説明

ガラス板の表面保護コーティング

複数のガラス板を包装する方法であって、(1)各ガラス板の頂面を除去可能な頂面保護フイルムで被覆し、(2)各ガラス板の底面を除去可能な底面保護膜で被覆し、(3)あるガラス板の頂面保護フイルムが別のガラス板の底面保護フイルムと隣接するように、被覆したガラス板を互いに積み重ねる各工程を有してなる方法がここに開示されている。各ガラス板の頂面保護フイルムおよび/または底面保護フイルムは、その中にエンボス特徴構造(例えば、粗い特徴構造)を有する。積み重ねられたガラス板の間に位置するエンボス特徴構造により生じたエア・ポケットが存在するために、この特徴構造によって、ガラス板を別のガラス板から分離するのが容易になる。被覆されたガラス板および被覆されたガラス板を複数保管できる容器もここに記載されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、その内容がここに引用される、2003年9月4日に出願された米国特許出願第10/656,686号の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ガラス板を保護するためであり、かつガラス板の包装と、包装を解くのを容易にするためにガラス板(例えば、ガラス基板)に施される表面保護コーティングに関する。
【背景技術】
【0003】
今日、ガラス製造業者にとって、最大の課題の1つは、顧客に安全に輸送でき、顧客が包装を容易に解くことができるように、液晶ディスプレイ(LCD)に用いられているものなどのガラス板を保護し、包装する効果的な方法を提案することである。現在、ガラス板を包装するための最も一般的な方法の1つは、ガラス板の頂面/底面を保護フイルム(例えば、ポリオレフィン・フイルム)で被覆し、次いで、被覆したガラス板の間にインタリーバ(例えば、紙片)を配置する各工程を含む。このインタリーバによって、人/機械が、容器内で互いに隣接して配置された別の被覆ガラス板からある1枚の被覆ガラス板を分離するまたはその包装を解くのが容易になる。残念ながら、包装工程中に、被覆ガラス板の間にインタリーバを配置すること、および包装を解く工程中に、被覆ガラス板の間からインタリーバを取り除くことには、複雑なインタリーバ除去システムが必要であり、時間がかかり、多大な労力を要する工程であり得る。しかしながら、インタリーバを用いないと、被覆ガラス板はしばしば互いにくっつき、人/機械が積み重ねられた被覆ガラス板を分離することが難しくなってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、顧客まで安全に輸送でき、顧客が容易に包装を解けるように、インタリーバを使用せずにガラス板を保護し、包装するための新しい方法が必要とされている。この必要性と他の必要性は、本発明の被覆ガラス板、容器および方法によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数のガラス板を包装する方法であって、(1)各ガラス板の頂面を除去可能な頂面保護フイルムで被覆し、(2)各ガラス板の底面を除去可能な底面保護膜で被覆し、(3)あるガラス板の頂面保護フイルムが別のガラス板の底面保護フイルムと隣接するように、被覆したガラス板を互いに積み重ねる各工程を有してなる方法に関する。各ガラス板の頂面保護フイルムおよび/または底面保護フイルムは、その中にエンボス特徴構造(例えば、粗い特徴構造)を有する。積み重ねられたガラス板の間に位置するエンボス特徴構造により生じたエア・ポケットが存在するために、この特徴構造によって、ガラス板を別のガラス板から分離するのが容易になる。本発明は、被覆されたガラス板および被覆されたガラス板を複数保管できる容器にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の詳細な説明を、添付の図面と共に参照することによって、本発明はより完全に理解されるであろう。
【0007】
