カード装置及びその制御方法
【課題】 電波を介した電磁誘導による電力供給において安定な動作をさせることができる非接触型ICカードに対して、その電力の状況を判断して、必要に応じてICカード内の情報を低電力で表示する手段を提供することにある。
【解決手段】 アンテナコイルを介して供給される電波により得られる電力がICカードとして可動可能な電圧値以上か否かを検出する検出手段と、供給電力が可動可能な電圧値以上のときには、余剰電力を蓄電手段に充電する充電回路と、検出手段の検出結果に応じて供給電力が可動可能な電圧値未満のときには蓄電手段からの電力により、はじめにICカードの通信処理を動作させる手段と、通信処理終了後にICカード内の情報を表示部に表示させる手段を有し、供給電力が可動可能な電圧値以上のときには供給電力により前記ICカードの通信処理を動作させ、かつ、余剰電力を充電回路により蓄電手段に充電する切換手段とを備える。
【解決手段】 アンテナコイルを介して供給される電波により得られる電力がICカードとして可動可能な電圧値以上か否かを検出する検出手段と、供給電力が可動可能な電圧値以上のときには、余剰電力を蓄電手段に充電する充電回路と、検出手段の検出結果に応じて供給電力が可動可能な電圧値未満のときには蓄電手段からの電力により、はじめにICカードの通信処理を動作させる手段と、通信処理終了後にICカード内の情報を表示部に表示させる手段を有し、供給電力が可動可能な電圧値以上のときには供給電力により前記ICカードの通信処理を動作させ、かつ、余剰電力を充電回路により蓄電手段に充電する切換手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触lCカードに好適なカード装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICモジュールを搭載したICカードは、磁気カードに比較して格段に高いセキュリティーを実現できることから、近年、急速に普及しつつある。特に、最近では、ICカードを用いた電子マネーシステムが注目されており、ATM端末装置(以下ATM端末)をキャッシュレス化することが可能であるため、従来のATM端末のセキュリティー上の問題点であった現金の出し入れを不要とする点で、ICカードの普及が期待されている。ICカードで現在普及しているものは、ICモジュールが接点として露出した形態の接触型ICカードであるが、電波を介した電磁誘導等によるデータ伝送を用いた非接触型ICカードも徐々に広まりつつある。非接触型ICカードは、ICモジュールが露出していないため、塵埃の多い環境下でも、高信頼性を保ちながら、動作する利点がある。
【0003】
しかしながら、メモリ内のデータは電子的な情報を知るには、一旦ICカードの内容をリーダライタ等の読取装置から読み取り、ディスプレイに表示たり紙に出力するなどの処理を行わなければならない。このような問題点を解決するために、ICカードの表面に画像を書き換え可能なリライト層を設けたものが考えられている。このリライト層には、所望のデータを可視情報としてカード表面に表示することが可能であり、しかも必要に応じて何度でも表示データを書き換えることが可能である。このようなICカードであれば、有効期限や利用可能残金の表示などのICカード内の必要なデータを可視情報として表示できるので極めて便利である。しかしながら、上記発明ではリライト層を用いて表示データを形成するために、専用の外部書き込み装置を必要とする。特に上記発明のリライト層は感熱記録層を利用したものであるので、カード内に高密度で実装されたICや配線に対して熱による悪影響を防ぐために断熱層等を設ける必要がある。
【0004】
一方、ICカードの表面に可変の表示媒体である液晶表示装置を設けるといったアイデアも提案されているが、液晶表示装置は液晶材料の封入された表示媒体に加えて偏向板や保護層としてのガラス板等を設ける必要があるため、表示装置全体としてICカードに搭載できる程度に薄くすることは困難である。ICカードの物理的な大きさはISOの規格により定まっており、「ISO7816−1」によると、外形寸法は長さ85.47〜85.72mm、幅53.92〜54.03mm、厚さ0.68〜0.84mmとなっている。
【0005】
また、液晶表示装置は上記のように保護層にガラス材料を使用するのが一般的であることから折り曲げに弱く、その点からもICカードに用いるには向かない。ICカードに実装するICチップ等も折り曲げに弱いが、カードの表面上の垂直に交わる2本の中央線から外れる位置に実装することで、カードが屈曲した場合でもICチップに力が加わりにくいよう工夫されている。このように、カードに実装する部品には耐久性や力が加わらないような工夫が要求されるが、カード表面には接触端子、エンボス形成による文字等があるため、必ずしも曲げによる影響の少ない場所に液晶表示装置を実装できるわけではない。
【0006】
さらに液晶表示装置では、画像表示には連続的な電力と画像信号の供給が必要なので、これらの供給を行うリーダライタ等から離してしまうと情報を表示することができない。仮に、カード単独で画像表示を行うのであればカード内に大容量の電源(電池)を設けなければならない。
【0007】
そこで、表示の不揮発性という性質を具えた強誘電性液晶表示パネルを用いた技術が特許文献1(特開平11−353438号公報)に開示されている。この技術によれば、電力が必要なのは、主として表示の切換時のみであるため、カード内に電源を設けておく必要がなくなる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の技術では、所期の目的を達成することはできるものの、外部からの電力供給が十分でなかった場合に動作が安定しない虞がある。
【0009】
【特許文献1】特開平11−353438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、外部から供給される電力が十分でない場合でも安定した動作を行うことができるカード装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0012】
本発明に係るカード装置は、集積回路と、前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、を有し、前記集積回路は、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電し、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るカード装置の制御方法は、集積回路と、前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、を有するカード装置の動作を制御する方法であって、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電するステップと、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを含む集積回路と、前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、を有するカード装置の動作を前記コンピュータに制御させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電する手順と、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行う手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電力系に関し、アンテナコイルで受けた電力の電圧値を検出して、この検出結果に応じて、電力の供給源を外部又は蓄積手段の間で切り換えるため、電波による電力供給が安定せず、十分な電力が供給されていない状態であっても、蓄電手段からの安定した電力を用いるため、安定した動作を行うことができる。また、十分な電力が外部から供給されている状態では、余剰な電力を蓄電手段に充電するため、蓄電手段に蓄積されている電力を適切に保持することができ、電力の無駄を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの回路構成を示すブロック図であり、図2は、この非接触型ICカードの内部構造を示す分解斜視図である。
【0017】
図2において、1は、非接触型ICカードであり、非接触型ICカード1は、上面カバーシート101、アンテナコイル102を有するコアシート103、ポリマーリチウム二次電池104、ICモジュール105、及び、下面カバーシート106を備えている。コアシート103は、アンテナコイル102を磁気結合コイルとするためのシート状の基板であり、内側に開口部(又は凹部)108が設けられている。そして、可とう性を具えた二次電池104、例えばポリマーリチウム二次電池が開口部(又は凹部)108に嵌め込まれ、絶縁性材料からなる上面カバーシート101又は下面カバーシート106によって、上方又は下方から挟み込まれている。なお、二次電池104の端部には端子107c及び107dが設けられ、これらの端子107c及び107dを介して、二次電池104にICモジュール105が接続されている。即ち、非接触型ICカード1は、可とう性を有する二次電池(例えば、ポリマーリチウム二次電池)104、アンテナコイル102及びICモジュール105を有している。
【0018】
なお、上面カバーシート101及び下面カバーシート106には、任意の絶縁性材料又は表面に絶縁性が付与された導電性材料を用いることが可能であるが、量産性に優れ安価に製造できることから、絶縁性のプラスチックシートを用いることが好ましい。絶縁性のブラスチックシートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等を用いることができる。アンテナコイル102は、電磁誘導を用いたデータ伝送及び電力伝送に用いるコイルとなるので、アンテナコイル102の材料としては、例えばアルミニウム、銅、銀、金、スズ、鉛、インジウム、クロム、ニッケル等の良導性金属材料を用いることが好ましい。導線を巻いた形態においては、短絡を回避するため、良導性金属材料を絶縁体で被覆した線が好ましい。良導性金属材料の箔をPETに貼り付け、エッチングする形態であれば、絶縁体の被覆は必ずしも必要ではない。
