説明

ガス濃度測定装置及び光源駆動回路

【課題】時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を安定して光源に供給することができるガス濃度測定装置及び当該ガス濃度測定装置に用いられる光源駆動回路を提供する。
【解決手段】 スイッチングトランジスタTRをオンするとオペアンプ181のプラス入力端子がグランドレベルになる。これにより、オペアンプ181の出力が0となり、スイッチングトランジスタTRがオフとなるため、光源7に流れる電流が0となる。FETQをオフするとオペアンプ181のプラス入力端子には積分回路182により電圧の積分値、即ち時間をかけてゆっくり最大まで上昇するような電圧が供給される。これにより、オペアンプ181の出力も時間をかけてゆっくり最大まで上昇するため、光源7に時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス濃度測定装置及び光源駆動回路に係り、特に、ガスを充填するセルと、前記セルに赤外線を入射する光源と、前記光源にパルス状の電圧を供給して前記光源を駆動する光源駆動回路と、前記セルを通った前記赤外線の強度を検出する赤外線センサとを有するガス濃度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスは赤外線波長領域において特有の吸収波長帯をもっているものが多いことから、ガスを充填するセルと、セルにパルス状の赤外線を入射する光源と、セルを通った赤外線のうちガスの吸収波長帯のみを透過するフィルタと、フィルタを透過した赤外線の強度を検出する赤外線センサとを設けたガス濃度測定装置が提案されている(たとえば特許文献1)。
【0003】
ところで、セルにパルス状の赤外線を照射するために、図9(A)に示すように、光源にパルス状の電圧を供給すると、電圧供給(点灯)時に暖められた光源のフィラメントが供給停止(消灯)時に大幅に冷却されてしまう。このため、次回の電圧供給(点灯)時に再び高い温度に暖められることになり、図9(B)に示すように、電圧供給(点灯)時になる毎にフィラメントに突入電流が流れ、フィラメントが早期に切れてしまう問題点があった。
【0004】
そこで、時間をかけてゆっくり最大電流まで上昇するようなパルス状の電圧を光源に供給することにより、突入電流を防いだ光源駆動回路が特許文献1で提案されている。この光源駆動回路について図10を参照して説明する。
【0005】
同図に示すように、光源駆動回路Kは、光源7を駆動するための駆動パルスのデューティ比を変更するための変更回路104からの信号に基づいて、2つのFET、FETをON−OFF制御することにより光源7の駆動制御を行うようにしている。そして、前記2つのFET、FETがONした場合に、電圧電流供給回路105により光源7を駆動するようにしている。つまり、光源駆動回路Kを変更回路104と電圧電流供給回路105とから構成している。
【0006】
前記電圧電流供給回路105は、抵抗R11〜R13の他、安定的な特性が得られるように配置されたオペアンプ106、電圧を一定に保持するための定電圧ダイオード107、電流制御を行うためのコンデンサ108を有している。前記コンデンサ108により、時間をかけてゆっくり最大電圧まで上昇するようなパルス状の電圧を光源に供給して、突入電流の発生を防ぎ、光源7の寿命を長くしている。
【特許文献1】特開平10−339698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した光源駆動回路Kは、2つのFET、FETを互いに直列に接続している。このため、2つのFET、FETがオフの期間にFETとFETとの間の接続点の電位が不安定になり、変更回路104からの駆動パルスがLレベルでオフ期間にも係わらず2つのFET、FETがオンしてしまう恐れがあり、電圧供給のコントロールが不安定であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を安定して光源に供給することができるガス濃度測定装置及び当該ガス濃度測定装置に用いられる光源駆動回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、ガスを充填するセルと、前記セルに赤外線を入射する光源と、前記光源にパルス状の電圧を供給して前記光源を駆動する光源駆動回路と、前記セルを通った前記赤外線の強度を検出する赤外線センサとを有するガス濃度測定装置において、前記光源駆動回路が、前記電圧を供給する電源−グランド間に前記光源と直列に接続された第1半導体スイッチと、出力端子が前記第1半導体スイッチのベース又はゲートに接続されると共にマイナス入力端子がグランドに接続された演算増幅器と、前記演算増幅器のプラス入力端子−前記グランド間に