ガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセット
【課題】 ガイドワイヤを医療用チューブの所定の流路に通すことのできるガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットを提供すること。
【解決手段】 基端側部分11に基端側流路11aを形成し、先端側部分14に基端側流路11aから分岐して延びる先端側流路15a,15b,15c,15dを周方向に配置して構成される医療用チューブ10における基端側流路11aから、先端側流路15dにかけて、ガイドワイヤを通す際にガイドワイヤ挿入補助具20を用いるようにした。このガイドワイヤ挿入補助具20を棒状体で構成し、この棒状体の中心軸から外周側にずれた位置にガイドワイヤを通すための挿通孔21を軸方向に貫通して形成した。また、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面における挿通孔21に対応する部分に軸方向に延びるライン17を設けた。
【解決手段】 基端側部分11に基端側流路11aを形成し、先端側部分14に基端側流路11aから分岐して延びる先端側流路15a,15b,15c,15dを周方向に配置して構成される医療用チューブ10における基端側流路11aから、先端側流路15dにかけて、ガイドワイヤを通す際にガイドワイヤ挿入補助具20を用いるようにした。このガイドワイヤ挿入補助具20を棒状体で構成し、この棒状体の中心軸から外周側にずれた位置にガイドワイヤを通すための挿通孔21を軸方向に貫通して形成した。また、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面における挿通孔21に対応する部分に軸方向に延びるライン17を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の傷部から排液を排出したり患者の傷部に薬液を供給したりするために用いられる医療用チューブの交換時に、医療用チューブ内にガイドワイヤを挿入する際に用いられるガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者の手術後の傷部に溜まる排液を体外へ排出するために医療用チューブが用いられている。この医療用チューブは、先端側を患者の傷部に留置して、基端側を体外に延ばし、その体外の基端部に吸引器具を接続して使用される。すなわち、吸引器具の吸引力により医療用チューブを介して排液を排出する操作が行われ、所定時間経過して、医療用チューブ内が詰まったり医療用チューブが劣化したりしたときには新たな医療用チューブと交換される。この医療用チューブの交換の際には、医療用チューブ内にガイドワイヤを通し、ガイドワイヤを患者の傷部まで到達させた状態で医療用チューブだけを引き抜き、新たに医療用チューブをガイドワイヤに沿って挿入することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この医療用チューブ(医療用ドレーンチューブ)は、扁平形状の管状に形成されており、扁平形状の断面の一方端近傍に弧状または直線状の支持壁を設けて、医療用チューブの内腔をドレナージ部とガイドワイヤ孔とに分けている。そして、ドレナージ部は排液を排出するために用いられ、ガイドワイヤ孔は、医療用チューブを交換する際に、ガイドワイヤを通すために用いられる。
【特許文献1】実開平6−70746号公報
【発明の開示】
【0004】
医療用チューブの中には、先端側に複数の流路を形成するとともに、複数の流路のうちの所定の流路が形成された部分に流路と外部とを連通するスリットを形成して、排液の吸引をより効果的に行えるようにしたものもある。このような場合には、複数の流路のうちのスリットが設けられていない流路を、ガイドワイヤを通すための挿通孔として利用する。しかしながら、この場合、医療用チューブの先端側部分は患者の体内に留置されるため、スリットが設けられていない流路を確認することができない場合があり、複数の流路のうちのスリットが設けられていない流路にガイドワイヤを通すことが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、ガイドワイヤを医療用チューブの所定の流路に通すことのできるガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットを提供することである。
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具の構成上の特徴は、チューブの長手方向の一方側に一つの基端側流路を形成し、他方側に基端側流路から分岐して延びる複数の先端側流路をチューブの周方向に配置した状態に形成して構成される医療用チューブにおける基端側流路から、複数の先端側流路のうちの所定の先端側流路にかけて、ガイドワイヤを通す際に用いられるガイドワイヤ挿入補助具であって、ガイドワイヤを通すための挿通孔が軸方向に貫通して形成された棒状体における挿通孔の先端部を棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させて構成されることにある。
【0007】
前述のように構成した本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具は、ガイドワイヤを通すための挿通孔が軸方向に貫通した棒状体で構成され、その挿通孔の先端部、すなわち、医療用チューブの奥側に挿し込まれる部分が、棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置されるようにしている。これによって、医療用チューブの周方向に沿って形成された複数の先端側流路のうちの所定の先端側流路に、棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた挿通孔の先端部を合わせることが容易になる。そして、医療用チューブ内に挿入されたガイドワイヤ挿入補助具の基端側から挿入孔にガイドワイヤを挿入していくと、ガイドワイヤの先端部は、棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた方向に突出していき、所定の先端側流路内に入っていく。
【0008】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具の他の構成上の特徴は、棒状体の外周面に、軸方向に延びる第1の線状目印が設けられていることにある。これによると、医療用チューブの基端側部分にも所定の先端側流路の位置を示す目印を設けておくことにより、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入する際に、第1の線状目印を基準として、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿し込むことができる。このため、医療用チューブ内にガイドワイヤを挿入する際に、ガイドワイヤの先端部を、所定の先端側流路内に確実に入れることができる。この場合の第1の線状目印の長さは、適宜設定することができ、ガイドワイヤ挿入補助具の全長にわたって設けてもよいし、一部に設けてもよい。また、複数の点を連ねて線状にしたもので第1の線状目印を構成することもできる。
【0009】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具のさらに他の構成上の特徴は、第1の線状目印を、外周面における挿通孔の先端部が外周側にずれた部分の外周側端部が位置する側に沿って設けたことにある。この場合の外周側端部とは、棒状体の基端側部分の中心軸を延長した部分から最も遠くに位置する部分をいい、その外周側端部が位置する側とは、外周側端部から棒状体の中心軸回りにねじれることなく中心軸に沿って真っ直ぐに仮想線を延ばしたときのその仮想線上に位置する側をいう。これによると、第1の線状目印を所定の先端側流路に向けた状態で、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿し込むことにより、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔の先端部は所定の先端側流路の基端部の近傍に位置するようになって、挿通孔の先端側部分と所定の先端側流路とは略真っ直ぐに連通するようになる。
【0010】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具のさらに他の構成上の特徴は、棒状体を真っ直ぐに延びる棒状に形成し、棒状体の中心軸と外周面との間に、ガイドワイヤを通すための挿通孔を形成することにより、挿通孔の先端部を棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させたことにある。これによると、ガイドワイヤを真っ直ぐに延びる挿通孔に通すことによりそのままガイドワイヤが医療用チューブの所定の先端側流路内に入るようになるため、ガイドワイヤの挿入ミスが生じにくくなる。
【0011】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具のさらに他の構成上の特徴は、棒状体の基端側部分を真っ直ぐに延びる棒状に形成するとともに、その先端部を屈曲させることにより、挿通孔の先端部を棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させたことにある。これによると、棒状体の屈曲した先端部の長さや屈曲する角度を変えることにより、挿通孔の先端部が棒状体の基端側部分の中心軸からずれる長さを変更できるため、円筒状の医療用チューブだけでなく、異形の医療用チューブにガイドワイヤを挿入する際にも対応できる。
【0012】
また、本発明に係る医療用チューブセットの構成上の特徴は、請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具と、医療用チューブと、ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、医療用チューブを、複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが設けられたチューブで構成し、ガイドワイヤを、基端側流路からスリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとしたことにある。
【0013】
