説明

キサンチンホスホジエステラーゼVインヒビター

【課題】有利な治療特性を有する、多環式キサンチンPDE Vインヒビターを提供すること。
【解決手段】キサンチンホスホジエステラーゼVインヒビターは、式(I)を有し、ここで、Rは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルケニル基、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、3員〜15員のヘテロシクロアルキル基であり、このキサンチンホスホジエステラーゼVインヒビターは、男性(勃起性)および女性の性的機能不全および他の生理学的障害を処置するために有用である。例えば、本発明の例示的な化合物は、式(II)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、多環式ヌクレオチドキサンチンホスホジエステラーゼVインヒビターに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
ホスホジエステラーゼ「(PDE)」Vインヒビター化合物は、Kenneth J.Murrayによって、Phosphodiesterase V Inhibitors,DN & P 6(3),150−156頁(1993年4月)(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)において、多数の生理学的障害に対して潜在的な治療的価値を有すると記載されている。Murrayの文献に開示される1つの化合物は、MIMAX(8位において−NHCH基で置換された、多環式キサンチンPDE Vインヒビター)である。
【0003】
特許文献1(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)は、他の可能性のうちでもとりわけ、8位において以下の基の1つで置換された、一連のキサンチンPDE Vインヒビターを開示する:−NO、−NRまたは−NRSO(ここで、RおよびRは、互いに独立して、各々水素原子またはアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、これらの両方が結合している窒素原子と一緒になって、フタルアミド基を形成し、Rは、アルキル基またはアリール基であり、そしてRは、水素原子または−SOであり、ここでRは、アルキル基またはアリール基である)。
【0004】
特許文献2(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)は、8位に置換または非置換の−NH基(例えば、−NHRであり、ここでRは、C〜Cアルキル基である)を有するキサンチンPDE Vインヒビターを開示する。
【0005】
特許文献3(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)は、8位において−NH(CHCH(CHORで置換された、キサンチンPDE Vインヒビターを開示する。
【0006】
特許文献4(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)は、8位において−NHCOCCOOHで置換された、8−アシルアミノキサンチンPDE Vインヒビターを開示する。
【0007】
特許文献5(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)は、8位において−NHまたは−NHR(ここで、Rは、アルキル基、アリールアルキル基または不飽和複素環式基(例えば、ヘテロアリール基))で置換された、8−アミノキサンチンPDE Vインヒビターを開示する。
【0008】
特定のPDE Vインヒビターは、特定の適応症に対して有用であることが見出された。例えば、不能症を処置するためのPDE Vインヒビターの使用は、クエン酸シルデナフィル(sildenafil citrate)(Viagra(登録商標)(Pfizer,NY,NY)としてよりよく知られている)の導入により、商業的に成功した。Viagra(登録商標)の化学および使用は、その勃起性機能不全の処置における作用の機構を含めて、特許文献6(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に教示されている。勃起性機能不全を処置するために有用な、さらなるPDE Vインヒビターは、特許文献7(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に開示されている。
【0009】
勃起性機能不全は、処置可能であり、そして高度に認識された健康上の関心事であり、合衆国において3千万人を超える男性(4人に1人は65歳を超える)に影響を与えている。勃起性機能不全は、男性が一貫して、性交を行うための十分な勃起を維持し得ない場合に起こる。過去において、生理学的な理由が、勃起性機能不全に対する最も通常の説明であったか、または加齢の自然な部分であるとみなされた。しかし、今日の研究者は、勃起性機能不全の症例の70%より多くが、身体的問題または医学的問題に起因することを認めている。勃起性機能不全に寄与し得るいくつかの要因が存在し、これらとしては、以下が挙げられる:・乏しい血液循環 − 動脈のアテローム性動脈硬化症または硬化、高血圧および高コレステロール。
・神経学的障害 − 多発性硬化症、アルツハイマー病およびパーキンソン病。・ホルモンの不均等 − 糖尿病、甲状腺障害および低いテストステロンレベル。
・外傷 − 脊髄損傷、前立腺手術または骨盤領域に対する他の外傷。
・処方箋、および医師の処方戦によらない投薬 − 血圧への薬物適用、抗うつ薬および特定の薬物の組み合わせ。
・ライフスタイルにおける嗜好 − 喫煙、アルコール乱用および違法な薬物の使用。
【0010】
特許文献8および特許文献9(これらの両方は、その全体が本明細書中に参考として援用される)は、心臓血管および肺の障害の処置のために有用な、多環式グアニンPDE V誘導体を開示する。
【0011】
上記で引用した代表的な技術によって示されたように、特定のキサンチン/グアニンPDE Vインヒビターは、心臓血管および肺の障害を処置するために有用であることが見出されたが、いくつかの他のものは、不能症を処置するために有用であることが見出された。特定のキサンチンPDE Vインヒビターは、8位において、種々の基(ニトロ基および非置換または置換のアミノ基が挙げられる)によって置換され得ることが、さらに示された。置換されたアミノ基としては、飽和複素環が挙げられ、ここで、窒素原子およびその置換基が一緒になって、不飽和複素環式基を形成する(例えば、−NRが複素環を形成し得る)。
【特許文献1】米国特許第5,409,934号明細書
【特許文献2】米国特許第5,470,579号明細書
【特許文献3】国際公開第93/23401号パンフレット
【特許文献4】国際公開92/05176号パンフレット
【特許文献5】国際公開92/05175号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第0702555号明細書
【特許文献7】国際公開99/24433号パンフレット
【特許文献8】米国特許第5,939,419号明細書
【特許文献9】米国特許第5,393,755号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの課題は、有利な治療特性を有する、多環式キサンチンPDE Vインヒビターを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる課題は、特に有用な薬理学的特性を有する、多環式キサンチンPDE Vインヒビターを提供することである。
【0014】
本発明のなお別の課題は、良好な代謝安定性を有する、多環式キサンチンPDE Vインヒビターを提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の課題は、PDE Vが役割を果たす種々の生理学的症状および疾患を処置するために有効な、多環式キサンチンPDE Vインヒビターを提供することである。
【0016】
勃起機能障害を最小の副作用で処置するために特に有用な、多環式キサンチンPDE Vインヒビターを提供することもまた、本発明の課題である。
【0017】
本発明のこれらおよび他の課題は、説明が進行するにつれて、明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体および/またはそれらのプロドラッグ、あるいはそれらの薬学的組成物を含む化合物であって、該化合物は、以下の式(I):
【化1】

を有し、ここで、
(a)RおよびRは、互いに独立して、各々1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC1〜15アルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC2〜15アルケニル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC2〜15アルキニル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリールアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリール基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないヘテロアリール基、−OR、−COOR、−C(O)R、あるいは−C(O)N(Rであって、ここで、Rは、水素原子または1つ以上の置換基を有するかもしくは有さない炭化水素基であるか、あるいは、RおよびRのうちの一方が、水素原子であり、そしてRおよびRのうちの他方が、上記と同様に定義されており;
(b)Rは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリール基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないヘテロアリール基、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、5員または6員のアリール環に縮合した1〜3個のヘテロ原子を有する複素環式基であり、但し、Rが、そのパラ位でY−アリール基で置換されたアリール基ではなく、ここで、Yは、炭素−炭素単結合、−CO−、−O−、−S−、−N(R21)−、−CON(R22)−、−N(R22)CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−NHC(R23)(R24)−、−NR23SO−、−SONR23−、−(R23)(R24)NH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CHCH−、−CFCF−、
【化2】

であり、ここで、
21は、水素原子、または−CO(C1〜4アルキル)、C1〜6アルキル、アリル、C3〜6シクロアルキル、フェニルもしくはベンジル基であり;
22は、水素原子またはC1〜6アルキル基であり;
23は、水素原子、またはC1〜5アルキル、アリールもしくは−CH−アリール基であり;
24は、水素原子またはC1〜4アルキル基であり;
25は、水素原子、またはC1〜8アルキル、C1〜8ペルフルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、フェニルもしくはベンジル基であり;
26は、水素原子、またはC1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、フェニルもしくはベンジル基であり;
27は、−NR2324、−OR24、−NHCONH、−NHCSNH
【化3】

であり、そして、
28およびR29は、互いに独立して、各々C1〜4アルキル基であるか、または互いが一緒になって−(CH基であり、ここでqは、2もしくは3であり;そして、
(c)Rは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルケニル基、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、3員〜15員のヘテロシクロアルキル基であり;
ここで、全ての基に対する1つ以上の置換基は、化学的に適合性であり、そして、互いに独立して、各々:アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、アミノアルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、モノ−、ジ−およびトリハロアルキル、モノ−、ジ−およびトリハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、オキシイミノ、−COOR50、−COR50、−SO0〜250、−SONR5051、NR52SO50、=C(R5051)、=N−OR50、=N−CN、=C(ハロ)、=S、=O、−CON(R5051)、−OCOR50、−OCON(R5051)、−N(R52)CO(R50)、−N(R52)COOR50または−N(R52)CON(R5051)基であり、ここで;
50、R51およびR52は、互いに独立して、各々、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換されたC1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、C4〜6ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基もしくはアリール基であるか、あるいはR50およびR51は、一緒に結合して炭素環式環系または複素環式環系を形成するか、あるいはR50、R51およびR52は、互いに独立して、各々:
【化4】

であり、ここで、
40およびR41は、互いに独立して、各々、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ、アリール、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アミノアルキル、ハロアルキル、モノ−、ジ−もしくはトリハロアルキル、モノ−、ジ−もしくはトリハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィノ、ホスフェート、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルチオ、トリアルキルシリル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、モルホリノ、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、オキシイミノ、−COOR50、−COR50、−SO0〜250、−SONR5051、−NR52SO50、−CON(R5051)、−OCON(R5051)、−N(R52)CO(R50)、−N(R52)COOR50、−N(R52)CON(R5051)もしくは−OCONR50基であり、ここで、R50、R51およびR52は、上記と同様に定義されており;
42は、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換されたアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基もしくはアシル基であり;そして、
43は、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換されたアルキル基もしくはアリール基であり;
ここで、該必要に応じた置換基は、該1つ以上の置換基についての上記のものと同様に定義されている、化合物。
(項目2)Rが、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、アルキル基またはアリール基である、項目1に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目3)Rが、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアルキル基である、項目1に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目4)Rが、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリール基である、項目1に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目5)Rが、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基である、項目1に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目6)項目1に記載の化合物または薬学的組成物であって、ここで、Rは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、アルキル基またはアリール基であり、Rは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアルキル基であり、そして、Rは、4−ヒドロキシフェニル、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ブロモ−4−メトキシフェニル、4−アミノスルホニルフェニル、3−クロロ−4−アミノスルホニルフェニル、または3−ブロモ−4−アミノスルホニルフェニル基である、化合物または薬学的組成物。
(項目7)以下:
【化5】

である、項目1に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目8)項目1に記載の化合物または薬学的組成物であって、ここで、Rは、以下:
【化6】