設けられた第2半導体スイッチと、前記演算増幅器のプラス入力端子−前記第2半導体スイッチ間に前記電源からの電圧の積分値を供給する積分回路と、を有していることを特徴とするガス濃度測定装置に存する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、ガス濃度を測定するために前記ガスを充填したセルに赤外線を入射する光源にパルス状の電圧を供給して前記光源を駆動する光源駆動回路において、前記電圧を供給する電源−グランド間に前記電源と直列に接続された第1半導体スイッチと、出力端子が前記第1半導体スイッチのベース又はゲートに接続されると共にマイナス入力端子がグランドに接続された演算増幅器と、前記演算増幅器のプラス入力端子−前記グランド間に設けられた第2半導体スイッチと、前記演算増幅器のプラス入力端子−前記第2半導体スイッチ間に前記電源からの電圧の積分値を供給する積分回路と、を有していることを特徴とする光源駆動回路に存する。
【0011】
請求項1及び2記載の発明によれば、第2半導体スイッチをオンすると演算増幅器のプラス入力端子がグランドレベルになる。これにより、演算増幅器の出力が0となり、第1半導体スイッチがオフとなるため、光源に流れる電流が0となる。第2半導体スイッチをオフすると演算増幅器のプラス入力端子には積分回路により電圧の積分値、即ち時間をかけてゆっくり最大まで上昇するような電圧が供給される。これにより、演算増幅器の出力も時間をかけてゆっくり最大まで上昇するため、光源に時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を供給して突入電流の発生を防ぐことができる。また、第1及び第2半導体スイッチを直列接続しない構成にすることにより、第1及び第2半導体スイッチのオンオフを安定させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように請求項1及び2記載の発明によれば、第2半導体スイッチをオンすると演算増幅器のプラス入力端子がグランドレベルになる。これにより、演算増幅器の出力が0となり、第1半導体スイッチがオフとなるため、光源に流れる電流が0となる。第2半導体スイッチをオフすると演算増幅器のプラス入力端子には積分回路により電圧の積分値、即ち時間をかけてゆっくり最大まで上昇するような電圧が供給される。これにより、演算増幅器の出力も時間をかけてゆっくり最大まで上昇するため、光源に時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を供給して突入電流の発生を防ぐことができる。また、第1及び第2半導体スイッチを直列接続しない構成にすることにより、第1及び第2半導体スイッチのオンオフを安定させることができるので、時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を安定して光源に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るガス濃度測定装置及び光源駆動回路を、図1乃至図8を参照して説明する。
【0014】
ガス濃度測定装置1は、図2に示すように、濃度の測定対象の気体を含んだ雰囲気が充填される気体サンプル室2と、制御回路部3と、受光回路部4と、濃度算出部としてのマイクロコンピュータ(以下、μcomと記載する)5と、を備えている。
【0015】
気体サンプル室2は、図1に示すように、本体部としてのセル6と、光源7と、受光ユニット8とを備えている。セル6は、筒状に形成されている。図示例では、セル6は、四角筒状に形成されている。セル6には、セル6内に雰囲気を導くガス吸入口9aと、セル6内の雰囲気を外部に導くガス出口9bとが設けられている。即ち、気体サンプル室2は、ガス吸入口9a、ガス出口9bを備えている。ガス吸入口9a、ガス出口9bは、セル6の外壁6aを貫通していて、セル6内の気体を雰囲気と等しくするものである。
【0016】
光源7は、セル6内でかつ当該セル6の一端部に設けられている。光源7は、電圧が印加されることで、光としての赤外線をセル6の他端部に向かって放射する。光源7として、例えば黒体炉、電球等が用いられる。
【0017】
受光ユニット8は、図3及び図4に示すように、ユニット本体11と、複数の受光器12と、集光部材13と、を備えている。ユニット本体11即ち受光ユニット8は、セル6内でかつ当該セル6の他端部に設けられている。ユニット本体11は、箱状に形成されている。
【0018】