これによると、医療用チューブに形成された複数の先端側流路のうちのいくつかの先端側流路は、先端部が開口しているだけでなく、スリットを介して側部側も開口しているため排液を吸引する際の吸引口の面積が大きくなる。これによって、医療用チューブによる効果的な排液の排出が可能になる。また、複数の先端側流路のうちの少なくとも一つにスリットを設けないことで、このスリットのない先端側流路をガイドワイヤを通すための挿通穴として利用することができる。そして、請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載したガイドワイヤ挿入補助具を用いることによって、ガイドワイヤを確実に基端側流路からスリットのない先端側流路にかけて通すことができる。
【0014】
また、本発明に係る医療用チューブセットの他の構成上の特徴は、医療用チューブを、基端側流路と先端側流路との間に、基端側流路の断面形状と複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、ガイドワイヤ挿入補助具を、断面外郭形状が移行流路の断面外郭形状と同形の棒状体で構成し、ガイドワイヤ挿入補助具を基端側流路から移行流路まで挿入可能にしたことにある。
【0015】
これによると、医療用チューブを成形する際に、基端側から先端側にかけて徐々に形状を変化させながら成形できるため、一体成形が可能になる。また、ガイドワイヤ挿入補助具を、断面外郭形状が移行流路の断面外郭形状と同形になった棒状体で構成しているため、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿入する際に、第1の線状目印を基準にしてガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿入していくと、ガイドワイヤ挿入補助具は、軸周り方向にずれることなく移行流路まで入っていく。このため、その状態のガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔内にガイドワイヤを基端側流路から挿入することにより、ガイドワイヤは確実にスリットのない所定の先端側流路に入っていく。
【0016】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、請求項5に記載のガイドワイヤ挿入補助具と、医療用チューブと、ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、医療用チューブを、複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが先端側流路と連通して設けられたチューブで構成し、ガイドワイヤを、基端側流路からスリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとしたことにある。
【0017】
これによっても、医療用チューブによる効果的な排液の排出が可能になるとともに、複数の先端側流路のうちのスリットのない先端側流路をガイドワイヤを通すための挿通穴として利用することができる。そして、請求項5に記載したガイドワイヤ挿入補助具を用いることによって、ガイドワイヤを確実に基端側流路からスリットのない先端側流路にかけて通すことができる。
【0018】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブを、他方側部分の断面形状を略楕円状の扁平な形状に形成しその略楕円状の長軸の両端側部分と、長軸の中央側を挟んだ両側部分とにそれぞれ先端側流路を形成したチューブで構成したことにある。これによると、医療用チューブの他方側部分を扁平な管状に形成しても、ガイドワイヤを医療用チューブの基端側流路からスリットのない所定の先端側流路に確実に通すことができる。
【0019】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブを、基端側流路と先端側流路との間に、基端側流路の断面形状と複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、ガイドワイヤ挿入補助具を、基端側流路から移行流路まで挿入可能にしたことにある。これによると、医療用チューブの他方側部分を扁平な管状に形成しても、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブ内の適正な位置に停止させて、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔内にガイドワイヤを通すことができるようになる。
【0020】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブの外周面におけるスリットが設けられていない先端側流路が形成された部分に医療用チューブの軸方向に延びる第2の線状目印を設けたことにある。
【0021】
これによると、医療用チューブとガイドワイヤ挿入補助具との双方に線状の目印が施されているため、両線状の目印を基準にして、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入することにより、医療用チューブにおけるスリットが設けられていない先端側流路と、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔の先端部分とを略直線状に連通した状態にすることができる。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具の第1の線状目印を挿通孔の近傍に設けると、医療用チューブの第2の線状目印とガイドワイヤ挿入補助具の第1の線状目印とを重ねるようにして、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入することにより、医療用チューブにおけるスリットが設けられていない先端側流路と、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔とを略直線状に連通した状態にすることができる。
【0022】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブの内周面における基端側流路が形成された部分に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、ガイドワイヤ挿入補助具の外周面に、医療用チューブの軸方向に沿って被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けたことにある。これによると、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入する際に、医療用チューブに対してガイドワイヤ挿入補助具が軸周り方向に回転することを防止でき、ガイドワイヤ挿入補助具の挿入の途中で位置ずれが生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットを図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る医療用チューブセットが備える医療用チューブ10を示している。この医療用チューブ10は、外周部分が略円筒状に形成されたポリウレタンからなる成形体で構成されており、基端側(図1の右端部側)から先端側(図1の左端部側)にかけての断面形状が、図2に示した状態から、図3、図4および図5に示した状態に徐々に変化している。この医療用チューブ10は、全長が略70cmで外径が略5mmに設定され、基端部から全長の略半分までの部分にかけては、内径が略3mmに設定された円筒状の基端側部分11で構成されており、その内部に、図2に示したように、断面形状が円形の基端側流路11aが形成されている。
【0024】
そして、基端側部分11の先端側に第1移行部12が形成され、第1移行部12の先端側に第2移行部13が形成されている。第1移行部12は、基端側流路11aの断面における円周方向に沿った部分に等間隔で4箇所に内部側に盛り上がった肉厚部を形成することにより、内部に、図3に示したように、断面形状が略十字状の第1移行流路12aが形成されている。この第1移行流路12aの断面形状は、基端側流路11aの直径よりも小さな直径の穴部の周囲に等間隔でさらに直径の小さな半円状の凹部を形成することにより、略十字状になっている。第2移行部13は、第1移行部12の断面における略十字状の第1移行流路12aの4箇所の凹部分の内周側に肉部を形成して、内部に、図4に示したように、直径の小さな4個の第2移行流路13a,13b,13c,13dを一定間隔で形成した形状になっている。
【0025】
そして、第2移行部13の先端側に先端側部分14が形成されている。この先端側部分14は、図5に示したように、基端側部分11と略同じ肉厚の略円筒状の外周部14aと、外周部14aの内部に軸方向に沿って形成された断面形状が十字状の隔壁部14bとで構成されている。隔壁部14bを構成する各片の先端部はそれぞれ外周部14aの内面に連結されて、外周部14aの内部を四つの先端側流路15a,15b,15c,15dに区分している。そして、外周部14aにおける先端側流路15a,15b,15cに対応する部分にそれぞれ先端側流路15a,15b,15cを外部に連通させるためのスリット16a,16b,16cが、隔壁部14bの中心軸と平行に形成されている。
【0026】
この先端側部分14は、医療用チューブ10の先端部分を構成しており、略30cmの長さを備えている。医療用チューブ10の全長略70cmのうちの基端側部分11の長さと先端側部分14の長さとを引いた残りの部分の長さが第1移行部12の長さと第2移行部13の長さとで占められている。また、医療用チューブ10の外周面における第2移行流路13dおよび先端側流路15dが形成された部分およびその部分から基端側部分11の基端部まで延びる部分には、X線を通さない不透過性材料からなる本発明の第2の線状目印としてのライン17が設けられている。
【0027】
このライン17は、先端側流路15dの位置を認識するための目印として利用されるほか、医療用チューブ10を患者の体内に留置したときにX線照射により所定の確認操作を行う際に造影用のラインとしても利用される。このように構成された医療用チューブ10は、軟質の熱可塑性樹脂材料を、所定の押出成形用金型(図示せず)を用いて成形することにより得ることができる。この場合の軟質の熱可塑性樹脂材料としては、ポリウレタンを用いることが好ましく、その他、シリコーンやポリ塩化ビニル等を用いることもできる。その成形の際に、医療用チューブ10の基端部から先端部にかけて徐々に内周面の形状が変化するとともに、医療用チューブ10の先端側には、スリット16a,16b,16cが形成される。
