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キナーゼインヒビターとして有用なアミノピリジン
説明

キナーゼインヒビターとして有用なアミノピリジン

【課題】キナーゼインヒビターとして有用なアミノピリジンの提供。
【解決手段】本発明は、Auroraプロテインキナーゼのインヒビターとして有用な化合物に関する。本発明はさらに、これらの化合物を含む薬学的に受容可能な組成物と、上述の化合物および組成物を使用して種々の疾患、状態および障害を処置する方法も提供する。本発明はさらに、本発明の化合物を調製するプロセスも提供する。これらの化合物およびこれらの薬学的に受容可能な組成物は、キナーゼをin vitro、in vivoおよびex vivoで阻害するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、Auroraプロテインキナーゼのインヒビターとして有用な化合物に関する。本発明はさらに、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物と、上述の化合物および組成物を使用して種々の障害を処置する方法と、上述の化合物を調製するプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Auroraプロテインには、3種類の関連するセリン/スレオニンキナーゼ(Aurora−A、−Bおよび−C)があり、細胞周期の分裂期の進行にとって必須である。特に、Aurora−Aは、中心体の成熟および分離、紡錘体の形成および染色体の正確な分離に重要な役割を果たす。Aurora−Bは、染色体パッセンジャータンパクであり、中期板への染色体の整列、紡錘の集合チェックポイントを制御するのに中心的な役割を果たし、細胞質分裂を正しく終了させるために中心的な役割を果たす。
【0003】
直腸結腸癌、卵巣癌、胃癌および浸潤性導管腺癌を含むさまざまなヒト癌で、Aurora−A、−Bおよび−Cの過剰発現が観察されている。
【0004】
多くの研究から、siRNA、優性阻害抗体または中和抗体によって、ヒトの癌細胞株においてAurora−Aまたは−Bが欠損したり、阻害されたりすると、4N DNAを有する細胞の蓄積を伴う有糸分裂の進行が破壊され、ある場合には、これに次いで核内倍加および細胞死が起こることが示された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Auroraキナーゼは、多くのヒトの癌に関与し、これらの癌細胞の増殖に対する役割を有するため、魅力的な標的である。Auroraキナーゼインヒビターが、好ましい薬物様性質(例えば、ヒト肝臓ミクロソームでの安定性)を有することが望ましい。従って、Auroraキナーゼを阻害し、好ましい薬物様特性を示す化合物の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、Auroraプロテインキナーゼのインヒビターとして有用な化合物および薬学的に受容可能な組成物を提供する。これらの化合物は、式I
【0007】
【化6】

であらわされるか、またはこれらの薬学的に受容可能な塩であり、R、Rおよびpは本明細書に定義されるとおりである。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩:
【化1】


〔式中、
はC1〜3アルキルまたはシクロプロピルであり、
は、ハロ、C1〜3アルキル、−O−(C1〜3アルキル)、−S−(C1〜3アルキル)またはCFであり、
pは1〜2である〕。
(項目2)
がメチルである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
pが1である、項目2に記載の化合物。
(項目4)
がオルト位で置換されている、項目2に記載の化合物。
(項目5)
がオルト位で置換されている、項目3に記載の化合物。
(項目6)
がF、ClまたはCFである、項目5に記載の化合物。
(項目7)
以下のものから選択される、項目1に記載の化合物。
【化2】


【化3】


【化4】


【化5】


(項目8)
項目1〜7のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルとを含む、組成物。
(項目9)
生体サンプルにおいてAuroraプロテインキナーゼ活性を阻害する方法であって、該生体サンプルと項目1〜7のいずれか1項に記載の化合物とを接触させる工程を含む、方法。
(項目10)
患者において増殖性障害を処置する方法であって、該患者に項目1〜7のいずれか1項に記載の化合物を投与する工程を含む、方法。
(項目11)
前記増殖性障害が、処置の必要な患者において、黒色腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、神経芽細胞腫、または結腸癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、頸部癌、肺癌、中枢神経系(CNS)の癌、腎癌(renal cancer)、前立腺癌、膀胱癌、膵臓癌、脳癌(神経膠腫)、頭部および頸部の癌、腎癌(kidney cancer)、肝臓癌から選択される癌、黒色腫、肉腫、または甲状腺癌から選択され、該方法が、該患者に項目1〜7のいずれか1項に記載の化合物を投与する工程を含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
処置の必要な被検体において癌を処置する方法であって、項目1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、別の治療薬剤とを逐次投与するか、または同時に投与する工程を含む、方法。
(項目13)
前記治療薬剤が、タキサン、bcr−ablインヒビター、EGFRインヒビター、DNA損傷剤および代謝拮抗物質から選択される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記治療薬剤が、パクリタキセル、グリーベック、ダサチニブ、ニロチニブ、タルセバ、イレッサ、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、アントラサイクリン、AraCおよび5−FUから選択される、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記治療薬剤が、カンプトテシン、ドキソルビシン、イダルビシン、シスプラチン、タキソール、タキソテール、ビンクリスチン、タルセバ、MEKインヒビター、U0126、KSPインヒビター、ボリノスタット、グリーベック、ダサチニブおよびニロチニブから選択される、項目12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
これらの化合物およびこれらの薬学的に受容可能な組成物は、キナーゼをin vitro、in vivoおよびex vivoで阻害するのに有用である。このような用途としては、骨髄増殖性障害および増殖性障害(例えば、黒色腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、神経芽細胞腫および癌)の処置または予防が挙げられる。他の用途としては、生物学的現象および病理学的現象におけるキナーゼの研究、このようなキナーゼによって媒介される細胞内信号変換経路の研究、および新規キナーゼインヒビターの比較評価が挙げられる。
【0009】
本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0010】
【化7】

〔式中、
はC1〜3アルキルまたはシクロプロピルであり、
は、ハロ、C1〜3アルキル、−O−(C1〜3アルキル)、−S−(C1〜3アルキル)、−OCFまたはCFであり、
pは1〜2である〕。
【0011】
いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
【0012】
他の実施形態では、pは1である。
【0013】
いくつかの実施形態では、Rはオルト位で置換されている。
【0014】
本発明のいくつかの局面では、Rは、CF、ハロ、C1〜3アルキルまたは−S−(C1〜3アルキル)である。いくつかの実施形態では、RはF、ClまたはCFである。
【0015】
1つの局面は、表1から選択される化合物(またはその薬学的に受容可能な塩)を提供する。
【0016】
(表1)
【0017】
【化8】

