説明

ガスパージしながらマスフローを促進するインサートを使用するシステムおよびその方法

一実施形態におけるシステムが、仕切りと、該仕切り内の逆円錐体と、該逆円錐体の下にある部材とを含み、前記部材は、該部材と前記仕切りとの間を該部材に沿って流れる固体がその間でほぼ一定の速度プロファイルを有するようになる寸法を有する。
一実施形態による固体/気体混合物から気体をパージする方法は、内部に逆円錐体を有しかつ該逆円錐体の下に部材を有する仕切りに固体を添加し、ここで、前記部材に沿って通過する固体がその間でほぼ一定の垂直方向の速度プロファイルを有するものとし、そして、前記部材に隣接する少なくとも1つの点から前記固体にパージガスを注入することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年11月26日出願の米国特許仮出願第61/200261号の利益を主張し、この開示は参照によりその全体を援用するものとする。
【0002】
本発明は、一般に、容器を通って流れる固体/気体混合物からのガスの添加および/または除去に関する。特に、本開示は、固体のマスフロー(mass flow)を促進し、かつ、容器を通って移動する固体/気体混合物からガスを添加しかつ/または除去するための空隙部を設ける、逆円錐体およびインサート(挿入物)を使用することに関する。
【背景技術】
【0003】
通常、ポリオレフィン重合プロセスは、反応器の後にパージビンを使用して、ポリマー樹脂から不必要な揮発性物質を除去する。パージビンとは、上方部分から樹脂混合物が進入して、底部において並びに場合により両側部および他の領域に沿って設けられたポートまたは開口部からのパージ用ガス(パージガスとも言う)に付されることによって、揮発性物質がパージング効果によって除去される容器である。(たとえば、米国特許第3,797,707号、第4,286,883号、第4,758,654号、および第5,462,351号を参照のこと。)
【0004】
しかし、固体の流速分布、樹脂を通るパージ用ガスの分布、樹脂のフローパターンおよびパージ用ガスの何らかの潜在的加熱効果を考慮せずに単純にパージ用ガスを樹脂に送ると、樹脂が損傷する可能性があり、場合によっては品質が劣っていたり商業的に実用性のないポリマー生成物となることがある。さらに、樹脂がパージ用ガスにさらされる時間も、揮発性物質が樹脂から除去される程度に影響を及ぼす。
【0005】
樹脂とパージビンとの界面、ならびにあらゆる関連する突起(パイプ、管、支持部などの、樹脂の流路に突出し得る)もまた、パージビンを通る樹脂の流量に影響を及ぼす。揮発性物質は樹脂とパージガスとの接触時間に依存する速度で樹脂からパージされるので、一様でない樹脂のフローパターン(すなわち、遅いか速い樹脂流)はパージされる揮発性物質の量に影響を及ぼす。したがって、除去される揮発性物質の量は、樹脂のフローパターンに依存して、パージビンの一部分と別の部分とで異なる。
【0006】
したがって、パージ用ガスにさらされる時間が最も短い樹脂部分(すなわち、パージビン中を最も速く移動する樹脂部分)が所望量の揮発性物質を除去するのに十分なパージガスとの接触時間を有するように、パージビンを通る樹脂流を減らすべきである。しかしながら、パージビンを通る全体的な固体流量をこのように低下させるいうことは、重合後に樹脂をパージするのにより多くの時間が必要となり、したがって、全プロセスの効率が低下するということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,797,707号明細書
【特許文献2】米国特許第4,286,883号明細書
【特許文献3】米国特許第4,758,654号明細書
【特許文献4】米国特許第5,462,351号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、より均一な樹脂滞留時間及び樹脂中のパージガスの分散を促進して、樹脂から揮発性物質を許容量までパージするのに必要な時間を短くするためには、パージビンを通る樹脂の断面流量がより均一になることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態におけるシステムは、仕切り(容器の壁又は容器自体、barrier)と、前記仕切り内の逆円錐体と、前記逆円錐体の下にあって所定の寸法を有する部材とを含み、前記部材は、該部材と前記仕切りとの間を該部材に沿って流れる固体がその間でほぼ一定の速度プロファイルを有するようになる寸法を有する。
【0010】
別の一実施形態において、システムは、対向する上端部と下端部との間の中心部分がこの中心部分に沿ってほぼ一定の内径を有している仕切りと、前記仕切り内にあってその下端部に向かう部材であって、ここでは、部材の外径が隣接する前記仕切りの一部分の内径の約50%から約95%である前記部材と、前記部材の頂端部から固体を偏向させる(向きを変える)ための逆円錐体とを含む。
【0011】
一実施形態による固体/気体混合物から気体をパージする方法は、内部に逆円錐体を有しかつ該逆円錐体の下に部材を有する仕切り(容器)に固体を添加し、ここで、前記部材に沿って通過する固体がその間でほぼ一定の垂直方向の速度プロファイルを有するものとし、そして、前記部材に隣接する少なくとも1つの点から固体にパージガスを注入することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステムの例示的断面概略図である。
【図2】図2は、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステムの例示的断面概略図である。
【図3】図3は、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステムの例示的断面概略図である。
【図4】図4は、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するスカート部の例示的断面概略図である。