【0028】
図6および図7は、ガイドワイヤ挿入補助具20を示している。このガイドワイヤ挿入補助具20は、断面の外郭形状が、第1移行部12の断面形状の内周面(第1移行流路12aの断面外郭形状)と同じ形状に形成されており、医療用チューブ10の基端側部分11内と第1移行部12内とに挿入可能な棒状体で構成されている。また、ガイドワイヤ挿入補助具20の略十字状になった断面の4つの突出部のうちの所定の突出部内に、ガイドワイヤ挿入補助具20の軸方向に貫通する挿通孔21が形成されている。
【0029】
この挿通孔21は、ガイドワイヤ(図示せず)を通すことのできる断面形状が円形の貫通孔で構成されている。そして、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面における挿通孔21が形成された部分の近傍に本発明の第1の線状目印としてのライン22が設けられている。このガイドワイヤ挿入補助具20は、ポリプロピレンで構成され、その軸方向の長さは、略30cmに設定されている。なお、ガイドワイヤ挿入補助具20を構成する材料としては、ステンレス鋼等の金属やポリ塩化ビニル等のプラスチックを用いることもできる。前述した医療用チューブ10と、ガイドワイヤ挿入補助具20と、ガイドワイヤとで本実施形態に係る医療用チューブセットが構成される。
【0030】
このように構成された医療用チューブセットにおける医療用チューブ10の基端部には穿刺用の針が取付けられる。そして、この医療用チューブセットを用いて、患者の手術後の傷部から排液を排出する際には、まず、切開された患者の傷部の内部側から外部側に針を通して、針とともに医療用チューブ10の基端側部分11および第1移行部12側部分を体外に出し、先端側部分14およびその近傍部分だけを傷部内に残しておく。つぎに、医療用チューブ10の体外に突出した部分の所定部分を切断することにより所定の長さ分だけ残し、その基端部に、貯留容器を備えた吸引器具(図示せず)を接続する。そして、吸引器具を操作することにより、患者の傷部に生じる排液を除去する。この場合、排液は、先端側流路15a,15b,15c,15dの先端開口や、スリット16a,16b,16cから医療用チューブ10内を通過して吸引器具の貯留容器に吸い込まれる。
【0031】
この排液排出操作が所定時間ごとに繰り返し行われ、医療用チューブ10に詰まりが生じたり、医療用チューブ10に劣化が生じたりしたときには、この医療用チューブ10を新たな医療用チューブ10と交換することが行われる。医療用チューブ10を交換する場合には、まず、吸引器具が取り外された状態の医療用チューブ10の基端開口から医療用チューブ10内にガイドワイヤ挿入補助具20を挿入する。この場合、医療用チューブ10のライン17にガイドワイヤ挿入補助具20のライン22を合わせてガイドワイヤ挿入補助具20を医療用チューブ10内に挿入していく。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具20の先端部が、基端側流路11aから第1移行流路12a内に入ると、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面の凸部側が第1移行流路12aの凹部側に係合して、ガイドワイヤ挿入補助具20は、医療用チューブ10に対して軸回り方向に回転できなくなる。
【0032】
そして、ガイドワイヤ挿入補助具20の先端が、第1移行部12の先端側(第2移行部13の基端近傍)に達したときに、ガイドワイヤ挿入補助具20をそれ以上挿入できなくなる。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具20の挿通孔21の先端部は、第2移行部13の第2移行流路13dの基端部に対向した状態になる。このため、挿通孔21は、第2移行流路13dを介して先端側流路15dに連通する。この状態で、ガイドワイヤ挿入補助具20の基端開口から挿通孔21内にガイドワイヤを挿入していく。そして、ガイドワイヤの先端が医療用チューブ10の先端に到達すると、ガイドワイヤを患者の体に残したまま、医療用チューブ10を患者の体から引き抜く。
【0033】
つぎに、患者の体に残ったガイドワイヤを新しい医療用チューブ10の先端側から先端側流路15d内に入れながら新しい医療用チューブ10の先端側部分14側を患者の傷部内に挿し込んで留置する操作を行う。この場合、医療用チューブ10の先端側流路15dは目視により確認できるため、ガイドワイヤ挿入補助具20は不要になる。そして、新しい医療用チューブ10を傷部に留置する操作が終了すると、前述した吸引器具を用いて排液を排出する操作が行われる。なお、所定期間使用した医療用チューブ10に代えて新しい医療用チューブ10を取り付けるだけでなく、治療や洗浄のために、他の種類のチューブを取り付ける場合にも同様の操作が行われる。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る医療用チューブセットでは、医療用チューブ10の外周面における第2移行流路13dや先端側流路15dが形成されている側にライン17が設けられ、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面における挿通孔21が形成されている側にライン22が設けられている。したがって、ライン17とライン22とを合せながら医療用チューブ10内にガイドワイヤ挿入補助具20を挿入することにより、医療用チューブ10の先端側流路15dと、ガイドワイヤ挿入補助具20の挿通孔21とを連通させることができる。そして、医療用チューブ10内に挿入されたガイドワイヤ挿入補助具20の基端側から挿通孔21内にガイドワイヤを挿入していくと、ガイドワイヤの先端部は、先端側流路15d内に確実に入っていく。
【0035】
また、本実施形態では、医療用チューブ10の外周部14aにおける先端側流路15a,15b,15cに対応する部分にそれぞれスリット16a,16b,16cが形成されているため、医療用チューブ10の先端開口だけでなく、スリット16a,16b,16cからも排液を吸引することができる。これによって、医療用チューブ10による効果的な排液の排出が可能になる。そして、スリットのない先端側流路15dをガイドワイヤを通すための挿通穴として利用することができるため、医療用チューブ10を交換する操作も容易になる。
【0036】
また、本実施形態では、医療用チューブ10の基端側部分11と先端側部分14との間に第1移行部12と第2移行部13とを設けて、内部に形成された流路を、基端側流路11aから第1移行流路12a、第2移行流路13a等および先端側流路15a等へと徐々に変化するようにしている。そして、ガイドワイヤ挿入補助具20の断面外郭形状を第1移行部12の断面における内周面と同形にして、ガイドワイヤ挿入補助具20を基端側流路11aから第1移行流路12aまで挿入可能にしている。
【0037】
このため、ガイドワイヤ挿入補助具20を医療用チューブ10内に挿入する際に、ガイドワイヤ挿入補助具20は、軸周り方向にずれることなく第1移行流路12a内の適正位置まで入っていく。そして、その状態のガイドワイヤ挿入補助具20の挿通孔21内にガイドワイヤを基端側流路11a側から挿入することにより、ガイドワイヤの先端部は確実に先端側流路15dに入っていく。この場合の、第1移行流路12aの各凹部は、本発明に係る被係合部を構成し、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面の各凸部は、本発明に係る係合部を構成する。
【0038】
(第2実施形態)
図8ないし図10は、本発明の第2実施形態に係る医療用チューブセットが備える医療用チューブ30を示している。この医療用チューブ30は、基端側部分(図8ないし図10の右側部分)の外周部分が円筒状に形成され、先端側部分(図8ないし図10の左側部分)の外周部分が断面形状が扁平な略楕円状に形成されたポリウレタンからなる成形体で構成されている。そして、医療用チューブ30の基端側から先端側にかけての断面形状は、図11に示した状態から、図12、図13、図14および図15に示した状態に徐々に変化している。この医療用チューブ10は、基端部から全長の略半分の部分にかけては、円筒状の基端側部分31で構成されており、その内部に、図11に示したように、断面形状が円形の基端側流路31aが形成されている。
【0039】
そして、基端側部分31の先端側に第1移行部32が形成され、第1移行部32の先端側に第2移行部33が形成され、さらに、第2移行部33の先端側に第3移行部34が形成されている。第1移行部32は、基端側部分31を扁平にして、図12に示したように、断面形状を略楕円状にしており、その内部に第1移行流路32aが形成されている。第2移行部33は、第1移行部32よりもやや大きな断面形状をしており、図13に示したように、その断面形状の内周面における長手方向に沿った両側部分にそれぞれ対向する小さな突起を形成して構成されている。そして、第2移行部33の内部には第2移行流路33aが形成されている。
【0040】
第3移行部34は、図14に示したように、第2移行部33と略同じ肉厚の略楕円状の外周部34aと、外周部34aの内部に軸方向に沿って形成された断面形状がH字状の隔壁部34bとで構成されている。隔壁部34bを構成する両側の各片の先端部はそれぞれ外周部34aの内面における長手方向に沿った両側の対向する部分に連結されて、外周部34aの内部を四つの第3移行流路35a,35b,35c,35dに区分している。第3移行流路35a,35cの断面形状は長方形に形成され、第2移行流路35b,35dの断面形状は半円状に形成されている。
【0041】
そして、第3移行部34の先端側に先端側部分36が形成されている。この先端側部分36は、図15に示したように、第1移行部32と略同じ肉厚の略円筒状の外周部36aと、第3移行部34から延長して延びてくる断面形状がH字状の隔壁部36bとで構成されている。隔壁部36bを構成する両側の各片の先端部はそれぞれ外周部36aの内面に連結されて、外周部36aの内部を四つの先端側流路37a,37b,37c,37dに区分している。
【0042】
そして、外周部36aにおける先端側流路37a,37b,37cに対応する部分にそれぞれ先端側流路37a,37b,37cを外部に連通させるためのスリット38a,38b,38cが、隔壁部36bの中心軸と平行に形成されている。なお、図16は、図9の16−16断面を示しており、図17は、図10の17−17断面を示している。また、医療用チューブ30の外周面における第3移行流路35dおよび先端側流路37dが形成された部分およびその部分から基端側部分31の基端部まで延びる部分には、X線を通さない不透過性材料からなる本発明の第2の線状目印としてのライン39が設けられている。
