説明

カード取出装置

【課題】カードが変形したり折れ曲がったりすることなく、カード積層体から1枚ずつ確実に取出すことができるカード取出装置を提供する。
【解決手段】複数枚の矩形平板状のカード10が積層されてなるカード積層体11から一枚のカード10を取出すカード取出装置である。積層体11の下面の相対向する対向辺縁部11a、11bを下方から受ける一対の受け部材12、13と、最下段のカード10Aの下面中央部15に吸着して下方側へ吸引する吸着手段16とを備える。吸着手段16による最下段のカード10Aの下面中央部吸引状態において、最下段のカード10Aの対向辺縁部11a、11b近傍を支持部材17にて支持する。これによって、最下段のカード10Aの中央部が下方に凸状となるように撓ませる。カード10Aが撓ませた状態において、駆動機構にて受け部材12、13を離間させて、受け部材間寸法を撓ませたカード10の対向辺縁部間寸法よりも大とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカード、キャッシュカード、ICカード等のカードをマガジン等から取り出すカード取出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード、キャッシュカード、ICカード等のカードは、製造工程において、マガジンに積層されて収納された後、種々の工程に搬送される。このため、積層されてマガジンに収納されたカードをこのマガジンから取り出す必要があった。従来には、上方から順次取り出す方法、またはマガジンの下部にスライドを設け、このスライダをスライドさせることによって、最下段のカードを取り出す方法等があった。
【0003】
ところが、上方から順次取り出す方法では、最上段のカードをマガジンの上方開口端に位置するように積層体を上昇させる必要がある。このため、上昇手段にシリンダ機構を用いれば、マガジンに多数のカードが積層されている場合と、カードが少なくなった場合とでは、ピストンロッドの突出長さが大きく相違する。したがって、シリンダ機構としては大型化することになる。しかも、ピストンロッドの上昇量を制御させつつ上昇させる必要がある。
【0004】
また、スライダをスライドさせるものでは、このスライダにカードが嵌合する凹所を設け、この凹所に最下段のカードを落とし込ませ(嵌合させ)、この状態で、スライダをスライドさせることによって、積層体から最下段のカードを分離すものである。その後は、このスライダにて分離させたカードを、カード搬送装置の吸着盤にて吸着して搬送するものである。
【0005】
このため、スライダをスライドさせる際に、マガジンの下端縁にてカードを傷つけるおそれがあり、さらには、凹所に最下段のカードを落とし込む際に、マガジンの下端縁に引っ掛ってカードが破損したり、スライドができなくなったりするおそれもある。
【0006】
そこで、マガジンの最下段のカードを下方から吸引して、このカードを撓ませてマガジンから取り出す方法が提案されている(特許文献1)。すなわち、この装置は、図4に示ように、ピストンロッド1aの先端に吸着パット2が付設されたシリンダ1を備える。また、マガジン3の下端縁に設けられた係止部4,5にこのマガジン3に収容される複数のカード6が係止している。
【0007】
そして、シリンダ1のピストンロッド1aを伸ばして、最下段のカード6に吸着パット2を当接させ、この状態で最下段のカード6を吸着パット2に吸着する。次に、シリンダ1のピストンロッド1aを縮めて、最下段のカード6を中央部が下方に凸状となるように撓ませる。すなわち、最下段のカード6は、その短辺がそれぞれ係止部4,5にて支持されているので、カード中央部が下方へ引っ張られることによって、図4に示すように、撓む。
【0008】
これによって、カード6の短辺間寸法wを最終的に係止部4,5間寸法w1よりも小さくして、吸着パット2に吸着されているカード6をこのマガジン3から取出すようにしている。
【0009】
このため、最上段のカード6をマガジン3の上方開口部近傍にまで上昇させる必要がないので、シリンダ1の大型化を防止できる。しかも、スライドさせるタイプと相違して、カード6がマガジン3に対して摺動しないので、カード6の傷付きを防止できる。
