説明

ガスタービン動翼補修方法およびガスタービン動翼

【課題】補修した後であっても、高い耐久性を持つように補修すること。
【解決手段】ガスタービン動翼補修方法は、ガスタ−ビン動翼に生じた亀裂Cを検査する検査工程82と、ガスタービン動翼のうち亀裂Cを含む破損部10a,10bを除去することによって、ガスタービン動翼に当該破損部10a,10bに対応する穴部20を形成する除去工程83と、前記破損部10a,10bの形状に対応する形状を持つ接合材15,16を準備する準備工程86と、を備えている。除去工程83および準備工程86の後には、前記接合材15,16をガスタービン動翼の前記穴部20に装填する装填工程87が設けられている。当該装填工程87の後には、ガスタービン動翼の前記穴部20に装填された接合材15,16を、ガスタービン動翼に接合する接合工程88が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリ−プ損傷、疲労損傷などを受けて亀裂が発生したガスタービン動翼を補修するガスタービン動翼補修方法、および、当該ガスタービン動翼補修方法によって補修されたガスタービン動翼に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタ−ビンを用いた発電プラントでは、ガスタ−ビンと同軸に設けられた圧縮機を駆動することによって、圧縮された圧縮空気を燃焼器に案内して燃焼器ライナで燃料とともに燃焼する。燃焼によって生成される高温の燃焼ガスは、トランジションピ−スおよび静翼を経て、動翼に案内され、この動翼を回転駆動させて、ガスタ−ビンに仕事をさせる。
【0003】
この種のガスタ−ビンの高温部品である燃焼器ライナ、トランジションピ−ス、静翼および動翼には、Ni基またはCo基またはNi−Fe基耐熱超合金が用いられているが、ガスタ−ビンの運転とともに種々の損傷がみられる。
【0004】
これらの部品には、高温の燃焼ガス雰囲気にあるため材質劣化が生じる。さらに、動翼については、高速回転により遠心応力でクリ−プ損傷が蓄積する。また、ガスタ−ビンの起動時には低温環境域から高温環境域に推移する段階で、他方、ガスタービンの停止時には逆に高温環境域から低温環境域に推移する段階で熱疲労が生じ、疲労損傷が蓄積する。そして、これらの損傷は重畳して蓄積する。
【0005】
ところで、ガスタ−ビンの高温部品の保守管理は、機器の設計段階で決まるクリ−プあるいは疲労寿命と、実機の運転や立地上の環境により設定される寿命をもとに、同一機種あるいは同一運転形態をとるガスタ−ビンを分類し、分類された各グル−プの先行機の実績を用いて設計寿命を補正し、後続機の保守管理を行っている。近年では、特許文献1に示されたように、ガスタ−ビンの高温部品の劣化、損傷診断を効率的に精度良く予測する保守管理方法がなされつつある。しかしながら、いずれの保守管理方法でも、必要に応じて定検毎に補修を繰返して、管理寿命に到達した後一律に廃却し、非常に高価な新しい部品と交換している。
【0006】
また、ガスタービン動翼を補修する方法としては、割れ発生部を削除した後、削除した部分に動翼と同質の補助板を当てがうと同時に、その間にろう材を挿入し、ろう付けするとともに、その一部をレーザ溶接する方法も知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−293049号公報
【特許文献2】特開平09−168927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献2による方法によっても、補修されたガスタービン動翼は、十分な耐久性を達成するには至っていない。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ガスタービン動翼に、クリ−プ損傷、疲労損傷などを受けて亀裂が発生したとしても、高い耐久性を持つように補修することができるガスタービン動翼補修方法、および、当該ガスタービン動翼補修方法によって補修されたガスタービン動翼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるガスタービン動翼補修方法は、
ガスタ−ビン動翼に生じた亀裂を検査する検査工程と、
ガスタービン動翼のうち亀裂を含む破損部を除去することによって、ガスタービン動翼に当該破損部に対応する穴部を形成する除去工程と、
前記破損部の形状に対応する形状を持つ接合材を準備する準備工程と、
前記接合材をガスタービン動翼の前記穴部に装填する装填工程と、