【図5】図5は、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステムの例示的断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の化合物、成分、組成物、装置、器材、構造、概略図、システム、および/または方法を開示して説明する前に、理解されたいのは、別段の記載がない限り、本発明は、特定の化合物、成分、組成物、装置、器材、構造、概略図、システム、方法などに限定されず、たとえば別段の記載がない限り改変可能なことである。本明細書において用いられる専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけにあり、限定することを意図しないこともまた、理解されたい。
【0014】
本明細書および添付した特許請求の範囲において用いた時の単数形「a」、「an」、および「the」は、別段の記載がない限り、複数の指示物を含むこともまた、留意しなければならない。
【0015】
一般に、本明細書に開示される実施形態は、気体をパージビンから添加しかつ/または除去する方法およびシステムに関する。たとえば、本明細書に開示される実施形態は、樹脂がマスフローパージビン中を好ましくは「プラグ流(栓流)」式で流れる時に樹脂から揮発性物質を除去するためのシステムおよび方法に関する。
【0016】
他の一般的な実施形態は、固体/気体混合物から気体をパージする方法を含み、ここでは、固体/気体混合物が、パージビンを通って流れ、逆円錐体をその円錐体の下にある部材と接触させ、その間でほぼ一定の垂直方向の速度プロファイルを有する。本明細書における実施形態は、部材に隣接する少なくとも1つの点からパージガスを固体に注入することをさらに含む。
【0017】
本明細書中で使用する「パージ」なる用語は、ガスで満たされた隙間スペースを有する固体粒状ポリマーから、炭化水素および/または揮発性物質を含む不必要な溶解ガスおよび不溶解ガスを除去するプロセスを指す。隙間ガスに加えて、炭化水素が樹脂に溶解されてもよい。パージ操作は、吸収された炭化水素を樹脂から拡散させるのに十分な駆動力を発生させることからなる。隙間スペースの炭化水素は素早くパージガスに置き換えられるが、溶解した炭化水素は出てくるのが遅く、相対的拡散速度は炭化水素の分子量(MW)に依存する(大きな分子はゆっくりと拡散する)。
【0018】
本明細書中で使用する「揮発性物質」なる用語は、その周囲の成分または化合物と比較して、沸点が相対的に低い成分または化合物を指す。例示の揮発性物質は、窒素、水、アンモニア、メタン、二酸化炭素、ならびに酸素、炭素、および水素のすべての化合物を含むが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書中で使用する「固体」なる用語は、樹脂、粒子、金属粒子などのあらゆる固体材料を指す。たとえば、固体/気体混合物に含まれる固体は、貯蔵前またはさらに処理する前の除去すべき揮発性物質を含む形に処理されたポリマー樹脂であってもよい。
【0020】
本明細書中で使用する「固体/気体混合物」なる用語は、あらゆる固体、液体、気体状の物質を含み、それらのあらゆる混合物を含むあらゆる物質を指す。たとえば、固体/気体混合物は、揮発性ガス、ポリマー樹脂およびパージガスの混合物を指すこともでき、あるいはいくつかの例では、ポリマー樹脂および/またはパージガスなどだけを指すこともできる。
【0021】
本明細書中で使用する「樹脂」なる用語は、重合プロセスにおける中間材料または最終材料を指す。樹脂は、固体または固体(群)と隙間ガス(群)との混合物であることができる。たとえば、樹脂は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、スチレンならびにそれらの誘導体および混合物など、2〜10の炭素原子を有する置換および非置換アルケンを含むあらゆるオレフィンモノマーを(揮発性物質や液体などの他の不純物とともに)含んでいることができる。未反応モノマー(アルケン)および非反応アルカンは、樹脂に溶解されていてもよく、アルカンおよびアルケンの両方が隙間ガスを構成することもできる。例示の非反応アルカンは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、それらの異性体およびそれらの誘導剤を含むが、これに限定されない。
【0022】
本明細書中で使用する「マスフロー」なる用語は、固体が容器から排出される時に容器の平滑表面および急斜面によって容器内の固体すべてが動いていることが可能な、固有の流れ状態を指す。
【0023】
本明細書中で使用する「プラグ流」なる用語は、マスフローの小集団(subset)であって、ある種の材料、固体、気体、液体またはそれらの組み合わせの実質的にすべてが容器内の所定の点でほぼ均一な速度プロファイルを有するものを指す。たとえば、垂直方向のパージビンにおいて、所定の高さでパージビンの固体/気体混合物が実質的に同じ速度で垂直方向下方に移動する場合に、プラグ流を達成することができる。別の例では、垂直方向のパージビンにおいて、固体/気体混合物中の固体がほぼ同じ速度でパージビンの所定の高さで垂直方向下方に移動する場合に、プラグ流を達成することができる。
【0024】
本明細書中で使用する「表面界面」なる用語は、気体状の環境と固体または半固体の材料の表面との間の接触領域を指す。たとえば、各気体注入点から下流側に、注入された気体が固体/気体混合物の表面と相互に作用する固体/気体混合物の領域が存在することができる。
【0025】
一般的な一実施形態において、システムは、仕切りと、仕切り内にある逆円錐体と、逆円錐体の下にある部材とを備え、前記部材は、該部材と前記仕切りとの間を該部材に沿って流れる固体がその間でほぼ一定の速度プロファイルを有するようになる寸法を有する。
【0026】
別の一般的な実施形態において、システムは、対向する上端部と下端部との間の中心部分がこの中心部分に沿ってほぼ一定の内径を有する仕切りと、前記仕切り内にあってその下端部に向かう部材であって、外径が隣接する仕切りの一部分の内径の約50%から約95%である前記部材と、前記部材の頂端部から固体を偏向させるための逆円錐体とを含む。
【0027】
さらに別の一般的な実施形態において、固体/気体混合物から気体をパージする方法は、内部に逆円錐体を有しかつ該逆円錐体の下に部材を有する仕切りに固体を添加し、ここで、前記部材に沿って通過する固体はその間でほぼ一定の垂直方向の速度のプロファイルを有するものとし、そして、前記部材に隣接する少なくとも1つの点から固体にパージガスを注入することとを含む。
