説明

ガラスランチャンネル

【課題】被覆層を含む車内側及び車外側の両装飾部が開き方向へ変形することを抑制することができるガラスランチャンネルを提供する。
【解決手段】基底部51と、車内側及び車外側の両側壁部52、53と、車内側及び車外側の両シールリップ62、65と、車内側及び車外側の両装飾部67、68と、を備える。基底部51と両側壁部52、53とのうち、少なくとも一つの部分は、発泡ポリマー材料から形成される。車内側装飾部67と車内側シールリップ65との間、及び車外側装飾部67と車外側シールリップ62との間が車内側及び車外側の両連結部52、53で連結される。車内側装飾部68と車内側連結部57の表面、及び車外側装飾部67と車外側連結部56の表面の少なくとも一方に車内側及び車外側の少なくとも一方の被覆層68a、67aが形成される。車内側及び車外側の両被覆層68a、67aは、非発泡の第2のポリマー材料で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両のフロントドアやリアドアに用いられるガラスランチャンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両のフロントドアやリアドアに設けられる窓枠のラン装着部に装着されて窓板を昇降案内するガラスランチャンネルには、ゴム材料で形成されるものや他のポリマー材料(例えば、熱可塑性エラストマー材料)によって形成されるものなどがある。
このようなガラスランチャンネルにおいては、ガラスランチャンネルの主体部をなすランチャンネル本体は、基底部と、車内側及び車外側の両側壁部と、窓板の両面にそれぞれ弾接可能な車内側及び車外側の両シールリップと、これら両シールリップとは逆に向けて突出された車内側及び車外側の両装飾部と、を備えているのが一般的である。
また、装飾性を高めるために、車内側及び車外側の両装飾部の表面に、被覆層が形成された構造のガラスランチャンネルは、例えば、特許文献1、2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−180157号公報
【特許文献2】特開2002−2303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1又は2に開示されているガラスランチャンネルにおいては、車内側及び車外側の両装飾部の表面に両装飾部とは異なる材料からなる被覆層が形成されて二層構造となっている。このため、車内側及び車外側の両装飾部と夫々の被覆層との間に収縮度合いの差が生じ、これが原因となって被覆層を含む車内側及び車外側の両装飾部が開き方向へ変形する場合がある。この場合には、被覆層を含む車内側及び車外側の両装飾部と窓枠との間に隙間が発生し、見栄えが悪化する。
【0005】
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、被覆層を含む車内側及び車外側の両装飾部が開き方向へ変形されることを抑制することができるガラスランチャンネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係るガラスランチャンネルは、車両用ドアの窓枠のラン装着部に装着されて窓板の昇降動を案内する長尺状でポリマー材料からなるガラスランチャンネルであって、
前記ガラスランチャンネルの主体部をなすランチャンネル本体は、前記窓板の端面と対向する位置に設けられる基底部と、
前記基底部の幅方向両端からそれぞれ立ち上がる車内側及び車外側の両側壁部と、
前記両側壁部の開口側先端から前記基底部に向けてそれぞれ突出しかつ前記窓板の両面にそれぞれ弾接可能な車内側及び車外側の両シールリップと、
前記両側壁部の開口側先端から前記車内側及び車外側の両シールリップとは逆に向けて突出する車内側及び車外側の両装飾部と、
を備え、
前記基底部と前記両側壁部のうち、少なくとも一つの部分は、発泡された発泡ポリマー材料から形成され、
前記車内側装飾部と前記車内側シールリップとの間、及び前記車外側装飾部と前記車外側シールリップとの間がそれぞれ車内側及び車外側の両連結部で連結され、
前記車内側装飾部と前記車内側連結部の少なくとも一部の表面、及び前記車外側装飾部と前記車外側連結部の少なくとも一部の表面には、これら両表面の少なくとも一方を覆う車内側及び車外側の少なくとも一方の被覆層が形成され、
前記車内側及び車外側の両被覆層は、前記発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で形成されていることを特徴とする。
【0007】
前記構成によると、発泡ポリマー材料から形成される車内側及び車外側の少なくとも一方の装飾部の表面に、発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で被覆層が形成されているので、被覆層を含む装飾部が開き方向へ変形することを抑制することができる。
【0008】
請求項2に係るガラスランチャンネルは、請求項1に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体は、発泡倍率が1.20〜1.80であることを特徴とする。
【0009】
前記構成によると、請求項1に記載の発明の効果に加え、ランチャンネル本体の発泡倍率を1.20〜1.80とすることによって、被覆層を含む装飾部が開き方向へ変形することを良好に抑制することができる。
【0010】
請求項3に係るガラスランチャンネルは、請求項1又は2に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡ポリマー材料は、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが0.5〜2.0重量部配合されていることを特徴とする。
【0011】