であり、ここで、
、RおよびRは、互いに独立して、各々、式(I)の化合物についての上記のものと同様に定義されており;
は、水素原子、または必要に応じて置換されたオキシイミノ、カルボキシアルキル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、アリールオキシC1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシC1〜6アルキル、ヘテロアリールオキシC1〜6アルキル、−COOH、エステル、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C3〜6複素環式基、ヒドロキシC1〜6アルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり; R10およびR11は、該環の同じかまたは異なる炭素原子で置換されており、そして、互いに独立して、各々:
(a)Rについての上記のものと同様に定義されるか;
(b)ヒドロキシ基または以下の(i)〜(iv)とのヒドロキシ基に由来するエステル基:(i)C1〜6カルボン酸;(ii)C3〜6シクロアルキルC1〜6カルボン酸;(iii)アリールC1〜6カルボン酸;もしくは(iv)ヘテロアリールC1〜6カルボン酸基であるか;あるいは、
(c)1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、C1〜6アルコキシ、アミノ、C1〜6モノ−もしくはジアルキルアミノ、C1〜6アルキルアシルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノまたは−NHCON(R14基であり、ここで、R14は、水素原子、または必要に応じて置換されたアルキル基もしくはアリール基であるか、あるいは、
10およびR11は、互いに、かつ必要に応じて、該環の1つ以上の炭素原子および/またはヘテロ原子が一緒になって、8員〜12員を有する、必要に応じて置換された、スピロまたは直線的に縮合された、二環式環系または三環式環系を形成し、該系は、0〜4個のヘテロ原子を含み;
mおよびnは、互いに独立して、各々1〜3であり;そして、
Xは、化学的に適合性の基であり、該基は、−C(R1011)−、−S(O)、−O−、−N(R60)−であり、ここで:
10およびR11は、上記と同様に定義されており;
yは、0〜2であり;そして、
60は、水素原子、または必要に応じて置換された、C1〜8アルキル、C1〜8アルキニル、C1〜8アルケニル、C3〜8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C4〜8ヘテロシクロアルキル、COR61、SO61、COOR61、CONR6162もしくはSONR6162基であり、ここで:
61は、水素原子、または必要に応じて置換されたC1〜8アルキル、C2〜8アルキニル、C2〜8アルケニル、C3〜8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはC4〜8複素環式基であり;そして、
62は、水素原子、または必要に応じて置換されたC1〜8アルキル、C2〜8アルキニル、C2〜8アルケニル、C3〜8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくはC4〜8複素環式基であり;そして、
61およびR62が、同じかまたは異なるアルキル基の場合、これらは、必要に応じて一緒になって、炭素環式環系または複素環式環系を形成し;
ここで、任意の置換基は、上記式(I)の1つ以上の置換基についてと同様に定義されている、化合物または薬学的組成物。
(項目9)項目8に記載の化合物または薬学的組成物であって、ここで、Rは、必要に応じて置換された、ヒドロキシアリール基、アルコキシアリール基またはアミノスルホニルアリール基であり、ここで、該必要に応じた置換基は、上記式(I)の1つ以上の置換基についてと同様に定義されている、化合物または薬学的組成物。
(項目10)患者の生理学的障害、症状または疾患を処置するための項目1に記載の化合物または薬学的組成物であって、ここで、該生理学的障害、症状または疾患が、尿生殖器、心臓血管、脳血管、末梢血管、狭心症、高血圧症、血管形成後の再狭窄、動脈血管内膜切除、ステント導入、脳卒中、気道、アトピーに関連したアレルギー、肺高血圧症、虚血性心臓、グルコース寛容減損、糖尿病およびそれに関連した合併症、インスリン抵抗性症候群、高血糖症、多嚢胞卵巣症候群、糸球体、腎不全、腎炎、尿細管間隙、自己免疫、緑内障、腸運動、悪液質または癌である、化合物または薬学的組成物。
(項目11)前記生理学的障害が尿生殖器障害である、項目10に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目12)前記尿生殖器障害が勃起性機能不全である、項目11に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目13)cGMPレベルを増大させる処置の必要な患者において、cGMPレベルを増大させるための、項目1に記載の化合物または薬学的組成物。
(項目14)勃起性機能不全の処置が必要な患者において、勃起性機能不全を処置するためのキットであって、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物または薬学的組成物を含有し、ここで、該患者が、ニトレートを供与する薬学的組成物で処置された、処置されている、そして/または処置される予定である、キット。
(項目15)勃起性機能不全および/または別の症状、疾患もしくは障害の処置が必要な患者において、勃起性機能不全および/または別の症状、疾患もしくは障害を、該患者に併用療法を施すことによって処置するためのキットであって、該キットは、有効量の項目1に記載の少なくとも1つの化合物または薬学的組成物、ならびに、以下:プロスタノイド、α−アドレナリン作用性レセプター、ドーパミンレセプターアゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、エンドセリンレセプターアンタゴニスト、エンドセリン変換酵素インヒビター、アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素インヒビター、中立メタロエンドペプチダーゼインヒビター、レニンインヒビター、セロトニン5−HT2cレセプターアゴニスト、侵害性レセプターアゴニスト、ローキナーゼインヒビター、カリウムチャネルモジュレーター、および多剤耐性プロテイン5インヒビターからなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する、キット。
(項目16)式(I)を有する化合物を生成するための方法であって、以下:
(i)塩基の存在下でハロゲン化アルキルと、式(III)を有する化合物を反応させて、式(IV)を有する化合物を形成する工程:
【化7】


であり、
ここで、
(a)Rは、水素原子あるいは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC1〜15アルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC2〜15アルケニル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC2〜15アルキニル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリールアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリール基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないヘテロアリール基、−OR、−COOR、−C(O)Rまたは−C(O)N(Rであり、ここで、Rは、水素原子、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖の炭化炭素基であり;
(b)Lは、Rであるか、またはRの保護形態であり;そして、
(c)Phは、フェニル基である、工程;
(ii)式(IV)を有する化合物を脱ベンジル化し、次いで式XCHを有するハロゲン化アルキルでアルキル化して、式(V)を有する化合物を形成する工程:
【化8】


であり、
ここで、
Xは、ハロゲン原子であり、そして、
は、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリール基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないヘテロアリール基、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、5員または6員のアリール環に縮合した1〜3個のヘテロ原子を有する複素環式基であり、但しRが、そのパラ位で、Y−アリール基によって置換されたアリール基ではなく、ここで、Yは、炭素−炭素単結合、−CO−、−O−、−S−、−N(R21)−、−CON(R22)−、−N(R22)CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−NHC(R23)(R24)−、−NR23SO−、−SONR23−、−C(R23)(R24)NH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CHCH−、−CFCF−、
【化9】


であり、ここで、
21は、水素原子、または−CO(C1〜4アルキル)、C1〜6アルキル、アリル、C3〜6シクロアルキル、フェニルもしくはベンジル基であり;
22は、水素原子、またはC1〜6アルキル基であり;
23は、水素原子、またはC1〜5アルキル、アリールもしくは−CH−アリール基であり;
24は、水素原子、またはC1〜4アルキル基であり;
25は、水素原子、またはC1〜8アルキル、C1〜8ペルフルオロアルキル;C3〜6シクロアルキル、フェニルもしくはベンジル基であり;
26は、水素原子、またはC1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、フェニルもしくはベンジル基であり;
27は、−NR2324、−OR24、−NHCONH、−NHCSNH
【化10】


であり、そして、
28およびR29は、互いに独立して、各々、C1〜4アルキル基であるか、またはR28およびR29は、互いに一緒になって、−(CH基であり、ここで、qは、2または3であり;
ここで、R21〜R29は、必要に応じて、1つ以上の置換基で置換されている、工程;ならびに、
(iii)式(V)を有する化合物を脱プロトン化し、次いでハロゲン化して、式(VI)を有する化合物を形成する工程:
【化11】


であり、
ここで、
Halは、ハロゲン原子である、工程;
(iv)式(VI)を有する化合物を、式RNHを有するアミンと反応させて、式(VII)を有する化合物を形成する工程:
【化12】


であり、
ここで、
は、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルケニル基、あるいは、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、3員〜15員のヘテロシクロアルキル基である、工程;ならびに、
(v)式(VII)を有する化合物上の、L(ここで、Lは、Rの保護形態である)の保護部分を除去して、以下の式(I):
【化13】


を有する化合物を形成する工程であり、
ここで、
は、上記Rと同様に定義され、但し、RおよびRの少なくとも1つは水素原子ではなく;
ここで、全ての基に対する1つ以上の置換基は、化学的に適合性であり、そして、互いに独立して、各々:アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、アミノアルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、モノ−、ジ−およびトリハロアルキル、モノ−、ジ−およびトリハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、オキシイミノ、−COOR50、−COR50、−SO0〜250、−SONR5051、NR52SO50、=C(R5051)、=N−OR50、=N−CN、=C(ハロ)、=S、=O、−CON(R5051)、−OCOR50、−OCON(R5051)、−N(R52)CO(R50)、−N(R52)COOR50または−N(R52)CON(R5051)基であり、ここで:
50、R51およびR52は、互いに独立して、各々、水素原子、またはC1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C4〜6ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリール基であるか、あるいは、R50およびR51は一緒に結合して、炭素環式環系または複素環式環系を形成するか、あるいはR50、R51およびR52は、互いに独立して、各々:
【化14】


であり、ここで、
40およびR41は、互いに独立して、各々、水素原子、またはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ、アリール、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アミノアルキル、ハロアルキル、モノ−、ジ−もしくはトリハロアルキル、モノ−、ジ−もしくはトリハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィノ、ホスフェート、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルキルチオ、トリアルキルシリル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、モルホリノ、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、オキシイミノ、−COOR50、−COR50、−SO0〜250、−SONR5051、−NR52SO50、−CON(R5051)、−OCON(R5051)、−N(R52)CO(R50)、−N(R52)COOR50、−N(R52)CON(R5051)または−OCONR50基であり、ここで、R50、R51およびR52は、上記と同様に定義されており;
42は、水素原子、またはアルキル、アルケニル、アリールアルキルもしくはアシル基であり;そして、
43は、水素原子、またはアルキル基もしくはアリール基であり;
ここで、R40〜R43、およびR50〜R52は、互いに独立して、各々必要に応じて、1つ以上の置換基について上記で定義されたいずれか1つの基で置換されている、工程、
を包含する、方法。
【0019】
(用語の定義および使用)
以下の定義および用語が、本明細書中で使用されるか、またはそうでなければ当業者に公知である。他に言及しない場合を除いて、以下の定義は、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって適用される。これらの定義は、他に示されない限り、ある用語がそれ自体で使用されるか、他の用語と組み合わせて使用されるかにかかわらず、適用される。従って、「アルキル」の定義は、「アルキル」および「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」などの「アルキル」部分に適用される。
【0020】
用語「化学的に適合性」とは、本明細書中で使用される場合、構造、プロセスなどにおける置換基または変数が、安定な化合物を生じ得るように選択されることを意味する。
【0021】
用語「置換(された)」または語句「1つ以上の置換基で」とは、本明細書中で使用される場合、所定の構造における1つ以上の原子または基(通常、水素原子)の、詳述された基から選択される化学的に適合性の原子または基での置換を意味する。1つより多くの原子または基が、同じ詳述された基から選択される置換基で置換され得る状況においては、これらの置換基は、他に詳述しない限り、全ての位置において同一かまたは異なるかのいずれかであり得る。詳述される基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基)のラジカルは、他に逆のように公知であるか、言及されるかまたは示されるかしない限り、互いに独立してかまたは一緒に、任意の置換された基に対する置換基であり得る。
【0022】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクロアルキル基に対する代表的な置換基としては、以下の部分が挙げられるが、これらに限定されない:アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、アミノアルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびトリハロアルキル、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシおよびトリハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ(例えば、−Clおよび−Br)、ニトロ、オキシイミノ、−COOR50、−COR50、−SO0〜250、−SONR5051、NR52SO50、=C(R5051)、=N−OR50、=N−CN、=C(ハロ)、=S、=O、−CON(R5051)、−OCOR50、−OCON(R5051)、−N(R52)CO(R50)、−N(R52)COOR50および−N(R52)CON(R5051)、ここで:
50、R51およびR52は、独立して、以下から選択され得る:水素原子、および分枝鎖または直鎖の、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C4〜6ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリール基(置換基ありまたはなし)。許容される場合には、R50およびR51は、一緒に結合して、炭素環式環系または複素環式環系を形成し得る。R50、R51およびR52はまた、以下を含み得る:
【0023】
【化15】