【0028】
本明細書で用いられる「一定の速度プロファイル」なる用語は、例えば、固体/気体混合物などの媒体中の固体が、好ましくは垂直方向のパージビン内で所定の高さにおいて、同じまたはほぼ同じ速度でパージビン内を下方に(実施形態の類では垂直方向下方に)進むことを言う。本明細書で用いられる用語「一定の垂直方向の速度プロファイル」は、例えば、固体/気体混合物などの媒体中の固体が、垂直方向のパージビン内で所定の高さにおいて、同じまたはほぼ同じ速度でパージビン内を垂直方向下方に進むことを言う。
【0029】
次に、図1を参照すると、この図1には、仕切り内の固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステム100が示されており、これはビン、管、パイプなどであることができ、ここで、前記仕切りは、円形、だ円形、多角形などの任意の断面形状を有していることができる。簡潔に説明するために、仕切りは、図1から図3ではパージビン122として表されており、仕切りを参照する場合の図面を伴う説明はすべて、パージビンに言及して行うが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、パージビン122と任意のタイプの仕切りとは、本発明の範囲および広さに影響を及ぼすことなく、下記の説明において置き換え可能である。
【0030】
概して、固体/気体混合物の流れが、パージビン122の上部付近で上側入口102を通って進入し、続いてパージビン122内を進み、パージビン122の下側吐出口120を通って出る。しかし、複数の入口および出口が可能であり、単一のパージビン122内で複数の流れを採用することもでき、そして固体/気体混合物の流れを取り扱う別の手法も可能である。
【0031】
いくつかの実施形態では、パージビン122がインサート132を含んでいてもよく、これは逆円錐体124および部材125からなっていることができる。逆円錐体124および/または部材125は、円形、だ円形、多角形などの任意の断面形状を有していることができる。逆円錐体124および/または部材125はさらに、先の尖った先端、丸い先端、正方形の先端などを有していてもよい。いくつかの好ましい実施態様では、逆円錐体124は、パージビン122中でマスフローが促進されるように、急勾配の角度と平滑表面とを有していることができる。インサート132は、その外面の周囲で固体のマスフローが促進されるようにするために平滑表面を有していることができ、いくつかの実施形態では、部材125は、部材部分126、116、134などの任意の数の部材部分からなっていてもよく、環状空間において近プラグ流を維持するために、これらは逆円錐体124の下に含まれていてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、部材125は、他の部材部分と同じか異なる形状および機能性を有する部材部分からなっていてもよい。たとえば、図1に示した部材部分126は、2つの気体入口、逆円錐体124に向いた気体流路、および下向きの気体流路を有する。部材部分116は、固体/気体混合物から気体を抽出する気体抽出点130を有する。いくつかの実施形態では、気体の一部分がフィルタ118から流出してもよい。好ましい実施態様では、実質的にすべての気体がフィルタ118から流出してもよい。しかし、気体は、フィルタ118を含むパージビン122の任意の抽出点から流出してもよい。存在させる場合、逆円錐体124とともに含まれる各部材部分の配置、設計および選択は、全体としてのインサート132の所望の効果や、ガス入口および抽出点の数および分布に依存して決定する。
【0033】
図示するように、逆円錐体124は、上側の部材部分126から独立した部品であってもよい。他の手法では、逆円錐体124は、上側の部材部分126の一部分であってもよく、たとえば、上側の部材部分126の上端部であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、部材125の外径が、逆円錐体124の外径の約75%から約100%であってもよい。したがって、逆円錐体124は部材125と同じ外径を有していてもよく、結果として、インサート132が実質的に一貫した外径を有することになる。他の手法では、部材125の外径が、逆円錐体124の外径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、部材125の外径が、逆円錐体124の外径の約75%から約90%、あるいは約80%から約90%であってもよい。他の実施形態では、部材125の外径が、逆円錐体124の外径の約80%から約100%、あるいは約90%から約100%であってもよい。
【0035】
さらに、部材125は、拡張部のようなパージビン122の一部分であってもよいし、あるいは独立した部分であってもよい。好ましくは、本明細書において述べられている外径は、参照部分の最も離れた点で計測されるが、その中間や平均的な外径を示していてもよい。
【0036】
いくつかの他の実施形態では、部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約50%から約95%であってもよい。別の手法では、逆円錐体124および/または部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約50%から約95%であってもよい。いくつかの実施形態では、逆円錐体124および/または部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約50%から約80%まで、または、約55%から約75%、あるいは約60%から約70%であってもよい。他の実施形態では、逆円錐体124および/または部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約60%から約95%、または約70%から約85%であってもよい。したがって、部材125のおよび/または逆円錐体124の外径とパージビン122の内径との間にある関係があってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、パージビン122の内壁のスカート部108、およびインサート132の外壁のスカート部104、105によって、それらの下に、気体を添加または除去する空隙部をもたらしてもよい。