前記構成によると、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、軽量化を良好に図ることができる。
すなわち、熱膨張性カプセルが0.5重量部よりも少ないと、軽量化の効果が小さくなる。
また、熱膨張性カプセルが2.0重量部よりも多いと、発泡しすぎた状態となり、剛性、引張強度等が低下する。
【0012】
請求項4に係るガラスランチャンネルは、請求項3に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡ポリマー材料は、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが1.0重量部配合されていることを特徴とする。
【0013】
前記構成によると、請求項3に記載の発明の効果に加え、軽量化の効果が大きい。
【0014】
請求項5に係るガラスランチャンネルは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
被覆層は、装飾部の先端部を越えて裏面に延びて形成されていることを特徴とする。
【0015】
前記構成によると、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、被覆層が、装飾部の先端部を越えて裏面に延びて形成されることによって、装飾部の装飾面(窓板を閉めたときに車内又は車外から視認可能な表面)を被覆層によって構成することができ、見栄えを良好に保つことができる。
【0016】
請求項6に係るガラスランチャンネルは、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
車内側及び車外側の両シールリップの窓板と接触する部位には、発泡ポリマー材料や第2のポリマー材料よりも窓板やドアパネルに対する動摩擦係数が小さい低摩擦材料からなる車内側及び車外側の両低摩擦層がそれぞれ形成され、
前記車内側及び車外側の両低摩擦層は、前記車内側及び車外側の両シールリップの根元部まで延びていることを特徴とする。
【0017】
前記構成によると、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、車内側及び車外側の両シールリップの窓板と接触する部位に形成された低摩擦層によって、窓板の昇降時の摩擦力を低減することができる。この結果、窓板の昇降時のガラスランチャンネルに加わる応力を低減することができ、被覆層を含む車内側及び車外側の両装飾部が開き方向へ変形することをより一層良好に抑制することができる。
【0018】
請求項7に係るガラスランチャンネルは、請求項6に記載のガラスランチャンネルであって、
車内側及び車外側の少なくとも一方の低摩擦層は、車内側及び車外側の少なくとも一方の被覆層と連続していることを特徴とする。
【0019】
前記構成によると、請求項6に記載の発明の効果に加え、少なくとも一方の低摩擦層が車内側及び車外側の少なくとも一方の被覆層と連続することによって、見栄えが良い装飾面を構成することができる。
【0020】
請求項8に係るガラスランチャンネルは、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡後の発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体と、第2のポリマー材料からなる被覆層との硬さは同程度であることを特徴とする。
【0021】
前記構成によると、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、ランチャンネル本体と被覆層との硬さが同程度であるため、ランチャンネル本体を発泡ポリマー材料で形成しても剛性を低下させることがない。このため、被覆層を含む装飾部の開き方向への変形防止に効果が大きい。
【0022】
請求項9に係るガラスランチャンネルは、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
第2のポリマー材料からなる被覆層の硬度は、JISのA60〜A80であることを特徴とする。
【0023】
前記構成によると、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、被覆層の硬度がJIS(JIS、K6253のタイプAデュロメータ硬さ)のA60〜A80であるから、被覆層が白化し難くなると共に、皺が寄り難くなる。このため、長期間にわたって良好な装飾面を確保することができ、耐久性に優れる。
すなわち、被覆層の硬度が、JISのA80よりも大きく硬いと、被覆層の表面が白化しやすくなり、A60よりも小さく軟らかいと被覆層の表面に皺が寄りやすくなる不具合が生じるが、請求項9に係るガラスランチャンネルは、前記不具合が生じない。
【0024】
請求項10に係るガラスランチャンネルは、請求項1〜9のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
車内側装飾部と車内側連結部の少なくとも一部の表面、及び車外側装飾部と車外側連結部の少なくとも一部の表面には、これら両表面をそれぞれ覆う車内側及び車外側の両被覆層が形成されていることを特徴とする。
【0025】
前記構成によると、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、車内側装飾部と車内側連結部の少なくとも一部の表面、及び車外側装飾部と車外側連結部の少なくとも一部の表面に発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で被覆層が形成されているので、被覆層を含む車内側及び車外側の両装飾部が開き方向へ変形することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の実施例1に係るガラスランチャンネルを用いたガラスランチャンネル組立体がフロントドアの窓枠とリアドアの窓枠にそれぞれ装着された状態を簡略化して示す側面図である。
