説明

キナーゼ阻害剤としての置換イミダゾ〔1,2b〕ピリダジン、それらの調製及び医薬としての使用

本発明は新規キナーゼ阻害剤、そのような阻害剤の調製方法、そのような阻害剤の調製のための中間体、及びそのような阻害剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規置換イミダゾ〔1,2b〕ピリダジン、それらの調製及び種々の疾患の治療薬としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に記載の化合物はキナーゼ、好ましくはプロテインキナーゼ(PK)ファミリーのキナーゼを阻害するのに適当であり、これに関連して、特にPKCサブファミリーのキナーゼ、更に特別にはPKCシータ(θ)キナーゼを阻害するのに適当である。
【0003】
本発明化合物は、免疫学的及び一般的炎症過程並びに発ガン過程をはじめとする、キナーゼの機能不全に起因する疾患だけでなく、例えばII型糖尿病や喘息といった疾患の治療、並びに移植のためのキナーゼ阻害剤として適当であり;好ましくは急性皮膚炎、接触性皮膚炎、更には乾癬の臨床的徴候を示す炎症過程及び免疫応答の治療のためのキナーゼ阻害剤として適当である。
【0004】
或る刊行物(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 2249-2252)は、キナーゼ阻害剤としての結合イミダゾ〔1,2b〕ピリダジン残基を有するピリミジン誘導体を開示している。それらの化合物は、その構造、特にイミダゾ〔1,2b〕ピリダジン環の構造の点で、本発明の化合物とは異なっている。特許出願第WO02/066481(AstraZeneca)は、抗増殖性物質としてのピリダジン置換ピリミジンを記載している。他の先行技術は後述する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
免疫学的及び細胞増殖性疾患の治療、特に皮膚科学的徴候の治療のための有効な薬剤が継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
下記一般式Iの置換イミダゾ〔1,2b〕ピリダジン
【化1】

【0007】
〔Qは、ピリミジンを除く、アリール又はヘテロアリールであり;
A及びBは同一又は異なり、そして
i) −H,−Hal,−OH,−NR34,−CN又は−NO2
ii)任意にモノ−又はポリ−Hal−、−OH−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、−NR34−、−SO2NR34−、−SO23−又は−(CO)−NR3−L−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであって、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−又は−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく、及び
【0008】
iii)−NR3(CO)L−,−NR3(CO)−NR3−L,−(CO)−R6,−O−(CH2p−R6,−(CO)−(NR3)−L,−NR3(CS)−NR34,−NR3(SO2)−L,−(SO2)−NR34,−NR3(CO)NR34,−(CO)NR34,−CO27,−NR3(SO2)R4又は−O−(CH2p−アリール
から成る群より選択され、
ここで、多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0009】
A及びBは上記定義に加えて、一緒になってQ融合C5〜C7シクロアルキル又はC5〜C7ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、後者の場合には環中に少なくとも1つの酸素又は1つの窒素原子を含んで成ることができ、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の酸素、窒素もしくは硫黄原子及び/又は1もしくは複数の−(CO)−又は−(SO2)−基及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
pは0〜4であり;
【0010】
Lは所望によりモノ−もしくはポリ−ヒドロキシ−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6ヒドロキシアルコキシ−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6アルコキシアルコキシ−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−又は−NR34−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであり、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
【0011】
1とR2は同一又は異なり、そして
j) −H、及び
jj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−,−NR3COOR7−、−COOR7−、−NR3CONR34−、−NR3SO24−,−SO2NR34−、−CONR34−又は−SO23−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール
から成る群より選択され、あるいは
【0012】
−(CH2r8基(ここでrは0〜3の数であり、そしてR8は基
【化2】

である)を有し、
ここで前記R1又はR2中に任意に存在するアリール、ヘテロアリール、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル基は、−Hal、−CN、−OH、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6ハロアルキル、−C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、−C1〜C6ヒドロキシアルキル、−C3〜C6シクロアルキル、−NO2、−NH2、−C1〜C6ハロアルキル−、−NR34、−CONR34、−NR3COR4、−NR3SO24、−COR6、−CO27、−SO2NR34、−SR3、−SOR3、−SO23−、OR3、−O(CH2p6により単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0013】
ただし2つ以上のアリール又はヘテロアリール基がR1又はR2中の同一炭素原子上の置換基であることはできず;
1及びR2は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR1及びR2により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6で置換されたアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0014】
3及びR4は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−もしくは−COOR7−で置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、
から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0015】
3及びR4基は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここで
【0016】
3とR4により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキルにより、−NR67、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6で置換されたアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0017】
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−で置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
並びにそれの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩は、キナーゼ(下記に明記する)を阻害するのに有効な化合物であり、従って多数の疾患(下記に明記する)に使用することができる。
【0018】
アルキルは、各場合に直鎖又は分枝状アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルを意味する。
【0019】
アルコキシは、各場合に直鎖又は分枝状アルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ又はデシルオキシを意味する。
【0020】
アルケニル置換基は、各場合に直鎖又は分枝状アルケニルであり、例えば次の基を意味する:ビニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−3−イル、ブタ−3−エン−1−イル、アリル。
【0021】
アルキニルは、各場合に、2〜6個、好ましくは2〜4個のC原子を含んで成る直鎖又は分枝鎖状アルキニル基を意味する。適当な基の例は次のものである:エチニル、プロピン−1−イル、プロピン−3−イル(プロパルギル)、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−4−イル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、3−メチルブタ−1−イン−3−イル。
【0022】
1〜C6ハロアルキルは、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素又は塩素)により置換されている直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、例えばフルオロメチル、トリクロロメチル、1,2−ジフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、1−フルオロイソプロピル、ペルフルオロブチル等を意味する。ペルフルオロメチル及びペルフルオロエチル基が特に非常に好ましい。
【0023】
1〜C6ハロアルコキシは、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素又は塩素)により置換されている直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基、例えばフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、1,2−ジフルオロエトキシ、ペルフルオロプロポキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、1−フルオロイソプロポキシ、ペルフルオロブトキシ等を意味する。ペルフルオロメトキシ及びペルフルオロエトキシ基が特に非常に好ましい。
【0024】
3〜C6ヘテロシクロアルキルは、3〜6個の炭素原子を含むアルキル環を意味し、ここでヘテロシクロアルキルは、環中に、酸素、硫黄又は窒素から選ばれた少なくとも1つの同一又は異なる原子を含んで成り、そして環が1もしくは複数の−(CO)−,−(CS)−又は−SO2−基により中断されることがあり、そして場合により環に1もしくは複数の二重結合を含むことがあり、そして環それ自体が場合により同様に又は異なるように単置換又は多置換されることがある。
【0025】
言及することのできるヘテロシクロアルキルの例は、オキシラニル、オキセタニル、ジオキソラニル、ジチアニル、ジオキサニル、アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、オクタヒドロキノリニル、テトラヒドロイミダゾロニル、ピラゾリジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピペリドニル、ピペラジニル、ピペラジノニル、N−メチルピロリジニル、2−ヒドロキシメチルピロリジニル、3−ヒドロキシピロリジニル、N−メチルピペラジニル、N−ベンジルピペラジニル、N−アセチルピペラジニル、N−メチルスルホニルピペラジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、4−アミノカルボニルピペリジニル、2−ヒドロキシエチルピペリジニル、4−ヒドロキシメチルピペリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロイミダゾロニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、トリチアニル、テトラヒドロトリアジンチオニル、トリアジンチオニル、キヌクリジニル、ノルトロピニル、ピドリドニル。
【0026】
好ましいヘテロシクロアルキル基としては、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、N−メチルピペリジニル、ピペラジノニル、N−メチルピペラジニル、モルホリニル、ピリドニルを挙げることができる。
【0027】
ヘテロシクロアルキル環上の置換基は、例えば、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C3〜C6シクロアルキル、アリール、又は場合により同一にもしくは異なるようにハロゲンにより、ヒドロキシルにより又はC1〜C6アルキルチオにより単置換もしくは多置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、あるいは次の群:−(CO)−C1〜C6アルキル、−(CO)−O−C1〜C6アルキル、−(SO)2−C1〜C6アルキル、−(SO)2−フェニル、−NH2、−N(C1〜C6アルキル)2及び−NH(C1〜C6アルキル)から選択された置換基等であることができる。
【0028】
シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルのような単環式アルキル環だけでなく、例えばアダマンタニルのような二環式又は三環式の環も意味する。シクロアルキルは場合によりベンゾ縮合してもよく、例えば(テトラリン)イル等であってもよい。
好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0029】
ハロゲンは、各場合にフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
Q中のアリール基及びR1とR2中に任意に存在するアリール基は、各場合に3〜12個の炭素原子を含み、そして各場合にベンゾ縮合してもよい。例としては、シクロプロペニル、シクロペンタジエニル、フェニル、トロピル、シクロオクタジエニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、ビフェニル、フルオレニル、アントラセニル、テトラリニル等を挙げることができる。
【0030】
ヘテロアリール基Qは、各場合に5〜16個の環原子を含み、そして炭素原子の代わりに1もしくは複数の同一又は異なるヘテロ原子、例えば酸素、窒素又は硫黄原子を環中に含んでもよく、単環式、二環式又は三環式であることができ、更に各場合にベンゾ縮合してもよい。ヘテロアリールの定義の中の基Qとしてピリミジンは含まれない。
【0031】
例としては、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル等、並びにそのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル等;又はピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル等、及びそのベンゾ誘導体、例えばキノリル、イソキノリル等;又はオキセピニル、アゾシニル、インドリジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、プリニル等及びそのベンゾ誘導体;又はキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノオキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサジニル、キサンテニル、テトラリニル等が挙げられる。
【0032】
好ましいヘテロアリール基は、例えば5員のヘテロ芳香族環、例えばチエニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル及び5員のヘテロ芳香族環のベンゾ誘導体、並びに5員のヘテロ芳香族環、例えばピリジニル、トリアジニル、及び6員のヘテロ芳香族環のベンゾ誘導体、例えばキノリニル、イソキノリニルである。
【0033】
1又はR2中に任意に存在するヘテロアリール基は、各場合に5〜16個の環原子を含み、そして炭素原子の代わりに環中に同一もしくは異なる1もしくは複数のヘテロ原子、例えば酸素、窒素又は硫黄原子を含んでもよく、そして単環式、二環式又は三環式であってもよく、更に各場合にベンゾ縮合してもよい。
【0034】
1及びR2中のヘテロアリール基の例としては、チエニル、フラニル、ピロイジニリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル等及びそのベンゾ誘導体、例えばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル等;又はピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等及びそのベンゾ誘導体、例えばキノリル、イソキノリル等;又はオキセピニル、アゾシニル、インドリジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、プリニル等及びそのベンゾ誘導体;又はキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノオキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサジニル、キサンテニル、テトラリニル等を挙げることができる。
【0035】
1又はR2中の好ましいヘテロアリール基の例は、5員のヘテロ芳香族環、例えばチエニル、ピラゾリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル及びそのベンゾ誘導体、並びに6員のヘテロ芳香族環、例えばピリジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル及びそのベンゾ誘導体である。
【0036】
1又はR2中の特に好ましいヘテロアリール基は、チエニル、ピラゾリル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニルである。
複数のアリール又はヘテロアリール基がR1又はR2中に存在する場合、2以上のアリール又はヘテロアリール基が置換基として同一炭素原子上にあってはならない。
【0037】
例えば、次の基:
【化3】