【0019】
また、ICモジュール105には、図1に示すように、ICカードコントローラ201、二次電池104の保護回路202、充電放電制御回路203、電源供給回路204及び表示部205が設けられている。ICカードコントローラ201は、CPU210、RAM211、ROM212、EEPROM213、入出力制御回路214及び表示駆動回路217を有しており、これらがバス215を介して相互に接続されている。更に、CPU210の制御下にある電源供給回路204もバス215に接続されている。
【0020】
入出力制御回路214は、アンテナコイル102に連結された端子107a及び端子107bからの信号を受けて、又はこれらに信号を送出してデータ伝送の制御する回路である。端子107a及び107bは、電力供給の端子にもなっていて、電源供給回路204にも接続されている。そして、本実施形態では、アンテナコイル102が受信した電波が変調された電波である場合には、端子107a及び107bから入力された電波を信号として入出力制御回路214が取り出し、復調してCPU210等のデータ処理回路に受け渡す。一方、アンテナコイル102が受信した電波が搬送波の電波(キャリア)だけの送信となる無変調状態である場合や、一定振幅状態で特に電力用の強い出力の電波による搬送波である場合には、端子107a及び107bから入力された電波を電源供給回路204が受け入れ、電源供給回路204が電力として取り出す。
【0021】
表示駆動回路217は、表示部205を駆動する回路で、RAM211上のデータ(例えば、残金に関するデータ)に基づいて表示データを作成し、電源供給回路204の電圧状況に依存して、後述する制御フロー(図5)に従って、表示部205を駆動して表示データを表示させる。なお、非接触型ICカード1とICカードリーダ・ライタ2との間でデータ伝送が行われる際の変調の方式は、例えば、ASK、PSK又はFSKのいずれかである。
【0022】
電源供給回路204には、同調回路204a、整流回路204b、レギュレータ204c、整流回路204bの出力電圧を検出する電圧検出回路204d、出力電圧検出回路204dの検出信号に応じて電源の切換処理を行う供給電力切換回路204e、及びA/D変換回路(図示せず)が設けられている。供給電力切換回路204eは、ICモジュール105等の供給電力を、レギュレータ204cの出力か、又は端子107c及び107dに接続された二次電池104の出力のいずれかに切換える。また、供給電力切換回路204eは二次電池104の充放電制御も行う。
【0023】
同調回路204aには、起動回路205が接続されている。起動回路205には、二次電池104から微量の電力が供給されている。起動回路205は、同調回路204aからの信号を高周波増幅する高周波増幅回路、整流回路、整流回路の出力を受けて動作するパワーオンリセット回路、及び、電源スイッチ回路(いずれも図示せず)等から構成されており、微弱な所定の周波数の電波による電流信号をアンテナコイル102が受けると、ICカードコントローラ201を起動させる。即ち、アンテナコイル102が所定値以上の微弱な電波を受信すると、電源スイッチ回路を作動させると共に、パワーオンリセット回路を動作させて、ICカードコントローラ201を起動させて、これを動作状態にする。
【0024】
電圧検出回路204dは、アンテナコイル102から端子107a及び107b並びに整流回路204bを介してレギュレータ204cに供給される電力の電圧を検出する。また、供給電力切換回路204eは、電圧検出回路204dの検出信号を受けてこの電圧を監視する。そして、供給電力切換回路204eは、出力電圧検出回路204dにより検出された電圧が、例えば4.0V以上である場合には、レギュレータ204cから安定化した電圧、例えば電圧が3.6Vの電力をICモジュール105内部の各種回路に送出すると共に、レギュレータ204cに供給される電力の一部を、充放電制御回路203及び保護回路202を介して二次電池104へ充電電流として供給する。なお、供給電力切換回路204eが、二次電池104の充電に関しては、整流回路204eのコンデンサ204fに余剰電力を一旦充電しておき、動作後にこの余剰の電力を二次電池104へ充電してもよい。但し、後者の場合には、コンデンサ204fには大きな容量が要求されるため、非接触型ICカード101に対して外付けされるコンデンサであってもよい。
【0025】
また、供給電力切換回路204eは、出力電圧検出回路204dにより検出された電圧が、例えば4.0V未満且つ3.6V以上である場合にも、レギュレータ204cから安定化した電圧の電力をICモジュール105内部の各種回路に送出する。但し、この場合には、余剰の電力を整流回路204eのコンデンサ204fに充電して確保し、充放電回路203及び保護回路202を介しての二次電池104の充電は行わない。
【0026】
また、供給電力切換回路204eは、出力電圧検出回路204dにより検出された電圧が、例えば3.6V未満である場合には、保護回路202及び充放電回路203を介して二次電池104から電力を受けてICモジュール105内部の各種回路へ電力を供給し、レギュレータ204cからの電力の出力は遮断する。
【0027】
このように、本実施形態では、電源供給回路204が電波による電力供給量(その電圧)に応じて、二次電池104から電源を供給するか、アンテナコイル102から電源を供給するかを選択する。
【0028】
従って、電波の受信状態が弱い状態、所謂弱電界の状態あっても、内部の各種回路は安定した動作をすることができる。なお、供給電力切換回路204eの前記のような切換制御は、CPU210が所定のプログラムを実行することにより行われる。このプログラムとして、電圧監視プログラム213aと充電要求処理プログラム213bとがEEPROM213に記憶されている。電圧監視プログラム213aは、定期割り込み処理によりCPU210により定期的に実行される。CPU210は、電圧監視プログラム213aを実行すると、出力電圧検出回路204dにより検出される整流回路204bの現在の電圧値をデジタル値として取得した後、供給電力切換回路204eに対して所定の制御信号を送出し、供給電力切換回路204eにおける供給電力の切換制御を行う。
【0029】
図3は、EPD方式の表示部205を示す断面図である。表示部205は、スイッチング素子として薄膜トランジスタが設けられたTFT部22、接着剤層23、トナーをカプセル化したディスプレイ媒体24、及び樹脂素材26を備える。ディスプレイ媒体24においては、2枚のプラスチックフィルムの間に帯電したトナーが封じ込められている。そして、TFT部22がディスプレイ媒体24に電場を印加すると、ディスプレイ媒体24内の帯電したトナーが極性に応じてどちらかの電極上に静電吸着し、その表面を被う。ここで、一方の電極を面積の小さな黒色、他方を面積の大きな白色にしておけば、コントラストを発生させて画像を形成することができる。このように、EPD方式の表示部205は、トナーの面内分布を電気的に変化させて画像を形成する。なお、画像が形成された後には、電源の供給が断たれても、電極表面に吸着されたトナーはその状態を保持するため、表示画像には不揮発性がある。
【0030】
このように、表示部205は、ディスプレイ媒体24に対し所定の電場を形成させ、ディスプレイ媒体24を構成する粒子を物理的に移動(泳動)させることにより、表示動作を行う。従って、表示駆動回路217の駆動を止めた場合であっても、移動(泳動)した粒子は一定期間その状態を保持できるため、結果として表示内容が一定期間保持される特質を有している。この表示内容を保持する期間(以下、表示保持期間と記述する)は、ディスプレイ媒体24を構成する粒子の大きさや種類によるが、例えば数日〜数十日の表示保持期間を確保することも可能である。一方、一度表示を行うために表示駆動回路217を駆動する時間は数十μ秒程度である。このため、表示駆動回路217は短い時間だけ駆動させればいいので、消費電力も微小に抑えることが可能である。例えば、表示に必要な電流を50μAとして、駆動時間0.1m秒とすると、必要な電力は0.5mWとなる。
【0031】
ここで、ディスプレイ媒体24について説明する。ディスプレイ媒体24としては、種々のものを選択して用いることができる。ここでは、そのうちの4種について説明する。図4a乃至図4dは、ディスプレイ媒体24の仕組みを示す図である。
【0032】
図4aは、電気泳動ディスプレイ130を示す模式図である。バインダ132は、複数の粒子136及び染色懸濁流体138を充填された少なくとも1つのカプセル134を含む。粒子136は、例えばチタニア粒子である。適切な極性の直流電界がカプセル134に印加される場合には、粒子136がディスプレイの視覚面へと移動して、光を散乱する。印加された電界が逆転される場合には、粒子136はディスプレイの背面に移動し、そしてディスプレイの視覚面は、暗く見える。
【0033】
図4bは、他の電気泳動ディスプレイ140を示す模式図である。電気泳動ディスプレイ140では、第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144がカプセル141内に含まれている。第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144は、対照をなす光学特性を有する。例えば、第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144は、相異なる電気泳動移動度を有し得る。また、第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144は、互いに対照をなす色を有し得る。例えば、第1のセットの粒子142は白で、第2のセットの粒子144は黒であり得る。カプセル141は実質的に透明な流体をさらに含む。また、カプセル141を間に挟んで電極146及び146´が配置されている。電極146、146´は、電圧源48に接続されており、カプセル141に交流(AC)電界又は直流(DC)電界を提供し得る。カプセル141に電界を印加すると、第1のセットの粒子142は電極146´に向かって移動するのに対し、第2のセットの粒子144は電極146に向かって移動する。
【0034】