図1A〜1Cを参照すると、本発明の第1の実施の形態による被覆ガラス板100の側面図、正面図および下面図がそれぞれ示されている。被覆ガラス板100は、除去可能な頂面保護フイルム104(例えば、軟質ポリマー・フイルム104、高密度ポリエチレン・フイルム104または他のポリオレフィン・フイルム104)で被覆された頂面102および除去可能な底面保護フイルム108(例えば、低密度ポリエチレン・フイルム108または他のポリオレフィン・フイルム108)で被覆された底面106を有するガラス板101を有してなる。頂面保護フイルム104は、その中にエンボス特徴構造110(例えば、模様付き特徴構造110、または粗い特徴構造110)を有する表面を少なくとも1つ有する。図示したように、エンボス特徴構造110は、隆起部または膨らみであるが、チャンネルなどのどのようなタイプの形状または構造を有していても差し支えない。エンボス特徴構造110は、押出注型法、共押出注型法または他のフイルム・エンボス加工法の最中に彫刻ロールを使用することによって、頂面保護フイルム104内に形成してもよい。底面保護フイルム108の両面は平らであり、エンボス特徴構造110が形成されていない。中にエンボス特徴構造110が形成されてなる頂面保護フイルム104を使用してガラス板101を保護することの利点を、図1Dを参照して、以下に説明する。
【0008】
図1Dを参照すると、多数の被覆ガラス板100を積み重ねて保持できる典型的な容器150の斜視図が示されている。容器150は、第1の側部152(例えば、ドア152)、反対の第2の側部154、2つのさらに別の側部156と158、頂面160および底面162を含む。容器150は、いくつの被覆ガラス板100を保管するようなサイズであっても差し支えない。被覆ガラス板100は、あるガラス板100の頂面保護フイルム104が、別のガラス板100の底面保護フイルム108に隣接するように、容器150の内部で互いに積み重ねられているまたは隣接して配置されている。エンボス特徴構造110の重要な性質は、それらにより、積み重ねられた被覆ガラス板100の各対の間にエア・ポケット165(10〜500マイクロメートル、好ましくは、100マイクロメートル未満)が形成されることである。エア・ポケット165が存在することは重要である。何故ならば、エア・ポケット165によって、空気がエンボス特徴構造110の間を流動することができ、したがって、ある被覆ガラス板100を隣接する被覆ガラス板100から分離するのが容易になる。容器150は、多数の被覆ガラス板100を水平に積み重ねるように用いられるものとしてここに記載されているが、被覆ガラス板100は、垂直位置または斜めの位置を含む様々な位置で(図2D、3Dおよび4D参照)互いに隣接して配置できることが理解されよう。
【0009】
図2A〜2Cを参照すると、本発明の第2の実施の形態による被覆ガラス板200の側面図、正面図および下面図がそれぞれ示されている。被覆ガラス板200は、除去可能な頂面保護フイルム204(例えば、軟質ポリマー・フイルム204、高密度ポリエチレン・フイルム204または他のポリオレフィン・フイルム204)で被覆された頂面202および除去可能な底面保護フイルム208(例えば、低密度ポリエチレン・フイルム208または他のポリオレフィン・フイルム208)で被覆された底面206を有するガラス板201を有してなる。頂面保護フイルム204は、その中にエンボス特徴構造210a(例えば、模様付き特徴構造210a、または粗い特徴構造210a)を有する表面を少なくとも1つ有する。同様に、底面保護フイルム208は、その中にエンボス特徴構造210b(例えば、模様付き特徴構造210b、または粗い特徴構造210b)を有する表面を少なくとも1つ有する。図示したように、エンボス特徴構造210aおよび210bは、一般的に隆起部または膨らみであるが、チャンネルなどのどのようなタイプの形状または構造を有していても差し支えない。エンボス特徴構造210aおよび210bは、押出注型法、共押出注型法または他のフイルム・エンボス加工法の最中に彫刻ロールを使用することによって、頂面保護フイルム204および底面保護フイルム208内に形成してもよい。中にエンボス特徴構造210aおよび210bが形成されてなる頂面保護フイルム204および底面保護フイルム208を使用してガラス板201を保護することの利点を、図2Dを参照して、以下に説明する。
【0010】