【特許文献1】特開平7−267405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図4に示す方法では、カード6の短辺間寸法wが係止部4,5間寸法w1よりも小さくなるまで、カード6を撓ませる必要がある。また、この係止部4,5は、積層されたカード6を支持する必要があるので、その長さを比較的長くとらなければならない。このため、カード6の撓量は大きくなり、カード6が変形したり折れ曲がったりするおそれがある。また、係止部4,5から外れる際の反動でカード6が吸着パット2から外れる場合もある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みて、カードが変形したり折れ曲がったりすることなく、カード積層体から1枚ずつ確実に取り出すことができるカード取出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のカード取出装置は、複数枚の矩形平板状のカードが積層されてなるカード積層体から一枚のカードを取出すカード取出装置であって、積層体の下面の相対向する対向辺縁部を下方から受ける一対の受け部材と、一対の受け部材を接近・離間させる駆動機構と、最下段のカードの下面中央部に吸着して下方側へ吸引する吸着手段と、この吸着手段による最下段のカードの下面中央部吸引状態において、最下段のカードの相対向する一対の対向辺縁部近傍を支持して、前記最下段のカードの中央部が下方に凸状となるように撓ませる支持部材とを備え、最下段のカードが撓ませた状態において、駆動機構にて受け部材を離間させて、受け部材間寸法を最下段のカードの対向辺縁部間寸法よりも大とするものである。
【0013】
本発明のカード取出装置によれば、一対の受け部材にてカードが積層されてなるカード積層体を受けることができる。吸着手段にて、最下段のカードの下面中央部に吸着して下方側へ吸引することができる。この際、最下段のカードの相対向する一対の対向辺縁部近傍を支持部材にて支持することができ、最下段のカードは、その中央部が下方に凸状となるように撓む。この状態では、最下段のカードはカード積層体から分離した状態となる。このため、受け部材間寸法を最下段のカードの対向辺縁部間寸法よりも大とすることによって、最下段のカードを下方へ引っ張れば、カード積層体から引き離すことができる。
【0014】
少なくとも吸着手段による吸引状態において、静電気除去手段にてカードの静電気除去を行うのが好ましい。このように、静電気除去を行うことによって、最下段のカードの積層体からの分離が安定する。
【0015】
支持部材は、相対向する対向辺縁部と平行に配設される上下動可能な平板体からなるのが好ましい。これによって、カードが撓む際の支持が安定する。吸着手段は、収縮可能な吸着パットを備え、カード吸引時に縮んでその吸着面が支持部材の上端縁よりも低位となるのが好ましい。これによって、カードを撓ませる際に、吸着パット自体を下降させる必要がない。
【0016】
少なくとも吸着手段及び支持部材は、上下駆動手段による上下動を可能としている。このため、吸着手段にて最下段のカードを吸着している状態で、吸着手段及び支持部材を下降させれば、この最下段のカードをカード積層体から引き離すことができる。
【0017】
上下動可能なロッドにて構成される供給部材にて積層体を迎えにいって前記受け部材上に供給することができる。これによって、積層体を安定して一対の受け部材上に載置することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のカード取出装置では、受け部材を離間させることによって、受け部材間寸法を最下段の撓んでいる状態のカードの対向辺縁部間寸法よりも大とするものであるので、カードの撓み量が小さくても、最下段のカードをカード積層体から引き離すことができる。これによって、カードが変形したり、折れ曲がったりするのを防止できる。
【0019】
しかも、カードを撓ませる際には、受け部材にて支持するのではなくて、支持部材にて支持するので安定して撓ませることができる。すなわち、受け部材は、積層体を一旦ストックするためのものであって、カードを撓ませる前には、受け部材を相互に接近させることによって、積層体を安定して載置できるように載置面積を確保できる。また、カード積層体から最下段のカードを引き離す際には、妨げにならないように逃げることができる。
【0020】
静電気除去を行うことによって、最下段のカードの積層体からの分離が安定して、2枚乃至2枚以上の複数枚が積層体から取り出されるのを防止でき、安定して1枚ずつ取り出すことができる。
【0021】
