説明

カードゲームシステム

【課題】トレーディングカードゲームのカードデータを、プレイ状況に合わせて変更することのできるカードゲームシステムを提供する。
【解決手段】トレーディングカード2は、カードデータを記憶するメモリと、カプセル3と通信する手段等を備える。カプセル3は、装着されたトレーディングカード2と接触通信する手段と、プレイシート4と非接触通信する手段と、カードデータをリード/ライトする手段等を備える。プレイシート4は、複数のシートアンテナと、非接触通信に利用するシートアンテナを切り替える手段と、シートアンテナを利用して、カプセル3と非接触通信する手段と、カプセル3とシートアンテナ4の通信状況から、プレイシート4上に配置されたカプセル3とその位置を検出する手段と、ゲーム装置5と通信するためインターフェース等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーディングカードを利用したゲームにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トレーディングカード(Trading Card)を利用してプレイするトレーディングカードゲーム(Trading Card Game)が普及し、様々なジャンルにおけるトレーディングカードゲームが開発されている。
【0003】
一つのトレーディングカードゲームで発行されるトレーディングカードの種類は100種類を超え、1枚のトレーディングカードには、トレーディングカードゲームの内容に合わせたキャラクタの絵柄(例えば、アニメのキャラクタ)に加え、キャラクタの名称、キャラクタの能力値など、トレーディングカードに印刷されたキャラクタに係わるカードデータが印刷される。
【0004】
トレーディングカードゲームのプレイヤは、玩具店などで販売されているトレーディングカードを購入し、トレーディングカードゲームをプレイする時に、購入したトレーディングカードの中から、数十枚のデッキを構成し、プレイヤは対戦者と該デッキを用いてプレイする。
【0005】
従来、トレーディングカードゲームは、トランプや花札の様に、人手でプレイすることが一般的であったが、コンピュータゲーム機の普及により、トレーディングカードを利用したコンピュータゲーム機も開発されている(例えば、特許文献1)
【0006】
特許文献1で開示されているカードゲーム端末装置で利用されるカードには、キャラクタの絵柄に加え、カードデータがエンコードされた光学コードが印刷され、カードが載せられるプレイフィールドには、カードに印刷された光学コードを読み取る複数のセンサが設置され、プレイフィールドに配置された複数のカードから読み取ったカードデータに基づいてチームを編成し、通信可能に接続された他のゲーム端装置上で編成された他のチームとの対戦ゲームの実行を許可する。
【0007】
【特許文献1】特開2008−100117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のトレーディングカードにおいては、カードデータを表す光学コードや文字をトレーディングカードに印刷されるため、トレーディングカードゲームの進行状況に合わせて、カードデータを変更することができなかった。
【0009】
例えば、家庭用のコンピュータゲーム機で人気を集めているロールプレイングゲームでは、ロールプレイングゲームのプレイ状況に合わせて、経験値や能力値などのデータを更新することが必要になるが、従来のトレーディングカードでは、経験値や能力値などのデータはトレーディングカードに印刷されるため、ロールプレイングゲームの進行状況に合わせて、これらのデータを更新することはできなかった。
【0010】
そこで、本発明は、コンピュータを利用したカードゲームシステムであって、トレーディングカードゲームのカードデータを、トレーディングカードゲームのプレイ状況に合わせて変更することのできるカードゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決する第1の発明は、トレーディングカード、前記トレーディングカードが装着されるカプセル、および、前記カプセルを載せるプレイシートとから少なくとも構成されるカードゲームシステムであって、前記トレーディングカードは、表面に印刷されたキャラクタに係わるカードデータを記憶するメモリと、前記カプセルと通信するカード通信手段と、前記カプセルと電気的に接続するためのカード接続部材と、前記カプセルから受信した指示に従い、前記カードデータをリード/ライトするリードライト手段とを備え、前記カプセルは、前記トレーディングカードと通信する第1のカプセル通信手段と、前記プレイシートと非接触通信する第2のカプセル通信手段と、前記トレーディングカードの前記カード接続部材と電気的に接続するカプセル接続部材と、前記プレイシートとの非接触通信に利用するカプセルアンテナと、前記プレイシートから受信した指示に従い、前記トレーディングカードの前記リードライト手段を利用して、前記カードデータをリード/ライトするカード制御手段とを備え、前記プレイシートは、前記プレイシート内部に配列された複数のシートアンテナと、非接触通信に利用する前記シートアンテナを切り替えるアンテナ切り替え手段と、前記アンテナ切り替え手段が切り替えた前記シートアンテナを利用して、前記カプセルと非接触通信するシート通信手段と、前記カプセルと前記シートアンテナの通信状況から、前記プレイシート上に配置された前記カプセルとその位置を検出するカプセル検出手段と、外部装置と通信するための外部インターフェースとを備えたことを特徴とするカードゲームシステムである。
