説明

キナーゼ阻害剤としての化合物

本発明は、タンパク質チロシンキナーゼと関連する癌などの、血管新生と関連する疾患状態を治療するための、式(I)の化合物、その調製方法、活性成分としてそれを含む医薬組成物、方法、ヒトなどの温血動物においてチロシンキナーゼ減少効果を阻害するために用いられる医薬品としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年8月19日に出願された米国仮特許出願第61/089,908号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、タンパク質チロシンキナーゼと関連する癌などの、血管新生と関連する疾患状態を治療するための、化合物、その調製方法、活性成分としてそれを含む医薬組成物、方法、ヒトなどの温血動物においてチロシンキナーゼ減少効果を阻害するために用いられる医薬品としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
受容体チロシンキナーゼは、細胞膜を貫通し、細胞外成長因子結合ドメインと、膜貫通ドメインと、タンパク質中の特定のチロシン残基をリン酸化し、それによって細胞増殖に影響を及ぼすキナーゼとして機能する細胞内部分とを有する巨大な酵素である。チロシンキナーゼは、成長因子受容体キナーゼ(例えば、EGFR、PDGFR、FGFR、およびerbB2)または非受容体キナーゼ(例えば、c−srcおよびbcr−abl)として分類することができる。このようなキナーゼは、乳癌、結腸癌、直腸癌、または胃癌などの消化器癌、白血病、および卵巣癌、気管支癌、または膵癌などの一般的なヒトの癌において異常発現する場合がある。異常なerbB2活性は、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、膵癌、胃癌、および結腸癌に関与している。
【0004】
正常な血管新生は、胚発生と創傷治癒と雌の生殖機能のいくつかの構成要素とを含む種々の過程において重要な役割を果たしている。望ましくないまたは病的な血管新生は、糖尿病性網膜症、乾癬、癌、関節リウマチ、アテロームを含む疾患状態に関与している。新しい血管およびその透過性の形成である腫瘍血管新生は、少なくとも2つの異なる受容体であるVEGF−R1(Flt−1)およびVEGF−R2(KDR、Flk−1)を介して作用する(腫瘍由来の)血管内皮成長因子(VEGF)によって主に調節される。VEGF KDR受容体は、血管内皮細胞に極めて特異的である(Endocr.Rev.1992,13,18;FASEB J.1999,13,9)。
【0005】
多くのヒト腫瘍、特に、神経膠腫および癌腫は、高レベルのVEGFおよびその受容体を発現する。これは、腫瘍細胞により放出されたVEGFが、傍分泌の様式で、血液供給の向上を介して、毛細血管の成長と腫瘍内皮の増殖とを刺激し、腫瘍の成長を加速するという仮説を導いた。インビボでの腫瘍血管新生因子としてのVEGFの役割の直接的証拠は、VEGF発現またはVEGF活性を阻害した研究において示される。これは、抗VEGF抗体を用いて、シグナル伝達を阻害するドミナントネガティブVEGFR−2突然変異体を用いて、およびアンチセンスVEGF RNA技術を用いて達成された。全ての手法は、腫瘍血管新生を阻害した結果として、インビボでの神経膠腫細胞株または他の腫瘍細胞株の成長の低下をもたらした。
【0006】
3つの主なメカニズム、すなわち、1)細胞死と増殖との間で達成される均衡よって正味の腫瘍成長がなくなる、血管、特に、毛細血管の血管休止腫瘍内への成長の阻害、2)腫瘍内外への血流の欠如による、腫瘍細胞の移動の防止、ならびに3)内皮細胞の増殖の阻害による、通常血管を裏打ちする内皮細胞によって周囲組織に及ぼされる傍分泌刺激効果の回避が、腫瘍に対する血管新生阻害剤の活性において重要な役割を果たしている。
【0007】
本発明は、VEGFの効果を驚くほど阻害する化合物の発見に基づいており、これは、癌、糖尿病、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性の腎症、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫疾患、急性炎症、過度の瘢痕形成および癒着、リンパ浮腫、子宮内膜症、不正子宮出血、ならびに網膜血管増殖を伴う眼疾患などの血管新生および/または血管透過性増大に関連する疾患状態の治療において有用な特性である。
【0008】
今回、下記の式Iの化合物が有利な薬理学的特性を有し、タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、VEGFr、EGFr、c−kit、PDGF、FGF、SRCなど)の活性を阻害する新しいクラスの化合物であることが分かった。これらは、タンパク質チロシンキナーゼの不可逆的な阻害剤にもなり得る。
【0009】
本発明の化合物と構造が類似している化合物の例が、以下の文献に開示されている:国際公開公報第9717329号、国際公開公報第9722596号、国際公開公報第0047212号、国際公開公報第2002032872号、国際公開公報第2004018430号、国際公開公報第2005073224号、国際公開公報第2005080377号、国際公開公報第2005097134号、国際公開公報第2005097137号、国際公開公報第2005114219号、国際公開公報第2005070891号、国際公開公報第05021553号、国際公開公報第2007084875号、国際公開公報第2007017740号、米国特許第2005137395号、米国特許第7253286号。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開公報第9717329号
【特許文献2】国際公開公報第9722596号
【特許文献3】国際公開公報第0047212号
【特許文献4】国際公開公報第2002032872号
【特許文献5】国際公開公報第2004018430号
【特許文献6】国際公開公報第2005073224号
【特許文献7】国際公開公報第2005080377号
【特許文献8】国際公開公報第2005097134号
【特許文献9】国際公開公報第2005097137号
【特許文献10】国際公開公報第2005114219号
【特許文献11】国際公開公報第2005070891号
【特許文献12】国際公開公報第05021553号
【特許文献13】国際公開公報第2007084875号
【特許文献14】国際公開公報第2007017740号
【特許文献15】米国特許第2005137395号
【特許文献16】米国特許第7253286号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Endocr.Rev.1992,13,18;FASEB J.1999,13,9
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、式Iの化合物、または医薬として許容されるその塩に関する。
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、 環Qは、
【0015】
【化2】

