説明

カーオーディオ装置、カーオーディオ装置の制御方法及びカーオーディオ装置の制御方法のプログラム

【課題】本発明は、カーオーディオ装置、カーオーディオ装置の制御方法及びカーオーディオ装置の制御方法のプログラムに関し、例えばメモリに記録された音楽コンテンツを再生するカーオーディオ装置に適用して、簡易な取り扱いにより盗難を防止することができるようにする。
【解決手段】本発明は、音楽コンテンツの記録媒体に記録した個人認証データを用いて正規ユーザーか否か判定し、正規ユーザーの場合に限って操作を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーオーディオ装置、カーオーディオ装置の制御方法及びカーオーディオ装置の制御方法のプログラムに関し、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリに記録された音楽コンテンツを再生するカーオーディオ装置に適用することができる。本発明は、音楽コンテンツの記録媒体に記録した個人認証データを用いて正規ユーザーか否か判定し、正規ユーザーの場合に限って操作を受け付けることにより、簡易な取り扱いにより盗難を防止することができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、カーオーディオ装置では、車両に設けられたクレードルに載置して使用する装置が提供されている。このようなカーオーディオ装置は、例えば帰宅時、クレードルから取り外して自宅に持ち帰ることにより、盗難を防止することができる。
【0003】
このような車載装置に関して、例えば特開平11−230763号公報には、盗まれたカーナビゲーション装置を簡易に見つけ出す工夫が提案されている。
【0004】
ところでクレードルから取り外して自宅に持ち帰って盗難を防止する場合、確実に盗難を防止できるものの取り扱いが煩雑な問題がある。
【特許文献1】特開平11−230763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な取り扱いにより盗難を防止することができるカーオーディオ装置、カーオーディオ装置の制御方法及びカーオーディオ装置の制御方法のプログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため請求項1の発明は、別体の記録媒体に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供するカーオーディオ装置に適用して、前記制御部は、記録媒体の所定領域に記録された個人認証データと、前記記録部に保持した前記認証データとの比較により、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定し、前記ユーザーが正規ユーザーの場合に、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作を受け付けないシステムロックの状態を解除し、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作に応動して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供する。
【0007】
また請求項6の発明は、別体の記録媒体に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供するカーオーディオ装置の制御方法に適用して、前記記録媒体の所定領域に記録された個人認証データに基づいて、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定するユーザー認証のステップと、前記ユーザーが正規ユーザーの場合に、操作部で入力される前記ユーザーの操作を受け付けないシステムロックの状態を解除し、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作に応動して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供するコンテンツ提供ステップとを有するようにする。
【0008】
また請求項7の発明は、別体の記録媒体に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供するカーオーディオ装置の制御方法のプログラムに適用して、前記記録媒体の所定領域に記録された個人認証データに基づいて、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定するユーザー認証のステップと、前記ユーザーが正規ユーザーの場合に、操作部で入力される前記ユーザーの操作を受け付けないシステムロックの状態を解除し、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作に応動して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供するコンテンツ提供ステップとを有するようにする。
【0009】
請求項1、請求項6又は請求項7の構成によれば、記録媒体を持ち帰ることにより、カーオーディオ装置を使用困難とすることができる。従ってカーオーディオ装置自体をいちいち取り外して持ち帰らなくても、記録媒体のみを持ち帰ることにより、盗難を防止することができ、従来に比して簡易な取り扱いにより盗難を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来に比して簡易な操作により盗難を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0012】