ガスタービン動翼の前記穴部に装填された接合材を、ガスタービン動翼に接合する接合工程と、
を備えている。
【0010】
本発明によるガスタービン動翼は、
ガスタービン動翼のうち亀裂を含む破損部を除去することによって、ガスタービン動翼に当該破損部に対応する穴部を形成し、
前記破損部の形状に対応する形状を持つ接合材をガスタービン動翼の前記穴部に装填し、
ガスタービン動翼の前記穴部に装填された接合材を、ガスタービン動翼に接合することによって補修されて得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ガスタービン動翼のうち亀裂の入っている破損部を除去し、当該破損部の代わりに新しい接合材を装填して接合するので、補修した後であっても、高い耐久性を持つように補修することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態
以下、本発明に係るガスタービン動翼補修方法および当該ガスタービン動翼補修方法によって補修されたガスタービン動翼の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図4は本発明の実施の形態を示す図である。
【0013】
まず、使用されたガスタービン動翼1が搬入され、受け入れ検査が行われる(受入検査工程81)(図2参照)。なお、このガスタービン動翼1は、図1に示すように、プラットフォーム10と、プラットフォーム10の一方側(上方側)に設けられた羽根部5と、プラットフォーム10の他方側(下方側)に設けられた植込部2とを有している。
【0014】
次に、ガスタービン動翼1に生じた亀裂Cを検査する(検査工程82)(図2参照)。より具体的には、ガスタービン動翼1の表面を、目視または蛍光浸透探傷検査によって検査し、ガスタービン動翼1の表面に亀裂Cが生じているかを検査する。
【0015】
上述の検査工程82でガスタービン動翼1に亀裂Cを発見した場合には、亀裂Cを含む破損部10a,10bを除去し、ガスタービン動翼1に当該破損部10a,10bに対応する穴部20,21を形成する(除去工程83)(図2および図3(a)(b)参照)。以降、ガスタービン動翼1のプラットフォーム10に亀裂Cが発生した場合を想定して、以下説明する。なお、当然、ガスタービン動翼1のうち補修される部材は、当該プラットフォーム10に限定されるものではない。
【0016】
プラットフォーム10の表面に亀裂Cを発見した場合には、当該プラットフォーム10を、その表面に略垂直な方向に切断して、亀裂Cを含む破損部10aを除去する(図3(a))。このため、ガスタービン動翼1から除去される破損部10aは、亀裂Cの進展方向と略平行な側壁を有することとなる。また、当然、穴部20は、プラットフォーム10の表面に略垂直な方向に形成されることとなる(図3(b))。ところで、本願でいう「亀裂Cの進展方向」とは、亀裂Cが進展している主たる方向を意味している。
【0017】
また、プラットフォーム10をその表面に略垂直な方向に切断する代わりに、プラットフォーム10をその表面から下方に狭まるようにして傾斜した角度で切断してもよい(図4(a)(b))。このとき、ガスタービン動翼1から除去される破損部10bは、亀裂Cの進展方向における縦断面において、台形形状となっている。また、穴部21は、プラットフォーム10の表面から下方に狭まるようにして傾斜して形成されることとなる(図4(b))。
【0018】
このように、プラットフォーム10をその表面から傾斜した角度で切断して破損部10bを切り出す場合には、切り出された破損部10bの斜面が、亀裂Cの進展方向における縦断面において、亀裂Cの進展方向に対して0°より大きく45°以下の角度で傾斜していることが好ましい。
【0019】
ところで、プラットフォーム10に亀裂Cが入っている場合には、経験則上、その表面に垂直な方向に亀裂Cが入っていることが多いため、亀裂Cの進行方向を検査することなく、表面に垂直に進行しているものと推測して、上述のように、プラットフォーム10をその表面に略垂直な方向に切断してもよい。しかしながら当然、より正確性を求めるために、X線を用いて亀裂Cの進行方向を検査してもよい。
【0020】
次に、当該破損部10a,10bの形状に対応する形状を持つ接合材15,16を準備する(準備工程86)(図2参照)。このとき、接合材15,16の材料は、ガスタービン動翼1と同じ材料からなることが好ましい。このように、接合材15,16の材料として、ガスタービン動翼1と同じ材料を用いることによって、後述の接合工程88において、接合材15,16をガスタービン動翼1により強固に接合することができる。