支持部材が、相対向する対向辺縁部と平行に配設される上下動可能な平板体からなるものでは、カードが撓む際の支持が安定して、確実に撓ませることができる。また、カード吸引時に吸着パットの吸着面が支持部材の上端縁よりも低位となるものでは、カードを撓ませる際に、吸着パット自体を下降させる必要がない。このため、吸着後に吸着パットを下降させるための制御手段を必要とせず、装置の簡略化を図ることができるとともに、制御性に優れる。
【0022】
吸着手段及び支持部材の下降によって、この最下段のカードをカード積層体から引き離すことができ、引き離し作業を安定して行うことができる。上下動可能なロッドにて積層体を安定して一対の受け部材上に載置することができ、作業性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0024】
図1と図2は本発明に係るカード取出装置を示し、このカード取出装置は、複数枚の矩形平板状のカード10が積層されてなるカード積層体11から一枚のカード10を取出す装置である。ここで、カード10とは、クレジットカード、キャッシュカード、ICカード等である。
【0025】
カード取出装置は、積層体11の下面の相対向する対向辺縁部11a、11b(この場合、短辺側の端部)を下方から受ける一対の受け部材12,13と、一対の受け部材12,13を接近・離間させる図示省略の駆動機構と、最下段のカード10(10A)の下面中央部15に吸着して下方側へ吸引する吸着手段16と、最下段のカード10の(10Aの相対向する一対の対向辺縁部10a、10b近傍を支持する支持部材17とを備える。
【0026】
受け部材12,13は図2に示すように、例えば、矩形平板状体からなり、同一平面上に水平状にその対向端12a、13aが相対向するように配置される。この際、対向端12a、13aは平行に配置される。なお、対向端12a、13aには下面側に断面三角形状の切欠部18,19が設けられている。
【0027】
受け部材12,13を接近・離間させる駆動機構には、例えばカム機構等を使用することができ、駆動機構にて各受け部材12,13は矢印A、Bのように水平状態を維持しつつ往復動する。この場合、受け部材12,13には、上面12b、13b、下面12c、13c、側面12d、13d、12e、13eをガイドするガイド部材を設けるのが好ましい。これによって、受け部材12,13は安定した往復動が可能となる。
【0028】
吸着手段16は、先端に吸着パット21が付設される吸着ロッド20を備える。吸着パット21は、ゴム等の弾性材の短寸の蛇腹管からなる。また、ロッド20は図2に示すように、受け部材12,13の対向端12a、13a間の中間部に2つ配設される。この場合、図示省略の基盤に各ロッド20,20が立設される。
【0029】
基盤には、図示省略の上下往復機構が連設され、この上下往復機構を介して基盤、延いては、吸着ロッド20が上下動する。上下往復機構としては例えばシリンダ機構を使用することができる。また、吸着ロッド20には、図示省略の真空ポンプ等の真空発生器が接続され、真空発生器が駆動することによって、吸着ロッド20の吸引孔を介して吸着パット21内のエアが吸引される。
【0030】
支持部材17は、相対向する対向辺縁部と平行に配設される上下動可能な平板体22からなり、上下方向に沿って配設される。また、平板体22の上端縁23は凸アール部に形成されている。この一対の平板体22,22も前記図示省略の基盤から立設される。このため、上下往復機構にて基盤を上下動させることによって、平板体22,22、つまり支持部材17が吸着ロッド20とともに上下動する。
【0031】
支持部材17の外側には、それぞれ、一対のロッド25、25が配置されている。このロッド25は、前記基盤にて付設されず、この基盤とは独立して、上昇したり下降したりする。なお、このロッド25の上下動にも、例えばシリンダ機構と上下動機構(基盤を上下動させる上下動機構とは相違する機構)を使用することができる。
【0032】
ところで、積層体11から1枚のカード10を剥離する場合、静電気によって、密着している場合がある。そこで、本装置では、静電気除去器(イオナイザ)を配置し、積層体11からカード10を剥離する際にこのイオナイザからイオンを吹き付けるようにするのが好ましい。
【0033】
静電気除去器(イオナイザ)は、静電気をイオンで中和し除電を行なう装置である。イオナイザはイオンを発生させる方式により、AC方式とDC方式に分かれる。AC方式は、交流電圧を放電針に印加し、プラスとマイナスのイオンを交互に発生させる。DC方式は、放電針に直流電圧を印加し、またはプラスとマイナスとのどちらかのイオンのみを発生させる。この静電気除去器は市販の既存のものを使用できる。
【0034】