【0012】
第1の発明のように、前記トレーディングカードが前記メモリを備えることで、電気的に前記カードデータを前記トレーディングカードに記憶させることが可能になり、前記トレーディングカードが前記リードライト手段を備えることで、前記トレーディングカードに前記メモリに記憶させた前記カードデータのリード/ライトが可能になる。
【0013】
第1の発明に記載の前記カードゲームシステムの構成によれば、前記外部装置、例えば、ゲーム装置などからの指示は、前記プレイシート、前記カプセルを介して前記トレーディングカードに伝達されるため、トレーディングカードゲームの進行状況に合わせて、前記カプセルに装着された前記トレーディングカードの前記カードデータを書き換えることができるようになる。
【0014】
更に、第2の発明は、第1の発明に記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルは、前記プレイシートから指示されたデータを表示するデータ表示手段を備え、該データが前記カードデータであるとき、前記カード制御手段は、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行すること特徴とするカードゲームシステムである。
【0015】
第2の発明によれば、前記トレーディングカードに記憶された前記カードデータの内容をプレイヤは目視で確認できるようになる。上述したように、第1の発明のカードゲームシステムによれば、前記トレーディングカードに記憶された前記カードデータは更新可能であるので、第2の発明のように、前記データ表示手段を前記カプセルに備えさせるとよい。
【0016】
更に、第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを交換するためのカード交換機構が備えられていることを特徴とするカードゲームシステムである。
【0017】
第3の発明によれば、前記カプセルに前記カード交換機能を備えさせることで、前記カプセルに装着される前記トレーディングカードを容易に変更することができるようになる。前記カプセルに前記カード交換機能の実施形態としては、携帯型ルーペのように、回動自在な回動部材を前記カプセルに備えさせ、該回動部材に前記トレーディングカードを装着するようにするとよい。
【0018】
更に、第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか一つに記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを上面から見たときに、前記トレーディングカードの表面を拡大して表示するためのルーペ部材が備えられていることを特徴とするカードゲームシステムである。
【0019】
第4の発明によれば、プレイヤは、前記カプセルに装着された前記トレーディングカードの表面を拡大して見ることができるようになる。
【0020】
更に、第5の発明は、第2の発明から第5の発明のいずれか一つに記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルの前記カード制御手段は、前記プレイシートから前記カードデータの表示を指示されたときは、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行し、前記プレイシートが送信したデータを表示する指示を受信したときは、該データを前記データ表示手段に表示させる処理を実行することを特徴とするカードゲームシステムである。
【0021】
第5の発明に従えば、前記プレイシートが送信したデータを表示する指示を受信したとき、該データを前記データ表示手段に表示させることで、例えば、前記カプセルへの指示等をプレイヤに伝達することが可能になる。
【0022】