ここで、
40およびR41は、互いに独立して、それぞれ、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換された、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ハロ基、アリール基、イミダゾリルアルキル基、インドリルアルキル基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロアリールアルコキシ基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、モノハロアルキル基、ジハロアルキル基もしくはトリハロアルキル基、モノハロアルコキシ基、ジハロアルコキシ基もしくはトリハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ホスフィノ基、ホスフェート基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ホルミル基、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、モルホリノ基、チオアルキル基、アルキルチオアルキル基、カルボキシアルキル基、オキシイミノ基、−COOR50基、−COR50基、−SO0〜250基、−SONR5051基、−NR52SO50基、−CON(R5051)基、−OCON(R5051)基、−N(R52)CO(R50)基、−N(R52)COOR50基、−N(R52)CON(R5051)基または−OCONR50基であり、ここで、R50、R51およびR52は、上記で定義されたとおりであり;
42は、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換された、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、もしくはアシル基であり;そして
43は、水素原子、または分枝鎖もしくは直鎖の、必要に応じて置換された、アルキル基もしくはアリール基であり;
ここで、必要に応じた置換基は、1つ以上の置換基に関する上記のものと同じに定義される。
【0024】
アリール基およびヘテロアリール基上の好ましい置換基としては、R40およびR41に関する定義において上に列挙した部分の任意のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
用語「ヘテロ原子」とは、本明細書中で使用される場合、窒素原子、硫黄原子、または酸素原子を意味する。同じ基における複数のヘテロ原子は、同じであっても異なっていてもよい。
【0026】
用語「炭化水素」とは、本明細書中で使用される場合、炭素原子および水素原子のみから構成される、化合物または基を意味し、脂肪族、芳香族、直鎖、飽和および不飽和の、炭化水素が挙げられる。
【0027】
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用される場合、非置換または置換の、直鎖または分枝鎖の、炭化水素鎖(すなわち、一緒に結合した炭素原子および水素原子を含む)であって、好ましくは1〜24個の炭素原子、より好ましくは1〜12個の炭素原子、そして最も好ましくは1〜8個の炭素原子を有する、炭化水素鎖を意味する。
【0028】
用語「シクロアルキル」または「シクロアルカン」とは、本明細書中で使用される場合、非置換または置換の、飽和の安定な、非芳香族炭素環式環であって、好ましくは3〜15個の炭素原子、より好ましくは3〜8個の炭素原子を有する、炭素環式環を意味する。炭素環の基は、飽和であり、そして1〜3個のシクロアルキル環、芳香族環、複素環式環もしくはヘテロ芳香族環と、縮合(例えば、ベンゾ縮合)し得る。シクロアルキルは、安定な構造を生じる任意の環内炭素原子において、結合し得る。好ましい炭素環は、5〜6個の炭素を有する。炭素環基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
【0029】
本明細書中で使用する場合、用語「アルケニル」とは、非置換または置換の、不飽和の、直鎖または分枝鎖の、炭化水素鎖であって、存在する少なくとも1つの二重結合、および好ましくは2〜15個の炭素原子、より好ましくは2〜12個の炭素原子を有する、炭化水素鎖を意味する。
【0030】
本明細書中で使用する場合、用語「シクロアルケニル」とは、非置換または置換の、飽和の炭素環式環であって、存在する少なくとも1つの二重結合、および3〜15個の炭素原子、より好ましくは5〜8個の炭素原子を有する、炭素環式環を意味する。シクロアルケニル基は、不飽和炭素環式環基である。シクロアルケニル基の例としては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0031】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキニル」とは、非置換または置換の、不飽和の、直鎖または分枝鎖の、炭化水素鎖であって、存在する少なくとも1つの三重結合、および好ましくは2〜12個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有する、炭化水素鎖を意味する。
【0032】
本明細書中で使用する場合、用語「ビシクロアルキル」とは、飽和の直鎖状の縮合炭素環式環または架橋炭素環式環であって、5〜12個の炭素原子を有する、炭素環式環を表す。
【0033】
本明細書中で使用する場合、用語「アリール」とは、置換または非置換の、芳香族の、単環式または二環式の炭素環式環系であって、1〜2個の芳香族環を有する、炭素環式環系を意味する。このアリール部分は、一般に、6〜14個の炭素原子を有し、このアリール部分の全ての利用可能な置換可能な炭素原子は、可能な結合点として意図される。代表的な例としては、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどが挙げられる。所望ならば、この炭素環式部分は、1〜5個、好ましくは1〜3個の部分(例えば、モノハロ〜ペンタハロ、アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ヒドロキシル、アルコキシ、フェノキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノなど)で置換され得る。
【0034】
本明細書中で使用する場合、用語「ヘテロアリール」とは、1個または2個の芳香族環、およびこの芳香族環中の少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含む、単環式環系または二環式環系を意味する。ヘテロアリール基(二環式ヘテロアリール基を含む)は、非置換であり得るか、あるいは複数の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1、2または3個の置換基(例えば、モノハロ〜ペンタハロ、アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノなど)で置換され得る。代表的には、ヘテロアリール基は、5原子もしくは6原子の環式基、9原子もしくは10原子の二環式基(これらの原子のうち少なくとも1つは炭素である)であって、芳香族特性を提供するのに十分な数のパイ(π)電子を有する炭素環式環に介在する少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有する環式基を表す。代表的なヘテロアリール(ヘテロ芳香族)基は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イソキサゾリル、1,3,5−トリアジニルおよびインドリル基である。
【0035】
本明細書中で使用する場合、用語「アリールアルキル」とは、必要に応じて置換されたアリール基またはヘテロアリール基で置換されたアルキル部分を意味する。代表的なアリールアルキル基としては、ベンジル基、および1つのアリール基を含む縮合二環式系が挙げられる。
【0036】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキルアリール」とは、必要に応じて置換されたアルキル基で置換されたアリール部分またはヘテロアリール部分を意味する。代表的なアルキルアリール基としては、o−、m−およびp−結合のトリル基およびキシリル基が挙げられる。
【0037】
別に明記するか示さない限り、目的の構造に対する、多重用語の置換基(単一の部分を同定するために組み合わせられる複数の用語)の結合点は、この多重用語の後側に記載された用語と考えられる。例えば、「アリールアルキル」置換基は、この置換基の「アルキル」部分を介して標的構造に結合する。逆に、置換基が、「アルキルアリール」である場合、これは、この置換基の「アリール」部分を介して標的構造に結合する。同様に、シクロアルキルアルキル置換基は、この置換基の後ろ側の「アルキル」部分を介して標的構造に結合する(例えば、構造−アルキル−シクロアルキル)。
【0038】
本明細書中で使用する場合、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、非置換または置換の、飽和環式環系であって、3〜15個のメンバー、好ましくは3〜8個のメンバーを有し、そしてこの環の一部として炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含む、環式環系を意味する。
【0039】
本明細書中で使用する場合、用語「複素環式環」または「複素環」とは、非置換または置換の、飽和、不飽和または芳香族の環であって、この環内の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子からなる環を意味する。複素環式環は、単環式または多環式であり得る。単環式環は、好ましくは、3〜8個の原子、最も好ましくは、5〜7個の原子を含む。2つの環からなる多環式環系は、好ましくは、6〜16個の原子、最も好ましくは、10〜12個の原子を含む。3つの環からなる多環式環系は、13〜17個の原子、最も好ましくは、14〜15個の原子を含む。各複素環式環は、少なくとも1つのヘテロ原子を有する。別に明記されない限り、このヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から独立して選択され得る。
【0040】
本明細書中で使用する場合、用語「炭素環式環」または「炭素環」とは、別に明記されない限り、非置換または置換の、飽和、不飽和または芳香族(例えば、アリール)の炭化水素環を意味する。炭素環は、単環式または多環式であり得る。単環式環は、好ましくは、3〜8個の原子、最も好ましくは、5〜7個の原子を含む。2個の環を有する多環式環は、6〜16個の原子、好ましくは、10〜12個の原子を含み、そして3個の環を有する多環式環は、好ましくは、13〜17個の原子、最も好ましくは、14〜15個の原子を含む。
【0041】
本明細書中で使用する場合、用語「アルコキシ」とは、炭化水素鎖(例えば、アルキル基またはアルケニル基)に結合した酸素原子を意味する(例えば、−O−アルキル、または−O−アルケニル)。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびイソプロピル基が挙げられる。
【0042】
本明細書中で使用する場合、用語「ヒドロキシアルキル」とは、少なくとも1つのヒドロキシ置換基(すなわち、−OH)を有する、置換炭化水素鎖、好ましくは、アルキル基を意味する。このアルキル基に対するさらなる置換基もまた存在し得る。代表的なヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、およびヒドロキシプロピル基が挙げられる。
【0043】
本明細書中で使用する場合、用語「カルボキシアルキル」とは、カルボキシル置換基(例えば、−COOH)を有し、さらなる置換基(例えば、用語「置換された」について上で特定された代表的な置換基の1つ)もまた有し得る、置換炭化水素鎖、好ましくは置換アルキル基を意味する。代表的なカルボキシアルキル基としては、カルボキシメチル基(−CHCOH)、およびカルボキシエチル基(−CHCHCOH)、ならびにそれらの誘導体(例えば、対応するエステル)が挙げられる。
【0044】
本明細書中で使用する場合、用語「アミノアルキル」とは、アミノ部分で置換されたアルキル基(例えば、−アルキルNH)を意味する(例えば、アミノメチル)。
【0045】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキルアミノ」とは、1または2個のアルキル置換基を有するアミノ部分(例えば、−NH−アルキル)を意味する(例えば、ジメチルアミノ)。
【0046】
本明細書中で使用する場合、用語「アルケニルアミノ」とは、1または2個のアルケニル置換基を有するアミノ部分であって、このアミノ基の窒素原子がアルケンを形成している炭素原子に結合していない、アミノ部分(例えば、−NH−CH−アルケニル)を意味する(例えば、ジブテニルアミノ)。
【0047】
本明細書中で使用する場合、用語「アリールアミノ」とは、アリール基で置換されたアミノ部分(すなわち、−NH−アリール)を意味する。
【0048】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキルアミノ」とは、1つのアルケニル置換基または2つのアルキル置換基を有するイミノ部分(例えば、−C=N−アルキル)を意味する。
【0049】
本明細書中で使用する場合、用語「オキシイミノ」とは、−C=N−OR69基(ここで、R69は、水素原子またはアルキル基もしくはアリール基である)を含む化合物を意味する。
【0050】
本明細書中で使用する場合、用語「アロイル」とは、R−CO−基(ここで、Rは、芳香族基である)を意味する。代表的なアロイルは、ベンゾイルおよびナフトイルである。
【0051】
本明細書中で使用する場合、用語「アリールオキシ」とは、アリール置換基を揺する酸素原子(例えば、−O−アリール)を意味する。
【0052】
本明細書中で使用する場合、用語「エステル」とは、置換カルボン酸を含む化合物(例えば、−COO−アリール)を意味する。
【0053】
本明細書中で使用する場合、用語「アシル」または「カルボニル」とは、炭素−酸素二重結合(例えば、R−C(=O)−)を意味し、これは式:アルキル−CO−、アリール−CO−、アリールアルキル−CO−、シクロアルキル−CO−、アルキルシクロアルキル−CO−、またはヘテロアリール−CO−を有するカルボン酸の基であり得る。代表的なアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基およびベンゾイル基が挙げられる。
【0054】
本明細書中で使用する場合、用語「アシルオキシ」とは、アシル置換基を有する酸素原子(例えば、−O−アシル)を意味する(例えば、−O−C(=O)−アルキル)。
【0055】
本明細書中で使用する場合、用語「アシルアミノ」とは、アシル置換基を有するアミノ部分(例えば、−NH−アシル)を意味する(例えば、式−NH−(C=O)−アルキルを有するアミド、式−NH−(C=O)−NH−アルキルを有するウレア、または式−NH−(C=O)−ORを有するカルバメート(ここでRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基またはヘテロシクロアルキル基である))。
【0056】
本明細書中で使用する場合、用語「ハロ」、「ハロゲン」または「ハライド」とは、クロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード原子基を意味する。クロリド、ブロミドおよびフルオリドは、好ましいハライドである。
【0057】
本明細書中で使用する場合、用語「低級炭化水素」(例えば、「低級アルキル」とは、他に明記されない限り、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、最も好ましくは1〜4個の炭素原子からなる炭化水素鎖を意味する。
【0058】
本明細書中で使用する場合、用語「ポリハロ」は、この用語「ポリハロ」により修飾される基への少なくとも2つのハロ原子の置換を表す。
【0059】
本明細書中で使用する場合、用語「アミノスルホニル」は、式:−SONR7989(ここで、R79およびR89は、互いに独立して、各々、水素原子または低級アルキル基(例えば、1〜6個の炭素原子)もしくはアリール基である)を有する基を表す。
【0060】
本明細書中で使用する場合、用語「スルホニル」は、式−S(O)−を有する基を表す。
【0061】
変数が、構造式中に一回より多く現れる場合(例えば、Xが−C(OR59−である場合のR59)、一回より多く現れる変数は、この変数に付いての定義から独立して選択され得る。
【0062】
本明細書中で使用する場合、用語「プロドラッグ」は、薬物の前駆体であって、患者への投与の後に、数種の化学的プロセスおよび/または生理学的プロセスを介して、インビボで薬物を放出する、化合物を表す(例えば、プロドラッグは、生理学的pHにされそして/または酵素作用に通されると、所望の薬物形態に変換される)。
【0063】
本明細書中で使用する場合、用語「式(I.1)または(II.1)の化合物」は、式(I.1)または(II.1)によって包含される化学構造を有する化合物を表し、そしてこの化合物の任意および全ての鏡像異性体、立体異性体、回転異性体(rotomer)、互変異性体およびプロドラッグを含む。式(I.1)または(II.1)の化合物はまた、それらの対応する薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルおよび誘導体を含む。
【0064】
本明細書中で使用する場合、用語「薬学的に受容可能な賦形剤」は、当業者に公知の生理学的に不活性な、薬理学的に不活性な物質であって、使用のために選択された特定の活性成分の物理的特性および化学的特性と適合性の、物質を表す。薬学的に受容可能な賦形剤としては、ポリマー、樹脂、可塑剤、フィラー、結合剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、溶媒、共溶媒、緩衝剤系、界面活性剤、保存剤、甘味剤、香味剤、薬学的等級色素または顔料、および粘度向上剤が挙げられる。
【0065】
本明細書中で使用する場合、用語「薬学的組成物」とは、少なくとも1つの本発明の化合物(例えば、PDE Vインヒビター)と少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤との組み合わせを意味する。
【0066】
用語「[式(I)を有する]化合物またはその薬学的組成物」は、中性形態、酸性形態および塩基性形態の化合物および組成物、ならびに(以下で定義されるような)それらの溶媒和物、エステルおよび塩を含み、そして本発明の化合物の誘導体をさらに含む。
【0067】
本明細書中で使用する場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、化合物の酸性基(例えば、カルボキシル基)で形成されたカチオン性塩、または化合物の塩基性基(例えば、アミノ基)で形成されたアニオン性塩を意味する。多くのこのような塩は、当該分野で公知である(例えば、WO 87/05297(1987)(これはその全体が本明細書中で参考として援用される))。好ましいカチオン性塩としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、およびアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩およびカルシウム塩)が挙げられる。好ましいアニオン性塩としては、ハロゲン化物塩(例えば、クロリド)、酢酸塩およびリン酸塩が挙げられる。
【0068】
本明細書中で使用される場合、句「有効量」は、処理されるべき症状および/または状態を有意にかつ確実に改善させる(例えば、陽性の臨床的応答を提供する)のに十分である化合物または組成物の量を意味する。本明細書中で使用される場合、句「安全かつ有効な量」は、「有効量」がまた、安全、すなわち、陽性応答を引き起こすのに十分な量であるが、論理的に正しい医学的判断の範囲内で、重篤な副作用(合理的な利益/リスクの比における)を避けるのに十分少ない量でなければならないことを意味する。薬学的組成物における使用のための活性成分の有効量は、処置される特定の状態、状態の重篤度、処置の期間、同時に発生する治療の性質、使用される特定の活性成分、使用される特定の薬学的に受容可能な賦形剤などの因子により、主治医の知識および専門技術の範囲内で変動する。
【0069】
本明細書中で使用される場合、句「(本発明の化合物の安全かつ有効な量を患者に)投与する」は、インビボで、本発明の化合物の任意の形態(例えば、固体、液体または気体)を患者(例えば、ヒトまたは哺乳動物)に導入する任意のモードをいう。例えば、本発明の化合物の患者への導入は、経口摂取(例えば、錠剤、カプセル、ゲル、溶液など)、吸着、吸収(例えば、経粘膜投与、舌下投与または口腔投与)、経皮適用(例えば、パッチ、ローションなどを介した局所適用)、坐薬などを介して達成され得る。
【0070】
本明細書中で使用される場合、句「経口投薬形態」は、個体の口を介して、個体の胃腸管に組成物を送達することによって、個体に全身投与されることが意図される、任意の薬学的組成物を意味する。本発明の目的のために、送達形態は、錠剤(コーティングされているか、またはコーティングされていない錠剤)、溶液、懸濁液、またはカプセル(コーティングされているか、またはコーティングされていないカプセル)であり得る。
【0071】
本明細書中で使用される場合、句「注射」は、静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下注射のいずれかにより、個体の循環系に溶液または乳濁液を送達させるために、個体の皮膚を穿刺することによって、活性成分を含む溶液または乳濁液を送達することを介して、ヒトまたは他の哺乳動物に全身投与することが意図される任意の薬学的組成物を意味する。
【0072】
操作実施例において示される以外、または他に示される場合、成分の量、反応条件などを表した、明細書および特許請求の範囲において使用された全ての数値は、全ての場合において用語「約」によって加減されることが理解される。
【0073】
(発明の要旨)
本発明は、以下の式(I)を有する化合物:
【0074】
【化16】

