説明

カートン取出供給装置

【課題】カートンの取り出し不良の発生を低減して、加工ラインの稼働率を向上させることのできるカートン取出供給装置を提供する。
【解決手段】カートン取出供給装置1は、折り畳まれた状態のカートン7を収容するカートン収容部2と、そのカートン収容部2に収容されたカートン7を吸引するための弾性変形可能な吸引カップ11を先端部に有する駆動吸引部3と、を備える。駆動吸引部3には、折り畳まれた状態のカートン7の第一方向の両端側をそれぞれ吸引するように吸引カップ11が配置されている。また、吸引カップ11は、カートン7の第一方向よりも、第一方向に垂直な第二方向に長い形状を有するように配置されている。吸引カップ11によってカートン7を吸引しつつ、駆動吸引部3が後退することにより、カートン収容部2から、カートン7が1枚取り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれた状態のカートンを収容するカートン収容部から、カートンを取り出して搬送装置に供給するカートン取出供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳まれた状態のカートンを収容するカートン収容部から、カートンを取り出して搬送装置に供給するカートン取出供給装置が知られている(例えば、特許文献1)。カートン取出供給装置は、例えば、ティシュペーパーの外箱であるカートンを、毎分80〜100枚の高速で1枚ずつ取り出す。高速であるため、カートンの反り、罫線の入り具合、印刷インクの滑りの差により、取り出しの失敗を生じ、加工ラインの停止を頻発させていた。従来から、カートンを吸着するバキュームカップのサイズや材質等の改善が試みられていたが、取り出しの失敗による加工ラインの停止は、加工ライン停止原因の主たる原因となっていた。
【0003】
【特許文献1】特開2001−72018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートン取り出しの失敗による加工ラインの停止は、稼働率を悪化させ、製造コストの増加につながる。そこで、カートン取り出しの失敗を減少させて、製造コストの増加を抑制するカートン取出供給装置が望まれている。
【0005】
本発明の課題は、カートンの取り出し不良の発生を低減して、加工ラインの稼働率を向上させることのできるカートン取出供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 折り畳まれた状態のカートンを収容し、下方が前記カートンの取出し部とされるとともに、その取出し部に前記カートンと係合してそのカートンを保持するストッパーが設けられたカートン収容部と、そのカートン収容部の前記取出し部の最前面に配置された前記カートンを吸引するための弾性変形可能な吸引カップを先端部に有する駆動吸引部と、を備え、前記駆動吸引部は、折り畳まれた状態の前記カートンの中央領域を避けて第一方向の両端側をそれぞれ吸引するように前記吸引カップが配置され、前記吸引カップは、前記第一方向よりも前記第一方向に垂直な第二方向に長い形状を有し、前記駆動吸引部が前進して前記最前面の前記カートンを吸引し、後退することにより前記カートンを前記カートン収容部から取り出すカートン取出供給装置。
【0007】
[2] 前記カートンは、前記吸引カップに吸引される吸引面の前記中央領域にミシン目が形成されており、前記吸引カップは、前記中央領域の前記ミシン目を避けて前記カートンを吸引する前記[1]に記載のカートン取出供給装置。
【0008】
[3] 前記吸引カップは、ニトリルゴムを含む弾性材料によって形成された前記[1]または[2]に記載のカートン取出供給装置。
【0009】
[4] 前記吸引カップは、その内部を吸引するための吸引孔が形成された吸盤保持本体部と、その吸盤保持本体部の外周部に接続され、前記カートンを吸引するために弾性変形する吸盤と、を備え、前記吸盤は、先端部側に、吸着口を備えたカップ部と、前記吸盤保持本体部側に、前記吸盤保持本体部及び前記カップ部の前記吸盤本体部側の径よりも径が大きい拡径部とを備える前記[1]〜[3]のいずれかに記載のカートン取出供給装置。
【0010】
[5] 前記カップ部は、前記吸着口に、突出するリブ部と、溝部とが形成された前記[4]に記載のカートン取出供給装置。
【0011】
[6] 前記カートンは、ティシュペーパー用カートンである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のカートン取出供給装置。
【発明の効果】
【0012】