が基R1又はR2として好ましい。
【0038】
アリール、ヘテロアリール、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル基がR1又はR2中に存在する時、それらは−Hal、−CN、−OH、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6ハロアルキル、−C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、−C1〜C6ヒドロキシアルキル、−C3〜C6シクロアルキル、−NO2、−NH2、−C1〜C6ハロアルキル、−NR34、−CONR34、−NR3COR4、NR3SO24,−COR6、−CO27又は−SO2NR34、−SR3、−SOR3、−SO23、−OR3、−O(CH2p6により単置換もしくは多置換されてもよく、ここで多置換の場合の置換基は、同一又は異なることができる。好ましい態様では、R1又はR2中に存在するアリール、ヘテロアリール、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル基は、上述の置換基を多くても3個有する。
【0039】
異性体とは、同一の分子式を有するが異なる化学構造を有する化学化合物を意味する。一般に構造異性体と立体異性体に区別される。
構造異性体は同一の分子式を有するが、それらの原子又は原子団の結合の仕方が異なる。該異性体には、機能異性体、位置異性体、互換異性体又は原子価異性体が含まれる。
【0040】
立体異性体は理論上、同一構造(構成)を有し、従って同一の分子式を有するが、原子の立体配置が異なる。
一般に構造異性体と立体配座異性体は区別される。構造異性体は、結合を破壊することによってのみ互いに変換できる立体異性体である。それらとしては、鏡像異性体、ジアステレオマー及びE/Z(シス/トランス)異性体が挙げられる。
【0041】
鏡像異性体は実像と鏡像のように互いに関連した立体異性体であり、対称面を持たない。鏡像異性体でない立体異性体は全てジアステレオマーと呼ばれる。二重結合のところのE/Z(シス/トランス)異性体は特殊の例である。
立体配座異性体は、単結合の回転により互いに変換することのできる立体異性体である。
異性体の型別の分類に関するIUPAC規則Eセクション(Pure Appl. Chem. 1976, 45, 11-30)も参照のこと。
【0042】
一般式Iの本発明化合物は可能な互換異性形も包含し;そしてEもしくはZ異性体、又は不斉中心が存在する場合には、ラセミ体と鏡像体も更に包含する。二重結合異性体もそれと解釈することができる。
本発明化合物は、溶媒和物の形、特に水和物の形で存在することもでき、その場合、本発明化合物は、本発明化合物の結晶格子の構成要素として極性溶媒、特に水を含んで成る。極性溶媒、特に水の比率は、化学量論的又は非化学量論的比率であり得る。化学量論的溶媒和物(特に水和物)に関して使用する用語は、ヘミ(セミ)−、モノ−、セスキ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−等の溶媒和物である。
【0043】
酸性機能が存在する場合には、適当な塩は有機及び無機塩基の生理学的に許容される塩、例えば易溶性アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、並びにN−メチルグルカミン、ジメチルグルカミン、エチルグルカミン、リジン、1,6−ヘキサンジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールの塩である。
【0044】
塩基性機能が存在する場合、有機及び無機酸の生理学的に許容される塩が適当であり、例えば塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸等である。
【0045】
一般式Iの好ましい化合物は、R1及びR2が同一又は異なり、そしてj)−H;及びjj)任意にモノ−又はポリ−Hal−、−OH−、−CN−、−OH−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−もしくは−NR3COOR7−で置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキルから成る群より選択され;ここで、C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、場合により、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ;ここで多置換の場合の置換基は、同一であっても異なってもよく、Q,A,B,R3,R4,R6,R7,p及びLは上記に定義したように変動することができる。
【0046】
更に好ましい式Iの化合物は、R1とR2が同一又は異なり、そしてi) −H、及びii)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリールオキシ−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)L−又は−NR3COOR7により置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され;ここで前記jj)において定義されたアリール又はヘテロアリール基は、アルキルが含まれない限り置換されることができ、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;この場合のQ,A,B,R3,R4,R6,R7,p及びLは上記に定義した通りに変動することができる。
【0047】
更に好ましい一般式Iの化合物は、Qが−OH−,−Hal−,−CN−,アルキル−,−OR6−もしくは−NR34で置換された、フェニル、ピリジル、チオフェニル、フリル、イミダゾリル又はピラゾリルであり、ここでR1とR2は同一又は異なり、そして
j) −H、及びjj)所望によりモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−で置換されたC1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリールオキシ−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6、−NR34−、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7−により置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され;ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは場合により環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そしてjj)において定義したアリール又はヘテロアリール基は、アルキルを含まない限り置換されてもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい。この場合のR3,R4,R6,R7,p及びLは上記に定義した通りに変動することができる。
【0048】
一般式Iの更に好ましい化合物は、R1及びR2が同一又は異なり、そして−H、−NR34で置換されたC1〜C4アルキル、所望により付加的にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7により置換されることがある、所望によりモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6、−NR3(CO)−L−、−NR34−又は−NR3COOR7により置換されることがある、C5〜C6シクロアルキル、C5〜C6ヘテロシクロアルキルから成る群より選択され;ここで
【0049】
3とR4は所望により同一又は異なるC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキルであることができ、あるいはR3とR4は一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素又は硫黄原子及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、ここでR6及びR7は同一又は異なり、−H、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ又はC1〜C3アルキルであるものである。
【0050】
特に好ましい一般式Iの化合物は、R1が−H及びC1〜C3アルキルから成る群より選択され、
2が−NR34で置換されたC3〜C4アルキル、所望により付加的にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7により置換されることがある、C3〜C4アルキルから成る群より選択され;
【0051】
3及びR4は同一又は異なり、所望によりモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67、−(CO)−R6−又は−COOR7により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキルから成る群より選択され、あるいは
【0052】
3とR4は一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素又は硫黄原子及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、ここでR6及びR7は同一又は異なり、−H、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ又はC1〜C3アルキルである化合物である。
更に好ましい態様では、R1又はR2が水素原子である。
【0053】
実施例に言及する下記化合物が特に好ましい:
・2.0〜2.21
・3.0〜3.80
・4.0〜4.11
・5.0〜5.389
・6.0〜6.2
・7.0〜7.1
・8.0〜8.1
【0054】
本発明の更なる面は、一般式IIaの化合物:
【化4】