受光器12は、図示例では、四つ設けられている。受光器12は、それぞれ、センサとしての赤外線センサ14と、フィルタ15とを備えている。赤外線センサ14は、ユニット本体11に取り付けられている。複数の受光器12の赤外線センサ14は、同一平面上に配置されている。赤外線センサ14は、光源7が発光しかつフィルタ15を透過した赤外線を受光し、この赤外線の熱を電気エネルギーに変換する。赤外線センサ14は、赤外線の熱を電気エネルギーに変換して、センサ出力としてμcom5に出力する。赤外線センサ14として、例えば、焦電型、サーモパイル型のものが用いられる。
【0019】
フィルタ15は、ユニット本体11に取り付けられて、赤外線センサ14と光源7との間に配置されている。複数の受光器12のフィルタ15は、同一平面上に配置されている。フィルタ15は、それぞれ、光源7からの赤外線のうち予め定められた波長の赤外線のみを透過して、当該透過した波長の赤外線を赤外線センサ14まで導ける。複数の受光器12のフィルタ15は、互いに透過する赤外線の波長が異なる。フィルタ15は、図7にその透過率が示された二酸化炭素の濃度を測定するために用いられる際には、例えば、波長が4.27μmの赤外線のみを透過する。
【0020】
フィルタ15は、その透過する赤外線の波長は、ガス濃度測定装置1が濃度の測定対象とする気体に応じて定められる。つまり、フィルタ15を透過する赤外線の波長は、濃度の測定対象の気体に対する透過率が小さな赤外線の波長にされる。なお、受光器12は、二酸化炭素以外にも水蒸気、一酸化炭素を測定対象の気体とする。図示例では、一つの受光器12は、基準として用いられ、そのフィルタ15が大気中で全く減衰しない波長(4.0μm又は1.5μm)の赤外線を透過する。他の一つの受光器12は、二酸化炭素の濃度を測定するために用いられ、そのフィルタ15が前述した二酸化炭素中で減衰しやすい波長(4.27μm)の赤外線のみを透過する。更に他の受光器12は、水蒸気の濃度を測定するために用いられ、そのフィルタ15が前述した水蒸気中で減衰しやすい波長(1.9μm)の赤外線のみを透過する。更に別の受光器12は、一酸化炭素の濃度を測定するために用いられ、そのフィルタ15が前述した一酸化炭素中で減衰しやすい波長(4.64μm)の赤外線のみを透過する。
【0021】
なお、図8は、二酸化炭素に対する赤外線の透過率を示しており、図8中の横軸は赤外線の波長(μm)を示し、図8中の縦軸は赤外線の透過率(%)を示している。図8によれば、波長が4.27μmの赤外線の二酸化炭素中の透過率が、略零であることが示されており、波長が4.27μmの赤外線は、二酸化炭素中を殆ど透過しない(殆ど吸収されてしまう)ことが示されている。
【0022】
集光部材13は、例えば300度などの所定の角度の範囲の赤外線を集光して、フィルタ15つまり赤外線センサ14に集中させる。すると、光源7から直接入射する赤外線以外にも、測定セル6の外壁6aの内面で反射する赤外線も赤外線センサ14に集めることができるので、赤外線の受光効率を良くすることができる。なお、集光部材13として、フレーネルレンズ等を用いることができる。
【0023】
受光回路部4は、図5に示すように、複数のアンプ19と、切り換え器20と、A/D変換器21とを備えている、アンプ19は、それぞれ、受光器12と1対1に対応して設けられている。アンプ19は、対応する受光器12の赤外線センサ14からの信号を増幅して、切り換え器20を介してA/D変換器21に向かって出力する。A/D変換器21は、赤外線センサ14からの信号をデジタル信号に変換して、μcom5に向かって出力する。
【0024】
μcom5は、制御回路部3及び受光回路部4と接続して、これらの動作を制御することで、ガス濃度測定装置1全体の動作をつかさどる。μcom5は、予め定められたプログラムに従って動作するコンピュータである。このμcom5は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)、CPUのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM等を有して構成している。
【0025】
また、μcom5には、ガス濃度測定装置1自体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリが接続している。そして、このメモリには、濃度の算出に必要な後述する吸光係数、測定距離、濃度変換係数等の各種情報を記憶するとともに、算出した濃度を外部から読出可能に時系列的に記憶する。
【0026】
制御回路部3は、図2に示すように、発振器16、クロック分周回路17、光源駆動回路18などを備えており、μcom5の命令とおりに、所定の周波数で光源7を点滅させる。このように光源7を点滅させることにより、セル6にはパルス状の赤外線が入射される。上記発振器16は、パルス信号を出力する。クロック分周回路17は、発振器16からのパルス信号を分周して所望の周波数のパルス信号を出力する。光源駆動回路18は、クロック分周回路17からのパルス信号に応じて所望の電流を光源7に供給する。