図4cは、懸濁粒子ディスプレイ150を示す模式図である。懸濁粒子ディスプレイ150は、透過な流体154中に針状の粒子152を含む。粒子152は、電極156及び156´間にAC電界が印加されると、その長軸が向く方向を変化させる。即ち、AC電界が印加されると、粒子152は表示面に対して垂直に方向付けされて、ディスプレイは透明に見える。一方、AC電界が取り除かれると、粒子152は不規則に方向付けられて、ディスプレイ150は不透明に見える。
【0035】
図4dは、複数の重クロム球体を含むディスプレイ160を示す模式図である。重クロム球体161は、第1の色の正に帯電された半球162及び第2の色の負に帯電された半球164を液状媒体166内に含む。電極168及び168’のペアを介して球体161に電界が印加されると、球体161が回転して2つの半球162、164のうち1つの色が表示される。
【0036】
なお、図4a〜図4dに示した電気泳動ディスプレイは例であって、他の電気泳動ディスプレイが用いられてもよい。また、液晶表示装置、反射型液晶表示装置、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、コレステリック液晶表示装置、乾式トナー表示装置又は有機EL表示装置等が用いられてもよい。
【0037】
次に、上述のように構成された非接触型ICカードの充電及び電源供給の動作について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの充電及び電源供給の動作を示すフローチャートである。
【0038】
先ず、非接触型ICカード1を、非接触型ICカード対応のICカードリーダ又はICカードリーダ・ライタ2(図1参照)に近づけると、非接触型ICカード1のアンテナコイル102は、非接触型ICカード対応リーダ(リーダ・ライタ2)から発信される電磁波を受信する(ステップS101)。このとき、アンテナコイル102に微弱な所定の周波数の電波、例えば、13.56MHzの周波数の電波が供給される。これをアンテナコイル102が受けると、同調回路204aにより同調がとられて受信電波レベルが一定レベルに達した時点で起動回路205が動作してICモジュール105を起動する。これにより、ICモジュール105が動作状態に入る。
【0039】
また、この受信によりアンテナコイル102の端子間に電圧が誘起され、それを電源供給回路204内の整流回路204bが受けて整流して所定の電圧の電力とする(ステップS102)。
【0040】
更に、CPU210は、定期的な電圧監視プログラム213aの実行により、ステップS102において整流回路204bで整流された電力の電圧とICカード駆動可能電圧(例えば、3.6V)とを比較する(ステップS103)。
【0041】
ここで、整流回路204bにより整流された電力の電圧がICカード駆動可能電圧以上であれば、供給電力切換回路204eに、ICカードコントローラ201に対してレギュレータ204cを介してアンテナコイル102からの電力を供給させる(ステップS104)。更に、特に整流回路204bにより整流された電力の電圧が4.0V以上の場合には、破線で示すように、ステップS112へと移行し、同時に充電処理を行う。そして、そのまま終了するではなく、更に破線で示すように、ステップS112からステップS106へと移行する。
【0042】
一方、ステップS103において、整流回路204bにより整流された電圧がICカード駆動可能電圧未満であれば、CPU210が供給電力切換回路204eを制御して、充電放電制御回路203を介して二次電池104から電力を供給するようにする(ステップS105)。また、詳細は後述するが、この二次電池104からの電力供給に切り替えられた時点で、CPU120は、電圧監視プログラム213aに基づいて二次電池104から供給される電圧を監視し、この電圧が所定値以下になったとき、例えば、3.3V以下になったときには、破線で示すように、充電要求信号41(図6参照)を発生してICカードリーダ・ライタ2(電波送信側装置)に電力供給の電波発生の要求をする充電要求処理に入る。
【0043】
このように、ステップS104又はS105を経て、アンテナコイル102からの電力または、二次電池104からの電力を得た後、ICモジュール105を起動し、アンテナコイル102を介してのICカードリーダ・ライタ2との通信及び信号の処理を開始する(ステップS106)。
【0044】
そして、ICカードリーダ・ライタ2との通信及び信号処理が完了すると、RAM211上にバックアップされている表示内容に変更があるか、又は、表示してから表示限界時間(表示部205(例えば電子ペーパー)の表示限界)を超えているかどうかを判断し(ステップS107)、変更又は限界で表示の更新が必要であれば、ステップS108へと移行する。一方、表示の変更も更新も必要なければ、ステップS111へと移行する。なお、更新の要否の判断に当たっては、例えばRAM211内にICカードリーダ・ライタ2側から表示実行した日時情報の取得及びバックアップを行い、ICカードリーダ・ライタ2側と通信している現在の時刻を読み込んで表示経過時間を算出すればよい。
【0045】
ステップS108では、アンテナコイル102から供給された電力又は二次電池104から供給された電力が表示できるレベルにあるかどうか(例えば、0.5mW以上)を判断し(ステップS108)、表示可能であれば、ステップS109へと移行する。ステップS109では、ICカードリーダ・ライタ2側との信号処理の結果、例えばRAM211に格納されている情報に基づいて、表示駆動回路217で表示データを作成し、表示部205に送る。
【0046】
一方、表示可能でなければ、ステップS110へと移行する。ステップS110では、ICカードリーダ・ライタ2側に電力不足の異常コードを通知する。なお、図示しないが、電力不足の異常コードを受信したICカードリーダ・ライタ2側は、カードの電力確保のため再度カードを翳すようにユーザに通知する。
【0047】
そして、データの伝送処理が終了すると、CPU210が供給電力切換回路204eを制御して充電放電制御回路203を介して、コンデンサ204fに蓄電されている余剰電力を二次電池104に充電する(ステップS111及びS112)。この場合、余剰電力が充電電圧に満たないときには、昇圧回路等を設けて昇圧して充電するように構成することが好ましい。
【0048】
次に、ステップS103において、二次電池104からの供給電圧が所定値以下、例えば3.3V以下になったときの動作、即ち充電要求処理について説明する。図6は、CPU210の電圧監視プログラム213aによる充電要求処理を示すフローチャートである。
【0049】
先ず、上述のように、アンテナコイル102が微弱な所定の周波数の電波、例えば、13.56MHzの周波数の電波を受けると(図5のステップS101)、同調回路204aにより同調がとられて受信電波のレベルが一定レベルに達した時点で起動回路205が動作して二次電池104からの電力を受けてICモジュール105を起動する。これにより、ICモジュール105が動作状態に入る。ICモジュール105が動作状態に入ると、通常の状態では、CPU210が出力電圧検出回路204dを用いて整流回路204bの出力電圧(図5のステップS102)を監視する。そして、整流回路204bの出力電圧が3.6V未満になると(図5のステップS103)、出力電圧検出回路204dを用いて二次電池104の電圧を監視する。即ち、CPU210は、電圧監視プログラム213aを定期的に実行して出力電圧検出回路204dにより得られる二次電池104の端子間電圧と、予め設定されたしきい値電圧を比較して電池の残量検出を行う(ステップS201)。
【0050】
そして、二次電池104の残量が減って規定の端子間電圧以下(3.3V以下)になると、CPU210は、充電要求処理プログラム213bを実行して非接触lCカード1側からアンテナコイル102を介してICカードリーダ・ライタ2に向けて充電要求信号41を送信する(ステップS202)。
【0051】
ICカードリーダ・ライタ2側は、充電要求信号41を検出し(ステップS203)、電力搬送波42を非接触型ICカード1に向けて一定期間だけ送出する(ステップS204)。このとき、電力搬送波42の波形は、送受信を行うデータ内容には依存しない、充電時のみの波形とする。これにより、非接触lCカード1側は、二次電池104の充電処理を行う(ステップS205)。そして、ICカードリーダ・ライタ2側は、予め設定された時間を経た後に、電力搬送波の出力動作を停止する(ステップS206)。
【0052】
なお、電力搬送波42としては、特定の周波数に設定された正弦波を用いることが、伝送ロスを減らし、非接触型ICカード1側で効率的に電力を取込むことが可能となるため、好ましい。また、上述のように、電力搬送波42は、非接触型ICカード1への送出が開始されてから、予め設定された時間を経た後に、ICカードリーダ・ライタ2からの送出が停止されるが(ステップS206)、この場合の予め設定された一定期間としては、例えば10秒と設定することができる。
【0053】
電力搬送波42の送出が停止された後は(ステップS206)、ICモジュール105が二次電池104の端子間電圧を監視する状態に戻り、ステップS201〜S206の処理を繰り返し行う。そして、繰り返し行われるステップS201のいずれかにおいて、二次電池104が満充電となったと判定されると(ステップS207)、充電要求信号41の送出処理を行わずに、充電処理を終了する。なお、電力搬送波42の受信中を含めてレギュレータ204cからの電力が利用できる電圧のときには、特に、その電力がICモジュール105等へ供給される。
【0054】
次に、充放電回路203による二次電池104の充電動作について説明する。図7は、充放電回路203による二次電池104の充電動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
ここでは、最初に定電流充電を行った後に、定電圧充電を行う。即ち、充電開始の指示があると、先ず、定電流充電を開始する(ステップS401)。定電流充電は、充電電圧が規定電圧になるまで一定の電流値で行われる(ステップS402)。そして、充電電圧が規定電圧に達した時点で定電圧充電に移行する。但し、定電流充電を開始して充電経過時間が予め定められた規定時間を超えるようであれば、電池に異常があったと判断し、充電を終了する(ステップS403)。
【0056】