一般式IIa
【0055】
〔上式中、
Yはハロゲン原子(好ましくは塩素又は臭素)であり;
1とR2は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−、−NR3COOR7−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は所望により環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0056】
1及びR2は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の窒素、酸素又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで、R1とR2により形成された環は、−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6アルコキシアルキル、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−もしくは−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;ただし、環の3個以上の窒素原子が互いに直接に連結してはならず;
【0057】
ここでR1又はR2中に存在することがあるアリール、ヘテロアリール、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル基は、−Hal、−CN、−OH、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6ハロアルキル、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C6ハロアルコキシ、−C1〜C6ヒドロキシアルキル、−C3〜C6シクロアルキル、−NO2、−NH2、−C1〜C6ハロアルキル、−NR34、−CONR34、−NR3COR4、−NR3SO24、−COR6、CO27、−SO2NR34、−SR3、−SOR3、−SO23、−OR3、−O(CH2p6により単置換もしくは多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0058】
3及びR4は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−もしくはCOOR7−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は所望により環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0059】
3及びR4は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで、R3とR4により形成された環は、−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルキル又は−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−もしくは−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0060】
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H及びjj) モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及びその塩、並びに式Iの化合物を調製するためのそれの使用に関する。
【0061】
本発明の更なる面は、一般式IIbの化合物:
【化5】

【0062】
〔上式中、
Xは塩素、臭素、O−SO2−CF3又はO−SO2−C49であり;
Qはピリミジンを除く、アリール又はヘテロアリールであり;
【0063】
A及びBは同一又は異なり、そして
i) −H,−Hal,−OH,−NR34,−CN又は−NO2
ii)任意にモノ−又はポリ−Hal−、−OH−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、−NR34−、−SO2NR34−、−SO23−又は−(CO)−NR3−Lで置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル(ここで前記C3〜C6ヘテロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−又は−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができる)、及び
【0064】
iii) −NR3(CO)L,−NR3(CO)−NR3−L,−(CO)−R6,−O−(CH2p−R6,−(CO)−(NR3)−L,−NR3(CS)−NR34,−NR3(SO2)−L,−(SO2)−NR34,−NR3(CO)NR34,−(CO)NR34,−CO27,NR3(SO2)R4又は−O−(CH2p−アリール
から成る群より選択され、
ここで、多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0065】
A及びBは上記定義に加えて、一緒になってQ融合C5〜C7シクロアルキル又はC5〜C7ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、後者の場合には環中に少なくとも1つの酸素又は窒素原子を含んで成ることができ、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の酸素、窒素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
【0066】
pは0〜4であり;
Lは所望によりモノ−もしくはポリ−ヒドロキシ−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6ヒドロキシアルコキシ−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6アルコキシアルコキシ−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−又は−NR34により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル又はC3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであり、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
【0067】
3とR4は同一又は異なり、そして
j) −H、及び
jj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−又は−COOR7により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール
から成る群より選択され;
【0068】
3及びR4基は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR3とR4により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシにより、−NR67、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6−により、置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0069】
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素、及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
並びにそれの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩、並びに一般式Iの化合物を調製するためのそれの使用に関する。
一般式IIa及びIIbの化合物は有利な中間体であり、それらは上述した一般式Iの化合物の合成において使用することができる。
【0070】
式Iの化合物について上記に行った説明(基の好ましい態様を含む)は、式IIa及びIIbの化合物にも理論上同様に適用する。Qはモノ−もしくはポリ−OH−、−Hal−、−CN−、アルキル−、−OR6−又は−NR34で置換されることがある、フェニル、ピリジル、チオフェニル、フリル、イミダゾリル又はピラゾリルであるのが特に好ましい。Xが−Cl又は−Brであるのが更に好ましい。
【0071】
本発明の次の中間体が特に好ましい:3−ブロモ−6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン、6−クロロ−3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、6−クロロ−3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、6−クロロ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、6−クロロ−3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン。
実施例に記載の中間体1.0〜1.28が特に非常に好ましい。
【0072】
合成スキーム
【化6】

