアルケニル化法

本発明は、式IIのカルボン酸アミドを、レニウム、マンガン、タングステン、モリブデン、クロムおよび鉄のカルボニル錯体、ハロゲン化物または酸化物から選択される触媒の存在下に、式IIIのアルキンと反応させる、式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸アミドと末端アルキンとの反応によりN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドを製造する方法に関する。
【0002】
カルボン酸アミドをアルキンへ付加して、相応するN−アルケニル−カルボン酸アミドを製造することはすでに久しく公知である。適切な触媒として、強塩基性化合物、特にカリウム塩、たとえば反応に関与するカルボン酸アミドのカリウム塩を使用する(W.Reppe、Liebigs Ann.Chem. 601、81(1956年))。アルカリ金属、たとえばカリウム(W.Reppe、Liebigs Ann.Chem. 601、81(1956年))または立体障害アルカリ金属アルコラート(WO89/09210)を使用することも可能である。さらに、T.Kondo等は、J.Chem.Soc.Chem.Commun.1995年、413において、1−ヘキシンをたとえばアセトアニリドを用いて180℃で加圧下にレニウムカルボニル触媒により反応させることを記載していた。
【0003】
従来技術による方法では、相応するN−アルケニル−カルボン酸アミドの収率になお改善の余地があるか、かつ/または技術的に極めて高価であることが共通している。
【0004】
従って本発明の根底には、より高い収率で進行するN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドの簡単な製造方法を提供するという課題が存在している。
【0005】
さらに該方法は、熱に不安定なカルボン酸アミドおよびN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドが分解しない温度で実施することができる方法であるべきである。
【0006】
該方法は、塩基に不安定な原料の反応もしくは塩基に不安定な生成物の合成を可能にすべきである。
【0007】
最後に該方法は、触媒のためのコストを制限するために、少ない触媒量で実施可能であるべきである。
【0008】
意外なことに前記課題は、触媒として、レニウム、マンガン、タングステン、モリブデン、クロムまたは鉄のカルボニル錯体を使用する場合に解決されることが判明した。
【0009】
従って本発明の対象は、式I
【化1】

[式中、
1は、水素または−C(=X)NR2−CH=CH−Rを表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、
2は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
C(=X)R6を表し、
3は、C1〜C4−アルキルを表し、
4、R5は、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
6は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、あるいは、
1およびR2は一緒になって、−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を表し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
あるいは、
一緒になって、基(a12)、(b12)または(C12
【化2】

を表し、該基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
あるいは
1およびR6は一緒になって−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を表し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、0、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
あるいは
一緒になって、Ar−1,2−ジイル、ナフト−1,8−ジイルまたはヘタール−1,2−ジイルを表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
あるいは、
一緒になって基(a16)、(b16)または(C16
【化3】

を表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
Xは、O、SまたはNR7を表し、その際、R7は、水素またはC1〜C8−アルキルを表し、
Rは、H、C1〜C8−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル−C1〜C4−アルキルまたはフェニルを表し、その際、最後の挙げた2つの基のフェニル基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されている]のN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドの製造方法であって、式IIのカルボン酸アミド
【化4】

[式中、R1、R2およびXは、上記の意味を有し、ならびに基−(=X)NR2−CH=CH−Rが式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミド中に複数含まれている場合には、さらに相応する位置に−C(=X)NHR2が含有されており、ならびに基−COO−CH=CH−Rが、式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミド中に1つもしくは複数含まれている場合には、さらに相応する位置に−COOHが含まれている]と、式IIIのアルキン
H−C≡C−H (III)
[式中、Rは、上記の意味を有する]とを、レニウム、マンガン、タングステン、モリブデン、クロムまたは鉄のカルボニル錯体、ハロゲン化物または酸化物から選択されている触媒の存在下に反応させることを含む、式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドの製造方法である。
【0010】
アルキル基は、前記の炭素数を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であってよい。このようなアルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−ドデシル等、有利にはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチルおよびi−ブチルである。
【0011】
