説明

ガラスおよびセラミック基材をコーティングするための方法および組成物

本発明は、セラミック基材のコーティングに特に適する、コーティング用組成物に関する。硬化可能有機結合剤および粒子を含有する硬化可能組成物が、開示される。上記粒子は、第1の温度以下で硬性であり、そしてこの有機結合剤が硬化する温度以下の温度である第2の温度で軟化する。基材をプリントするための方法もまた開示される。1種以上の硬化可能組成物を用いてセラミック基材をコーティングするための方法もまた、本発明の範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許仮出願番号60/490,209(2003年7月25日出願)の利益を主張する。本仮出願は、本明細書において参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、セラミック基材のコーティングに特に適する、コーティング用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
食品産業および飲料産業によって利用されるガラスおよび他のセラミック容器は、多くの場合、保護コーティングによってコーティングされ、ならびに/あるいは情報(例えば、容器の内容物、または装飾的印字、または製品および/もしくはその供給元を識別するための他の表示)で飾られる。多くの国では、飲料(例えば、ビールおよび炭酸飲料)は、返却可能なガラス瓶に入れて販売されている。飲料を飲んでしまった後、そのガラス瓶は、飲料の充填元に返却される。次いで、それらは洗浄され、滅菌され、再充填され、再度ラベルが貼られ、そして再び販売される。ディーキャル(Decal)および紙ラベルが、返却可能な飲料瓶を飾るために使用されている。どちらのタイプのラベルも、多くの欠点を有する。例えば、紙ラベルもディーキャルも、高価であり、扱いにくく、そして水もしくは他の物質への曝露で容易にはがれ得る。さらに、ディーキャルに使用される接着剤の多くは、瓶が洗浄処理に供される場合に粘着性になって、機械、配水管などを損傷の原因となり得る。
【0003】
ディーキャルおよび紙ラベルに関連する問題を回避するため、より耐久性の装飾が、返却可能な容器のガラス表面に塗布されている。これらのより耐久性の装飾は、ガラス状材料の細かく粉砕した粒子(「フリット」と称される)およびキャリア(代表的に、揮発性の有機溶媒もしくはワックス(「VOC」))を含有する糊剤の形態で塗布される。ホットメルトスクリーンプリントもしくは他の適用技術によるガラス表面へのこの糊剤の塗布後、このガラスは高温(例えば、650℃)で焼かれ、キャリアを揮発および/もしくは熱分解させて除去し、フリットを溶融し、そしてこのフリットをガラス表面に結合する。ホットメルトスクリーンプリントにおいて、このフリットもしくは他のプリント材料は、加熱されたスクリーンに所望のパターンで塗布される。このフリットは、融解もしくは軟化して、次いでスクイージー(squeegee)を介してスクリーンを押し通されて、射出のために基材に移される。このような高温に非感受性の顔料が、上記糊剤に含有されて、組成物に色を与える。これらの顔料は、代表的には、特定の重金属(例えば、赤色を生成するためのカドミウム、白色のための鉛および黄色のためのクロム)を含有する。この種の装飾処理に関連するVOCおよび重金属は、環境に有害である。高温の射出工程は、かなりのエネルギー消費を必要とし、そして作業者に傷害の危険を課す。
【0004】
セラミック製容器のコーティングおよび/または装飾における有機溶媒および重金属の使用を回避し、そしてエネルギー消費を減少する努力は、硬化可能有機結合剤系の使用に関する。従来の有機顔料は、任意の硬化剤が不活性である処理条件および温度条件下で行われるスクリーンプリント処理においてセラミック表面に塗布される硬化可能結合剤系中に分散される。熱硬化性有機結合剤のため、装飾された容器は、オーブンで、硬化剤を活性化させて結合剤を硬化させるが、顔料を分解しない温度で加熱される;この加熱は、顔料を有する結合剤を容器に固定するように作用する。しかし、第2の層の塗布が所望される場合、後に続くスクリーンの適用が、多くの場合、前に塗布された着色層を容器から剥がすか、さもなくば、この着色層が損傷し、その結果、欠陥製品が生じる。第二の層の塗布の前に第1の層が硬化されるか、または部分的に硬化される場合、後に続く層の塗布の間の剥離および他の損傷は回避されるが、処理速度、効率および/またはエネルギー使用の大きな損失を伴う。
【0005】
UV照射を介して硬化される結合剤は、次の層の塗布前に各インク層を硬化(もしくは部分的硬化)することによって下の層への損傷を回避する、多インク設計(multi−ink design)を調製するために、使用され得る。しかし、これは、各インク塗布ステーションの後に、UV硬化ステーションの設置を必要し、このことは、設備の費用と複雑さを増す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、優れた装飾的効果を提供し、費用面で競争力があり、かつ/またはエネルギー消費を最小限にする、セラミック容器をコーティングするための組成物および方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、少なくとも1種の硬化可能有機結合剤および複数の粒子を含有する、硬化可能組成物に関する。この粒子は、第1の温度以下で硬性であり、そしてこの有機結合剤が硬化する温度以下の温度で軟化する。1種以上の硬化可能組成物を用いてセラミック基材をコーティングするための方法もまた、本発明の範囲内である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、セラミック基材をコーティングするために特に適切な組成物に関する。「セラミック」とは、一般的に脆性、耐熱性として特徴付けられ、そして/または1以上の非金属性鉱物から形成された、広範囲の基材を指す。このセラミックとしては陶器、土器、粘土、白磁(whiteware)、耐火物、磁器、ガラスセラミックス、およびガラスが挙げられるが、これらに限定されない。このセラミック基材は、艶出し加工されていても、されていなくともよく、そして任意の形状、大きさもしくは構造であり得る。