【0038】
いくつかの手法では、スカート部106が、小さな内径を備えたパージビン122の上部と、大きな内径を備えたパージビン122の下部とを有することによって形成されてもよく、それによって、図1Aに示すように、その間に、パージビン122内で気体を固体/気体混合物に搬入または搬出するための隙間を画定する。導管が、スカート部106に、かつ/またはスカート部106から気体を運搬してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、逆円錐体124の真下の領域、または、部材部分126、134などインサート132の任意の他の部分に気体を運搬する導管136が、含まれていてもよい。本実施形態や他の実施形態では、さらなるインサート132の部材部分が、中空であったり、内部導管部を有したりするなどして、導管136の部分を形成してもよいことに留意されたい。
【0040】
いくつかの手法では、適所にインサート132を保持し、気体を添加または除去する通路をインサート132の中または下に設けるために、1つ以上の支持部114がパージビン122の壁からインサート132まで設けられてもよい。支持部114は、導管136用の領域をさらに設け、導管を収容し、導管を支持し、導管を保持するなどすることによって、気体を固体/気体混合物の表面界面から供給または除去してもよい。1つ以上の支持部114に関係なく、1つ以上の導管136がインサート132に接続されていてもよい。簡潔に説明するために、図1から図4には、導管136のそれぞれが、支持部114とともに含まれているが、このことは、いかなる実施形態においても使用可能な支持体114および/または導管136の向き、配置、および選択を限定するものでは決してない。
【0041】
いくつかの実施形態では、支持部114を含み、流れ領域を通過するすべてまたはいくつかの支持部、導管、パイプなどが、流れの乱れを最小限に抑えるために、ナイフエッジなどの流れを強化する上部端を有していてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、各導管136が、部材125から外側に延びるスカート部を通って部材125から気体を供給または除去してもよい。たとえば、図1に示されているように、スカート部104などのスカート部が、部材部分126など部材部分のうちの1つの周りを包んでいてもよい。
【0043】
いくつかの手法では、スカート部104、105、108は、パージビン122の内部から外側に延び、インサート132の外部から外側から延びる、好ましくはほぼ均一の輪郭を有していてもよい。たとえば、スカート部104、105、108は、その部分がパージビン122またはインサート132であるかどうかに関係なく、それが装着される部分の周縁面の周りを完全に包んでいてもよい。
【0044】
さらなる手法では、スカート部104、105、108が分割されてもよく、これらの分割されたスカート部は、パージビン122およびインサート132の長手方向軸に対して異なる位置に配置されてもよく、あるいは、パージビン122およびインサート132の長手方向軸に対して同じ位置に配置されてもよい。任意の手法では、各スカート部が、スカート部の上下の部分に対して構造的に支持するようにスカート部の上下に接続されている一定の構造部材を有するように設計されてもよい。このようにして、複数の支持体114を有するのではなく、単一の支持部114が各インサート132を支持するために使用されてもよい。
【0045】
いくつかの手法では、スカート部104、105、108などの各スカート部が、少なくとも外部の固体/気体混合物の接触表面に減摩コーティング剤を含んでいてもよい。例示の減摩コーティング剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレン−プロピレン(FEP)、PLASITE(登録商標)7122TFE(テトラフルオロエチレン)などのフルオロポリマー(fluorpolymers)を含む。いくつかの好適なコーティング剤は、テフロン(登録商標)の有名ブランド下で販売されており、Wilmington, Delaware, USA(ウィルミントン、デラウェア州、米国)に販売代理店があるデュポン社から入手可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、部材とパージビン122との間をそれに沿って通過する固体/気体混合物が、それにわたって一定の速度プロファイルを有するようになる寸法を備えた、逆円錐体124の下にある部材125が含まれていてもよい。部材部分126などの部材部分が、固体/気体混合物に気体を添加することができてもよい。図1に示すように、部材部分126の上部近くに、気体が偏向して逆円錐体124から離れた後に固体/気体混合物に逃げることのできる入口があってもよい。さらに、気体が固体/気体混合物に添加されるように、スカート部104のようなスカート部が、部材部分126の下側周縁部を取り囲んでいてもよい。1つ以上の部材部分が、パージビン122の長さ、固体/気体混合物の流量速度、気体流量などを含むいくつかの要因に応じて、任意のインサート132で使用されてもよい。
【0047】
いくつかの手法では、上部に気体入口を有しない別のタイプの部材部分が使用されてもよい。これらの部材部分116のうち1つ以上は、各インサート132とともに使用されてもよい。部材部分116は、固体/気体混合物の表面界面から、気体を除去することができる。他の手法では、部材部分116が、この部材部分116に気体供給部を設けることによって、固体/気体混合物に気体を添加することができる。部材部分116は、独立した導管によって設けられるか、あるいは、別の部材部分に気体を供給する気体導管によって設けられてもよく、別の導管が固体/気体混合物の流路に含められる必要はない。これを達成するために、気体供給導管が、インサート132の内部に含まれていてもよく、固体/気体混合物に気体に供給する部材部分は、単一の気体導管から供給され、単一の支持部114がインサート132を完全に支持することができる。この内部の気体供給導管の例としては、パイプ、管、通路などが挙げられ、各部材部分が共通の供給部から気体を抽出することができるように、インサート132を含む各部材部分に沿って垂直方向に走っていてもよい。
