説明

ガスメータ遠隔管理システムに用いられる携帯型情報端末

【課題】ガスが使用された時に、ガスメータから出力されるパルスを読み取る無線子機を簡単に設置し、ガスメータ遠隔管理システムとして効率よく活用する。
【解決手段】ガスメータ400とガスメータ400に取り付けられた無線子機300とを撮影した画像データを用いて、ガスメータ400のガスメータID及びガスメータ指針値、無線子機300の無線子機IDを認識し、情報認識部605で認識されたガスメータIDとガスメータ指針値とを無線子機400へ送信することにより、無線子機300の設置時において簡単にガス使用量の積算値を無線子機300に記録させることが可能となる。さらに、無線子機300に設置時のガス使用量の積算値を記録させることによって、単に期間内の消費量を把握するだけでなく、ガスメータ交換時期を検知することが可能となり検針以外の用途に利用できるガスメータ遠隔管理システムを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータ遠隔管理システムに用いられる携帯型情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の温暖化をはじめする様々な環境問題への対策としてCO2排出量の削減など省エネルギー対策が様々な分野で注目を集めている。この中で、エネルギーの代表例としてガス、電力、水道といった生活インフラとして我々の生活に欠かせない物が数多く存在する。この様な生活インフラとして利用されるエネルギーにおいては、エネルギー使用量を効率よく把握し管理することが求められている。例えば、日本ではガス使用量を計測し、月毎のガス消費量を把握する手段として、各家庭に備え付けられているガスメータの検針を検針作業員が毎月各家庭を訪問する方法と、通信機能を付加したガスメータを利用して自動で検針を行う方法とが普及している。
【0003】
この様な時代背景の下、検針員が携帯型情報端末を利用してガスメータの指針値情報を光学的に読み取る検針システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この携帯型情報端末を用いた検針システムでは、ガスメータに固有に割り振られている識別IDとガスメータの指針値を光学的に読み取り、検針作業員による手入力のミスやガスメータ指針値の読み間違えなどを防止して検針を行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−069595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、携帯型情報端末を用いて検針周期(例えば、月に1回)毎に、検針員が需要家を回る必要があるため人手が掛かる。また、1時間毎のデータをリアルタイムに取得したいという市場からの要望や、ガスメータなどの交換やメンテナンス時期を遠隔で把握、管理したいという要求に対して、人手を用いた検針方法には限界があり、事実上不可能である。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ガス消費量のより詳細なデータを蓄積できるガス自動検針システムを実現することができ、さらに、初期設定を行う際に人為的な入力ミスを容易に防止できるものである。さらに、ガスメータの交換時期やメンテナンス時期までを把握することができるガスメータ遠隔管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の携帯型情報端末は、ガスメータと前記ガスメータに取り付けられた無線子機とを画像データとして撮影する撮像部と、前記撮像部で撮影された画像データを用いて、前記ガスメータのガスメータIDと、前記ガスメータのガスメータ指針値と、前記無線子機の無線子機IDと、を解析し認識する情報認識部と、前記情報認識部で認識されたガスメータIDとガスメータ指針値とを、前記無線子機IDを用いて前記無線子機へと送信する端末無線通信部と、で構成されたものである。
【0009】
特に、この携帯型情報端末は、ガスメータや無線子機に印字されているバーコードや2次元コードといった光学的情報を読み取る機能を備えることで、ガスメータIDと無線子機IDを簡単に読み取ることができる。さらに、携帯型情報端末は撮像部を備え、撮像部から取り込まれた画像データにある数字や文字といった情報を解析する、光学式文字認識機能を有することにより、ガスメータが設置されてからのガス消費量の積算値であるガスメータの指針値を光学的に読み取ることができる。そして、携帯型情報端末は無線子機と無線通信するための無線機能を有しており、任意の情報を無線子機に設定したり、情報を取り出したりすることができる。加えて、携帯型情報端末は無線LANや携帯電話通信網を利用したインターネットを利用する機能を有することで、例えば設置現場にいながら、遠隔地にある管理サーバに設置情報をリアルタイムに更新することが可能である。
【0010】