【0027】
次に、上記光源駆動回路18の構成について図6を参照して説明する。同図に示すように、光源駆動回路18は、第1半導体スイッチとしてのNPN型のスイッチングトランジスタTRと、演算増幅器としてのオペアンプ181と、第2半導体スイッチとしてのN型の電界効果トランジスタ(以下FET)Qと、積分回路182とを備えている。
【0028】
上記光源7は、抵抗R1、コンデンサC1及び抵抗R2に並列に接続されている。抵抗R1及びコンデンサC1は、互いに並列に接続されている。抵抗R2と、抵抗R1及びコンデンサC1とは、互いに直列に接続されている。光源7は、抵抗R3を介してグランドに接続されている。
【0029】
スイッチングトランジスタTRは、コレクタが電源Vccに接続され、エミッタが光源7に接続されている。よって、スイッチングトランジスタTRは、電源Vcc−グランド間に光源7と直列に接続されている。
【0030】
オペアンプ181は、出力端子が抵抗R4を介してスイッチングトランジスタTRのベースに接続され、マイナス入力端子が抵抗R2、R3を介してグランドに接続されている。FETQは、ドレインがオペアンプ181のプラス入力端に接続され、ソースがグランドに接続されている。よって、FETQは、オペアンプ181のプラス入力端子−グランド間に設けられている。FETQのゲートには、インバータ183を介してクロック分周回路17からのパルス信号が供給されている。
【0031】
積分回路182は、抵抗R5とコンデンサC2とから構成されている。積分回路182には、電源Vccを抵抗R6と可変抵抗VRとで分圧した分圧値が入力されている。積分回路182は、電源Vccの分圧値を積分して、その積分値をオペアンプ181のプラス入力端子−FETQのドレイン間に供給する。
【0032】
上述した構成のガス濃度測定装置1の動作について図7のタイムチャートを参照して以下説明する。まず、発振器16が発振してパルス信号を出力すると、クロック分周回路17がパルス信号を分周して所望の周波数のパルス信号を光源駆動回路18に出力する(図7(A))。インバータ183は、クロック分周回路17からLレベルのパルス信号が供給されると、Hレベルの信号を出力する(図7(B))。FETQは、インバータ183からのHレベルの信号の供給に応じてオンする。FETQがオンすると、オペアンプ181のプラス入力端子がグランドレベルになり(図7(C))、オペアンプ181の出力が0となる。
【0033】
オペアンプ181の出力が0のとき、スイッチングトランジスタTRに流れる電流が0となり、光源7に加える電流が0となる(図7(D))。これに対して、インバータ183は、クロック分周回路17からHレベルのパルス信号が供給されると、Lレベルの信号を出力する(図7(B))。FETQは、インバータ183からのLレベルの信号の供給に応じてオフする。FETQがオフすると、オペアンプ181のプラス入力端子には積分回路182により電源Vccの積分値、即ち時間をかけてゆっくり最大まで上昇するような電圧が供給される(図7(C))。これにより、オペアンプ181の出力も時間をかけてゆっくり最大まで上昇するため、スイッチングトランジスタTR及び光源7に時間をかけてゆっくり最大まで上昇する電圧が供給される。この結果、図7(D)に示すように、光源7が消灯から点灯されるときに生じる突入電流を防ぎつつ光源7を点滅させることができる。
【0034】
また、スイッチングトランジスタTR及びFETQを直列接続しない構成にして、スイッチングトランジスタTRのエミッタをグランドに接続し、FETQのソースもグランドに接続しているため、FETQ、スイッチングトランジスタTRのオンオフをFETQのゲートに供給する電圧により安定してオンオフさせることができる。上記光源駆動回路18によれば、時間をかけてゆっくり最大まで上昇するようなパルス状の電圧を安定して光源7に流すことができる。
【0035】
そして、この光源7に電圧が供給されて電流が流れると、光源7からの赤外線がセル6に入射され、セル6を通過した後、受光器12に入射される。この赤外線の入射に応じて基準となる受光器12からは基準のセンサ出力が出力される。また、二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素の濃度を測定するための受光器12からは各々、二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素の濃度に応じたセンサ出力が出力される。μcom5は、受光回路部4を介して各受光器12からのセンサ出力を取り込み、二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素の濃度を測定する。
【0036】