【0008】
本発明の組成物は、少なくとも1種の硬化可能有機結合剤および複数の粒子を含有する。この粒子は、第1の温度以下で硬性であり、かつこの結合剤が硬化する温度以下の温度である、より高温の第2の温度で軟化する;この結合剤は、第1の温度では硬化しないままである。本発明の組成物は、着色されていても無色でもよい;これらは、不透明でも透明でもよい。本発明の組成物は、ホットメルトスクリーンプリント処理を用いてセラミック基材に塗布するために、特に適切である(しかし、本発明はこれに限定されない)。
【0009】
特定の非限定的実施形態において、本発明の組成物は、第1の温度で上記結合剤が硬化されず、かつ上記粒子が、硬性であるように、選択される。「硬性」などの用語は、所定の温度で粒子が容易に圧縮できないことを意味する;すなわち、上記粒子は、それらが上記第1の温度で含まれている未硬化結合剤よりも高い構造健全性を有する。上記第1の温度は、代表的に、上記組成物が基材に塗布される温度であるか、および/または第2コーティング層もしくは後に続くコーティング層がこの基材に塗布され得る温度である。この温度は、室温であり得るか、またはある程度高温であり得る。第2の温度においては、上記結合剤は硬化し、そして上記粒子は軟化する。「硬化する」などの用語は有機結合剤の種々の構成成分を一緒に連結して、熱硬化性ポリマーを形成する化学反応を指す。「軟化する」などの用語は、上記粒子に変形および/または他の形状の変化が起こるような、この粒子における構造の十分な硬性の損失を指す。例えば、本発明の組成物の表面から突出する粒子は、上記第2の温度以下で形状が変化し、コーティング表面を「融解」または平滑化する;この平滑化のため、コーティング表面から突出する粒子が、なくならないとしても最小限になる場合、光沢の減少が通常観察される。このように、本発明の組成物は、その硬性および/または構造健全性を維持する粒子を含む他のコーティング系とは異なる。本発明の組成物および方法は、例えば、基材上に複数の色もしくは複数のコーティング層を生成するように、複数のコーティング(装飾を含む)をセラミック基材に塗布するために、特に適切である。
【0010】
本発明によって使用される結合剤は、当該分野で公知の任意の適切な有機コーティング組成物から選択され得る。これらとしては、有機樹脂性構成成分を含有する組成物(例えば、実質的に液体状態でセラミック基材上にプリントされ得、その後耐久性の硬化状態に硬化されるもの)が挙げられる。硬化は、任意の手段(例えば、加熱、UV照射、電子ビーム照射、もしくは結合剤を硬化させる何らかの他のエネルギー形態)によって達成され得る。非限定的な一実施形態において、上記結合剤は、硬化用エネルギーが適用される場合に硬化反応を受ける、1つまたは2つの有機構成成分を含有する。特定の非限定的実施形態において、この組成物は、米国特許第6,214,414号に開示されるもののような、エポキシ樹脂およびアミン硬化剤(例えば、ジシアンジアミド)を含み得、そして本発明の別の非限定的実施形態において、上記結合剤は、さらに、米国特許第6,214,414号にやはり開示されるような、ブロックイソシアネート硬化剤を含み得る(上記特許は本明細書において参考として援用される)。他の適切な樹脂としては、例えば、ヒドロキシルもしくはカルボン酸を含有するアクリルポリマー、ヒドロキシルもしくはカルボン酸を含有するポリエステルポリマー、イソシアネートもしくはヒドロキシルを含有するポリウレタンポリマー、アミンもしくはイソシアネートを含有するポリ尿素、または任意の他のヒドロキシ、カルボン酸、アミド、アミンカルバメート、イソシアネートもしくはエポキシ官能ポリマーが挙げられる。適切な硬化剤は、当業者によって決定され得、そしてアミノプラスト、フェノプラスト、ポリエポキシド、ポリ酸、イソシアネート、ポリオール、ポリアミン、無水物、およびカルボジイミドのうちの1以上を含み得る。
【0011】
非限定的実施形態において、ポリエポキシ官能反応性有機樹脂が使用され得る;「ポリエポキシ官能」とは、数平均分子量に基づいて、その樹脂が、平均で1分子当たりに1より多いエポキシ基を含有することか、または平均で1分子当たり約2、もしくはそれ以上のヒドロキシル基を含有することを意味する。他の非限定的な実施形態においては、UV照射または電子ビーム(EB)照射が使用されて、この照射への曝露の際に熱硬化するように設計された反応性官能基を含む適切に調合された結合剤の硬化を開始し得る。これらの結合剤としては、種々のフリーラジカル硬化材料(例えば、アクリレート、ビニル官能材料、アクリレートオリゴマーおよびアクリレートポリマー、不飽和ポリエステルを有するビニルエーテル)が挙げられる。これらはまた、カチオン性に開始される材料(例えば、脂環式エポキシエーテルもしくは脂環式ビニルエーテル)であり得る。適切なフリーラジカル光開始剤もしくはカチオン性光開始剤は、一般的に、UV硬化に使用され、そして必要に応じてEB硬化のために使用される。上記の熱硬化組成物を用いたUV/EB硬化処理の組み合わせのような、フリーラジカル硬化とカチオン性硬化との組み合わせもまた可能である。