【0043】
図18および図19は、ガイドワイヤ挿入補助具40を示している。このガイドワイヤ挿入補助具40は、ガイドワイヤを通すための挿通孔41を備えた管状に形成されており、基端側部分42が真っ直ぐに延び、その先端部43を屈曲させて構成されている。このガイドワイヤ挿入補助具40では、先端部43の屈曲した方向で第1の線状目印が構成される。したがって、ガイドワイヤ挿入補助具40に、ラインは設けられていない。
【0044】
また、ガイドワイヤ挿入補助具40は、基端側部分42を、医療用チューブ30が延びる方向に平行させた状態で、第1移行流路32aから第2移行流路33aまで挿入できる形状に形成されている。そして、図20に示したように、ガイドワイヤ挿入補助具40の先端部43が、第2移行部33の先端側に達すると、隔壁部34bに当接して、ガイドワイヤ挿入補助具40をそれ以上、医療用チューブ30内に差し込むことはできなくなる。前述した医療用チューブ30と、ガイドワイヤ挿入補助具40と、ガイドワイヤとで本実施形態に係る医療用チューブセットが構成される。
【0045】
このように構成された医療用チューブセットを用いて、患者の傷部から排液を排出する際にも、前述した第1実施形態と同様の操作が行われる。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具40の先端部43の屈曲した方向を目印とすることにより、医療用チューブ30の適正な交換操作が可能になる。これによると、医療用チューブ30の先端側部分を扁平な管状に形成しても、ガイドワイヤ挿入補助具40を医療用チューブ30内の適正な位置に停止させて、その状態のガイドワイヤ挿入補助具40の挿通孔41内にガイドワイヤを通すことができる。この実施形態におけるそれ以外の作用効果は、前述した第1実施形態の作用効果と同様である。
【0046】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットは、前述した各実施形態に限定するものでなく、本発明の技術範囲内で適宜変更が可能である。例えば、前述した各実施形態では、医療用チューブ10,30の先端側部分14,36にそれぞれ四つの先端側流路15a等,37a等を設けているが、この流路の数は、四つに限らず他の複数にしてもよい。また、医療用チューブ10,30に形成するスリット16a等,38a等の数も一つまたは二つにしてもよい。また、第1実施形態に係る医療用チューブ10に第1移行部12を設けず、ガイドワイヤ挿入補助具を円柱状の棒状体に挿通孔を形成したもので構成することもできる。
【0047】
この場合、医療用チューブの内周面に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、ガイドワイヤ挿入補助具の外周面に、医療用チューブの軸方向に沿って被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けることが好ましい。また、第2実施形態に係る医療用チューブ30の内周面に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、ガイドワイヤ挿入補助具40の外周面に、医療用チューブの被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けることもできる。
【0048】
さらに、医療用チューブ10,30は、一体成形により形成してもよいし、長手方向に沿った各部分をそれぞれ成形したのちに接合することにより形成してもよい。また、医療用チューブの形状も前述した実施形態の形状に限らず適宜変更することができる。さらに、ガイドワイヤ挿入補助具や医療用チューブの構成についても、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態で用いられる医療用チューブを示した正面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図1の3−3断面図である。
【図4】図1の4−4断面図である。
【図5】図1の5−5断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る医療用チューブセットが備えるガイドワイヤ挿入補助具を示した正面図である。
【図7】ガイドワイヤ挿入補助具を示した側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態で用いられる医療用チューブを示した正面図である。
【図9】図8の医療用チューブを示した背面図である。
【図10】図8の医療用チューブを示した平面図である。
【図11】図8の11−11断面図である。
【図12】図8の12−12断面図である。
【図13】図8の13−13断面図である。
【図14】図8の14−14断面図である。
【図15】図8の15−15断面図である。
【図16】図9の16−16断面図である。
【図17】図10の17−17断面図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る医療用チューブセットが備えるガイドワイヤ挿入補助具を示した正面図である。
【図19】図18のガイドワイヤ挿入補助具を示した側面図である。
【図20】第2実施形態で用いられる医療用チューブの内部にガイドワイヤ挿入補助具を挿入した状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10,30…医療用チューブ、11,31…基端側部分、11a,31a…基端側流路、12,32…第1移行部、12a,32a…第1移行流路、13,33…第2移行部、13a,13b,13c,13d,33a…第2移行流路、14,36…先端側部分、15a,15b,15c,15d…先端側流路、16a,16b,16c,38a,38b,38c…スリット、17,22,39…ライン、20,40…ガイドワイヤ挿入補助具、21,41…挿通孔、34…第3移行部、35a,35b,35c,35d…第3移行流路、36…先端側部分、37a,37b,37c,37d…先端側流路、42…基端側部分、43…先端部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の傷部から排液を排出したり患者の傷部に薬液を供給したりするために用いられる医療用チューブの交換時に、医療用チューブ内にガイドワイヤを挿入する際に用いられるガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者の手術後の傷部に溜まる排液を体外へ排出するために医療用チューブが用いられている。この医療用チューブは、先端側を患者の傷部に留置して、基端側を体外に延ばし、その体外の基端部に吸引器具を接続して使用される。すなわち、吸引器具の吸引力により医療用チューブを介して排液を排出する操作が行われ、所定時間経過して、医療用チューブ内が詰まったり医療用チューブが劣化したりしたときには新たな医療用チューブと交換される。この医療用チューブの交換の際には、医療用チューブ内にガイドワイヤを通し、ガイドワイヤを患者の傷部まで到達させた状態で医療用チューブだけを引き抜き、新たに医療用チューブをガイドワイヤに沿って挿入することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この医療用チューブ(医療用ドレーンチューブ)は、扁平形状の管状に形成されており、扁平形状の断面の一方端近傍に弧状または直線状の支持壁を設けて、医療用チューブの内腔をドレナージ部とガイドワイヤ孔とに分けている。そして、ドレナージ部は排液を排出するために用いられ、ガイドワイヤ孔は、医療用チューブを交換する際に、ガイドワイヤを通すために用いられる。
【特許文献1】実開平6−70746号公報
【発明の開示】
【0004】
医療用チューブの中には、先端側に複数の流路を形成するとともに、複数の流路のうちの所定の流路が形成された部分に流路と外部とを連通するスリットを形成して、排液の吸引をより効果的に行えるようにしたものもある。このような場合には、複数の流路のうちのスリットが設けられていない流路を、ガイドワイヤを通すための挿通孔として利用する。しかしながら、この場合、医療用チューブの先端側部分は患者の体内に留置されるため、スリットが設けられていない流路を確認することができない場合があり、複数の流路のうちのスリットが設けられていない流路にガイドワイヤを通すことが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、ガイドワイヤを医療用チューブの所定の流路に通すことのできるガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットを提供することである。
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具の構成上の特徴は、チューブの長手方向の一方側に一つの基端側流路を形成し、他方側に基端側流路から分岐して延びる複数の先端側流路をチューブの周方向に配置した状態に形成して構成される医療用チューブにおける基端側流路から、複数の先端側流路のうちの所定の先端側流路にかけて、ガイドワイヤを通す際に用いられるガイドワイヤ挿入補助具であって、ガイドワイヤを通すための挿通孔が軸方向に貫通して形成された棒状体における挿通孔の先端部を棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させて構成されることにある。
【0007】
前述のように構成した本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具は、ガイドワイヤを通すための挿通孔が軸方向に貫通した棒状体で構成され、その挿通孔の先端部、すなわち、医療用チューブの奥側に挿し込まれる部分が、棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置されるようにしている。これによって、医療用チューブの周方向に沿って形成された複数の先端側流路のうちの所定の先端側流路に、棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた挿通孔の先端部を合わせることが容易になる。そして、医療用チューブ内に挿入されたガイドワイヤ挿入補助具の基端側から挿入孔にガイドワイヤを挿入していくと、ガイドワイヤの先端部は、棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた方向に突出していき、所定の先端側流路内に入っていく。