次にこのカード取出装置を使用したカード取出方法を説明する。この装置では、図3(a)に示すようにカード積層体11が収容されたマガジン30から、カード積層体11を受け取って、図1等に示すように、受け部材12,13にてカード積層体11を受ける必要がある。なお、このマガジン30は、カード積層体11の対向辺縁部11a、11bが係止している係止片部30a、30bを有する。この場合、この係止片部30a、30bのみ、又は係止片部30a、30bを有する枠体31、32を相互に接近・離間できる構成となっている。つまり、このマガジン30は、下方開口部が開閉自在である。
【0035】
次に、図3(b)のように、ロッド25が矢印Cのように上昇して、カード積層体11を迎えにいく。すなわち、4本のロッド25にてカード積層体11の下面の4つのコーナ部を受ける。この状態で、係止片部30a、30bが矢印Dのように相互に離間して係止片部30a、30bの係止状態が解除される。
【0036】
その後、4本のロッド25が図3(c)の矢印Eのように下降して、カード積層体11を受け部材12,13上に載置する。これによって、この装置のカード取出し動作の準備が完了する。この場合、カード取出し動作の妨げにならないように、4本のロッド25は図3(c)の状態からさらに下降する。また、受け部材12,13は、対向端12a、13a側に対向辺縁部11a、11bが載置されるので、安定したカード積層体11の載置状態を確保するために、対向端12a、13aを比較的接近させている。
【0037】
カード積層体11が受け部材12,13上に載置されれば、支持部材17と吸着ロッド20を図3(d)のように上昇させて、吸着パット21をカード積層体11の最下段のカード10の裏面の中央部位に当接させる。この図3(d)では、支持部材17は最下段のカード10の裏面に当接(接触)していないが、接触させてもよい。
【0038】
この状態で、吸着パット21内のエアが吸引され、この吸着パット21内が負圧状態とされて、この吸着パット21に最下段のカード10の裏面の中央部位が吸着する。この際、吸着パット21は収縮する蛇腹管で構成されているので、図3(e)のように、この吸着パット21は縮むことになる。つまり、吸着パット21の吸着面21aが支持部材17の上端縁(凸アール部23)よりも低位となる。このため、最下段のカード10の裏面の中央部位が下方へ引っ張られ、しかも、最下段のカード10は、その対向辺縁部10a、10b近傍が一対の支持部材17,17にて支持される。
【0039】
これによって、最下段のカード10は、その中央部が下方に凸状となるように撓むことになる。このカード吸着時には、イオナイザからイオンを吹き付けるようにするのが好ましい。
【0040】
最下段のカード10を図3(e)に示すように、撓ませる際又は撓ませた後に、受け部材12,13を矢印Bのように相互に離間させる。これによって、受け部材12,13の間隔Wを撓んでいるカード10の短辺間寸法W1よりも大きくする。この状態で、基盤を下降させれば、吸着パット21に吸着されて撓んだ状態の最下段のカード10を積層体11から引き離すことができる。その後は、同様の動作を順次行うことによって、受け部材12,13に載置された積層体11の全カードを取り出すことができる。
【0041】
本発明では、受け部材12、13を離間させることによって、受け部材間寸法を最下段の撓んでいる状態のカード10の対向辺縁部間寸法をよりも大とするものであるので、カード10の撓み量が小さくても、最下段のカード10Aをカード積層体11から引き離すことができる。これによって、カード10が変形したり、折れ曲がったりするのを防止できる。
【0042】
しかも、カード10を撓ませる際には、受け部材12、13にて支持するのではなくて、支持部材17、17にて支持するので安定して撓ませることができる。すなわち、受け部材は、積層体11を一旦ストックするためのものであって、カード10を撓ませる前には、受け部材12、13を相互に接近させることによって、積層体11を安定して載置できるように載置面積を確保でききる。また、カード積層体11から最下段のカード10Aを引き離す際には、妨げにならないように逃げることができる。
【0043】
静電気除去を行うことによって、最下段のカード10Aの積層体11からの分離が安定して、2枚乃至2枚以上の複数枚が積層体11から取出されるのを防止でき、安定して1枚ずつ取出すことができる。
【0044】