【0012】
特定の非限定的実施形態において、本発明に使用される結合剤は、60℃〜120℃の温度でのプリントに適切な粘性を有するか、またはそのような粘性を有するように適合される(他の非限定的実施形態においては、他の温度が使用され得る)。熱硬化系のため、この結合剤の硬化機構は、この結合剤が硬化する第2の温度にそれらが供されるまで、ほとんど活性化されないか全く活性化されないように、選択される。早過ぎる硬化を回避するため、第1の温度と第2の温度との間の差は、少なくとも30℃であり得、そしてより代表的には50℃より大きい。しかし他の温度差もまた本発明の範囲内で使用され得る。
【0013】
いくつかの用途においては、上記結合剤が、基材上の恒久的コーティングに近づくかまたはそれを達成するレベルで、セラミック基材に接着することが望ましい。このような高耐久性コーティングは、多くの場合、繰り返し苛性洗浄(例えば、アルカリ溶液中での洗浄)(返却された瓶を再充填する前に洗浄するために、業者によって一般的に利用される)を受ける容器に対して、所望される。瓶は、本発明の装飾用組成物の塗布の前に、接着促進因子で処理され得るか、または結合剤は、接着促進因子(例えば、有機官能性シラン、有機官能性シロキサンもしくは有機官能性チタネート)を含み得る。
【0014】
他の用途において、上記コーティングは、飲料製造業者への限られた数の返却過程の後、容器から除去され得る。例えば、季節的または祝日用の装飾が、販売促進期間の間、瓶に施され得、そして販売促進期間の終わりに除去され得る。セラミック基材は、本発明の組成物の塗布の前に、遊離増強性組成物で処理され得る。苛性洗浄における本発明のコーティング組成物の遊離を増強するようにセラミック基材を処理するための組成物の、非限定的な一例は、ポリエチレンエマルジョンのようなポリエチレン組成物である。この遊離増強性組成物は、コールド・エンド・コーティング処理において適用され得る。
【0015】
上述のように、本発明の組成物に組み込まれる粒子は、第1の温度以下で硬性であり、そしてこの第1の温度よりも高い第2の温度で軟化する;この粒子は、代表的には、有機ポリマー材料である。この粒子は、上記組成物が表面に塗布される温度(この温度は、ホットメルトタイプの組成物の場合、かなり高い可能性がある)で実質的に構造硬性(structual rigidity)であるが、結合剤が硬化するために使用される温度でそれらの構造の区別を失う。この初期の硬性は、あらゆる弾力性または可塑性を妨げなくともよいが、コーティング組成物の塗布された未硬化の層に対して構造健全性を提供するのに十分である。この構造健全性は、各層を硬化する必要なく、後に続く層を基材に塗布することを可能にする。この様式において、上記粒子は、上記コーティングを、硬化するまで実質的に所望の位置に保持する「スペーサー」として機能する。先に塗布された層の健全性のため、本発明は、2以上のコーティング層(例えば、異なる色のコーティング)を、異なる層の塗布の間の硬化工程なしで塗布することを可能にする。
【0016】
所望の層の全てが塗布された後、硬化用エネルギーが適用されて、全ての層が、実質的に同時に、実質的に硬化し得る。「実質的に硬化する」などの語句は、結合剤が部分的よりも多く硬化されることを意味する。「実質的に同時に硬化」などの語句は、単一の硬化工程での全ての層の実質的な硬化を指す。これは、本発明の顕著な利点である。
【0017】
本発明での使用に適切な有機粒子は、多種多様なポリマー種およびそれらのブレンド(ただし、これらは、上記の硬性および熱軟化性の組み合わせを示す)を包含し得る。有機粒子は、本発明の組成物における所望のレベルの光沢を達成するのに、特に有利である。なぜなら、これらは容易に軟化して流れ、その結果滑らかな、光沢のある表面を生じるからである。適切なポリマー材料の例としては、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、およびポリエステルが挙げられる。適切なポリアミドの非限定的な例としては、ポリアミド12、ポリアミド11、およびポリアミド6/12が挙げられる。
【0018】
これらの有機粒子に加えて、本発明のコーティングは、無機粒子、および上記で考察したような有機粒子の軟化特性を有さない可能性のある、他の有機粒子をさらに包含する。このような粒子は、表面のきめ(texture)、摩擦係数、摩耗抵抗、および/または特定の反射率のような、他の目的を達成するのに有用であり得る。存在する場合、このような無機粒子または他の有機粒子は、コーティング組成物において所望の効果を示すのに十分なレベルおよび比で、存在する。
【0019】
60℃〜120℃の範囲のホットメルトスクリーンプリント温度、および150℃〜220℃の範囲の硬化温度を使用する、代表的な市販の瓶を装飾する処理のために、ポリアミド12の粒子が、特に適切であることが見出されている。他のポリマー系は、異なる温度範囲で特に適切であり得る。
【0020】
温度パラメーターに加えて、結合剤および/または組成物の残部中でのそれらの可溶性および/または湿潤性に基づいて、使用のために粒子が選択され得る。結合剤中で過度に溶解性の粒子は、その中で溶解し得るか、膨張し得るか、軟化し得、したがってプリント温度においてスペーサーとして機能しないか、またはさもなければ、望ましくない表面の外観をもたらす。この粒子が結合剤によって十分に湿らない場合、望ましくない表面のきめが生じ得る。
【0021】
