説明

ガス締結装置用燃焼ガスカートリッジ

ガス内燃式締結装置用燃焼ガスカートリッジが、外側ケーシング(2)を具備し、該外側ケーシング上に内側カップ部(5)の周縁部(6)がクリンプ止めされ、該カップ部(5)から出口端(8)が突出している。前記カートリッジの外側ケーシング(2)が、段付き状に形成され、異なる直径の少なくとも3つの領域、すなわち第1の端部領域(9)、第1の端部領域(9)よりも小さな直径を有しクリンプ機械のヘッドのための第2の領域(10)、および、端部領域(9)の直径以上の直径を有しクリンプヘッドのための第2のベアリング領域(10)と共に環状の肩部(12)を形成する第3の領域(11)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス内燃装置によって要素を固定する技術の分野に属し、燃焼ガスは装置に収納されたカートリッジ、より詳細にはガスカートリッジそれ自体から供給される。可能な締結装置は釘打ち機、ハンマー、その他のステープル打ち機である。
【背景技術】
【0002】
ガス式締結装置用のガスカートリッジは概ね円筒形状を呈し、かつ、内側ケーシング内に液体状態に圧縮されたガスが収容され、内側ケーシングと外側ケーシングの間に推進剤が収容されている。円筒状の外側ケーシングとの連結部を形成する周縁部が皿部またはカップ部に沿って延在する。内側ケーシングに連結されたガス排出機構の一端が、前記カップ部の中心に配置されたベース部を介して該カップ部を貫通している。カップ部は、クリンプ加工機上で、その周縁部においてカートリッジの外側ケーシングにクリンプ止めされる。カップ部がケーシング上にクリンプされると、その結果、カップ部の外径は、周縁部においてカートリッジの外側ケーシングの外径よりも大きくなる。
【0003】
カートリッジが、締結装置に設けられているカートリッジ用ハウジング内に、その排気側、つまりカップ部および前記周縁部側から導入されると、カップ部の直径が他の部分に比較して大きいために、ハウジング内に配置されたときに、遊びによって、カートリッジは僅かに揺動したり傾いたりする。従って、点火操作の度に作用するストレスによってシールが損耗し、その結果、カートリッジを装置から取外す前に、カートリッジ内の燃焼ガスを全て使い切ることができないことが危惧される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、こうした問題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この木邸のために、本発明は、ガス内燃式締結装置用燃焼ガスカートリッジにおいて、外側ケーシングを具備し、該外側ケーシング上に内側カップ部の周縁部がクリンプ止めされ、該カップ部から出口端が突出しており、前記カートリッジの外側ケーシングが、段付き状に形成され、異なる直径の少なくとも3つの領域、すなわち第1の端部領域、第1の端部領域よりも小さな直径を有しクリンプ機械のヘッドのための第2の領域、および、端部領域の直径以上の直径を有しクリンプヘッドのための第2のベアリング領域と共に環状の肩部を形成する第3の領域を含むことを特徴とするカートリッジに関する。
【0006】
本発明によれば、カートリッジが収容する推進剤は増量され、それによって、内側ケーシングからの燃焼ガスの排出が改善され、カートリッジの効率が高くなる。
【0007】
ケーシングの第3の領域はケーシングに一体化することができる。すなわち、ケーシングは一体成形可能である。然しながら、周縁部をクリンプするケーシング上に第3の領域を付加してもよい。それは、例えば、スリーブ、リング、シールまたはリブとすることができる。これに関して、リブは、成形によってリブを得ることができる。該ケーシングは、数学的意味において、カートリッジの包絡面と見なすことができる。
【0008】
第2の領域に対して拡大した部分を有した該第3の領域は、リブの場合と同様に、長手方向に非常に小さな寸法を有することができる。
【0009】
ケーシングは、また、該第3の領域を超えて異なる断面を有した少なくとも1つの他の領域を、必ずしもこの種の他の領域の利点は明確でなくとも、有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付図面を参照して後述する本発明のカートリッジの好ましい実施形態の説明から、本発明は一層容易に理解されよう。
【0011】
以下に説明するガスカートリッジは、専らガス内燃式締結装置で使用することを意図しており、中心軸線1を有した概ね円筒形状を呈している。該ガスカートリッジは、中空状の外側ケーシング2と内側ケーシング3とを具備している。外側ケーシングは、本実施形態では一体成形されている。内側ケーシングは、所定量の液体状態の圧縮ガスを格納している。2つのケーシングの間に推進剤が配置される。
【0012】