2〜C20−アルケニル基の例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ブテン−1−イル、ブテン−2−イル、イソブテニルなど、有利にはエテニル、2−プロペニルまたはブテン−2−イルである。
【0012】
3〜C7−シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルであり、有利にはシクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
【0013】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、有利にはフッ素、塩素または臭素を意味する。
【0014】
アリールは、特にフェニルまたはナフチル、有利にはフェニルを意味する。
【0015】
ヘタリールは、特にフリル、チエニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−オキシジアゾリル、1,2,4−オキシジアゾリル、1,2,5−オキシジアゾリル、1,3,4−オキシジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、1,3,4−トリアジニル、1,2,4−トリアジニルまたはテトラジニル、有利にはピリジルを意味する。
【0016】
アル−1,2−ジイルは、特にフェン−1,2−ジイルまたはナフト−2,3−ジイル、有利にはフェン−1,2−ジイルを表す。
【0017】
ヘタール−1,2−ジイルは、特にピリジン−2,3−ジイルを意味する。
【0018】
基C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルアミノおよびジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ中のアルキル基は、そのつどメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチルである。
【0019】
触媒として、レニウム、マンガン、タングステン、モリブデン、クロムまたは鉄のカルボニル錯体、ハロゲン化物または酸化物を使用する。カルボニル錯体とは、少なくとも1のカルボニル基をリガンドとして有しており、相応する金属の残りの配位位置が、その他のリガンドによって占有されていてもよい化合物であると理解すべきである。このようなリガンドの例を以下に記載する。ハロゲン化物および酸化物とは、相応する金属の1もしくは複数の配位箇所および/または価数が、C1〜C8−アルキル基により占有されている化合物でもあり、ならびにオキシハロゲン化物とも理解すべきである。このための1例は、CH3ReO3である。
【0020】
触媒は、全ての酸化状態で存在していてよく、カルボニル錯体の場合には、触媒は有利には0または1の酸化状態で存在している。
【0021】
有利な触媒は、レニウム、マンガンまたはモリブデンの、特にレニウムのカルボニル錯体、酸化物またはハロゲン化物である。レニウムおよびマンガンの、特にレニウムのカルボニル錯体が特に適切であることが判明した。
【0022】
特に効果的であるのは、上記の金属のカルボニル錯体である。カルボニル基の1または複数は、適切なリガンド、たとえばハロゲン、特に塩素または臭素、ホスフィンリガンド、たとえばトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィンなど、アミンリガンド、たとえばNH3、エチレンジアミン等、アルコールリガンド、たとえばフェノール、メタノール、エタノールなど、エーテルリガンド、たとえばテトラヒドロフラン(THF)等、炭化水素リガンド、たとえばシクロペンタジエニル(Cp)、ペンタメチルシクロペンタジエニル(ペンタメチル−Cp)、シクロオクタ−1,5−ジエン、またはアセトニトリルなど、またはH2Oによって交換されていてもよい。適切な触媒の例は、Mn2(CO)10、W(CO)6、Mo(CO)6、Cr(CO)6、Fe(CO)5およびFe2(CO)9である。
【0023】
レニウム触媒が特に好適であることが判明した。このための例は、レニウムカルボニル錯体、たとえばRe2(CO)10、Re(CO)5Cl、Re(CO)5Br、ReBr(CO)3(CH3CN)2、ReCp(CO)3、Re(ペンタメチル−Cp)(CO)3、ReCl(CO)3(CH3CN)2、ReBr(CO)3(THF)2およびReCl(CO)3(THF)2、酸化レニウム、たとえばRe2(ペンタ−メチル−Cp)24、Re(ペンタ−メチル−Cp)2OCl2、Re27およびReCH33、レニウムハロゲン化物、たとえばReCl3またはReBr3またはReCp2およびReである。
【0024】
特に有利な触媒は、Re2(CO)10である。
【0025】
反応は、均一な、または不均一な液相で行うことができる。均一な液相が所望されている場合、反応媒体中で可溶性であるか、または反応の間に溶解する触媒を使用する。このような触媒は、特にここで問題となっている金属のカルボニル錯体またはReCp2である。不均一系触媒は通常、これらの金属のハロゲン化物または「純粋な」酸化物、たとえばRe27、ならびレニウム金属である。不均一系触媒は直接に、たとえば粉末の形で、または担体上に施与して使用することができる。適切な担体はたとえば炭素、ゼオライト、酸化アルミニウム、酸化ケイ素である。
【0026】
一般に触媒は、そのつど式IIの化合物の当量に対して、0.000005〜1モル%の量で、有利には0.000005〜0.5モル%、好ましくは0.00001〜0.1モル%、および特に0.00005〜0.05モル%、0.0001〜0.05モル%、0.0005〜0.01モル%、または0.001〜0.01モル%の量で使用する。「当量」という表現は、式IIIの化合物と反応することができる、式IIの−C(=X)NHR2基および−COOH基に対する。
【0027】
適切な出発化合物は、式中で、基R1、R2およびXが、単独でも、または相互の組み合わせとしても以下の意味を有する式IIのカルボン酸アミドである:
1が、水素または−C(=X)NHR2を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、
有利には
1が、水素または−C(=X)NHR2を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシおよび−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシ、および−C(=X)NHR2から選択されており、
特に
1が、水素を表すか、または
1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニルまたは−C(=X)NHR2から選択されており、または