これにより、ガスメータに無線子機を設置する際にガスメータIDと無線子機IDの2つのIDを紐付けして記録することが可能になり、無線子機に対して携帯型情報端末を用いてガスメータが設置されてからのガス消費量の積算値であるガスメータの指針値を光学的に読み取り、無線子機に対して設置時のガスメータ指針値を記憶させる。無線子機はガスメータから出力されるガス消費量を計測して、携帯型情報端末によって設定されたガスメータ指針値に対して積算することが可能となり、時間あたりのガス消費量だけでなく、ガスメータによって過去に消費された積算値を把握することが可能となる。そして携帯型情報端末によってインターネット網を利用して遠隔地にある管理サーバに情報を集約させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の携帯型情報端末は、ガスメータに無線子機を設置する際に、携帯型情報端末がガスメータIDと無線子機IDを、バーコードや2次元コードといった光学的情報を自動的に認識することによって、ガスメータIDと無線子機IDの2つのID情報を紐付けすることが可能となる。さらに、携帯型情報端末の光学式文字認識機能によってガスメータ指針値を自動認識することで、ガスメータ指針値を人が誤って読み間違えることを防止することが可能となる。また、ガスメータIDと無線子機IDとガスメータ指針値の3つの情報をまとめて紐付けし、無線子機に対してガスメータ指針値を記録させることにより、ガスメータが過去に計測してきたガス消費量と今後使用されるガス使用量のトータル管理を実現するものである。
【0012】
さらに、これにより、既に各家庭に備え付けられているガスメータに対して、無線子機を取り付ける際の設置作業に掛かる時間を大幅に短縮することが可能となる上に、人為的入力誤りを防止することが可能となる。さらに、どの無線子機を取り付けたかということが正しく管理することが可能となり、無線子機設置時のガスメータ指針値を無線子機が記録することによって、ガスメータが過去に計測してきたガス消費量と今後使用されるガス使用量の両方の計測が実現できることによって、遠隔地にある管理サーバにおいて、ガスメータ交換時期やメンテナンス時期などを管理システムの利用者に知らせるといったトータル管理を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯型情報端末を用いたガスメータ遠隔管理システムのシステム全体図
【図2】本発明の実施の形態1におけるガスメータの外観図
【図3】本発明の実施の形態1における無線子機の外観図
【図4】本発明の実施の形態1におけるガスメータ無線子機装着図
【図5】本発明の実施の形態1における無線子機の機能ブロック図
【図6】本発明の実施の形態1における携帯型情報端末の機能ブロック図
【図7】本発明の実施の形態1におけるガスメータのパルス出力を示す図
【図8】本発明の実施の形態1における無線子機設置フロー図
【図9】本発明の実施の形態1におけるデータベースの管理情報の例を示す図
【図10】本発明の実施の形態2における無線子機の機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
まず、図1のガスメータ管理システムの全体像から説明する。
【0016】
無線親機100は、小電力の無線通信を利用してガスメータの検針情報を収集し、収集した情報を、インターネット網1000を経由して管理センター900に設置されている管理サーバ901と通信を行い、データを送受信する役割を果たすものである。管理サーバ901はデータベース902と接続されており、検針データをはじめとする顧客管理情報はデータベース902に保持している。無線親機100は無線子機を備え付けられたガスメータ400a〜kと小電力の無線通信を行う。
【0017】
C100は無線親機100の通信範囲を示すものであり、通信範囲C100の円の中にある機器との無線通信が可能であることを意味するものである。具体的には、無線親機100はガスメータ400a、400b、400cの3つとの直接的な通信が可能であり、無線中継器200a、200b、200cとも通信が可能であることを示している。
【0018】
この無線親機100の通信範囲外(C100で示される円の外)に設置されているガスメータ400d〜400kについては、無線中継器200a〜200eを利用して、無線通信を行うものである。例えば、C200aは無線中継器200aの通信範囲を示すものであり、無線中継器200aの通信範囲C200aに入っているガスメータ400dと通信可能であることを示す。また、通信範囲C200aにある無線中継器200dも無線中継器200aと通信可能であることを示している。
【0019】
この様に、無線親機100は通信範囲C100で示される円の中にある機器とは直接通信が可能であり、通信範囲外にあるものとは、中継器200a、200b、200cを用いて通信を行う無線システムである。中継器200a〜eも同様に、無線通信範囲C200a〜eで示される円の中にある機器と直接通信が可能であり、場合によっては、例えばガスメータ400gは無線中継器200dを介して、更に無線中継器200dが無線中継器200aを介すというように多段中継をして、無線親機100にデータを収集するものである。携帯型情報端末600は、図2と図3の説明で後述するガスメータ400に無線子機300を設置する際に使用する機器であり、例えばガスメータ400eを設置する際に、小電力の無線通信をガスメータ400eと行い、設置に関する情報を管理サーバ901に接続されているデータベース902に登録するために、インターネット網1000を通じて管理サーバ901と通信を行うものである。