【0021】
次に、準備工程86で準備した接合材15,16を、ガスタービン動翼1に形成された穴部20,21に装填する(装填工程87)(図2、図3(c)および図4(c)参照)。その後、ガスタービン動翼1の穴部20,21に装填された接合材15,16を、ガスタービン動翼1に拡散接合する(接合工程88)(図2、図3(c)および図4(c)参照)。
【0022】
このように、ガスタービン動翼1のうち亀裂Cの入っている破損部10a,10bを除去し、当該破損部10a,10bの代わりに新しい接合材15,16を装填して接合するので、補修した後であっても、高い耐久性を持つガスタービン動翼1を得ることができる。
【0023】
ところで、プラットフォーム10をその表面から下方に狭まるようにして傾斜した角度で切断した場合には、接合材16もその縦断面が台形形状となる(図4(c)参照)。
【0024】
そして、この接合材16を穴部21に装填すると、接合材16は、自重によってガスタービン動翼1に押し付けられることとなる。このため、接合材16をガスタービン動翼1により強固に接合することができ、より高い耐久性を持つガスタービン動翼1を得ることができる。
【0025】
上述の接合工程88においては、接合材15,16の表面に予めろう材を塗布しておき、当該接合材15,16をガスタービン動翼1の穴部20,21に接合材15,16を装填することによって、ろう材をガスタービン動翼1と接合材15,16との間に配置し(ろう材配置工程)、その後、当該ろう材を溶かすことによって、接合材15,16をガスタービン動翼1に拡散接合させてもよい。このように、ろう材を用いることによって、ガスタービン動翼1に接合材15,16をより強固に接合することができる。
【0026】
他方、接合材15,16の表面に予めろう材とガスタ−ビン動翼1を構成する材料とを含む補修材を塗布しておき、当該接合材15,16をガスタービン動翼1の穴部20,21に接合材15,16を装填することによって、当該補修剤をガスタービン動翼1と接合材15,16との間に配置し(補修材配置工程)、その後、ろう材を溶かすことによって、接合材15,16をガスタービン動翼1に拡散接合させてもよい。このように、ろう材とガスタ−ビン動翼1を構成する材料とを含む補修材を用いることによって、ガスタービン動翼1に接合材15,16をよりさらに強固に接合することができる。
【0027】
次に、上述のように接合工程88で接合材15,16が接合された補修済みのガスタービン動翼1は、出荷前の検査が実施された(出荷前検査工程89)後、搬出される(図2参照)。
【0028】
なお、本実施の形態によれば、上述のようなガスタービン動翼1の補修方法の他に、ガスタービン動翼1のうち亀裂Cを含む破損部10a,10bを除去することによって、当該破損部10a,10bに対応する穴部20,21を形成し、破損部10a,10bの形状に対応する形状を持つ接合材15,16を当該穴部20,21に装填し、このようにして穴部20,21に装填された接合材15,16を、ガスタービン動翼1に接合することによって補修されたガスタービン動翼1を提供することもできる。
【0029】
(実施例1)
次に、ガスタービン動翼1と同じ材料(表1に組成を示したNi基超合金Rene80(商品名)の一方向凝固材)からなる試験片50に対して、上述したガスタービン動翼1の補修方法についての実験を行った結果について説明する。なお、本実施例1については、図5に加え、上述の実施の形態で用いた図2乃至図4も用いて説明する。
【表1】

【0030】
まず、疲労試験機を用いて試験片50に亀裂Cを導入した(図3(a)および図4(a)参照)。このとき、六つの試験片50に亀裂Cを導入しておいた。
【0031】
次に、亀裂Cを含む破損部50a,50bを除去し、試験片50に当該破損部50a,50bに対応する穴部20,21を形成した(除去工程83)(図2、図3(b)および図4(b)参照)。このとき、三つの試験片50(以下、垂直穴部試験片50とも呼ぶ)を、その表面に略垂直な方向に切断して穴部20を形成した(図3(b)参照)。また、別の三つの試験片50(以下、傾斜穴部試験片50とも呼ぶ)を、その表面から下方に狭まるようにして傾斜した角度(亀裂Cの進展方向(上下方向)に対して15°の角度)で切断して穴部21を形成した(図4(b)参照)。
【0032】