【0018】
【化9】

【0019】
【化10】

【0020】
【化11】

本発明の目的のために、化学元素は、the Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,第75版に従って特定される。さらに、有機化学の一般的な原理は、当業者に既知の文章に記載されており、例えば、「Organic
Chemistry」,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999および「March’s Advanced Organic Chemistry」第5版、Smith,M.B.およびMarch,J.編集,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されており、内容全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0021】
本明細書で記載される場合、原子の特定の数範囲は、その間の任意の整数を含む。例えば、1〜4個の原子を有する基は、1個、2個、3個または4個の原子を有することができる。
【0022】
本明細書で記載される場合、本発明の化合物は、場合により、例えば、上に一般的に記載されているような、または本発明の特定の分類、副分類および種類によって例示されるような、1個以上の置換基で置換されていてもよい。句「場合により置換された」は、句「置換されているかまたは置換されていない」と互換可能に使用されることが理解される。一般的に、用語「置換された」は、用語「場合により」の後に続く続かないに関わらず、所与の構造の水素基と、特定の置換基との交換を指す。他に言及されない限り、場合により置換された基は、基のそれぞれの置換可能な位置で置換基を有していてもよく、任意の所与の構造の2つ以上の位置で、特定の基から選択された2つ以上の置換基で置換されている場合、それぞれの位置にある置換基は、同じであっても異なっていてもよい。本発明で想定された置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な化合物または化学的に可能な化合物を形成するものである。
【0023】
用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、本明細書に開示される1つ以上の目的のために、製造し、検出し、好ましくは、回収し、精製し、使用するための条件にさらされた場合でも、実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態では、安定な化合物または化学的に可能な化合物は、40℃以下の温度で、水分または他の化学反応条件が存在しない状態で、少なくとも一週間保持されても実質的に変化しない化合物である。
【0024】
用語「アルキル」は、本明細書で使用される場合、完全に飽和で、分子の残りの部分に1個の結合点で結合している、分枝していないかまたは分枝している直鎖炭化水素を意味する。アルキル基の特定の例としては、限定されないが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピルおよびsec−ブチルが挙げられる。
【0025】
用語「シクロアルキル」は、完全に飽和で、分子の残りの部分に1個の結合点で結合している単環の炭化水素を指す。適切なシクロアルキル基としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルが挙げられる。
【0026】
用語「不飽和」は、本明細書で使用される場合、ある部分に1つ以上の不飽和単位を有することを意味する。
【0027】
用語「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルを意味する。これには、ペルフッ素化アルキル(例えばCF)が含まれる。
【0028】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0029】
用語「保護基」は、本明細書で使用される場合、多官能化合物中の1つ以上の所望の反応部位を一時的にブロックするために使用される薬剤を指す。特定の実施形態では、保護基は、以下の性質のうち1つ以上、好ましくは全部を有する。(a)良好な収率で選択的に反応し、他の1つ以上の反応部位で生じる反応に対して安定な保護された基質を与えること、および(b)再生した官能基を攻撃しない試薬によって、良好な収率で選択的に除去されること。例示的な保護基は、Greene,T.W.,Wuts,P.Gの「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons,New York:1999およびこの本の他の版に詳細に記載されており、この内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる。用語「窒素保護基」は、本明細書で使用される場合、多官能化合物中の1つ以上の所望な窒素反応性部位を一時的にブロックするのに使用される薬剤を指す。好ましい窒素保護基は、上に例示される特徴も有しており、特定の例示的な窒素保護基は、Greene,T.W.,Wuts,P.Gの「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons,New York:1999の第7章に詳細に記載されており、この内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる。
【0030】
他に言及されない限り、本明細書に示される構造は、その構造のあらゆる異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何異性体(または配座異性体))、例えば、各不斉中心のR配置およびS配置、(Z)および(E)の二重結合異性体、および(Z)および(E)の配座異性体も含むことを意味する。それ故に、本発明の化合物の1個の立体化学異性体、およびエナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または配座異性体)の混合物は、本発明の範囲内にある。
【0031】
他に言及されない限り、本発明のあらゆる互変異性体は、本発明の範囲内にある。当業者によって理解されるように、ピラゾール基は、種々の様式であらわすことができる。例えば、
【0032】
【化12】

として描かれる構造は、他の可能な互変異性体(例えば、
【0033】
【化13】

)もあらわす。同様に、
【0034】
【化14】

として描かれる構造は、他の可能な互変異性体(例えば、
【0035】
【化15】

)もあらわす。
【0036】
他に言及されない限り、置換基は、任意の回転可能な結合の周りを自由に回転することができる。例えば、
【0037】
【化16】

として描かれる置換基は、
【0038】
【化17】

もあらわす。同様に、
【0039】
【化18】

として描かれる置換基は、
【0040】
【化19】

もあらわす。
【0041】
さらに、他に言及されない限り、本明細書に示される構造は、1つ以上の同位体が濃縮された原子が存在することだけが異なる化合物を含むことも意味する。例えば、水素が重水素または三重水素に交換されていることだけが異なる同じ構造を有する化合物、または炭素が13Cまたは14Cが濃縮された炭素に交換されていることだけが異なる同じ構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、生体アッセイの分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0042】
本発明の化合物は、当業者に一般的に知られている工程を用いる本明細書の観点で調製されてもよい。これらの化合物は、既知の方法によって分析されてもよい。既知の方法としては、限定されないが、LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析法)およびNMR(核磁気共鳴)が挙げられる。以下に示される特定の条件は単なる例示であり、本発明の化合物を製造するのに使用可能な条件の範囲を限定することを意味していないことは、理解されるべきである。それどころか、本発明は、本発明の化合物を製造するための本明細書の観点で、当業者にとって明らかな条件も含む。他に言及されない限り、以下のスキームのあらゆる変数は、本明細書に定義されるとおりである。
【0043】
以下の省略形を使用する。
DIPEAはジイソプロピルエチルアミンであり、
DMFはジメチルホルムアミドであり、
n−BuOHはn−ブタノールであり、
t−BuOHはtert−ブタノールであり、
MeOHはメタノールであり、
EtOAcは酢酸エチルであり、
TFAはトリフルオロ酢酸であり、
DMSOはジメチルスルホキシドであり、
Rtは保持時間であり、
DCMはジクロロメタンであり、
MeCNはアセトニトリルであり、
THFはテトラヒドロフランであり、
TBTUは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートであり、
HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、
LCMSは液体クロマトグラフィー質量分析法であり、
H NMRは核磁気共鳴である。
【0044】
(一般的なスキーム)
【0045】
【化20】

上述の一般的なスキームは、本発明の化合物を製造するいくつかの方法を示す。
【0046】
【化21】

上述のスキームIは、式4の化合物(スキームI)を調製する一般的な経路を示す。ここで、変数は本明細書に定義されるとおりである。式1のジクロロ化ピリミジンをHQ−Rと混合し、式2の化合物を合成する。いくつかの実施形態では、適切な溶媒(例えばt−BuOH)の存在下で上述の2つの化合物を16時間加熱する。他の実施形態では、上述の2つの化合物を、アセトニトリルおよびトリエチルアミン存在下0℃で1時間混合する。次いで、式2の化合物を、場合により置換アミノピラゾールとともに適切な溶媒(例えばDMF)および適切な塩基(例えばDIPEA/NaI)の存在下で加熱して式3の化合物を合成し、これをアゼチジンと適切な溶媒(例えばn−BuOH)の存在下で加熱し、式4の化合物を合成する。
【0047】
【化22】