更に、第6の発明は、トレーディングカード、前記トレーディングカードが装着されるカプセル、および、前記カプセルを載せるプレイシートとから少なくとも構成されるカードゲームシステムに用いる前記カプセルであって、前記トレーディングカードは、表面に印刷されたキャラクタに係わるカードデータを記憶するメモリと、前記カプセルと通信するカード通信手段と、前記カプセルと電気的に接続するためのカード接続部材と、前記カプセルから受信した指示に従い、前記カードデータをリード/ライトするリードライト手段とを備えるトレーディングカードであり、前記カプセルは、前記トレーディングカードと通信する第1のカプセル通信手段と、前記プレイシートと非接触通信する第2のカプセル通信手段と、前記トレーディングカードの前記カード接続部材と電気的に接続するカプセル接続部材と、前記プレイシートとの非接触通信に利用するカプセルアンテナと、前記プレイシートから受信した指示に従い、前記トレーディングカードの前記リードライト手段を利用して、前記カードデータをリード/ライトするカード制御手段と前記プレイシートから指示されたデータを表示するデータ表示手段とを備え、該データが前記カードデータであるとき、前記カード制御手段は、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行することを特徴とするカプセルである。
【0023】
第6の発明によると、前記トレーディングカードに記憶された前記カードデータの内容を、目視で確認することができるカプセルを提供できる。
【0024】
更に、第7の発明は、第6の発明に記載のカプセルであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを交換するためのカード交換機構が備えられていることを特徴とするカプセルである。
【0025】
第7の発明によると、前記カプセルに前記カード交換機能を備えさせることで、前記カプセルに装着される前記トレーディングカードを容易に変更することができるカプセルを提供することができる。
【0026】
更に、第8の発明は、第6の発明または第7の発明に記載のカプセルであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを上面から見たときに、前記トレーディングカードの表面を拡大して表示するためのルーペ部材が備えられていることを特徴とするカプセルである。
【0027】
第8の発明によると、プレイヤが前記カプセルに装着された前記トレーディングカードの表面を拡大して見ることができるカプセルを提供できる。
【0028】
更に 第9の発明は、第6の発明から第8の発明に記載のカプセルであって、前記カプセルの前記カード制御手段は、前記プレイシートから前記カードデータの表示を指示されたときは、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行し、前記プレイシートが送信したデータを表示する指示を受信したときは、該データを前記データ表示手段に表示させる処理を実行することを特徴とするカプセルである。
【0029】
第9の発明によると、前記プレイシートが送信したデータを表示する指示を受信したとき、該データを前記データ表示手段に表示させることで、例えば、前記カプセルへの指示等をプレイヤに伝達することができるカプセルを提供できる。
【発明の効果】
【0030】
上述した本発明によれば、コンピュータを利用したカードゲームシステムであって、トレーディングカードゲームのカードデータを、トレーディングカードゲームのプレイ状況に合わせて変更することのできるカードゲームシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
ここから、本発明に係わるカードゲームシステムの好適な実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係わるカードゲームシステム1の構成を説明する図で、図1に図示したように、本実施形態に係わるカードゲームシステム1は、半導体集積回路(ICチップ)が内蔵された円形のトレーディングカード2と、トレーディングカード2を着脱可能に装着されるカプセル3と、プレイヤがトレーディングカードゲームをプレイするときに、トレーディングカード2が装着された複数のカプセル3が載せられるプレイシート4と、プレイシート4と接続されたゲーム装置5と、ゲーム装置5から出力される映像を表示するモニタ6(例えば、TV)から少なくとも構成されている。
【0033】
図1では、カードゲームシステム1はゲーム遊技場に設置されるゲームシステムではなく、家庭用のゲームシステムとして記載しているが、当然のことながら、本実施形態に係わるカードゲームシステム1は、ゲーム遊技場に設置されるゲームシステムにも適用が可能である。
【0034】
更に、図1では、off-line型のゲームシステムであるかのように図示しているが、本実施形態はoff-line型のゲームシステムに限定される物ではなく、on-line型のゲームシステムにも適用が可能である。このとき、プレイシート4は、インターネット通信機能を備えた装置(例えば、パーソナルコンピュータ)に接続され、トレーディングカードゲームを制御するゲーム装置5の機能は、該装置と接続されたWebサーバに備えられる。
【0035】
ここから、図1で図示したカードゲームシステム1を構成するトレーディングカード2、カプセル3およびプレイシート4についてそれぞれ説明する。
【0036】
まず、トレーディングカード2について詳細に説明する。図2は、トレーディングカード2の回路ブロック図で、図3は、トレーディングカード2の機能ブロック図である。
【0037】