フェニルを表し、これは、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルコキシおよび−C(=X)NHR2から選択されており、
2は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
有利には
水素を表すか、または
1〜C8−アルキルを表し、該基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールを表し、これは、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
特に
水素を表すか、または
1〜C8−アルキルを表すか、または
フェニルを表し、これは、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
3は、C1〜C4−アルキルを表し、
4、R5は、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
Xは、Oを表す。
【0028】
特に適切であるのは、脂肪族モノカルボン酸アミド、たとえば脂肪族モノカルボン酸アミド自体(R2=水素)、脂肪族N−(C1〜C8−アルキル)−モノカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)または脂肪族モノカルボン酸アニリド(R2=フェニル)または脂環式モノカルボン酸アミド、たとえば脂環式モノカルボン酸アミド自体(R2=水素)である。
【0029】
脂肪族モノカルボン酸アミド自体(R2=水素)の例は、ギ酸アミド、酢酸アミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、吉草酸アミド、ヘキサン酸アミド、ヘプタン酸アミド、オクタン酸アミド、ノナン酸アミド、デカン酸アミド、2−メチルプロピオン酸アミド、2−メチル酪酸アミド、3−メチル酪酸アミド、2−メチルペンタン酸アミド、2−エチルヘキサン酸アミド、2−プロピルヘプタン酸アミド、ピバリン酸アミド、ネオノナン酸アミド、ネオデカン酸アミド、ネオトリデカン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミドまたはフェニル酢酸アミドである。
【0030】
脂肪族N−(C1〜C8−アルキル)−モノカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)の例は、N−メチルギ酸アミド、N−メチル酢酸アミド、N−メチルプロピオン酸アミド、N−メチル酪酸アミド、N−メチル吉草酸アミド、N−メチルヘキサン酸アミド、N−メチルヘプタン酸アミド、N−メチルオクタン酸アミド、N−メチルノナン酸アミド、N−メチルデカン酸アミド、N−メチル−2−メチルプロピオン酸アミド、N−メチル−2−メチル酪酸アミド、N−メチル−3−メチル酪酸アミド、N−メチル−2−メチルペンタン酸アミド、N−メチル−2−エチルヘキサン酸アミド、N−メチル−2−プロピルヘプタン酸アミド、N−メチルピバリン酸アミド、N−メチルネオノナン酸アミド、N−メチルネオデカン酸アミド、N−メチルネオトリデカン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、N−メチルオレイン酸アミド、N−メチルラウリン酸アミド、N−メチルパルミチン酸アミド、N−メチルアクリル酸アミド、N−メチルメタクリル酸アミド、N−メチルクロトン酸アミド、N−メチルケイ皮酸アミド、N−メチルフェニル酢酸アミド、N−エチルギ酸アミド、N−エチル酢酸アミド、N−エチルプロピオン酸アミド、N−エチル酪酸アミド、N−エチル吉草酸アミド、N−エチルヘキサン酸アミド、N−エチルヘプタン酸アミド、N−エチルオクタン酸アミド、N−エチルノナン酸アミド、N−エチルデカン酸アミド、N−エチル−2−メチルプロピオン酸アミド、N−エチル−2−メチル酪酸アミド、N−エチル−3−メチル酪酸アミド、N−エチル−2−メチルペンタン酸アミド、N−エチル−2−エチルヘキサン酸アミド、N−エチル−2−プロピルヘプタン酸アミド、N−エチルピバリン酸アミド、N−エチルネオノナン酸アミド、N−エチルネオデカン酸アミド、N−エチルネオトリデカン酸アミド、N−エチルステアリン酸アミド、N−エチルオレイン酸アミド、N−エチルラウリン酸アミド、N−エチルパルミチン酸アミド、N−エチルアクリル酸アミド、N−エチルメタクリル酸アミド、N−エチルクロトン酸アミド、N−エチルケイ皮酸アミドまたはN−エチルフェニル酢酸アミドである。
【0031】
脂肪族モノカルボン酸アニリド(R2=フェニル)の例は、N−フェニルギ酸アミド、N−フェニル酢酸アミド、N−フェニルプロピオン酸アミド、N−フェニル酪酸アミド、N−フェニル吉草酸アミド、N−フェニルヘキサン酸アミド、N−フェニルヘプタン酸アミド、N−フェニルオクタン酸アミド、N−フェニルノナン酸アミド、N−フェニルデカン酸アミド、N−フェニル−2−メチルプロピオン酸アミド、N−フェニル−2−メチル酪酸アミド、N−フェニル−3−メチル酪酸アミド、N−フェニル−2−メチルペンタン酸アミド、N−フェニル−2−エチルヘキサン酸アミド、N−フェニル−2−プロピルヘプタン酸アミド、N−フェニル−ピバリン酸アミド、N−フェニルネオノナン酸アミド、N−フェニルネオデカン酸アミド、N−フェニルネオトリデカン酸アミド、N−フェニルステアリン酸アミド、N−フェニルオレイン酸アミド、N−フェニルラウリン酸アミド、N−フェニルパルミチン酸アミド、N−フェニルアクリル酸アミド、N−フェニルメタクリル酸アミド、N−フェニルクロトン酸アミド、N−フェニルケイ皮酸アミド、N−フェニルフェニル酢酸アミドである。
【0032】
脂環式モノカルボン酸アミド自体(R2=水素)の例は、シクロヘキサンカルボン酸アミドおよびシクロヘプタンカルボン酸アミドであり、有利にはシクロヘキサンカルボン酸アミドである。
【0033】
特に適切であるのは、脂肪族ポリカルボン酸アミドでもあり、特に脂肪族ジカルボン酸アミド、たとえば脂肪族ジカルボン酸アミド自体(R2=水素)、脂肪族N−(C1〜C8−アルキル)−ジカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)または脂肪族ジカルボン酸アニリド(R2=フェニル)である。
【0034】
脂肪族ジカルボン酸アミド自体(R2=水素)の例は、オキサミド(R1=−CONH2)、マロン酸ジアミド、コハク酸ジアミド、グルタル酸ジアミド、アジピン酸ジアミド、セバシン酸ジアミド、マレイン酸ジアミドまたはフマル酸ジアミドである。
【0035】