上述のスキームIIは、式6の化合物(スキームII)を調製する一般的な経路を示す。ここで、RおよびRは本明細書に定義されるとおりである。式5の化合物を、ピリジン存在下で適切な酸塩化物(式中、X”がClである)と混合して中間体化合物を得て、これをナトリウムメトキシドおよびメタノール存在下で混合すると、式6の化合物が得られる。いくつかの実施形態では、X”はOHであってもよく、この場合には、適切な酸カップリング試薬を使用して酸とアミンとをカップリングさせる。適切な酸カップリング試薬の例としては、限定されないが、EDC、DCIおよびHOBTが挙げられる。これらのカップリング反応の適切な溶媒としては、限定されないが、THF、CHClおよびジオキサンが挙げられる。
【0048】
したがって、本発明は、本発明の化合物を製造するプロセスに関する。
【0049】
本発明の化合物の活性を評価する方法(例えばキナーゼアッセイ)は当該技術分野で既知であり、以下の実施例にも記載されている。
【0050】
これらの化合物のプロテインキナーゼインヒビターとしての活性を、in vitro、in vivoまたは細胞株内で評価してもよい。in vitroアッセイとしては、キナーゼ活性または活性化キナーゼのATPase活性のいずれかの阻害を測定するアッセイが挙げられる。代替法のin vitroアッセイは、インヒビターがプロテインキナーゼに結合する能力を定量する。このアッセイは、結合前にインヒビターを放射能標識し、インヒビター/キナーゼ複合体を単離し、放射能標識の結合量を測定するか、または、新規インヒビターを、既知の放射能標識に結合したキナーゼとともにインキュベートする競争反応によって行なうことによって測定してもよい。
【0051】
本発明の別の局面は、生体サンプル中でキナーゼ活性を阻害することに関する。この方法は、上記生体サンプルと、式Iの化合物またはこの化合物を含む組成物とを接触させる工程を含む。用語「生体サンプル」は、本明細書で使用される場合、in vitroサンプルまたはex vivoサンプルを意味し、限定されないが、細胞培養物またはその抽出物、哺乳動物由来の検体材料またはその抽出物、および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、または他の体液またはその抽出物が挙げられる。
【0052】
生体サンプル中のキナーゼ活性の阻害は、当業者に既知の種々の目的のために有用である。このような目的の例としては、限定されないが、輸血、臓器移植、生物試料の保管および生物学的アッセイが挙げられる。
【0053】
生体サンプル中のキナーゼ活性の阻害は、生物学的現象および病理学的現象におけるキナーゼの研究、このようなキナーゼによって媒介される細胞内信号変換経路の研究、および新規キナーゼインヒビターの比較評価にも有用である。
【0054】
Auroraプロテインキナーゼインヒビターまたはその薬学的な塩は、動物またはヒトに投与するための薬学的組成物に配合されてもよい。これらの薬学的組成物は、Auroraによって媒介される状態を処置または防ぐのに有効な量のAuroraプロテインインヒビターと、薬学的に受容可能なキャリアとを含み、この薬学的組成物は本発明の別の実施形態である。
【0055】
用語「Auroraによって媒介される状態」または「Auroraによって媒介される疾患」は、本明細書で使用される場合、Aurora(Aurora A、Aurora BおよびAurora C)が何らかの役割を果たすことが知られている任意の疾患または他の有害な状態を意味する。このような状態としては、限定されないが、癌、増殖性障害および骨髄増殖性障害が挙げられる。
【0056】
骨髄増殖性障害の例としては、限定されないが、真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を合併する骨髄様化生、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、若年性骨髄単球性白血病および全身性肥満細胞症が挙げられる。
【0057】
さらに、用語「癌」としては、限定されないが、以下の癌が挙げられる。口腔の扁平上皮癌(頬、唇、舌、口、咽頭)、心臓(肉腫(血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫および奇形腫)、肺(気管支癌(扁平上皮細胞または上皮様細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫)、胃腸(食道(扁平上皮細胞癌、喉頭癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(small bowelまたはsmall intestine)(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫(Karposi’s sarcoma)、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫)、大腸(large bowelまたはlarge intestine)(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸、結腸直腸(colon−直腸)、結腸直腸(colorectal))、直腸、尿生殖路(腎臓(腺癌、ウィルム腫瘍〔腎芽細胞腫〕、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、睾丸(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛腫、肉腫、間質細胞腫、繊維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫))、肝臓(肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞アデノーマ、血管腫、胆汁道)、骨(骨形成系の肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍、脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma(骨軟骨の外骨腫))、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫瘍)、神経系(頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫))、婦人科系(子宮(子宮内膜癌)、頸部(頸部癌、前腫瘍状態の頸部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、分類されていない癌]、顆粒膜−莢膜細胞腫、Sertoli−Leydig細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)、乳房)、血液(血液(脊髄白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]ヘアリー細胞)、リンパ系の障害、皮膚(悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫(Karposi’s sarcoma)、角化棘細胞腫、形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、甲状腺(甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌))、甲状腺髄様癌、未分化甲状腺癌、2A型多発性内分泌腺腫、2B型多発性内分泌腺腫、家族性甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、傍神経節腫)および副腎(神経芽細胞腫)。従って、用語「癌性細胞」は、本明細書で提供される場合、上に特定された状態のうちいずれか1つに罹患した細胞を含む。いくつかの実施形態では、癌は、直腸結腸癌、甲状腺癌または乳癌から選択される。
【0058】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、例えば、結腸直腸癌、甲状腺癌、乳癌および肺癌のような癌、ならびに、例えば、真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を合併する骨髄様化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、若年性骨髄単球性白血病および全身性肥満細胞症のような骨髄増殖性障害を処置するのに有用である。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、特に、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性前骨髄球性白血病(APL)および急性リンパ性白血病(ALL)のような造血障害を処置するのに有用である。
【0060】
本発明の化合物に加え、本発明の化合物の薬学的に受容可能な誘導体またはプロドラッグも、上に特定される障害を処置または予防するための組成物中で使用されてもよい。
【0061】
「薬学的に受容可能な誘導体またはプロドラッグ」は、受容者に投与されると、直接的または間接的に本発明の化合物または阻害活性を有する代謝物質または残基を与えることができる、本発明の化合物の任意の薬学的に受容可能なエステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。このような誘導体またはプロドラッグとしては、このような化合物が患者に投与されると、本発明の化合物のバイオアベイラビリティーを高める(例えば、経口投与された化合物がきわめて容易に血中に吸収されることによって)もの、または親化合物と比較して生体コンパートメント(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を高めるものが挙げられる。
【0062】
本発明の化合物の薬学的に受容可能なプロドラッグの例としては、限定されないが、エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩およびスルホン酸エステルが挙げられる。
【0063】
本発明の化合物は、処置のために遊離形態で存在してもよく、または適切な場合には、薬学的に受容可能な塩の形態で存在してもよい。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、過度な毒性、刺激性、アレルギー反応などを有さず、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適し、合理的なリスク対効果比を有する、分別のある医師の判断の範囲内にある化合物の塩を指す。
【0065】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、適切な有機および無機の酸と塩基とから誘導されるものが挙げられる。これらの塩は、化合物の最終的な単離中および精製中に系中で調製することができる。酸付加塩は、(1)遊離形態の精製した化合物と適切な有機または無機の酸とを反応させる工程、および(2)このようにして得られた塩を単離する工程によって調製することができる。
【0066】
適切な酸付加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられる。他の酸(例えばシュウ酸)は、それ自体は薬学的に受容可能ではないが、本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な酸付加塩を得るための中間体として有用な塩を調製するのに利用してもよい。
【0067】
塩基付加塩は、(1)酸形態の精製した化合物と適切な有機または無機の塩基とを反応させる工程、および(2)このようにして得られた塩を単離する工程によって調製することができる。
【0068】
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカルシウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)塩、アンモニウム塩およびN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。本発明は、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基を四級化したものも含む。水または油に可溶性または分散性の生成物は、このような四級化によって得てもよい。
【0069】
さらに、塩基付加塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含む。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。さらなる薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンのような対イオンを用いて合成された、非毒性のアンモニウム塩、四級アンモニウム塩、およびアミンカチオン塩が挙げられる。他の酸および塩基は、それ自体は薬学的に受容可能ではないが、本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な酸付加塩および塩基付加塩を得るための中間体として有用な塩を調製するのに利用してもよい。
【0070】
これらの薬学的組成物で使用可能な薬学的に受容可能なキャリアとしては、限定されないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清プロテイン(例えばヒト血清アルブミン)、バッファー基質(例えば、ホスフェート)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系基質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
【0071】
本発明の組成物は、経口投与、非経口投与、吸入スプレーによる投与、局所投与、直腸内投与、経鼻投与、口腔投与、膣投与で投与してもよいし、または移植された容器を介して投与してもよい。用語「非経口」は、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下、腹腔内、肝内、病巣内および頭蓋内の注射技術または注入技術を含む。
【0072】
本発明の組成物の滅菌注射用形態は、水性または油性の懸濁物であってもよい。これらの懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該技術分野で既知の技術によって配合されてもよい。滅菌の注射用製剤は、非毒性の非経口として受容可能な希釈剤または溶媒を用いた滅菌注射用溶液または懸濁物であってもよい(例えば、1、3−ブタンジオール溶液)。使用可能な受容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、Ringer溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。それに加え、滅菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来どおり使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む無菌性の固定油を使用してもよい。脂肪酸(例えば、オレイン酸およびオレイン酸グリセリド誘導体)は、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油、特にこれらのポリエトキシル化物)と同様に、注射液を調製するのに有用である。これらの油溶液または懸濁物は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤(例えばカルボキシメチルセルロース)またはエマルションおよび懸濁物を含む薬学的に受容可能な投薬形態の配合で一般的に使用される同様の分散剤を含有してもよい。薬学的に受容可能な固体、液体または他の投薬形態を製造するのに一般的に使用される他の一般的に使用される界面活性剤(例えば、Tween、Spanおよび他の乳化剤またはバイオアベイラビリティー向上剤)も、配合のために使用してもよい。
【0073】
本発明の薬学的組成物は、任意の経口として受容可能な投薬形態(例えば、限定されないが、カプセル、錠剤、水性懸濁物または溶液)で経口投与されてもよい。経口用途の錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアは、ラクトースおよびトウモロコシデンプンを含んでいてもよい。滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)を添加してもよい。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンを含んでいてもよい。経口用途で水性懸濁物が必要な場合、有効成分を乳化剤および懸濁剤と混合してもよい。所望な場合、特定の甘味剤、香味剤または着色剤も添加してもよい。
【0074】
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与用の座剤形態で投与されてもよい。これらの形態は、薬剤と、室温では固体だが、直腸温度では液体である適切な非刺激性賦形剤とを混合することによって調製することができる。これにより、直腸では賦形剤が溶け、薬物を放出する。このような物質は、ココアバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールを含んでいてもよい。
【0075】
本発明の薬学的組成物は、特に、処置標的が局所適用によって接近可能な領域または臓器を含む(眼、皮膚または下部消化管の疾患を含む)場合、局所投与されてもよい。適切な局所処方物は、各領域または臓器ごとに調製されてもよい。
【0076】
下部消化管用へは、直腸座剤処方物(上を参照)または適切な浣腸処方物で局所適用することができる。局所的な経皮パッチを使用してもよい。
【0077】
局所適用の場合、薬学的処方物は、1つ以上のキャリアに懸濁または溶解した有効成分を含有する適切な軟膏に配合されてもよい。本発明の化合物の局所投与用キャリアとしては、限定されないが、鉱物油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水を挙げることができる。あるいは、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリアに懸濁または溶解した有効成分を含有する適切なローションまたはクリームに配合されてもよい。適切なキャリアとしては、限定されないが、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を挙げることができる。
【0078】
眼用途には、薬学的処方物は、等張性のpHを調整した滅菌食塩水の微粉化懸濁物または等張性のpHを調整した滅菌食塩水溶液として配合されてもよく、これらには、防腐剤(例えばベンジルアルコニウムクロリド)を含んでいても含んでいなくてもよい。あるいは、眼用途には、薬学的処方物は、軟膏(例えばワセリン)に配合されてもよい。
【0079】