次に、予め準備しておいた、破損部50a,50bの形状に対応する形状を持つ接合材15,16を、試験片50に形成された穴部20,21に装填した(装填工程87)(図2、図3(c)および図4(c)参照)。なお、この接合材15,16の接合面には、Niベースのろう材を塗布しておいた。
【0033】
次に、接合材15,16が装填された試験片50を、真空雰囲気の1200℃で加熱し、接合材15,16を試験片50に拡散接合させた。
【0034】
次に、上述のようにして得られた六つの試験片50に対してクリープ試験を行った。このとき、比較のため、亀裂Cの入っていない新しい三つの試験片に対しても同様にクリープ試験を行った。なお、クリープ試験は、900℃の温度で、300MPaの応力を加えることによって行った。
【0035】
図5に示す結果からも分かるように、垂直穴部試験片50および傾斜穴部試験片50のいずれも、亀裂Cの入っていない新しい三つの試験片と同程度のクリープ破断時間を持ち、十分な強度を有していることが分かった。
【0036】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、新しい試験片50を用いる代わりに、実際の発電プラントで設計寿命の半ばまで(24000時間)使用したガスタ−ビンの第1段動翼のうち、亀裂Cの入った部分を試験片55として用いたものである。なお、この第1段動翼は、プラットフォーム10に亀裂Cが発生しており、この亀裂Cは肉厚方向に貫通していた。また、補修対象となる試験片55は三つ用意した。
【0037】
まず、亀裂Cを含む破損部55aを除去し、動翼に当該破損部55aに対応する穴部21を形成した(除去工程83)(図2および図6(a)(b)参照)。このとき、試験片55を、その表面から下方に狭まるようにして傾斜した角度(亀裂Cの進展方向(上下方向)に対して15°の角度)で切断して穴部21を形成した。
【0038】
次に、予め準備しておいた、破損部55aの形状に対応する形状を持つ接合材16を、試験片55に形成された穴部21に装填した(装填工程87)(図2および図6(c)参照)。なお、この接合材16の接合面には、Niベースのろう材を塗布しておいた。
【0039】
次に、接合材16が装填された試験片55を、真空雰囲気の1200℃で加熱し、接合材16を試験片55に拡散接合させた。
【0040】
次に、上述のようにして得られた三つの試験片55に対してクリープ試験を行った。このとき、比較のため、新しい動翼を切断して得た三つの試験片に対しても同様にクリープ試験を行った。なお、クリープ試験は、900℃の温度で、300MPaの応力を加えることによって行った。
【0041】
図7に示す結果からも分かるように、補修された試験片55は、新しい動翼を切断して得られた試験片と同程度のクリープ破断時間を持ち、十分な強度を有していることが分かった。
【0042】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3は、新しい試験片50を用いる代わりに、実際の発電プラントで設計寿命の期間(48000時間)使用し、本来ならば廃却されるガスタ−ビンの第1段動翼のうち亀裂Cの入った部分を試験片60として用いたものである。なお、この動翼は、プラットフォーム10に亀裂Cが発生しており、この亀裂Cは肉厚方向に貫通していた。また、補修対象となる試験片60は三つ用意した。
【0043】
まず、亀裂Cを含む破損部60aを除去し、動翼に当該破損部60aに対応する穴部21を形成した(除去工程83)(図2および図8(a)(b)参照)。このとき、試験片60を、その表面から下方に狭まるようにして傾斜した角度(亀裂Cの進展方向(上下方向)に対して15°の角度)で切断して穴部21を形成した。
【0044】
次に、予め準備しておいた、破損部60aの形状に対応する形状を持つ接合材16を、試験片60に形成された穴部21に装填した(装填工程87)(図2および図8(c)参照)。なお、この接合材16の接合面には、Niベースのろう材と合金粉末を混合させた補修材を塗布しておいた。
【0045】
次に、接合材16が装填された試験片60を、真空雰囲気の1200℃で加熱し、接合材16を試験片60に拡散接合させた。
【0046】
次に、上述のようにして得られた三つの試験片60に対してクリープ試験を行った。このとき、比較のため、新しい動翼を切断して得た三つの試験片に対しても同様にクリープ試験を行った。なお、クリープ試験は、900℃の温度で、300MPaの応力を加えることによって行った。
【0047】