図2(a)に図示したように、本実施形態において、トレーディングカード2は、半径が2cm程度の円形で、カプセル3に装着するときの位置合わせ用に、円形の所定位置に切り欠き2bが設けられ、トレーディングカード2の表面にはキャラクタの絵柄2aが印刷されている。なお、当然のことながら、トレーディングカード2の形状およびサイズは任意でよく、トレーディングカード2の形状は、名刺サイズの長方形などであっても構わない。
【0038】
トレーディングカード2が従来のカードと異なる点は、図2に図示したように、CPU21、メモリ22やI/O端子23などを有するICチップ20をトレーディングカード2の内部に実装し、外部のデバイス(ここでは、カプセル3)とデータ通信するためのカード接触端子24を裏面に備えている点にある。
【0039】
トレーディングカード2に印刷されたキャラクタに係わるカードデータ(例えば、経験値や能力値)をICチップ20のメモリ22に記憶することで、トレーディングカードゲームの進行状況に合わせて、カードデータを更新することが可能になる。
【0040】
図3に図示したように、ICチップ20のCPU21を動作されるためのコンピュータプログラムで実現される機能として、外部のデバイス(ここでは、カプセル3)と接触通信するカード通信手段200と、外部のデバイス(ここでは、カプセル3)からの指示に従い、ICチップのメモリに記憶されたカードデータをリード/ライトするリードライト手段201を少なくとも備えている。
【0041】
トレーディングカード2のカード通信手段200は、ICチップ20のI/O端子23を制御し、例えば、ICカード規格であるISO/IEC7816で規定された接触通信プロトコルに従った接触通信をCPU21に動作させるためのコンピュータプログラムで実現される。
【0042】
トレーディングカード2のカード接触端子24の仕様は、トレーディングカード2の通信仕様に依存し、例えば、トレーディングカード2の通信仕様がISO/IEC7816に準拠しているときは、カード接触端子24の仕様はISO/IEC7816で定義されたコンタクト端子の仕様になる。
【0043】
更に、トレーディングカード2のリードライト手段201は、ICチップ20のメモリ22からデータを読み出すリードコマンドおよびICチップ20のメモリ22にデータを書き込むライトコマンドなどで実現される。
【0044】
リードライト手段201は、カプセル3から、カードデータを読み出す指示を受信すると、該リードコマンドを実行し、ICチップ20のメモリ22に記憶されたカードデータを読み出し、読み出したカードデータをカプセル3に返信する。また、リードライト手段201は、カプセル3から、カードデータの書き込み指示を受信すると、該ライトコマンドを実行し、カプセル3から指示されたカードデータをICチップ20のメモリ22に書き込み、書き込み結果をカプセル3に返信する。
【0045】
次に、カプセル3について説明する。図4はカプセル3の外観を説明する図で、図5はカプセル3の回路ブロック図で、図6はカプセル3の機能ブロック図である。
【0046】
図4に図示したように、カプセル3は、内部に電気回路が実装された台座部材3aと、台座部材3aを覆うようにセットされる透明なドーム部材3bとから少なくとも構成される。
【0047】
ドーム部材3bには、トレーディングカード2をカプセル3内に挿入するためのカード挿入口3cが設けられ、トレーディングカード2は、爪部材3dとカプセル3の台座部材3aとの間に挿入されて、カプセル3内に装着される。また、トレーディングカード2の挿入向きを合わせるために、トレーディングカード2の切り欠き2bに嵌る凸部材3eが台座部材3a上に設けられている。
【0048】
また、図4で図示したドーム部材3bの内側には、データを表示するディスプレイ3fが設けられ、また、ドーム部材3bの上部には、装着されたトレーディングカード2をカプセル3の上から見たとき、トレーディングカード2に印刷されたキャラクタ2aが拡大して見えるように、ルーペ3gが設けられている。なお、カプセル3はルーペ3gを備えていなくてもよい。
【0049】
図5に図示したように、カプセル3は、CPU31、メモリ32、接触通信回路33およびRF通信回路34などが実装された制御回路30と、カプセル3に挿入されたトレーディングカード2と接触して電気接続するためのカプセル接続端子35と、プレイシート4と非接触通信するためのカプセルアンテナ37と、受信した文字などを表示するディスプレイ3f(例えば、LEDボード、液晶、有機ELなど)と、カプセル3内の電気回路に電力を供給するための電池36を備えている。
【0050】
なお、電池36の代わりに整流回路をカプセル3に備えさせ、非接触ICカードと同様に、プレイシート4からの電磁波を利用して、カプセル3に電力を供給するようにすることもできる。
【0051】
カプセル3のカプセル接触端子35は、トレーディングカード2のカード接続端子24と対になるもので、例えば、トレーディングカード2がISO/IEC7816で規定されたコンタクト端子ならば、カプセル3のカプセル接触端子35は、ISO/IEC7816で規定されたコンタクト端子とそれぞれ接続する合計8個の接続ピンを備えた端子となる。