【0073】
本発明は、従って、以下の方法の段階から成る、本発明化合物の調製方法にも関する:
A1) 3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンIIに変換し、
A2) 段階A1からの生成物を3−ハロ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンIIIに変換し、
A3) 段階A2からの生成物を、化合物NHR12との反応により一般式IIaの化合物に変換し、
A4) 段階A3からの生成物を一般式Iの化合物に変換する;あるいは
【0074】
B1) 3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンIIに変換し、
B2) 段階B1からの生成物を3−ハロ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンIIIに変換し、
B3) B2からの生成物を一般式IIbの化合物に変換し、
B4) B3からの生成物を一般式Iの化合物に変換する;あるいは
【0075】
C1) 3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンIIに変換し、
C2) 段階C1からの生成物を化合物NHR12との反応によりイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンIVに変換し;
C3) 段階C2からの生成物を一般式IIaの化合物に変換し、
C4) 段階C3からの生成物を一般式Iの化合物に変換する。
【0076】
前記反応は好ましくは次のように実施される:
A1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
A2) 段階A1からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて3−ブロモ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンに変換し、
A3) 段階A2からの生成物を、Buchwald−Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12と反応させることにより(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジ−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンに変換し、
A4) 段階A3からの生成物を、例えば基A及びBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式Iの化合物を与える;あるいは
【0077】
B1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
B2) 段階B1からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて3−ブロモ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
B3) 段階B2からの生成物を、例えば基A及びBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式IIの化合物を与え、
B4) 段階B3からの生成物をBuchwald−Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12と反応させて一般式Iの化合物に変換する;あるいは
【0078】
C1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
C2) 段階C1からの生成物をBuchwald−Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12と反応させることにより(イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジ−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンに変換し、
C3) 段階C2からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンを与え、
C4) 段階C3からの生成物を、例えば基A及びBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、
一般式Iの化合物を与える。
【0079】
本発明の化合物は特に好ましくは合成経路A1〜A4により調製される。
感受性側鎖基を保護するために、前記合成経路に保護基の使用を用意することもできる。そのような保護基の技術は、例えば、T.W. Greene, P.G.M., Wuts “Protective Groups in Organic Synthesis”,第2版、John Wiley & Sons, 1991から当業者に周知である。
【0080】
段階A1、B1及びC1は、例えば、溶媒としてn−ブタノール中で、クロロアセトアルデヒドと共に60〜130℃、特に100〜130℃にて、1時間〜10日間、特に3〜6日間加熱することにより、実施することができる。
【0081】
アミノ化(それぞれ段階A3、B4及びC2)は、例えば、適当なアミンと共に90〜180℃、特に90℃で、1時間〜24時間、特に1時間〜16時間に渡り加熱することにより、実施することができる。加熱は、常用の加熱手段によるかあるいは適当な装置からのマイクロ波照射により行うことができる。補助塩基、例えばK2CO3又はEt3Nの使用は必ずしも必要なわけではない。例えばアセトニトリル、EtOH、n−BuOH又はNMPのような溶媒の使用は常に必要なわけではない。例えばいわゆるBuchwald−Hartwig交差カップリング反応をアミノ化に使用することが可能である。Buchwald−Hartwig交差カップリング反応は、例えば次の参考文献:D.Zim, S.L. Buchwald, Org. Lett., 5:2413-2415 (2003)又はS. Urgaonkar, M. Nagarajan, J.G. Verkade, J. Org. Chem., 68:452-459 (2003)の1つに従って実施することができる。
【0082】
3−ブロモ中間体を与える反応(段階A2、B2及びC3)は、前駆体化合物をクロロホルム中に導入し、そして−5℃〜30℃、特に0℃〜10℃でN−ブロモスクシンイミドを添加した後、1時間〜2日間、特に5〜15時間、0℃〜30℃、特に15〜25℃で反応させることにより行うことができる。しかしながら、本発明の3−ハロ中間体を調製するための別の合成経路も当業者に知られている。
【0083】
段階A4、B3及びC4は、前駆体化合物をジメトキシエタン中に導入し、そしてパラジウム(0)源、例えばビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、リガンド、例えばトリ−o−トリルホスフィン、及び塩基、例えば炭酸水素ナトリウムの存在下で、ボロン酸を添加し、そして還流下で5〜40時間、特に10〜20時間加熱することにより、実施することができる。
【0084】
出発化合物の調製が記載されない場合、それらは既知であるか又は本明細書に記載の既知化合物又は方法と同様にして調製することができる。
異性体混合物は、例えば、結晶化、クロマトグラフィー又は塩形成のような常法により、異性体が互いと平衡状態にない限り、例えば鏡像体、ジアスレテオマー又はE/Z異性体といった異性体に分画することができる。
【0085】
塩は、適宜溶液状態において等量又は過剰量の塩基又は酸を式Iの化合物の溶液に添加し、そして常用のやり方で沈澱を除去するか又は溶液を処理することにより、調製される。
合成の典型的詳細については実施例を参照されたい。
【0086】
本発明は更に請求の範囲に記載のような本発明の中間体にも関する。
本発明の化合物は、特にチロシン及びセリン/スレオニンキナーゼの、キナーゼ阻害剤として適当である。一般式Iの本発明の化合物は、特にプロテインキナーゼCファミリー、例えばPKCシータ(θ)、デルタ(δ)、イオタ(ι)及びツェータ(ζ)の阻害剤である。
【0087】
キナーゼの阻害剤は、従って、一方では該キナーゼの機能のメカニズムを調査するため、特にキナーゼの機能不全に由来する疾患についての研究のために、利用することができる。
しかしながら、キナーゼ阻害剤を使ってキナーゼの機能不全に由来する疾患を治療又は予防することも可能である。
【0088】
本発明は従って、特に細胞性キナーゼ、好ましくはプロテインキナーゼ(PK)ファミリーのキナーゼを阻害するため、これに関連して、特にPKCサブファミリー、より特定的にはPKCθキナーゼを阻害するため、及び細胞性キナーゼ、特に前記の様な細胞性キナーゼの過剰発現又は突然変異に関連した疾患の治療又は予防のため、医薬組成物を調製するための一般式Iの本発明化合物の使用に関する。
【0089】
驚くべきことに、本発明化合物はALKファミリーのキナーゼの阻害剤でもあることが更に判明した。ALKは「アクチビン受容体様キナーゼ」又は「アクチビン様キナーゼ」を意味する。これに関連して、本発明化合物はALK1、ALK2、ALK4及びALK5、特にALK1及びALK5に対して作用する。本発明化合物は、従って、ALKファミリー、特にALK1及びALK5のキナーゼの過剰発現又は突然変異に関連した疾患の治療又は予防のためにも適当である。
【0090】
本発明の一態様では、該疾患は、乾癬のような皮膚過剰増殖、アルツハイマー病、自己炎症性疾患、線維症、創傷治癒障害、糖尿病性網膜症、腎症、加齢性黄斑変性症、クローン病、過大免疫応答、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、ALS、糖尿病、喘息から成る群より選ばれた疾患である。
【0091】
本発明の別の態様では、該疾患は、良性腫瘍、悪性腫瘍、白血病、例えば骨髄性白血病、リンパ腫、肉腫、例えば骨肉腫又は軟骨肉腫、神経芽腫、ウィルムス腫瘍、膀胱、胸部、肺、膵臓、前立腺、腎臓の悪性新生物、上皮由来の新生物、例えば乳癌又はその転移から成る群より選ばれた疾患である。
【0092】
本発明の更に別の態様では、本発明化合物は、免疫応答を調節するため、特に免疫応答を減少させるため、例えば移植を行った後の臓器の拒絶を予防するために使用される。
本発明の医薬組成物は、生理学的に有効な量の本発明化合物を少なくとも1つの医薬賦形剤と混合し、そして所望の剤形を製造することにより、調製することができる。
【0093】
適当な生理学的有効量は、体重75kgの人の場合、例えば1日あたり1〜1000mg、特に50〜500mgの量であり、その用量を1回量として一度に投与することができ、又は1日量を2以上に分割して投与することができる。
【0094】
本発明の医薬組成物の製薬は当業界で常用される方法で行うことができる。イオン性化合物の適当な対イオンの例は、Na+、K+、Li+もしくはシクロヘキシルアンモニウム、又はCl-、Br-、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸イオン等である。適当な固体又は液体医薬製剤の例は、粒剤、粉剤、コーティング錠、錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、液剤、軟膏、懸濁液剤、乳剤、ドロップ、又は注射用液剤(i.v., i.p., i.m., s.c.)もしくは噴霧剤(エーロゾル剤)、経皮システム;及び常用の助剤、例えば担体、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、湿潤剤、滑剤又は光沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤;浸透圧を変更するための塩類又は緩衝剤、矯味矯臭剤、甘味剤及び可溶化剤を用いることによって製造される、活性成分の持続性放出を有する製剤である。
【0095】
同じく使用することのできる担体系は、界面活性賦形剤、例えば胆汁酸の塩、又は動物性もしくは植物性リン脂質の塩、およびそれらの混合物、並びにそれらのリポソームまたはその構成成分である。賦形剤としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、アラビアガム、二酸化チタン、乳糖、マンニトール及び他の糖類、タルク、乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、セルロース及びその誘導体;動物性及び植物性油脂、例えば魚肝油、ヒマワリ油、落花生油又はゴマ油、ポリエチレングリコール;溶媒、例えば滅菌水、一価もしくは多価アルコール、例えばグリセロールを挙げることができる。好ましい投与形態は、局所投与用(軟膏、経皮システム、パッチ、包帯、経口投与用(錠剤、コーティング錠、液剤、粉剤)又は非経口投与用(懸濁液剤、注射剤)である。
【0096】
本発明の医薬組成物は、特定の用量で本発明に従って使用される少なくとも1つの阻害剤を、医薬上適当で且つ生理学的に許容される担体と混合し、そして適当であれば、追加の適当な活性成分、添加剤又は賦形剤と共に混合し、そして所望の剤形を製造することにより、製造することができる。それらの医薬製品は同様に本発明の観点である。
【0097】
最後に、本発明は、セルロースキナーゼの過剰発現に関連した疾患の治療又は予防のための方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物の生理学的有効量を、その疾患を患っているかまたは罹患の恐れのある人に投与する方法にも関する。
単に例示的態様を意味する実施例によって、本発明を更に詳細に説明する。
【0098】
出発材料の調製
6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.0 OP 3055)
【化7】