【0020】
次に図2に示すガスメータについて説明する。
【0021】
ガスメータ400は各家庭に備え付けられているものであり、ガスメータを識別するための情報であるガスメータID401が印字されており例えばバーコードで表現されているものである。加えて、ガスメータが備え付けられてからのガス使用量の積算値を表すガスメータ指針値402を備えている。また、ガスメータ400はガスが消費され、ガスメータ指針値402がカウントアップされた際にパルスを出力する機能を有している。パルス出力については、後で図7を用いて説明する。
【0022】
次に図3は、無線子機の構成図である。無線子機300には、無線子機300を識別するための無線子機ID301が印字されており、この無線子機ID301はバーコードで表現されている。また、無線子機300はガスメータ400に取り付けられるものである。
【0023】
次に図4はガスメータ400に無線子機300を装着した状態を表す図であり、この様に無線子機300をガスメータ400に取り付けた状態が、図1で示した400a〜400kに相当するものである。
【0024】
次に、図5は図3で示した無線子機300の機能ブロック図である。
【0025】
パルス入力部301はガスメータ400からのパルス出力を取り込む役割を果たし、例えばリードスイッチを利用して構成されている。パルス計測部311はパルス入力部から得られたパルス信号をカウントし計測する部分である。積算部314はパルス計測部311で計測されたパルスカウントを積算するものである。計時部315は時間を計時する機能であり、タイマーの役割を果たす。記憶部316はパルス計測部311で計測されたパルスカウントや積算部314で算出された積算値を保持する際に使用されるメモリである。無線通信部317は無線親機100あるいは無線中継器200a〜eあるいは携帯型情報端末600と小電力な無線通信を行うために、無線データを送受信する役割を果たす。アンテナ318は無線通信部317が通信データを無線でやり取りするために使用されるアンテナである。制御部312は無線子機300全体の制御を行うものであり、電源部313は無線子機300が動作するために必要となる電力を供給するものであり、電池を用いて実現されるものである。
【0026】
次に図6は携帯型情報端末600の機能ブロック図である。
【0027】
撮像部601は、光信号を電気信号に変換する役割を果たすものであり、ガスメータID401や無線子機ID301を示すバーコードを電気信号に変換して情報として扱えるように変換する。また、撮像部601は、撮影された光信号を画像データとして扱えるように変換する。光学情報認識部605は、撮像部601より得られたバーコードの情報をデコードして、ガスメータID401や無線子機ID301を認識する。光学式文字情報認識部606は、撮像部601より得られた画像データにあるガスメータ指針値402を解析し文字情報や数値情報に変換する。無線通信部604は、無線子機300と小電力な無線通信を行うために、無線データを送受信する。アンテナ611は、無線通信部604が無線通信を行う際に利用されるものである。公衆網通信部608は、例えばインターネット網など利用した通信を行う際に利用される通信モジュールであり、例えば携帯電話網を利用してインターネット網にアクセスする機能をもつ。アンテナ612は、公衆網通信部608が携帯電話網を利用してインターネット網にアクセスする際に利用されるアンテナである。表示部603は、撮像部601より得られた電気信号を撮影画像として表示する。また、表示部603は、携帯型情報端末600のアプリケーションソフトウエアによって出力される様々な情報を操作者に視覚的に表現する。制御部602は、携帯型情報端末600の全体を制御する。電源部610は、携帯型情報端末600が動作するために必要となる電力を供給する。入力手段607は、携帯型情報端末600に対して操作者が操作するためのボタンキーやタッチパネルなどで構成されている。記憶部609は、撮像部601、光学情報認識部605、光学式文字情報認識部606、無線通信部604、公衆網通信部608、表時部603によって得られるデータを一時的あるいは長期的に保持するための記憶装置である。
【0028】
次に図7について説明する。図7はガスメータ400から出力されるパルス出力を示す
図である。横軸が時間軸であり、縦軸はパルス出力の出力レベルを表しており、パルス出力701がパルス出力を示している。パルス出力701がHiである時間がT1であり、パルス出力がLoである時間がTa、Tb、Tcである。ガスが使用されると、ガス使用量に応じてガスメータ400のガスメータ指針値402がカウントアップされる。このガスメータ指針値402の値がカウントアップされるごとに、パルス出力701がT1の時間、Hi出力となる。無線子機300はこのパルス出力701がHiで出力される回数をカウントすることでガス使用量を計測することができる。