(1)実施例1の構成
図2は、本発明の実施例1のカーオーディオ装置を示すブロック図である。このカーオーディオ装置1は、チュナー等より得られる音楽コンテンツ、外部機器より得られる音楽コンテンツ等をユーザーに提供する。ここでこの外部機器は、USBメモリである記録媒体、携帯型の音楽プレイヤー、音楽コンテンツを記録して再生可能な携帯電話等である。
【0013】
オーディオ処理部3は、コントローラ4の制御により、内蔵のチュナー等で取得したオーディオデータ、コントローラ4を介して取得される外部機器からのオーディオデータ、コントローラ4で生成されるオーディオデータ等でスピーカ5を駆動し、各種音楽コンテンツ、各種警告音をユーザーに提供する。またコントローラ4の制御により、音質、音量、音場等を設定する。
【0014】
コネクタ6は、例えばUSBのコネクタであり、外部機器が接続される。インターフェース(I/F)7は、USBのインターフェースであり、コネクタ6に接続された外部機器及びコントローラ4との間で種々のデータを送受する。表示部8は、コントローラ4の制御により、音楽コンテンツのタイトル、各種警告、メニュー等を表示する。タッチパネル9は、この表示部8の表示画面の表面に配置され、ユーザーによる操作をコントローラ4に通知する。
【0015】
不揮発性メモリ10は、コントローラ4の制御に必要な各種プログラム、このカーオーディオ装置1の各種情報を記録して保持する。このカーオーディオ装置1では、この各種の情報に、ユーザーを個人認証する認証データ、オーディオ信号処理部の各種設定データが割り当てられる。不揮発性メモリ10は、コントローラ4の制御により、複数の認証データを記録して保持し、認証データ毎に、設定データを記録して保持する。ランダムアクセスメモリ(RAM)11は、コントローラ4のワークエリアを構成し、データ伸長処理の際のオーディオデータ等を一時格納して出力する。
【0016】
コントローラ4は、不揮発性メモリ10に記録されたプログラムを実行するコンピュータであり、タッチパネル9、図示しない操作子、リモートコマンダの操作に従って、このカーオーディオ装置1の動作を制御する。なおこの実施例において、このプログラムは、このカーオーディオ装置1に事前にインストールされて提供されるものの、この事前のインストールに代えて、光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供するようにしてもよく、またインターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよい。
【0017】
図1及び図3は、このコントローラ4の処理手順を示すフローチャートである。コントローラ4は、このカーオーディオ装置1が車両に搭載されて、室内灯、時計等に電源を供給する常時供給の電源供給が開始されるとこの処理手順を開始してステップSP1からステップSP2に移る。なおこの常時供給の電源に代えて、内蔵のバッテリを使用するようにしてもよい。ここでコントローラ4は、この車両の動作を制御するコントローラから通知されるステータス情報ACCにより、ユーザーがこの車両のキーを操作してアクセサリー電源をオン操作し、カーオーディオ装置1に動作用電源の供給が開始されたか否か判断する。ここで否定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP2を繰り返す。
【0018】
これに対してユーザーがアクセサリー電源をオン操作した場合、コントローラ4は、ステップSP2で肯定結果が得られ、ステップSP2からステップSP3に移る。ここでコントローラ4は、システムロック状態で各部の動作を立ち上げる。ここでシステムロック状態は、後述するステップSP5に係る操作を除いてユーザーによる各種操作を受け付けない状態であり、かつ音楽コンテンツの再生を停止した状態である。
【0019】
続いてコントローラ4は、ステップSP4に移り、コネクタ6にUSBメモリ2が装着されているか否か判断する。なおこのUSBメモリ2が装着されているか否か判断は、インターフェース7を介してコネクタ6への外部機器の接続の有無を検出し、さらに外部機器が接続されている場合に、この外部機器の属性を検出して実行される。
【0020】
ここで否定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP4からステップSP5に移り、ユーザーがマニュアル操作により、システムロック状態の解除を指示したか否か判断する。ここでこのカーオーディオ装置1に設けられた操作子のうち、1つ又は複数の特定操作子をユーザーが操作した場合、コントローラ4は、所定のメニュー画面を表示すると共に、このメニュー画面に表示したテンキー等の選択をタッチパネル9を介して検出し、個人認証データの入力を受け付ける。なおここでこの個人認証データは、所定桁数の英数字の文字列である。また入力された個人認証データを演算処理して不揮発性メモリ10に記録した認証データと比較し、ユーザーがこのカーオーディオ装置1に事前に登録された正規ユーザーか否か検出する。
【0021】
ここで個人認証データの演算処理結果が不揮発性メモリ10に記録した認証データと一致しない場合、コントローラ4は、このユーザーが正規ユーザーでは無いと判断し、ステップSP5からステップSP6に移る。またこのステップSP6において、ユーザーがアクセサリー電源をオフ操作したか否か判断し、否定結果が得られると、ステップSP6からステップSP4に戻るのに対し、肯定結果が得られると、ステップSP2に戻る。
【0022】
これに対して個人認証データの演算処理結果が不揮発性メモリ10に記録した認証データと一致する場合、コントローラ4は、このユーザーが正規ユーザーであると判定し、ステップSP5からステップSP7に移る。