【0016】
から選択される、二環式アリール部分または二環式ヘテロシクリル部分であり、
Rは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、またはヘテロシクリルから各々独立に選択され;
は、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、または低級アルキニルから選択され;
Aは、直接結合または−N(R’)−から選択され;
Bは、直接結合、O、−N(R’)−、−C(=Z)−、−C(=Z)N(R’)−、低級アルキレニル−C(=Z)−、または低級アルキレニル−C(=Z)N(R’)−から選択され;
Zは、OまたはSから選択され;
aは、1、2、3、4、または5から選択され;
b、c、およびdは、1、2、または3から各々独立に選択され;
Gは、C−R、C−(CN)、またはNから選択され;
XおよびYが、(i)XがYと化合して酸素またはメチレンになる、(ii)Xが水素であり、Yが水素である、(iii)Xが水素であり、Yがヒドロキシまたはその光学異性体である、から選択される場合、R’およびR’’は示されず;
XおよびYが、(i)Xが水素であり、YがO、S、またはその光学異性体である、(ii)XおよびYが両方ともOまたはSである、あるいは(iii)XがOであり、YがSである、から選択される場合、R’およびR’’は、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルヒドロキシから各々独立に選択され;任意でR’およびR’’は化合して、X、Yと5〜7員環を形成し、該環は、置換されていなくてもよく、または最大3個の置換基で独立に置換されていてもよい。)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、タンパク質チロシンキナーゼを阻害することができる新規化合物、ならびに過剰なまたは不適当な血管新生によって引き起こされる新生物性疾患または増殖性疾患または慢性炎症性疾患または血管新生性疾患の治療において治療を必要とする哺乳動物のタンパク質チロシンキナーゼおよび血管新生を阻害するためのこれらの化合物の使用に関する。
【0018】
式(I)の化合物、または医薬として許容されるその塩において、
環Qは、
【0019】
【化3】