上記粒子は、球形粒子であっても、非球形粒子であってもよい。粒子の平均サイズおよび分布は、そのスペーサー機能を最大限にし、かつ外見に対するあらゆる有害な効果を最小限にするように選択される。粒子サイズは、使用者の必要性および所望に従って変動し、そして1ミクロン未満の平均粒子直径を有し得る。特定の非限定的実施形態において、平均粒子直径は、少なくとも1ミクロンであり得、他の非限定的実施形態においては、少なくとも3ミクロンであり得、そして少なくとも5ミクロンの平均直径が、いくつかの非限定的実施形態においては満足のいくものであることが見出されている。粒子のサイズは、代表的に、沈着されているコーティング層とほぼ同じサイズである。これらの粒子がコーティング層に対して小さ過ぎる場合、これらは、スペーサーとして機能せず、そしてこれらの粒子は大き過ぎる場合、これらは、軟化した後でさえも、表面から突出し得、コーティングもしくは装飾の最終的光沢を低下させる。粒子サイズの選択はまた、ホットメルトスクリーンプリント処理で使用されるスクリーンの網目のサイズによって決定され得る。このスクリーンは、大き過ぎてそれを通ることができない粒子によって詰まる可能性があり、このことは、プリントの質を悪化させる。
【0022】
代表的に、上記結合剤は、組成物の全重量に基づく重量%で、20重量%〜95重量%(例えば、35重量%〜65重量%)を構成する。特定の非限定的実施形態において、本発明の装飾用組成物で使用される比較的小さなサイズおよび少量の粒子は、微粒子(microsphere)を含むいくつかの他の型の組成物のように、知覚可能な反射率を生じない。組成物の粒子含有量は、代表的に、この組成物の全重量に基づく重量%で、5重量%〜50重量%、または10重量%〜35重量%、または15重量%〜30重量%の範囲である。密度、粒子サイズおよび粒子サイズの分布は、満足できるスペーサー機能、および所望の薄層の外観を達成するのに適切な量を決定する。例えば、比較的高密度の粒子に関して、より低密度の粒子が使用される場合と同様の効果を達成するためにはより大きな重量%の粒子が必要とされ得ることが、理解される。
【0023】
着色剤は、必要に応じて、本発明の組成物を調合するのに使用され得、そして使用条件下で不溶性であるが湿潤性の、細かく分割した固体粉末を含み得る。これらは、顔料および染料であり得、そして本発明の組成物およびこのような組成物から形成されたコーティングに実質的な色(白色、黒色、および灰色を含む)を与え得る。
【0024】
色を与える顔料は、当業者に公知であり、そして具体例のリストが、米国特許第6,214,414号に見出され得る。単一の着色剤もしくは2以上の着色剤の混合物が、使用され得る。例えば、フリットコーティングおよびフリット装飾に使用されるような、高温に耐性の顔料(多くの場合重金属を含む)が使用され得るが、しかし本発明においては高温は必要とされないので、高温耐性を有さない顔料が使用され得る。したがって、本発明は、外観を犠牲にすることなく、重金属を含む顔料(多くの場合毒性である)を避け得るという利点を提供する。本発明の非限定的一実施形態は、特に重金属(クロム、カドミウム、鉛、もしくはコバルト)を除外する。使用される場合、着色剤は、本発明の組成物の全重量に基づく重量%で、この組成物の1重量%〜65重量%(例えば、3重量%〜40重量%、または5重量%〜35重量%)を構成し得る。塗装産業で代表的に使用される任意の顔料または染料が、組込まれ得る(例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、DPPBOレッド、フタログリーン、もしくはフタロブルー、酸化鉄、バナジン酸ビスマス、ナフトールAS、アントラキノン、ペリレン、アルミニウム、およびキナクリドン)。
【0025】
上記組成物はまた、1以上の効果(例えば、反射率、真珠光沢、金属光沢、リン光、蛍光、フォトクロミズム、サーモクロミズム、およびゴニオクロミズム(goniochromism))を生じる特殊効果顔料を含み得る。この特殊効果顔料は、この組成物に色を与えても与えなくともよい。
【0026】
本発明の特定の非限定的実施形態において、反応性ワックスが、必要に応じて含有され得る。これらは、活性水素を有する少なくとも1つの反応基(通常、ヒドロキシル、アミド、ウレイレン、カルバミル、およびカルバミルオキシから選択される)を有する長鎖脂肪族物質であり、ワックスに一般的に関連する物理特性を有する。ステアリルアルコールは、一般的に使用される反応性ワックスの一例であるが、多くの他の化合物が、当該分野で公知である。反応性ワックスは、必要に応じて、組成物の20重量%まで(例えば、組成物の0.5重量%〜15重量%)を構成し得る。
【0027】
本発明の組成物の特定の非限定的実施形態は、実質的に透明および/または実質的に無色の充填剤を含有し得る。これは、実質的に透明な組成物において使用するために特に適切である。これらの充填剤は、一般的に、最終コーティングにほとんど色を与えないかもしくは全く色を与えない(「実質的に無色」な)、および/または可視光をほとんど吸収しないかもしくは全く吸収しない(「実質的に透明」な)、細かく分割された粒子固体である。これらは、本発明の有機粒子に加えて使用され得る。この充填剤は、通常、500ナノメートル未満(例えば、100ナノメートル未満、50ナノメートル未満、20ナノメートル未満、もしくは5〜20ナノメートルの範囲)の最大寸法を有する。特定の非限定的実施形態において、この充填剤は、疎水性である。適切な疎水性充填剤の例としては、R972、R974、R812、R812S、R805と称されるAEROSILヒュームドシリカ(Degussa Corporation,Ridgefield Park,New Jersey)が挙げられる。実質的に透明および/もしくは実質的に無色の充填剤、または実質的に透明および/もしくは実質的に無色の充填剤の2以上の混合物が、所望される場合、使用され得る。本発明の組成物中に存在する場合、実質的に透明および/もしくは実質的に無色の充填剤は、代表的に、組成物の0.01重量%〜20重量%(例えば、1〜10%、または2〜5%)を構成する。