【0023】
またステップSP4で肯定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP4からステップSP8に移る。ここでコントローラ4は、USBメモリ2の所定領域に記録された個人認証データをロードする。なおこの個人認証データも、ステップSP5について上述したと同様の所定桁数の英数字の文字列である。またこのロードした個人認証データを演算処理して不揮発性メモリ10に記録した認証データと比較し、ユーザーが正規ユーザーか否か検出する。
【0024】
ここでUSBメモリ2から取得した個人認証データの演算結果が、不揮発性メモリ10に記録した認証データと一致しない場合、コントローラ4は、ユーザーが正規ユーザーでないと判断してステップSP8からステップSP5に移る。これに対してUSBメモリ2から取得した個人認証データの演算結果が、不揮発性メモリ10に記録した認証データと一致する場合、ユーザーが正規ユーザーであると判定してステップSP8からステップSP7に移る。
【0025】
このステップSP7において、コントローラ4は、システムロックの状態を解除し、ユーザーによる各種操作を受け付け可能とし、各種音楽コンテンツをユーザーに提供する。
【0026】
これらステップSP2〜ステップSP8の処理により、コントローラ4は、USBメモリ2に記録された個人認証データにより、又は手入力による個人認証データにより、ユーザーが事前に登録された正規ユーザーの場合に限って、このカーオーディオ装置1を操作可能とする。
【0027】
コントローラ4は、システムロックを解除すると、ステップSP9に移り、不揮発性メモリ10に記録された設定データをロードし、続くステップSP10において、このロードしたデータによりオーディオ処理部3を設定する。ここでこの設定は、音量、音質、音場等であり、ソースを選択するようにしてもよい。
【0028】
この設定処理において、コントローラ4は、ステップSP8又はステップSP5の処理において照合に成功した認証データに対応する設定データを、不揮発性メモリ10から選択的にロードしてオーディオ処理部3を設定し、これによりこの車両を複数のユーザーが使用する場合に、ユーザー毎にオーディオ処理部3を設定する。
【0029】
コントローラ4は、システム設定の処理を終了すると、いわゆるラストメモリの手法により、音楽コンテンツの提供を開始する。すなわち直前の電源立ち下げ時、USBメモリ2に記録された音楽コンテンツをユーザーに提供していた場合には、同様に、USBメモリ2からオーディオデータを順次取得してデータ伸長し、このデータ伸長したオーディオデータをオーディオ信号処理部3に出力してユーザーに提供する。また直前の電源立ち下げ時、FM放送を受信していた場合には、内蔵のチュナーの動作を立ち上げ、FM放送による音楽コンテンツをユーザーに提供する。また直前の電源立ち下げ時、コンパクトディスクを視聴していた場合には、コンパクトディスクから音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する。
【0030】
続くステップSP11(図3)において、コントローラ4は、ユーザーがスクリーンオン操作またはスクリーンオフ操作を実行したか否か判断する。ここでスクリーンオンの操作は、表示部8の表示を停止した状態で、ユーザーがタッチパネル9をタッチする操作である。これに対してスクリーンオフ操作は、表示部8を表示した状態で、タッチパネル9を介して表示部8に表示したスクリーンオフのメニューをユーザーが選択する操作である。
【0031】
このステップSP11で肯定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP11からステップSP12に移り、ユーザーの操作に応動して表示部8の表示を停止し、又は表示部8の表示を再開し、ステップSP11に戻る。なおここでこのステップSP11、12の処理は、このカーオーディオ装置1の設定画面において、ユーザーがスクリーンオンオフ機能をオン状態に設定した場合に実行される。
【0032】
これに対してステップSP11で否定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP11からステップSP13に移り、ユーザーがユーザー登録を選択したか否か判断する。コントローラ4は、このカーオーディオ装置1に設けられた所定の操作子が操作されると、ユーザーがユーザー登録を選択したと判断してステップSP13からステップSP14に移る。
【0033】
このステップSP14において、コントローラ4は、所定のメニュー画面を表示部8で表示して個人認証データの変更、新たなユーザー登録の選択を受け付ける。ここでユーザーが個人認証データの変更を指示した場合、コントローラ4は、ステップSP5について上述したと同様にして個人認証データの入力を受け付ける。また現在接続されているUSBメモリ2に記録された個人認証データを、この入力したデータで更新する。またこの入力したデータを演算処理して認証データを生成し、この認証データで不揮発性メモリ10に記録された対応する認証データを更新する。
【0034】
なおこの場合に、USBメモリ2を取り外して、携帯型の音楽プレイヤー等を接続している場合も予測される。従ってコントローラ4は、ステップSP4で判定したUSBメモリ2が装着されていることを前提として、この個人認証データの入力を受け付け、USBメモリ2の記録を更新する。従ってステップSP4で判定したUSBメモリ2が装着されていない場合、コントローラ4は、ユーザーに更新対象のUSBメモリ2の装着を促し、装着されたUSBメモリ2がステップSP4で判定したUSBメモリ2であることを確認して個人認証データの入力を受け付け、USBメモリ2の記録を更新する。また一定時間経過しても対応するUSBメモリ2が装着されない場合には、このステップSP14の処理を終了してステップSP11に戻る。