本発明の薬学的組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与されてもよい。このような組成物は、ベンジルアルコールまたは適切な防腐剤、バイオアベイラビリティーを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素および/または他の従来の可溶化剤または分散剤を使用して、食塩水溶液として調製されてもよい。
【0080】
1回の投薬形態を製造するのにキャリア物質と混合可能なキナーゼインヒビターの量は、処置される宿主、特定の投与態様および適応に依存してさまざまである。一実施形態では、組成物は、組成物を投与された患者に0.01〜100mg/体重kg/日のインヒビターが投与されるように配合されるべきである。別の実施形態では、組成物は、組成物を投与された患者に0.1〜100mg/体重kg/日のインヒビターが投与されるように配合されるべきである。
【0081】
任意の特定の患者への特定の投薬法および処置法は、使用される特定の化合物の活性、患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、および処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重篤度を含む種々の因子に依存することも理解されるべきである。インヒビターの量は、組成物中の特定の化合物に依存してもよい。
【0082】
別の実施形態によれば、本発明は、患者に本明細書に記載の化合物または薬学的組成物を投与する工程を含む、癌、増殖性障害または骨髄増殖性を処置または予防する方法を提供する。
【0083】
用語「患者」は、本明細書で使用される場合、ヒトを含む動物を意味する。
【0084】
いくつかの実施形態では、この方法は、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性骨髄性白血病(CML)または急性リンパ性白血病(ALL)のような造血障害を処置または予防するために使用される。
【0085】
他の実施形態では、この方法は、真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を合併する骨髄様化生、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、若年性骨髄単球性白血病および全身性肥満細胞症のような骨髄増殖性障害を処置または予防するために使用される。
【0086】
さらに他の実施形態では、この方法は、乳癌、結腸癌、前立腺癌、皮膚癌、膵臓癌、脳癌、尿生殖路癌、リンパ系癌、胃癌、喉頭癌および肺癌(肺腺癌、小細胞肺癌および非小細胞肺癌を含む)のような癌を処置または予防するために使用される。
【0087】
別の実施形態は、患者に式Iの化合物または式Iの化合物を含む組成物を投与する工程を含む、癌を処置または予防する方法を提供する。
【0088】
本発明の別の局面は、患者に式Iの化合物または式Iの化合物を含む組成物を投与する工程を含む、患者においてキナーゼ活性を阻害することに関する。いくつかの実施形態では、上記キナーゼは、Auroraキナーゼ(Aurora A、Aurora B、Aurora C)、Abl、Arg、FGFR1、MELK、MLK1、MuSK、RetまたはTrkAである。
【0089】
処置または予防される特定の条件に依存して、本発明の化合物とともにさらなる薬物を投与してもよい。いくつかの場合には、これらのさらなる薬物は、上述の同じ状態を処置または予防するために通常投与されるものである。例えば、化学療法剤または他の抗増殖剤を本発明の化合物と組み合わせ、増殖性疾患を処置してもよい。
【0090】
本発明の別の局面は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、別の治療薬剤とを逐次投与するか、または共に投与する工程を含む、処置の必要な被検体において癌を処置する方法に関する。いくつかの実施形態では、上述のさらなる治療薬剤は、抗癌剤、抗増殖剤または化学療法剤から選択される。
【0091】
いくつかの実施形態では、上述のさらなる治療薬剤は、カンプトテシン、MEKインヒビター:U0126、KSP(キネシンスピンドルタンパク質)インヒビター、アドリアマイシン、インターフェロンおよび白金誘導体(例えばシスプラチン)から選択される。
【0092】
他の実施形態では、上述のさらなる治療薬剤は、タキサン、bcr−ablインヒビター(例えば、グリーベック、ダサチニブおよびニロチニブ)、EGFRインヒビター(例えば、タルセバおよびイレッサ)、DNA損傷剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、トポイソメラーゼインヒビターおよびアントラサイクリン)および代謝拮抗物質(例えば、AraCおよび5−FU)から選択される。
【0093】
さらに他の実施形態では、上述のさらなる治療薬剤は、カンプトテシン、ドキソルビシン、イダルビシン、シスプラチン、タキソール、タキソテール、ビンクリスチン、タルセバ、MEKインヒビター、U0126、KSPインヒビター、ボリノスタット、グリーベック、ダサチニブおよびニロチニブから選択される。
【0094】
別の実施形態では、上述のさらなる治療薬剤は、Her−2インヒビター(例えばハーセプチン)、HDACインヒビター(例えばボリノスタット)、VEGFRインヒビター(例えばアバスチン)、c−KITインヒビターおよびFLT−3インヒビター(例えばスニチニブ)、BRAFインヒビター(例えば、BayerのBAY 43−9006)、MEKインヒビター(例えば、PfizerのPD0325901)および紡錘体毒(例えば、エポチロン)およびパクリタキセルタンパク質結合粒子(例えばアブラキサン(登録商標))から選択される。
【0095】
本発明の抗癌剤と組み合わせて使用可能な他の治療または抗癌剤としては、外科治療、放射線治療(いくつかの例では、数例を挙げると、γ線照射、中性子線放射線治療、電子線放射線治療、プロトン治療、小線源療法および全身性放射性同位体)、内分泌療法、生物反応修飾物質(数例を挙げると、インターフェロン、インターロイキンおよび腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法および凍結療法、任意の副作用を弱める薬剤(例えば制吐薬)および他の承認済の化学療法剤、限定されないが、アルキル化剤(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗物質(メトトレキサート)、プリンアンタゴニストおよびピリミジンアンタゴニスト(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン(Cytarabile)、ゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素類(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)およびホルモン(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミドおよびメゲストロール)、Gleevec(商標)、デキサメタゾンおよびシクロホスファミドが挙げられる。
【0096】
本発明の化合物は、以下の治療薬剤と組み合わせて癌を処置するのに有用であり得る。アバレリクス(Plenaxis depot(登録商標))、アルデスロイキン(Prokine(登録商標))、アルデスロイキン(Proleukin(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、アリトレチノイン(Panretin(登録商標))、アロプリノール(Zyloprim(登録商標))、アルトレタミン(Hexalen(登録商標))、アミフォスチン(Ethyol(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、三酸化ヒ素(Trisenox(登録商標))、アスパラギナーゼ(Elspar(登録商標))、アザシチジン(Vidaza(登録商標))、ベヴァクチマブ(bevacuzimab)(Avastin(登録商標))、ベキサロテンカプセル(Targretin(登録商標))、ベキサロテンゲル(Targretin(登録商標))、ブレオマイシン(Blenoxane(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、ブスルファン静脈用(Busulfex(登録商標))、ブスルファン経口用(Myleran(登録商標))、カルステロン(Methosarb(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BCNU(登録商標)、BiCNU(登録商標))、カルムスチン(Gliadel(登録商標))、Polifeprosan 20インプラント付カルムスチン(Gliadel Wafer(登録商標))、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(cladribine)(Leustatin(登録商標)、2−CdA(登録商標))、クロファラビン(Clolar(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan Injection(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan Tablet(登録商標))、シタラビン(Cytosar−U(登録商標))、シタラビンリポソーム(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))、ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(Cosmegen(登録商標))、ダーベポエチンアルファ(Aranesp(登録商標))、ダウノルビシンリポソーム(DanuoXome(登録商標))、ダウノルビシン、ダウノマイシン(Daunorubicin(登録商標))、ダウノルビシン、ダウノマイシン(Cerubidine(登録商標))、デニロイキンディフチトクス(Ontak(登録商標))、デクスラゾキサン(Zinecard(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin PFS(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycine(登録商標)、Rubex(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin PFS Injection(登録商標))、ドキソルビシンリポソーム(Doxil(登録商標))、プロピオン酸ドロモスタノロン(dromostanolone(登録商標))、プロピオン酸ドロモスタノロン(masterone injection(登録商標))、ElliottのB溶液(Elliott’s B Solution(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、エポエチンアルファ(epogen(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、エストラムスチン(Emcyt(登録商標))、エトポシドホスフェート(Etopophos(登録商標))、エトポシド、VP−16(Vepesid(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標))、フロクスウリジン(動脈内)(FUDR(登録商標))、フルダラビン(Fludara(登録商標))、フルオロウラシル、5−FU(Adrucil(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(Mylotarg(登録商標))、酢酸ゴセレリン(Zoladex Implant(登録商標))、酢酸ゴセレリン(Zoladex(登録商標))、酢酸ヒストレリン(histrelin acetate)(Histrelin implant(登録商標))、ヒドロキシウレア(Hydrea(登録商標))、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イホスファミド(IFEX(登録商標))、メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))、インターフェロンアルファ2a(Roferon A(登録商標))、インターフェロンアルファ−2b(Intron A(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、レナリドマイド(Revlimid(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ロイコボリン(Wellcovorin(登録商標)、Leucovorin(登録商標))、酢酸ロイプロリド(Eligard(登録商標))、レバミゾール(Ergamisol(登録商標))、ロムスチン、CCNU(CeeBU(登録商標))、メクロレタミン(meclorethamine)、ナイトロジェンマスタード(Mustargen(登録商標))、酢酸メゲストロール(Megace(登録商標))、メルファラン、L−PAM(Alkeran(登録商標))、メルカプトプリン、6−MP(Purinethol(登録商標))、メスナ(Mesnex(登録商標))、メスナ(Mesnex tabs(登録商標))、メトトレキサート(Methotrexate(登録商標))、メトキサレン(Uvadex(登録商標))、マイトマイシンC(Mutamycin(登録商標))、ミトタン(Lysodren(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、フェニルプロピオン酸ナンドロロン(nandrolone phenpropionate)(Durabolin−50(登録商標))、ネララビン(Arranon(登録商標))、ノフェツモマブ(Nofetumomab)(Verluma(登録商標))、オプレルベキン(Neumega(登録商標))、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標))、パクリタキセル(Paxene(登録商標))、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、パクリタキセルタンパク質結合粒子(Abraxane(登録商標))、パリフェルミン(palifermin)(Kepivance(登録商標))、パミドロネート(Aredia(登録商標))、ペガデマーゼ(pegademase)(Adagen(ウシペガデマーゼ)(登録商標))、ペグアスパラガーゼ(Oncaspar(登録商標))、ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標))、ペメトレキセド二ナトリウム(Alimta(登録商標))、ペントスタチン(Nipent(登録商標))、ピポブロマン(Vercyte(登録商標))、プリカマイシン、ミトラマイシン(Mithracin(登録商標))、ポルフィマーナトリウム(Photofrin(登録商標))、プロカルバジン(Matulane(登録商標))、キナクリン(Atabrine(登録商標))、ラスブリカーゼ(Elitek(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、サルグラモスチム(Leukine(登録商標))、サルグラモスチム(Prokine(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標))、マレイン酸スニチニブ(Sutent(登録商標))、タルク(Sclerosol(登録商標))、タモキシフェン(Nolvadex(登録商標))、テモゾロマイド(Temodar(登録商標))、テニポシド、VM−26(Vumon(登録商標))、テストラクトン(Teslac(登録商標))、チオグアニン、6−TG(Thioguanine(登録商標))、チオテパ(Thioplex(登録商標))、トポテカン(Hycamtin(登録商標))、トレミフェン(Fareston(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、トシツモマブ/I−131、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トレチノイン、ATRA(Vesanoid(登録商標))、ウラシルマスタード(Uracil Mustard Capsules(登録商標))、バルルビシン(Valstar(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、ゾレドロネート(zoledronate)(Zometa(登録商標))およびボリノスタット(Zolinza(登録商標))。
【0097】
最新版の癌治療の総括的な考察は、http://www.nci.nih.gov/、FDAで承認された腫瘍薬物のリストは、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmおよびThe Merck
Manual,第17版,1999を参照(これらの内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる)。
【0098】
別の実施形態は、組み合わせ調製物の同時使用、別個使用または逐次使用を提供する。
【0099】
これらのさらなる薬剤は、キナーゼインヒビター含有化合物または組成物とは別個に、複数投薬法の一部分として投与されてもよい。あるいは、これらの薬剤は、キナーゼインヒビターとともに組成物に混合した1個の投薬形態の一部分であってもよい。
【0100】
本発明をより完全に理解するために、以下に調製例および試験例を記載する。これらの実施例は、単に説明するだけのものであり、本発明の範囲をいかなる様式にも限定すると解釈されるものではない。本明細書に引用される全ての文書は、本明細書に参考として組み込まれる。
【実施例1】
【0101】
本明細書で使用される場合、用語「Rt(分)」は、HPLCの保持時間(分)を指し、この保持時間は個々の化合物と関連性がある。他に言及されない限り、報告された保持時間を得るために、以下のHPLC法を使用する。
【0102】
カラム:ACE C8カラム、4.6×150mm
勾配:0−100%アセトニトリル+メタノール60:40(20mM トリスホスフェート)
流速:1.5mL/分
検出:225nm。
【0103】
質量分析サンプルは、MicroMass Quattro Micro質量分析計をエレクトロスプレーイオン化による単純MSモードで操作して測定した。クロマトグラフィーを用いて、サンプルを質量分析計に導入した。全ての質量分析のための移動相は、10mM pH7の酢酸アンモニウムおよび1:1アセトニトリル−メタノール混合物からなっており、カラムの勾配条件は、ACE C8 3.0×75mmカラムで勾配時間が5%−100%アセトニトリル−メタノールで3.5分間、実行時間が5分間であった。流速は1.2ml/分であった。
【0104】
H−NMRスペクトルは、Bruker DPX 400装置を用いて400MHzで記録した。以下の式Iの化合物を以下のように調製し、分析した。
【0105】
(実施例1)
【0106】
【化23】