図2Dを参照すると、多数の被覆ガラス板200を積み重ねて保持できる典型的な容器250の斜視図が示されている。容器250は、第1の側部252(例えば、ドア252)、反対の第2の側部254、2つのさらに別の側部256と258、頂面260および底面262を含む。容器250は、いくつの被覆ガラス板200を保管するようなサイズであっても差し支えない。被覆ガラス板200は、あるガラス板200の頂面保護フイルム204が、別のガラス板200の底面保護フイルム208に隣接するように、容器250の内部で互いに積み重ねられているまたは隣接して配置されている。図示されているように、頂面保護フイルム204のエンボス特徴構造210aは、底面保護フイルム208のエンボス特徴構造210bとは形状が異なる(図2Bおよび2C参照)。エンボス特徴構造210aおよび210bの形状が異なることは、頂面保護フイルム204が底面保護フイルム208に組み合うのを防ぐのに役立つ。エンボス特徴構造210aおよび210bの重要な性質は、それらにより、積み重ねられた被覆ガラス板200の各対の間にエア・ポケット265(10〜500マイクロメートル、好ましくは、100マイクロメートル未満)が形成されることである。エア・ポケット265が存在することは重要である。何故ならば、エア・ポケット265によって、空気がエンボス特徴構造210aおよび210bの間を流動することができ、したがって、ある被覆ガラス板200を隣接する被覆ガラス板200から分離するのが容易になる。容器250は、多数の被覆ガラス板200を垂直に配置するように用いられるものとしてここに記載されているが、被覆ガラス板200は、水平位置または斜めの位置を含む様々な位置で(図1D、3Dおよび4D参照)互いに隣接して配置することができるのが理解されよう。
【0011】
図3A〜3Cを参照すると、本発明の第3の実施の形態による被覆ガラス板300の側面図、正面図および下面図がそれぞれ示されている。被覆ガラス板300は、除去可能な頂面保護フイルム304(例えば、軟質ポリマー・フイルム304、高密度ポリエチレン・フイルム304または他のポリオレフィン・フイルム304)で被覆された頂面302および除去可能な底面保護フイルム308(例えば、低密度ポリエチレン・フイルム308または他のポリオレフィン・フイルム308)で被覆された底面306を有するガラス板301を有してなる。頂面保護フイルム304は、その中にエンボス特徴構造310a(例えば、模様付き特徴構造310a、または粗い特徴構造310a)を有する表面を少なくとも1つ有する。同様に、底面保護フイルム308は、その中にエンボス特徴構造310b(例えば、模様付き特徴構造310b、または粗い特徴構造310b)を有する表面を少なくとも1つ有する。図示したように、エンボス特徴構造310aおよび310bは、一般的に隆起部または膨らみであるが、チャンネルなどのどのようなタイプの形状または構造を有していても差し支えない。エンボス特徴構造310aおよび310bは、押出注型法、共押出注型法または他のフイルム・エンボス加工法の最中に彫刻ロールを使用することによって、頂面保護フイルム304および底面保護フイルム308内に形成してもよい。中にエンボス特徴構造310aおよび310bが形成されてなる頂面保護フイルム304および底面保護フイルム308を使用してガラス板301を保護することの利点を、図3Dを参照して、以下に説明する。
【0012】
図3Dを参照すると、多数の被覆ガラス板300を積み重ねて保持できる典型的な容器350の斜視図が示されている。容器350は、第1の側部352(例えば、ドア352)、反対の第2の側部354、2つのさらに別の側部356と358、頂面360および底面362を含む。容器350は、いくつの被覆ガラス板300を保管するようなサイズであっても差し支えない。被覆ガラス板300は、あるガラス板300の頂面保護フイルム304が、別のガラス板300の底面保護フイルム308に隣接するように、容器350の内部で互いに積み重ねられているまたは隣接して配置されている。図示されているように、頂面保護フイルム304のエンボス特徴構造310aは、底面保護フイルム308のエンボス特徴構造310bとはわずかに異なる位置または角度で配置されている(図3Bおよび3C参照)。エンボス特徴構造310aおよび310bの形状のこの違いは、頂面保護フイルム304が底面保護フイルム308に組み合うのを防ぐのに役立つ。エンボス特徴構造310aおよび310bの重要な性質は、それらにより、積み重ねられた被覆ガラス板300の各対の間にエア・ポケット365(10〜500マイクロメートル、好ましくは、100マイクロメートル未満)が形成されることである。エア・ポケット365が存在することは重要である。何故ならば、エア・ポケット365によって、空気がエンボス特徴構造310aおよび310bの間を流動することができ、したがって、ある被覆ガラス板300を隣接する被覆ガラス板300から分離するのが容易になる。容器350は、多数の被覆ガラス板300を垂直に配置するように用いられるものとしてここに記載されているが、被覆ガラス板300は、水平位置または斜めの位置を含む様々な位置で(図1D、2Dおよび4D参照)互いに隣接して配置することができるのが理解されよう。