【0008】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具の他の構成上の特徴は、棒状体の外周面に、軸方向に延びる第1の線状目印が設けられていることにある。これによると、医療用チューブの基端側部分にも所定の先端側流路の位置を示す目印を設けておくことにより、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入する際に、第1の線状目印を基準として、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿し込むことができる。このため、医療用チューブ内にガイドワイヤを挿入する際に、ガイドワイヤの先端部を、所定の先端側流路内に確実に入れることができる。この場合の第1の線状目印の長さは、適宜設定することができ、ガイドワイヤ挿入補助具の全長にわたって設けてもよいし、一部に設けてもよい。また、複数の点を連ねて線状にしたもので第1の線状目印を構成することもできる。
【0009】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具のさらに他の構成上の特徴は、第1の線状目印を、外周面における挿通孔の先端部が外周側にずれた部分の外周側端部が位置する側に沿って設けたことにある。この場合の外周側端部とは、棒状体の基端側部分の中心軸を延長した部分から最も遠くに位置する部分をいい、その外周側端部が位置する側とは、外周側端部から棒状体の中心軸回りにねじれることなく中心軸に沿って真っ直ぐに仮想線を延ばしたときのその仮想線上に位置する側をいう。これによると、第1の線状目印を所定の先端側流路に向けた状態で、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿し込むことにより、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔の先端部は所定の先端側流路の基端部の近傍に位置するようになって、挿通孔の先端側部分と所定の先端側流路とは略真っ直ぐに連通するようになる。
【0010】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具のさらに他の構成上の特徴は、棒状体を真っ直ぐに延びる棒状に形成し、棒状体の中心軸と外周面との間に、ガイドワイヤを通すための挿通孔を形成することにより、挿通孔の先端部を棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させたことにある。これによると、ガイドワイヤを真っ直ぐに延びる挿通孔に通すことによりそのままガイドワイヤが医療用チューブの所定の先端側流路内に入るようになるため、ガイドワイヤの挿入ミスが生じにくくなる。
【0011】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具のさらに他の構成上の特徴は、棒状体の基端側部分を真っ直ぐに延びる棒状に形成するとともに、その先端部を屈曲させることにより、挿通孔の先端部を棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させたことにある。これによると、棒状体の屈曲した先端部の長さや屈曲する角度を変えることにより、挿通孔の先端部が棒状体の基端側部分の中心軸からずれる長さを変更できるため、円筒状の医療用チューブだけでなく、異形の医療用チューブにガイドワイヤを挿入する際にも対応できる。
【0012】
また、本発明に係る医療用チューブセットの構成上の特徴は、請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具と、医療用チューブと、ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、医療用チューブを、複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが設けられたチューブで構成し、ガイドワイヤを、基端側流路からスリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとしたことにある。
【0013】
これによると、医療用チューブに形成された複数の先端側流路のうちのいくつかの先端側流路は、先端部が開口しているだけでなく、スリットを介して側部側も開口しているため排液を吸引する際の吸引口の面積が大きくなる。これによって、医療用チューブによる効果的な排液の排出が可能になる。また、複数の先端側流路のうちの少なくとも一つにスリットを設けないことで、このスリットのない先端側流路をガイドワイヤを通すための挿通穴として利用することができる。そして、請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載したガイドワイヤ挿入補助具を用いることによって、ガイドワイヤを確実に基端側流路からスリットのない先端側流路にかけて通すことができる。
【0014】
また、本発明に係る医療用チューブセットの他の構成上の特徴は、医療用チューブを、基端側流路と先端側流路との間に、基端側流路の断面形状と複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、ガイドワイヤ挿入補助具を、断面外郭形状が移行流路の断面外郭形状と同形の棒状体で構成し、ガイドワイヤ挿入補助具を基端側流路から移行流路まで挿入可能にしたことにある。
【0015】
これによると、医療用チューブを成形する際に、基端側から先端側にかけて徐々に形状を変化させながら成形できるため、一体成形が可能になる。また、ガイドワイヤ挿入補助具を、断面外郭形状が移行流路の断面外郭形状と同形になった棒状体で構成しているため、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿入する際に、第1の線状目印を基準にしてガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブに挿入していくと、ガイドワイヤ挿入補助具は、軸周り方向にずれることなく移行流路まで入っていく。このため、その状態のガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔内にガイドワイヤを基端側流路から挿入することにより、ガイドワイヤは確実にスリットのない所定の先端側流路に入っていく。
【0016】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、請求項5に記載のガイドワイヤ挿入補助具と、医療用チューブと、ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、医療用チューブを、複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが先端側流路と連通して設けられたチューブで構成し、ガイドワイヤを、基端側流路からスリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとしたことにある。
【0017】
これによっても、医療用チューブによる効果的な排液の排出が可能になるとともに、複数の先端側流路のうちのスリットのない先端側流路をガイドワイヤを通すための挿通穴として利用することができる。そして、請求項5に記載したガイドワイヤ挿入補助具を用いることによって、ガイドワイヤを確実に基端側流路からスリットのない先端側流路にかけて通すことができる。
【0018】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブを、他方側部分の断面形状を略楕円状の扁平な形状に形成しその略楕円状の長軸の両端側部分と、長軸の中央側を挟んだ両側部分とにそれぞれ先端側流路を形成したチューブで構成したことにある。これによると、医療用チューブの他方側部分を扁平な管状に形成しても、ガイドワイヤを医療用チューブの基端側流路からスリットのない所定の先端側流路に確実に通すことができる。
【0019】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブを、基端側流路と先端側流路との間に、基端側流路の断面形状と複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、ガイドワイヤ挿入補助具を、基端側流路から移行流路まで挿入可能にしたことにある。これによると、医療用チューブの他方側部分を扁平な管状に形成しても、ガイドワイヤ挿入補助具を医療用チューブ内の適正な位置に停止させて、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔内にガイドワイヤを通すことができるようになる。
【0020】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブの外周面におけるスリットが設けられていない先端側流路が形成された部分に医療用チューブの軸方向に延びる第2の線状目印を設けたことにある。
【0021】
これによると、医療用チューブとガイドワイヤ挿入補助具との双方に線状の目印が施されているため、両線状の目印を基準にして、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入することにより、医療用チューブにおけるスリットが設けられていない先端側流路と、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔の先端部分とを略直線状に連通した状態にすることができる。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具の第1の線状目印を挿通孔の近傍に設けると、医療用チューブの第2の線状目印とガイドワイヤ挿入補助具の第1の線状目印とを重ねるようにして、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入することにより、医療用チューブにおけるスリットが設けられていない先端側流路と、ガイドワイヤ挿入補助具の挿通孔とを略直線状に連通した状態にすることができる。
【0022】