ステップS404で定電圧充電が開始され、定電圧充電は、充電電流が規定電圧になるまで、一定の電圧で行われる(ステップS405)。そして、充電電流が規定電流に達した時点で終了する。なお、定電流充電と同様に、定電圧充電を開始して充電経過時間が規定時間を超えるようであれば、電池に異常があったと判断し、充電を終了する(ステップS406)。
【0057】
次に、充放電回路203による二次電池104の電力供給動作(放電動作)について説明する。図8は、充放電回路203による二次電池104の電力供給動作(放電動作)の一例を示すフローチャートである。
【0058】
充放電回路203は、負荷に対する放電を二次電池104に開始させると共に、放電電圧を監視し(ステップS301)、放電電圧が規定電圧以上になった場合、過放電防止のため放電を中止する(ステップS303)。また、放電電流の監視も行い(ステップS302)、放電電流が規定電流以上となった場合にも放電を中止する(ステップS303)。放電を中止した後には、放電電流又は放電電圧が規定値内に収まるまで放電を中断し、電力供給を一時的に停止する(ステップS304)。規定値内に収まるようになると、破線で示すように、ステップS301へと戻り、電力供給(放電)を再開する。なお、充放電回路203は、電力供給中(放電中)は、常に放電電圧及び放電電流を監視する(ステップS305)。
【0059】
このような本実施形態では、表示部205として、カード内のデータ内容を低電力でも有効に表示させることが可能である。また、表示部205に柔軟性があり屈曲可能であるので、従来の紙のICカードと同様に扱うことが可能である。更に、軽量かつ薄い電気泳動式のディスプレイを採用しているので、ISO等の規格により厚みが定められているICカードに可変表示媒体を形成するこができる。また、更に、表示した画像が電力や画像信号の供給中止後であっても残存するので、画像表示のための消費電力が少なくて済む上、リーダライタ等からカードを離した状態であってもカード上に画像を表示し続けることができる。これにより、プリペイドカードやポイントカードなどに応用すればカードに記憶された残額やポイントの確認が可能であり、誤操作や勘違いなどによるトラブルをなくすことができる。
【0060】
また、電力系に関しては、電波によりアンテナコイル102で受けた電力の電圧値を監視して、電波による電力供給において供給電力の電圧が可動可能な電圧値未満のときには二次電池104(又はコンデンサ)からの電力によりICカードを動作させ、供給電力の電圧が可動可能な電圧値以上のときには動作中あるいは動作後の余剰電力により充電放電制御回路203を介して二次電池104等を充電する。これにより、電波による安定しない電力供給において可動可能な電圧値未満のときには、電波による不安定な電力を使用することなく、二次電池104等の安定した電力を使用してICモジュールを動作させることができる。更に、余分な電力は充電に使用されるので、電力の無駄がなくなる。しかも、電波によりアンテナコイル102で受けた電力を使用する場合にも、余分な電力は充電側に回せるので、電波の出力が強すぎてもICモジュール105側では安定した電圧の電力を使用することができる。
【0061】
次に、このような充放電回路を持つ非接触型ICカードの寸法及び電気的特性の一例について説明する。PETを用いて、縦54.0mm、横85.6mm、厚さ0.76mmの外形寸法の非接触型ICカード1において、例えば、二次電池(ポリマーリチウム)104の外形寸法として、縦43.0mm、横60.0mm、厚さ0.5mmを用いたとする。二次電池104の質量は2.13g、電圧は3.6Vで、容量は22.4mAhとする。この非接触型ICカード1においては、アンテナコイル102を用いてデータ伝送する場合に、最大10mA、平均3mAの電流を流したとすると、データ伝送をせずに待機している場合には、最大150μA、平均35μAの電流を流すことができる。これらの電流値と、二次電池の容量22.4mAhとにより、二次電池104が十分に充電した後に待機のみの場合は約160日間もつことができる。また、二次電池104が十分に充電した後に連続したデータ伝送を行う場合は、約2.2時間可能である。
【0062】
なお、二次電池としては、ポリマーリチウム二次電池以外の二次電池を用いてもよく、また、電力蓄電用のコンデンサを二次電池に換えて用いてもよい。
【0063】
また、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】EPD方式の表示部205を示す断面図である。
【図4a】電気泳動ディスプレイ130を示す模式図である。
【図4b】他の電気泳動ディスプレイ140を示す模式図である。
【図4c】懸濁粒子ディスプレイ150を示す模式図である。
【図4d】複数の重クロム球体を含むディスプレイ160を示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの充電及び電源供給の動作を示すフローチャートである。
【図6】CPU210の電圧監視プログラム213aによる充電要求処理を示すフローチャートである。
【図7】充放電回路203による二次電池104の充電動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】充放電回路203による二次電池104の電力供給動作(放電動作)の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1:非接触型ICカード、205:表示部、22:TFT部、24:ディスプレイ媒体、101:上面カバーシート、102:アンテナコイル、103:コアシート、104:二次電池(ポリマーリチウム二次電池)、105:ICモジュール、106:下面カバーシート、107a、107b、107c、107d:端子、108:開口部、201:ICカードコントローラ、202:保護回路、203:充電放電制御回路、204:電源供給回路、204a:同調回路、204b:整流回路、204c:レギュレータ、204d:電圧検出回路、204e:供給電力切換回路、205:表示部、210:CPU、211:RAM、212:ROM、213:EEPROM、214:入出力制御回路、215:バス、217:表示駆動回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触lCカードに好適なカード装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICモジュールを搭載したICカードは、磁気カードに比較して格段に高いセキュリティーを実現できることから、近年、急速に普及しつつある。特に、最近では、ICカードを用いた電子マネーシステムが注目されており、ATM端末装置(以下ATM端末)をキャッシュレス化することが可能であるため、従来のATM端末のセキュリティー上の問題点であった現金の出し入れを不要とする点で、ICカードの普及が期待されている。ICカードで現在普及しているものは、ICモジュールが接点として露出した形態の接触型ICカードであるが、電波を介した電磁誘導等によるデータ伝送を用いた非接触型ICカードも徐々に広まりつつある。非接触型ICカードは、ICモジュールが露出していないため、塵埃の多い環境下でも、高信頼性を保ちながら、動作する利点がある。
【0003】
しかしながら、メモリ内のデータは電子的な情報を知るには、一旦ICカードの内容をリーダライタ等の読取装置から読み取り、ディスプレイに表示たり紙に出力するなどの処理を行わなければならない。このような問題点を解決するために、ICカードの表面に画像を書き換え可能なリライト層を設けたものが考えられている。このリライト層には、所望のデータを可視情報としてカード表面に表示することが可能であり、しかも必要に応じて何度でも表示データを書き換えることが可能である。このようなICカードであれば、有効期限や利用可能残金の表示などのICカード内の必要なデータを可視情報として表示できるので極めて便利である。しかしながら、上記発明ではリライト層を用いて表示データを形成するために、専用の外部書き込み装置を必要とする。特に上記発明のリライト層は感熱記録層を利用したものであるので、カード内に高密度で実装されたICや配線に対して熱による悪影響を防ぐために断熱層等を設ける必要がある。
【0004】
一方、ICカードの表面に可変の表示媒体である液晶表示装置を設けるといったアイデアも提案されているが、液晶表示装置は液晶材料の封入された表示媒体に加えて偏向板や保護層としてのガラス板等を設ける必要があるため、表示装置全体としてICカードに搭載できる程度に薄くすることは困難である。ICカードの物理的な大きさはISOの規格により定まっており、「ISO7816−1」によると、外形寸法は長さ85.47〜85.72mm、幅53.92〜54.03mm、厚さ0.68〜0.84mmとなっている。
【0005】
また、液晶表示装置は上記のように保護層にガラス材料を使用するのが一般的であることから折り曲げに弱く、その点からもICカードに用いるには向かない。ICカードに実装するICチップ等も折り曲げに弱いが、カードの表面上の垂直に交わる2本の中央線から外れる位置に実装することで、カードが屈曲した場合でもICチップに力が加わりにくいよう工夫されている。このように、カードに実装する部品には耐久性や力が加わらないような工夫が要求されるが、カード表面には接触端子、エンボス形成による文字等があるため、必ずしも曲げによる影響の少ない場所に液晶表示装置を実装できるわけではない。
【0006】
さらに液晶表示装置では、画像表示には連続的な電力と画像信号の供給が必要なので、これらの供給を行うリーダライタ等から離してしまうと情報を表示することができない。仮に、カード単独で画像表示を行うのであればカード内に大容量の電源(電池)を設けなければならない。
【0007】
そこで、表示の不揮発性という性質を具えた強誘電性液晶表示パネルを用いた技術が特許文献1(特開平11−353438号公報)に開示されている。この技術によれば、電力が必要なのは、主として表示の切換時のみであるため、カード内に電源を設けておく必要がなくなる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の技術では、所期の目的を達成することはできるものの、外部からの電力供給が十分でなかった場合に動作が安定しない虞がある。
【0009】