【0035】
これに対してユーザーが新たなユーザー登録を指示した場合、ステップSP5について上述したと同様にして個人認証データの入力を受け付ける。また個人認証データが未記録のUSBメモリ2の装着をユーザーに促し、USBメモリ2が装着されると、所定の領域に個人認証データを記録する。またこの個人認証データを演算処理して認証データを生成し、この認証データを不揮発性メモリ10に記録する。またこのとき、現在のカーオーディオ装置1の設定を、この認証データと対応付けて不揮発性メモリ10に記録する。
【0036】
コントローラ14は、このようにして個人認証データの変更、新たなユーザー登録の処理を実行すると、ステップSP14からステップSP11に戻る。
【0037】
これに対してステップSP13で否定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP15に移り、他の各種操作か否かを検出する。ここで肯定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP15からステップSP16に移り、対応する各部を制御してステップSP11に戻る。
【0038】
このステップSP15、SP16の処理により、コントローラ14は、ユーザーがタッチパネル9等を操作してソースの切り換え、音量切り換え、音質切り換え等を指示すると、これらの操作に応動してソースを切り換え、さらには音量、音質を切り換える。またUSBメモリ2が取り外されて、携帯型の音楽プレイヤー、音楽コンテンツを記録して再生可能な携帯電話、音楽コンテンツを記録した他のUSBメモリ、音楽コンテンツを記録したハードディスク装置等が接続されると、これらの機器との間で接続を確立し、ユーザーの操作に応動してこれらの機器に記録された音楽コンテンツをユーザーに提供する。なおコントローラ4は、USBメモリ2が取り外されると、取り外された時点のカーオーディオ装置1の設定により不揮発性メモリ10の対応する設定データを更新する。
【0039】
これに対してステップSP15で否定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP15からステップSP17に移る。ここでコントローラ4は、この車両の動作を制御するコントローラから通知されるステータス情報ACCにより、ユーザーがこの車両のキーを操作してアクセサリー電源をオフ操作したか否か判断する。ここで否定結果が得られると、コントローラ4は、ステップSP11に戻る。
【0040】
これに対してユーザーがアクセサリー電源をオフ操作した場合、コントローラ4は、ステップSP17で肯定結果が得られ、ステップSP17からステップSP18に移る。ここでコントローラ4は、コネクタ6にUSBメモリ2が接続されたままになっているか否か判断する。
【0041】
ここでコネクタ6にUSBメモリ2が接続されていない場合、コントローラ4は、ステップSP18からステップSP19に移り、全体をシステムロックの状態に設定する。また続くステップSP20において、電源を立ち下げた後、ステップSP2に戻る。
【0042】
これに対してコネクタ6にUSBメモリ2が接続されている場合、コントローラ4は、ステップSP18からステップSP21に移り、オーディオ信号処理部3を制御して警告音をスピーカ3から出力する。またUSBメモリ2がコネクタに接続されている旨の、警告メッセージを表示部8で表示する。
【0043】
続いてコントローラ4は、ステップSP22に移り、警告音の出力を開始して一定時間以上経過したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP18に戻るのに対し、肯定結果が得られると、ステップSP22からステップSP20に移り、電源を立ち下げる。
【0044】
(2)実施例の動作
以上の構成において、このカーオーディオ装置1は、ユーザーがキーを操作してアクセサリー電源をオン操作すると、各部への電源の供給が開始され、動作を開始する。カーオーディオ装置1は、この場合、ユーザーによる操作を受け付けないシステムロックの状態で動作を立ち上げる。またその後、カーオーディオ装置1は、USBメモリ2に記録された個人認証データと、不揮発性メモリ10に記録された認証データとを用いた個人認証により、ユーザーが事前に登録された正規ユーザーの場合、システムロック状態を解除してユーザーの操作を受け付ける。
【0045】
これによりこのカーオーディオ装置1では、カーオーディオ装置1自体をいちいち取り外して自宅に持ち帰らなくても、単にUSBメモリ2を取り外して持ち帰るだけでこのカーオーディオ装置1を使用できなくすることができる。従って簡易な操作により盗難を防止することができる。
【0046】
またシステムロック状態が解除されると、ユーザーによる操作に応動してFM放送を受信してスピーカ5から出力し、またコンパクトディスクを再生して音楽コンテンツをユーザーに提供する。また個人認証に使用したUSBメモリ2に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供する。
【0047】
これによりこのカーオーディオ装置1では、車両で視聴するコンパクトディスク等を持ち運ぶ感覚で、USBメモリ2を持ち運ぶだけで、このUSBメモリ2に記録した個人認証データを利用してカーオーディオ装置1の盗難を防止することができ、これによっても簡易な操作により盗難を防止することができる。
【0048】