また、本発明に係る医療用チューブセットのさらに他の構成上の特徴は、医療用チューブの内周面における基端側流路が形成された部分に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、ガイドワイヤ挿入補助具の外周面に、医療用チューブの軸方向に沿って被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けたことにある。これによると、医療用チューブ内にガイドワイヤ挿入補助具を挿入する際に、医療用チューブに対してガイドワイヤ挿入補助具が軸周り方向に回転することを防止でき、ガイドワイヤ挿入補助具の挿入の途中で位置ずれが生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットを図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る医療用チューブセットが備える医療用チューブ10を示している。この医療用チューブ10は、外周部分が略円筒状に形成されたポリウレタンからなる成形体で構成されており、基端側(図1の右端部側)から先端側(図1の左端部側)にかけての断面形状が、図2に示した状態から、図3、図4および図5に示した状態に徐々に変化している。この医療用チューブ10は、全長が略70cmで外径が略5mmに設定され、基端部から全長の略半分までの部分にかけては、内径が略3mmに設定された円筒状の基端側部分11で構成されており、その内部に、図2に示したように、断面形状が円形の基端側流路11aが形成されている。
【0024】
そして、基端側部分11の先端側に第1移行部12が形成され、第1移行部12の先端側に第2移行部13が形成されている。第1移行部12は、基端側流路11aの断面における円周方向に沿った部分に等間隔で4箇所に内部側に盛り上がった肉厚部を形成することにより、内部に、図3に示したように、断面形状が略十字状の第1移行流路12aが形成されている。この第1移行流路12aの断面形状は、基端側流路11aの直径よりも小さな直径の穴部の周囲に等間隔でさらに直径の小さな半円状の凹部を形成することにより、略十字状になっている。第2移行部13は、第1移行部12の断面における略十字状の第1移行流路12aの4箇所の凹部分の内周側に肉部を形成して、内部に、図4に示したように、直径の小さな4個の第2移行流路13a,13b,13c,13dを一定間隔で形成した形状になっている。
【0025】
そして、第2移行部13の先端側に先端側部分14が形成されている。この先端側部分14は、図5に示したように、基端側部分11と略同じ肉厚の略円筒状の外周部14aと、外周部14aの内部に軸方向に沿って形成された断面形状が十字状の隔壁部14bとで構成されている。隔壁部14bを構成する各片の先端部はそれぞれ外周部14aの内面に連結されて、外周部14aの内部を四つの先端側流路15a,15b,15c,15dに区分している。そして、外周部14aにおける先端側流路15a,15b,15cに対応する部分にそれぞれ先端側流路15a,15b,15cを外部に連通させるためのスリット16a,16b,16cが、隔壁部14bの中心軸と平行に形成されている。
【0026】
この先端側部分14は、医療用チューブ10の先端部分を構成しており、略30cmの長さを備えている。医療用チューブ10の全長略70cmのうちの基端側部分11の長さと先端側部分14の長さとを引いた残りの部分の長さが第1移行部12の長さと第2移行部13の長さとで占められている。また、医療用チューブ10の外周面における第2移行流路13dおよび先端側流路15dが形成された部分およびその部分から基端側部分11の基端部まで延びる部分には、X線を通さない不透過性材料からなる本発明の第2の線状目印としてのライン17が設けられている。
【0027】
このライン17は、先端側流路15dの位置を認識するための目印として利用されるほか、医療用チューブ10を患者の体内に留置したときにX線照射により所定の確認操作を行う際に造影用のラインとしても利用される。このように構成された医療用チューブ10は、軟質の熱可塑性樹脂材料を、所定の押出成形用金型(図示せず)を用いて成形することにより得ることができる。この場合の軟質の熱可塑性樹脂材料としては、ポリウレタンを用いることが好ましく、その他、シリコーンやポリ塩化ビニル等を用いることもできる。その成形の際に、医療用チューブ10の基端部から先端部にかけて徐々に内周面の形状が変化するとともに、医療用チューブ10の先端側には、スリット16a,16b,16cが形成される。
【0028】
図6および図7は、ガイドワイヤ挿入補助具20を示している。このガイドワイヤ挿入補助具20は、断面の外郭形状が、第1移行部12の断面形状の内周面(第1移行流路12aの断面外郭形状)と同じ形状に形成されており、医療用チューブ10の基端側部分11内と第1移行部12内とに挿入可能な棒状体で構成されている。また、ガイドワイヤ挿入補助具20の略十字状になった断面の4つの突出部のうちの所定の突出部内に、ガイドワイヤ挿入補助具20の軸方向に貫通する挿通孔21が形成されている。
【0029】
この挿通孔21は、ガイドワイヤ(図示せず)を通すことのできる断面形状が円形の貫通孔で構成されている。そして、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面における挿通孔21が形成された部分の近傍に本発明の第1の線状目印としてのライン22が設けられている。このガイドワイヤ挿入補助具20は、ポリプロピレンで構成され、その軸方向の長さは、略30cmに設定されている。なお、ガイドワイヤ挿入補助具20を構成する材料としては、ステンレス鋼等の金属やポリ塩化ビニル等のプラスチックを用いることもできる。前述した医療用チューブ10と、ガイドワイヤ挿入補助具20と、ガイドワイヤとで本実施形態に係る医療用チューブセットが構成される。
【0030】
このように構成された医療用チューブセットにおける医療用チューブ10の基端部には穿刺用の針が取付けられる。そして、この医療用チューブセットを用いて、患者の手術後の傷部から排液を排出する際には、まず、切開された患者の傷部の内部側から外部側に針を通して、針とともに医療用チューブ10の基端側部分11および第1移行部12側部分を体外に出し、先端側部分14およびその近傍部分だけを傷部内に残しておく。つぎに、医療用チューブ10の体外に突出した部分の所定部分を切断することにより所定の長さ分だけ残し、その基端部に、貯留容器を備えた吸引器具(図示せず)を接続する。そして、吸引器具を操作することにより、患者の傷部に生じる排液を除去する。この場合、排液は、先端側流路15a,15b,15c,15dの先端開口や、スリット16a,16b,16cから医療用チューブ10内を通過して吸引器具の貯留容器に吸い込まれる。
【0031】
この排液排出操作が所定時間ごとに繰り返し行われ、医療用チューブ10に詰まりが生じたり、医療用チューブ10に劣化が生じたりしたときには、この医療用チューブ10を新たな医療用チューブ10と交換することが行われる。医療用チューブ10を交換する場合には、まず、吸引器具が取り外された状態の医療用チューブ10の基端開口から医療用チューブ10内にガイドワイヤ挿入補助具20を挿入する。この場合、医療用チューブ10のライン17にガイドワイヤ挿入補助具20のライン22を合わせてガイドワイヤ挿入補助具20を医療用チューブ10内に挿入していく。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具20の先端部が、基端側流路11aから第1移行流路12a内に入ると、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面の凸部側が第1移行流路12aの凹部側に係合して、ガイドワイヤ挿入補助具20は、医療用チューブ10に対して軸回り方向に回転できなくなる。
【0032】
そして、ガイドワイヤ挿入補助具20の先端が、第1移行部12の先端側(第2移行部13の基端近傍)に達したときに、ガイドワイヤ挿入補助具20をそれ以上挿入できなくなる。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具20の挿通孔21の先端部は、第2移行部13の第2移行流路13dの基端部に対向した状態になる。このため、挿通孔21は、第2移行流路13dを介して先端側流路15dに連通する。この状態で、ガイドワイヤ挿入補助具20の基端開口から挿通孔21内にガイドワイヤを挿入していく。そして、ガイドワイヤの先端が医療用チューブ10の先端に到達すると、ガイドワイヤを患者の体に残したまま、医療用チューブ10を患者の体から引き抜く。
【0033】
つぎに、患者の体に残ったガイドワイヤを新しい医療用チューブ10の先端側から先端側流路15d内に入れながら新しい医療用チューブ10の先端側部分14側を患者の傷部内に挿し込んで留置する操作を行う。この場合、医療用チューブ10の先端側流路15dは目視により確認できるため、ガイドワイヤ挿入補助具20は不要になる。そして、新しい医療用チューブ10を傷部に留置する操作が終了すると、前述した吸引器具を用いて排液を排出する操作が行われる。なお、所定期間使用した医療用チューブ10に代えて新しい医療用チューブ10を取り付けるだけでなく、治療や洗浄のために、他の種類のチューブを取り付ける場合にも同様の操作が行われる。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る医療用チューブセットでは、医療用チューブ10の外周面における第2移行流路13dや先端側流路15dが形成されている側にライン17が設けられ、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面における挿通孔21が形成されている側にライン22が設けられている。したがって、ライン17とライン22とを合せながら医療用チューブ10内にガイドワイヤ挿入補助具20を挿入することにより、医療用チューブ10の先端側流路15dと、ガイドワイヤ挿入補助具20の挿通孔21とを連通させることができる。そして、医療用チューブ10内に挿入されたガイドワイヤ挿入補助具20の基端側から挿通孔21内にガイドワイヤを挿入していくと、ガイドワイヤの先端部は、先端側流路15d内に確実に入っていく。
【0035】
また、本実施形態では、医療用チューブ10の外周部14aにおける先端側流路15a,15b,15cに対応する部分にそれぞれスリット16a,16b,16cが形成されているため、医療用チューブ10の先端開口だけでなく、スリット16a,16b,16cからも排液を吸引することができる。これによって、医療用チューブ10による効果的な排液の排出が可能になる。そして、スリットのない先端側流路15dをガイドワイヤを通すための挿通穴として利用することができるため、医療用チューブ10を交換する操作も容易になる。
【0036】