【特許文献1】特開平11−353438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、外部から供給される電力が十分でない場合でも安定した動作を行うことができるカード装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0012】
本発明に係るカード装置は、集積回路と、前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、を有し、前記集積回路は、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電し、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るカード装置の制御方法は、集積回路と、前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、を有するカード装置の動作を制御する方法であって、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電するステップと、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを含む集積回路と、前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、を有するカード装置の動作を前記コンピュータに制御させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電する手順と、前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行う手順と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電力系に関し、アンテナコイルで受けた電力の電圧値を検出して、この検出結果に応じて、電力の供給源を外部又は蓄積手段の間で切り換えるため、電波による電力供給が安定せず、十分な電力が供給されていない状態であっても、蓄電手段からの安定した電力を用いるため、安定した動作を行うことができる。また、十分な電力が外部から供給されている状態では、余剰な電力を蓄電手段に充電するため、蓄電手段に蓄積されている電力を適切に保持することができ、電力の無駄を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの回路構成を示すブロック図であり、図2は、この非接触型ICカードの内部構造を示す分解斜視図である。
【0017】
図2において、1は、非接触型ICカードであり、非接触型ICカード1は、上面カバーシート101、アンテナコイル102を有するコアシート103、ポリマーリチウム二次電池104、ICモジュール105、及び、下面カバーシート106を備えている。コアシート103は、アンテナコイル102を磁気結合コイルとするためのシート状の基板であり、内側に開口部(又は凹部)108が設けられている。そして、可とう性を具えた二次電池104、例えばポリマーリチウム二次電池が開口部(又は凹部)108に嵌め込まれ、絶縁性材料からなる上面カバーシート101又は下面カバーシート106によって、上方又は下方から挟み込まれている。なお、二次電池104の端部には端子107c及び107dが設けられ、これらの端子107c及び107dを介して、二次電池104にICモジュール105が接続されている。即ち、非接触型ICカード1は、可とう性を有する二次電池(例えば、ポリマーリチウム二次電池)104、アンテナコイル102及びICモジュール105を有している。
【0018】
なお、上面カバーシート101及び下面カバーシート106には、任意の絶縁性材料又は表面に絶縁性が付与された導電性材料を用いることが可能であるが、量産性に優れ安価に製造できることから、絶縁性のプラスチックシートを用いることが好ましい。絶縁性のブラスチックシートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等を用いることができる。アンテナコイル102は、電磁誘導を用いたデータ伝送及び電力伝送に用いるコイルとなるので、アンテナコイル102の材料としては、例えばアルミニウム、銅、銀、金、スズ、鉛、インジウム、クロム、ニッケル等の良導性金属材料を用いることが好ましい。導線を巻いた形態においては、短絡を回避するため、良導性金属材料を絶縁体で被覆した線が好ましい。良導性金属材料の箔をPETに貼り付け、エッチングする形態であれば、絶縁体の被覆は必ずしも必要ではない。
【0019】
また、ICモジュール105には、図1に示すように、ICカードコントローラ201、二次電池104の保護回路202、充電放電制御回路203、電源供給回路204及び表示部205が設けられている。ICカードコントローラ201は、CPU210、RAM211、ROM212、EEPROM213、入出力制御回路214及び表示駆動回路217を有しており、これらがバス215を介して相互に接続されている。更に、CPU210の制御下にある電源供給回路204もバス215に接続されている。
【0020】
入出力制御回路214は、アンテナコイル102に連結された端子107a及び端子107bからの信号を受けて、又はこれらに信号を送出してデータ伝送の制御する回路である。端子107a及び107bは、電力供給の端子にもなっていて、電源供給回路204にも接続されている。そして、本実施形態では、アンテナコイル102が受信した電波が変調された電波である場合には、端子107a及び107bから入力された電波を信号として入出力制御回路214が取り出し、復調してCPU210等のデータ処理回路に受け渡す。一方、アンテナコイル102が受信した電波が搬送波の電波(キャリア)だけの送信となる無変調状態である場合や、一定振幅状態で特に電力用の強い出力の電波による搬送波である場合には、端子107a及び107bから入力された電波を電源供給回路204が受け入れ、電源供給回路204が電力として取り出す。
【0021】
表示駆動回路217は、表示部205を駆動する回路で、RAM211上のデータ(例えば、残金に関するデータ)に基づいて表示データを作成し、電源供給回路204の電圧状況に依存して、後述する制御フロー(図5)に従って、表示部205を駆動して表示データを表示させる。なお、非接触型ICカード1とICカードリーダ・ライタ2との間でデータ伝送が行われる際の変調の方式は、例えば、ASK、PSK又はFSKのいずれかである。
【0022】
電源供給回路204には、同調回路204a、整流回路204b、レギュレータ204c、整流回路204bの出力電圧を検出する電圧検出回路204d、出力電圧検出回路204dの検出信号に応じて電源の切換処理を行う供給電力切換回路204e、及びA/D変換回路(図示せず)が設けられている。供給電力切換回路204eは、ICモジュール105等の供給電力を、レギュレータ204cの出力か、又は端子107c及び107dに接続された二次電池104の出力のいずれかに切換える。また、供給電力切換回路204eは二次電池104の充放電制御も行う。
【0023】
同調回路204aには、起動回路205が接続されている。起動回路205には、二次電池104から微量の電力が供給されている。起動回路205は、同調回路204aからの信号を高周波増幅する高周波増幅回路、整流回路、整流回路の出力を受けて動作するパワーオンリセット回路、及び、電源スイッチ回路(いずれも図示せず)等から構成されており、微弱な所定の周波数の電波による電流信号をアンテナコイル102が受けると、ICカードコントローラ201を起動させる。即ち、アンテナコイル102が所定値以上の微弱な電波を受信すると、電源スイッチ回路を作動させると共に、パワーオンリセット回路を動作させて、ICカードコントローラ201を起動させて、これを動作状態にする。
【0024】
電圧検出回路204dは、アンテナコイル102から端子107a及び107b並びに整流回路204bを介してレギュレータ204cに供給される電力の電圧を検出する。また、供給電力切換回路204eは、電圧検出回路204dの検出信号を受けてこの電圧を監視する。そして、供給電力切換回路204eは、出力電圧検出回路204dにより検出された電圧が、例えば4.0V以上である場合には、レギュレータ204cから安定化した電圧、例えば電圧が3.6Vの電力をICモジュール105内部の各種回路に送出すると共に、レギュレータ204cに供給される電力の一部を、充放電制御回路203及び保護回路202を介して二次電池104へ充電電流として供給する。なお、供給電力切換回路204eが、二次電池104の充電に関しては、整流回路204eのコンデンサ204fに余剰電力を一旦充電しておき、動作後にこの余剰の電力を二次電池104へ充電してもよい。但し、後者の場合には、コンデンサ204fには大きな容量が要求されるため、非接触型ICカード101に対して外付けされるコンデンサであってもよい。
【0025】
また、供給電力切換回路204eは、出力電圧検出回路204dにより検出された電圧が、例えば4.0V未満且つ3.6V以上である場合にも、レギュレータ204cから安定化した電圧の電力をICモジュール105内部の各種回路に送出する。但し、この場合には、余剰の電力を整流回路204eのコンデンサ204fに充電して確保し、充放電回路203及び保護回路202を介しての二次電池104の充電は行わない。
【0026】
また、供給電力切換回路204eは、出力電圧検出回路204dにより検出された電圧が、例えば3.6V未満である場合には、保護回路202及び充放電回路203を介して二次電池104から電力を受けてICモジュール105内部の各種回路へ電力を供給し、レギュレータ204cからの電力の出力は遮断する。
【0027】
このように、本実施形態では、電源供給回路204が電波による電力供給量(その電圧)に応じて、二次電池104から電源を供給するか、アンテナコイル102から電源を供給するかを選択する。
【0028】