【図2】同じくガラスランチャンネル組立体を示す側面図である。
【図3】同じく図1のIII−III線に沿うガラスランチャンネルの横断面図である。
【図4】この発明の実施例2に係るガラスランチャンネルの横断面図である。
【図5】参考例のガラスランチャンネルの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。
【実施例1】
【0028】
この発明の実施例1を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、車両用ドアとしてのフロントドア10を形成するドアパネル12には窓枠20が一体に形成されている。
窓枠20には、ドアパネル12を構成するアウターパネル13及びインナーパネル14によって開口側が狭く奥側が広い段差状をなすラン装着部25が形成されている(図3参照)。
【0029】
図1と図2に示すように、車両用ドアとしてのフロントドア10の窓枠20に装着されて窓板15の昇降動を案内するための長尺状でポリマー材料(熱可塑性エラストマー材料)からなる前側のガラスランチャンネル組立体30は、押出成形によって長尺状に形成された第1〜第4のガラスランチャンネル31、32、33、34と、射出成形によって形成された第1〜第3の接続体41、42、43と、を有している。
【0030】
第1のガラスランチャンネル31は、フロントドア10の上辺部及び前斜辺部に沿って装着される。
第1のガラスランチャンネル31の後端には、第1接続体(コーナ接続体)41によって第2のガラスランチャンネル32の上端が連結されている。第2のガラスランチャンネル32は、フロントドア10の後縦辺部に沿って装着される。
また、第1のガラスランチャンネル31の前端には、第2接続体(コーナ接続体)42によって第3のガラスランチャンネル33の上端が連結されている。第3のガラスランチャンネル33は、フロントドア10の前クオーターウインドウの後縁からドア内にわたる前縦枠部に沿って装着される。
また、第2のガラスランチャンネル32の下端はドア内に位置し、この下端には、第3接続体43によって第4のガラスランチャンネル34の上端が連結されている。第4のガラスランチャンネル34は、ドア内の後縦枠部に沿って装着される。
【0031】
前側のガラスランチャンネル組立体30を構成する第1〜第4のガラスランチャンネル31〜34のうち、第1のガラスランチャンネル31は、図3に示すような断面形状をもつ押出成形品によって構成される。
第1ガラスランチャンネル31の主体部をなすランチャンネル本体50は、窓板15の端面と対向する位置に設けられる基底部51と、この基底部51の幅方向両端からそれぞれ立ち上りかつ窓板15の周縁部が昇降動可能な溝を構成する車外側の側壁部52と、車内側の側壁部53とを有する。また、ランチャンネル本体50は、両側壁部52、53の開口側先端の車外側連結部56及び車内側連結部57から基底部51に向けてそれぞれ突出し、かつ窓板15の両面にそれぞれ弾接可能な車外側シールリップ62及び車内側シールリップ65を有している。
さらに、ランチャンネル本体50は、その両側壁部52、53の開口側先端の車外側及び車内側の両連結部56、57から車外側及び車内側の両シールリップ62、65とは反対側に向けて突出しかつ両側壁部52、53に沿ってそれぞれ折返し状に形成された車外側装飾部67及び車内側装飾部68を備えている。
すなわち、車外側装飾部67と車外側シールリップ62との間、及び車内側装飾部68と車内側シールリップ65との間がそれぞれ車外側連結部56及び車内側連結部57で連結されている。
なお、各装飾部67、68及び各シールリップ62、65には、変位するときに変形の中心となる屈曲点(典型的には根元部近傍において最も薄い部分)がある。各連結部56、57は、各屈曲点を境界として各装飾部67、68及び各シールリップ62、65と一体化されている。
【0032】
また、ランチャンネル本体50は、発泡された発泡ポリマー材料から形成されている。
さらに、ランチャンネル本体50は、発泡倍率が1.20〜1.80であることが軽量化や充分な強度確保のために望ましい。
また、ランチャンネル本体50を形成する発泡ポリマー材料には、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが0.5〜2.0重量部配合されることが望ましい。
さらに、ランチャンネル本体50を形成する発泡ポリマー材料には、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが1.0重量部配合されることがより一層望ましい。
また、ランチャンネル本体50は、その内部の発泡セルが外気と連通していない独立気泡となっていることが望ましく、さらに、ランチャンネル本体50の内部の発泡セル同士が連通していない独立気泡となっていることがより一層望ましい。
また、ランチャンネル本体50は、比重が0.50〜0.80であることが望ましく、比重が0.55〜0.75であることがより一層望ましく、比重が0.65であることがさらに望ましい。
【0033】
また、ランチャンネル本体50の主成分となる熱可塑性エラストマー材料としては、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)と、PP(ポリプロピレン)とが混合され、これに可塑剤、着色剤等の添加物が配合されたものが用いられる。
また、熱膨張性カプセルは、例えば、熱膨張性マイクロカプセル(積水化学工業株式会社製、商品名アドバンセル、平均粒径22μm〜32μm、膨張開始温度160℃〜180℃、共に、カタログ値)が用いられる。
【0034】