【0099】
5.0g(38.6ミリモル)の3−アミノ−6−クロロピリダジンを、15mlのn−ブタノール中で4.7ml(4.0ミリモル)のクロロアセトアルデヒド(水中55%強度)と共に120℃にて5日間加熱した。反応が完結した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に添加し、そして酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を真空中で留去する。シリカゲル上でのクロマトグラフィーによる最終精製において、非晶質白色固体の形で4.17g(70%)の所望の生成物が単離された。
1H-NMR (CDCl3, 分子篩上で保存):δ=7.06 (d, 1H); 7.79 (d, 1H); 7.92 (d, 1H); 7.96 (d, 1H) ppm.
【0100】
3−ブロモ−6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.1 OP 3056)
【化8】

【0101】
478mg(3.11ミリモル)の6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを、アルゴン下で10mlのクロロホルム中に導入し、そして氷中で冷却しながら、664mg(3.73ミリモル)のN−ブロモスクシンイミドを添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で一晩攪拌した。次いで反応混合物を水及び酢酸エチルと混合し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液の添加後、相を分離した。水性相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。真空中で溶媒を最終留去した後、非晶質白色固体の形で定量的収率において所望の生成物が単離された。それを更にクロマトグラフィー精製することなく次の反応に使用した。
1H-NMR (CDCl3, 分子篩上で保存):δ=7.12 (d, 1H); 7.79 (s, 1H); 7.90 (d, 1H) ppm.
【0102】
6−クロロ−3−ヨードイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.2)
【化9】

【0103】
14gの6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.0)を364mlのアセトニトリル中に懸濁し、そして20.51gのN−ヨードスクシンイミドを添加した。混合物をRTで19時間攪拌した。更に4.31gのN−ヨードスクシンイミドを添加し、混合物を24時間攪拌した。反応液を冷却し、沈澱した固体を吸引濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥した。17.67gの所望の生成物が得られた。
1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO):δ=7.40 (d, 1H); 7.95 (s, 1H); 8.19 (d, 1H) ppm.
【0104】
本発明の中間体の調製
イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン(実施例1.3)
【化10】

【0105】
100mg(0.65ミリモル)の6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを、アルゴン下で9mlのテトラヒドロフランと3mlのジメチルホルムアミド中に導入した。83mg(0.65ミリモル、1.0当量)の1−(3−アミノプロピル)ピロリジン、60mg(0.65ミリモル、0.1当量)の(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、41mg(0.065ミリモル、0.1当量)のrac.2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル及び125mg(1.3ミリモル、2.0当量)のナトリウムtert-ブトキシキドを順次添加し、次いで混合物を80℃で4時間加熱した。
【0106】
反応混合物を次いで水と酢酸エチルと混合し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液の添加後、相を分離した。水性相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲル上でのクロマトグラフィーによる最終精製において、53mg(39%)の所望の生成物が非晶質白色固体の形で単離された。
【0107】
1H-NMR (CDCl3, 分子篩上で保存):δ=1.77−1.89 (m, 6H); 2.54 (m, 4H); 2.66 (m, 2H); 3.43 (m, 2H); 6.18 (s, br, 1H); 6.31 (d, 1H); 7.44 (d, 1H); 7.57 (d, 1H); 7.61 (d, 1H) ppm.
LC-MS (ACN/H2O 0.01% HCOOH; 33×4.6×1.5μ ODSII, 勾配:4.5分間に渡り100%H2O→90%ACN):t=0.41分;m/z=246 [M+H]+ 38%;123 [M+H]++ 100%。
【0108】
6−クロロ−3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.4)
【化11】

【0109】
500mg(2.15ミリモル)の3−ブロモ−6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンをアルゴン下で25mlのジメトキシエタン中に導入した。290mg(2.4ミリモル、1.1当量)のフェニルボロン酸、250mg(0.43ミリモル、0.2当量)のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)及び130mg(0.43ミリモル、0.2当量)のトリ−o−トリルホスフィン、2.2mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を順次添加し、そして反応混合物を還流させながら15時間加熱した。
【0110】
次いで反応混合物を酢酸エチルと混合し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加した後、相を分離した。水性相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲル上でのクロマトグラフィーによる最終精製において、239mg(48%)の所望の生成物が単離された。
1H-NMR (CDCl3, 分子篩上で保存):δ=7.02 (d, 1H); 7.35 (m, 1H); 7.43 (m, 2H); 7.89 (d, 1H); 7.95-8.0 (m, 3H) ppm.
MS (ES+): m/z=230 (100%)[M+H]+ ;232 (45%)。
【0111】
2−(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エタノール(実施例1.5)
【化12】

【0112】
400mg(1.72ミリモル)の3−ブロモ−6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン及び2.0ml(33.4ミリモル)のエタノールアミンを90℃で16時間攪拌した。冷却後、混合物を濃縮した。生じた残渣をクロマトグラフィー(DCM/EtOH、9:1)により精製した。282mgの生成物が得られた。
【0113】
1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO):δ=3.28−3.34 (m, 2H, 溶剤により遮蔽); 3.56−3.61 (m, 2H); 4.74 (t, 1H); 6.71 (d, 1H); 7.13 (t, 1H); 7.43 (s, 1H); 7.64 (d, 1H) ppm.
MS (EI+): m/z=256;258 (M+H)+ 。[分子量=257.09]。
【0114】
2−(3−ヨードイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エタノール(実施例1.6)
【化13】

【0115】
562mg(2.0mg)の6−クロロ−3−ヨードイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンと2.35ml(39.2ミリモル)のエタノールアミンを90℃で16時間攪拌した。冷却後、混合物を濃縮した。生じた残渣をクロマトグラフィー(DCM/EtOH 9:1)により精製した。224mgの生成物が得られた。
1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO):δ=3.27-3.35 (m, 2H, 溶媒により遮蔽); 3.58-3.63 (m, 2H); 4.72 (t, 1H); 6.67 (d, 1H); 7.06 (t, 1H); 7.42 (s, 1H); 7.59 (d, 1H) ppm.
MS (ES+): m/z=305 (M+H) + 〔分子量=304.09〕。
【0116】
同様にして、次の化合物を調製した。
第1表:
【表1】