【0048】
いくつかの手法では、少なくとも1つのチャンバを少なくとも別のチャンバから分離する内部バッフルを有することによって、部材部分134などの部材部分が固体/気体混合物の表面界面から気体を供給し除去してもよく、独立した導管が気体を同時に供給して除去することができる。独立した導管は、同じ支持部114を有してもよく、独立して支持されてもよく、あるいは、支持部114から独立して配管されてもよい。この部分または他の部分は、どのタイプの部材部分がインサート132の底部に載置されているかに応じて、インサート132の底部で下向きに気体を供給する下側入口を有していてもよい。
【0049】
他の手法では、逆円錐体124の下にある部材部分が、気体吐出部112に接続されている内部抽出点を有することによって、固体/気体混合物の表面界面から気体を除去するだけでもよく、この接続は支持部114に関連している。
【0050】
いくつかの好適な手法では、図1に示すように、最も下側の部材部分の下部が最も下側の部材部分の上部よりもわずかに外径が小さくなるように、逆円錐体124の下にある最も下側の部材部分がテーパーをつけられていてもよく、したがって、部材125の外面にわたってより均一な固体/気体混合物の流れを促進する。たとえば部材部分134に示されているように、いくつかの点で最も下側の部材部分の下部近くに気体が固体/気体混合物に添加されるように、最も下側の部材部分が気体注入点を含んでいてもよい。
【0051】
円錐体124およびスカート部104、105、108の角度は、固体/気体混合物が外側の円錐体124およびスカート部104、105、108の表面上を滑ることができるのに十分に急勾配であってもよく、固体のマスフローを促進することができる。好ましくは、パージビン122を通る垂直方向下向きの固体流が、プラグ流に接近してもよい。
【0052】
各円錐体124およびスカート部104、105、108は、固体/気体混合物の特徴および円錐体124またはスカート部104、105、108の角度に応じて、安息角を含む「空隙部」を下部に有していてもよい。固体/気体混合物の安息角による円錐体124およびスカート部104、105、108の下にある空隙部が、パージビン122内に表面界面を設けて、気体を添加または除去してもよく、図4の説明でより詳細に説明することとする。
【0053】
パージビンの内径βと比較して部材の直径αとしてより大きな直径を選択することにより、部材125の外部とパージビン122の内部との距離を最小限に抑えることによって、円錐体124およびスカート部104、105、108の固体/気体混合物流路への突出が最小限に抑えられてもよい。このことによって、順番に、固体/気体混合物の流れ速度が、任意に所望に変化するのを最小限に抑えることができ、したがって、実質的にプラグ流になる。
【0054】
いくつかの特に好適な実施形態では、気体吐出点128などの複数の気体吐出点が、部材部分126および/または116などのすべてまたはいくつかの部材部分を備え、かつ/または逆円錐体124の下に、かつ/またはスカート部106および/または108に含まれていてもよく、気体入口の流れは、各吐出点に対して、かつ/または各部材部分、スカート部および/または逆円錐体124に対して、個々に制御されてもよい。
【0055】
さらなる実施形態では、気体抽出点130などの複数の気体抽出点が、部材部分126および/または116などのすべてまたはいくつかの部材部分を備え、かつ/または逆円錐体124の下に、かつ/またはスカート部106および/または108に含まれていてもよく、気体抽出流は、各抽出点に対して、かつ/または各部材部分、スカート部および/または逆円錐体124に対して、個々に制御されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、パージビン122内の固体/気体混合物の表面界面に均一の気体流を供給するために、単一の気体吐出点128が、スカート部104などのスカート部に接続されている部材部分126または116など部材部分の内部のプレナム内で使用されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、スカート部105などのスカート部に接続されている部材部分116など円筒形の部材部分の内部のプレナム内にある単一の気体抽出点130が、パージビン122内の固体/気体混合物の表面界面から離れて均一の気体流を供給してもよい。
【0057】
特に好ましい実施態様では、より均一に気体流を分配するために、複数の入口ノズル110が、パージビンの壁のスカート部108および円錐体のスカート部104に使用されてもよい。
【0058】
他の実施形態では、パージビン122内で固体/気体混合物の表面界面から離れて気体をより均一に除去するために、複数の抽出点130が設けられていてもよい。
【0059】
これらの実施形態の利点は、固体/気体混合物がマスフローパターンを維持しつつ、インサート132がパージビン122内の固体のマスフローを促進することができ、ここでは、気体注入除去部分において固体流がプラグ流に接近してもよいことにある。たとえば、近いプラグ流を重力の影響下で得ることができ、ここでは、より大きな直径でのスカート状突出部が、それらのそれぞれの下で領域を最大限に増加させ、固体/気体混合物の速度変化を最小限に抑える。1つのインサート132を有することによって、それぞれがそれ自体の支持部を必要とする複数の逆円錐体と比較して、それを支持するのに必要な支持部114を最小限に抑える。本明細書において開示されているインサートの設計は、複数の内部の円錐体を利用する設計よりも、プラグ流により近くに接近する固体のフローパターンを促進するはずである。
【0060】