ランチャンネル本体50において、車外側装飾部67の先端部から車外側の連結部56までの表面、及び車内側装飾部68の先端部から車内側の連結部57までの表面には、これら両表面をそれぞれ覆う車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aが形成されている。
車外側装飾部67の車外側被覆層67a及び車内側装飾部68の車内側被覆層68aは、ランチャンネル本体50を形成する発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で形成されている。
また、この実施例1において、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aは、車外側装飾部67及び車内側装飾部68の先端部を越えて裏面に折返し状に延びて形成されている。
また、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aは、それぞれ車外側装飾部67及び車内側装飾部68から車外側の連結部56及び車内側の連結部57の表面の途中まで被覆していても良いが、各連結部56、57の全面を被覆していることが好ましい。
【0035】
また、この実施例1において、車外側及び車内側の両シールリップ62、65の窓板15に接触するそれぞれの面には、車外側及び車内側の両低摩擦層63、66が形成されている。両低摩擦層63、66は、ランチャンネル本体50と同材質又は相溶性を有しかつ発泡ポリマー材料(ランチャンネル本体50)や第2のポリマー材料(車外側被覆層67a及び車内側被覆層68a)よりも窓板15やドアパネル12に対する動摩擦係数が小さい低摩擦材料(熱可塑性エラストマー材料又は熱可塑性樹脂)からランチャンネル本体50の押出成形と同時に共押出(二色成形)によって形成されている。
また、車外側及び車内側の両低摩擦層63、66は、車外側及び車内側の両シールリップ62、65の根元部近傍(屈曲点を超えない範囲)まで延びている。
また、車外側及び車内側の両低摩擦層63、66は、車外側及び車内側の両被覆層67a、68aと連続していることが望ましい。
なお、図3及び図4では、車外側及び車内側の両低摩擦層63、66と、車外側及び車内側の両被覆層67a、68aとの境界部分を明確化するために各層の厚さに差を設けて強調して表示している。
【0036】
また、発泡後の発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体50と、第2のポリマー材料からなる車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aとの硬さは同程度であることが望ましい。さらに、第2のポリマー材料からなる車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aの硬度(JIS、K6253のタイプAデュロメータ硬さ)は、A60〜A80であることがより一層望ましい。
【0037】
また、この実施例1において、ランチャンネル本体50の車外側の側壁部52及び車内側の側壁部53の対向面及び基底部51の底面にもランチャンネル本体50よりも動摩擦係数が小さい低摩擦材料からなる低摩擦層52a、53a、51aがランチャンネル本体50の押出成形と同時に共押出(二色成形)によって形成されている。
【0038】
また、ランチャンネル本体50は、車外側の側壁部52及び車内側の側壁部53の基底部51側の端部の外側に、リップ形状の車外側保持リップ60と車内側保持リップ61とを備えている。これら車外側保持リップ60及び車内側保持リップ61は、車外側の側壁部52及び車内側の側壁部53からそれぞれ傾斜状をなして突設されている。また、車外側保持リップ60及び車内側保持リップ61は、窓枠20の車外側段差部13aと、車内側段差部14aにそれぞれ弾性的に係合して抜け止めをなす。
【0039】
また、前側のガラスランチャンネル組立体30を構成する第1〜第4のガラスランチャンネル31〜34のうち、第2、第3、第4の各ガラスランチャンネル32、33、34の主体部をなすランチャンネル本体は、横断面形状が異なる以外は、第1のガラスランチャンネル31の主体部をなすランチャンネル本体50と同様に構成される。
すなわち、第2、第3、第4の各ガラスランチャンネル32、33、34の主体部をなすランチャンネル本体も、熱可塑性エラストマー材料と熱膨張性カプセルとを含む発泡ポリマー材料から形成されると共に、熱膨張性カプセルの発泡膨張によって形成された無数の発泡セルを有している。
なお、第1〜第4のガラスランチャンネル31〜34のうち、2以上のガラスランチャンネル、例えば、第2のガラスランチャンネル32と、第3のガラスランチャンネル33とが同じ横断面形状を有していてもよい。
【0040】
また、図1と図2に示すように、車両用ドアとしてのリアドア110の窓枠120に装着されて窓板115の昇降動を案内するための長尺状でポリマー材料(熱可塑性エラストマー材料)からなる後側のガラスランチャンネル組立体130は、押出成形によって長尺状に形成された第1〜第5のガラスランチャンネル131、132、133、134、135と、射出成形によって形成された第1〜第4の接続体141、142、143、144と、を有している。
【0041】
第1のガラスランチャンネル131は、リアドア110の上辺部に沿って装着される。
第1のガラスランチャンネル131の後端には、第1接続体(コーナ接続体)141によって第2のガラスランチャンネル132の上端が連結されている。第2のガラスランチャンネル132は、リアドア110の後クオーターウインドウの後縁に沿って装着される。
また、第1のガラスランチャンネル131の前端には、第2接続体(コーナ接続体)142によって第3のガラスランチャンネル133の上端が連結されている。第3のガラスランチャンネル133は、リアドア110の前縦辺部に沿って装着される。