【0013】
図4A〜4Cを参照すると、本発明の第4の実施の形態による被覆ガラス板400の側面図、正面図および下面図がそれぞれ示されている。被覆ガラス板400は、除去可能な頂面保護フイルム404で被覆された頂面402および除去可能な底面保護フイルム408で被覆された底面406を有するガラス板401を有してなる。頂面保護フイルム404は、滑らかな層405aおよび粗い層405bを有する多層構造体である。粗い層405bはエンボス特徴構造410を有する。ある実施の形態において、滑らかな層405aはポリマー・フイルムであり、粗い層405bは不織布、織物または紙である。この実施例において、頂面保護フイルム404は、滑らかな層405aを注型しながら、滑らかな層405a(例えば、ポリマー・フイルム)上に粗い層405b(例えば、不織布、織物、紙)を供給し、施用することによって製造することができる。もしくは、頂面保護フイルム404は、接着剤または熱処理法を使用することによって、二枚のポリマー・フイルムを貼り合わせることによって製造しても差し支えない。底面保護フイルム408(例えば、低密度ポリエチレン・フイルム408または他のポリオレフィン・フイルム408)の両面にはエンボス特徴構造410が成形されていなくても差し支えない(図示されているように)。もしくは、底面保護フイルム408(例えば、低密度ポリエチレン・フイルム408または他のポリオレフィン・フイルム408)の両面にエンボス特徴構造410が形成されていても差し支えない(図示せず)。あるいは、底面保護フイルム408は、滑らかな層および粗い層を有する多層構造を有していても差し支えない(図示せず)。滑らかな層405aおよび粗い層405bを有する頂面保護フイルム404を使用してガラス板401を保護することの利点を、図4Dを参照して、以下に説明する。
【0014】
図4Dを参照すると、多数の被覆ガラス板400を積み重ねて保持できる典型的な容器450の斜視図が示されている。容器450は、第1の側部452(例えば、ドア452)、反対の第2の側部454、2つのさらに別の側部456と458、頂面460および底面462を含む。容器450は、いくつの被覆ガラス板400を保管するようなサイズであっても差し支えない。被覆ガラス板400は、あるガラス板400の頂面保護フイルム404が、別のガラス板400の底面保護フイルム408に隣接するように、容器450の内部で互いに積み重ねられているまたは隣接して配置されている。頂面保護フイルム404は、積み重ねられた被覆ガラス板400の各対の間にエア・ポケット465を形成する粗い層405bを有する。エア・ポケット465が存在することは重要である。何故ならば、エア・ポケット465によって、空気が粗い層405b中のエンボス特徴構造410の間を流動することができ、したがって、ある被覆ガラス板400を隣接する被覆ガラス板400から分離するのが容易になる。容器450は、多数の被覆ガラス板400を水平に積み重ねるように用いられるものとしてここに記載されているが、被覆ガラス板400は、垂直位置または斜めの位置を含む様々な位置で(図1D、2Dおよび3D参照)互いに隣接して配置することができることが理解されよう。
【0015】
図5を参照すると、本発明による複数のガラス板を包装する方法500における基本工程を説明する流れ図が示されている。明らかにするために、方法500は、被覆ガラス板100の第1の実施の形態(図1A〜1D参照)の使用に関して以下に説明する。しかしながら、方法500は、被覆ガラス板200,300および400の他の実施の形態(図2〜4参照)を使用して行っても差し支えないことが理解されよう。工程502で始めると、各ガラス板101は、除去可能な頂面保護フイルム104(例えば、軟質ポリマー・フイルム104、高密度ポリエチレン・フイルム104または他のポリオレフィン・フイルム104)で被覆された頂面102を有する。工程504で、各ガラス板101は、除去可能な底面保護フイルム108(例えば、低密度ポリエチレン・フイルム108または他のポリオレフィン・フイルム108)で被覆された底面106を有する(図1A〜1C参照)。