【0117】
【表2】

【0118】
【表3】

【0119】
【表4】

【0120】
【表5】

【0121】
【表6】

【0122】
6−クロロ−3−ナフタレン−2−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.28)
【化14】

【0123】
3.5g(12.52ミリモル)の6−クロロ−3−ヨードイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.2)と2.37g(13.78ミリモル)の2−ナフチルボロン酸(CAS No. 32316-92-0)から、実施例1.4と同様な方法で1.03gの6−クロロ−3−ナフタレン−2−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを調製した。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO):δ=7.43 (d, 1H); 7.51-7.57 (m, 2H); 7.92-7.98 (m,2H); 8.02-8.05 (m, 1H); 8.13-8.16 (m, 1H); 8.31 (d, 1H); 8.43 (s, 1H); 8.69 (s, 1H) ppm.
【0124】
本発明の最終生成物の調製
方法A(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン(実施例2.0)
【化15】

【0125】
100mg(0.435ミリモル)の6−クロロ−3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンをアルゴン下で6mlのテトラヒドロフランと2mlのジメチルホルムアミドの混合物中に溶解した。56mg(0.435ミリモル、1.0当量)の1−(3−アミノプロピル)ピロリジン、40mg(0.07ミリモル、0.16当量)のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(Pd2dba3)、27mg(0.0435ミリモル、0.1当量)のrac.2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(rac−BINAP)及び84mg(0.87ミリモル、2当量)のナトリウムtert−ブトキシド(NaOtBu)を順次添加し、そして反応混合物を80℃で4時間加熱した。
【0126】
次いで反応混合物を酢酸エチルと混合し、そして水を添加した後、相を分離した。水性相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。最終的なクロマトグラフィー分画におけるシリカゲル上での多重精製の後、9mg(6%)の所望の生成物が純粋な形で単離された。
【0127】
1H-NMR (CDCl3;分子篩上で保存):δ=1.8 (m,4H); 1.88 (m,2H); 2.55 (m,4H); 2.68 (t,2H); 3.51 (m,2H); 6.19 (s,br,1H); 6.38 (d,1H); 7.33 (m,1H); 7.46 (m,2H); 7.63 (d,1H); 7.79 (s,1H); 8.12 (d,2H) ppm。
MS (ES+):m/z=322(100%)[M+H]+
同様にして、次の化合物を調製した。
第2表
【表7】

【0128】
【表8】

【0129】
【表9】

【0130】
【表10】

【0131】
【表11】

【0132】
【表12】

【0133】
方法B〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピリジン−3−イルメチルアミン(実施例3.0)
【化16】

【0134】
35mg(0.15ミリモル)の6−クロロ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンをアルゴン下で0.67mlのテトラヒドロフランと0.33mlのジメチルホルムアミドの混合物中に導入した。次いでトルエン中ピリジン−3−イルメチルアミン(0.225ミリモル)の0.45M溶液0.5mlを添加した。0.91mlのTHF中の1.72mgのPd2dba3(18.8μモル)と3.5mgのrac−BINAP(56.3μモル)の溶液並びに0.91mlのTHF中の31.7mgのNaOtBu(0.3ミリモル)の溶液を添加した後、反応混合物を80℃で12時間振盪した。
【0135】
次いで反応混合物を1mlの水及び3mlの酢酸エチルと混合した。有機相を分離し、溶媒を留去した。こうして得られた粗生成物をHPLCにより精製した。8.7mg(19%)の所望の生成物が単離された。
精製済の生成物のHPLC-MS(分析値)
検出:UV=254nm;カラム:Purosher STAR RP18e, 125×4mm,5μm(Merck KGaA, Darmstadt);溶離剤:A:H2O/0.1%TFA、B:CH3CN/0.1%TFA、勾配:10分間に渡り5%→95%B;流速:1ml/分。
生成物の保持時間=3.85分;生成物のMS:m/z=301([M+H])。
【0136】
同様にして、次の化合物を調製した。
第3表
【表13】

【0137】
【表14】

【0138】
【表15】

【0139】
【表16】

【0140】
【表17】

【0141】
【表18】

【0142】
【表19】

【0143】
【表20】

【0144】
【表21】

【0145】
【表22】

【0146】
【表23】

【0147】
【表24】

【0148】
【表25】

【0149】
【表26】

【0150】
【表27】

【0151】
【表28】

【0152】
【表29】

【0153】
【表30】

【0154】
【表31】

【0155】
【表32】

【0156】
表3に列挙した実施例についてのHPLC-MS分析の説明:
HPLC-MS方法A:検出:UV=254nm;カラム:Purosher STAR RP18e, 125×4mm,5μm(Merck KGaA, Darmstadt);溶離剤:A:H2O/0.1%TFA、B:CH3CN/0.1%TFA、勾配:10分間に渡り5%→95%B;流速:1ml/分。
HPLC-MS方法B:検出:UV=254nm;カラム:XBridge C18, RP18e, 150×4.8 mm,5μm(Waters);勾配10分間に渡り5%→95%アセトニトリル(0.1%NH4OH)/水(0.1%NH4OH/NH4HCO3);流速:1.0ml/分。
【0157】
方法C(4−〔6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−3−イル〕フェノール(実施例4.0)
【化17】

【0158】
85mg(0.33ミリモル)の2−(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エタノール(実施例1.5)、69mg(0.5ミリモル)の4−ヒドロキシベンゼンボロン酸及び76mg(0.066ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)をアルゴン下で3.4mlのジメチルグリコールと2mlの水性NaOH溶液(10mlの水に溶かした190mgのNaOHの原液)と混合した。その混合物を90℃で19時間攪拌した。冷却後、混合物を飽和NaCl溶液で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、シリコンフィルター(Whatman社製)を通して濾過し、濃縮した。生じた粗生成物をメタノールから再結晶した。40mgの所望の生成物が得られた。
【0159】
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO):δ=3.30-3.31 (m,2H,溶媒により遮蔽); 3.61-3.62 (m,2H); 4.74 (m,1H); 6.66 (d,1H); 6.81 (d,2H); 6.94-6.96 (m,1H); 7.64-7.67 (m,2H); 7.93 (d,2H); 7.93 (d,2H); 9.57 (br s,1H) ppm。
MS (ES+):m/z=271([M+H]+)。〔分子量=270.29〕。
【0160】
同様にして、次の化合物を調製した。
第4表
【表33】

【0161】
【表34】

【0162】
【表35】

【0163】
次の化合物を同様に調製した。
第5表
【表36】

【0164】
【表37】

【0165】
【表38】

【0166】
【表39】

【0167】
【表40】

【0168】
【表41】

【0169】
【表42】

【0170】
【表43】

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【表44】

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【表45】

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【表48】

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【表50】

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【表51】

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【0189】
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【表68】