また、第2のガラスランチャンネル132の下端には、第3接続体143によって第4のガラスランチャンネル134の上端が連結されている。第4のガラスランチャンネル134は、ドア内の後縦枠部に沿って装着される。さらに、第3のガラスランチャンネル133の下端には、第4接続体144によって第5のガラスランチャンネル135の上端が連結されている。第5のガラスランチャンネル135は、ドア内の前縦枠部に沿って装着される。
【0042】
そして、この実施例1では、後側のガラスランチャンネル組立体130を構成する第1〜第5のガラスランチャンネル31〜35のうち、第1のガラスランチャンネル131は、前側のガラスランチャンネル組立体30の第1のガラスランチャンネル31と同一構造に形成されている(図3参照)。
また、後側のガラスランチャンネル組立体130を構成する第2〜第5のガラスランチャンネル132〜135の主体部をなすランチャンネル本体は、横断面形状が異なる以外は、第1のガラスランチャンネル131の主体部をなすランチャンネル本体と同様に構成される。
【0043】
この実施例1に係るガラスランチャンネルは上述したように構成される。
したがって、前側のガラスランチャンネル組立体30を構成する第1〜第4のガラスランチャンネル31〜34及び後側のガラスランチャンネル組立体130を構成する第1〜第5のガラスランチャンネル131〜135の主体部をなすランチャンネル本体50が、熱可塑性エラストマー材料と熱膨張性カプセルとを含む発泡ポリマー材料から形成されるため、ゴム製のガラスランチャンネルと比較して軽量化を良好に図ることができる。
【0044】
また、発泡ポリマー材料から形成される車外側装飾部67及び車内側装飾部68の表面には、発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aが形成されている。これによって、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aを含む車外側装飾部67及び車内側装飾部68が開き方向へ変形することを抑制することができる。
すなわち、発泡ポリマー材料が発泡してランチャンネル本体50が形成される際、発泡ポリマー材料(ランチャンネル本体50)は、押出方向への引っ張りに加えて、熱膨張性カプセル(発泡セル)周りでも熱膨張性カプセルが膨張するのに伴って引き伸ばされる。そして、引き伸ばされた状態で冷却されて固化する。このため、発泡していないポリマー材料よりも発泡した発泡ポリマー材料の方が、ランチャンネル本体50の成形後のポリマー材料内部における分子鎖の延伸度合いが高く、ポリマー材料の内部に残存する残存応力が大きい。
そして、製品化されたガラスランチャンネル(ガラスランチャンネル組立体)が車両ドア(フロントドアやリアドア)の窓枠のラン装着部に装着されて使用されている間に、ガラスランチャンネルに熱や窓板の昇降による応力等が繰り返し加わると、ランチャンネル本体50を形成する発泡ポリマー材料の延伸された分子鎖がより安定した本来の状態に戻ろうとして収縮し、ガラスランチャンネル全体も収縮する。
したがって、発泡ポリマー材料から形成されるランチャンネル本体50の車外側装飾部67及び車内側装飾部68の表面に、発泡ポリマー材料よりも分子鎖の延伸度合いが低く収縮し難いポリマー材料の車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aを被覆して形成すると、発泡ポリマー材料からなり分子鎖の延伸度合いが高い部分でより大きく収縮する。このため、各被覆層67a、68a側(表面側)よりも各装飾部67、68側(裏面側)が大きく収縮し、車外側装飾部67及び車内側装飾部68の開き方向への変形を抑制することができる。
このため、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aをそれぞれ含む車外側装飾部67及び車内側装飾部68が開き方向へ変形することを抑制することができ、ドアパネル12(窓枠20)との間に隙間が発生して見栄えが悪化することを防止することができる。
なお、この発明において、特に断りがなければ、「開き方向」とは、車外側装飾部67及び車内側装飾部68と車外側の側壁部52及び車内側の側壁部53とが夫々なす角度が大きくなる方向をいう。すなわち、車外側装飾部67及び車内側装飾部68が窓枠20のフランジ部から離れる方向をいう。
また、「閉じ方向」とは、車外側装飾部67及び車内側装飾部68と車外側の側壁部52及び車内側の側壁部53とが夫々なす角度が小さくなる方向をいう。すなわち、車外側装飾部67及び車内側装飾部68が窓枠20のフランジ部に近づく方向をいう。
【0045】
これに対し、例えば、図5に示すように、発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体350の車外側装飾部367及び車内側装飾部368の表面に被覆層が形成されていない場合は、閉じ方向に働く収縮は起こらず、車外側装飾部367及び車内側装飾部368の全体が収縮する。
このため、図5の二点鎖線に示すように、ランチャンネル本体350の車外側装飾部367及び車内側装飾部368が収縮して開き方向に変形し、ドアパネル12(窓枠20)のフランジ部との間に隙間S1、S2が発生し、見栄えが悪化する恐れがある。
なお、図5に示すガラスランチャンネルにおいて、ランチャンネル本体350のその他の構成は、実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号が付記されている。
【0046】
また、発泡ポリマー材料と非発泡のポリマー材料との温度変化による収縮量の違いを、各材料からなる各二つの試験片(幅50mm、厚さ約2mm、長さ約100mm)を用いて測定した。