を含み、ここで、
(a)RおよびRは、互いに独立して、各々1つ以上の置換基(例えば、ヒドロキシ置換基またはアルコキシ置換基)を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC1〜15アルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC2〜15アルケニル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、分枝鎖または直鎖のC2〜15アルキニル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリールアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないアリール基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないヘテロアリール基、−OR、−COOR、−C(O)R、あるいは−C(O)N(Rであって、ここで、Rは、水素原子または1つ以上の置換基を有するかまたは有さない炭化水素ラジカルであり、好ましくは、Rは、水素原子または1つ以上の置換基を有するかもしくは有さない、分枝鎖もしくは直鎖のアルキル基であるか;あるいは
およびRのうちの一方が、水素原子であり、そしてRおよびRのうちの他方が、上記と同様に定義されており;
(b)Rは、1つ以上の置換基(例えば、ヒドロキシ置換基またはアルコキシ置換基)を有するかまたは有さないアリール基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないヘテロアリール基、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、5員または6員のアリール環に縮合した1〜3個のヘテロ原子を有する複素環式基であり(但し、Rが、パラ位をY−アリール基で置換されたアリール基でない場合)、ここで、Yは、炭素−炭素単結合、−CO−、−O−、−S−、−N(R21)−、−CON(R22)−、−N(R22)CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−NHC(R23)(R24)−、−NR23SO−、−SONR23−、−(R23)(R24)NH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CHCH−、−CFCF−、
【0075】
【化17】

であり、ここで、
21は、水素原子、または−CO(C1〜4アルキル)基、C1〜6アルキル基、アリル基、C3〜6シクロアルキル基、フェニル基もしくはベンジル基であり;
22は、水素原子またはC1〜6アルキル基であり;
23は、水素原子、またはC1〜5アルキル基、アリール基もしくは−CH−アリール基であり;
24は、水素原子またはC1〜4アルキル基であり;
25は、水素原子、またはC1〜8アルキル基、C1〜8ペルフルオロアルキル基、C3〜6シクロアルキル基、フェニル基もしくはベンジル基であり;
26は、水素原子、またはC1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、フェニル基もしくはベンジル基であり;
27は、−NR2324、−OR24、−NHCONH、−NHCSNH
【0076】
【化18】

であり、そして、
28およびR29は、互いに独立して、各々C1〜4アルキル基であるか、または互いが一緒になって−(CH−基であり、ここでqは、2または3であり;
ここで、R21〜R29は、1つ以上の置換基を有するか、または有さず;そして、
(c)Rは、置換基(例えば、ヒドロキシ置換基)を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルキル基、1つ以上の置換基を有するかまたは有さないC3〜15シクロアルケニル基、あるいは1つ以上の置換基を有するかまたは有さない、3員〜15員のヘテロシクロアルキル基であり;
ここで、上記の全ての基に対する任意の1つ以上の置換基は、化学的に適合性であり、そして互いに独立して、各々上の定義の部分で引用したのと同様に定義される。
【0077】
本発明は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含み、この化合物は、本発明の少なくとも1つの化合物の任意のおよび全ての、鏡像異性体、立体異性体、回転異性体(rotomer)、互変異性体、およびプロドラックを含む。式(I)の化合物はまた、これらの対応する塩、溶媒和物(例えば、水和物)、エステルなどを含む。本発明は、さらに、本発明の化合物または本発明の化合物の混合物、あるいはそれらの塩、溶媒和物またはエステルから調製された、薬学的に受容可能な組成物を含む。式(I)の化合物は、種々の疾患、症状および生理学的障害(例えば、精神性機能障害、特にインポテンス(例えば、勃起性機能不全))を処置するために有用であり得る。
【0078】
本発明のさらなる理解は、以下の好ましい実施形態の説明から得られる。
【0079】
(好ましい実施形態の説明)
式(I)を有する本発明の化合物は、この化学構造の8位を、それ自体が以下の基(不飽和炭素環式基または飽和炭素環式基および飽和複素環式基)の1つで置換されるアミノ基で置換される。本発明の置換されたキサンチンは、酵素活性および酵素選択性に関して予想外に増強された特性を示した。本発明のPDE Vインヒビター化合物の8位をこれらの特定の基で置換することは、予想外に高い効力および選択性のキサンチンを生成するのを助け、従来のキサンチンと比較した場合、増加したイソチーム選択性を示した。本発明の化合物を含む薬学的組成物は、予想外に優れた治療特性を有する。
【0080】
式(I)を有する本発明のキサンチンPDE Vインヒビター化合物について上記のように、この化学構造上の8位は、−NHR基で置換され、ここで、Rは、以下のように規定される炭素環式系または複素環式系:C3〜15シクロアルキル基、C3〜15シクロアルケニル基または3〜15員のヘテロシクロアルキル基を示す。これらの環式系の全ては、必要に応じて置換される。これらの環式系上の好ましい置換基としては、C3〜6シクロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルキル基、アミノC1〜6アルキル基、C1〜6ジアルキルアミノC1〜6アルキル基、C3〜6ジシクロアルキルアミノC1〜6アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、オキシイミノ(oximino)基、−COR、−SO、−COOR、−CONR、−SONR、−N(R)SOおよび−NRが挙げられ、ここで:
は、水素原子または必要に応じて置換されたC1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、C3〜6ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか;
は、水素原子または必要に応じて置換されたC1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、C3〜6ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか;あるいは
およびRは、適用可能な場合、互いに連結されて複素環式環系を形成し得;そして
は、水素原子または必要に応じて置換されたC1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、C3〜6ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基である。
【0081】
さらに、Rはまた、−ZR70Z’で置換され得、ここで、R70は、ZおよびZ’と一緒になって、スピロ縮合した5〜7員環または線状に縮合した4〜7員環系を形成し、そしてZおよびZ’は、互いに独立して、各々、酸素原子、硫黄原子または窒素原子である。例えば、Z=Z’=Oである場合、Rは、以下の式(VIII)を有する構造:
【0082】
【化19】

によって置換され得る。
【0083】
好ましい置換基は、これらの基に関して上で定義した通りである。他の置換基(例えば、ケトン、オキシム、環式系(線状に縮合および架橋した、単環式環、二環式環および三環式環を含む)、スピロ環式系(Rに直接連結したケタールおよびチオケタールを含む)、ハロゲンならびにスルホンアミド)がまた、使用され得る。当業者は、使用される条件および所望の特性に依存して、他の可能な置換基を決定し得る。
【0084】
本発明の好ましい構造は、以下の式(II):
【0085】
【化20】