【0020】
から選択される、二環式アリール部分または二環式ヘテロシクリル部分であり、
Rは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、またはヘテロシクリルから各々独立に選択され;好ましくは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキルから選択され;
は、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、または低級アルキニルから選択され;好ましくは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキルから選択され;
Aは、直接結合または−N(R’)−から選択され;好ましくは、直接結合または−NH−から選択され;
Bは、直接結合、O、−N(R’)−、−C(=Z)−、−C(=Z)N(R’)−、低級アルキレニル−C(=Z)−、または低級アルキレニル−C(=Z)N(R’)−から選択され;好ましくは、−NH−、−C(=O)−、または−C(=O)NH−から選択され;
Zは、OまたはS;好ましくは、Oから選択され;
aは、1、2、3、4、または5;好ましくは、1、2、または3から選択され;
b、c、およびdは、1、2、または3;好ましくは、1または2から各々独立に選択され;
Gは、C−R、C−(CN)またはN;好ましくは、C−RまたはN、より好ましくは、CHから選択され;
XおよびYが、(i)XがYと化合して酸素またはメチレンになる、(ii)Xが水素であり、Yが水素である、(iii)Xが水素であり、Yがヒドロキシまたはその光学異性体である、から選択される場合、R’およびR’’は示されず;好ましい部分は、ケトン、メチレン、またはヒドロキシもしくは該ヒドロキシの光学異性体から各々独立に選択され;
XおよびYが、(i)Xが水素であり、YがO、S、またはその光学異性体である、(ii)XおよびYが両方ともOまたはSである、あるいは(iii)XがOであり、YがSである、から選択される場合、R’およびR’’は、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルヒドロキシから各々独立に選択され;任意でR’およびR’’は化合して、X、Yと5〜7員環を形成し、該環は、置換されていなくてもよく、または最大3個の置換基で独立に置換されていてもよく、好ましい部分は、アルコキシもしくは該アルコキシの光学異性体、環状ケタール、環状チオケタール、または環状チオキソランから各々独立に選択され、これらは、置換されていなくてもよく、または低級アルキル、アリール、もしくはヘテロシクリルで置換されていてもよい。
【0021】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「ハロゲン」という用語には、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード、例えば、フルオロおよびクロロが含まれる。
【0022】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「ハロゲン低級アルキル」という用語には、1〜6個のハロゲンで置換されたアルキル、例えば、トリフルオロメチルが含まれる。
【0023】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「低級アルキル」という用語には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどを含むが、これらに限定されない、直鎖部分または分岐部分を有する1〜6飽和一価炭化水素ラジカルが含まれる。
【0024】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「低級アルケニル」という用語には、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、上で定義した低級アルキル基、例えば、−CH−CH=CHが含まれる。
【0025】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「低級アルキニル」という用語には、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、上で定義した低級アルキル基、例えば、−CH−C≡CHが含まれる。
【0026】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「低級アルコキシ」という用語には、−O−低級アルキル基、例えば、メトキシおよびエトキシが含まれ、ここで、低級アルキルは上で定義したものである。
【0027】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「低級アルコキシアルコキシ」という用語には、−O−低級アルキル−O−低級アルキル基、例えば、−OCHCHOCHが含まれ、ここで、低級アルキルは上で定義したものである。
【0028】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「低級アルキレニル」という用語には、1〜6飽和−CH−ラジカルが含まれる。
【0029】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「アミノ」という用語には、−NH基、−NH−低級アルキル基、または−N(低級アルキル)基、例えば、メチルアミノおよびジメチルアミノが含まれ、ここで、低級アルキルは上で定義したものである。
【0030】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「アルキルアミノ」という用語には、低級アルキル−NH基、−低級アルキル−NH−低級アルキル基、または−低級アルキル−N(低級アルキル)基、例えば、−CHCHNHCHが含まれ、ここで、低級アルキルは上で定義したものである。
【0031】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「アルコキシアミノ」という用語には、−O−低級アルキル−NH基、−O−低級アルキル−NH−低級アルキル基、または−O−低級アルキル−N(低級アルキル)基、例えば、−OCHCHNHCHが含まれ、ここで、低級アルキルは上で定義したものである。
【0032】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「アリール」という用語には、芳香族炭化水素から1個の水素を除去することによって得られる有機ラジカル、例えば、フェニルまたはナフチル、好ましくは、フェニルであって、置換されていないか、あるいはハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シアノ、低級アルキルシアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノ、カルバモイル、カルバメート、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルスルフィニル、低級アルカンスルホニル、スルホンアミドから選択される、1または2個の置換基によって置換されているものが含まれ;アリールには、飽和環または部分飽和環などの脂肪族環と縮合した1個の芳香族環、例えば、テトラヒドロナフチルが含まれる。
【0033】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「ヘテロシクリル」という用語には、各環に最大4個のヘテロ原子を好適に含む非芳香族の単一環および縮合環が含まれ、これらのヘテロ原子の各々は、O、N、およびSから独立に選択され、これらの非芳香族の単一環および縮合環は、置換されていなくてもよく、または例えば、最大3個の置換基で独立に置換されていてもよい。各複素環は、4〜7個、好ましくは、5または6個の環原子を好適に有する。縮合複素環系は炭素環を含んでいてもよいが、複素環(これは、部分飽和であっても飽和であってもよい)を1個だけ含む必要がある。ヘテロシクリルは、O、N、およびSから各々選択される最大4個、好ましくは、1または2個のヘテロ原子を含む単環式、二環式、および三環式のヘテロ芳香族環系を含む。各環は、4〜7個、好ましくは、5または6個の環原子を有していてもよい。二環系または三環系は炭素環を含んでいてもよい。炭素環は、シクロアルキル環、シクロアルケニル環、またはアリール環を含み、ヘテロシクリル基の例としては、アゼチジン、ピロリジン、ピロリジオン、ピペリジン、ピペリジノン、ピペラジン、モルホリン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、ピラゾリジンおよびヒダントイン、ピロール、インドール、ピラゾール、インダゾール、トリゾール、ベンゾトリゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、チオゾール、ベンゾチオゾール、フラン、ベンゾフラン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、トリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、インドリン、インドリノン、ベンゾテトラヒドロフラン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、メチレン−ジオキシフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクリルおよび複素環は任意で置換されていてもよく、置換基は、アリールの置換基として上で定義した基から選択されてもよい。