【0028】
多くの他の付加的な材料が、必要に応じて本発明の組成物に使用され得る。これらとしては、抗酸化剤、脱気補助剤、および流れ改質剤(flow modifier)である。これらは、単なる例示である;他は、所望する場合に使用され得る。他の添加剤は、レオロジー、不透明性、耐久性、潤滑性、色の明るさ、および当業者に公知の多くの他の機能を改善するために含まれ得る。存在する場合、さらなる任意の材料が、その慣習的目的に対するその慣習的量で、使用され得る。代表的に、これらのさらなる任意の材料は、存在する場合、本発明のコーティング用組成物の0.01重量%〜15重量%を構成する。
【0029】
本発明はまた、上記のコーティング組成物の少なくとも1つをセラミック基材に塗布することによって、セラミック基材をコーティングする方法に関する。上記コーティングは、上記基材の少なくとも一部、または以前に塗布されたコーティング層上(どちらも、本明細書においては、基材と称される)に塗布される。コーティングは、基材上での個別の文字もしくはデザインの形態で塗布されてもよく、またはこの基材の大部分もしくは実質的に全てを覆ってもよい。本発明によると、2以上の異なるコーティング層が、基材上に塗布され得る。「コーティング層」または「装飾層」は、一般的に、ラベルの色もしくはラベルの透明な部分を与える1つの組成物層を指す。第2のコーティング層が、第1のコーティング層の上、その隣、および/またはそこから間隔を空けて塗布される場合、第1のコーティング層の粒子は、スペーサーとして機能することによって、未硬化の第1の層の健全性を維持する。したがって、以前に塗布されたコーティング層の上、その隣、および/またはそこから間隔を空けたその後の層の塗布は、以前に塗布されたコーティング層を障害しない。塗布されるべき最後の層もまた、粒子を含み得る。しかしこれは、その後のプリント作業の苛酷な条件に供されないので、本発明のコーティング組成物の粒子を含む必要はない。1以上の層が、着色剤を含有する組成物から生成され得るか、または実質的に透明な組成物から生成され得る。特定の非限定的実施形態において、実質的に透明の層が、基材上への最初のコーティングとしてか、または着色された層の少なくとも一部分を覆う透明な上塗りとして使用され得る。本発明によると、多色の有機装飾物が、複数のプリント工程において、迅速に連続してセラミック基材に塗布され得る。1以上のコーティング層が使用される場合、各コーティング層は、他のコーティング層と同じであっても異なっていてもよい。全てのコーティング層が塗布された後、コートされた基材は高温で加熱されて、全ての塗布されたコーティング層は、実質的に同時に硬化する。ブロックイソシアネートを含む組成物において、1以上の塗布されたコーティング組成物の硬化は、ポリイソシアネートをブロック解除するのに十分な温度で達成される。アミン硬化エポキシベースの系を用いる場合、代表的な市販の瓶を装飾する作業における硬化温度は、通常少なくとも150℃であり、200℃程度の高さでもよい。この硬化温度は、コーティングの所望しない呈色または他の熱分解を引き起こすような高さであるべきではない。他の樹脂系または他の処理に対して、種々の硬化温度が適用可能である。特定の非限定的実施形態においては、本明細書において記載されるような2以上の組成物が、基材の少なくとも一部分に塗布されて、それらの組成物は、325℃もしくはそれ以下の温度で、実質的に同時に硬化される。
【0030】
上述のように、本発明の組成物は、未装飾のセラミック基材、および/または、1以上の、以前に塗布された、同じかもしくは同様の組成物の層を有している基材に塗布され得る。後者の状況においては、その後のコーティング層が、基材に直接的に塗布され得るか、少なくとも部分的に、1以上の他のコーティング層の上に塗布され得るか、またはこれらの組み合わせであり得ることが、理解される。全ての装飾層は最終的に基材に塗布されるので、「基材の少なくとも一部に塗布する」などの用語は、これらの代替形態の全てを包含する。通常、これらの層は高温で塗布され、その結果より冷えた基材のチルリング効果は、迅速に、コーティング層を実質的に凝固させる。このような凝固は、細い線の鮮明度を維持すること、あらゆる以前に塗布された層を損なうことなく複数の層の塗布を可能にすること、および/または各層を別々に硬化する必要なく複数の層の塗布を可能にすることに、有用である。特定の非限定的実施形態において、その後に塗布された層の塗布温度について、以前に塗布されたコーティングが液状化するか、もしくは過度に軟化する温度よりも低いことが所望され得る。これは、以前に塗布された装飾層の細い線の鮮明度および解像度の保持を向上させる。本発明の方法は、ブランド印をガラス瓶に塗布するため、または鮮明さ(例えば、字体描画による)が特に望ましい任意の他の適用においてに特に適切である。
【0031】
装飾用組成物は、一般的に、塗布後迅速に手触りが固くなる。したがって、これらは、瓶または他のセラミック基材が順次コーティングされる高速な装飾ラインでの作業において、有利に使用され得る。
【0032】
本発明は、本明細書において、ホットメルトスクリーンプリントを用いた塗布を用いて、代表的に記載される。本発明は、コーティングを塗布するための任意の処理(例えば、噴霧、カーテンコーティング、ローラー塗布、プリント、またはブラッシング)を包含することが理解される。