【0029】
以下に、携帯型情報端末600を用いたガスメータ遠隔管理システムの動作を図8で示すフローチャートを用いて無線子機300をガスメータ400に取り付けて設置情報をサーバに登録するまでの流れを説明する。
【0030】
まず、S801においてガスメータ400に無線子機300を取り付ける。この作業は人手による設置工事作業である。S802において、携帯型情報端末600を用いて撮像部601より光信号を電気信号に変換し、画像データとして扱えるようにする。S803において撮像部601から取り込んだ画像データを光学情報認識部605によって解析し、S804にてガスメータID401が印字されているバーコードをデコードすることでガスメータID401を認識する。S805において、無線子機ID301が印字されているバーコードをデコードすることで無線子機ID301を認識する。S806において、光学式文字情報認識部606は、撮像部601より取り込んだ画像データからガスメータ指針値402を数値情報として認識する。S804、S805、S806の各ステップで認識したガスメータID401と無線子機ID301とガスメータ指針値402の3つの情報を、S807において紐付けし携帯型情報端末600の記憶部609に保持する。S808において、携帯型情報端末600は無線子機300と小電力の無線通信を行い、無線子機300に対して、ガスメータID401とガスメータ指針値402の情報を送信し、無線子機300が内蔵している記憶部316にガスメータID401とガスメータ指針値402を記憶する。S809において、携帯型情報端末600はS808まで正常に終了したことを記憶部609に保存する。このとき、ガスメータID401と無線子機ID301とガスメータ指針値402に加えて、撮像部601にて取り込んだ画像データも合わせて記憶部609に保存しておく。この様に画像データも設置情報として保存しておくことにより、設置作業の証拠写真を残すことが可能となる上に、設置した際にどのようなガスメータの状態であったのか、あるいは周囲環境がどのような状態であったのかという、本来は設置担当者のみにしか分らない情報も一緒に管理することが可能となり大変有益である。
【0031】
S810において、携帯型情報端末600のアプリケーションソフトウエアを操作することにより、遠隔地にある管理サーバ901に対してこの設置情報を登録するか否かを選択する。
【0032】
管理サーバ901に登録する場合には、S811にて公衆網通信部608を利用することで、携帯型情報端末600は例えば携帯電話通信網を利用してインターネット網に接続することにより、管理サーバにアクセスすることが可能となる。ここで携帯電話通信網を利用したインターネット接続というのは、具体的には例えば、GPRSやHSDPAなどに代表されるパケット通信である。その他の通信サービスを利用しても良いことは言うまでもない。
【0033】
また、S810にて管理サーバ901への登録を選択しなかった場合には、S802に戻って次の設置にあたることが可能である。このS810の選択肢を設けることは設置作業を実施する上では大変重要なことである。例えば、マンションのような集合住宅ではガスメータが例えば屋上などのメータールームなどにマンションのガスメータが一元設置さ
れている場合がある。この場合、ガスメータ400を1台ずつ設置して通信を行っていると、作業が中断され効率が悪く、設置作業に時間がかかることから、設置作業に伴う人件費が高くなる。また、設置環境によっては、先に述べた携帯電話網へのアクセスが電波環境の影響から出来ない可能性もある。このような場合、S810にて管理サーバ901に登録するか否かを選択できるようにすることで、設置作業はその場で済まし、管理サーバ901への登録は別の場所で実施することが可能となり、携帯型情報端末600を用いたガスメータ遠隔管理システムを普及させることができる。なお、S810における選択手段としては、携帯型情報端末600で動作するアプリケーションソフトウエアにおいて、設置作業を始める前に予め設定しておいても良いし、あるいは入力手段607を用いて作業の都度、設置作業者に選択させても良い。使い勝手が良いように、どちらの使用方法が可能となるように選択できるようにしておくことが好ましいと考える。
【0034】
上記のように構成することにより、遠隔地にある管理サーバ901はデータベース902に、ガスメータID401と無線子機ID301と設置時のガスメータ指針値402に加えて、設置時の画像データを統合して管理することが可能となり、既存の顧客情報に加えて関連付けて一元管理することが可能となる。この状態を示したものが図9であり、データベース902に保存される情報内容の一部を一例として示したものである。
【0035】