【0034】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「シクロアルキル」という用語には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない、3〜8個の環炭素原子を有する環式ラジカルが含まれる。シクロアルキル基は、任意で1回または複数回置換されていてもよく、置換基は、アリールの置換基として上で定義した基、好ましくは、ハロゲン、低級アルキルから選択されてもよい。
【0035】
別途示されない限り、本明細書で使用される、「シクロアルケニル」という用語には、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、上で定義したシクロアルキル基が含まれる。
【0036】
いくつかのインビトロでのチロシンキナーゼ阻害活性は、Rewcastle,GW,J.Med.Chem.1996,39,918−928およびEdwards M,International Biotechnology Lab 5(3),19−25,1987.Oncogene,1990,5:519−524.The Baculovirus Expression System:A Laboratory Guide,L.A.King 1992.Sambrookら,1989,Molecular cloning−A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbour Laboratory Press.O’Reillyら,1992,Baculovirus Expression Vectors−A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Co,New York中の記載に従って測定することができる。
【0037】
受容体チロシンキナーゼは、Carpenterら,J.Biol.Chem.,1979,254,4884、Cohenら,J.Biol.Chem.,1982,257,1523、およびBraunら,J.Biol.Chem.,1984,259,205lによって記載されている細胞と同様のA−431細胞から部分的に精製された形で得ることができる。これらの試験のうちのいくつかは、スクリーニングについてMillipore Upstate Ltdと契約することもできる。
【0038】
実施例に記載した化合物は、各種受容体チロシンキナーゼに対するサブナノモルからマイクロモル範囲の阻害活性のIC50を有する。
【0039】
以下のインビトロ結果は、MTTアッセイにおけるヒト腫瘍NSCLC A549細胞株および結腸LOVO細胞株に対する本発明の実施例化合物の活性である。
【0040】
A549(IC50、μM) LOVO(IC50、μM)
実施例1 0.09 0.2
実施例2 0.1 0.3
実施例3 0.1 0.4
実施例4 0.08 0.4
実施例5 0.1 0.4
実施例6 0.08 0.4
実施例7 0.09 0.2
実施例8 0.1 0.3
実施例9 0.1 0.4
実施例10 0.1 0.4
実施例11 0.2 0.7
実施例12 0.3 0.9
実施例13 0.2 0.9
実施例14 0.2 0.7
実施例15 0.3 0.9
実施例16 0.2 0.7
実施例17 0.3 0.9
実施例18 0.5 0.8
実施例19 0.2 0.7
実施例20 0.3 0.9
実施例21 0.8 1.1
実施例22 0.7 1.1
実施例23 0.8 1.2
実施例24 1.0 1.5
実施例25 0.3 0.9
実施例26 0.8 1.1
実施例27 0.4 0.9
実施例28 1.0 1.5
実施例29 0.3 0.9
実施例30 0.9 1.0
【0041】
動物の抗腫瘍活性試験は以下のように実施することができる。
【0042】
化合物を、tween80および0.5%CMCと、懸濁液として混合した。雌のヌードマウス(17〜19g)を使用した。ヒトLOVO結腸癌(またはマウスHAC肝臓癌)の腹水を0.9%NaCl溶液で希釈し(1:4)、各マウスに0.2ml皮下注射した。全ての動物(n=12)を試験群および対照群として無作為に均等に分けた。腫瘍を注射した2日後から1日に1回、18日間、0.5〜500mg/Kgの投薬量で試験群に薬物を経口投与した。21日目に動物を屠殺し、両方の群について各腫瘍を摘出し、重量を測定し、抗腫瘍活性についての割合の相違を計算した。
【0043】
式Iの化合物は、単独でまたは1種以上の他の治療剤と組み合わせて投与することができ、可能な併用療法は、固定された組合せ、または交互にもしくは互いに独立に与えられる本発明の化合物と1種以上の他の治療剤の投与、または固定された組合せと1種以上の他の治療剤の併用投与という形をとる。
【0044】
式Iの化合物は、これ以外にまたはこれに加えて、特に腫瘍療法のために、化学療法、放射線療法、外科的介入、またはこれらの組合せと組み合わせて投与することができる。長期療法は、上記のように、他の治療戦略との関連において、補助療法と同様に可能である。他の可能な治療は、腫瘍退縮後の患者の状態を維持する療法、さらには例えば、リスクのある患者の化学的予防療法である。
【0045】
本発明の化合物は、ヒトを管理するためだけでなく、他の温血動物、例えば、商業的に有用な動物を治療するためのものでもある。このような化合物は、他の化合物との比較を可能にするために、上記の試験系の参照標準として使用することもできる。
【0046】
塩は、特に、式Iの化合物の医薬として許容される塩である。好適な医薬として許容される塩は当業者に明らかであり、これには、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19に記載されている塩、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、またはリン酸;および有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、またはナフタレンスルホン酸で形成される酸付加塩が含まれる。例えば、式(I)の化合物の単離または精製において他の塩を使用することができ、これらも本発明の範囲内に含まれる。
【0047】
本発明の化合物は、結晶または非結晶の形態であってもよく、結晶の場合、任意で水和または溶媒和されていてもよい。本発明はまた、化学量論的水和物および可変量の水を含む化合物をその範囲に含む。
【0048】
本発明は、エナンチオマーおよびその混合物、例えば、ラセミ化合物を含む式(I)の化合物の立体異性体および幾何異性体を含む、全ての異性体形態に及ぶ。異なる異性体形態を従来の方法によって互いに分離または分割することができ、あるいは任意の所与の異性体を、従来の合成方法によって、または立体特異的合成もしくは不斉合成によって得ることができる。
【0049】
当業者は、式Iにより包含される化合物の医薬として許容される無毒のプロドラッグを調製するために使用し得る各種合成方法を認識するであろう。当業者は、本発明の化合物の溶媒和物を調製するために使用し得る、水、エタノール、鉱油、植物油、およびジメチルスルホキシドなどの多種多様な医薬として許容される無毒の溶媒を認識するであろう。
【0050】
一般式Iの化合物は、従来の医薬として許容される無毒の担体、補助剤、およびビヒクルを含む投薬単位処方物として、経口的、局所的、非経口的に、吸入もしくはスプレーにより、または直腸に投与することができる。丸薬、カプセル、エリキシル、シロップ、ロゼンジ、トローチなどの形態での経口投与が特に好ましい。本明細書で使用される非経口という用語には、皮下注射、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄内、髄腔内への注射または同様の注射もしくは注入技術が含まれる。さらに、一般式Iの化合物と医薬として許容される担体とを含む医薬処方物が提供される。1種以上の一般式Iの化合物は、1種以上の医薬として許容される無毒の担体および/または希釈剤および/または補助剤、ならびに所望ならば、他の活性成分とともに存在していてもよい。一般式Iの化合物を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性の懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬質もしくは軟質のカプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような、経口使用に好適な形とすることができる。
【0051】
経口使用を意図する組成物は、医薬組成物の製造のための技術分野で公知の任意の方法従って調製することができ、このような組成物は、医薬として見た目も味も良い製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に好適な医薬として許容される無毒の賦形剤と混合された活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、またはアラビアゴム、ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであってもよい。錠剤はコーティングされていなくてもよく、または錠剤は、消化管での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長期間にわたる持続的作用が得られるよう、公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。