また、本実施形態では、医療用チューブ10の基端側部分11と先端側部分14との間に第1移行部12と第2移行部13とを設けて、内部に形成された流路を、基端側流路11aから第1移行流路12a、第2移行流路13a等および先端側流路15a等へと徐々に変化するようにしている。そして、ガイドワイヤ挿入補助具20の断面外郭形状を第1移行部12の断面における内周面と同形にして、ガイドワイヤ挿入補助具20を基端側流路11aから第1移行流路12aまで挿入可能にしている。
【0037】
このため、ガイドワイヤ挿入補助具20を医療用チューブ10内に挿入する際に、ガイドワイヤ挿入補助具20は、軸周り方向にずれることなく第1移行流路12a内の適正位置まで入っていく。そして、その状態のガイドワイヤ挿入補助具20の挿通孔21内にガイドワイヤを基端側流路11a側から挿入することにより、ガイドワイヤの先端部は確実に先端側流路15dに入っていく。この場合の、第1移行流路12aの各凹部は、本発明に係る被係合部を構成し、ガイドワイヤ挿入補助具20の外周面の各凸部は、本発明に係る係合部を構成する。
【0038】
(第2実施形態)
図8ないし図10は、本発明の第2実施形態に係る医療用チューブセットが備える医療用チューブ30を示している。この医療用チューブ30は、基端側部分(図8ないし図10の右側部分)の外周部分が円筒状に形成され、先端側部分(図8ないし図10の左側部分)の外周部分が断面形状が扁平な略楕円状に形成されたポリウレタンからなる成形体で構成されている。そして、医療用チューブ30の基端側から先端側にかけての断面形状は、図11に示した状態から、図12、図13、図14および図15に示した状態に徐々に変化している。この医療用チューブ10は、基端部から全長の略半分の部分にかけては、円筒状の基端側部分31で構成されており、その内部に、図11に示したように、断面形状が円形の基端側流路31aが形成されている。
【0039】
そして、基端側部分31の先端側に第1移行部32が形成され、第1移行部32の先端側に第2移行部33が形成され、さらに、第2移行部33の先端側に第3移行部34が形成されている。第1移行部32は、基端側部分31を扁平にして、図12に示したように、断面形状を略楕円状にしており、その内部に第1移行流路32aが形成されている。第2移行部33は、第1移行部32よりもやや大きな断面形状をしており、図13に示したように、その断面形状の内周面における長手方向に沿った両側部分にそれぞれ対向する小さな突起を形成して構成されている。そして、第2移行部33の内部には第2移行流路33aが形成されている。
【0040】
第3移行部34は、図14に示したように、第2移行部33と略同じ肉厚の略楕円状の外周部34aと、外周部34aの内部に軸方向に沿って形成された断面形状がH字状の隔壁部34bとで構成されている。隔壁部34bを構成する両側の各片の先端部はそれぞれ外周部34aの内面における長手方向に沿った両側の対向する部分に連結されて、外周部34aの内部を四つの第3移行流路35a,35b,35c,35dに区分している。第3移行流路35a,35cの断面形状は長方形に形成され、第2移行流路35b,35dの断面形状は半円状に形成されている。
【0041】
そして、第3移行部34の先端側に先端側部分36が形成されている。この先端側部分36は、図15に示したように、第1移行部32と略同じ肉厚の略円筒状の外周部36aと、第3移行部34から延長して延びてくる断面形状がH字状の隔壁部36bとで構成されている。隔壁部36bを構成する両側の各片の先端部はそれぞれ外周部36aの内面に連結されて、外周部36aの内部を四つの先端側流路37a,37b,37c,37dに区分している。
【0042】
そして、外周部36aにおける先端側流路37a,37b,37cに対応する部分にそれぞれ先端側流路37a,37b,37cを外部に連通させるためのスリット38a,38b,38cが、隔壁部36bの中心軸と平行に形成されている。なお、図16は、図9の16−16断面を示しており、図17は、図10の17−17断面を示している。また、医療用チューブ30の外周面における第3移行流路35dおよび先端側流路37dが形成された部分およびその部分から基端側部分31の基端部まで延びる部分には、X線を通さない不透過性材料からなる本発明の第2の線状目印としてのライン39が設けられている。
【0043】
図18および図19は、ガイドワイヤ挿入補助具40を示している。このガイドワイヤ挿入補助具40は、ガイドワイヤを通すための挿通孔41を備えた管状に形成されており、基端側部分42が真っ直ぐに延び、その先端部43を屈曲させて構成されている。このガイドワイヤ挿入補助具40では、先端部43の屈曲した方向で第1の線状目印が構成される。したがって、ガイドワイヤ挿入補助具40に、ラインは設けられていない。
【0044】
また、ガイドワイヤ挿入補助具40は、基端側部分42を、医療用チューブ30が延びる方向に平行させた状態で、第1移行流路32aから第2移行流路33aまで挿入できる形状に形成されている。そして、図20に示したように、ガイドワイヤ挿入補助具40の先端部43が、第2移行部33の先端側に達すると、隔壁部34bに当接して、ガイドワイヤ挿入補助具40をそれ以上、医療用チューブ30内に差し込むことはできなくなる。前述した医療用チューブ30と、ガイドワイヤ挿入補助具40と、ガイドワイヤとで本実施形態に係る医療用チューブセットが構成される。
【0045】
このように構成された医療用チューブセットを用いて、患者の傷部から排液を排出する際にも、前述した第1実施形態と同様の操作が行われる。この場合、ガイドワイヤ挿入補助具40の先端部43の屈曲した方向を目印とすることにより、医療用チューブ30の適正な交換操作が可能になる。これによると、医療用チューブ30の先端側部分を扁平な管状に形成しても、ガイドワイヤ挿入補助具40を医療用チューブ30内の適正な位置に停止させて、その状態のガイドワイヤ挿入補助具40の挿通孔41内にガイドワイヤを通すことができる。この実施形態におけるそれ以外の作用効果は、前述した第1実施形態の作用効果と同様である。
【0046】
また、本発明に係るガイドワイヤ挿入補助具およびそれを備えた医療用チューブセットは、前述した各実施形態に限定するものでなく、本発明の技術範囲内で適宜変更が可能である。例えば、前述した各実施形態では、医療用チューブ10,30の先端側部分14,36にそれぞれ四つの先端側流路15a等,37a等を設けているが、この流路の数は、四つに限らず他の複数にしてもよい。また、医療用チューブ10,30に形成するスリット16a等,38a等の数も一つまたは二つにしてもよい。また、第1実施形態に係る医療用チューブ10に第1移行部12を設けず、ガイドワイヤ挿入補助具を円柱状の棒状体に挿通孔を形成したもので構成することもできる。
【0047】
この場合、医療用チューブの内周面に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、ガイドワイヤ挿入補助具の外周面に、医療用チューブの軸方向に沿って被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けることが好ましい。また、第2実施形態に係る医療用チューブ30の内周面に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、ガイドワイヤ挿入補助具40の外周面に、医療用チューブの被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けることもできる。
【0048】
さらに、医療用チューブ10,30は、一体成形により形成してもよいし、長手方向に沿った各部分をそれぞれ成形したのちに接合することにより形成してもよい。また、医療用チューブの形状も前述した実施形態の形状に限らず適宜変更することができる。さらに、ガイドワイヤ挿入補助具や医療用チューブの構成についても、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態で用いられる医療用チューブを示した正面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図1の3−3断面図である。
【図4】図1の4−4断面図である。
【図5】図1の5−5断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る医療用チューブセットが備えるガイドワイヤ挿入補助具を示した正面図である。
【図7】ガイドワイヤ挿入補助具を示した側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態で用いられる医療用チューブを示した正面図である。
【図9】図8の医療用チューブを示した背面図である。
【図10】図8の医療用チューブを示した平面図である。
【図11】図8の11−11断面図である。
【図12】図8の12−12断面図である。
【図13】図8の13−13断面図である。
【図14】図8の14−14断面図である。
【図15】図8の15−15断面図である。
【図16】図9の16−16断面図である。
【図17】図10の17−17断面図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る医療用チューブセットが備えるガイドワイヤ挿入補助具を示した正面図である。
【図19】図18のガイドワイヤ挿入補助具を示した側面図である。
【図20】第2実施形態で用いられる医療用チューブの内部にガイドワイヤ挿入補助具を挿入した状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10,30…医療用チューブ、11,31…基端側部分、11a,31a…基端側流路、12,32…第1移行部、12a,32a…第1移行流路、13,33…第2移行部、13a,13b,13c,13d,33a…第2移行流路、14,36…先端側部分、15a,15b,15c,15d…先端側流路、16a,16b,16c,38a,38b,38c…スリット、17,22,39…ライン、20,40…ガイドワイヤ挿入補助具、21,41…挿通孔、34…第3移行部、35a,35b,35c,35d…第3移行流路、36…先端側部分、37a,37b,37c,37d…先端側流路、42…基端側部分、43…先端部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブの長手方向の一方側に一つの基端側流路を形成し、他方側に前記基端側流路から分岐して延びる複数の先端側流路を前記チューブの周方向に配置した状態に形成して構成される医療用チューブにおける前記基端側流路から、前記複数の先端側流路のうちの所定の先端側流路にかけて、ガイドワイヤを通す際に用いられるガイドワイヤ挿入補助具であって、