【0052】
カプセル3の制御回路30に実装されたRF通信回路34は、データをカプセルアンテナ37の電波に符号して送信する機能、カプセルアンテナ37の電波を復号してデータを受信する機能や、非接触通信用の通信プロトコル(本実施形態では、ISO/IEC14443TypeA)に従い通信を制御する機能など、非接触通信に必要な機能が集積された回路で、RF通信回路34にはカプセルアンテナ37の端が接続されている。
【0053】
また、カプセル3の制御回路に実装された接触通信回路33は、データをカプセル接触端子35の電圧に符号して送信する機能、カプセル接触端子35の電圧を復号してデータを受信する機能や、接触通信用の通信プロトコル(本実施形態では、ISO/IEC7816)に従い通信を制御する機能など、接触通信に必要な機能が集積された回路で、接触通信回路33にはカプセル接続端子35が接続されている。
【0054】
図6に図示したように、CPU31を動作されるためのコンピュータプログラムで実現される機能として、カプセル3に装着されたトレーディングカード2と接触通信するための第1のカプセル通信手段300と、プレイシート4と非接触通信するための第2のカプセル通信手段301、プレイシート4から受信した指示に従い、トレーディングカード2のリードライト手段201を利用して、カードデータをリード/ライトするカード制御手段302と、ディスプレイ3fにデータを表示するデータ表示手段303を備えている。
【0055】
カプセル3の第1のカプセル通信手段300は、カプセル3の接触通信回路33を制御し、ISO/IEC7816など予め規定された接触通信プロトコルに従い、トレーディングカード2と接触通信するためのコンピュータプログラムで実現される。
【0056】
カプセル3の第2のカプセル通信手段301は、カプセル3のRF通信回路34を制御し、例えば、ISO/IEC14443TypeAなど予めで規定された非接触通信プロトコルに従い、プレイシート4と非接触通信するためのコンピュータプログラムで実現される。
【0057】
カプセル3のデータ表示手段303は、ディスプレイ3fに表示データを送信し、表示データをディスプレイ3fに表示させる処理をCPUに実行させるためのコンピュータプログラムで実現される。
【0058】
カプセル3のカプセル制御手段302は、第2のカプセル通信手段301がプレイシート4から非接触で受信した指示を実行する手段で、プレイシート4から送信される指示をCPUに実行させるためのコンピュータプログラムで実現される。
【0059】
カプセル3のカプセル制御手段302が実行可能な指示は予め定められており、以下に、カプセル3のカプセル制御手段302が実行可能な指示を例示する。
(指示1)トレーディングカード2から読み取ったカードデータをプレイシート4に送信すると共に、ディスプレイ3fに表示。
(指示2)プレイシート4から受信したデータをトレーディングカード2に書き込み。
【0060】
プレイシート4から受信した指示をカプセル制御手段302が実行するとき、プレイシート4からカプセル3に、カプセル制御手段302が実行する指示を示すメッセージが送信され、カプセル制御手段302は引き渡されたメッセージで特定される指示を実行する。
【0061】
当然のことながら、カプセル制御手段302が指示を実行する詳細な内容は、カプセル制御手段302が実行する指示によって異なる。例えば、カプセル制御手段302が(指示1)を実行するとき、カプセル制御手段302は、第1のカプセル通信手段300を利用して、トレーディングカード2のリードライト手段201にカードデータの読み出しさせるメッセージをトレーディングカード2に送信し、トレーディングカード2からカードデータを受信すると、データ表示手段303を作動させて、カードデータをディスプレイ3fに表示させると共に、第2のカプセル通信手段301を利用して、カードデータの読み出し結果をプレイシート4に送信する。
【0062】
また、カプセル制御手段302が(指示2)を実行するとき、カプセル制御手段302は、第1のカプセル通信手段300を利用して、トレーディングカード2のリードライト手段201にカードデータの書き込みをさせるメッセージをトレーディングカード2に送信し、トレーディングカード2からカードデータの書き込み結果を受信すると、第2のカプセル通信手段301を利用して、カードデータの書き込み結果をプレイシート4に送信する。
【0063】
次に、プレイシート4について説明する。図7は、プレイシート4の回路ブロック図で、図8は、プレイシート4の機能ブロック図である。
【0064】
図7に図示したように、プレイシート4は、カプセル3と非接触データ通信するために、カプセル3のカプセルアンテナ37と整合の取られた複数のシートアンテナ47が内部に配列されたシートで、図7では、シートアンテナ47は格子状に配列しているが、シートアンテナ47の配列は任意であってよい。