駆動吸引部の吸引カップは、カートンの第一方向よりも第一方向に垂直な第二方向に長い形状を有し、カートンの第一方向の両端側を吸引することから、吸引する面積がそれほど大きくないにもかかわらず、カートンをよく強固に吸引することができる。このため、多数の吸引カップを備える必要がなく、吸引カップの位置調整等が容易であるし、トラブルが発生しにくい。また、カートンの第一方向の両端部を吸引することから、カートンに形成されたミシン目等を吸引時に破損することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0014】
図1に、カートン7を搬送する搬送装置5上に、本発明のカートン取出供給装置1が複数並べて備えられた加工ラインを示す。各カートン取出供給装置1から、例えば、異なる着色が施されたカートン7が順次取り出され、所定の並び方で並べられて搬送装置5によって搬送される。
【0015】
図2に示すように、カートン取出供給装置1は、折り畳まれた状態のカートン7を収容するカートン収容部2と、そのカートン収容部2に収容されたカートン7を吸引するための弾性変形可能な吸引カップ11を先端部に有する駆動吸引部3と、を備える。
【0016】
カートン収容部2は、折り畳まれた状態のカートン7を積層して収容し、下方がカートン7の取出し部2tとされている。そして、取出し部2tにカートン7を係止してそのカートン7を保持するストッパー2sが設けられている。このため、積層状態のカートン7は、ストッパー2sにより、下方から落下することなくカートン収容部2内に収容されている。後述するように、カートン収容部2の取出し部2tの最前面、すなわち最下面に配置されたカートン7が、吸引カップ11に吸引されて、カートン収容部2から一枚ずつ取り出される。
【0017】
駆動吸引部3は、カートン収容部2の下方に配置され、カートン収容部2の取出し部2tに接近する方向に前進可能、また遠ざかる方向に後退可能に構成された駆動軸部4と、駆動軸部4の先端部に、カートン収容部2内のカートン7を吸引してカートン7をカートン収容部2から取り出すための吸引カップ11が備えられている。図2に示す実施形態においては、駆動吸引部3が、上昇、下降を繰り返して、カートン7が取り出される。
【0018】
図3に吸引カップ11の断面図を示す。図3に示すように、吸引カップ11は、その内部を吸引するための吸引孔14が形成された吸盤保持本体部12と、その吸盤保持本体部12の外周部に接続され、カートン7を吸引するために弾性変形する吸盤13と、を備える。吸盤13は、先端部側に、吸着口15kを備えたカップ部15と、吸盤保持本体部12側に、吸盤保持本体部12及びカップ部15の吸盤本体部12側の径よりも径が大きい拡径部16とを備える。言い換えると、吸盤13の拡径部16は、吸盤保持本体部12とカップ部15との間に断面が山形に形成されたベローズ部である。弾性変形する吸盤13が、カップ部15と拡径部16との2層構造とされているため、吸盤13の内部の空気をより多く吸引して、被吸引物(カートン7)を確実に吸引することが可能である。つまり、ベローズ部(拡径部16)を有することから、ベローズ部の柔軟性により、反りの強いカートン7にも追従して吸引させることが可能である。そして、吸引カップ11は、ニトリルゴムを含む弾性材料によって形成されたものが好適である。吸引カップ11を温度変化による柔らかさの変化がないニトリルゴム系にすることにより、寒冷時のカップ硬化によるトラブルの発生を防止することができる。
【0019】
図4(a)に、吸引カップ11を吸着口15k側から見た底面図、図4(b)に側面図を示す。吸引カップ11は、一の方向と、その一の方向に垂直な方向とで長さの異なる長い形状、長円形状を有し、具体的には、図4(a)に示すように、吸着口15kが長円形とされている。このため、後述するように、吸引することが困難な領域を避けて、広い範囲を吸引することが可能である。このため、カートン7の中央領域に形成されたミシン目を避けて吸引させることができ、ミシン目を破損するトラブルを抑制することができる。
【0020】
一方、例えば、吸着口が円形の場合、十分な吸引力を得るために、大きな吸引カップ11を使用すると、吸引することが困難な領域を避けることが難しくなるし、吸引することが困難な領域を避けるために、小さな吸引カップ11を使用すると、十分な吸引力を得ることが難しくなる。また、小さな吸引カップ11を多数使用すると、それぞれのバランスをとることが難しく、調整に時間を要する。
【0021】
本発明のように、長円形等の、一の方向と、その一の方向に垂直な方向とで長さの異なる長い形状を有する吸引カップ11を用いることにより、吸引カップ11を多数備えなくとも、十分な吸引力を得ることができ、吸引カップ11の数を減らすことができるため、吸引の調整が容易となる。
【0022】
さらに、カップ部15は、吸着口15kに、突出するリブ部15rと、溝部15mとが形成されている。また、吸盤保持本体部12の吸着口15k側にも、突出するリブ部12rと、溝部12mとが形成されている。このように吸着口15k側に、弾性部材により、リブ部15r,12r、溝部15m,12mが形成され凹凸状とされていることから、被吸引物(カートン7)を確実に吸引することが可能である。