脂肪族N−(C1〜C8−アルキル)−ジカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)の例は、ビス−(N−メチル)−シュウ酸アミド(R1=−CONHCH3)、ビス−(N−メチル)−マロン酸アミド、ビス−(N−メチル)−コハク酸アミド、ビス−(N−メチル)−グルタル酸アミド、ビス−(N−メチル)−アジピン酸アミド、ビス−(N−メチル)−セバシン酸アミド、ビス−(N−メチル)−マレイン酸アミド、ビス−(N−メチル)−フマル酸アミド、ビス−(N−エチル)−シュウ酸アミド(R1=−CONHCH3)、ビス−(N−エチル)マロン酸アミド、ビス−(N−エチル)−コハク酸アミド、ビス−(N−エチル)−グルタル酸アミド、ビス−(N−エチル)−アジピン酸アミド、ビス−(N−エチル)−セバシン酸アミド、ビス−(N−エチル)−マレイン酸アミドまたはビス−(N−エチル)−フマル酸アミドである。
【0036】
脂肪族ジカルボン酸アニリド(R2=フェニル)の例は、ビス−(N−フェニル)−シュウ酸アミド(R1=−CONHCH3)、ビス−(N−フェニル)マロン酸アミド、ビス−(N−フェニル)−コハク酸アミド、ビス−(N−フェニル)−グルタル酸アミド、ビス−(N−フェニル)−アジピン酸アミド、ビス−(N−フェニル)セバシン酸アミド、ビス−(N−フェニル)−マレイン酸アミドまたはビス−(N−フェニル)−フマル酸アミドである。
【0037】
特に適切であるのは、芳香族モノカルボン酸アミド、たとえば芳香族モノカルボン酸アミド自体(R2=水素)、芳香族N−(C1〜C8−アルキル)−モノカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)または芳香族モノカルボン酸アニリド(R2=フェニル)である。
【0038】
芳香族モノカルボン酸アミド自体(R2=水素)の例は、安息香酸アミド、2−クロロ−安息香酸アミド、3−クロロ−安息香酸アミド、4−クロロ−安息香酸アミド、2,3−ジクロロ−安息香酸アミド、2,4−ジクロロ−安息香酸アミド、2,6−ジクロロ−安息香酸アミド、3,4−ジクロロ−安息香酸アミド、2,4,6−トリクロロ安息香酸アミド、2−メチル−安息香酸アミド、3−メチル−安息香酸アミド、4−メチル−安息香酸アミド、2,3−ジメチル−安息香酸アミド、2,4−ジメチル−安息香酸アミド、2,6−ジメチル−安息香酸アミド、3,4−ジメチル−安息香酸アミド、2,4,6−トリメチル安息香酸アミド、2−メトキシ−安息香酸アミド、3−メトキシ−安息香酸アミド、4−メトキシ−安息香酸アミド、2,3−ジメトキシ−安息香酸アミド、2,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、2,6−ジメトキシ−安息香酸アミド、3,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、2,4,6−トリメトキシ安息香酸アミドまたは3,4,5−トリメトキシ安息香酸アミドである。
【0039】
芳香族N−(C1〜C8−アルキル)−モノカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)の例は、N−メチル安息香酸アミド、N−メチル−2−クロロ−安息香酸アミド、N−メチル−3−クロロ安息香酸アミド、N−メチル−4−クロロ−安息香酸アミド、N−メチル−2,3−ジクロロ−安息香酸アミド、N−メチル−2,4−ジクロロ−安息香酸アミド、N−メチル−2,6−ジクロロ−安息香酸アミド、N−メチル−3,4−ジクロロ−安息香酸アミド、N−メチル−2,4,6−トリクロロ安息香酸アミド、N−メチル−2−メチル−安息香酸アミド、N−メチル−3−メチル−安息香酸アミド、N−メチル−4−メチル−安息香酸アミド、N−メチル−2,3−ジメチル−安息香酸アミド、N−メチル−2,4−ジメチル−安息香酸アミド、N−メチル−2,6−ジメチル−安息香酸アミド、N−メチル−3,4−ジメチル−安息香酸アミド、N−メチル−2,4,6−トリメチル安息香酸アミド、N−メイル2−メトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−3−メトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−4−メトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,3−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,6−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−3,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,4,6−トリメトキシ安息香酸アミド、N−メチル−3,4,5−トリメトキシ安息香酸アミド、N−エチル安息香酸アミド、N−エチル−2−クロロ−安息香酸アミド、N−エチル−3−クロロ−安息香酸アミド、N−エチル−4−クロロ−安息香酸アミド、N−エチル−2,3−ジクロロ−安息香酸アミド、N−エチル−2,4−ジクロロ安息香酸アミド、N−エチル−2,6−ジクロロ−安息香酸アミド、N−エチル−3,4−ジクロロ−安息香酸アミド、N−エチル−2,4,6−トリクロロ安息香酸アミド、N−エチル−2−メチル−安息香酸アミド、N−エチル−3−メチル−安息香酸アミド、N−エチル−4−メチル−安息香酸アミド、N−エチル−2,3−ジメチル−安息香酸アミド、N−エチル−2,4−ジメチル−安息香酸アミド、N−エチル−2,6−ジメチル−安息香酸アミド、N−エチル−3,4−ジメチル−安息香酸アミド、N−エチル−2,4,6−トリメチル安息香酸アミド、N−エチル−2−メトキシ−安息香酸アミド、N−エチル−3−メトキシ−安息香酸アミド、N−エチル−4−メトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,3−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−エチル−2,6−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−エチル−3,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−エチル−2,4,6−トリメトキシ安息香酸アミドまたはN−エチル−3,4,5−トリメトキシ安息香酸アミドである。
【0040】