次に、図2を参照する。パージビン122として記載されている仕切りなど、前述の定義はすべてこの説明に適用することができる。続けて図2を参照する。パージビン122内で固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステム200が示されており、これは対向する上端部210およびその下端部212との間に中心部208を有していてもよく、この中心部208はそれに沿って一定の内径βを有している。システム200はまた、パージビン122内にその下端部に向かう部材125からなるインサート132を含んでいてもよく、ここでは、部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約50%から約95%であってもよい。いくつかの実施形態では、部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約50%から約80%、または約55%から約75%、あるいは約60%から約70%であってもよい。他の実施形態では、部材125の外径が、それに隣接するパージビン122の一部分の内径の約60%から約95%、または、約70%から約85%であってもよい。さらに、システム200は、固体/気体混合物をパージビン122の頂端部から偏向させる逆円錐体124を含んでいてもよい。
【0061】
図1を参照しつつ記載されている前述の実施形態はいずれも、部材125およびインサート132の設計のコンテキストに適用することができる。いくつかの手法では、任意のスカート部214がインサート132から外側に延びていてもよい。また、スカート部108がパージビン122から外側に延びてもよく、かつパージビン122の内周縁全体に延びていてもよい。気体を固体/気体混合物の表面界面から供給または除去するために、導管がスカート部108の下の領域に気体を搬入し搬出してもよい。
【0062】
たとえば、部材125が複数の部材部分202、204、206を含んでもよく、各部材部分はそのすぐ上にある部材部分よりも直径が小さくてもよく、それによって隙間をその間で画定するので、気体が、各隙間の下にある固体/気体混合物の界面に、または界面から、その隙間を通過することができる。この隙間は、スカート部214を含めることによって拡張されることができるが、これらのスカート部がなくても気体を固体/気体混合物と交換することが可能である。
【0063】
インサート132の下側部分206または他のいかなる部分も、組合せ部分であってもよいのに対して、気体がその組合せ部分の上下で固体/気体混合物に供給または取り出される。明確にするために、下側部分206が組合せ部分として示されているが、このことは決してインサート132の下側部分の機能性を制限するものではない。
【0064】
いくつかの手法では、部材125の外径、もしくは直径、たとえばφ、εが、逆円錐体124の外径ψの約50%から約100%(または超える)、あるいは約75%から約100%であってもよい。いくつかの実施形態では、部材125の外径、たとえばφ、εが、逆円錐体124の外径ψの約75%から約90%、あるいは約80%から約90%であってもよい。他の実施態様において、部材125の外径、たとえばφ、εが、逆円錐体124の外径ψの約80%から約100%、あるいは約90%から約100%であってもよい。部材125の各部材部分の外径φ、εなどは、この割合に準拠していてもよく、あるいは最も大きな外径φだけがこの割合に準拠していてもよい。たとえば、一実施形態では、φが、ψの約75%から約100%、または85%から100%、または85%から95%であり、εが、ψの約75%から約90%、約75%から約85%、または約80%から約85%である。
【0065】
他の方法において、図3に示すように、スカート部がインサートから内方に延びてもよく、かつスカート部より上の領域に気体を搬入または搬出するために導管136が含まれていてもよい。
【0066】
次に図3を参照する。前述の定義はすべて、パージビン122として記載されている仕切りなどこの説明に適用可能である。図3を続けて参照する。いくつかの実施形態では、部材125からなっていてもよいインサート132を含んでいてもよいパージビン122に、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するシステム300が示されている。いくつかの実施形態では、部材125が、部材125から内方に延びるスカート部302と、スカート部302より上の領域に気体を搬入または搬出する導管136とを有していてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、部材125が、たとえば部材部分304、306、308など複数の部材部分からなっていてもよく、上側部材部分304より上に逆円錐体124を備える。
【0068】
部材125の設計によると、パージビン122、スカート部108、支持部114、ガス入口110、ガス吐出口112、底部スカート部106など、前述の実施形態のいずれも実施可能である。
【0069】
次に図4を参照する。例示的な「スカート部」のより詳細な断面図が、いくつかの実施形態に従って示されている。概して、気体がスカート部400の隙間に流入し流出することができ、場合によっては気体を供給し除去するために隙間の外側部分に導管を備えていてもよい。空隙部402が、スカート部400の隙間の下に隣接して存在していてもよく、気体が仕切りまたはパージビンに進入可能であるので、固体/気体混合物410と、供給および/または除去された気体との間の表面界面408と接触可能になる。
【0070】
この安息角θは、固体/気体混合物410と気体との間にあるこの表面界面408の領域を決定する。この表面界面408の領域は、気体が添加されかつ/または除去されるにつれて、固体/気体混合物410を流動化しないように選択されてもよい。固体/気体混合物410が流動化されると、泡が形成されて、不必要な結果が表面に生じる可能性がある。
【0071】
いくつかの好ましい実施形態では、スカート部404の角度ρが、パージビンの壁406に対して垂直位置から約70度±15度であってもよい。他の実施態様では、スカート部404の角度ρが、パージビンの壁406に対して垂直位置から約70度±10度、または約70度±5度であってもよい。
【0072】
固体/気体混合物から気体をパージする方法は、図1から図5のいずれか1つの機能および構造のコンテキストにおいて実施されることができる。しかし、当然ながら、あらゆる望ましい環境においてこの方法が実行されてもよい。
【0073】