【0052】
経口使用のための処方物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パフィン、もしくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0053】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された活性材料を含む。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴムであり、分散剤または湿潤剤は、天然ホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。水性懸濁液は、1種以上の防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤、および1種以上の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンを含むこともできる。
【0054】
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはヤシ油中に、または流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることによて処方することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールを含むことができる。上述のような甘味剤と香味剤とを添加して、味の良い経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することによって保存することができる。
【0055】
水の添加により水性懸濁液を調製するのに好適な分散性の粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1種以上の防腐剤と混合された活性成分を提供する。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上述したものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、および着色剤が存在していてもよい。
【0056】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形とすることもできる。油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば、流動パラフィン、またはこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、天然ゴム、例えば、アラビアゴムもしくはトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば、大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルもしくは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、ならびに該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってもよい。エマルジョンは、甘味剤および香味剤を含むこともできる。
【0057】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースとともに処方することができる。このような処方物は、鎮痛薬、防腐剤、香味剤、および着色剤を含むこともできる。
【0058】
化合物は、薬物の直腸投与または膣投与用の坐剤の形で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが、直腸温度または膣温度では液体となるため、直腸または膣内で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料としては、カカオ脂およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0059】
医薬組成物は、滅菌された注射可能な水性または油性の懸濁液の形とすることができる。この懸濁液は、上述した好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知技術に従って処方することができる。滅菌された注射可能な製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非経口的に許容される無毒の希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な溶液または懸濁液とすることができる。使用し得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌された固定油は、従来通り、溶媒または懸濁媒体として使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌の固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用されている。
【0060】
本発明の化合物は、当業者に公知の方法を用いて経皮投与することもできる(例えば:Chien;‘‘transdermal Controlled Systemic Medications’’;Marcel Dekker,Inc.;1987.Lippら.国際公開公報第94/04157号 1994年3月3日を参照されたい)。
【0061】
一般式Iの化合物は、滅菌媒体中で非経口投与することができる。使用するビヒクルおよび濃度によるが、薬物をビヒクルに懸濁または溶解させることができる。有利なことに、局所麻酔剤、防腐剤、および緩衝剤などの補助剤をビヒクルに溶解させることができる。
【0062】
ヒト以外の動物に投与するために、組成物を動物の飼料または飲料水に添加することもできる。これらの動物飼料用および動物飲料水用の組成物を、動物がその食餌とともに適正量の組成物を摂取するように配合するのが好都合である。組成物を飼料または飲料水への添加用プレミックスとして提供することも好都合である。
【0063】
式Iの化合物のための本明細書に開示される全ての使用レジメンについて、1日当たりの経口投薬量レジメンは、好ましくは、0.01〜200mg/Kg全体重である。静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、および非経口注射を含む注射、ならびに注入技術の使用による投与のための1日当たりの投薬量は、好ましくは、0.01〜200mg/Kg全体重である。1日当たりの直腸投薬量レジメンは、好ましくは、0.01〜200mg/Kg全体重である。1日当たりの膣投薬量レジメンは、好ましくは、0.01〜200mg/Kg全体重である。1日当たりの局所投薬量レジメンは、好ましくは、1日に1〜4回投与される0.01〜200mgである。経皮濃度は、好ましくは、0.01〜200mg/Kgの日用量を維持するのに必要とされる濃度である。1日当たりの吸入投薬量レジメンは、好ましくは、0.01〜200mg/Kg全体重である。
【0064】
しかしながら、任意の特定の患者についての具体的な用量レベルは、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身健康、性別、食餌、投与の時間、投与経路、排泄速度、薬物の組合せ、治療を受けている特定の疾患の重症度を含む、種々の要因によって決まることが理解されるであろう。
【0065】
本発明の好ましい化合物は特定の薬理学的特性を有する。このような特性としては、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低血清タンパク質結合、ならびに望ましいインビトロ半減期およびインビボ半減期が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
これらの望ましい薬理学的特性を予測するために、アッセイを使用することができる。バイオアベイラビリティを予測するために使用されるアッセイは、Caco−2細胞単層を含む、ヒト腸細胞単層を横断する輸送を含む。培養肝細胞に対する毒性は、化合物の毒性を予測するために使用することができる。ヒトにおける化合物の血液脳関門の透過は、化合物を静脈内投与した実験動物における化合物の脳内レベルから予測することができる。
【0067】
血清タンパク質結合は、アルブミン結合アッセイから予測することができる。このようなアッセイは、Oravcovaら(Journal of Chromatography B(1996) 第677巻,1−27ページ)による総説に記載されている。
【0068】
化合物の半減期は、化合物の投薬頻度に反比例する。化合物のインビトロ半減期は、KuhnzおよびGieschen[Drug Metabolism and Disposition,(1998),26,1120−1127]によって記載されたようなミクロソーム半減期のアッセイから予測することができる。
【0069】
本発明の調製の代表的な実例を反応式I〜反応式IVに示す。当業者は、本発明によって包含される化合物を生成するために、出発材料を変えることができ、追加の工程を利用することができることを理解するであろう。
反応式I
【0070】
【化4】