【0065】
プレイシート4に配列されたシートアンテナ47には、各々のシートアンテナ47を識別するための番号(ここでは、A−1からE−5)が振られ、各々のシートアンテナ47は独立してRFコントロールユニット46に接続されている。
【0066】
シートアンテナ47が接続されるRFコントロールユニット46は、カプセル3のRF通信回路34と同様の機能に加え、非接触データ通信に利用するシートアンテナ47を切り替える機能、RFコントロールユニット46に入力された番号で特定されるシートアンテナ47に切り替えて非接触通信する機能を備えた回路である。
【0067】
更に、プレイシート4には、CPU41、メモリ43、入力端子42、および、外部装置となるゲーム装置5用の外部インターフェースであるUSBインターフェース44などが実装され、プレイシート4を制御する制御回路40が実装され、この制御40には、操作ボタン45、RFコントロールユニット46が接続されている。
【0068】
図8に図示したように、プレイシート4は、制御回路40のCPU41を動作させるためのコンピュータプログラムで実現される機能として、プレイシート4に載せられたカプセル3と非接触通信するため第1のシート通信手段400と、ゲーム装置5と通信するための第2のシート通信手段401と、プレイシート4上に載せられたカプセル3を検出するカプセル検出手段402と、ゲーム装置から受信した指示を実行するプレイシート制御手段403と、操作ボタン45が押されたことを検出する入力検出手段404を備える。
【0069】
プレイシート4の第1のシート通信手段400は、非接触通信に利用するシートアンテナ47の番号を指定してRFコントロールユニット46を制御し、指定した番号で特定されるシートアンテナ47を利用して、ISO/IEC14443TypeAなど予め規定された非接触通信プロトコルに従い、カプセル3との非接触通信するためのコンピュータプログラムで実現される。
【0070】
プレイシート4の第2のシート通信手段401は、USBインターフェース44を制御し、USBで規定された通信プロトコルに従い、ゲーム装置5とUSB通信するためのコンピュータプログラムで実現される。
【0071】
プレイシート4のカプセル検出手段402は、カプセル3と通信可能なシートアンテナ47を特定することで、プレイシート4上のカプセル3を検出する手段である。
【0072】
プレイシート4のカプセル検出手段402が、カプセル3と通信可能なシートアンテナ47を特定する手法はプレイシート4の実現方法に依存し、本実施形態においては、例えば、以下の手法で、カプセル3と通信可能なシートアンテナ47を特定できる。
【0073】
プレイシート4のカプセル検出手段402は、非接触通信に利用するシートアンテナ47を、シートアンテナ47(A1)〜シートアンテナ47(E5)を順にサイクリックに切り替え、シートアンテナ47を切り替える毎に、RFコントロールユニット46を制御して、カプセル3を検出する動作(例えば、polling動作)を行い、カプセル3から応答データ(例えば、カプセル3の識別番号)を受信したシートアンテナ47の番号と該応答データを取得することで、プレイシート4上のカプセル3とその位置を検出する。
【0074】
プレイシート4のプレイシート制御手段403は、USBインターフェース44を介して、ゲーム装置5から送信された指示を実行する手段で、本実施形態において、プレイシート制御手段403は、ゲーム装置5から送信された指示をカプセル3に転送する処理を実行する。
【0075】
本実施形態において、プレイシート制御手段403は、第2のシート通信手段401を利用して、ゲーム装置5から、非接触通信するシートアンテナ47の番号と、カプセル3に実行させる指示を含むメッセージを受信する。
【0076】
そして、プレイシート制御手段403は、該メッセージをゲーム装置5から受信すると、該メッセージに含まれるシートアンテナ47の番号を指定して、カプセル3に実行させる指示の送信をRFコントロールユニット46に要求し、カプセル3からの応答を受信すると、第2のシート通信手段401を利用して、カプセル3からの応答をゲーム装置5に送信する。
【0077】
プレイシート4の入力検出手段404は、入力端子42を監視するコンピュータプログラムで実現され、操作ボタン45のいずれか一つが押されることで、入力端子42に操作ボタン45から信号が入力されると、入力検出手段404は、信号から押された操作ボタン45を特定し、特定した操作ボタン45が押されたことを示すメッセージを、USBインターフェース44を利用して、ゲーム装置5に伝達する。
【0078】
これまで、説明したトレーディングカード2、カプセル3およびプレイシート4を利用することで、以下に述べるような、トレーディングカードゲームをゲーム装置5で実行することが可能になる。
【0079】
上述したように、トレーディングカード2に記憶されたカードデータをゲーム装置5は変更することが可能であるため、ロールプレイングゲームの様に、トレーディングカードゲームのゲーム進行状況に応じて、トレーディングカード2のメモリ22に記憶されたカードデータの更新するトレーディングカードゲームをゲーム装置5で実行することが可能になる。