図9に示す結果からも分かるように、補修された試験片60は、新しい動翼を切断して得られた試験片と同程度のクリープ破断時間を持ち、十分な強度を有していることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態によるガスタービン動翼補修方法によって補修されるガスタービン動翼を示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態によるガスタービン動翼補修方法を示すフロー図。
【図3】本発明の実施の形態および実施例1によるガスタービン動翼補修方法を説明する断面図。
【図4】本発明の実施の形態および実施例1による別のガスタービン動翼補修方法を説明する断面図。
【図5】本発明の実施例1によるクリープ試験の結果を示したグラフ図。
【図6】本発明の実施例2によるガスタービン動翼補修方法を説明する断面図。
【図7】本発明の実施例2によるクリープ試験の結果を示したグラフ図。
【図8】本発明の実施例3によるガスタービン動翼補修方法を説明する断面図。
【図9】本発明の実施例3によるクリープ試験の結果を示したグラフ図。
【符号の説明】
【0049】
10 プラットフォーム
10a 破損部
10b 破損部
15,16 接合材
20,21 穴部
50a,50b 破損部
81 受入検査工程
82 検査工程
83 除去工程
86 準備工程
87 装填工程
88 接合工程
89 出荷前検査工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタ−ビン動翼に生じた亀裂を検査する検査工程と、
ガスタービン動翼のうち亀裂を含む破損部を除去することによって、ガスタービン動翼に当該破損部に対応する穴部を形成する除去工程と、
前記破損部の形状に対応する形状を持つ接合材を準備する準備工程と、
前記接合材をガスタービン動翼の前記穴部に装填する装填工程と、
ガスタービン動翼の前記穴部に装填された接合材を、ガスタービン動翼に接合する接合工程と、
を備えたことを特徴とするガスタービン動翼補修方法。
【請求項2】
ガスタービン動翼の穴部に装填される接合材の材料は、ガスタービン動翼と同じ材料からなることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項3】
ガスタービン動翼から除去される破損部は、亀裂の進展方向と略平行な側壁を有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項4】
ガスタービン動翼から除去される破損部は、亀裂の進展方向における縦断面が台形形状からなることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項5】
前記破損部は、亀裂の進展方向における縦断面において、その斜面が亀裂の進展方向に対して0°より大きく45°以下の角度で傾斜していることを特徴とする請求項4に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項6】
接合工程は、前記穴部に装填された接合材をガスタービン動翼に拡散接合することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項7】
接合工程は、ろう材を、ガスタービン動翼と穴部に装填された接合材との間に配置するろう材配置工程を有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項8】
接合工程は、ろう材とガスタ−ビン動翼を構成する材料とを含む補修材を、ガスタービン動翼と穴部に装填された接合材との間に配置する補修材配置工程を有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン動翼補修方法。
【請求項9】
ガスタービン動翼のうち亀裂を含む破損部を除去することによって、ガスタービン動翼に当該破損部に対応する穴部を形成し、
前記破損部の形状に対応する形状を持つ接合材をガスタービン動翼の前記穴部に装填し、
ガスタービン動翼の前記穴部に装填された接合材を、ガスタービン動翼に接合することによって補修されたガスタービン動翼。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−68400(P2009−68400A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236975(P2007−236975)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】