【0071】
反応式II
【0072】
【化5】

【0073】
反応式III
【0074】
【化6】

【0075】
反応式IV
【0076】
【化7】

【0077】
反応式V
【0078】
【化8】

【0079】
限定するものではないが、次の式IIの例、または医薬として許容されるその塩は、反応式I〜Vに記載された方法に従って同様に調製することができる。
【0080】
【化9】

【0081】
(式中、
【0082】
【化10】

【0083】
は、
【0084】
【化11】

【0085】
(aまたはdは、1、2、または3であり;Yは、OまたはSである)から独立に選択され、
環Qは、
【0086】
【化12】

【0087】
(Rは、HまたはFである)から独立に選択される。
【0088】
限定するものではないが、次の例、または医薬として許容されるその塩もまた、反応式I〜Vに記載された方法に従って同様に調製することができる。
【0089】
【化13】

【0090】
場合によっては、上記の変換の一部を達成するために、特定の反応性官能基の保護が必要となる場合がある。一般に、このような保護基の必要性は、このような基を付加および除去するのに必要な条件と同様に、有機合成分野の当業者に明らかであろう。当業者は、特定の例において、上記の変換の一部を達成するために、様々な溶媒または試薬を利用する必要があることを理解するであろう。
【0091】
特許を含む、全ての論文および参考文献の本出願における開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0092】
本発明をさらに以下の実施例で説明するが、これらの実施例は、範囲または精神において、本発明をそこに記載の特定の手順に限定するものと解釈すべきではない。
【0093】
出発材料および各種中間体は、商業的供給源から入手するか、市販の有機化合物から調製するか、または周知の合成方法を用いて調製することができる。
【0094】
本発明の中間体の代表的な調製方法を以下の実施例で示す。
【0095】
次の略語を使用し、他のものは全て標準的な化学式表示である。
EtOH:エタノール、MeOH:メタノール、RT:室温、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、DCM:ジクロロメタン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMAP:ジメチルアミノピリジン、EtOAc:酢酸エチル、EtO:ジメチルエーテル、MsCl:塩化メタンスルホニル、eq:当量、g:グラム、mg:ミリグラム、ml:ミリリットル、μl:マイクロリットル、min:分
【実施例1】
【0096】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−[2−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]−ウンデカン)エトキシ]キノリン
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ベンジルオキシキノリンの調製
方法A:
4−クロロ−7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン(国際公開公報第2008112407号、1.5g)をジオキサン(20ml)中でDMAP(1.5eq)、2−メチル−4−フルオロ−5−ヒドロキシインドール(国際公開公報第0047212号)(1eq)と混合した。反応液を3日間還流し、EtOAc、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ベンジルオキシキノリン(600mg)を得た。
【0097】
方法B:
4−クロロ−7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−キノリン(国際公開公報第2008112407号、1.5g)をジオキサン(30ml)中で3−(2,2−ジメトキシプロピル)−2−フルオロ−4−ニトロフェノール(国際公開公報第0047212号)(1.5eq)と混合した。反応液を3日間還流し、EtOAc、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、7−(ベンジルオキシ)−4−(3−(2,2−ジメトキシプロピル)−2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシキノリン(650mg)を得た。この生成物を2ΝのHC1(3ml)およびアセトン(30ml)と混合し、6時間還流した。反応液をEtOAcで希釈し、飽和NaHCOで中和し、さらにEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、1−(3−(7−(ベンジルオキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロ−6−ニトロフェニル)プロパン−2−オン(500mg)を得、これをEtOH/HO(20ml、4/1)中で鉄(500mg)およびNHCl(50mg)と混合した。反応液を4時間還流し、セライトに通して濾過し、蒸発させた。残渣をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ベンジルオキシキノリン(250mg)を得た。
【0098】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ベンジルオキシキノリン(600mg)をHCONH(600mg)およびPd/C(10%、100mg)と混合し、次いで30分間還流した。熱いうちに反応液を濾過し、濾液を蒸発させ、水で洗浄した後、濾過して、4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ヒドロキシキノリン(400mg)を得た。
【0099】
表題化合物の調製
方法C:
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ヒドロキシキノリン(400mg)をDMF(5ml)中で1,2−ジブロモエタン(2eq)およびKCO(2eq)と混合した。反応液を100℃で5時間加熱し、EtOAc、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製した。生成物をアセトニトリル(15ml)中でNaI(250mg)と混合し、30分間還流した。反応液を冷却し、DIPEA(500μL)および5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]−ウンデカン(300mg)を反応液に添加して、これを一晩還流した。反応液をEtOAc、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、表題化合物(150mg)を得た。質量:(M+1)、520。
【0100】
方法D:
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−ヒドロキシキノリン(400mg)をDMF(5ml)中で2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタン(2eq)およびKCO(2eq)と混合した。反応液を100℃で8時間加熱し、EtOAc、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製した。生成物をEtOH(10ml)中で1NのHCl(2ml)と混合し、5時間還流した。反応液を蒸発させ、飽和NaHCOで中和し、さらにEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、アルデヒド付加体(400mg)を得、これをDCM(10ml)中でNaBH(OAc)3(2eq)とともに5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]−ウンデカン(200mg)と混合した。反応液をRTで2時間撹拌した後、EtOAc、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた。溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムで精製して、表題化合物(250mg)を得た。質量:(M+1)、520。
【実施例2】
【0101】
5−(2−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)エチル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オン
上記の実施例1からの生成物(100mg)を1NのHCl(4ml)およびアセトン(20ml)と混合した。反応液を一晩還流し、蒸発させた。溶液を2NのNaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、HO、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(75mg)を得た。質量:(M+1)、476。
【実施例3】
【0102】
5−(2−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)エチル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オール
上記の実施例2からの生成物(75mg)をMeOH(8ml)に溶解し、RTで撹拌した。反応液にNaBH(75mg)を添加し、RTで30分間撹拌した。反応液を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(60mg)を得た。質量:(M+1)、478。
【実施例4】
【0103】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(2−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン
上記の実施例2からの生成物(60mg)をDMF(4ml)に溶解し、0℃で冷却した。反応液にNaH(1.1eq)を添加し、10分間撹拌した。反応液にTsOMe(1.2eq)を添加し、溶液を80℃で2時間加熱した。反応液を水でクエンチし、EtOAcで抽出した後、水、次にブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。反応液を蒸発させ、シリカカラムで精製して、表題生成物を得た。質量:(M+1)、492。
【実施例5】
【0104】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(2−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン
上記の実施例2からの生成物(50mg)を無水テトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、反応液にNysted試薬(1.5eq、20%溶液)を添加した。反応液をRTで2日間撹拌し、NHCl溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した後、水、次にブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、シリカゲルカラムで精製して、表題化合物を得た。質量:(M+1)、474。
【実施例6】
【0105】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−[3−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]−ウンデカン)プロポキシ]キノリン