(2,6−ジフルオロ−N−[4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルスルファニル)−フェニル]−ベンズアミド)
コンデンサを取りつけた250ml丸底フラスコに、窒素下で4,6−ジクロロ−2−メタンスルホニルピリミジン(4.2g、18.8mmol)、2,6−ジフルオロ−N−(4−メルカプト−フェニル)−ベンズアミド(4.98g、18.8mmol)およびtert−ブタノール(75ml)を入れた。反応混合物を十分に脱気し、90℃で2時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。固体残渣を酢酸エチル(50ml)に取り、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、生成物が析出し始めるまで濃縮した。次いで、この混合物を冷却し、12時間置いた。濾過によって生成物を集め、冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥させた。これにより、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(2.7g、35%)。
【0107】
【化24】

(実施例2)
【0108】
【化25】

(2,6−ジフルオロ−N−{4−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−ベンズアミド)
50ml丸底フラスコに、窒素下で2,6−ジフルオロ−N−[4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルスルファニル)−フェニル]−ベンズアミド(1.0g、2.3mmol)、5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(250mg、2.58mmol)、ヨウ化ナトリウム(351mg、2.34mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(333mg、2.58mmol)およびジメチルホルムアミド(5ml)を入れた。反応混合物を90℃で18時間攪拌し、室温まで冷却した。反応混合物を酢酸エチル(25ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。化合物をフラッシュクロマトグラフィー(75〜80% 酢酸エチル/ガソリン)で精製し、標題化合物を得た(1.08g、98%)。
【0109】
【化26】

(実施例3)
【0110】
【化27】

(N−{4−[4−アゼチジン−1−イル−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド(化合物I−2))
10ml丸底フラスコに、2,6−ジフルオロ−N−{4−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−ベンズアミド(150mg、0.31mmol)、アゼチジン(35mg、0.62mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(80mg、0.62mmol)およびn−ブタノール(1.5ml)を入れた。反応混合物を80℃で4時間攪拌し、冷却し、減圧下で濃縮した。化合物を分取HPLC(MeCN/水 0.05%TFA 10/90−100/0を10分)で精製し、標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(54mg、29%)。
【0111】
【化28】