工程502および504を同時に行っても差し支えないことが認識されよう。工程506で、被覆ガラス板100は、あるガラス板100の頂面保護フイルム104が、別のガラス板100の底面保護フイルム108に隣接するように、容器150の内部で互いに積み重ねられているまたは隣接して配置されている。上述したように、頂面保護フイルム104および/または底面保護フイルム108はその中に形成されたエンボス特徴構造110(例えば、粗い特徴構造110)を有する。それらにより、積み重ねられた被覆ガラス板100間に配置されたエンボス特徴構造110によってエア・ポケット165が生じるために、ある被覆ガラス板100を別の被覆ガラス板100から分離するのが容易になる。
【0016】
以下に、本発明の被覆ガラス板100,200,300および400並びに方法500の利点および特徴のいくつかを挙げる:
本発明により、ガラス板の被覆/包装段階での被覆および包装の操作の複雑さが著しく減少し、荷下ろし段階での包装を解く操作の複雑さも減少する。従来の被覆/包装段階には2つの操作が含まれた:(1)ガラス板上への表面保護フイルムの配置、および(2)被覆ガラス板上への紙のインタリーバを敷くこと。本発明によって、被覆/包装段階において、被覆ガラス板上への紙のインタリーバを敷く工程を排除できる。本発明により、包装を解く段階において紙のインタリーバを取り除く必要がなくなる。それゆえ、本発明によって、被覆ガラス板の間に紙のインタリーバを敷き、それをそこから取り除くことに関する労力と資本コストが排除される。
【0017】
容器150,250,350および450は、様々な構造を有することができ、いくつのガラス板も保持できる。例えば、容器150,250,350および450は、未完成の被覆ガラス板を300〜500枚、完成したガラス板を20〜30枚収容できる。完成したガラス板は一般に、以下の寸法を有する:
○ 第3世代ガラス−550×650〜590×670(mm)
○ 第4世代ガラス−680×880〜730×920(mm)
○ 第5世代ガラス−1000×1200〜1200×1300(mm)
○ 第6世代ガラス−1500×1820(mm)
○ 第7世代ガラス−1680×1820(mm)
【0018】
ガラス板/ガラス基板は、例えば、LCDガラス基板、ガラス・ブランク、プラズマ・ガラス基板、蛍光表示管ガラス基板、サーマルヘッド・ガラス基板またはカラーフィルタを含むどのようなタイプの板であっても差し支えない。また、LCDガラス基板は、追加の機能性、例えば、非晶質シリコン層または多結晶シリコン層を有していてもよい。
【0019】
頂面/底面保護フイルムを製造するのに二層または多層の異なるフイルムを貼り合わせるために使用できる加工方法が数多くあることが認識されよう。例えば、頂面/底面保護フイルムは、これらのフイルムを加熱ロール(エンボス・ロールであっても差し支えない)の間に供給することにより、またはこれらのフイルムを加圧ロール(エンボス・ロールであっても差し支えない)に供給する前に層の上に接着剤を塗布することにより、多数のフイルムを貼り合わせることによって製造できる。他の方法としては、異なるポリマー樹脂を溶融押出しし、フイルムの幾何学形状を形成する押出ダイを通してロール(エンボス・ロールであっても差し支えない)またはスチールベルト(エンボス・ロールであっても差し支えない)上に注型することのできる多層押出注型法が挙げられる。
【0020】
頂面/底面保護フイルムは、掻き傷、歪み、汚れおよび他の汚染物によりガラス板の表面が損傷を受けるのを防ぐような様式でガラス板を保護することも認識されよう。
【0021】
頂面/底面保護フイルムの外層は、ガラス板と接触する層よりも硬い表面(高いモジュラスまたは高い剛性)を有することができるのが理解されよう。エンボス特徴構造に加えてより硬い外層により、被覆ガラス板を分離するのが容易になる。
【0022】
本発明の実施の形態のいくつかを、添付の図面に示し、先の詳細な説明に記載してきたが、本発明は、開示された実施の形態には制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲により定義された本発明の範囲から逸脱せずに、様々な構成、改変および置換を行えることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の第1の実施の形態による被覆ガラス板の側面図