【0033】
本明細書において使用される場合、他に明示的に特定されない限り、あらゆる数(例えば、値、範囲、量もしくはパーセンテージ)は、たとえその用語が明らかに表記されていないとしても、あたかも、語「約」によって前置きされるかのように読み取られ得る。本明細書において引用されるあらゆる数値範囲は、その中に包含される任意の下位範囲を含むように意図される。複数形は、単数を包含し、そしてその反対も同様である。また、本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」は、プレポリマー、オリゴマー、ならびにホモポリマーおよびコポリマーの両方を指すことを意味する;接頭語「ポリ」は、2以上であることを指す。
【実施例】
【0034】
本発明は、以下の実施例によってさらに記載される。これらの実施例は、説明であって、限定ではないとみなされる。この実施例において、他に特定しない限り、任意の部は重量部であり、任意のパーセンテージは重量パーセントである。以下の材料を、実施例において使用した。
【0035】
EPON 880ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Resolution Performance Products,Houston,Texas)。
【0036】
EPON 1001FビスフェノールAジグリシジルエーテル(Resolution Performance Products,Houston,Texas)。
【0037】
VESTAGON B1400、イソフォロンジイソシアネート、1,1,1−トリメチロールプロパン、およびε−カプロラクタムの3:1:3モル比での付加体と考えられるブロックポリイソシアネート(Degussa AG,Coatings and Colorants,Marl,Germany)。
【0038】
TI−PURE R−706二酸化チタン顔料(E.I.du Pont de Nemours & Co.,Wilmington,Delaware)。
【0039】
NEO GEN DGHケイ酸アルミニウム(Dry Branch Kaolin Co.,Dry Branch,Georgia)。
【0040】
SPHERICEL 110P8中空ホウケイ酸ガラス微粒子、平均直径11.7ミクロン(Potters Industries,Inc.,Valley Forge,Pennsylvania)。
【0041】
MODAFLOW Powder III流れ改質剤−二酸化ケイ素を有するアクリル酸エチル−2−アクリル酸エチルヘキシルコポリマー(Solutia Inc.,St.Louis,Missouri)。
【0042】
UVITEX OB白化剤、2,2’−(2,5−チオフェンジイル)ビス[5−(1,1−ジメチルエチル)]−ベンゾオキサゾール(Ciba Specialty Chemicals,Basil,Switzerland)。
【0043】
BYK−405レオロジー制御剤、ポリヒドロキシカルボン酸アミドの溶液(BYK−Chemie,Wesel,Germany)。
【0044】
DYHARD 100Mジシアンジアミド、98%を<40ミクロンに微粉化(SKW Trostberg Aktiengesellschaft,Trostberg,Germany)。
【0045】
AEROSIL R974疎水性フュームドシリカ(Degussa AG,Frankfort am Main,Germany)。
【0046】
ORGASOL 1002 D NAT 1 ポリアミド6粉末、平均粒子直径20ミクロン(Atofina Chemicals,Philadelphia,Pennsylvania)。
【0047】
ORGASOL 2001 UD NAT 1 ポリアミド12粉末、平均粒子直径5ミクロン(Atofina Chemicals,Philadelphia,Pennsylvania)。
【0048】
VESTOSINT 2070 ポリアミド12粉末、平均直径5ミクロン(Degussa AG,Marl,Germany)。
【0049】
DOVERPHOS S−680ジステアリルペンタエリスリトール二亜リン酸塩抗酸化剤(Dover Chemical Corporation,Dover,Ohioより)。
【0050】
FLUORAD Fluorosurfactant FC 4430非イオン性ポリマー性界面活性剤(3M Specialty Materials,St.Paul,Minnesotaより)。
【0051】
INTERPROME 4049アゾベースのナフトール赤色着色料(Sino,P.R.Chinaより)。
【0052】
INTERPROME 4047顔料(Sino,P.R.Chinaより)。
【0053】
(実施例1)
本発明の一実施形態による白色の装飾用組成物を、有機粒子(VESTOSINT 2070ポリアミド12粉末)を用いて調製した。チャージ1の材料を、80℃〜110℃で均質になるまで混合した。チャージ2の材料をチャージ1の混合物に導入し、80℃〜110℃で1時間混合し、白色の均質なペーストを得た。得られた白色の装飾用組成物を容器に注ぎ、室温まで冷却させて、固体のコーティング用組成物を得た。
【0054】
【表1】

(実施例2)
本発明の一実施形態による白色の装飾用組成物を、有機粒子(VESTOSINT 2070ポリアミド12粉末)と無機粒子(SPHERICEL 110P8ガラスビーズ)との組合せを用いて調製した。チャージ1の材料を、80℃〜110℃で均質になるまで混合した。チャージ2の材料をチャージ1の混合物に導入し、80℃〜110℃で1時間混合し、白色の均質なペーストを得た。得られた白色の装飾用組成物を容器に注ぎ、室温まで冷却させて、固体のコーティング用組成物を得た。