先ず、各試験片の試験前の長さ(L0)をそれぞれ測定した。下記の表1に示すように、発泡ポリマー材料の二つの試験片は、998.0mmと1001.0mmであり、非発泡のポリマー材料の二つの試験片は、1001.0mmと1004.0mmであった。
その後、各二つの試験片を、雰囲気温度で−30℃〜90℃に温度変化させることを4サイクル、56時間繰り返して試験した。試験後の各二つの試験片の長さ(L1)をそれぞれ測定した。下記の表1に示すように、発泡ポリマー材料の二つの試験片は、993.0mm、995.5mmであり、非発泡のポリマー材料の二つの試験片は、997.5mm、1005.5mmであった。
そして、各二つの試験片の個別の収縮率((1−L1/L0)×100)と、収縮率の平均値を計算した。
この結果、発泡ポリマー材料の二つの試験片は、その収縮率が0.501%、0.549%で、平均値が0.53%であった。
これに対し、非発泡のポリマー材料の二つの試験片は、その収縮率が0.350%、0.349%で、平均値が0.35%であった。
すなわち、発泡ポリマー材料の方が非発泡のポリマー材料よりも温度変化による収縮量が大きいことが確認された。
【表1】

【0047】
また、発泡ポリマー材料からなる内層と、非発泡のポリマー材料からなる外層とを有して横断面コの字をなす第1試験片(長さ100mm)と、非発泡のポリマー材料からなる内層と、非発泡のポリマー材料からなる外層とを有して横断面コの字をなす第2試験片(長さ100mm)とをそれぞれ製作し、これら第1試験片と第2試験片との開き方向(ここでは、横断面コの字状の開口側が開く方向)への変形状態を試験した。
この試験においては、先ず、第1試験片及び第2試験片の中央で開口幅(W0)を測定した。そして、第1試験片及び第2試験片を、80℃の雰囲気温度下で90時間加熱した後、室温(例えば、23℃)で自然冷却し、再度、第1試験片及び第2試験片の開口幅(W1)を測定した。その結果、下記の表2に示すように、内層が発泡ポリマー材料から形成された第1試験片は、開き方向の変形(W1ーW0)が殆どないことが確認された。
これに対し、内層が非発泡のポリマー材料からなる形成された第2試験片は、開き方向への変形(W1ーW0)が1mm生じていることが確認された。
【表2】

【0048】
また、この実施例1において、発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体50は、発泡倍率を1.20〜1.80とすることによって、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aをそれぞれ含む車外側装飾部67及び車内側装飾部68が開き方向へ変形することを良好に抑制することができる。
【0049】
また、この実施例1において、発泡ポリマー材料は、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが0.5〜2.0重量部配合されることによって、軽量化を良好に図ることができる。
すなわち、熱膨張性カプセルが0.5重量部よりも少ないと軽量化の効果が小さくなる。
また、熱膨張性カプセルが2.0重量部よりも多いと、発泡しすぎた状態となり、剛性、引張強度等が低下する。
さらに、発泡ポリマー材料は、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが1.0重量部配合されることによって、より一層の軽量化を図ることが望ましい。
【0050】
また、この実施例1において、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aが、車外側装飾部67及び車内側装飾部68の表面先端を越えて裏面まで折返し状に延びて形成される。これによって、車外側装飾部67及び車内側装飾部68の装飾面(窓枠20に装着された状態で視認可能な表面)を車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aによって構成することができ、見栄えを良好に保つことができる。
【0051】
また、この実施例1において、車外側シールリップ62及び車内側シールリップ65の窓板15と接触する部位には、車内側低摩擦層63及び車外側低摩擦層66がそれぞれ形成される。これら車内側低摩擦層63及び車外側低摩擦層66は、ランチャンネル本体50を形成する発泡ポリマー材料や、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aを形成する第2のポリマー材料よりも窓板15やドアパネル12(窓枠20)に対する動摩擦係数が小さい低摩擦材料からなる。また、車内側低摩擦層63及び車外側低摩擦層66は、車外側シールリップ62及び車内側シールリップ65の先端部から根元部近傍まで延びている。
そして、車内側低摩擦層63及び車外側低摩擦層66によって窓板15の昇降時の摩擦力を低減することができる。この結果、窓板15の昇降時のランチャンネル本体50(ガラスランチャンネル)に加わる応力を低減することができる。ひいては、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aをそれぞれ含む車外側装飾部67及び車内側装飾部68が開き方向へ変形することをより一層良好に抑制することができる。
【0052】
また、この実施例1において、車内側低摩擦層63及び車外側低摩擦層66は、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aの両被覆層と連続することによって、発泡ポリマー材料の露出がなく見栄えが良い装飾面を構成することができる。
また、発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体50と、第2のポリマー材料からなる車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aとの硬さが同程度であるため、ガラスランチャンネル本体を発泡ポリマー材料で形成しても剛性を低下させることがない。このため、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aをそれぞれ含む車外側装飾部67及び車内側装飾部68の開き方向への変形防止に効果が大きい。