表題化合物は、方法Cで1,2−ジブロモエタンの代わりに1,3−ジブロモプロパンを用いることによって;または方法Dで2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタンの代わりに3−ブロモ−1,1−ジメトキシプロパンを用いることによって、実施例1と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、534。
【実施例7】
【0106】
5−(3−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)プロピル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オン
表題化合物は、実施例6の化合物から出発して、実施例2と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、490。
【実施例8】
【0107】
5−(3−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)プロピル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オール
表題化合物は、実施例7の化合物から出発して、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、492。
【実施例9】
【0108】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン
表題化合物は、実施例8の化合物から出発して、実施例4と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、506。
【実施例10】
【0109】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン
表題化合物は、実施例7の化合物から出発して、実施例5と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、488。
【実施例11】
【0110】
6−(6−メトキシ−7−[2−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)エトキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、方法Aで2−メチル−4−フルオロ−5−ヒドロキシインドールの代わりに6−ヒドロキシ−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミドを用いることによって、実施例1と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、560。
【実施例12】
【0111】
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例11の化合物から出発して、実施例2と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、516。
【実施例13】
【0112】
6−(7−(2−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例12の化合物から出発して、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、518。
【実施例14】
【0113】
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例13の化合物から出発して、実施例4と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、532。
【実施例15】
【0114】
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例12の化合物から出発して、実施例5と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、514。
【実施例16】
【0115】
6−(6−メトキシ−7−[3−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)プロポキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、2−メチル−4−フルオロ−5−ヒドロキシインドールの代わりに6−ヒドロキシ−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミドを用いることによって、実施例6と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、574。
【実施例17】
【0116】
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例16の化合物から出発して、実施例7と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、530。
【実施例18】
【0117】
6−(7−(3−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例17の化合物から出発して、実施例8と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、532。
【実施例19】
【0118】
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例18の化合物から出発して、実施例9と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、546。
【実施例20】
【0119】
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
表題化合物は、実施例17の化合物から出発して、実施例10と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、528。
【実施例21】
【0120】
6−(6−メトキシ−7−[2−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)エトキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、方法Aで2−メチル−4−フルオロ−5−ヒドロキシインドールの代わりに6−ヒドロキシ−N−メチル−1−ナフトアミドを用いることによって、実施例1と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、556。
【実施例22】
【0121】
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例21の化合物から出発して、実施例2と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、512。
【実施例23】
【0122】
6−(7−(2−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例22の化合物から出発して、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、514。
【実施例24】
【0123】
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例23の化合物から出発して、実施例4と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、528。
【実施例25】
【0124】
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例22の化合物から出発して、実施例5と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、510。
【実施例26】
【0125】
6−(6−メトキシ−7−[3−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)プロポキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、2−メチル−4−フルオロ−5−ヒドロキシインドールの代わりに6−ヒドロキシ−N−メチル−1−ナフトアミドを用いることによって、実施例6と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、570。
【実施例27】
【0126】
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例26の化合物から出発して、実施例7と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、526。
【実施例28】
【0127】
6−(7−(3−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例27の化合物から出発して、実施例8と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、528。
【実施例29】
【0128】
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例28の化合物から出発して、実施例9と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、542。
【実施例30】
【0129】
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
表題化合物は、実施例27の化合物から出発して、実施例10と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、524。
【0130】
塩形成の例
実施例1(または実施例2〜実施例30)からの化合物(100mg)をEtOAc(5ml)に溶解し、この溶液に2NのHCl/エーテル溶液(0.5ml)を添加した。溶液を蒸発させて、固体をそのHCl塩として得た。
【0131】
臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩;またはコハク酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩などの他の医薬として許容される塩は、同様の方法で調製することができる。これは、より高い温度で、EtOH、MeOH、またはイソプロパノールを用いて、および他の医薬として許容される溶媒を用いて生成することができる。
【0132】
処方例
以下は処方例であるが、これらは純粋に例示的なものであり、決して限定的なものとして解釈されるべきものではない。
【0133】
処方例1:
各カプセルは、次のものを含む:
実施例1(または実施例2〜実施例30)の化合物 100.0mg
トウモロコシデンプン 23.0mg
カルシウムカルボキシメチルセルロース 22.5mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
150.0mg
【0134】
処方例2:
溶液は、次のものを含む:
実施例20(または実施例2〜実施例30)の化合物 1〜10g
酢酸または水酸化ナトリウム 0.5〜1g
p−ヒドロキシ安息香酸エチル 0.1g
精製水 88.9〜98.4g
100.0 g
【0135】
処方例3:
飼料と混合するための粉末は、次のものを含む:
実施例20(または実施例2〜実施例30)の化合物 1〜10g
トウモロコシデンプン 98.5〜89.5g
軽質無水ケイ酸 0.5g
100.0g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】