支持部材17が、カード19の相対向する対向辺縁部10a、10bと平行に配設される上下動可能な平板体22からなるので、カード10が撓む際の支持が安定して、確実に撓ませることができる。また、カード吸引時に吸着パット21の吸着面21aが支持部材17の上端縁23よりも低位となるので、カード10を撓ませる際に、吸着パット21自体を下降させる必要がない。このため、吸着後に吸着パット21を下降させるための制御手段を必要とせず、装置の簡略化を図ることができるとともに、制御性に優れる。
【0045】
吸着手段16及び支持部材17の下降によって、この最下段のカード10Aをカード積層体11から引き離すことができ、引き離し作業を安定して行うことができる。上下動可能なロッド25にて積層体を安定して一対の受け部材12,13上に載置することができ、作業性の向上を図ることができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、前記実施形態では、吸着手段16は、一対の吸着ロッド20を備えたものであったが、吸着ロッド20としては、1個であっても3個以上であってもよい。また、受け部材12、13に積層体11を供給するためのロッド25を有さないものであってもよい。すなわち、他の供給手段にて積層体11を供給してもよい。
【0047】
受け部材12、13にて、積層体11の短辺側を支持していたが、積層体11の長辺側を支持するようなものであってもよい。また、吸着手段16と支持部材17とがそれぞれ独立して上下動するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態を示すカード取出装置の簡略図である。
【図2】前記カード取出装置の簡略平面図である。
【図3】前記カード取出装置を用いたカード取出方法を示す簡略図である。
【図4】従来のカード取出装置の簡略図である。
【符号の説明】
【0049】
10 カード
10a、10b 対向辺縁部
11 カード積層体
11a、11b 対向辺縁部
12,13 受け部材
15 下面中央部
16 吸着手段
17 支持部材
21 吸着パット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の矩形平板状のカードが積層されてなるカード積層体から一枚のカードを取出すカード取出装置であって、
積層体の下面の相対向する対向辺縁部を下方から受ける一対の受け部材と、一対の受け部材を接近・離間させる駆動機構と、最下段のカードの下面中央部に吸着して下方側へ吸引する吸着手段と、この吸着手段による最下段のカードの下面中央部吸引状態において、最下段のカードの一対の対向辺縁部近傍を支持して、前記最下段のカードの中央部が下方に凸状となるように撓ませる支持部材とを備え、最下段のカードが撓ませた状態において、駆動機構にて受け部材を離間させて、受け部材間寸法を最下段のカードの対向辺縁部間寸法よりも大とすることを特徴とするカード取出装置。
【請求項2】
少なくとも吸着手段による吸引状態において、静電気除去手段にてカードの静電気除去を行うことを特徴とする請求項1に記載のカード取出装置。
【請求項3】
支持部材は、相対向する対向辺縁部と平行に配設される上下動可能な平板体からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカード取出装置。
【請求項4】
吸着手段は、収縮可能な吸着パットを備え、カード吸引時に縮んでその吸着面が支持部材の上端縁よりも低位となることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカード取出装置。
【請求項5】
少なくとも吸着手段及び支持部材は、上下駆動手段による上下動を可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカード取出装置。
【請求項6】
上下動可能なロッドにて構成される供給部材にて積層体を迎えにいって前記受け部材上に供給することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカード取出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−23800(P2009−23800A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189671(P2007−189671)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000110859)キヤノンマシナリー株式会社 (179)
【Fターム(参考)】