以下の表2は、スキームIおよび実施例1〜3のスキームに記載した方法によって製造した化合物のデータを示す。化合物番号は、表1に示した化合物番号に対応している。
【0112】
【化29】

(実施例4)
【0113】
【化30】

(2−クロロ−N−[4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルスルファニル)−フェニル]−ベンズアミド)
250mL丸底フラスコに、窒素下で4,6−ジクロロ−2−メタンスルホニルピリミジン(7.00g、26.6mmol)、2−クロロ−N−(4−メルカプト−フェニル)−ベンズアミド(6.33g、27.9mmol)およびアセトニトリル(100mL)を入れた。固体が溶解したら、反応混合物を0℃まで冷却し、トリエチルアミン(3.7mL、26.6mmol)を滴下した。この溶液を0℃で10分間攪拌し、室温まで加温し、1時間攪拌した。この時間経過後、水(50mL)を添加し、白色固体が析出し、この反応混合物をさらに4時間攪拌した。この時間経過後、反応混合物を濾過し、固体をアセトニトリル(2×10mL)で洗浄して、標題化合物を白色固体として得た(8.03g、74%)。
【0114】
【化31】

(実施例5)
【0115】
【化32】

(2−クロロ−N−{4−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−ベンズアミド)
250mL丸底フラスコに、窒素下で2−クロロ−N−[4−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル]−ベンズアミド(12.5g、30.4mmol)、5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(3.55g、36.5mmol)、ヨウ化ナトリウム(4.56g、30.4mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.9mL、40.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(125mL)を入れた。反応混合物を90℃で5時間攪拌し、室温まで冷却した。水(600mL)を添加し、得られた懸濁物を室温で2時間攪拌し、濾過によって固体を集め、乾燥させた。得られた白色固体を熱酢酸エチル(50mL)を用いて磨砕し、濾過し、酢酸エチル(1×20mL)で洗浄し、標題化合物を白色固体として得た(11.76g、82%)。
【0116】
【化33】

(実施例6)
【0117】
【化34】

(N−{4−[4−アゼチジン−1−イル−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−2−クロロ−ベンズアミド(化合物I−1))
500mL丸底フラスコに、2−クロロ−N−{4−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−ベンズアミド(16.0g、34.0mmol)、アゼチジン(3.87g、68.0mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(13.0mL、74.7mmol)およびn−ブタノール(250mL)を入れた。反応混合物を90℃で5時間攪拌した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。ジエチルエーテル(200mL)を添加し、淡褐色固体が析出した。溶液を濾過し、固体をエタノールから再結晶させ、白色固体として純粋な生成物を得た(9.42g、52%)。
【0118】
【化35】

実施例6を調製するために使用する別の方法を以下に記載する。
【0119】
2−クロロ−N−{4−[4−クロロ−6−(5−メチル−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルスルファニル]−フェニル}−ベンズアミド(169g、0.36mol)の2−プロパノール(1.3L)懸濁物に、アゼチジン(100g、1.76mol)を滴下した。この反応混合物を80〜82℃に加熱した。24時間後、ジイソプロピルエチルアミン(73.4g、0.57mol)を添加した。反応の進行をHPLCによって監視した。減圧下で反応混合物を乾燥するまで濃縮し、メタノールとともに3回共沸させ(3×650mL)、メタノール(1L)中40℃で2時間攪拌し、10℃まで冷却した。得られたオフホワイト色固体を濾過した。単離した物質を還流アセトニトリルで3時間かけてスラリー状にし、20〜25℃まで冷却し、濾過し、減圧下で一晩乾燥させた。この物質を還流アセトニトリルで3時間かけて再びスラリー状にし、20〜25℃まで冷却し、濾過した。この物質を一定重量になるまで乾燥させた。所望の生成物をオフホワイト色固体として単離した(154g、86%)。
【0120】
以下の表3は、スキームIおよび実施例4〜6のスキームに記載した方法によって製造した特定の例示的な化合物のデータを示す。化合物番号は、表1に示した化合物番号に対応している。
【0121】
【化36】

【0122】
【化37】

(実施例7)
【0123】
【化38】

(2−(4−アミノフェニルチオ)−6−(アゼチジン−1−イル)−N−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−アミン)
tert−ブチル 4−(4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−(アゼチジン−1−イル)ピリミジン−2−イルチオ)フェニルカルバメート(実施例6と同様の方法を用いて調製)(2.53g、5.6mmol)を1:1 TFA−DCM(20mL)に溶解し、得られた溶液を室温で一晩放置した。この溶液を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcに取り、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し(2回)、次いで食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた褐色固体(1.8g、91%)[MS(ES+)354]をさらに精製したり特性決定したりすることなく、次の工程で使用した。
【0124】
(実施例8)
【0125】
【化39】

(N−(4−(4−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(アゼチジン−1−イル)ピリミジン−2−イルチオ)フェニル)−3−メチルベンズアミド(I−4))
2−(4−アミノフェニルチオ)−6−(アゼチジン−1−イル)−N−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−アミン(200mg、0.57mmol)をピリジン(2mL)に入れ、m−トルオイルクロリド(0.187mL、1.42mmol)を室温で滴下した。15分後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をメタノール(3mL)に入れた。ナトリウムメトキシド(25%w/w MeOH溶液、1mL)を添加し、得られた濁った溶液を室温で15分間攪拌した。反応混合物をクロマトグラフィー(シリカ、5−100% EtOAc−ガソリンの勾配を有する溶出液)で直接精製し、標題化合物を白色固体として得た(89mg、33%)。
【0126】
【化40】

以下の表4は、スキームIIおよび実施例7〜8のスキームに記載した方法によって製造した特定の例示的な化合物のデータを示す。化合物番号は、表1に示した化合物番号に対応している。
【0127】
【化41】

以下に示す実験は、本明細書に記載される実施例で使用されるいくつかの化合物の調製法を示す。
【0128】
化合物a
【0129】
【化42】

2−クロロ−N−(4−メルカプトフェニル)ベンズアミド
【0130】
【化43】

S−4−(2−クロロベンズアミド)フェニル 2−クロロベンゾチオエート
脱気EtOAc(3.2L)をフラスコに入れた。この溶媒を窒素下で0℃まで冷却した。4−アミノベンゼンチオール(435g、3.48mmol)を溶融させ、直接フラスコに入れた。トリエチルアミン(773g、7.65mol)を30分かけて添加すると沈殿が析出した。次いで、温度を5℃未満に保ちつつ、2−クロロベンゾイルクロリド(1340g、7.65mol)をニートで添加した。全部添加した後、混合物を20℃で1時間加熱した。スラリーをろ過し、ケーキをEtOAc(780mL)で洗浄した。この物質を窒素を流しながら、一定重量になるまで減圧下50℃で乾燥させた。この化合物をさらに精製することなく、次の反応を行った。
【0131】
【化44】