芳香族モノカルボン酸アニリド(R2=フェニル)の例は、N−フェニル−安息香酸アミド、N−フェニル−2−クロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−3−クロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−4−クロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−2,3−ジクロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−2,4−ジクロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−2,6−ジクロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−3,4−ジクロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−2,4,6−トリクロロ−安息香酸アミド、N−フェニル−2−メチル−安息香酸アミド、N−フェニル−3−メチル−安息香酸アミド、N−フェニル−4−メチル−安息香酸アミド、N−フェニル−2,3−ジメチル−安息香酸アミド、N−フェニル−2,4−ジメチル−安息香酸アミド、N−フェニル−2,6−ジメチル−安息香酸アミド、N−フェニル−3,4−ジメチル−安息香酸アミド、N−フェニル−2,4,6−トリメチル安息香酸アミド、N−フェニル−2−メトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−3−メトキシ−安息香酸アミド、N−フェニル−4−メトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,3−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−フェニル−2,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,6−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−フェニル−3,4−ジメトキシ−安息香酸アミド、N−メチル−2,4,6−トリメトキシ安息香酸アミドである。
【0041】
特に適切であるのはまた、芳香族ポリカルボン酸アミド、たとえば芳香族ジカルボン酸アミド、トリカルボン酸アミド、テトラカルボン酸アミド、ペンタカルボン酸アミドまたはヘキサカルボン酸アミド自体(R2=水素)、有利には芳香族ジカルボン酸自体(R2=水素)、芳香族N−(C1〜C8−アルキル)−ジカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)、芳香族ジカルボン酸アニリド(R2=フェニル)である。
【0042】
芳香族ジカルボン酸アミド自体(R2=水素)の例は、フタル酸ジアミド、イソフタル酸ジアミドまたはテレフタル酸ジアミドである。
【0043】
芳香族N−(C1〜C8−アルキル)−ジカルボン酸アミド(R2=C1〜C8−アルキル)の例は、ビス−(N−メチル)−フタル酸ジアミド、ビス−(N−メチル)−イソフタル酸ジアミド、ビス−(N−メチル)−テレフタル酸ジアミド、ビス−(N−エチル)−フタル酸ジアミド、ビス−(N−エチル)−イソフタル酸ジアミドまたはビス−(N−エチル)−テレフタル酸ジアミドである。
【0044】
芳香族ジカルボン酸アニリド(R2=フェニル)の例は、ビス−(N−フェニル)−フタル酸ジアミド、ビス−(N−フェニル)−イソフタル酸ジアミド、ビス−(N−フェニル)−テレフタル酸ジアミドである。
【0045】
適切な出発化合物は、式中で、基R1、R2およびXが、単独で、または相互に組み合わされて、以下の意味を有する式IIのカルボン酸アミドでもある:
1は、水素または−C(=X)NHR2を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、
有利には、
水素を表すか、または
1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1または2の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係にフェニル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
特に、
水素を表すか、または
1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、フェニルにより置換されていてもよく、または
フェニルを表し、これは、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
2は、C(=X)R6を表し、
3は、C1〜C4−アルキルを表し、
4、R5は、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
6は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2個の基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、
有利には、
水素を表すか、または
1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2個の基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
特に、
1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、フェニルにより置換されていてもよく、または
フェニルを表し、これは、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
Xは、Oを表す。
【0046】
特に適切であるのは、脂肪族カルボン酸イミド、たとえばN,N−ビスホルミル−アミン、N,N−ビスアセチル−アミンまたはN,N−ビスプロピニル−アミンである。
【0047】
特に適切であるのは、芳香族カルボン酸アミド、たとえばN,N−ビスベンゾイル−アミンである。
【0048】
特に適切であるのは、混合された脂肪族−芳香族カルボン酸アミド、たとえばN−ベンゾイル−N−ホルミルアミン、N−アセチル−N−ベンゾイルアミンまたはN−ベンゾイル−N−プロピオニル−アミンである。
【0049】
適切な出発化合物は、式中で、基R1、R2およびXが、単独で、および相互に組み合わされて以下の意味を有する式IIのカルボン酸アミドでもある:
1およびR2は一緒になって、−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を形成し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
有利にはn=2、3、4または5である−(CH2n−鎖、またはp=0およびq=2である−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を形成し、
あるいは、
一緒になって、基(a12)、(b12)または(C12
【化5】

を表し、該基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
有利には、式IIの化合物は、式IIa12-1、IIa12-2、IIb12-1、IIb12-2またはIIc12-1の化合物
【化6】