【0055】
【表2】

(実施例3)
本発明の一実施形態による白色の装飾用組成物を、有機粒子(ORGASOL 2001 UD NAT1ポリアミド12粉末)を用いて調製した。チャージ1の材料を、80℃〜110℃で均質になるまで混合した。チャージ2の材料をチャージ1の混合物に導入し、80℃〜110℃で1時間混合し、白色の均質なペーストを得た。得られた白色の装飾用組成物を容器に注ぎ、室温まで冷却させて、固体のコーティング用組成物を得た。
【0056】
【表3】

(実施例4)
無機粒子(SPHERICEL 110P8中空ガラス微粒子)のみを取り込んで、白色の装飾用組成物を調製した。チャージ1の材料を、80℃〜110℃で均質になるまで混合した。チャージ2の材料をチャージ1の混合物に導入し、80℃〜110℃で1時間混合し、白色の均質なペーストを得た。得られた白色の装飾用組成物を容器に注ぎ、室温まで冷却させて、固体のコーティング用組成物を得た。
【0057】
【表4】

(実施例5)
実施例1〜4の白色装飾上にオーバープリントするために、赤色の装飾用組成物を調製した。この装飾用組成物は粒子を含まなかった。なぜなら、後付の装飾層として塗布されたためである。チャージ1の材料を、80℃〜110℃で均質になるまで混合した。この混合物を、80℃〜110℃で1時間さらに混合して、赤色の均質なペーストを得た。得られた赤色の装飾用組成物を容器に注ぎ、室温まで冷却させて、固体のコーティング用組成物を得た。
【0058】
【表5】

この赤色のインクは、Strutz 150装飾機械を用いて、代表的な多色インク塗布処理の一部として、先出の白色インクの実施例の各々の上にうまくプリントされた。得られた瓶装飾は、45分間、華氏350度での単一工程焼付け処理で硬化する場合、許容できる外観とフィルム性能特性とを提供した。
【0059】
(実施例6)
(光沢測定)
実施例1〜4で調製された白色組成物を、Strutz GP−4 Semi−Automatic General Purpose Decoratorを用いて、ガラス瓶上にデザインとしてプリントした。180メッシュのステンレス鋼スクリーンを用いて、白色装飾用組成物を、80℃〜85℃の範囲の温度でプリントした。プリントされた瓶をその後強制空気オーブン中で、180℃で1時間硬化させた。装飾の表面光沢を、Novo−Curve小領域光度計(small area glossmeter)(Rhopoint Instrumentation Ltd.,East Sussex,United Kingdomより)によって決定した。この装置は、ASTM D523の手順を実行するように適合されている。本発明の組成物(実施例1〜3)の表面光沢は、実施例4のものよりも高かった。
【0060】
【表6】

本発明は、本発明の特定の実施形態の特定の詳細を参照して記載された。この記載は、このような詳細が、添付の特許請求の範囲に包含される範囲を除き、本発明の範囲における限定としてみなされるべきであるとは意図しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の硬化可能有機結合剤および複数の粒子を含有する硬化可能組成物であって、該粒子は、第1の温度以下で硬性であり、かつ該結合剤が硬化する温度以下の温度である第2の温度で軟化する、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記第1の温度と前記第2の温度との差が、少なくとも30℃である、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物であって、前記第1の温度と前記第2の温度との差が、少なくとも50℃である、組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物であって、前記粒子の少なくとも一部が有機材料を含む、組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の組成物であって、前記有機材料がポリアミドである、組成物。
【請求項6】
請求項4に記載の組成物であって、無機粒子および/または他の有機粒子をさらに含有する、組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物であって、前記粒子が、該組成物の5重量%〜50重量%を構成する、組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物であって、前記粒子が、該組成物の10重量%〜35重量%を構成する、組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物であって、前記硬化可能有機結合剤がポリエポキシ官能反応性樹脂を含む、組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の組成物であって、前記結合剤がアミノ官能硬化剤を含む、組成物。
【請求項11】
請求項9に記載の組成物であって、前記硬化可能有機結合剤がブロックポリイソシアネートをさらに含む、組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物であって、着色剤をさらに含む、組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の組成物であって、前記着色剤が有機顔料を含む、組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の組成物であって、前記着色剤が無機顔料を含む、組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物であって、特殊な顔料をさらに含む、組成物。