【0053】
また、この実施例1において、第2のポリマー材料からなる車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aの硬度は、A60〜A80である。これによって、車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aの装飾面が白化(変形させた部分が白く変色する不具合)し難くなると共に、皺が寄り難くなる。このため、長期間にわたって良好な装飾面を確保することができ、耐久性に優れる。
すなわち、第2のポリマー材料からなる車外側被覆層67a及び車内側被覆層68aの硬度がA80よりも大きく硬いと、被覆層の表面が白化しやすくなり、A60よりも小さく軟らかいと被覆層の表面に皺が寄りやすくなる。
【実施例2】
【0054】
次に、この発明の実施例2を図4にしたがって説明する。
図4に示すように、この実施例2においては、窓枠がサッシ形式の窓枠サッシによって形成される場合を例示するものであり、窓枠を構成する窓枠サッシ220は、車両用開閉ドア(フロントドア、リアドア等)のドアパネルとは別体に形成されて同ドアパネルに固着される。この窓枠サッシ220には、ラン装着凹部225が形成されている。
【0055】
ガラスランチャンネル組立体を構成する複数のガラスランチャンネルの一つであるガラスランチャンネル231は、実施例1と同様に、その主体部をなすランチャンネル本体250を有し、このランチャンネル本体250は、窓板(図示しない)の端面と対向する位置に設けられる基底部251と、車外側の側壁部252と、車内側の側壁部253と、これら両側壁部252、253の開口側先端の頂部連結部256、257から基底部251に向けてそれぞれ突出し、かつ窓板の両面に弾接可能な車外側シールリップ262と、車内側シールリップ265と、を有している。
さらに、ランチャンネル本体250は、その両側壁部252、253の開口側先端の頂部連結部256、257から車外側及び車内側の両シールリップ262、265とは反対側に向けて突出して形成された車外側装飾部267及び車内側装飾部268と、を備えている。
【0056】
また、ランチャンネル本体250において、実施例1と同様にして車外側装飾部267の先端部から車外側の連結部256までの表面、及び車内側装飾部268の先端部から車内側の連結部257までの表面には、これら両表面をそれぞれ覆う車外側被覆層267a及び車内側被覆層268aが形成されている。
車外側装飾部267の車外側被覆層267a及び車内側装飾部268の車内側被覆層268aは、ランチャンネル本体250を形成する発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で形成されている。
また、この実施例2においても、車外側被覆層267a及び車内側被覆層268aは、車外側装飾部267及び車内側装飾部268の先端部を越えて裏面に折返し状に延びて形成されている。
【0057】
また、この実施例2においても、車外側及び車内側の両シールリップ262、265の窓板に接触するそれぞれの面には、ランチャンネル本体250と同材質又は相溶性を有しかつ発泡ポリマー材料(ランチャンネル本体250)や第2のポリマー材料(車外側被覆層267a及び車内側被覆層268a)よりも窓板やドアパネルに対する動摩擦係数が小さい低摩擦材料からなる車外側及び車内側の両低摩擦層263、266がランチャンネル本体250の押出成形と同時に共押出によって形成されている。
また、車外側及び車内側の両低摩擦層263、266は、車外側及び車内側の両被覆層267a、268aと連続していることが望ましい。
さらに、両側壁部252、253の対向面及び基底部251の底面に対してもランチャンネル本体250よりも動摩擦係数の小さい低摩擦材料からなる低摩擦層252a、253a、251aがランチャンネル本体250の押出成形と同時に共押出によって形成されている。
さらに、基底部251の底外面には、ラン装着凹部225の底面に接触し、かつランチャンネル本体250よりも静摩擦係数の大きい非発泡(ソリッド)材料からなる高摩擦層269がランチャンネル本体250の押出成形と同時に共押出によって形成されている。
【0058】
また、車外側の側壁部252及び車内側の側壁部253の基底部251側端部の外側には、窓枠220の車外側段差部213aと、車内側段差部214aにそれぞれ弾性的に係合して抜け止めをなすリップ形状の車外側保持リップ260と車内側保持リップ261とがそれぞれ車外側の側壁部252及び車内側の側壁部253に対して傾斜状をなして突設されている。
【0059】
また、ランチャンネル本体250は、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー材料と熱膨張性カプセルとを含む発泡ポリマー材料から形成されると共に、熱膨張性カプセルの発泡膨張によって形成された無数の発泡セルを有している。
この実施例2のその他の構成は、実施例1と同様に構成されるため、その説明は省略する。
したがって、この実施例2においても、実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0060】
なお、この発明は前記実施例1及び2に限定するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施例1及び2では、車外側被覆層267aと車内側被覆層268aの両方が形成されているガラスランチャンネルを例示したが、車外側被覆層267a及び車内側被覆層268aのどちらか一方の被覆層が形成されているガラスランチャンネルであっても実施例1及び2と同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0061】