を表し、
Xは、Oを表す。
【0050】
特に適切であるのは、環式カルボン酸アミド、たとえば2−ピロリドン、ペンタン−5−ラクタム、2−(1H)−ピリドン、カプロラクタム(=アゼパン−2−オン)、特に2−ピロリドンおよびカプロラクタム、有利には2−ピロリドンである。
【0051】
適切な出発化合物は、式中で、基R1、R6およびXが、単独で、ならびに相互に組み合わされて以下の意味を有する式IIのカルボン酸アミドでもある:
1およびR6は一緒になって−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を表し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、0、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
有利にはn=2、3、4または5の−(CH2n−鎖、またはp=0、q=1の−C(CH2p−C(CH=CH)q−鎖を表し、
あるいは
一緒になって、Ar−1,2−ジイル、ナフト−1,8−ジイルまたはヘタール−1,2−ジイルを表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
有利にはフェン−1,2−ジイルまたはナフト−1,8−ジイルを表し、
あるいは、
一緒になって基(a16)、(b16)または(C16
【化7】

を表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
有利には、化合物IIa16-1
【化8】

の化合物を表し、
Xは、Oを表す。
【0052】
特に適切であるのは、環式ビスカルボン酸アミド、たとえばフマル酸イミド、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、フタル酸イミド、特にフタルイミドである。
【0053】
式IIIの適切な出発化合物は、たとえばアセチレン、プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシンおよびフェニルアセチレンであり、その際、アセチレンが特に有利に使用される。
【0054】
式IIの化合物対式IIIの化合物の量比は、広い範囲で選択可能である。しかし一般に、式IIIの化合物の過剰を使用し、特に式IIの化合物に対して0.1〜20モル%の過剰を使用する。式Iの化合物が、2以上の基−C(=X)NR2−CH=CH−Rおよび/または1以上の基−COOCH=CHRを有している場合、この過剰は相応して、C(=X)NR2−CH=CH−R−もしくは−COOCH=CHR−基あたりで、つまり式IIの化合物の当量あたりで計算される。
【0055】
反応は、一般に適切な不活性溶剤中で実施される。式IIの化合物が、適用される温度で液状である場合、溶剤を省略することもできる。適切な不活性溶剤は、脂肪族および芳香族の炭化水素、たとえばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなど、エーテル、たとえばテトラヒドロフランまたはジオキサン、塩素化炭化水素、たとえば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンまたはクロロベンゼン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンまたはポリエチレングリコールまたはこれらの混合物である。
【0056】
反応温度は広い範囲で自由に選択可能である。反応温度は一般に、出発化合物または生成物が分解することなく、迅速な反応が行われるように選択される。一般に反応は250℃より低い温度で実施される。通常、この温度は70〜230℃の範囲、特に110〜210℃、有利には130〜190℃、150〜180℃、特に有利には160〜170℃の範囲である。
【0057】
使用される式IIIのアルキンに依存して、および場合により使用される溶剤に依存して、反応は加圧下で、または標準圧力で実施することができる。加圧下で作業する場合、反応は通常、1〜50バール(絶対)の圧力で実施され、その際、有利には1〜30バール(絶対)、有利には2〜20バールおよび特に5〜25バール、または10〜20バールに調整される。有利には反応をアセチレンを用いて加圧下に実施する。圧力はたとえば適用される式IIIの化合物により、および/または不活性ガス、たとえば窒素により調整することができる。反応を不活性ガスの存在下で実施する場合、圧力は高めることもでき、特に100バールまで、有利には50バールまで高めることができる。反応時間は通常、0.01〜72時間の範囲、特に0.1〜48時間の範囲である。
【0058】
場合により反応を促進する添加剤、たとえば酢酸亜鉛、リチウム塩、たとえばLiCl、ルイス酸、たとえばBF3等、ルイス塩基、たとえばトリエチルアミン、ピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−オンなど、触媒によりCOにおいて反応し、このことによって自由な配位箇所を作ることができる物質、たとえばトリメチルアミノ−N−オキシドも添加することができる。
【0059】
反応は、不連続的に、連続的に、または半バッチ式の方法で実施することができる。後処理は慣用の方法で、有利には式Iの所望のカルボン酸アミドを留去することにより行うことができる。触媒は塔底に残留し、かつ場合により再使用することができる。有利には反応および/または後処理、特に精留は、重合防止剤の存在下に実施することができる。重合防止剤として、たとえばヒドロキノン、ヒドロキノン−モノメチル−エーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ニトロソ化合物、たとえばイソアクリロニトレート、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシルアミンのニトロソジフェニルアミノ、メチレンブルー、フェノチアジン、タンニン酸またはジフェニルアミンを使用することができる。重合防止剤は、そのつど全バッチに対して、1〜10000ppmの量で、特に100〜1000ppmの量で使用する。
【0060】
特別な実施態様は、式中で、R1およびR2が、−(CH23−鎖を形成し、かつXが、酸素を表す式IIの化合物と、アセチレンとの反応に関する。有利にはこの反応を、70〜220℃、特に120〜190℃、または150〜170℃の範囲の温度で実施する。触媒は特に、式IIのカルボン酸アミドに対して、0.00001〜0.1モル%、とりわけ0.0001〜0.01モル%の量で使用する。
【0061】
さらなる特別な実施態様は、フタル酸イミド(式中で、R1およびR6が一緒になって、フェン−1,2−ジイルを表し、かつXが酸素を表す式IIの化合物)と、アセチレンとの反応である。有利にはこの反応を、70〜220℃、特に120〜190℃、または150〜170℃の範囲の温度で実施する。触媒は、特に、フタルイミドに対して、0.00001〜0.1モル%、特に0.0001〜0.01モル%の量で使用する。