によって示され、ここで、
、RおよびRは、式(I)の化合物について、上記と同様に定義されており;
は、以下の原子または基の一つである:
(a)水素原子;
(b)オキシイミノ基
(c)カルボキシアルキル基;
(d)C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基;
(e)アリールオキシC1〜6アルキル基;
(f)C3〜6シクロアルコキシC1〜6アルキル基;
(g)ヘテロアリールオキシC1〜6アルキル基;
(h)−COOH基;
(i)エステル基;
(j)C1〜6アルキル基;
(k)C3〜6シクロアルキル基;
(l)C3〜6複素環式基;
(m)ヒドロキシC1〜6アルキル基;
(n)アリール基;または
(o)ヘテロアリール基;
ここで、上記の基の全ては、必要に応じて置換される;
10およびR11は、この環の同じ炭素原子または異なる炭素原子上の置換基であり、互いに独立して、それぞれ、Rについての上記と同じように規定され、そしてさらに、それぞれ、以下:
(a)ヒドロキシ基;
(b)ヒドロキシル基と以下
(i)C1−6カルボン酸;
(ii)C3−6シクロアルキルC1−6カルボン酸;
(iii)アリールC1−6カルボン酸;または
(iv)ヘテロアリールC1−6カルボン酸基、
とから誘導されるエステル基;
(c)C1−6アルコキシ基;
(d)アミノ基;
(e)C1−6モノアルキルアミノ基またはC1−6ジアルキルアミノ基;
(f)C1−6アルキルアシルアミノ基;
(g)C1−6アルキルスルホニルアミノ基;または
(h)−NHCON(R14基(ここで、R14は、水素原子、または必要に応じて置換されたアルキル基もしくはアリール基である)、
の群のうちの1つであり得るか;あるいは
10およびR11は、互いに一緒になって、必要に応じて、環の1つ以上の炭素原子および/またはヘテロ原子と一緒に、8〜12員(0〜4個のヘテロ原子を含む)の、必要に応じて置換されたスピロ縮合、直鎖縮合、2環式または3環式環系を形成し、ここで、上記R10、R11およびR14の全てが、必要に応じて置換され;
mおよびnが、互いに独立して、それぞれ1〜3であり;そして
Xが、−C(R1011)−、−S(O)、−O−、−N(R60)−である、化学的に適合性の基であり、ここで:
10およびR11は、互いに独立しており、それぞれが、先に規定されたものと同じように規定され;
yが、0〜2であり;
60が、水素原子、または置換基を有するかまたは有さない、C1−8アルキル基、C1−8アルキニル基、C1−8アルケニル基、C3−8シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、C4−8ヘテロシクロアルキル基、COR61基、SO61基、COOR61基、CONR6162基もしくはSONR6162基であり、ここで:
61が、水素原子、または置換基を有するかまたは有さない、C1−8アルキル基、C1−8アルキニル基、C1−8アルケニル基、C3−8シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはC4−8ヘテロ環式基であり;
62が、水素原子、または置換基を有するかまたは有さない、C1−8アルキル基、C1−8アルキニル基、C1−8アルケニル基、C3−8シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはC4−8ヘテロ環式基であり;そして
ここで、R61およびR62は、(同じかまたは異なる)アルキル基であり、これらは、望ましい場合、一緒に結合して、炭素環式環系またはヘテロ環式環系を形成し;
ここで、任意の置換基および1つ以上の置換基が、上記式(I)の1つ以上の置換基についてと同じに規定される。
【0086】
式(II)の化合物において、R10およびR11が接続され得る異なる炭素原子は、隣接しても非隣接でもよい。好ましくは、R、R10、およびR11は、全て水素原子である。本発明の別の実施形態において、R10またはR11のうちの1つが、有利には、ヒドロキシル基である。
【0087】
式(I)および(II)の化合物において、Rは、好ましくは、アルキル基またはアリールアルキル基、特にベンジル基である。より好ましくは、Rは、1〜4個の炭素原子の低級アルキル基であり、最も好ましくは、メチル基またはエチル基である。
【0088】
は、式(I)および(II)の化合物において、好ましくは、アルキル基、特に、ヒドロキシルで置換されたアルキル基である。より好ましくは、Rは、1〜3個の炭素原子の低級アルキル基またはヒドロキシアルキル基、最も好ましくは、Rは、メチル、エチル、イソブチルまたはヒドロキシエチル基である。
【0089】
式(I)および(II)の化合物において、Rは、好ましくは、アリール基、特に、ヒドロキシ−、アルコキシ−、またはアミノ−スルホニル基で置換されるアリール基(これは、有利には、1個または2個のハロゲン原子で置換され得る)である。Rが、式(I)および(II)の化合物においてヘテロアリール基である場合、フラン以外のヘテロアリール基を使用することが一般的に好ましい。最も好ましくは、Rは、少なくとも1つのハロゲン原子でそのアリール環上で置換された(例えば、塩素または臭素のような1個または2個のハロゲン原子での置換)メトキシアリール基である。例えば、Rは、4−ヒドロキシフェニル、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ブロモ−4−メトキシフェニル、4−アミノスルホニルフェニル基、3−クロロ−4−アミノスルホニルフェニル基、または3−ブロモ−4−アミノスルホニル−フェニルであり得る。
【0090】
は、式(I)の化合物において、好ましくは、シクロアルキル基またはヘテロシクロアルキル基、特に、ヒドロキシ基で置換されたシクロアルキル基である。より好ましくは、Rは、シクロヘキシル基、ヒドロキシシクロペンチル基またはテトラヒドロキシピラニル基である。最も好ましくは、Rは、ヒドロキシシクロペンチル基である。例えば、Rは、2(R)−ヒドロキシ−1(R)−シクロペンチル基であり得る。好ましい実施形態の全てが、非置換であっても置換されていてもよい。
【0091】
式(I)および(II)の化合物は、尿生殖器疾患(例えば、雄性(例えば、インポテンス/勃起性機能不全)および雌性の性的機能不全)を処置するために有用である。表IおよびIIに列挙される以下の化合物は、本発明の例示である:
【0092】
【表1】












【0093】
【表2】

















本発明の化合物は、PDE V酵素を阻害するのに有用である。それらの酵素活性および酵素選択性は、多くの方法で評価され得る。特に、酵素活性は、PDE V IC50値によって測定され得る。この値は、PDE Vの50%阻害を提供するために必要とされる化合物の濃度(nM)である。IC50の値が低ければ低いほど、化合物は、ますます活性になる。表IおよびIIの化合物についての測定は、以下のデータを与えた(全ての数字は、語「約」によって修飾される):
A.全ての化合物は、<1nMから>100nMの範囲内のPDE V IC50を有した;
B.化合物番号13〜18、25、30〜32、38、41〜43、55〜58、69〜71、77、85、92、96、98、101、113、120、121、126、128、131、137、138、141、146〜148、165、166、173、176、181、182、184、185、193および194は、>15から100nMの範囲のPDE V IC50を有した;
C.化合物番号23、24、29、33、34、39、40、93、94、108、111、112、125、136、144、160および161は、>10から15nMの範囲のPDE V IC50を有した;
D.化合物番号21、22、28、36、37、59、66、68、78、79、89、95、99、110、115、132、159、171、172、175、180、183、190および199は、>5から10nMの範囲のPDE V IC50を有した;ならびに
E.化合物番号60〜65、67、103〜107、114、116〜119、122〜124、142、168〜170、177、178、179、186〜188、191、197および198は、5nMまでの範囲のPDE V IC50を有した。
【0094】
さらに、なされ得る別のタイプの測定は、酵素選択性の指標である(「PDEVI/PDEV」として識別される)PDEVIIC50/PDEVIC50の比であり−この比率が高いほど、化合物は、PDEVI酵素に対し阻害性PDEV酵素に対する選択性が高い。表IIにおける化合物(化合物番号189、192、195および196を除く)に関する測定は、以下のデータを与えた(すべての数字は、語句「約」によって修飾される):
F.化合物番号1−188、190、191、193、194および197−99は、0より大きいPDEVI/PDEV比を有し;
G.化合物番号165および193は、0より大きく10までの範囲内のPDEVI/PDEV比を有し;
H.化合物番号101、108、136、141、146、148、168、173および194は、0より大きく25までの範囲内のPDEVI/PDEV比を有し;
I.化合物番号104、125、131−32、137−38、142、144、170、175、177、185および199は、25より大きく50までの範囲内のPDEVI/PDEV比を有し;
J.化合物番号103、110、111、117、159、166、182および187は、50より大きく75までの範囲内のPDEVI/PDEV比を有し;
K.化合物番号105、106、147および171は、75より大きく100までの範囲内のPDEVI/PDEV比を有し;
L.化合物番号112、113、123、124、126、169、172および184は、100より大きく140までの範囲内のPDEVI/PDEV比を有し;そして
M.化合物番号107、114−16、118−22、128、160−61、176、178−81、183、186、188、190、191、197および198は、140より大きいPDEVI/PDEV比を有していた。
【0095】
本発明の好適な化合物は、クラスEおよび/またはMに見出される化合物:化合物番号60−65、67、103−07、114−24、128、142、160−61、168−70、176−78、179、186、188、191、197および198を含む。本発明のより好適な化合物は、表IIの化合物番号107、114、116、118、119、122、160、178および186である。
【0096】
本発明の別の好適な化合物は、以下の化学的構造を有し得る:
【0097】
【化21】

3つの好適な化合物を製造するための詳細かつ一般的な手順は以下に続く(化合物番号107、114および160)。当業者は、これら手順の自明な改変をなし得る。本発明のその他の化合物を、同じ方針に沿って製造し得る。
【0098】
【化22】

(実験手順:表II中の化合物番号107(7))
1(20.0g、74.0mmol)を窒素下でジメチルホルムアミド(370mL)中に溶解し、そして(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(31.8mL、148mmol)を滴下して添加した。反応物を室温で115時間攪拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、そして水で数回洗浄した。有機混合物を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)による精製により2を得た(28.1g、88%)。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.52(s,1H),7.29−7.39)(m,5H)、5.49(s,2H),4.25(t,2H,J=6.0Hz),4.07(q,2H,J=7.2Hz),3.93(t,2H,J=6.0Hz),1.24(t,3H,J=7.2Hz),0.75(s,9H),0.08(s,6H).HRMS:C2232Si(M+H)について計算値:429.2322.実測値:429.2329.
メタノール(375mL)中の2(2.10g、4.89mmol)の溶液に、ギ酸アンモニウム(4.64g、73.6mmol)および炭素(980mg)上の20%水酸化パラジウムを添加した。反応物を加熱して1.5時間還流し、次いで室温まで冷却し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(50/50酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、3(1.26g、94%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.82(s,1H),4.33(t,2H,J=6.0Hz),4.16(q,2H,J=7.2Hz),3.99(t,2H,J=6.0Hz),1.29(t,3H,J=7.2Hz),0.78(s,9H),0.06(s,6H).HRMS:C1526Si(M+H)について計算値:339.1852.実測値:339.1864.
3(970mg、2.86mmol)に、窒素下で、ジメチルホルムアミド(14mL)、3−クロロ−4−メトキシベンジルブロマイド9(1.72g、5.70mmol)、および炭酸カリウム(785mg、5.70mmol)を添加した。反応混合物を、室温で24時間攪拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、そして水で数回洗浄した。有機混合物を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、4(1.14g、81%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.52(s,1H),7.33(d,1H,J=2.4Hz),7.25(dd 1H,J=2.0Hz,J=8.4Hz),6.90(d,1H,J=8.8Hz),5.40(s,2H),4.25(t,2H,J=6.0Hz),4.07(q,2H,J=7.2Hz),3.93(t,2H,J=6.0Hz),3.89(s,3H),1.25(t,3H,J=7.2Hz),0.75(s,9H),0.08(s,6H).HRMS:C2333ClNSi(M+H)について計算値:493.2038.実測値:493.2032.
−78℃で(ドライアイス/アセトン浴)、窒素下、テトラヒドロフラン(20mL)中の4(1.14g、2.32mmol)の溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(THF/ヘプタン中2M、1.7mL、3.48mmol)を添加した。30分攪拌後、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン(0.55mL、4.63mmol)を5分間に亘り滴下して添加した。反応物を−78℃で1.5時間攪拌し、次いで、重炭酸ナトリウム飽和溶液でクエンチし、そして室温まで暖めた.この混合物をジクロロメタンで抽出し、炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、5(640mg、48%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.42(d,1H,J=2.4Hz),7.31(dd,1H,J=2.0Hz,J=8.4Hz),6.88(d,1H,J=8.8Hz),5.45(s,2H),4.22(t,2H,J=5.6Hz),4.07(q,2H,J=7.2Hz),3.93(t,2H,J=5.6Hz),3.88(s,3H),1.25(t,3H,J=7.2Hz),0.74(s,9H),0.08(s,6H).HRMS:C2332BrClNSi(M+H)について計算値:571.1143.実測値:571.1149.
5(320mg、0.56mmol)に、シクロヘキシルアミン(0.25mL、2.24mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.8mL)、および1−メチル−2−ピロリジノン(2.8mL)を添加した。反応混合物を、シールされたチューブ中で18時間160℃に加熱し、次いで室温まで冷却した。水を添加し、次にこの混合物を酢酸エチルで抽出し、そして水で数回洗浄した。有機混合物を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、6(210mg、64%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.27(d,1H,J=2.0Hz),7.13(dd,1H,J=2.0Hz,J=8.4Hz),6.89(d,1H,J=8.8Hz),5.23(s,2H),4.19(t,2H,J=6.2Hz),4.05(q,2H,J=7.2Hz),3.93(t,2H,J=6.2Hz),3.89(s,3H),3.86−3.91(m,1H),3.69−3.80(m,1H),1.88−1.96(m,2H),1.52−1.64(m,3H),1.28−1.42(m,2H),1.23(t,3H,J=7.2Hz),1.04−1.22(m,3H),0.81(s,9H),0.01(s,6H).HRMS:C2944ClNSi(M+H)について計算値:590.2937.実測値:590.2929.
6(191mg、0.324mmol)を、窒素下ジクロロメタン(4.0mL)中に溶解し、そして氷浴中0℃に冷却した。ボロントリブロマイド(0.14mL、1.42mmol)をこの反応混合物に添加し、そして室温まで暖めた。1.25時間後、反応物をジクロロメタンで希釈し、そして水で数回洗浄した。有機相を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。PTLC(70/30酢酸エチル/ヘキサン)による精製により、7(表IIの化合物番号107)(122mg、74%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.25−7.28(m,1H),7.09(dd,1H,J=2.0Hz,J=8.0Hz),7.01(d,1H,J=8.0Hz),5.69(s,1H),5.23(s,2H),4.32−4.36(m,2H),4.16(t,1H,J=6.0Hz),4.06(q,2H,J=7.2Hz),3.90−3.98(m,3H),3.62−3.72(m,1H),1.87−1.96(m,2H),1.54−1.66(m,3H),1.31−1.43(m,2H),1.25(t,3H,J=7.2Hz),1.06−1.22(m,3H).HRMS:C2228ClN(M+H)について計算値:462.1908.実測値:462.1901.
3−クロロ−4−メトキシトルエン8(2.6mL、19.2mmol)を、ジクロロメタン(30mL)中に溶解し、そしてN−ブロモスクシンイミド(3.75g、21.1mmol)、次にAIBN(36.0mg)を添加した。反応物を加熱して19時間還流し、次いで室温まで冷却し、そして沈殿物を濾過して除いた。濾液をジクロロメタンで希釈し、そして0.5M重炭酸ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。有機混合物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して9(4.73g、82%)を得た。ベンジルブロマイドを、さらなる精製なしで粗製物質として用いた。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.42(d,1H,J=2.4Hz),7.26(dd,1H,J=2.4Hz,J=8.4Hz),6.88(d,1H,J=8.4Hz),4.44(s,2H),3.90(s,3H).
(表II中の化合物番号107(7)の一般的合成)
a)1をアルキルハライドおよび塩基と反応し、2を形成する;
b)2を脱ベンジル化し、3を形成する;
c)3をベンジルハライドでアルキル化し4を形成する;
d)4を脱プロトン化し、次いで臭化剤を添加し5を形成する;
e)臭素5をアミンで置換して6を形成する;および
f)6をボロントリブロマイドで処理し、シリルおよびメチルエーテルの両方の切断により表II中の化合物番号107(7)を形成する。
【0099】
【化23】