(2−クロロ−N−(4−メルカプトフェニル)ベンズアミド)
S−4−(2−クロロベンズアミド)フェニル 2−クロロベンゾチオエート(305g、0.76mol)、EtOAc(325mL)および水(65mL)を還流コンデンサを取り付けたフラスコに入れた。NaOH(3当量、50%水溶液)を添加し、この混合物を70℃で30〜40分間加熱した。蒸留によって100mmHgでEtOAcを除去し、混合物を5℃まで冷却した。この混合物を6N HClでpH2になるまで酸性にした。次いで、この固体を減圧濾過によって集め、水(390mL)で洗浄した。この固体をCHCl(520mL)に入れ、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して所望の物質(174g、87%)を得た。
【0132】
(実施例10:Aurora−2(AuroraA)阻害アッセイ)
標準的な共役酵素アッセイ(Foxら,Protein Sci.,(1998)7,2249)を用いて、Aurora−2を阻害する能力について化合物をスクリーニングした。100mM Hepes(pH7.5)、10mM MgCl、1mM DTT、25mM NaCl、2.5mM ホスホエノールピルベート、300μM NADH、30μg/ml ピルベートキナーゼおよび10μg/ml ラクテートデヒドロゲナーゼの混合物を用いてアッセイを行なった。このアッセイの最終基質濃度は、ATP(Sigma Chemicals)400μMおよびペプチド(Kemptide,American Peptide(カリフォルニア州サニーベール))570μMであった。40nMのAurora−2存在下、30℃でアッセイを行なった。
【0133】
上に列挙した試薬のうち、Aurora−2および目的の試験化合物をのぞく全てを含有するアッセイストックバッファー溶液を調製した。ストック溶液55μlを96ウェルプレートに置き、試験化合物を順に希釈したもの(典型的には、最終濃度が7.5μMから開始)を含有するDMSOストック2μlを添加した。プレートを30℃で10分間プレインキュベーションし、Aurora−2 10μlを添加して反応を開始させた。Molecular Devices SpectraMax Plusプレートリーダーの10分コースを用いて初期の反応速度を決定した。Prismソフトウェアパッケージ(Macintosh,GraphPad Software(米国カリフォルニア州サンディエゴ)のGraphPad Prism version 3.0cx)を用いた非線形回帰分析によってIC50およびKiのデータを算出した。
【0134】
(実施例11:Aurora−1(AuroraB)阻害アッセイ(放射分析))
25mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl、0.1% BSAおよび10% グリセロールからなるアッセイバッファー溶液を調製した。22nM Aurora−B溶液(1.7mM DTTおよび1.5mM Kemptide(LRRASLG)を含有する)をアッセイバッファーで調製した。96ウェルプレート中で、Aurora−B溶液22μLに化合物ストックDMSO溶液2μlを添加し、混合物を25℃で10分間平衡化させた。最終アッセイ濃度が800μMになるように、アッセイバッファーで調製したストック[γ−33P]−ATP溶液(約20nCi/μL)16μlを添加することによって酵素反応を開始させた。3時間後に、500mMリン酸16μLを添加することによって反応を停止させ、ペプチド基質への33P取り込み濃度を以下の方法によって決定した。
【0135】
ホスホセルロース96ウェルプレート(Millipore,カタログ番号MAPHNOB50)を100mM リン酸100μLで前処理した後、酵素反応混合物(40μL)を添加した。溶液をホスホセルロース膜に30分浸し、プレートを100mMリン酸200μLで4回洗浄した。乾燥したプレートの各ウェルにOptiphase「SuperMix」液体シンチレーションカクテル(Perkin Elmer)30μLを添加し、シンチレーション計数した(1450 Microbeta Liquid Scintillation Counter,Wallac)。500mMリン酸16μLを、全アッセイ成分(酵素を変性するように作用する)を含有するコントロールウェルに添加した後、[γ−33P]−ATP溶液を添加することによって、酵素によって触媒されていない放射能活性のバックグラウンドレベルを決定した。各インヒビター濃度で測定した値から平均バックグラウンド値を引くことによって、酵素によって触媒された33P取り込み量を算出した。各Ki決定のために、8データ点(典型的には、0〜10μMの化合物濃度範囲をカバーする)を、2ッ組で得た(DMSOストックは、初期の化合物ストック10mMから順次1:2.5に希釈して調製した)。Ki値は、Prismソフトウェアパッケージ(Prism 3.0,Graphpad Software(カリフォルニア州サンディエゴ)を用いた非線形回帰によって初期の速度データから算出した。
【0136】
(実施例12:Itk阻害アッセイ:放射能活性によるアッセイ)
本発明の化合物を、放射能活性によるアッセイを用いてヒトItkキナーゼのインヒビターとして評価した。
【0137】
20mM MOPS(pH7.0)、10mM MgCl、0.1% BSAおよび1mM DTTの混合物を用いてアッセイを行なった。このアッセイ中の最終基質濃度は、[γ−33P]ATP(400μCi 33P ATP/μmol ATP、Amersham Pharmacia Biotech/Sigma Chemicals)7.5μMおよびペプチド(SAM68プロテインΔ332−443)3μMであった。アッセイを50nM Itk存在下25℃で行なった。上に列挙した試薬のうち、ATPおよび目的の試験化合物をのぞく全てを含有するアッセイストックバッファー溶液を調製した。ストック溶液50μlを96ウェルプレートに置き、試験化合物を順に希釈したもの(典型的には、最終濃度が50μMから順に開始して2倍に希釈)を含有するDMSOストック2μlを2ッ組で添加した(最終DMSO濃度2%)。プレートを25℃で10分間プレインキュベーションし、[γ−33P]−ATP 50μL(最終濃度7.5μM)を添加して反応を開始させた。
【0138】
10分後に、100μLの0.2M リン酸+0.01% TWEEN20を添加して、反応を停止させた。マルチスクリーンホスホセルロースフィルター96ウェルプレート(Millipore,カタログ番号MAPHN0B50)を100μLの0.2M リン酸+0.01% TWEEN20を用いて前処理した後、停止させたアッセイ混合物170μLを添加した。プレートを200μLの0.2Mリン酸+0.01% TWEEN20を用いて4回洗浄した。乾燥後、Optiphase「SuperMix」液体シンチレーションカクテル(Perkin Elmer)30μLをウェルに添加した後、シンチレーション計数した(1450 Microbeta Liquid Scintillation Counter,Wallac)。
【0139】
Prismソフトウェアパッケージ(Macintosh,GraphPad Software(米国カリフォルニア州サンディエゴ)のGraphPad Prism version 3.0cx)を用いた初期速度データの非線形回帰分析によってKi(app)データを算出した。
【0140】
(実施例13:JAK3阻害アッセイ)
以下に示すアッセイを用いて、JAKを阻害する能力について化合物をスクリーニングした。100mM HEPES(pH7.4)、1mM DTT、10mM MgCl、25mM NaClおよび0.01% BSAを含有するキナーゼバッファーで反応を行った。このアッセイの基質濃度は、ATP(200uCi/μmole ATP)5μMおよびポリ(Glu)Tyr 1μMであった。1nM JAK3を用いて25℃で反応を行った。
【0141】
96ウェルポリカーボネートプレートの各ウェルに、1.5μlの候補JAK3インヒビターと、2μM ポリ(Glu)Tyrおよび10μM ATPを含有するキナーゼバッファー50μlとを添加した。次いで、これを混合し、2nM JAK3酵素を含有するキナーゼバッファー50μlを添加して反応を開始させた。室温(25℃)で20分後、0.4mM ATPを含有する20% トリクロロ酢酸(TCA)50μlを用いて反応を停止させた。各ウェルの全内容物をTomTek Cell Harvesterを用いて96ウェルガラスファイバーフィルタープレートに移した。洗浄した後、シンチレーション液60μlを添加し、33P取り込み量をPerkin Elmer TopCountで検出した。
【0142】
(実施例14:JAK2阻害アッセイ)
JAK−2酵素を使用し、最終ポリ(Glu)Tyr濃度が15μMであり、最終ATP濃度が12μMである以外は、上述の実施例13に記載されるようにアッセイを行なった。
【0143】
(実施例15:FLT−3阻害アッセイ)
放射分析フィルター−結合アッセイを用いて、FLT−3活性を阻害する能力について化合物をスクリーニングした。このアッセイは、基質ポリ(Glu,Tyr)4:1(pE4Y)への33P取り込みを観察する。100mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl、25mM NaCl、1mM DTT、0.01% BSAおよび2.5% DMSOを含有する溶液で反応を行った。このアッセイの最終基質濃度は、ATP 90μMおよびpE4Y 0.5mg/mlであった(両者ともSigma Chemicals(ミズーリ州セントルイス)から)。本発明の化合物の最終濃度は、一般的に0.01〜5μMであった。典型的には、試験化合物の10mM DMSOストックから順次希釈し、12点の滴定を行なった。室温で反応を行った。
【0144】
2種類のアッセイ溶液を調製した。溶液1は、100mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl、25mM NaCl、1mg/ml pE4Yおよび180mM ATP(各反応ごとに0.3mCiの[γ−33P]ATPを含有する)を含有する。溶液2は、100mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl、25mM