【0080】
更に、カプセル3がプレイシート4に載せられた位置に応じて、トレーディングカード2のカードデータを変更するトレーディングカードゲームをゲーム装置5で実行することが可能になる。
【0081】
カプセル3がプレイシート4に載せられた位置に応じて、トレーディングカード2のカードデータを変更する場合、トレーディングカード2に記憶されたカードデータそのものをカプセル3がプレイシート4に載せられた位置に応じて変更してもよいし、或いは、トレーディングカード2に記憶されたカードデータは変更せずに、ゲーム装置5内のみで、カプセル3がプレイシート4に載せられた位置に応じて変更されたカードデータを取り扱うようにしてもよい。
【0082】
いずれにしても、カプセル3にはデータを表示するディスプレイ3fが備えられているため、カプセル3がプレイシート4に載せられた位置に応じて変更されたカードデータをディスプレイ3fに表示させれば、プレイヤは、カプセル3がプレイシート4に載せられた位置に応じて変更されたカードデータや、ゲーム装置5からカプセル3への指示などを目視で確認することができる。
【0083】
なお、本発明は、これまで説明した実施の形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
【0084】
例えば、より好ましい実施形態では、トレーディングカードを容易に装着できるための機構をカプセルは備える。
【0085】
図9は、トレーディングカード2を容易に装着する機構として、回動部材70を備えたカプセル7の外観図で、カプセル7は、電子回路が実装された台座部材7b、透明なドーム部材7aと、トレーディングカード2を容易に装着する機構である回動部材70を備え、これから述べる機能以外は、上述したカプセル3と同じ機能を備えている。
【0086】
図9で図示したカプセル7の回動部材70は、軸74を中心として自在に回動し、回動部材70には、トレーディングカード2を嵌めるための円形凹み71が設けられている。円形凹み71には、トレーディングカード2の切り欠き2bと嵌る凸部材72と、トレーディングカード2のカード接続端子24と電気接続する回動部材端子73が設けられている。また、回動部材70を回動させ、カプセル7に回動部材70を納めた時、回動部材端子73と電気接続するようにカプセル接続端子75が台座部材7bに設けられている。
【0087】
図10は、回転部材端子73とカプセル接続端子75の接続を説明する図で、図10に図示したように、カプセル7に回動部材70を納めた時、回動部材端子73とカプセル接続端子75は接触して電気接続し、更に、回動部材端子73とカード接続端子24は接触して電気接続するため、トレーディングカード2とカプセル7は電気接続し、トレーディングカード2とカプセル7の接触通信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係わるカードゲームシステムの構成を説明する図。
【図2】トレーディングカードの回路ブロック図。
【図3】トレーディングカードの機能ブロック図。
【図4】カプセルの外観を説明する図。
【図5】カプセルの回路ブロック図。
【図6】カプセルの機能ブロック図。
【図7】プレイシートの回路ブロック図。
【図8】プレイシートの機能ブロック図。
【図9】回動部材を備えたカプセルの外観図。
【図10】カード接続端子、回転部材端子およびカプセル接続端子の接続を説明する図。
【符号の説明】
【0089】
1 カードゲームシステム
2 トレーディングカード
200 カード通信手段
201 リードライト手段
3、7 カプセル
300 第1のカプセル通信手段
301 第2のカプセル通信手段
302 カード制御手段
303 データ表示手段
4 プレイシート
400 第1のシート通信手段
401 第2のシート通信手段
402 カプセル検出手段
403 プレイシート制御手段
404 入力検出手段
5 ゲーム装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーディングカード、前記トレーディングカードが装着されるカプセル、及び、前記カプセルを載せるプレイシートとから少なくとも構成されるカードゲームシステムであって、
前記トレーディングカードは、表面に印刷されたキャラクタに係わるカードデータを記憶するメモリと、前記カプセルと通信するカード通信手段と、前記カプセルと電気的に接続するためのカード接続部材と、前記カプセルから受信した指示に従い、前記カードデータをリード/ライトするリードライト手段とを備え、
前記カプセルは、前記トレーディングカードと通信する第1のカプセル通信手段と、前記プレイシートと非接触通信する第2のカプセル通信手段と、前記トレーディングカードの前記カード接続部材と電気的に接続するカプセル接続部材と、前記プレイシートとの非接触通信に利用するカプセルアンテナと、前記プレイシートから受信した指示に従い、前記トレーディングカードの前記リードライト手段を利用して、前記カードデータをリード/ライトするカード制御手段とを備え、