【請求項16】
セラミック基材をコーティングするための方法であって、該方法は、以下:
(a)該基材の少なくとも一部に、少なくとも1種の硬化可能有機結合剤および複数の粒子を含有する組成物を塗布する工程であって、該粒子は、第1の温度以下で硬性であり、かつ該結合剤が硬化する温度もしくはそれ以下の温度である第2の温度で軟化する、工程;ならびに
(b)該結合剤を硬化させて、コーティング層を形成する工程、
を包含する、方法。
【請求項17】
セラミック基材をコーティングするための方法であって、該方法は、以下:
a)該基材の少なくとも一部に、2以上の組成物を連続して塗布する工程であって、該組成物の各々は、少なくとも1種の硬化可能有機結合剤および複数の粒子を含有し、該粒子は、第1の温度以下で硬性であり、かつ該組成物の結合剤が硬化する温度以下の温度である第2の温度で軟化し、ここで、各組成物は、他の組成物と同じであっても異なっていてもよく、そして該組成物の最後のものは、必要に応じて、該複数の粒子を含有するのみである、工程;ならびに、
(b)該組成物中の該結合剤を実質的に同時に硬化させて、コーティング層を形成する工程、
を包含する、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記組成物が着色剤をさらに含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、前記組成物の少なくとも1つが着色剤をさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、前記硬化可能有機結合剤が、ポリエポキシ官能反応性樹脂を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記硬化可能有機結合剤がブロックポリイソシアネートをさらに含む、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法であって、前記硬化可能有機結合剤が、ポリエポキシ官能反応性有機樹脂を含む、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記硬化可能有機結合剤がブロックポリイソシアネートをさらに含む、方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法であって、前記塗布する工程が、前記組成物を、前記基材上にホットメルトスクリーンプリントする工程を包含する、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、前記塗布する工程が、前記組成物を、前記基材上にホットメルトスクリーンプリントする工程を包含する、方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法であって、前記セラミック基材がガラスである、方法。
【請求項27】
請求項17に記載の方法であって、前記セラミック基材がガラスである、方法。
【請求項28】
請求項16に記載の方法であって、前記工程(a)の前に、前記セラミック基材を、該基材からの前記硬化した組成物の遊離性を向上させるための組成物で処理する工程をさらに包含する、方法。
【請求項29】
請求項17に記載の方法であって、前記工程(a)の前に、前記セラミック基材を、該基材からの前記硬化した組成物の遊離性を向上させるための組成物で処理する工程をさらに包含する、方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法であって、前記基材からの前記硬化した組成物の遊離性を向上させるための、前記組成物が、ポリエチレンを含む、方法。
【請求項31】
請求項29に記載の方法であって、前記基材からの前記硬化した組成物の遊離性を向上させるための、前記組成物が、ポリエチレンを含む、方法。
【請求項32】
請求項16に記載の方法であって、前記セラミック基材がガラスビンである、方法。
【請求項33】
請求項17に記載の方法であって、前記セラミック基材がガラスビンである、方法。
【請求項34】
請求項16に記載の方法によってコーティングされた、セラミック基材。
【請求項35】
請求項17に記載の方法によってコーティングされた、セラミック基材。
【請求項36】
請求項28に記載の方法によってコーティングされた、セラミック基材。
【請求項37】
請求項29に記載の方法によってコーティングされた、セラミック基材。
【請求項38】
セラミック基材をコーティングするための方法であって、該方法は、以下:
(a)該基材に2以上の組成物を塗布する工程;および、
(b)該組成物を、325℃以下で実質的に同時に硬化させる工程、
を包含する、方法。

【公表番号】特表2007−523820(P2007−523820A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520416(P2006−520416)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/023277
【国際公開番号】WO2005/012199
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】