管理サーバ901は、ガスメータの交換やメンテナンスの時期が近づくと管理サーバの操作者や関係者に対して、自動的に知らせることにより、ガスメータの交換やメンテナンスといった作業を漏れなく行うことが可能となる。この自動的に知らせる仕組みとしては、システム利用登録者に対して、メールを一斉配信しても良いし、管理サーバ901の操作画面上で、交換時期やメンテナンス時期が近づいていることを一覧できるようにしても良い。また、顧客向けサービスとして交換やメンテナンス時期が近づいていることを、ハガキを利用したダイレクトメールを顧客に送付するなどにも利用できる上、交換やメンテナンス作業のために、訪問したい旨を前もって知らせるアポイントメントシステムにも利用が可能となる。このように、ガスメータのガス使用量を自動的に検針するだけでなく、設備機器の管理や顧客サービス、あるいはガス会社が設置業者への依頼手配を効率よく行うことを実現する遠隔管理システムを実現することが可能となる。
【0036】
(実施の形態2)
図10は図5で示した無線子機300の機能ブロック図を拡張させたものであり、無線子機300にアラーム検知部319を追加したものである。実施の形態1で説明したようにガスメータ400に無線子機300が取り付けられた後、無線子機300の記憶部316は、ガスが使用される度にパルス入力部310からのパルス出力701をパルス計測部311にて計測し積算部314にて積算した最新のガスメータ指針値402を記憶している。アラーム検知部319は、このガスメータ指針値402が、ガスメータ指針値402が時間の経過と共に使用されるガス使用量によって、オーバーフローしそうである事を検知することが可能である。このようにアラーム検知部319を備えることによって、ガスメータ400の交換やメンテナンスを促すためのアラーム情報を、無線通信部317を用いて無線親機100に対して送信することが可能になる。無線親機100に送られたアラーム情報はインターネット網1000を経由して遠隔地にある管理サーバ901に上げられる。これにより、遠隔管理サーバの操作者や管理者に対して、ガスメータ400あるいは無線子機300におけるリアルタイムの情報を管理することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明にかかるガスメータ遠隔管理システムは、ガスメータの検針を自動化するだけではなく、ガスメータの交換時期やメンテナンス時期を管理することを可能とし、顧客サービスの向上といったサービス展開を実現するシステムとして提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
100 無線親機
C100 無線親機の通信範囲
200a〜e 無線中継器
C200a〜e 無線中継器の通信範囲
300 無線子機
400 ガスメータ
600 携帯型情報端末
701 パルス出力
900 管理センター
901 管理サーバ
902 データベース
1000 インターネット網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータと前記ガスメータに取り付けられた無線子機とを画像データとして撮影する撮像部と、
前記撮像部で撮影された画像データを用いて、前記ガスメータのガスメータID、前記ガスメータのガスメータ指針値、前記無線子機の無線子機ID、を解析し認識する情報認識部と、
前記無線子機IDを用いて、前記情報認識部で認識されたガスメータIDとガスメータ指針値とを前記無線子機へ送信する端末無線通信部と、
を備えた携帯型情報端末。
【請求項2】
前記端末無線通信部は、前記ガスメータIDと、前記無線子機IDと、前記ガスメータ指針値と、前記撮像部で撮影された画像データと、を設置情報として関連付けて管理サーバへ送信する請求項1記載の携帯型情報端末。
【請求項3】
任意のタイミングで前記設置情報を前記管理サーバへ送信することができる請求項2記載の携帯型情報端末。
【請求項4】
請求項1から3いずれか1項記載の携帯型情報端末から送信されたガスメータIDとガスメータ指針値とを受信する子機無線通信部と、
受信された前記ガスメータ指針値をガス使用量の初期値として記憶するための記憶部と、前記ガスメータのガスメータ指針値がカウントアップすると出力されるパルスを取り込むパルス入力部と、
前記パルス入力部で取り込まれたパルスを計測するパルス計測部と、
前記記憶部に記憶された初期値と前記パルス計測部の計測値より前記ガスメータのガス使用量を算出する積算部と、を備え、
前記子機無線通信部は前記積算部で算出されたガス使用量を管理サーバへと送信する無線子機。
【請求項5】
前記無線子機に記憶された前記ガスメータ指針値が所定の条件に達した時に、管理サーバにアラーム情報を送信し、操作者に報知するアラーム検知部を備えた請求項4記載の無線子機。
【請求項6】
請求項4に記載のガスメータと無線子機と管理サーバとからなるガスメータ遠隔管理システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−65223(P2012−65223A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208896(P2010−208896)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】