【0062】
以下の例は、本願発明を限定することなく詳細に説明する。GC分析(GC:クロマトグラフィー)は、キャピラリーカラムを用いて、カルボワックス(ポリエチレングリコール)フィルム、たとえばJ & W ScientificのDB Waxを使用して行った。
【0063】
実施例
例1
ホルムアミド2.65g(59ミリモル)、Re2(CO)10 0.5g(0.77ミリモル)およびジオキサン20.7gからなる混合物を、170℃で、2バールの窒素圧および18バールのアセチレン圧において、0.2時間ビニル化した。GC分析によりビニルホルムアミドを検出することができた。
【0064】
例2(重合防止剤を使用しない)
2−ピロリドン10.0g(118ミリモル)、Re2(CO)10 0.5g(0.77ミリモル)およびトルエン17.4gからなる混合物を、170℃で、2バールの窒素圧および18バールのアセチレン圧において、0.2時間ビニル化した。GC分析により測定されたN−ビニル−2−ピロリドンの収率は、95%であった。
【0065】
例3(重合防止剤を使用する)
2−ピロリドン10.0g(118ミリモル)、Re2(CO)10 0.5g(0.77ミリモル)、ジ−t−ブチル−p−クレゾール53mg(0.24ミリモル)およびトルエン17.4gからなる混合物を、170℃で、2バールの窒素圧および18バールのアセチレン圧において、0.2時間ビニル化した。GC分析により測定されたN−ビニル−2−ピロリドンの収率は、98%であった。
【0066】
例4
カプロラクタム6.6g(58ミリモル)、Re2(CO)10 0.5g(0.77ミリモル)およびトルエン17.4gからなる混合物を、170℃で、2バールの窒素圧および18バールのアセチレン圧において、0.2時間ビニル化した。GC分析によりN−ビニルカプロラクタムを検出することができた。
【0067】
例5
フタルイミド29.4g(200ミリモル)、Re2(CO)10 652mg(1.00ミリモル)およびジオキサン59.0gからなる混合物を、160℃で、2バールの窒素圧および18バールのアセチレン圧において、0.2時間ビニル化した。GC分析により測定されたN−ビニルフタルイミドの収率は、94%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
1は、水素または−C(=X)NR2−CH=CH−Rを表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、
2は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
C(=X)R6を表し、
3は、C1〜C4−アルキルを表し、
4、R5は、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
6は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COO−CH=CH−R、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NR2−CH=CH−Rから選択されており、あるいは、
1およびR2は一緒になって、−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を表し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
あるいは、
一緒になって、基(a12)、(b12)または(C12
【化2】

を表し、該基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
あるいは
1およびR6は一緒になって−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を表し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、0、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
あるいは
一緒になって、Ar−1,2−ジイル、ナフト−1,8−ジイルまたはヘタール−1,2−ジイルを表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
あるいは、
一緒になって基(a16)、(b16)または(C16
【化3】

を表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
Xは、O、SまたはNR7を表し、その際、R7は、水素またはC1〜C8−アルキルを表し、
Rは、H、C1〜C8−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、フェニル−C1〜C4−アルキルまたはフェニルを表し、その際、最後に挙げた2個の基のフェニル基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されている]のN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドの製造方法であって、式IIのカルボン酸アミド
【化4】

[式中、R1、R2およびXは、上記の意味を有し、ならびに基−(=X)NR2−CH=CH−Rが式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミド中に複数含まれている場合には、さらに相応する位置に−C(=X)NHR2が含有されており、ならびに基−COO−CH=CH−Rが、式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミド中に1つもしくは複数含まれている場合には、さらに相応する位置に−COOHが含まれている]と、式IIIのアルキン
H−C≡C−H (III)
[式中、Rは、上記の意味を有する]とを、レニウム、マンガン、タングステン、モリブデン、クロムまたは鉄のカルボニル錯体、ハロゲン化物または酸化物、ならびにレニウムCp2およびレニウム金属から選択されている触媒の存在下に反応させることを含む、式IのN−(1−アルケニル)−カルボン酸アミドの製造方法。
【請求項2】
触媒が、レニウムおよびマンガンのカルボニル錯体から選択されている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
触媒として、Re2(CO)10を使用する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
触媒を、式IIの化合物の当量に対して0.000005〜1モル%の範囲の量で使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