またカーオーディオ装置1では、このUSBメモリ2に記録された個人認証データにより正規ユーザーであるとの認証結果が得られた場合には、不揮発性メモリ10の記録により、このユーザーが以前設定した音量、音質等に設定される。これによりカーオーディオ装置1では、正規ユーザーか否かの判定に使用する個人認証データを用いたユーザー識別により、ユーザー毎に、音楽コンテンツの視聴環境が設定され、これによりユーザーの使い勝手が向上される。
【0049】
またユーザーの操作により、所望するUSBメモリに個人認証用データを記録し、これにより例えば複数のユーザーでこのカーオーディオ装置1を搭載した車両を共用する場合等に、必要に応じてユーザー毎に、個人認証用のUSBメモリ2を作成し、これによってもユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0050】
またこのカーオーディオ装置1では、一旦、システムロック状態を解除すると、USBメモリ2を取り外してアクセサリー電源をオフ操作するまでの間、この解除した状態に保持される。これによりUSBメモリ2をコネクタ6から取り外して、携帯型の音楽プレイヤー、音楽コンテンツを記録して再生可能な携帯電話、個人認証データを記録していない、音楽コンテンツを記録した他のUSBメモリ、音楽コンテンツを記録したハードディスク装置等をコネクタ6に接続して、これらの機器に記録された音楽コンテンツを楽しむことができる。
【0051】
しかしながら、実際上、このように個人認証データを記録したUSBメモリ2の取り外しを忘れる場合もあり、この場合には、盗難を防止できなくなる。そこでこのカーオーディオ装置1では、USBメモリ2を取り外すことなくアクセサリー電源をオフ操作した場合には、警告音、警告のメッセージが提供され、これによりUSBメモリ2の取り外し忘れを防止することができる。
【0052】
また一時的に車両を離れる場合もあり、この場合にもいちいちUSBメモリ2を取り外していたのでは、却って使い勝手が悪くなる。そこでカーオーディオ装置1では、警告音、警告のメッセージを一定時間提供すると、システムロックを解除したままの状態で、電源が立ち下げられ、これにより一時的に車両を離れる場合等の使い勝手が向上される。
【0053】
またこれらとは逆に、USBメモリ2の携帯を忘れる場合もあり、この場合には、所定の操作子の操作、タッチパネル9の操作により個人認証データの入力を受け付け、正しく認証できた場合に限って、システムロックが解除される。これによりこのカーオーディオ装置1では、USBメモリ2の携帯を忘れた場合でも、利用することができ、その分、使い勝手を向上することができる。
【0054】
また使用中に、タッチパネル9を操作してスクリーンオフを指示すると、表示部8の表示が中止され、またこの状態でタッチパネッル9を操作してスクリーンオンを指示すると、表示部8の表示が再開される。これにより例えば治安が著しく悪い地域を走行して信号等により一時停止した場合に、車外からカーオーディオ装置1を見つけ難くすることができ、これにより防犯を図ることができる。
【0055】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、音楽コンテンツの記録媒体に記録した個人認証データを用いて正規ユーザーか否か判定し、正規ユーザーの場合に限って操作を受け付けることにより、簡易な取り扱いにより盗難を防止することができる。
【0056】
すなわちアクセサリー電源のオン操作による動作用電源の供給開始により、システムロックの状態を形成することにより、正規ユーザーではないと使用できないようにすることができ、これにより簡易な取り扱いにより盗難を防止することができる。
【0057】
またシステムロックの状態で、所定の操作子の操作による入力により個人認証データの入力を受け付け、この個人認証データに基づいて、正規ユーザーか否か判定することにより、個人認証データを記録した記録媒体の携帯を忘れた場合にあっても、使用可能とすることができ、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0058】
また所定の操作子の操作による入力により個人認証データの入力を受け付け、この個人認証データを記録媒体に記録すると共に、対応する認証データを不揮発性メモリに記録することにより、必要に応じて所望する記録媒体を個人認証に利用可能とすることができ、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0059】
またこの個人認証データを用いてユーザーを識別し、ユーザー毎に、オーディオ処理部を設定することにより、ユーザー毎に所望する音楽コンテンツの利用環境を提供することができる。
【実施例2】
【0060】
なお上述の実施例においては、USBインターフェースにより外部記録媒体を接続する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばIEEE1394インターフェースにより外部記録媒体を接続する場合等、種々のインターフェースにより、有線、無線で外部記録媒体を接続する場合に広く適用することができる。
【0061】
また上述の実施例においては、不揮発性メモリ側に設定データを記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、外部記録媒体側に記録するようにしてもよい。
【0062】
また上述の実施例においては、USBメモリに個人認証データを記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、携帯型の音楽プレイヤー等の、外部機器の記録媒体に個人認証データを記録するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、カーオーディオ装置、カーオーディオ装置の制御方法及びカーオーディオ装置の制御方法のプログラムに関し、例えばUSBメモリに記録された音楽コンテンツを再生するカーオーディオ装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例1のカーオーディオ装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例1のカーオーディオ装置を示すブロック図である。