NaCl、2mM DTT、0.02% BSAおよび3nM FLT−3を含有する。溶液1 50μlおよび本発明の化合物2.5mlをそれぞれ混合することによって、96ウェルプレートでアッセイを行なった。溶液2を用いて反応を開始させた。室温で20分間インキュベートした後、0.4mMのATPを含有する20%TCA50μlを用いて反応を停止させた。次いで、全反応物をフィルタープレートに移し、TOMTEC(コネティカット州ハムデン)製Harvester 9600によって5%TCAで洗浄した。pE4yへの33P取り込み量は、Packard Top Count Microplate Scintillation Counter(コネティカット州メリデン)で分析した。Prismソフトウェアでデータを解析し、IC50またはKiを得た。
【0145】
(実施例16:ミクロソーム安定性アッセイ)
さまざまな種(雄CD−1マウス、雄Sprague−Dawleyラット、雄Beagleイヌ、雄Cynomolgusサルおよびプールしておいた性別混合のヒト)由来のミクロソームの減少時間プロフィールを作成することによって、ミクロソーム安定性をモニタリングした。化合物のDMSOストック溶液(典型的には10mM)を希釈してアセトニトリル溶液(0.5mM)を得ることによって、化合物のスパイク溶液を作成した。化合物(最終濃度5μM)を、肝臓ミクロソームタンパク質(1mg/mL)およびβ−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート還元形態(NADPH)−再生システム(RGS)[2mMのβ−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、20.5mMのイソクエン酸、1mLあたり0.5Uのイソクエン酸デヒドロゲナーゼ、30mMの塩化マグネシウムおよび0.1M リン酸バッファー(PB)pH7.4からなる]からなる最終反応混合物(1000μL)とともに、0.1M PB(pH7.4)存在下でインキュベートした。
【0146】
あらかじめインキュベートしておいたRGS(250μL)を、予めインキュベートしておいたミクロソーム/VRT/PB混合物(両者とも37℃で10分間インキュベートしておいた)に添加して反応を開始させた。Eppendorfバイアル(1.5ml)内で、37℃まで加熱するように改変し、Multiprobe II HT Ex自動化液体ハンドラーを取り付けたヒーターシェーカー(2つのプレートヒーターをデッキに固定し、Packard Manual Heaterにより制御されたDPC Micromix 5(設定 フォーム20、強度4))でサンプルをインキュベートした。液体ハンドラーは、インキュベーション0分後、2分後、10分後、30分後および60分後にミクロソームインキュベーション混合物をサンプリングし、冷メタノール100μLを含有する停止ブロック(96ウェルブロック)にアリコート(100μL)を移すようにプログラミングされていた(WinPREPソフトウェア)。停止混合物中の有機物の%は、適切な容積の水溶性物質/有機物(典型的にはメタノール:水 50:50を100μL)を添加することによって分析用に最適化された。
【0147】
分析の前に、停止ブロックをシェーカー(DPC Micromix 5 10分、フォーム20、強度5)に置き、タンパク質を沈殿させた。このブロックを遠心分離した(Jouan GR412 2000rpm、15分、4℃)。サンプルのアリコート(200μL)を分析ブロックに移し、分析前にこのブロックを再び遠心分離した(Jouan GR412 2000rpm、5分、4℃)。液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS/MS)によってVRTの消失をモニタリングすることによって減少プロフィールを決定した。サンプルを分析カラムに注入した(20μL Agilent
1100液体クロマトグラフィーシステム、オートサンプラー付)。移動相は、水+0.05%(v/v)ギ酸(A)およびメタノール+0.05%(v/v)ギ酸(B)からなっていた。
【0148】
目的の化合物に最適化した勾配法を行ない、分析カラムから化合物を溶出させた。合計測定時間は6分であり、流速は0.35mL/分であった。カラムからの流出物は全て、測定時間0.5〜5.9分にMicromass Quattro LCタンデム質量分析計のエレクトロスプレーイオン化源(ポジティブモード)に入った。質量分析計は、目的の化合物に最適化したものであった。全てのインキュベーションは2ッ組で行い、結果は、0分のサンプルと比較して、30分または60分のサンプルに残っている親の%としてあらわした。
【0149】
(実施例17:細胞増殖および生存率の分析)
ECACCから得たColo205細胞を用い、以下に示すアッセイを用いて、細胞増殖を阻害する能力および細胞生存率に与える影響について化合物をスクリーニングした。
【0150】
Colo205細胞を96ウェルプレートに接種し、順に希釈した化合物を2ッ組でウェルに添加した。コントロール群は、未処理の細胞と、化合物の希釈剤(0.1%DMSOのみ)と、細胞を含まない培地とを含んでいた。次いで、5% CO2/95%湿度で、細胞を37℃で72時間または96時間インキュベートした。
【0151】
増殖を測定するために、実験の終了の3時間前に、0.5μCiの3Hチミジンを各ウェルに添加した。次いで、細胞を回収し、Wallacマイクロプレートβカウンターにより、取り込まれた放射活性を計数した。Promega CellTiter 96AQを用いて細胞生存率を評価し、MTS変換率を測定した。Prism 3.0(GraphPad)またはSoftMax Pro 4.3.1 LS(Molecular Devices)ソフトウェアを用いて用量応答曲線を算出した。
【0152】
(実施例18:Ablキナーゼ阻害アッセイおよび阻害定数Kiの決定)
標準的な共役酵素アッセイ(Foxら,Protein Sci.,7,pp.2249(1998))を用いて、N−末端が切断された(Δ27)Ablキナーゼの活性を阻害する能力について化合物をスクリーニングした。100mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl、25mM NaCl、300μM NADH、1mM DTTおよび3% DMSOを含有する溶液で反応を行った。このアッセイの最終基質濃度は、ATP(Sigma Chemicals、ミズーリ州セントルイス)110μMおよびペプチド(EAIYAAPFAKKK,American Peptide(カリフォルニア州サニーベール))70μMであった。21nM Ablキナーゼを用いて30℃で反応を行った。共役酵素システムの成分の最終濃度は、2.5mM ホスホエノールピルベート、200μM NADH、60μg/ml ピルベートキナーゼおよび20μg/ml ラクテートデヒドロゲナーゼであった。
【0153】
上に列挙した試薬のうち、ATPおよび目的の試験化合物をのぞく全てを含有するアッセイストックバッファー溶液を調製した。アッセイストックバッファー溶液(60μl)を、最終濃度が典型的には0.002μM〜30μMの目的の試験化合物2μlとともに96ウェルで30℃で10分間インキュベートした。典型的には、試験化合物のDMSOストック(1mM化合物ストック)を用いて娘プレートに順次希釈し、12点の滴定を行なった。ATP 5μl(最終濃度110μM)を添加し、反応を開始させた。Molecular Devices Spectramaxプレートリーダー(カリフォルニア州サニベール)で30℃で10分間かけて反応速度を得た。残りの速度データから、非線形回帰を用い、インヒビター濃度の関数としてKi値を決定した(Prism 3.0、Graphpad Software、カリフォルニア州サンディエゴ)。
【0154】
化合物14はAblキナーゼを阻害することがわかった。
【0155】
(実施例19:変異Ablキナーゼ(T315T)活性阻害アッセイおよび阻害定数IC50の決定)
Upstate Cell Signaling Solutions(Dundee,UK)でヒトAblのT315I変異形態を阻害する能力について化合物をスクリーニングした。最終反応容積25μlで、ヒトAblのT315I変異(5〜10mU)を8mM MOPS(pH7.0)、0.2mM EDTA、50μM EAIYAAPFAKKK、10mM 酢酸Mg、[γ−33P−ATP](特異的な活性約500cpm/pmol、最終的なアッセイ濃度10mM)および目的の試験化合物とともに最終濃度が0〜4μnMの範囲でインキュベートした。MgATP混合物を添加することによって反応を開始した。室温で40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液5μlを添加することによって反応を停止させた。反応物10μlをP30濾過マットの上に置き、75mM リン酸で5分間の洗浄を3回繰り返し、メタノールで1回洗浄し、乾燥させてシンチレーション計数した。阻害IC50値は、インヒビター濃度の関数として残った酵素活性の非線形回帰分析から決定した(Prism 3.0,Graphpad Software,カリフォルニア州サンディエゴ)。
【0156】
(実施例20:Arg(Abl−2)、FGFR1、MELK、MLK1、MuSK、RetおよびTrkAの阻害アッセイ)
当業者に既知のスクリーニング法を用いて、Arg(Ab1−2)、FGFR1、MELK、MLK1、MuSK、RetおよびTrkAを阻害する能力について化合物I−1をスクリーニングした。上述の酵素は全て、ATPのKまたはそれに近いATP濃度でスクリーニングした。
【0157】
以下の表5は、実施例20から得たKi値を示す。
【0158】
【化45】

以下の表6は、上述の実施例10〜11および16のデータを示す。
【0159】
【化46】

以下の表7は、上述の実施例13〜15および実施例18〜19のデータを示す。
【0160】
【化47】

本発明の多くの実施形態を記載したが、基本的な実施例を、本発明の化合物、方法およびプロセスを利用するかまたは包含する他の実施形態を与えるように改変してもよいことは明らかである。それ故に、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【公開番号】特開2013−75904(P2013−75904A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−276504(P2012−276504)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2008−539070(P2008−539070)の分割
【原出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】