従って、電波の受信状態が弱い状態、所謂弱電界の状態あっても、内部の各種回路は安定した動作をすることができる。なお、供給電力切換回路204eの前記のような切換制御は、CPU210が所定のプログラムを実行することにより行われる。このプログラムとして、電圧監視プログラム213aと充電要求処理プログラム213bとがEEPROM213に記憶されている。電圧監視プログラム213aは、定期割り込み処理によりCPU210により定期的に実行される。CPU210は、電圧監視プログラム213aを実行すると、出力電圧検出回路204dにより検出される整流回路204bの現在の電圧値をデジタル値として取得した後、供給電力切換回路204eに対して所定の制御信号を送出し、供給電力切換回路204eにおける供給電力の切換制御を行う。
【0029】
図3は、EPD方式の表示部205を示す断面図である。表示部205は、スイッチング素子として薄膜トランジスタが設けられたTFT部22、接着剤層23、トナーをカプセル化したディスプレイ媒体24、及び樹脂素材26を備える。ディスプレイ媒体24においては、2枚のプラスチックフィルムの間に帯電したトナーが封じ込められている。そして、TFT部22がディスプレイ媒体24に電場を印加すると、ディスプレイ媒体24内の帯電したトナーが極性に応じてどちらかの電極上に静電吸着し、その表面を被う。ここで、一方の電極を面積の小さな黒色、他方を面積の大きな白色にしておけば、コントラストを発生させて画像を形成することができる。このように、EPD方式の表示部205は、トナーの面内分布を電気的に変化させて画像を形成する。なお、画像が形成された後には、電源の供給が断たれても、電極表面に吸着されたトナーはその状態を保持するため、表示画像には不揮発性がある。
【0030】
このように、表示部205は、ディスプレイ媒体24に対し所定の電場を形成させ、ディスプレイ媒体24を構成する粒子を物理的に移動(泳動)させることにより、表示動作を行う。従って、表示駆動回路217の駆動を止めた場合であっても、移動(泳動)した粒子は一定期間その状態を保持できるため、結果として表示内容が一定期間保持される特質を有している。この表示内容を保持する期間(以下、表示保持期間と記述する)は、ディスプレイ媒体24を構成する粒子の大きさや種類によるが、例えば数日〜数十日の表示保持期間を確保することも可能である。一方、一度表示を行うために表示駆動回路217を駆動する時間は数十μ秒程度である。このため、表示駆動回路217は短い時間だけ駆動させればいいので、消費電力も微小に抑えることが可能である。例えば、表示に必要な電流を50μAとして、駆動時間0.1m秒とすると、必要な電力は0.5mWとなる。
【0031】
ここで、ディスプレイ媒体24について説明する。ディスプレイ媒体24としては、種々のものを選択して用いることができる。ここでは、そのうちの4種について説明する。図4a乃至図4dは、ディスプレイ媒体24の仕組みを示す図である。
【0032】
図4aは、電気泳動ディスプレイ130を示す模式図である。バインダ132は、複数の粒子136及び染色懸濁流体138を充填された少なくとも1つのカプセル134を含む。粒子136は、例えばチタニア粒子である。適切な極性の直流電界がカプセル134に印加される場合には、粒子136がディスプレイの視覚面へと移動して、光を散乱する。印加された電界が逆転される場合には、粒子136はディスプレイの背面に移動し、そしてディスプレイの視覚面は、暗く見える。
【0033】
図4bは、他の電気泳動ディスプレイ140を示す模式図である。電気泳動ディスプレイ140では、第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144がカプセル141内に含まれている。第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144は、対照をなす光学特性を有する。例えば、第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144は、相異なる電気泳動移動度を有し得る。また、第1のセットの粒子142及び第2のセットの粒子144は、互いに対照をなす色を有し得る。例えば、第1のセットの粒子142は白で、第2のセットの粒子144は黒であり得る。カプセル141は実質的に透明な流体をさらに含む。また、カプセル141を間に挟んで電極146及び146´が配置されている。電極146、146´は、電圧源48に接続されており、カプセル141に交流(AC)電界又は直流(DC)電界を提供し得る。カプセル141に電界を印加すると、第1のセットの粒子142は電極146´に向かって移動するのに対し、第2のセットの粒子144は電極146に向かって移動する。
【0034】
図4cは、懸濁粒子ディスプレイ150を示す模式図である。懸濁粒子ディスプレイ150は、透過な流体154中に針状の粒子152を含む。粒子152は、電極156及び156´間にAC電界が印加されると、その長軸が向く方向を変化させる。即ち、AC電界が印加されると、粒子152は表示面に対して垂直に方向付けされて、ディスプレイは透明に見える。一方、AC電界が取り除かれると、粒子152は不規則に方向付けられて、ディスプレイ150は不透明に見える。
【0035】
図4dは、複数の重クロム球体を含むディスプレイ160を示す模式図である。重クロム球体161は、第1の色の正に帯電された半球162及び第2の色の負に帯電された半球164を液状媒体166内に含む。電極168及び168’のペアを介して球体161に電界が印加されると、球体161が回転して2つの半球162、164のうち1つの色が表示される。
【0036】
なお、図4a〜図4dに示した電気泳動ディスプレイは例であって、他の電気泳動ディスプレイが用いられてもよい。また、液晶表示装置、反射型液晶表示装置、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、コレステリック液晶表示装置、乾式トナー表示装置又は有機EL表示装置等が用いられてもよい。
【0037】
次に、上述のように構成された非接触型ICカードの充電及び電源供給の動作について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの充電及び電源供給の動作を示すフローチャートである。
【0038】
先ず、非接触型ICカード1を、非接触型ICカード対応のICカードリーダ又はICカードリーダ・ライタ2(図1参照)に近づけると、非接触型ICカード1のアンテナコイル102は、非接触型ICカード対応リーダ(リーダ・ライタ2)から発信される電磁波を受信する(ステップS101)。このとき、アンテナコイル102に微弱な所定の周波数の電波、例えば、13.56MHzの周波数の電波が供給される。これをアンテナコイル102が受けると、同調回路204aにより同調がとられて受信電波レベルが一定レベルに達した時点で起動回路205が動作してICモジュール105を起動する。これにより、ICモジュール105が動作状態に入る。
【0039】
また、この受信によりアンテナコイル102の端子間に電圧が誘起され、それを電源供給回路204内の整流回路204bが受けて整流して所定の電圧の電力とする(ステップS102)。
【0040】
更に、CPU210は、定期的な電圧監視プログラム213aの実行により、ステップS102において整流回路204bで整流された電力の電圧とICカード駆動可能電圧(例えば、3.6V)とを比較する(ステップS103)。
【0041】
ここで、整流回路204bにより整流された電力の電圧がICカード駆動可能電圧以上であれば、供給電力切換回路204eに、ICカードコントローラ201に対してレギュレータ204cを介してアンテナコイル102からの電力を供給させる(ステップS104)。更に、特に整流回路204bにより整流された電力の電圧が4.0V以上の場合には、破線で示すように、ステップS112へと移行し、同時に充電処理を行う。そして、そのまま終了するではなく、更に破線で示すように、ステップS112からステップS106へと移行する。
【0042】
一方、ステップS103において、整流回路204bにより整流された電圧がICカード駆動可能電圧未満であれば、CPU210が供給電力切換回路204eを制御して、充電放電制御回路203を介して二次電池104から電力を供給するようにする(ステップS105)。また、詳細は後述するが、この二次電池104からの電力供給に切り替えられた時点で、CPU120は、電圧監視プログラム213aに基づいて二次電池104から供給される電圧を監視し、この電圧が所定値以下になったとき、例えば、3.3V以下になったときには、破線で示すように、充電要求信号41(図6参照)を発生してICカードリーダ・ライタ2(電波送信側装置)に電力供給の電波発生の要求をする充電要求処理に入る。
【0043】
このように、ステップS104又はS105を経て、アンテナコイル102からの電力または、二次電池104からの電力を得た後、ICモジュール105を起動し、アンテナコイル102を介してのICカードリーダ・ライタ2との通信及び信号の処理を開始する(ステップS106)。
【0044】
そして、ICカードリーダ・ライタ2との通信及び信号処理が完了すると、RAM211上にバックアップされている表示内容に変更があるか、又は、表示してから表示限界時間(表示部205(例えば電子ペーパー)の表示限界)を超えているかどうかを判断し(ステップS107)、変更又は限界で表示の更新が必要であれば、ステップS108へと移行する。一方、表示の変更も更新も必要なければ、ステップS111へと移行する。なお、更新の要否の判断に当たっては、例えばRAM211内にICカードリーダ・ライタ2側から表示実行した日時情報の取得及びバックアップを行い、ICカードリーダ・ライタ2側と通信している現在の時刻を読み込んで表示経過時間を算出すればよい。
【0045】
ステップS108では、アンテナコイル102から供給された電力又は二次電池104から供給された電力が表示できるレベルにあるかどうか(例えば、0.5mW以上)を判断し(ステップS108)、表示可能であれば、ステップS109へと移行する。ステップS109では、ICカードリーダ・ライタ2側との信号処理の結果、例えばRAM211に格納されている情報に基づいて、表示駆動回路217で表示データを作成し、表示部205に送る。
【0046】
一方、表示可能でなければ、ステップS110へと移行する。ステップS110では、ICカードリーダ・ライタ2側に電力不足の異常コードを通知する。なお、図示しないが、電力不足の異常コードを受信したICカードリーダ・ライタ2側は、カードの電力確保のため再度カードを翳すようにユーザに通知する。