前記プレイシートは、前記プレイシート内部に配列された複数のシートアンテナと、非接触通信に利用する前記シートアンテナを切り替えるアンテナ切り替え手段と、前記アンテナ切り替え手段が切り替えた前記シートアンテナを利用して、前記カプセルと非接触通信するシート通信手段と、前記カプセルと前記シートアンテナの通信状況から、前記プレイシート上に配置された前記カプセルとその位置を検出するカプセル検出手段と、外部装置と通信するための外部インターフェースとを備えた、
ことを特徴とするカードゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルは、前記プレイシートから指示されたデータを表示するデータ表示手段を備え、該データが前記カードデータであるとき、前記カード制御手段は、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行すること特徴とするカードゲームシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを交換するためのカード交換機構が備えられていることを特徴とするカードゲームシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを上面から見たときに、前記トレーディングカードの表面を拡大して表示するためのルーペ部材が備えられていることを特徴とするカードゲームシステム。
【請求項5】
請求項2から請求項5のいずれか一つに記載のカードゲームシステムであって、前記カプセルの前記カード制御手段は、前記プレイシートから前記カードデータの表示を指示されたときは、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行し、前記プレイシートが送信したデータを表示する指示を受信したときは、該データを前記データ表示手段に表示させる処理を実行することを特徴とするカードゲームシステム。
【請求項6】
トレーディングカード、前記トレーディングカードが装着されるカプセル、および、前記カプセルを載せるプレイシートとから少なくとも構成されるカードゲームシステムに用いる前記カプセルであって、
前記トレーディングカードは、表面に印刷されたキャラクタに係わるカードデータを記憶するメモリと、前記カプセルと通信するカード通信手段と、前記カプセルと電気的に接続するためのカード接続部材と、前記カプセルから受信した指示に従い、前記カードデータをリード/ライトするリードライト手段とを備えるトレーディングカードであり、
前記カプセルは、前記トレーディングカードと通信する第1のカプセル通信手段と、前記プレイシートと非接触通信する第2のカプセル通信手段と、前記トレーディングカードの前記カード接続部材と電気的に接続するカプセル接続部材と、前記プレイシートとの非接触通信に利用するカプセルアンテナと、前記プレイシートから受信した指示に従い、前記トレーディングカードの前記リードライト手段を利用して、前記カードデータをリード/ライトするカード制御手段と前記プレイシートから指示されたデータを表示するデータ表示手段とを備え、
該データが前記カードデータであるとき、前記カード制御手段は、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行することを特徴とするカプセル。
【請求項7】
請求項6に記載のカプセルであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを交換するためのカード交換機構が備えられていることを特徴とするカプセル。
【請求項8】
請求項6または請求項7のいずれか一つに記載のカプセルであって、前記カプセルには、前記トレーディングカードを上面から見たときに、前記トレーディングカードの表面を拡大して表示するためのルーペ部材が備えられていることを特徴とするカプセル。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか一つに記載のカプセルであって、前記カプセルの前記カード制御手段は、前記プレイシートから前記カードデータの表示を指示されたときは、前記トレーディングカードから読み出した前記カードデータを前記データ表示手段に表示する処理を実行し、前記プレイシートが送信したデータを表示する指示を受信したときは、該データを前記データ表示手段に表示させる処理を実行することを特徴とするカプセル。


【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−63639(P2010−63639A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232670(P2008−232670)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】