【図3】図1の続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1……カーオーディオ装置、2……USBメモリ、3……オーディオ処理部、4……コントローラ、8……表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
別体の記録媒体に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供するカーオーディオ装置において、
前記ユーザーの操作を入力する操作部と、
前記記録媒体との間でデータを入出力する入出力部と、
前記入出力部を介して得られる前記音楽コンテンツのオーディオデータを処理して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供するオーディオ処理部と、
前記ユーザーを個人認証する認証データを保持する記録部と、
全体の動作を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記記録媒体の所定領域に記録された個人認証データと、前記記録部に保持した前記認証データとの比較により、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定し、
前記ユーザーが正規ユーザーの場合に、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作を受け付けないシステムロックの状態を解除し、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作に応動して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供する
ことを特徴とするカーオーディオ装置。
【請求項2】
前記制御部は、
アクセサリー電源のオン操作による前記カーオーディオ装置の動作用電源の供給開始により、前記システムロックの状態を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のカーオーディオ装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記システムロックの状態で、所定の操作子の操作による入力により、前記個人認証データの入力を受け付け、
該個人認証データに基づいて、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のカーオーディオ装置。
【請求項4】
前記制御部は、
所定の操作子の操作による入力により、前記個人認証データの入力を受け付け、
該個人認証用データを前記記録媒体に記録すると共に、対応する前記認証データを前記記録部に記録する
ことを特徴とする請求項1に記載のカーオーディオ装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記個人認証データと、前記記録部に保持した前記認証データとの比較により、前記ユーザーを識別し、
識別結果に基づいて、前記ユーザー毎に、前記オーディオ処理部の設定を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のカーオーディオ装置。
【請求項6】
別体の記録媒体に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供するカーオーディオ装置の制御方法において、
前記記録媒体の所定領域に記録された個人認証データに基づいて、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定するユーザー認証のステップと、
前記ユーザーが正規ユーザーの場合に、操作部で入力される前記ユーザーの操作を受け付けないシステムロックの状態を解除し、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作に応動して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供するコンテンツ提供ステップとを有する
ことを特徴とするカーオーディオ装置の制御方法。
【請求項7】
別体の記録媒体に記録された音楽コンテンツを再生してユーザーに提供するカーオーディオ装置の制御方法のプログラムにおいて、
前記記録媒体の所定領域に記録された個人認証データに基づいて、前記ユーザーが事前に登録された正規ユーザーか否か判定するユーザー認証のステップと、
前記ユーザーが正規ユーザーの場合に、操作部で入力される前記ユーザーの操作を受け付けないシステムロックの状態を解除し、前記操作部で入力される前記ユーザーの操作に応動して、前記音楽コンテンツを前記ユーザーに提供するコンテンツ提供ステップとを有する
ことを特徴とするカーオーディオ装置の制御方法のプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−84501(P2008−84501A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266244(P2006−266244)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】