カートリッジは、皿部またはカップ部5に取付けられ内側ケーシング3に連結されたガス排出機構4を具備している。カップ部5は、外側ケーシング2上にクリンプ止めされる。従って、外側ケーシング2との連結部を形成するクリンプされた周縁部6がカップ部5の周縁部沿いに延設されている。ガス排出機構4は、本実施形態では、カップ部の中心部に配置されており、該機構のベース部7に取付けられた出口端8を具備している。該出口端は、内側ケーシング3内に開口し、かつ、カートリッジの中心軸線1に沿ってカップ部5から突出している。
【0013】
本発明のカートリッジは、外側ケーシング2に肩部が形成されていることを特徴としている。該外側ケーシングは、長手方向つまりカートリッジの中心軸線1に沿って、異なる直径の3つの領域を含んでいる。すなわち、
−クリンプされた周縁部6から成る第1の領域。
−第1の領域よりも小さな直径の第2の領域10。該領域は、クリンプ機械上でカップ部5を外側ケーシング2上にクリンプ止めするための領域で、クリンプ機械のヘッドのためのベアリング面として一層精密に機能する。
−本実施形態では、第1の領域9よりも大きな直径を有し第2の領域と共に環状肩部12を形成する第3の領域11である。
【0014】
直径の違いを明確に示すために、図1において、領域9の外縁の母線を破線で示す。
本実施形態では、外側ケーシング2は3つの領域のみを有している。
【0015】
カートリッジに収容されている推進剤は、カートリッジから放出される燃焼ガス量を高めるために増量されている。従って、その効率が高められる。
更に、本実施形態では肩部12は、カートリッジの保護キャップのための停止部として作用する。
【0016】
外側ケーシング2において、周縁部6(9)の下側の中間領域10の軸方向長さは決して無視することができず、一例として外側ケーシングの長さの概ね10〜60%であり、また、この種の形状を有したカートリッジは非常に独創的である。
【0017】
また、一例として、前記カートリッジの外側ケーシング2の大径の領域11は、等しくない場合には、周縁部6の直径よりも最大で30%大きくすることができる。カートリッジの特定の実施形態では、各直径は33mm、31.5mm、35mmである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のカートリッジの好ましい実施形態の側面図である。
【符号の説明】
【0019】
2 外側ケーシング
5 カップ部
6 周縁部
8 出口端
9 第1の領域
10 第2の領域
11 第3の領域
12 肩部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス内燃式締結装置用燃焼ガスカートリッジにおいて、外側ケーシング(2)を具備し、該外側ケーシング上に内側カップ部(5)の周縁部(6)がクリンプ止めされ、該カップ部(5)から出口端(8)が突出しており、
前記カートリッジの外側ケーシング(2)が、段付き状に形成され、異なる直径の少なくとも3つの領域、すなわち第1の端部領域(9)、第1の端部領域(9)よりも小さな直径を有しクリンプ機械のヘッドのための第2の領域(10)、および、端部領域(9)の直径以上の直径を有しクリンプヘッドのための第2のベアリング領域(10)と共に環状の肩部(12)を形成する第3の領域(11)を含むことを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記第3の領域は外側ケーシング(2)と一体をなす請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第3の領域は前記外側ケーシング(2)に付加される請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第2の領域は、外側ケーシング(2)の長さの10〜60%である請求項1〜3の何れか1項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記外側ケーシング(2)の大径領域(11)の直径は、周縁部(6)の直径よりも最大で30%大きくなっている請求項1または2に記載のカートリッジ。

【図1】
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【公表番号】特表2008−538325(P2008−538325A)
【公表日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507189(P2008−507189)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000971
【国際公開番号】WO2006/111846
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(506380787)ソシエテ ドゥ プロスペクティオン エ ディンベンティオン テクニク スピ (14)
【Fターム(参考)】