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【表69】

【0197】
【表70】

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【表71】

【0199】
【表72】

【0200】
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【表80】

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【表81】

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【表87】

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【表88】

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【表89】

【0217】
【表90】

【0218】
【表91】

【0219】
【表92】

【0220】
【表93】

【0221】
【表94】

【0222】
【表95】

【0223】
【表96】

【0224】
【表97】

【0225】
【表98】

【0226】
【表99】

【0227】
【表100】

【0228】
【表101】

【0229】
【表102】

【0230】
【表103】

【0231】
【表104】

【0232】
【表105】

【0233】
【表106】

【0234】
【表107】

【0235】
【表108】

【0236】
【表109】

【0237】
【表110】

【0238】
【表111】

【0239】
【表112】

【0240】
【表113】

【0241】
【表114】

【0242】
【表115】

【0243】
【表116】

【0244】
【表117】

【0245】
【表118】

【0246】
【表119】

【0247】
【表120】

【0248】
【表121】

【0249】
【表122】

【0250】
【表123】

【0251】
【表124】

【0252】
【表125】

【0253】
【表126】

【0254】
表5に列挙した例についてのHPLC-MS分析条件の説明
検出:UV=200〜350nm(Waters Acquity HPLC)/MS 100〜800ダルトン;20V(Micromass/Waters ZQ 4000);カラム:XBridge (Waters), 2.1×50 mm,BEH 1.7μm;溶離剤:A:H2O/0.05%HCOOH、B:CH3CN/0.05%HCOOH。
勾配:1.7分間に渡り10%→90%B、0.2分間の間90%B、0.6分間に渡り98%→2%B;流速:1.3ml/分。
【0255】
〔3−(2−メトキシピリジン−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピペリジン−4−イルアミン(実施例6.0)
【化18】

【0256】
段階A4−〔3−(2−メトキシピリジン−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例6.1)
【化19】

【0257】
300mg(1.15ミリモル)の6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(実施例1.14)と230mg(1.15ミリモル)の4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(CAS番号87120-72-7)から、方法Aにより292mgの4−〔3−(2−メトキシピリジン−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを調製した。
【0258】
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) :δ=1.32-1.38 (m,11H); 2.02-2.08 (m,2H); 2.92-3.00 (m,2H); 3.72-3.92 (m,6H); 6.73 (d,1H); 7.17-7.19 (m,1H); 7.64-7.66 (m,1H); 7.76-7.79 (m,2H); 8.11-8.16 (m,2H) ppm。
MS(ES+):m/z=425(M+H)+〔分子量=424.51〕。
【0259】
段階B〔3−(2−メトキシピリジン−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピペリジン−4−イルアミン(実施例6.0)
【化20】

【0260】
280mg(0.66ミリモル)の4−〔3−(2−メトキシピリジン−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、3mlのTHF中に導入し、そしてジオキサン中0.8mlのHCl(4M)の添加後、RTで一晩攪拌した。HCl(濃)を添加し、混合物を70℃で4時間加熱した。反応液を水で希釈し、Et3NでpH11に調整し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相をシリコーンフィルター(Whatman社製)を通して濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィーによる最終分画において、92mgの所望の生成物が単離された。
【0261】
1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO):δ=1.30-1.43 (m,2H); 2.03-2.08 (m,2H); 2.59-2.67 (m,2H); 2.99-3.06 (m,2H) ; 3.66-3.75 (m,1H); 3.89 (s,3H); 6.77 (d,1H); 7.15-7.18 (m,1H); 7.66-7.69 (m,1H); 7.80 (d,1H); 8.87 (s,1H); 8.15-8.19 (m,2H) ppm。
MS (ES+): m/z=325(M+H)+ 〔分子量=324.39〕。
同様にして次の化合物を調製した。
【0262】
【表127】

【0263】
3−〔6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−3−イル〕ベンゼンスルホンアミド(実施例7.0)
【化21】

【0264】
82mg(0.21ミリモル)のN−tert−ブチル−3−〔6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−3−イル〕ベンゼンスルホンアミドを、アルゴン下で1.7mlのトリフルオロ酢酸と混合し、そして50℃で5時間攪拌した。冷却後、混合物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチル中に取った。有機相を飽和NaHCO3溶液と飽和NaCl溶液で洗浄し、Whatman濾紙を通して濾過し、濃縮した。得られた残渣をクロマトグラフィーにより精製した(DCM/EtOH 6:4)。47mgの生成物が得られた。
【0265】
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO):δ=3.36-3.40 (m,2H); 3.61-3.65 (m,2H); 4.77 (t,1H) ; 6.78 (d,1H); 7.17 (t,1H); 7.35 (s,2H); 7.59-7.63 (m,1H); 7.70-7.76 (m,2H); 7.95 (s,1H); 8.25 (d,1H); 8.87 (m,1H) ppm。
同様にして次の化合物を調製した。
【0266】
【表128】

【0267】
4−(6−クロロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−3−イル)フェノールと適当なアミンから、実施例1.5と同様にして次の実施例化合物を調製した。
【0268】
【表129】

【0269】
生物学的効果
次の実施例は本発明化合物の生物学的効果を例証する。
疾患の原因が1又は複数のキナーゼの機能不全に由来する多数の疾患が存在することは当業者の知るところである。キナーゼの機能不全は多数の機構により誘導され、例えばキナーゼが過剰発現されて、不完全な細胞活性を引き起こすことがあり、または変異されたキナーゼが過剰発現されて、同様に不完全な細胞活性を引き起こすことがある。不完全な細胞活性は、例えば不完全な細胞増殖、特に増加された細胞増殖(細胞過剰増殖)であり得る。そのような機能不全の結果は、例えばキナーゼの過剰発現又は突然変異により特徴付けられる疾患となる場合がある。
【0270】
キナーゼ活性を調節する能力について本発明化合物の効能を試験するための適当なアッセイは知られている。細胞増殖を活性調節する本発明化合物の効能を調べるためのアッセイも既知である。
従って、次の生物学的実施例は、請求項記載の化合物の本発明に係る使用を例によって単に説明するためのものであって、決して限定するものであると解釈してはならない。
【0271】
T細胞免疫応答におけるIL-2の重要性
試験物質が抗体誘発インターロイキン2(IL-2)分泌に影響を与える程度を、次の試験法において調べた。IL-2は活性T細胞により生産されそして放出される中心的サイトカインである。T細胞におけるIL-2合成は複数のキナーゼにより調節される。キナーゼに対する物質の阻害効果は、特にIL-2合成の阻害とT細胞免疫応答の阻害を引き起こす。ELISAキットを使ってサイトカイン測定を実施した。
【0272】
試験法の記載
室温でのHistopaque 1077 (Sigma)を使った勾配遠心によりヘパリン化ヒト全血から末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、高浸透圧下で赤血球を溶解し、そしてPBS中で2回洗浄した後、細胞培養培地(RPMI-1640+Glutamax-I [Gibco]中の10%不活性化ウシ胎児血清)中に取り出した。
【0273】
96ウエル培養プレート(Costar)を、ウエルあたりPBS中0.1μg/mlの抗体溶液[Gibco] 100μlにより4℃で18時間予備インキュベートした。使用した抗体は抗CD3及び抗CD28モノクローナル抗体(PharMingen)であった。PBSで3回洗浄した後、プレートに200μlの細胞懸濁液(40000細胞数/ウエル)を装填した。加えて、1×10-6〜1×10-12Mの濃度になるように試験物質を添加した。
【0274】
培養物を37℃で20時間、インキュベーター中でインキュベートした。このインキュベーションの後、相を手短に振盪し、遠心分離し、そして250μlの上清を取り、次いでその上清を−20℃で凍結した。
ELISAキット(Bioscience)を使ってインターロイキン−2を測定し、そして変色の吸収をSpectraMax 340 PC(波長450nm)において分析した。活性物質は吸収の減少をもたらした。
【0275】
表:アッセイデータ
【表130】