(実験手順:表II中の化合物114(13))
1(20.0g、74.0mmol)を、窒素下で、ジメチルホルムアミド(370mL)中に溶解し、そして(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(31.8mL、148mmol)を滴下して添加した。反応物を室温で115時間攪拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、そして水で数回洗浄した。有機混合物を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、2(28.1g、88%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.52(s,1H),7.29−7.39(m,5H),5.49(s,2H),4.25(t,2H,J=6.0Hz),4.07(q,2H,J=7.2Hz),3.93(t,2H,J=6.0Hz),1.24(t,3H,J=7.2Hz)、0.75(s,9H),0.08(s,6H).HRMS:C2232Si(M+H)について計算値:429.2322.実測値:429.2329.
メタノール(375mL)中の2(2.10g、4.89mmol)の溶液に、ギ酸アンモニウム(4.64g、73.6mmol)および炭素(980mg)上の20%水酸化パラジウムを添加した。反応物を加熱して1.5時間還流し、次いで室温まで冷却し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(50/50酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、3(1.26g、94%)を得た。
HNMR(400MHz、CDCl):δ7.82(s,1H),4.33(t,2H,J=6.0Hz),4.16(q,2H,J=7.2Hz),3.99(t,2H,J=6.0Hz)、1.29(t,3H,J=7.2Hz),0.78(s,9H),0.06(s,6H).HRMS:C1526Si(M+H)について計算値:339.1852.実測値:339.1864.
3(970mg,2.86mmol)に、窒素下で、ジメチルホルムアミド(25mL)、3−ブロモ−4−メトキシベンジルブロマイド15(1.62g、5.79mmol)、および炭酸カリウム(800mg、5.79mmol)を添加した。反応混合物を室温で21時間攪拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、そして水で数回洗浄した。有機混合物を炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、10(1.55g、100%)を得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.52(s,1H),7.51(d,1H,J=2.4Hz),7.30(dd 1H,J=2.0Hz,J=8.4Hz),6.87(d,1H,J=8.8Hz),5.40(s,2H),4.25(t,2H,J=6.0Hz)、4.07(q,2H,J=7.0Hz)、3.93(t,2H,J=6.0Hz),3.88(s,3H),1.25(t,3H,J=7.0Hz),0.75(s,9H),0.08(s,6H).HRMS:C2333BrNSi(M+H)について計算値:537.1533.実測値:537.1540.
−78℃(ドライアイス/アセトン浴)で、窒素下、テトラヒドロフラン(24mL)中の10(1.50g、2.80mmol)の溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(THF/ヘプタン中2M、2.2mL、4.33mmol)を添加した。30分攪拌した後、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン(0.69mL、5.77mmol)を5分間に亘り滴下して添加した。反応物を−78℃で1.25時間攪拌し、次いで重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチし、そして室温まで暖めた。混合物をジクロロメタンで抽出し、炭酸カリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(30/70酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、11(600mg、34%)を得た。
【0100】
【化24】

11(1.89g、3.07mmol)に、アミノアルコール塩酸塩(1.31g、12.27mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(15.4mL)および1−メチル−2−ピロリジノン(15.4mL)を添加した。この反応混合物を、密封チューブ中で160℃で13時間加熱し、次いで室温に冷却した。水を添加し、次いで、この混合物を酢酸エチルで抽出し、そして水で数回洗浄した。この有機混合物を、炭酸カリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(3/97 メタノール/ジクロロメタン)によって、12(1.77g、90%)を得た。
【0101】
【化25】

12(1.77g、2.78mmol)を、窒素下でテトラヒドロフラン(28mL)に溶解させ、そしてフッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M、28mL)を滴下して添加した。この反応物を室温で15時間攪拌し、次いでジクロロメタンで希釈し、そして水で数回洗浄した。この有機混合物を、炭酸カリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(3/97 メタノール/ジクロロメタン)によって、13(表IIの化合物番号114)(760mg、52%)を得た。
【0102】
【化26】

2−ブロモ−4−メチルアニソール14(2.2mL、14.9mmol)を、ジクロロメタン(30mL)に溶解させ、そしてN−ブロモスクシンイミド(3.75g、16.4mmol)を添加し、その後AIBN(26.0mg)を添加した。この反応物を19時間加熱して還流し、次いで室温に冷却し、そして沈殿物を濾過して除いた。濾液を、ジクロロメタンで希釈し、そして0.5Mの重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、その後水で洗浄した。この有機混合物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して15(4.16g、100%)を得た。臭化ベンジルを、さらに精製せずに、粗物質として使用した。
【0103】
【化27】

(表IIの化合物番号114(13)の一般的合成)
a)1をハロゲン化アルキルおよび塩基と反応させて、2を形成する;
b)2を脱ベンジル化して3を形成する;
c)ハロゲン化ベンジルを用いて3をアルキル化し、10を形成する;
d)10を脱プロトン化し、その後臭素化剤を添加して、11を形成する;
e)ブロモ11をアミンで置換して、12を形成する;そして
f)12をシリルエーテル切断して、表IIの化合物番号114(13)を形成する。
(表IIの化合物番号160(18)の合成)
【0104】
【化28】

(実験手順:表IIの化合物番号160(18))
16(150mg、0.579mmol)に、窒素下で、ジメチルホルムアミド(3mL)、6−クロロピペロニルクロライド(142mg、0.694mmol)および炭酸カリウム(120mg、0.868mmol)を添加した。この反応混合物を室温で137時間攪拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、そして水で数回洗浄した。この有機混合物を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。PTLCによる精製(1/1 酢酸エチル/ヘキサン)によって、17(84.1mg、34%)を得た。
【0105】
【化29】

17(72.0mg、0.169mmol)に、シクロヘキシルアミン(86.7mg、0.883mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.8mL)および1−メチル−2−ピロリジノン(0.8mL)を添加した。この反応物を、密封チューブ内で、17時間160℃に加熱し、次いで室温に冷却した。水を添加し、次いでこの混合物を、酢酸エチルで抽出し、そして水で数回洗浄した。この有機混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。PTLCによる精製(1/1 酢酸エチル/ヘキサン)によって、表IIの化合物160(18)(50.9mg、68%)を得た。
【0106】
【化30】

(表IIの化合物160(18)の一般的な合成)
a)16をハロゲン化ベンジルを用いてアルキル化し、17を形成する;そして
b)ブロモ17をアミンで置換して、表IIの化合物160(18)を形成する。
【0107】
従って、本発明は、式(I)を有する化合物を生成するための方法を包含し、この方法は、以下の工程を包含する:
(i)式(III)を有する化合物を、塩基の存在下でハロゲン化アルキルと反応させて、式(IV)を有する化合物を形成する工程:
【0108】
【化31】

ここで、
(a)Rは、水素原子あるいは1以上の置換基を有するかもしくは有さない、分枝鎖もしくは直鎖のC1〜15アルキル基、1以上の置換基を有するかもしくは有さない、分枝鎖もしくは直鎖のC2〜15アルケニル基、1以上の置換基を有するかもしくは有さない、分枝鎖もしくは直鎖のC2〜15アルキニル基、1以上の置換基を有するかもしくは有さない、C3〜15シクロアルキル基、1以上の置換基を有するかもしくは有さないアリールアルキル基、1以上の置換基を有するかもしくは有さないアリール基、1以上の置換基を有するかもしくは有さないヘテロアリール基、−OR、−COOR、−C(O)Rまたは−C(O)N(Rであり、ここで、Rは、水素原子または1以上の置換基を有するかもしくは有さない、分枝鎖もしくは直鎖の炭化水素基であり;
(b)Lは、RまたはRの保護形態であり;そして
(c)Phはフェニル基であり;
(ii)式(IV)を有する化合物を、脱ベンジル化し、次いでハロゲン化アルキル(XCH)を用いてアルキル化し、式(V)を有する化合物を形成する工程:
【0109】
【化32】

ここで、
Xは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子または臭素原子)であり、そして
は、1以上の置換基を有するかもしくは有さないアリール基、1以上の置換基を有するかもしくは有さないヘテロアリール基、または1以上の置換基を有するかもしくは有さない、1〜3個のヘテロ原子を有する、5もしくは6員のアリール環に縮合した複素環式基であり、但し、Rは、そのパラ位で−Y−アリール基で置換されたアリール基ではなく、ここで、Yは、炭素−炭素単結合、−CO−、−O−、−S−、−N(R21)−、−CON(R22)−、−N(R22)CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−NHC(R23)(R24)−、−NR23SO−、−SONR23−、−C(R23)(R24)NH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CHCH−、−CFCF−、
【0110】
【化33】

であり、ここで、
21は、水素原子、または−CO(C1〜4アルキル)基、C1〜6アルキル基、アリル基、C3〜6シクロアルキル基、フェニル基もしくはベンジル基であり;
22は、水素原子またはC1〜6アルキル基であり;
23は、水素原子、またはC1〜5アルキル基、アリール基もしくは−CH−アリール基であり;
24は、水素原子またはC1〜4アルキル基であり;
25は、水素原子、またはC1〜8アルキル基、C1〜8ペルフルオロアルキル基、C3〜6シクロアルキル基、フェニル基もしくはベンジル基であり;
26は、水素原子、またはC1〜6アルキル基、C3〜6シクロアルキル基、フェニル基もしくはベンジル基であり;
27は、−NR2324、−OR24、−NHCONH、−NHCSNH
【0111】
【化34】