前記ガイドワイヤを通すための挿通孔が軸方向に貫通して形成された棒状体における前記挿通孔の先端部を前記棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させて構成されることを特徴とするガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項2】
前記棒状体の外周面に、前記軸方向に延びる第1の線状目印が設けられている請求項1に記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項3】
前記第1の線状目印を、前記外周面における前記挿通孔の先端部が外周側にずれた部分の外周側端部が位置する側に沿って設けた請求項2に記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項4】
前記棒状体を真っ直ぐに延びる棒状に形成し、前記棒状体の中心軸と外周面との間に、前記ガイドワイヤを通すための挿通孔を形成することにより、前記挿通孔の先端部を前記棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項5】
前記棒状体の基端側部分を真っ直ぐに延びる棒状に形成するとともに、その先端部を屈曲させることにより、前記挿通孔の先端部を前記棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項6】
請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具と、前記医療用チューブと、前記ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、
前記医療用チューブを、前記複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが前記先端側流路と連通して設けられたチューブで構成し、前記ガイドワイヤを、前記基端側流路から前記スリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとした医療用チューブセット。
【請求項7】
前記医療用チューブを、前記基端側流路と前記先端側流路との間に、前記基端側流路の断面形状と前記複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、前記ガイドワイヤ挿入補助具を、断面外郭形状が前記移行流路の断面外郭形状と同形の棒状体で構成し、前記ガイドワイヤ挿入補助具を前記基端側流路から前記移行流路まで挿入可能にした請求項6に記載の医療用チューブセット。
【請求項8】
請求項5に記載のガイドワイヤ挿入補助具と、前記医療用チューブと、前記ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、
前記医療用チューブを、前記複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが前記先端側流路と連通して設けられたチューブで構成し、前記ガイドワイヤを、前記基端側流路から前記スリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとした医療用チューブセット。
【請求項9】
前記医療用チューブを、他方側部分の断面形状を略楕円状の扁平な形状に形成しその略楕円状の長軸の両端側部分と、長軸の中央側を挟んだ両側部分とにそれぞれ先端側流路を形成したチューブで構成した請求項8に記載の医療用チューブセット。
【請求項10】
前記医療用チューブを、前記基端側流路と前記先端側流路との間に、前記基端側流路の断面形状と前記複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、前記ガイドワイヤ挿入補助具を、前記基端側流路から前記移行流路まで挿入可能にした請求項9に記載の医療用チューブセット。
【請求項11】
前記医療用チューブの外周面における前記スリットが設けられていない先端側流路が形成された部分に前記医療用チューブの軸方向に延びる第2の線状目印を設けた請求項6ないし10のうちのいずれか一つに記載の医療用チューブセット。
【請求項12】
前記医療用チューブの内周面における前記基端側流路が形成された部分に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、前記ガイドワイヤ挿入補助具の外周面に、前記医療用チューブの軸方向に沿って前記被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けた請求項6ないし11のうちのいずれか一つに記載の医療用チューブセット。
【請求項1】
チューブの長手方向の一方側に一つの基端側流路を形成し、他方側に前記基端側流路から分岐して延びる複数の先端側流路を前記チューブの周方向に配置した状態に形成して構成される医療用チューブにおける前記基端側流路から、前記複数の先端側流路のうちの所定の先端側流路にかけて、ガイドワイヤを通す際に用いられるガイドワイヤ挿入補助具であって、
前記ガイドワイヤを通すための挿通孔が軸方向に貫通して形成された棒状体における前記挿通孔の先端部を前記棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させて構成されることを特徴とするガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項2】
前記棒状体の外周面に、前記軸方向に延びる第1の線状目印が設けられている請求項1に記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項3】
前記第1の線状目印を、前記外周面における前記挿通孔の先端部が外周側にずれた部分の外周側端部が位置する側に沿って設けた請求項2に記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項4】
前記棒状体を真っ直ぐに延びる棒状に形成し、前記棒状体の中心軸と外周面との間に、前記ガイドワイヤを通すための挿通孔を形成することにより、前記挿通孔の先端部を前記棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項5】
前記棒状体の基端側部分を真っ直ぐに延びる棒状に形成するとともに、その先端部を屈曲させることにより、前記挿通孔の先端部を前記棒状体の基端側部分の中心軸から外周側にずれた位置に配置させた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具。
【請求項6】
請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のガイドワイヤ挿入補助具と、前記医療用チューブと、前記ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、
前記医療用チューブを、前記複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが前記先端側流路と連通して設けられたチューブで構成し、前記ガイドワイヤを、前記基端側流路から前記スリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとした医療用チューブセット。
【請求項7】
前記医療用チューブを、前記基端側流路と前記先端側流路との間に、前記基端側流路の断面形状と前記複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、前記ガイドワイヤ挿入補助具を、断面外郭形状が前記移行流路の断面外郭形状と同形の棒状体で構成し、前記ガイドワイヤ挿入補助具を前記基端側流路から前記移行流路まで挿入可能にした請求項6に記載の医療用チューブセット。
【請求項8】
請求項5に記載のガイドワイヤ挿入補助具と、前記医療用チューブと、前記ガイドワイヤとからなる医療用チューブセットであって、
前記医療用チューブを、前記複数の先端側流路のうちの少なくとも一つの先端側流路を除く他の先端側流路と、その先端側流路が形成された部分の外周面との間に軸方向に沿って延びるスリットが前記先端側流路と連通して設けられたチューブで構成し、前記ガイドワイヤを、前記基端側流路から前記スリットが設けられていない先端側流路にかけて通すものとした医療用チューブセット。
【請求項9】
前記医療用チューブを、他方側部分の断面形状を略楕円状の扁平な形状に形成しその略楕円状の長軸の両端側部分と、長軸の中央側を挟んだ両側部分とにそれぞれ先端側流路を形成したチューブで構成した請求項8に記載の医療用チューブセット。
【請求項10】
前記医療用チューブを、前記基端側流路と前記先端側流路との間に、前記基端側流路の断面形状と前記複数の先端側流路の断面形状との中間の形状の断面形状を備えた移行流路を形成したチューブで構成するとともに、前記ガイドワイヤ挿入補助具を、前記基端側流路から前記移行流路まで挿入可能にした請求項9に記載の医療用チューブセット。
【請求項11】
前記医療用チューブの外周面における前記スリットが設けられていない先端側流路が形成された部分に前記医療用チューブの軸方向に延びる第2の線状目印を設けた請求項6ないし10のうちのいずれか一つに記載の医療用チューブセット。
【請求項12】
前記医療用チューブの内周面における前記基端側流路が形成された部分に、凹部または凸部からなる被係合部を設けるとともに、前記ガイドワイヤ挿入補助具の外周面に、前記医療用チューブの軸方向に沿って前記被係合部とスライド係合可能な凸部または凹部からなる係合部を設けた請求項6ないし11のうちのいずれか一つに記載の医療用チューブセット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−247766(P2009−247766A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102158(P2008−102158)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000228888)日本シャーウッド株式会社 (170)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000228888)日本シャーウッド株式会社 (170)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]