この方法では、固体が、その中に逆円錐体と逆円錐体の下の部材とを有する仕切りまたはパージビンに添加されてもよく、ここでは、部材に沿って通過する固体または固体/気体混合物が、それをわたる一定の垂直方向の速度プロファイルを有してもよい。このほぼ一定の垂直方向の速度プロファイルは、プラグ流に接近してもよい。
【0074】
この方法では、パージガスが、部材に隣接する少なくとも1つの点から固体または固体/気体混合物に注入されてもよい。
【0075】
いくつかの手法では、たとえば図1に逆円錐体124として示されているような逆円錐体の下の領域から、気体が固体または固体/気体混合物から注入されたり抽出されたりしてもよい。
【0076】
図3にスカート部として示されているような部材から内方に延びていてもよいスカート部が、いくつかの手法では、スカート部より上の領域から気体を注入したり抽出したりするのに使用されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、たとえば図1にスカート部104として示されているような部材から外方に延びるスカート部の下の領域から、気体が固体または固体/気体混合物から注入されたり抽出されたりしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、たとえば図1にスカート部108として示されているような仕切りまたはパージビンから外側に延びるスカート部の下の領域から、気体が固体または固体/気体混合物から注入されたり抽出されたりしてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、部材の外径が、逆円錐体の外径の約75%から約100%であってもよい。いくつかの実施形態では、部材の外径が、逆円錐体の外径の約75%から約90%、または約80%から約90%であってもよい。他の実施態様では、部材の外径が、逆円錐体の外径の約80%から約100%、または約90%から約100%であってもよい。したがって、逆円錐体は、部材の一部分または別々の部品であってもよい。好ましくは、本明細書において述べられている外径は、示されている部分の最も離れた点で計測されるが、その中間や平均的な外径を示していてもよい。
【0079】
部材は、いくつかの実施形態により複数の部分からなっていてもよく、ここでは、各部分はそのすぐ上にある部分よりも直径が小さく、それによって、図3に示すような隙間をその間に画定する。さらに、気体が、隙間を通って固体/気体混合物から注入または除去されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、部材の外径が、それに隣接する仕切りまたはパージビンの一部分の内径の約50%から約95%であってもよい。いくつかの実施形態では、部材の外径が、それに隣接する仕切りまたはパージビンの一部分の内径の約50%から約80%、または約55%から約75%、あるいは約60%から約70%であってもよい。他の実施態様では、部材の外径が、それに隣接する仕切りまたはパージビンの一部分の内径の約60%から約95%、または約70%から約85%であってもよい。
【0081】
次に図5を参照する。一実施形態による、固体/気体混合物から気体を添加しかつ/または除去するためのシステム600が示されている。本実施形態の特徴が、本明細書において開示されている他のいかなる実施形態に組み込まれて、使用されてもよく、また開示に基づくことが可能である。たとえば、円錐体124が、他のインサート132の残りと同じくらいの幅であるだけでよい。また、各部材部分602は、大きさおよび形状が実質的に類似していてもよく、あるいは、高さ、幅、周縁部、寸法、機能などがたとえば部材部分604と異なっていてもよい。システム600は、ガス入口、スカート部、ガス吐出口、支持部、導管などが、システム全体の望ましい機能と、マスフローを促進する特性とに応じて、多くの位置に配置されていてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、部材部分のすべてまたはいくつかには、パージビン122を通って流れる固体/気体混合物が、気体にさらされてもよく、かつ/または除去された気体を有する領域があってもよい。さらに、いくつかの好ましい実施形態では、逆円錐体124の外部壁の角度が、その垂直軸に対して直角から約70度±15度であってもよい。いくつかの実施形態では、逆円錐体124の外部壁の角度が、その垂直軸に対して直角から約70度±10度、または約70度±5度であってもよい。また、いくつかの好ましい実施形態では、典型的に、すぐ上の部分によって包囲されるいくつかまたはすべての部材部分の上部の壁の角度が、その垂直軸に対して直角から約60度±15度であってもよい。いくつかの好ましい実施形態では、典型的にすぐ上の部分によって包囲されるいくつかまたはすべての部材部分の上部の壁の角度が、その垂直軸に対して直角から約60度±10度、または60度±5度であってもよい。当然ながら、より多くの、またはより少ない部材部分があらゆる実施形態において含まれていてもよく、部材部分は、気体を添加しかつ/または除去すること、およびインサート132の周りのマスフローを促進することの他にさらなる機能をもたらすことができる。
【0083】
別段の記載がない限り、具体的に本明細書において述べられている「本質的になる(“consists essentially of”および“consisting essentially of”)」という表現は、他のステップ、要素または材料があることを、このようなステップ、要素または材料が本発明の基本的および新規な特性に影響を及ぼさない限りにおいて排除せず、加えて、これらは、使用される要素および材料と通常は関連する不純物および変形物を排除しない。
【0084】
特定の範囲だけが、本明細書に明示的に開示されている。しかし、任意の下限値からの範囲を任意の上限値と組み合わせて、明示的には規定されていない範囲を規定することだけではなく、任意の下限値からの範囲を任意の他の下限値と組み合わせて、明示的には規定されていない範囲を規定し、同様に、任意の上限値からの範囲を任意の他の上限値と組み合わせて、明示的には規定されていない範囲を規定する。さらに、ある範囲には、たとえ明示的に規定されていなくても、その端点間におけるすべての小数点または個々の値が含まれている。したがって、すべての小数点または個々の値は、任意の他の小数点あるいは個々の値、または任意のほかの下限値あるいは上限値とともに、それ自体の明示的に規定されていない範囲を規定するための下限値または上限値としての役割を果たすことができる。