なお、上述した実施形態によれば、二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素の複数種のガス濃度を測定していたが、本発明はこれに限ったものではない。測定するガスは一種類であってもよい。また、濃度を測定するガスも二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素に限ったものではなく、例えば、NO、SO、HS、O、CH、NOの濃度を測定するものであってもよい。
【0037】
また、上述した実施形態によれば、第1半導体スイッチとしてスイッチングトランジスタTRを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。第1半導体スイッチとしては、コレクタ(ドレイン)―ベース(ゲート)間の電圧差に応じてコレクタ(ドレイン)−エミッタ(ソース)間に流れる電流量を制御できるスイッチであればよく、例えばFETを用いても良い。
【0038】
また、上述した実施形態によれば、第2半導体スイッチとして、FETQを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。第2半導体スイッチとしては、コレクタ(ドレイン)―ベース(ゲート)間の電圧差に応じてオンオフするスイッチであればよく、例えばトランジスタであってもよい。
【0039】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態にかかるガス濃度測定装置の気体サンプル室の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示されたガス濃度測定装置の構成を示す説明図である。
【図3】図1に示された気体サンプル室の受光ユニットの正面を模式的に示す説明図である。
【図4】図3中のVI−VI線の断面を模式的に示す説明図である。
【図5】図2に示されたガス濃度測定装置の受光回路部の構成を示す説明図である。
【図6】図2に示されたガス濃度測定装置の光源駆動回路の構成を示す電気回路図である。
【図7】(A)〜(D)は、それぞれ、クロック分周回路の出力、インバータの出力、オペアンプのプラス入力端子の出力、光源への供給電流のタイムチャートを示す。
【図8】二酸化炭素に対する赤外線の透過率を示したグラフである。
【図9】従来の問題点を説明するためのタイムチャートである。
【図10】従来の光源駆動回路の一例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
【0041】
6 セル
7 光源
14 赤外線センサ
18 光源駆動回路
181 オペアンプ(演算増幅器)
182 積分回路
TR スイッチングトランジスタ(第1半導体スイッチ)
Q 電界効果トランジスタ(第2半導体スイッチ)
Vcc 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを充填するセルと、前記セルに赤外線を入射する光源と、前記光源にパルス状の電圧を供給して前記光源を駆動する光源駆動回路と、前記セルを通った前記赤外線の強度を検出する赤外線センサとを有するガス濃度測定装置において、
前記光源駆動回路が、
前記電圧を供給する電源−グランド間に前記光源と直列に接続された第1半導体スイッチと、
出力端子が前記第1半導体スイッチのベース又はゲートに接続されると共にマイナス入力端子がグランドに接続された演算増幅器と、
前記演算増幅器のプラス入力端子−前記グランド間に設けられた第2半導体スイッチと、
前記演算増幅器のプラス入力端子−前記第2半導体スイッチ間に前記電源からの電圧の積分値を供給する積分回路と、
を有していることを特徴とするガス濃度測定装置。
【請求項2】
ガス濃度を測定するために前記ガスを充填したセルに赤外線を入射する光源にパルス状の電圧を供給して前記光源を駆動する光源駆動回路において、
前記電圧を供給する電源−グランド間に前記電源と直列に接続された第1半導体スイッチと、
出力端子が前記第1半導体スイッチのベース又はゲートに接続されると共にマイナス入力端子がグランドに接続された演算増幅器と、
前記演算増幅器のプラス入力端子−前記グランド間に設けられた第2半導体スイッチと、
前記演算増幅器のプラス入力端子−前記第2半導体スイッチ間に前記電源からの電圧の積分値を供給する積分回路と、
を有していることを特徴とする光源駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−292320(P2008−292320A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138367(P2007−138367)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】