(式中、
環Qは、
【化2】

から選択される、二環式アリール部分または二環式ヘテロシクリル部分であり、
Rは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、またはヘテロシクリルから各々独立に選択され;
は、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、または低級アルキニルから選択され;
Aは、直接結合または−N(R’)−から選択され;
Bは、直接結合、O、−N(R’)−、−C(=Z)−、−C(=Z)N(R’)−、低級アルキレニル−C(=Z)−、または低級アルキレニル−C(=Z)N(R’)−から選択され;
Zは、OまたはSから選択され;
aは、1、2、3、4、または5から選択され;
b、c、およびdは、1、2、または3から各々独立に選択され;
Gは、C−R、C−(CN)、またはNから選択され;
XおよびYが、(i)XがYと化合して酸素またはメチレンになる、(ii)Xが水素であり、Yが水素である、(iii)Xが水素であり、Yがヒドロキシまたはその光学異性体である、から選択される場合、R’およびR’’は示されず;
XおよびYが、(i)Xが水素であり、YがO、S、またはその光学異性体である、(ii)XおよびYが両方ともOまたはSである、あるいは(iii)XがOであり、YがSである、から選択される場合、R’およびR’’は、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルヒドロキシから各々独立に選択され;任意にR’およびR’’は化合して、X、Yと5〜7員環を形成し、該環は、置換されていなくてもよく、または最大3個の置換基で独立に置換されていてもよい。)
または医薬として許容されるその塩。
【請求項2】
環Qが、
【化3】

から選択される、二環式アリール部分または二環式ヘテロシクリル部分であり、
Rが、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、またはヘテロシクリルから各々独立に選択され;好ましくは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキルから選択され;
が、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、または低級アルキニルから選択され;好ましくは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキルから選択され;
Aが、直接結合または−N(R’)−から選択され;好ましくは、直接結合または−NH−から選択され;
Bが、直接結合、O、−N(R’)−、−C(=Z)−、−C(=Z)N(R’)−、低級アルキレニル−C(=Z)−、または低級アルキレニル−C(=Z)N(R’)−から選択され;好ましくは、−NH−、−C(=O)−、または−C(=O)NH−から選択され;
Zが、OまたはS;好ましくは、Oから選択され;
aが、1、2、3、4、または5;好ましくは、1、2、または3から選択され;
b、c、およびdが、1、2、または3;好ましくは、1または2から各々独立に選択され;
Gは、C−R、C−(CN)またはN;好ましくは、C−RまたはN、より好ましくは、CHから選択され;
XおよびYが、(i)XがYと化合して酸素またはメチレンになる、(ii)Xが水素であり、Yが水素である、(iii)Xが水素であり、Yがヒドロキシまたはその光学異性体である、から選択される場合、R’およびR’’が示されず;好ましい部分が、ケトン、メチレン、またはヒドロキシもしくは該ヒドロキシの光学異性体から各々独立に選択され;
XおよびYが、(i)Xが水素であり、YがO、S、またはその光学異性体である、(ii)XおよびYが両方ともOまたはSである、あるいは(iii)XがOであり、YがSである、から選択される場合、R’およびR’’が、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルヒドロキシから各々独立に選択され;任意でR’およびR’’が化合して、X、Yと5〜7員環を形成し、該環は、置換されていなくてもよく、または最大3個の置換基で独立に置換されていてもよく、好ましい部分が、アルコキシもしくは該アルコキシの光学異性体、環状ケタール、環状チオケタール、または環状チオキソランから各々独立に選択され、これらは、置換されていなくてもよく、または低級アルキル、アリール、もしくはヘテロシクリルで置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、または医薬として許容されるその塩。
【請求項3】
式IIによって表される、請求項1に記載の化合物、
【化4】

(式中、
【化5】

は、
【化6】

(aまたはdは、1、2、または3であり;YはOまたはSである)から独立に選択され、
環Qは、
【化7】

(Rは、HまたはFである)から独立に選択される。)
または医薬として許容されるその塩。
【請求項4】
【化8】


からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、または医薬として許容されるその塩。
【請求項5】
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−[2−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]−ウンデカン)エトキシ]キノリン
5−(2−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)エチル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オン
5−(2−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)エチル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オール
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(2−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(2−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−[3−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]−ウンデカン)プロポキシ]キノリン
5−(3−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)プロピル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オン
5−(3−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)プロピル)−5−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−7−オール
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン
4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン
6−(6−メトキシ−7−[2−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)エトキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(7−(2−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−[3−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)プロポキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(7−(3−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチル−ベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N,2−ジメチルベンゾフラン−3−カルボキサミド
6−(6−メトキシ−7−[2−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)エトキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−
1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(7−(2−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−(2−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)エトキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−[3−(5,8−ジオキサ−10−アザジスピロ[2.0.4.3]ウンデカン)プロポキシ]キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−
1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−オキソ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(7−(3−(7−ヒドロキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メトキシ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド
6−(6−メトキシ−7−(3−(7−メチレン−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)プロポキシ)キノリン−4−イルオキシ)−N−メチル−1−ナフトアミド、からなる群から選択される、実施例1に記載の化合物、あるいは塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩;またはコハク酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、もしくはナフタレンスルホン酸塩から選択される医薬として許容される塩。
【請求項6】
以下の化学反応過程:
【化9】

および
【化10】

の使用により表される、請求項1に記載の式Iを有する化合物の生成方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に定義される化合物もしくは該化合物の医薬として許容される塩、または該化合物の水和物もしくは溶媒和物と医薬として許容される担体とを活性成分として含む医薬組成物。
【請求項8】
有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記化合物を投与することにより対象の癌を治療する方法で使用するのに適している化合物。
【請求項9】
有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記化合物を投与することにより対象の血管新生を治療する方法で使用するのに適している化合物。

【公表番号】特表2012−500269(P2012−500269A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523883(P2011−523883)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/053779
【国際公開番号】WO2010/021918
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510315065)
【出願人】(510315076)アドヴェンチェン ラボラトリーズ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】