式IIIの化合物が、アセチレン、プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシンおよびフェニルアセチレンから選択されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
式IIIの化合物として、アセチレンを使用する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
式中で、
1が、水素または−C(=X)NHR2を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、
2は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1または2個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲンまたはC1〜C4−アルコキシから選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
3は、C1〜C4−アルキルを表し、
4、R5は、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
Xは、Oを表す
式IIの化合物を反応させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
式中で、
1が、水素または−C(=X)NHR2を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、
2は、C(=X)R6を表し、
3は、C1〜C4−アルキルを表し、
4、R5は、水素またはC1〜C4−アルキルを表し、
6は、水素を表すか、または
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表し、その際、最後に挙げた3つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、フェニル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており、または
アリールまたはヘテロアリールを表し、その際、最後に挙げた2つの基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は、相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、C1〜C4−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、−COR3、−COOR3、−COOH、−CONR45、−OCOR3、−OCOOR3、−OCONR45、−NR4COR5、−NR4COOR5、−NR4CONR45および−C(=X)NHR2から選択されており
Xは、Oを表す
式IIの化合物を反応させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
式中で、
1およびR2が一緒になって、−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を形成し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
あるいは
一緒になって基(a12)、(b12)または(C12
【化5】

を表し、該基は、1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
Xは、Oを表す
式IIの化合物を反応させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
式IIの化合物として、2−ピロリドンを反応させる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
式中で、
1およびR6が一緒になって−(CH2n−、−(CH2m−Y−(CH2o−または−(CH2p−(CH=CH)q−鎖を形成し、その際、
nは、2、3、4、5または6を表し、
mは、1、2または3を表し、
oは、1、2または3を表し、
pは、0、1、2または3を表し、
qは、1または2を表し、
Yは、O、SまたはN(C1〜C4−アルキル)を表し、
あるいは
一緒になって、Ar−1,2−ジイル、ナフト−1,8−ジイルまたはヘタール−1,2−ジイルを表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
あるいは、
一緒になって基(a16)、(b16)または(C16
【化6】

を表し、これらは1、2または3個の基により置換されていてもよく、該基は相互に無関係に、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシから選択されており、
Xは、Oを表す
式IIの化合物を反応させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
式IIの化合物として、フタルイミドを使用する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
反応を250℃までの温度で実施する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
反応を、140〜230℃の範囲の温度で実施する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
触媒を、式IIの化合物の当量に対して、0.000001〜0.0025モル%の範囲の量で使用する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
反応および/または反応により得られた反応混合物の後処理を、少なくとも1の重合防止剤の存在下に実施する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
式IIIの化合物を、式IIの化合物の当量に対して、0.1〜20モル%の過剰で使用する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2009−539918(P2009−539918A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514747(P2009−514747)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055444
【国際公開番号】WO2007/144281
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】