【0023】
次に、カートン取出供給装置1に収容され、取り出されるカートン7について説明する。カートン7は、木材パルプ、古紙等を原料とする厚紙等の紙材料を主体に製造した収納箱であり、主にティシュペーパー、ペーパータオル等の衛生用紙を収納するための概ね直方体の収納箱である。カートン7には、その一面に衛生用紙の取出口を形成するための切込線(ミシン目等)が形成されており、使用者がその切込線を破断することによって、取出口が形成され、カートン7内部の衛生用紙を取り出すことができるようになっている。さらに、箱とされた場合に、取出口が形成された面と対向する面(底面)には、中央領域にU字状の押上片形成用切込線24が1対ミシン目にて形成されている(図6参照)。この押上片形成用切込線24を押圧して押し破り、カートン本体の内側に折り曲げると一対の押上片が形成される。この押上片によって、カートン本体内部の衛生用紙が上面側に押し上げられるため、上面の取出口から衛生用紙の最後の一枚まで、安定してポップアップさせることが可能となる。
【0024】
本発明のカートン取出供給装置1には、上記のようなカートン7が折り畳まれた状態にて積層されて収容され、以下に説明するように、取出し部2tから取り出されて搬送装置5に供給される。
【0025】
次に、加工ラインにおけるカートン取出供給工程について説明する。図1に示すように、カートン7を搬送する搬送装置5上に、本発明のカートン取出供給装置1が複数(図1では、5台)並べて備えられおり、各々のカートン取出供給装置1には、図2に示すように、折り畳まれた状態のカートン7が積層されて収容されている。それぞれのカートン取出供給装置1に、異なる色にて装飾が施されたカートン7が収容されている。そして、図2に示すように、駆動吸引部3が、カートン収容部2の取出し部2tに接近する方向に、前進して最前面のカートン7を吸引カップ11にて吸引する。
【0026】
図5に最前面のカートン7を吸引カップ11にて吸引するところを示す。駆動吸引部3は、最前面(最下面)のカートン7近傍まで前進(上昇)し、吸引カップ11をカートン7に押し当てる。図6に、下から見たカートン7に対する吸引カップ11の押し当て位置を示す。カートン7には、中央領域にミシン目(押上片形成用切込線24)が形成されており、押上片形成用切込線24が下向き、すなわち、押上片形成用切込線24のある面が吸引面としてカートン収容部2に収容されており、駆動吸引部3は、折り畳まれた状態のカートン7の長手方向の両端側をそれぞれ吸引するように2つの吸引カップ11が配置されている。すなわち、本実施形態においては、長手方向が第一方向である。また、吸引カップ11は、カートン7の長手方向よりも、長手方向に垂直な方向に長い、長円形状を有するように配置されている。このため、カートン7の中央領域に形成されたミシン目には、吸引カップ11が直接接触することはなく、かつ長円形の形状をしているため、広い面積にて吸引することが可能である。
【0027】
図7に駆動吸引部3のさらに好ましい実施形態を示す。図7において、駆動吸引部3は、駆動軸4の先端部に第二駆動軸34を備え、第二駆動軸34に、吸引カップ11が取り付けられている。駆動軸4には、ガイド部4gが、例えば溝として形成されており、第二駆動軸34は、そのガイド部4gに沿って移動可能とされている。また、同様に、第二駆動軸34には、ガイド部34gが、例えば溝として形成されており、吸引カップ11は、そのガイド部34gに沿って移動可能とされている。以上のように構成すれば、これらの移動機構により、吸引カップ11の取り付け位置が調整可能となり、種々の形状や大きさのカートンに対応できる。
【0028】
図6に戻り、カートン7に吸引カップ11が押し当てられると、吸引孔14から吸盤13内の空気を吸引することにより、吸盤13にカートン7を吸引させることができる。つまり、カートン7は、吸引カップ11に吸引される吸引面の中央領域にミシン目が形成されており、吸引カップ11は、中央領域のミシン目を避けてカートン7を吸引する。そして、図2に示すように、駆動吸引部3が後退(下降)することにより、最前面のカートン7は、カートン収容部2のストッパー2sから外れて、カートン収容部2から、カートン7が1枚取り出される。なお、2つの吸引カップ11は、吸引位置やタイミングがずれないように連結アーム50で連結されている。
【0029】
そして、吸引孔14からの吸盤13内の空気の吸引を停止することにより、吸引カップ11からカートン7が離脱する。そして、図1に示すように、1〜5の各カートン取出供給装置1から、異なる色のカートン7が搬送装置5上に取り出され、5枚(5色)のカートン7が一組として、搬送装置5にて搬送され、以後の工程にて、折り畳まれたカートン7が箱状に組み立てられて、箱内に、例えば、ティシュペーパーが収容されて、図8に示すようなティシュペーパー入りカートンとされる。