であり;そして
28およびR29は、互いに独立して、各々、C1〜4アルキル基であるか、またはR28およびR29は、互いに一緒になって−(CH)q基であり、ここでqは2もしくは3であり;
ここで、R21〜R29は、1以上の置換基について、上に規定した基のいずれかによって必要に応じて置換され;そして
(iii)式(V)を有する化合物を脱保護し、次いでハロゲン化して、式(VI)を有する化合物を形成する工程:
【0112】
【化35】

ここで、
Halは、ハロゲン原子であり;
(iv)式(VI)を有する化合物を、式RNHを有するアミンと反応させて、式(VII)を有する化合物を形成する工程:
【0113】
【化36】

ここで、
は、1以上の置換基を有するかもしくは有さないC1〜15シクロアルキル基、1以上の置換基を有するかもしくは有さないC3〜15シクロアルケニル基、または1以上の置換基を有するかもしくは有さない、3〜15員のヘテロシクロアルキル基であり;そして
(v)LがRの保護形態である場合には、式(VII)を有する化合物上のLの保護部分を除去して、式(I)を有する化合物を形成する工程:
【0114】
【化37】

ここで、Rは、上記のRと同じに規定され、但し、RおよびRの少なくとも1つは、水素原子ではなく;
ここで、1以上の置換基は、上記式(I)の1以上の置換基と同じに規定される、方法である。
【0115】
(薬学的に受容可能な投薬形態)
本発明の化合物は、経口投薬形態および注射(静脈内、筋内、腹腔内、皮下など)を含む種々の経路によって、ヒトまたは他の哺乳動物に投与され得る。本発明の化合物を含む多数の他の投薬形態が、以下に規定されるような適切な薬学的賦形剤を利用することにより、当業者によって容易に処方され得る。患者のコンプライアンスを考慮すると、経口投薬形態が一般的に最も好ましい。
【0116】
全身送達の速度は、以下のいずれか1つ以上を操作することによって、当業者によって良好に制御され得る:
(a)活性成分の特性;
(b)薬学的に受容可能な賦形剤(ただしこの改変物が、選択された特定の活性成分の活性に妨害しない限りにおいて);
(c)賦形剤の型、ならびに賦形剤に関して同時に所望される厚みおよび透過性(膨張特性);
(d)賦形剤の時間依存的な状態;
(e)顆粒状活性成分の粒子サイズ;ならびに
(f)賦形剤のpH依存的な状態。
【0117】
薬学的に受容可能な賦形剤としては、以下が挙げられる:風味剤、製薬等級の染料または色素、溶媒、共溶媒(co−solvent)、緩衝系、界面活性剤、防腐剤、甘味剤、粘性剤、増量剤(filler)、滑沢剤、流動促進剤(glidant)、崩壊剤、結合剤および樹脂。
【0118】
従来の風味剤(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.、1288〜1300頁(1990)(これは、その全体において、本明細書中において参考として援用される)に記載される風味剤)が使用され得る。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜2%の風味剤を含む。
【0119】
従来の染料および/または色素(例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients、the American Pharmaceutical Association&the Pharmaceutical Society of Great Britain、81〜90頁(1986)(これは、その全体において、本明細書中において参考として援用される)に記載される染料および/または色素)もまた使用され得る。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜2%の染料および/または色素を含む。
【0120】
本発明の薬学的組成物は一般的に、約0.1〜99.9%の溶媒を含む。好ましい溶媒は水である。好ましい共溶媒としては、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。本発明の薬学的組成物は、約0〜50%の共溶媒を含み得る。
【0121】
好ましい緩衝系としては、以下が挙げられる:酢酸、ホウ酸、炭酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸(malaic acid)、酒石酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、グルタル酸、およびグルタミン酸、ならびにそれらのナトリウム塩、カリウム塩、およびアンモニウム塩。特に好ましい緩衝液は、リン酸、酒石酸、クエン酸、および酢酸、ならびにそれらの塩である。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜5%の緩衝液を含む。
【0122】
好ましい界面活性剤としては、以下が挙げられる:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、スクロースモノエステルならびにラノリンエステルおよびラノリンエーテル、脂肪酸のアルキルスルフェート塩、ならびに脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜2%の界面活性剤を含む。
【0123】
好ましい防腐剤としては、以下が挙げられる:フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、o−フェニルフェノール安息香酸およびその塩、ホウ酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀、ニトロメルソール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン(paraben)およびプロピルパラベン。特に好ましい防腐剤は、安息香酸の塩、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベンおよびプロピルパラベンである。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜2%の防腐剤を含む。
【0124】
好ましい甘味剤としては、以下が挙げられる:スクロース、グルコース、サッカリン、ソルビトール、マンニトール、およびアスパルテーム。特に好ましい甘味剤は、スクロースおよびサッカリンである。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜5%の甘味剤を含む。
【0125】
好ましい粘性剤としては、以下が挙げられる:メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボマー、ポビドン、アカシア、ガーゴム、キサンタンガム、およびトラガカント。特に好ましい粘性剤は、メチルセルロース、カルボマー、キサンタンガム、ガーゴム、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびケイ酸アルミニウムマグネシウムである。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜5%の粘性剤を含む。
【0126】
好ましい増量剤としては、以下が挙げられる:ラクトース、マンニトール、ソルビトール、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム(diabasic
calcium phosphate)、圧縮可能な糖(compressible sugar)、デンプン、硫酸カルシウム、右旋性セルロースおよび微結晶性セルロース。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜75%の増量剤を含む。
【0127】
好ましい滑沢剤/流動促進剤としては、以下が挙げられる:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルク。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜7%、好ましくは、約1〜5%の滑沢剤/流動促進剤を含む。
【0128】
好ましい崩壊剤としては、以下が挙げられる:デンプン、グリコールデンプンナトリウム(sodium starch glycolate)、クロスポビドン(crospovidone)およびクロスカルメロースナトリウム(croscarmelose sodium)ならびに微結晶性セルロース。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜20%、好ましくは、約4〜15%の崩壊剤を含む。
【0129】
好ましい結合剤としては、以下が挙げられる:アカシア、トラガカント、ヒドロキシプロピルセルロース、α化デンプン(pregelatinized starch)、ゼラチン、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、糖溶液(例えば、スクロースおよびソルビトール)およびエチルセルロース。本発明の薬学的組成物は一般的に、約0〜12%、好ましくは、約1〜10%の結合剤を含む。
【0130】
当業者に公知のさらなる薬剤を、単回投薬形態を作製するために、本発明の化合物と合わせ得る。あるいは、さらなる薬剤を、複数回投薬形態の部分として、別々に哺乳動物に投与し得る。
【0131】
本発明の化合物を含む薬学的組成物を調製するための、不活性な薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態の調製物としては、粉末、錠剤、分散顆粒、カプセル剤、カシェ剤、および坐剤が挙げられる。粉末および錠剤は、約5〜95重量%の活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知である(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、およびラクトース)。錠剤、粉末、カシェ剤、およびカプセル剤は、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用され得る。薬学的に受容可能なキャリアの例および種々の組成物の製造方法の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.(1990)(これは、その全体において、本明細書中において参考として援用される)において見出され得る。
【0132】
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。一般的な液体形態の調製物は、非経口的注入のための水および水−プロピレングリコール溶液、または経口溶液、経口懸濁液、および経口エマルジョンのための甘味剤および乳白剤(opacifier)の添加物を含む。液体形態の調製物はまた、鼻腔内投与のための溶液を含み得る。
【0133】
吸入のために適切なエアロゾル調製物としては、溶液および粉末形態の固体が挙げられ、これらは、不活性な圧縮ガス(例えば、窒素)のような薬学的に受容可能なキャリアと合わせられ得る。
【0134】
使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態調製物へと変換され得る固体形態調製物もまた含まれる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0135】
本発明化合物はまた、経皮的に送達され得る。経皮用組成物は、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル、およびエマルジョンの形態をとり得、そしてこの目的のために当該分野で従来からあるような、マトリクスまたはリザーバー型の経皮パッチに内包され得る。
【0136】
本発明の化合物を投与する好ましい様式は、経口である。好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態において、調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的を達成するために有効な量)を含む、適切なサイズの単位用量に細分される。
【0137】
単位用量の調製物における活性成分(化合物)の量は、特定の適用に従って、変動され得るか、または約0.01〜4,000mg、好ましくは、約0.02〜1,000mg、より好ましくは、約0.3〜500mg、そして最も好ましくは、約0.04〜250mgに調整され得る。経口投与のために推奨される代表的な1日投薬量のレジメンは、2〜4回に細分された用量における約0.02〜2,000mg/日の範囲であり得る。利便性のために、1日の総投薬量は、必要に応じて1日の間の部分において細分され得、そして投与され得る。代表的には、本発明の薬学的組成物は、1日あたり約1〜5回で投与されるか、あるいは、連続注入として投与される。このような投与は、慢性または急性の治療として使用され得る。単回投薬量を作製するためにキャリア物質と合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与様式に依存して変動する。代表的な調製物は、約5〜95%の活性化合物(w/w)を含む。好ましくは、このような調製物は、約20〜80重量%の活性化合物を含む。
【0138】
本発明の化合物と合わせて使用される薬学的に受容可能なキャリアは、投薬の関係に対して実用的なサイズを与えるに十分な濃度で使用される。薬学的に受容可能なキャリアは、全体として、本発明の薬学的組成物の約0.1〜99.9重量%、好ましくは、約20〜80重量%を含み得る。
【0139】
患者の状態の改善に応じて、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量が必要に応じて投与され得る。引き続いて、投与の投薬量もしくは頻度またはその両方は、症状の関数として、改善された状態が維持されるレベルまで低減され得る。症状が所望のレベルまで軽減された場合、処置は中止されるべきである。しかし患者は、疾患症状の任意の再発に基づいて、長期体制での断続的な処置を必要とし得る。
【0140】
任意の特定の患者に対する特定の投薬および処置レジメンは変動し得、そしてこれは、使用される特定の化合物の活性、患者の年齢、体重、全身的な健康状態、性別および食事、投与の時間、排出速度、特定の薬物の組み合わせ、処置されている症状の重篤度および経過、処置されている状態に対する患者の素因、ならびに処置医の判断を含む、種々の因子に依存する。特定の状態に対して適切な投薬レジメンの決定は、当該分野の技術の範囲内である。本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩の投与量および投与頻度は、上記に列挙した因子に基づいて、担当医の判断に従い調製され得る。当業者が理解するように、上記に示された用量よりも少ない用量または高い用量が必要とされ得る。
【0141】