【0047】
そして、データの伝送処理が終了すると、CPU210が供給電力切換回路204eを制御して充電放電制御回路203を介して、コンデンサ204fに蓄電されている余剰電力を二次電池104に充電する(ステップS111及びS112)。この場合、余剰電力が充電電圧に満たないときには、昇圧回路等を設けて昇圧して充電するように構成することが好ましい。
【0048】
次に、ステップS103において、二次電池104からの供給電圧が所定値以下、例えば3.3V以下になったときの動作、即ち充電要求処理について説明する。図6は、CPU210の電圧監視プログラム213aによる充電要求処理を示すフローチャートである。
【0049】
先ず、上述のように、アンテナコイル102が微弱な所定の周波数の電波、例えば、13.56MHzの周波数の電波を受けると(図5のステップS101)、同調回路204aにより同調がとられて受信電波のレベルが一定レベルに達した時点で起動回路205が動作して二次電池104からの電力を受けてICモジュール105を起動する。これにより、ICモジュール105が動作状態に入る。ICモジュール105が動作状態に入ると、通常の状態では、CPU210が出力電圧検出回路204dを用いて整流回路204bの出力電圧(図5のステップS102)を監視する。そして、整流回路204bの出力電圧が3.6V未満になると(図5のステップS103)、出力電圧検出回路204dを用いて二次電池104の電圧を監視する。即ち、CPU210は、電圧監視プログラム213aを定期的に実行して出力電圧検出回路204dにより得られる二次電池104の端子間電圧と、予め設定されたしきい値電圧を比較して電池の残量検出を行う(ステップS201)。
【0050】
そして、二次電池104の残量が減って規定の端子間電圧以下(3.3V以下)になると、CPU210は、充電要求処理プログラム213bを実行して非接触lCカード1側からアンテナコイル102を介してICカードリーダ・ライタ2に向けて充電要求信号41を送信する(ステップS202)。
【0051】
ICカードリーダ・ライタ2側は、充電要求信号41を検出し(ステップS203)、電力搬送波42を非接触型ICカード1に向けて一定期間だけ送出する(ステップS204)。このとき、電力搬送波42の波形は、送受信を行うデータ内容には依存しない、充電時のみの波形とする。これにより、非接触lCカード1側は、二次電池104の充電処理を行う(ステップS205)。そして、ICカードリーダ・ライタ2側は、予め設定された時間を経た後に、電力搬送波の出力動作を停止する(ステップS206)。
【0052】
なお、電力搬送波42としては、特定の周波数に設定された正弦波を用いることが、伝送ロスを減らし、非接触型ICカード1側で効率的に電力を取込むことが可能となるため、好ましい。また、上述のように、電力搬送波42は、非接触型ICカード1への送出が開始されてから、予め設定された時間を経た後に、ICカードリーダ・ライタ2からの送出が停止されるが(ステップS206)、この場合の予め設定された一定期間としては、例えば10秒と設定することができる。
【0053】
電力搬送波42の送出が停止された後は(ステップS206)、ICモジュール105が二次電池104の端子間電圧を監視する状態に戻り、ステップS201〜S206の処理を繰り返し行う。そして、繰り返し行われるステップS201のいずれかにおいて、二次電池104が満充電となったと判定されると(ステップS207)、充電要求信号41の送出処理を行わずに、充電処理を終了する。なお、電力搬送波42の受信中を含めてレギュレータ204cからの電力が利用できる電圧のときには、特に、その電力がICモジュール105等へ供給される。
【0054】
次に、充放電回路203による二次電池104の充電動作について説明する。図7は、充放電回路203による二次電池104の充電動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
ここでは、最初に定電流充電を行った後に、定電圧充電を行う。即ち、充電開始の指示があると、先ず、定電流充電を開始する(ステップS401)。定電流充電は、充電電圧が規定電圧になるまで一定の電流値で行われる(ステップS402)。そして、充電電圧が規定電圧に達した時点で定電圧充電に移行する。但し、定電流充電を開始して充電経過時間が予め定められた規定時間を超えるようであれば、電池に異常があったと判断し、充電を終了する(ステップS403)。
【0056】
ステップS404で定電圧充電が開始され、定電圧充電は、充電電流が規定電圧になるまで、一定の電圧で行われる(ステップS405)。そして、充電電流が規定電流に達した時点で終了する。なお、定電流充電と同様に、定電圧充電を開始して充電経過時間が規定時間を超えるようであれば、電池に異常があったと判断し、充電を終了する(ステップS406)。
【0057】
次に、充放電回路203による二次電池104の電力供給動作(放電動作)について説明する。図8は、充放電回路203による二次電池104の電力供給動作(放電動作)の一例を示すフローチャートである。
【0058】
充放電回路203は、負荷に対する放電を二次電池104に開始させると共に、放電電圧を監視し(ステップS301)、放電電圧が規定電圧以上になった場合、過放電防止のため放電を中止する(ステップS303)。また、放電電流の監視も行い(ステップS302)、放電電流が規定電流以上となった場合にも放電を中止する(ステップS303)。放電を中止した後には、放電電流又は放電電圧が規定値内に収まるまで放電を中断し、電力供給を一時的に停止する(ステップS304)。規定値内に収まるようになると、破線で示すように、ステップS301へと戻り、電力供給(放電)を再開する。なお、充放電回路203は、電力供給中(放電中)は、常に放電電圧及び放電電流を監視する(ステップS305)。
【0059】
このような本実施形態では、表示部205として、カード内のデータ内容を低電力でも有効に表示させることが可能である。また、表示部205に柔軟性があり屈曲可能であるので、従来の紙のICカードと同様に扱うことが可能である。更に、軽量かつ薄い電気泳動式のディスプレイを採用しているので、ISO等の規格により厚みが定められているICカードに可変表示媒体を形成するこができる。また、更に、表示した画像が電力や画像信号の供給中止後であっても残存するので、画像表示のための消費電力が少なくて済む上、リーダライタ等からカードを離した状態であってもカード上に画像を表示し続けることができる。これにより、プリペイドカードやポイントカードなどに応用すればカードに記憶された残額やポイントの確認が可能であり、誤操作や勘違いなどによるトラブルをなくすことができる。
【0060】
また、電力系に関しては、電波によりアンテナコイル102で受けた電力の電圧値を監視して、電波による電力供給において供給電力の電圧が可動可能な電圧値未満のときには二次電池104(又はコンデンサ)からの電力によりICカードを動作させ、供給電力の電圧が可動可能な電圧値以上のときには動作中あるいは動作後の余剰電力により充電放電制御回路203を介して二次電池104等を充電する。これにより、電波による安定しない電力供給において可動可能な電圧値未満のときには、電波による不安定な電力を使用することなく、二次電池104等の安定した電力を使用してICモジュールを動作させることができる。更に、余分な電力は充電に使用されるので、電力の無駄がなくなる。しかも、電波によりアンテナコイル102で受けた電力を使用する場合にも、余分な電力は充電側に回せるので、電波の出力が強すぎてもICモジュール105側では安定した電圧の電力を使用することができる。
【0061】
次に、このような充放電回路を持つ非接触型ICカードの寸法及び電気的特性の一例について説明する。PETを用いて、縦54.0mm、横85.6mm、厚さ0.76mmの外形寸法の非接触型ICカード1において、例えば、二次電池(ポリマーリチウム)104の外形寸法として、縦43.0mm、横60.0mm、厚さ0.5mmを用いたとする。二次電池104の質量は2.13g、電圧は3.6Vで、容量は22.4mAhとする。この非接触型ICカード1においては、アンテナコイル102を用いてデータ伝送する場合に、最大10mA、平均3mAの電流を流したとすると、データ伝送をせずに待機している場合には、最大150μA、平均35μAの電流を流すことができる。これらの電流値と、二次電池の容量22.4mAhとにより、二次電池104が十分に充電した後に待機のみの場合は約160日間もつことができる。また、二次電池104が十分に充電した後に連続したデータ伝送を行う場合は、約2.2時間可能である。
【0062】
なお、二次電池としては、ポリマーリチウム二次電池以外の二次電池を用いてもよく、また、電力蓄電用のコンデンサを二次電池に換えて用いてもよい。
【0063】
また、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】EPD方式の表示部205を示す断面図である。
【図4a】電気泳動ディスプレイ130を示す模式図である。
【図4b】他の電気泳動ディスプレイ140を示す模式図である。
【図4c】懸濁粒子ディスプレイ150を示す模式図である。
【図4d】複数の重クロム球体を含むディスプレイ160を示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る非接触型ICカードの充電及び電源供給の動作を示すフローチャートである。
【図6】CPU210の電圧監視プログラム213aによる充電要求処理を示すフローチャートである。
【図7】充放電回路203による二次電池104の充電動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】充放電回路203による二次電池104の電力供給動作(放電動作)の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1:非接触型ICカード、205:表示部、22:TFT部、24:ディスプレイ媒体、101:上面カバーシート、102:アンテナコイル、103:コアシート、104:二次電池(ポリマーリチウム二次電池)、105:ICモジュール、106:下面カバーシート、107a、107b、107c、107d:端子、108:開口部、201:ICカードコントローラ、202:保護回路、203:充電放電制御回路、204:電源供給回路、204a:同調回路、204b:整流回路、204c:レギュレータ、204d:電圧検出回路、204e:供給電力切換回路、205:表示部、210:CPU、211:RAM、212:ROM、213:EEPROM、214:入出力制御回路、215:バス、217:表示駆動回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路と、