【0030】
なお、カートン7は、上面、底面、一対の側面、及び一対の妻面を有する形状に折り曲げられ、これらの面によって区画され、ティシュペーパーを収納し得る内部空間が形成された箱状とされる。そして、カートン7には、ティシュペーパーの取出口を形成するための取出口形成用切込線54が形成されている。また、カートン7は、ウインドウフィルム59を備えたものであってもよいし、ウインドウフィルムを備えない、いわゆるフィルムレスカートンであってもよい。ウインドウフィルム59は、取出口をカートン本体の内面側から被覆するように配置されたフィルム材であり、衛生用紙を取り出すためのスリット58が形成されている。
【0031】
本発明のカートン取出供給装置1によって搬送装置5に供給されるカートンは、底面が長方形であり、直方体形状のカートン7(図8)に限られない。すなわち、図10に示すような底面が正方形の立方体(または直方体)のカートン67にも適応することができる。このようなカートン67をカートン収容部2から取り出す場合にも、図9に示すように、折り畳まれた状態のカートン67の中央領域を避けて第一方向の両端側をそれぞれ吸引するように、第一方向よりも第一方向に垂直な第二方向に長い形状を有した長円形の吸引カップ11が配置されるようにすればよい。このようにすれば、押上片形成用切込線24を破損することなく、十分な吸引力でカートン収容部2から取り出すことが可能である。
【0032】
また、吸引カップ11でカートン7,67を吸引する位置は、以上の実施形態に限られない。図11及び図12にカートンの底面を示し、吸引カップ11による吸引位置の他の実施形態を説明する。底面が正方形の形状を有するカートン7において、図11に示すように、長手方向に垂直な幅方向(底面の短辺に沿った方向)を第一方向とし、中央領域の押上片形成用切込線24を避けて、第一方向の両端側をそれぞれ吸引するようにしてもよい。
【0033】
さらに、底面が正方形の形状を有するカートン67において、図12に示すように、対角線の方向を第一方向とし、中央領域の押上片形成用切込線24を避けて、第一方向の両端側をそれぞれ吸引するようにしてもよい。図11及び図12に示すように、中央領域の押上片形成用切込線24を避けて吸引することにより、押上片形成用切込線24の破損を防止し、長円形状の吸引カップ11によって十分な吸引力で吸引することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
(比較例)
まず、実施例に先立って、円形の吸引カップ41を用いた。図13(a)に、吸引カップ41の底面図、図13(b)に側面図を示す。このとき用いた吸引カップ41の吸盤43は、先端部側に、吸着口15kを備えたカップ部45と、吸盤保持本体部42側に、吸盤保持本体部42及びカップ部45の吸盤本体部14側の径よりも径が大きい拡径部46とを備える。吸盤43は、円形であり、シリコン製のものを用いた。
【0036】
図13に示すような円形の吸盤43を有する吸引カップ41を、図2に示したカートン取出供給装置に取り付けた。十分な吸引を行うために、直径40mmの吸引カップ41を5個取り付ける必要があった。図14に取り付け位置を示す。カートン取出供給装置によって、カートン7を毎分80〜100枚程度の高速で、1枚ずつ取り出した。
【0037】
このとき、以下のような問題点が発生した。すなわち、周囲の温度により吸引カップ41の硬度が変化して、寒冷時には、硬化が起こり、取り出し不良が頻発した。吸引カップ41を5個取り付けるために、各々のバランス調整が難しく、調整に時間が必要であった。さらに、中央に配置された吸引カップ41によって、カートン7のミシン目が破損する問題を生じた。
【0038】
(実施例)
図3〜4に示した楕円形の吸盤13を有する吸引カップ11を用いて、図6のように配置した。温度変化による柔らかさの変化がないニトリルゴム系の吸引カップ11を用いることにより、寒冷時にも取り出し不良の発生が僅かであった。吸引カップ11を2個取り付けるのみで、十分な吸引力を得ることができ、各々のバランス調整も容易であった。さらに、カートン7の中央領域に配置される吸引カップ11がないため、カートン7のミシン目が破損する問題を生じなかった。比較例に対して、実施例では、カートン7の取り出し失敗の頻度が80%減少した。
【0039】
本発明のカートン取出供給装置1は、例えば、ティシュペーパー用カートンの取出供給に用いることができる。ティシュペーパー用カートンには、図6に示すように押上片形成用切込線24(ミシン目)が形成されており、従来、このミシン目により吸引がうまくいかなかったり破損したりする問題点があり、さらに、長方形のカートンでは、多数の吸引カップ(図14参照)のバランスをよくするための調整が難しいという問題点もあったが、本発明によりこれらの問題点が解決された。
【産業上の利用可能性】
【0040】