例えば、適切な投薬レベルは患者の体重に基づく場合が多い。例えば、1日あたり体重1kgあたり約0.01〜100mgの投薬レベル、好ましくは、1日あたり体重1kgあたり約0.5〜75mgの投薬レベル、そしてより好ましくは、1日あたり体重1kgあたり約1〜50mgの投薬レベルの本明細書中に記載された本発明の化合物、組成物およびそれらの塩が、種々の生物学的障害、特に、雄性および雌性の性機能障害の処置のために治療的に有用である。異なる体重の2患者の間では、より重い患者により多い投薬量が使用され、他のすべての事項は等しい。
【0142】
本発明の化合物は、投与に際した適切な開始時間および投与後の適切な持続期間を含む、(雄性)勃起性機能障害の有効な処置を与えることが理解される。例えば、勃起性機能障害の処置において、本発明の化合物の投薬量は、性行為を行う約1時間前に摂取され得る。特定の投薬量は、その投与の約30分以内で作用する。理想的な投薬量は、その投与の約15分以内で患者に影響を及ぼす。食物、食事、既存の状態、アルコール、および他の全身状態は、本発明の薬物がその投与後に作用する時間の遅延を長引かせ得るが、性的な刺激と合わせて最適な投薬量が、適切な時間にわたり有効な薬物処置を生じることが理解される。
【0143】
本発明の化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態(水和形態を含む)で存在し得る。一般に、薬学的に受容可能な溶媒(例えば、水、エタノールなど)を用との、溶媒和形態は、本発明の目的のために非溶媒和形態と等価的である。
【0144】
本発明の化合物は、有機酸および無機酸と共に薬学的に受容可能な塩を形成し得る。塩形成のための適切な酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸である。塩は、従来の様式で、その遊離塩基形態に十分量の所望の酸を接触させて塩を生成することによって調製される。遊離塩基形態は、適切な希塩基水溶液(例えば、希水酸化ナトリウム水溶液、希炭酸カルシウム水溶液、希アンモニア水または希炭酸水素ナトリウム水溶液)で塩を処理することによって、再生され得る。遊離塩基形態は、特定の物理的特性(例えば、極性溶媒における可溶性)においてそれらの各々の塩形態と幾分異なり得るが、それ以外では、これらの塩は、本発明の目的のためにそれらの各々の遊離塩基形態と等価的である。
【0145】
本発明は、式(I)または(II)を有する化合物、本発明の化合物を作製するための方法、少なくとも1つの本発明の化合物および少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアから薬学的組成物を作製するための方法、ならびに種々の障害、症状および疾患を処置するために1以上の本発明の化合物を使用する方法を包含する。
【0146】
本発明の化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩および中性組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと一緒に処方され得る。得られた組成物は、種々の障害、症状および疾患を処置するために哺乳動物(例えば、男性または女性)にインビボで投与され得る。例えば、本発明の化合物および組成物は、泌尿生殖系の疾患(特に、男性の勃起性機能不全(例えば、不能症)および女性の性機能不全)を処置するために使用され得る。男性の勃起性機能不全は、男性がその相手と性交を行うために勃起を十分に得てそして/または持続することが可能でないことと定義され得る。勃起性機能不全の処置において、本発明の式(I)および(II)のPDE Vインヒビターは、有益な治療薬剤であると考えられる。なぜなら、これらは、ヒトの身体のcGMPレベルを上昇させるからである。この作用は、海綿体平滑筋の弛緩を促進し、これが、その中の血流の増加を提供し、そして勃起を生じる。このことは、本発明の化合物を、不能症およびcGMPレベルによって影響される他の型の疾患を処置するために特に有用なものとする。
【0147】
従って、本発明の別の局面は、勃起性機能不全の処置を必要とする哺乳動物において勃起性機能不全を処置する方法であり、この方法は、式(I)または(II)を有する少なくとも1つの化合物またはその薬学的組成物を、その哺乳動物が別の哺乳動物と完全に性交し得るのに十分に、勃起性機能不全に関連する症状の1以上を緩和および/または減少するのに有効な量で、その哺乳動物に投与する工程を包含する。
【0148】
不能症を処置するための最初の丸剤として1998年に導入されたViagra(登録商標)は、今日、生理学的に引き起こされる勃起性機能不全(「ED」)を処置するための最も一般的に処方される医薬である。しかし、特定の患者は、Viagra(登録商標)を摂取している間、所望でない副作用を経験し得る。例えば、Viagra(登録商標)の使用は、通常または断続的にかのいずれかで有機ニトレートを使用する患者に対して、禁忌される。Physicians’ Desk Reference(登録商標)、第55版、2534−37頁(2001)。Viagra(登録商標)とニトレートとの併用は、低血圧エピソードを引き起こし得るか、または血圧を危険なレベルまで突然低下させ、これが、心臓発作を引き起こし得る(同書)。従って、ニトレート薬物の使用を必要とする心臓状態を有する男性は、Viagra(登録商標)を使用すべきでない(同書)。Viagra(登録商標)が、患者の色彩識別(青/緑)を損ない、「青色輪(blue−halo)」光視覚変化を生じることによって、視覚副作用を生じ得ることが報告されている(同書)。この副作用は、おそらく、PDE VIイソ酵素(網膜に見出される)の阻害に起因する(同書)。
【0149】
本発明の化合物の利点は、それらが、他の型のPDEイソ酵素(例えば、PDE VIイソ酵素)と比較して、PDE Vイソ酵素に特に選択的であり得ることである。この増加された選択性は、Viagra(登録商標)の使用に関連する副作用を緩和すると考えられる。特に、本発明の化合物の高い選択性は、「青色輪」光視覚変化の発生を最小化するはずであり、そしてこの発生を妨げさえもし得る。PDE VIイソ酵素(網膜に見出される)に対するPDE Vイソ酵素(陰茎に見出される)の阻害における、この増加されたイソ酵素選択性が、「青色輪」視覚副作用の防御を説明すると考えられる。
【0150】
さらに、代表的な本発明の化合物は、ラットにおいてニトレート医薬と有害に反応しなかった。有害な相互作用の同じ欠如が、全ての哺乳動物(ヒトを含む)における本発明の全ての化合物に当てはまると考えられる。ニトレート医薬との有害な反応は、危険かつ致命的であり得る。有害な反応としては、身体の生理学的機能を危険に曝し得るかまたはさもなければ減少し得る、任意の反応が挙げられる。より詳細には、患者に対する併用治療(PDE Vインヒビター薬剤と併用してニトレート付与薬剤を患者に投与する工程を含む)の場合、有害なニトレート反応は、患者の血圧がいずれかの薬剤を単独で投与した場合よりも有意に降下する反応である。
【0151】
この特徴は、勃起性機能不全と、ニトレート付与医薬で処置される心臓血管疾患または他の疾患の両方に罹患している多くの患者に対する、勃起性機能不全処置の方法を開く。二重(または多重)処置を必要とする2以上の異なる疾患に罹患している患者は、一方または両方の疾患を生まれながらに有していたかもしれず、あるいは遺伝またはいくつかの他の型の損傷または疾患(例えば、神経損傷、脊髄損傷、糖尿病など)に起因して、一方または両方の疾患を後に発症したかもしれない。従って、本発明の別の実施形態は、(1)勃起性機能不全および(2)ニトレートドナー医薬で処置され得る少なくとも1つの状態の両方に罹患している患者を処置することであり、本発明の処置は、併用治療を包含し、この治療は、少なくとも1つの本発明の化合物またはその薬学的組成物、および少なくともニトレート付与化合物またはその薬学的組成物を、哺乳動物に投与する工程を包含する。勃起性機能不全およびニトレート付与医薬に対する要求の両方に罹患している患者は、連続的に、同時に(concurrently)、そして/または同時に(simultaneously)、両方の状態について処置され得る。併用治療は、任意の形態(好ましくは、経口投薬またはパッチ投薬)で別々に行われ得るか、または単一の組み合わせた投与のために一緒に処方され得る。
【0152】
本発明の化合物は、単独で、または以下の他の薬剤と組み合わせて用いられ得る:具体的は、他の型のPDEインヒビター(特に、cGMP PDE Vインヒビター)、プロスタノイド、α−アドレナリン(作用性)レセプター、ドーパミンレセプターアゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、エンドセリンレセプターアンタゴニスト、エンドセリン転換酵素インヒビター、アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト、アンギオテンシン転換酵素インヒビター、中性メタロエンドペプチダーゼインヒビター(neutral metalloendopeptidase inhibitor)、レニンインヒビター、セロトニン5−HT2cレセプターアゴニスト、ノシセプチンレセプターアゴニスト、rhoキナーゼインヒビター、カリウムチャンネル調節因子、および多剤耐性プロテイン5のインヒビター。
【0153】
本発明の化合物と組み合わせて用いられ得る治療剤の例は、以下である:PDE Vインヒビター(例えば、シルデナフィル(sildenafil)シトレート(Viagra(登録商標)、Pfizer,Connecticut,United States)、VardenafilTM(Bayer,Germany)およびIC−351(CialisTM,Lilly−ICOS,Washington and Indiana,United States));プロスタノイド(例えば、プロスタグランジンE);α−アドレナリン(作用性)アゴニスト(例えば、フェントラミンメシレート);ドーパミンレセプターアゴニスト(例えば、アポモルフィン(apomorphine));アンギオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、ロサルタン(losartan)、イルベサルタン(irbesartan)、バルサルタン(valsartan)、およびカンデサルタン(candesartan));およびETアンタゴニスト(例えば、ボセンタン(bosentan)およびABT−627))。
【0154】
他の組合せが、本発明の範囲内にある限り行われ得ることが理解される。本発明の化合物の1つ以上は、勃起性機能不全を処置するための単独治療の適用に用いられ得るが、これらはまた、本発明の化合物が、勃起性機能不全および/または他の型の障害、症状、および疾患を処置するために有用である、他の薬学的化合物の1つ以上と組合せられる、併用療法において用いられ得る。
【0155】
上で議論されるように、cGMP−PDE V阻害活性に起因して、本発明の化合物は、泌尿器障害、具体的には、女性および男性の性的不全を処置するために有用である。他の生理学的障害、症状および疾患もまた、cGMP−PDE Vの阻害からの恩恵を得る。より詳細には、本発明の化合物、それらの塩および誘導体を用いて、以下を処置し得る:心血管疾患および脳血管疾患、狭心症、高血圧、血管形成術後、動脈血管内膜切除術後、ステント導入後の再狭窄、末梢血管疾患、大脳虚血、気道障害(例えば、可逆性気道閉塞症、慢性喘息および慢性気管支炎)、アトピーに関連するアレルギー性障害(例えば、じんま疹、湿疹および鼻炎)、肺高血圧症、虚血性心疾患、グルコース寛容減損、糖尿病および関連する合併症、インスリン抵抗性症候群、高血糖症、多嚢胞性卵巣症候群、糸球体疾患、腎不全、腎炎、細尿管間質性疾患、自己免疫疾患、緑内障、腸運動障害、悪液質および癌。
【0156】
本発明の別の局面は、単一のパッケージの中に別々の容器を含むキットを提供することであり、ここで、本発明の薬学的化合物、組成物および/またはその塩を、薬学的に受容可能なキャリアと組合せて用いて、cGMP−PDE V阻害が作用する、障害、症状、および疾患を処置する。
【0157】
他の組合せが、本発明の範囲内にある限り行われ得ることが理解される。本発明の化合物の1つ以上は、勃起性機能不全を処置するための単独治療の適用に用いられ得るが、これらはまた、本発明の化合物が、勃起性機能不全および/または他の型の障害、症状、および疾患を処置するために有用である、他の薬学的化合物の1つ以上と組合せられる、併用療法において用いられ得る。
【0158】
上で議論されるように、cGMP−PDE V阻害活性に起因して、本発明の化合物は、泌尿器障害、具体的には、女性および男性の性的不全を処置するために有用である。他の生理学的障害、症状および疾患もまた、cGMP−PDE Vの阻害からの恩恵を得る。より詳細には、本発明の化合物、それらの塩および誘導体を用いて、以下を処置し得る:心血管疾患および脳血管疾患、狭心症、高血圧、血管形成術後、動脈血管内膜切除術後、ステント導入後の再狭窄、末梢血管疾患、大脳虚血、気道障害(例えば、可逆性気道閉塞症、慢性喘息および慢性気管支炎)、アトピーに関連するアレルギー性障害(例えば、じんま疹、湿疹および鼻炎)、肺高血圧症、虚血性心疾患、グルコース寛容減損、糖尿病および関連する合併症、インスリン抵抗性症候群、高血糖症、多嚢胞性卵巣症候群、糸球体疾患、腎不全、腎炎、細尿管間質性疾患、自己免疫疾患、緑内障、腸運動障害、悪液質および癌。
【0159】
本発明の別の局面は、単一のパッケージの中に別々の容器を含むキットを提供することであり、ここで、本発明の薬学的化合物、組成物および/またはその塩を、薬学的に受容可能なキャリアと組合せて用いて、cGMP−PDE V阻害が作用する、障害、症状、および疾患を処置する。
【0160】
上記の記載は、本発明の全ての改変物およびバリエーションを詳述することを意図していない。本発明の概念から逸脱することなく上記の実施形態に対して変更がなされ得ることが当業者に理解される。従って、本発明は、上記の特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲の語句により規定される、本発明の精神および範囲内にある改変にも及ぶことが意図されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の化合物。

【公開番号】特開2007−297409(P2007−297409A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202402(P2007−202402)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【分割の表示】特願2002−529108(P2002−529108)の分割
【原出願日】平成13年9月17日(2001.9.17)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】