【0085】
本明細書に引用された書類はすべて、援用が認められるすべての管轄について、このような開示が本発明の記載と一致する範囲において、参照により完全に援用するものとする。
【0086】
多数の実施形態および実施例に関して本発明を記載してきたが、この開示の利益を得る当業者であれば、本明細書に開示したような本発明の範囲および精神から逸脱することなく、他の実施形態を想起できることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0087】
100、200、300・・・システム
122・・・パージビン(仕切り)
124・・・逆円錐体
125・・・部材
132・・・インサート
208・・・中心部分
210・・・上端部
212・・・下端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切りと、
前記仕切り内の逆円錐体と、
前記逆円錐体の下にある部材と
を備えるシステムであって、
前記部材が、該部材と前記仕切りとの間を該部材に沿って流れる固体がその間でほぼ一定の速度プロファイルを有するようになる寸法を有する、前記システム。
【請求項2】
対向する上端部と下端部との間の中心部分がこの中心部分に沿ってほぼ一定の内径を有する仕切りと、
前記仕切り内にあってその下端部に向かう部材であって、該部材の外径が隣接する前記仕切りの一部分の内径の約50%から約95%である前記部材と、
前記部材の頂端部から固体を偏向させるための逆円錐体と
を備える、システム。
【請求項3】
前記逆円錐体よりも下の領域に気体を搬入するためおよび該領域から気体を搬出するための導管をさらに備える、請求項1または2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記部材から外方に延びるスカート部と、前記スカート部よりも下の領域に気体を搬入するためまたは該領域から気体を搬出するための導管とをさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記仕切りから外に延びるスカート部と、前記スカート部よりも下の領域に気体を搬入するためまたは該領域から気体を搬出するための導管とをさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記部材が複数の部分を含み、各部分はそのすぐ上にある部分よりも直径が小さく、それによって、その間に隙間を画定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記部材から内方に延びるスカート部と、前記スカート部より上の領域に気体を搬入するためまたは該領域から気体を搬出するための導管とをさらに備える、請求項1〜3、または請求項5〜6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記逆円錐体上に減摩コーティングをさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
内部に逆円錐体を有しかつ該逆円錐体の下に部材を有する仕切りに固体を添加し、ここで、前記部材に沿って通過する固体がその間でほぼ一定の垂直方向の速度プロファイルを有するものとし、そして
前記部材に隣接する少なくとも1つの点から前記固体にパージガスを注入する
ことを含む、固体/気体混合物から気体をパージする方法。
【請求項10】
前記逆円錐体の真下の領域から気体を注入または抽出することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記部材から外方に延びるスカート部の下の領域から気体を注入または抽出することをさらに含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記仕切りから外方に延びるスカート部の下の領域から気体を注入または抽出することをさらに含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記部材が複数の部分を含み、各部分はそのすぐ上にある部分よりも直径が小さく、それによって、その間に隙間を画定し、かつ前記隙間から気体を注入または抽出する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記部材から内方に延びるスカート部の上の領域から気体を注入または抽出することをさらに含む、請求項9〜11、または13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記部材の外径が、前記逆円錐体の外径の約75%から約100%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法、または、請求項9〜14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記部材の外径が隣接する前記仕切りの一部分の内径の約50%から約95%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法、または、請求項9〜15のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−509981(P2012−509981A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538614(P2011−538614)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061816
【国際公開番号】WO2010/062526
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(599168648)ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー (70)
【Fターム(参考)】