前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、
前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、
前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
を有し、
前記集積回路は、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電し、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うことを特徴とするカード装置。
【請求項2】
前記集積回路に接続された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を表示する表示手段と、
を有し、
前記集積回路は、前記通信の結果に応じて前記記憶手段に記憶されている情報を書き換え、書き換え後の情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のカード装置。
【請求項3】
前記アンテナコイルを介して所定の周波数の電波による電流信号を受けると、前記集積回路を動作状態にする起動回路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカード装置。
【請求項4】
前記アンテナコイルから供給された電力の電流信号を整流する整流手段と、
前記整流回路を介して得られる余剰電力を前記集積回路の動作中又は動作終了後のいずれかにおいて前記蓄電手段に充電する充電手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項5】
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満で、且つ、前記蓄電手段に充電されている電力の電圧が前記所定電圧よりも低い第2の所定電圧以下である場合、前記アンテナコイルに対して電力を供給している相手に対して、前記蓄電手段の充電に必要な電力の供給を要求する電力供給要求の信号を発信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項6】
前記表示手段は、電気的駆動信号の供給切断後も表示状態を維持する不揮発性を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項7】
前記表示手段は、液晶表示装置、反射型液晶表示装置、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、コレステリック液晶表示装置、乾式トナー表示装置及び有機EL表示装置からなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項8】
集積回路と、
前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、
前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、
前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
を有するカード装置の動作を制御する方法であって、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電するステップと、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うステップと、
を有することを特徴とするカード装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを含む集積回路と、
前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、
前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、
前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
を有するカード装置の動作を前記コンピュータに制御させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電する手順と、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行う手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
集積回路と、
前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、
前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、
前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
を有し、
前記集積回路は、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電し、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うことを特徴とするカード装置。
【請求項2】
前記集積回路に接続された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報を表示する表示手段と、
を有し、
前記集積回路は、前記通信の結果に応じて前記記憶手段に記憶されている情報を書き換え、書き換え後の情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のカード装置。
【請求項3】
前記アンテナコイルを介して所定の周波数の電波による電流信号を受けると、前記集積回路を動作状態にする起動回路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカード装置。
【請求項4】
前記アンテナコイルから供給された電力の電流信号を整流する整流手段と、
前記整流回路を介して得られる余剰電力を前記集積回路の動作中又は動作終了後のいずれかにおいて前記蓄電手段に充電する充電手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項5】
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満で、且つ、前記蓄電手段に充電されている電力の電圧が前記所定電圧よりも低い第2の所定電圧以下である場合、前記アンテナコイルに対して電力を供給している相手に対して、前記蓄電手段の充電に必要な電力の供給を要求する電力供給要求の信号を発信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項6】
前記表示手段は、電気的駆動信号の供給切断後も表示状態を維持する不揮発性を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項7】
前記表示手段は、液晶表示装置、反射型液晶表示装置、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、コレステリック液晶表示装置、乾式トナー表示装置及び有機EL表示装置からなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のカード装置。
【請求項8】
集積回路と、
前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、
前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、
前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
を有するカード装置の動作を制御する方法であって、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電するステップと、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行うステップと、
を有することを特徴とするカード装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを含む集積回路と、
前記集積回路に接続されたアンテナコイルと、
前記蓄積回路に電力を供給する蓄電手段と、
前記アンテナコイルを介して外部から供給される供給電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
を有するカード装置の動作を前記コンピュータに制御させるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧以上の場合、前記供給電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行い、前記通信後に余剰となった電力を前記蓄電手段に充電する手順と、
前記電圧検出手段により検出された電圧が所定電圧未満の場合、前記蓄電手段に充電されている電力を用いて前記アンテナコイルを介して外部と通信を行う手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−323683(P2006−323683A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147069(P2005−147069)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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