折り畳まれたカートンの内部に、例えば、ティシュペーパーを収容してティシュペーパー入りカートンを製造するための加工ラインに備えるカートン取出供給装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のカートン取出供給装置が複数並べて備えられた加工ラインである。
【図2】本発明のカートン取出供給装置を示す模式図である。
【図3】本発明のカートン取出供給装置に備え付けられた吸引カップを示す断面図である。
【図4】本発明のカートン取出供給装置に備え付けられた吸引カップを示す模式図であり、(a)は、底面から見た模式図、(b)は、側面から見た模式図である。
【図5】吸引カップによる吸引を説明する模式図である。
【図6】吸引カップによる吸引を下方から見た模式図である。
【図7】第二駆動軸を備える駆動吸引部を示す模式図である。
【図8】本発明のカートン取出供給装置が備えられた加工ラインにおいて製造されるティシュペーパー入りカートン示す斜視図である。
【図9】底面が正方形の形状を有するカートンの場合の吸引カップによる吸引を下方から見た模式図である。
【図10】底面が正方形の形状を有するカートンを示す斜視図である。
【図11】底面が長方形の形状を有するカートンの吸引の他の実施形態を示す模式図である。
【図12】底面が正方形の形状を有するカートンの吸引の他の実施形態を示す模式図である。
【図13】本発明のカートン取出供給装置に備え付けられた比較例の吸引カップを示す模式図であり、(a)は、側面から見た模式図、(b)は、底面から見た模式図である。
【図14】比較例の吸引カップの取り付け位置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1:カートン取出供給装置、2:カートン収容部、2s:ストッパー、2t:取出し部、3:駆動吸引部、4:駆動軸、5:搬送装置、7:カートン、11:吸引カップ、12:吸盤保持本体部、12m:溝部、12r:リブ部、13:吸盤、14:吸引孔、15:カップ部、15k:吸着口、15m:溝部、15r:リブ部、16:拡径部、24:押上片形成用切込線、41:吸引カップ、42:吸盤保持本体部、43:吸盤、44:吸引孔、45:カップ部、45k:吸着口、46:拡径部、50:連結アーム、54:取出口形成用切込線、58:スリット、59:ウインドウフィルム、67:カートン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた状態のカートンを収容し、下方が前記カートンの取出し部とされるとともに、その取出し部に前記カートンと係合してそのカートンを保持するストッパーが設けられたカートン収容部と、
そのカートン収容部の前記取出し部の最前面に配置された前記カートンを吸引するための弾性変形可能な吸引カップを先端部に有する駆動吸引部と、を備え、
前記駆動吸引部は、折り畳まれた状態の前記カートンの中央領域を避けて第一方向の両端側をそれぞれ吸引するように前記吸引カップが配置され、前記吸引カップは、前記第一方向よりも前記第一方向に垂直な第二方向に長い形状を有し、
前記駆動吸引部が前進して前記最前面の前記カートンを吸引し、後退することにより前記カートンを前記カートン収容部から取り出すカートン取出供給装置。
【請求項2】
前記カートンは、前記吸引カップに吸引される吸引面の前記中央領域にミシン目が形成されており、前記吸引カップは、前記中央領域の前記ミシン目を避けて前記カートンを吸引する請求項1に記載のカートン取出供給装置。
【請求項3】
前記吸引カップは、ニトリルゴムを含む弾性材料によって形成された請求項1または2に記載のカートン取出供給装置。
【請求項4】
前記吸引カップは、その内部を吸引するための吸引孔が形成された吸盤保持本体部と、
その吸盤保持本体部の外周部に接続され、前記カートンを吸引するために弾性変形する吸盤と、を備え、
前記吸盤は、先端部側に、吸着口を備えたカップ部と、前記吸盤保持本体部側に、前記吸盤保持本体部及び前記カップ部の前記吸盤本体部側の径よりも径が大きい拡径部とを備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のカートン取出供給装置。
【請求項5】
前記カップ部は、前記吸着口に、突出するリブ部と、溝部とが形成された請求項4に記載のカートン取出供給装置。
【請求項6】
前記カートンは、ティシュペーパー用カートンである請求項1〜5のいずれか1項に記載のカートン取出供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−29543(P2009−29543A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193463(P2007−193463)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】