【図1B】本発明の第1の実施の形態による被覆ガラス板の正面図
【図1C】本発明の第1の実施の形態による被覆ガラス板の下面図
【図1D】図1A〜1Cに示した一組の被覆ガラス板を保持できる典型的な容器の斜視図
【図2A】本発明の第2の実施の形態による被覆ガラス板の側面図
【図2B】本発明の第2の実施の形態による被覆ガラス板の正面図
【図2C】本発明の第2の実施の形態による被覆ガラス板の下面図
【図2D】図2A〜2Cに示した一組の被覆ガラス板を保持できる典型的な容器の斜視図
【図3A】本発明の第3の実施の形態による被覆ガラス板の側面図
【図3B】本発明の第3の実施の形態による被覆ガラス板の正面図
【図3C】本発明の第3の実施の形態による被覆ガラス板の下面図
【図3D】図3A〜3Cに示した一組の被覆ガラス板を保持できる典型的な容器の斜視図
【図4A】本発明の第4の実施の形態による被覆ガラス板の側面図
【図4B】本発明の第4の実施の形態による被覆ガラス板の正面図
【図4C】本発明の第4の実施の形態による被覆ガラス板の下面図
【図4D】図4A〜4Cに示した一組の被覆ガラス板を保持できる典型的な容器の斜視図
【図5】本発明によるガラス板を複数包装する方法における基本工程を示す流れ図
【符号の説明】
【0024】
100,200,300,400 被覆ガラス板
101,201,301,401 ガラス板
104,204,304,404 頂面保護フイルム
108,208,308,408 底面保護フイルム
110,210a,210b,310a,310b エンボス特徴構造
150,250,350,450 容器
165,265,365,465 エア・ポケット
405a 滑らかな層
405b 粗い層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除去可能な頂面保護フイルムで被覆された頂面、および
除去可能な底面保護フイルムで被覆された底面、
を有するガラス板であって、
前記頂面保護フイルムおよび底面保護フイルムの少なくとも一方がその中にエンボス特徴構造を有することを特徴とするガラス板。
【請求項2】
前記頂面保護フイルムがエンボス特徴構造を有し、前記底面保護フイルムはエンボス特徴構造を有さないことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記頂面保護フイルムが、滑らかな層および粗い層を有する多層構造体であることを特徴とする請求項2記載のガラス板。
【請求項4】
前記滑らかな層がポリマー・フイルムであり、前記粗い層が布または紙の層であることを特徴とする請求項3記載のガラス板。
【請求項5】
前記滑らかな層が、前記粗い層の剛性率よりも低い剛性率を有することを特徴とする請求項3記載のガラス板。
【請求項6】
前記頂面保護フイルムがエンボス特徴構造を有し、前記底面保護フイルムもエンボス特徴構造を有することを特徴とする請求項1記載のガラス板。
【請求項7】
前記頂面保護フイルムのエンボス特徴構造が、前記底面保護フイルムのエンボス特徴構造とは異なる形状を有するまたは異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項6記載のガラス板。
【請求項8】
前記頂面保護フイルムまたは前記底面保護フイルムの少なくとも一方が、滑らかな層および粗い層を有する多層構造体であることを特徴とする請求項6記載のガラス板。
【請求項9】
前記滑らかな層がポリマー・フイルムであり、前記粗い層が布または紙の層であることを特徴とする請求項8記載のガラス板。
【請求項10】
前記滑らかな層が、前記粗い層の剛性率よりも低い剛性率を有することを特徴とする請求項8記載のガラス板。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−504084(P2007−504084A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525364(P2006−525364)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/027727
【国際公開番号】WO2005/026066
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】