10 フロントドア(車両用ドア)
15 窓板
20 窓枠
31 第1のガラスランチャンネル(ガラスランチャンネル)
32 第2のガラスランチャンネル(ガラスランチャンネル)
33 第3のガラスランチャンネル(ガラスランチャンネル)
34 第4のガラスランチャンネル(ガラスランチャンネル)
41 第1接続体(接続体)
42 第2接続体(接続体)
43 第3接続体(接続体)
50 ランチャンネル本体
51 基底部
52 車外側の側壁部
53 車内側の側壁部
60 車外側保持リップ
61 車内側保持リップ
62 車外側シールリップ
65 車内側シールリップ
67 車外側装飾部
67a 車外側被覆層
68 車内側装飾部
68a 車内側被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアの窓枠のラン装着部に装着されて窓板の昇降動を案内する長尺状でポリマー材料からなるガラスランチャンネルであって、
前記ガラスランチャンネルの主体部をなすランチャンネル本体は、前記窓板の端面と対向する位置に設けられる基底部と、
前記基底部の幅方向両端からそれぞれ立ち上がる車内側及び車外側の両側壁部と、
前記両側壁部の開口側先端から前記基底部に向けてそれぞれ突出しかつ前記窓板の両面にそれぞれ弾接可能な車内側及び車外側の両シールリップと、
前記両側壁部の開口側先端から前記車内側及び車外側の両シールリップとは逆に向けて突出する車内側及び車外側の両装飾部と、
を備え、
前記基底部と前記両側壁部のうち、少なくとも一つの部分は、発泡された発泡ポリマー材料から形成され、
前記車内側装飾部と前記車内側シールリップとの間、及び前記車外側装飾部と前記車外側シールリップとの間がそれぞれ車内側及び車外側の両連結部で連結され、
前記車内側装飾部と前記車内側連結部の少なくとも一部の表面、及び前記車外側装飾部と前記車外側連結部の少なくとも一部の表面には、これら両表面の少なくとも一方を覆う車内側及び車外側の少なくとも一方の被覆層が形成され、
前記車内側及び車外側の両被覆層は、前記発泡ポリマー材料よりも発泡倍率が小さいか又は発泡していない第2のポリマー材料で形成されていることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項2】
請求項1に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体は、発泡倍率が1.20〜1.80であることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡性ポリマー材料は、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが0.5〜2.0重量部配合されていることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項4】
請求項3に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡性ポリマー材料は、熱可塑性エラストマー材料100重量部に対して熱膨張性カプセルが1.0重量部配合されていることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
被覆層は、装飾部の先端部を越えて裏面に延びて形成されていることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
車内側及び車外側の両シールリップの窓板と接触する部位には、発泡ポリマー材料や第2のポリマー材料よりも窓板やドアパネルに対する動摩擦係数が小さい低摩擦材料からなる車内側及び車外側の両低摩擦層がそれぞれ形成され、
前記車内側及び車外側の両低摩擦層は、前記車内側及び車外側の両シールリップの根元部まで延びていることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項7】
請求項6に記載のガラスランチャンネルであって、
車内側及び車外側の少なくとも一方の低摩擦層は、車内側及び車外側の少なくとも一方の被覆層と連続していることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
発泡後の発泡ポリマー材料からなるランチャンネル本体と、第2のポリマー材料からなる被覆層との硬さは同程度であることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
第2のポリマー材料からなる被覆層の硬度は、JISのA60〜A80であることを特徴とするガラスランチャンネル。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のガラスランチャンネルであって、
車内側装飾部と車内側連結部の少なくとも一部の表面、及び車外側装飾部と車外側連結部の少なくとも一部の表面には、これら両表面をそれぞれ覆う車内側及び車外側の両被覆層が形成されていることを特徴とするガラスランチャンネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−25375(P2012−25375A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293104(P2010−293104)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000219705)東海興業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】