【0276】
【表131】

【0277】
【表132】

【0278】
【表133】

【0279】
ALK1キナーゼフラッシュプレートアッセイ
化合物の活性を調べるために、ALK1キナーゼフラッシュプレートアッセイを確立しそして使用した。
【0280】
ALK1は、〔γ−33P〕ATPの存在下でビオチン化基質ウシα−カゼインのセリン/スレオニン残基をリン酸化する。ストレプトアビジンで被覆されたフラッシュプレートへの結合を通して放射性生成物を検出する。ビオチン化カゼインのビオチン残基は、高親和力でストレプトアビジンに結合する。ALK1キナーゼ反応から生じる放射性ビオチン化カゼインは、フラッシュプレートのシンチレーター含有表面へのストレプトアビジン媒介結合が起こった後に化学発光シグナルを発生する。このシグナルは、フラッシュプレートのウエル表面におけるシンチレーターへの放射性標識の接近に由来する。リン酸化されない基質は、放射性リン酸基を含まないために全くシグナルを発生しない。溶液(上清)中で結合しないまま残った遊離の〔γ−33P〕ATPは、フラッシュプレートのウエルから洗い流され、従ってバックグラウンドシグナルに有意な寄与をしない。従って、測定されたシグナルは、ALK1キナーゼ活性の測度である。測定はPerkin-Elmerトップカウント装置かPerkin-Elmer ViewLux装置で行われる。
【0281】
材料
酵素:精製したヒト組換えALK1キナーゼ(ALK1の細胞内領域[His142-Gln503]に融合したGST);自社調製;アリコートを-80℃で保存;希釈済み酵素処理用液:2.5ng/μlALK1(アッセイ緩衝液中)を新たに調製し、使用まで氷上に保存する。
基質:ビオチン化ウシα−カゼイン。Sigma社からの非ビオチン化カゼインを、ビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを使った標準法によりビオチン化する。基質処理用液:アッセイ緩衝液中、0.83μM ATP、1.67μMビオチン化α−カゼイン、7.4 nCiの〔γ−33P〕ATP/μl。
【0282】
アッセイプレート:384ウエルプレート、小容量、白色、Greiner(#784075)。
フラッシュプレート:ストレプトアビジン被覆フラッシュプレート、Perkin Elmer (384ウエル、#SPM410A)。
アッセイ緩衝液:50 mM Tris-HCl pH 8.0, 1 mM MnCl2、1 mM DTT, 0.01% NP40, 0.5×完全EDTA不含有。
停止溶液:PBS中、33.3μM ATP, 33.3 mM EDTA, 0.07%Triton X-100。
フラッシュプレート用の飽和溶液:PBS中、100μM ATP, 0.2%Triton X-100。
プレート用接着フィルム:Greiner(# 676080)。
【0283】
アッセイの説明
5μlアッセイについてのプロトコル(すべての段階は20℃で実施;CyBi-Wellピペッター及びマルチドロップマイクロディスペンサーを注入に使用):
1.100%DMSO中50nl又は250nlの物質。
2.CyBi-Wellピペッターを使って3μlの基質処理用液を添加。
3.マルチドロップマイクロディスペンサーを使って2μlの酵素処理用液を添加。室温(20℃)で60分間インキュベーション。
【0284】
4.CyBi-Wellピペッターを使って15μlの停止溶液を添加。
5.18μlのアッセイ混合物をCyBi-Wellピペッターを使ってフラッシュプレート**に移す。ストレプトアビジン被覆フラッシュプレートへの結合を可能にするため室温で少なくとも3時間又は4℃で一晩インキュベーション。
6.各回Ca++とMg++不含有のPBS50μlによるフラシュプレートの洗浄。
【0285】
7.接着フィルムによりプレートをシールする。
8.トップカウントにおいて測定(60秒/ウエル)。
**フラッシュプレートの飽和:フラッシュプレートを50μlの飽和溶液を用いて少なくとも1時間予備インキュベートする。この溶液の18μlを捨てた後、アッセイ混合物の18μlをフラッシュプレートに移す。
【0286】
5μlの反応容量について算出した最終濃度:5ngのALK1/ウエル;1μMビオチン化α−カゼイン;0.5μM ATP;22nCi/ウエルの〔γ−33P〕ATP;1mM MnCl2;1mM DTT;50 mM Tris-HCl, pH 8.0;0.01%NP-40;0.5×完全EDTA不含有;1%又は5%DMSO。
データを標準化する(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害;10 mM EDTAの存在下での酵素反応=100%阻害)及びIC50値は、自社ソフトウエアを用いた4パラメーター近似法を使って算出。
【0287】
ALK4キナーゼフラッシュプレートアッセイ
化合物の活性を調べるため、ALK4キナーゼフラッシュプレートアッセイを確立し、そして使用した。
【0288】
ALK4は、〔γ−33P〕ATPの存在下でビオチン化基質ウシα−カゼインのセリン/スレオニン残基をリン酸化する。ストレプトアビジンで被覆されたフラッシュプレートへの結合を通して放射性生成物を検出する。ビオチン化カゼインのビオチン残基は、高親和力でストレプトアビジンに結合する。ALK4キナーゼ反応から生じる放射性ビオチン化カゼインは、フラッシュプレートのシンチレーター含有表面へのストレプトアビジン媒介結合が起こった後に化学発光シグナルを発生する。
【0289】
このシグナルは、フラッシュプレートのウエルの表面におけるシンチレーターへの放射性標識の接近に由来する。リン酸化されない基質は、放射性リン酸基を含まないために全くシグナルを発生しない。溶液(上清)中で結合しないまま残った遊離の〔γ−33P〕ATPは、フラッシュプレートのウエルから洗い流され、従ってバックグラウンドシグナルに有意な寄与をしない。従って、測定されたシグナルは、ALK1キナーゼ活性の測度である。測定はPerkin-Elmerトップカウント装置かPerkin-Elmer ViewLux装置で行われる。
【0290】
材料
酵素:
Sf21昆虫細胞中の組換えバキュロウイルスにより発現された、N末端でGSTに融合した市販の組換えヒトALK4キナーゼ(アミノ酸150〜505)(Upstate Biotechnology, Dundee, Scotland; Cat# 14-614MG)、Lot# 28232U;アリコートを-80℃で保存;希釈済み酵素処理用液:2.5ng/μlALK1(アッセイ緩衝液中)を新たに調製し、使用まで氷上に保存する。
【0291】
基質:
ビオチン化ウシα−カゼイン。Sigma社からの非ビオチン化カゼインを、ビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを使った標準法によりビオチン化する。基質処理用液:アッセイ緩衝液中、0.83μM ATP、1.67μMビオチン化α−カゼイン、7.4 nCiの〔γ−33P〕ATP/μl。
【0292】
アッセイプレート:
384ウエルプレート、小容量、白色、Greiner(#784075)。
フラッシュプレート:
ストレプトアビジン被覆フラッシュプレート、Perkin Elmer (384ウエル、#SPM410A)。
アッセイ緩衝液:
50 mM Tris-HCl pH 8.0, 1 mM MnCl2、1 mM DTT, 0.01% NP40, 0.5×完全EDTA不含有。
停止溶液:
PBS中、33.3μM ATP, 33.3 mM EDTA, 0.07%Triton X-100。
フラッシュプレート用の飽和溶液:PBS中、100μM ATP, 0.2%Triton X-100。
プレート用接着フィルム:Greiner(# 676080)。
【0293】
アッセイの説明
5μlアッセイについてのプロトコル(すべての段階は20℃で実施;CyBi-Wellピペッター及びマルチドロップマイクロディスペンサーを注入に使用):
1.100%DMSO中50nl又は250nlの物質。
2.CyBi-Wellピペッターを使って3μlの基質処理用液を添加。
3.マルチドロップマイクロディスペンサーを使って2μlの酵素処理用液を添加。室温(20℃)で45分間インキュベーション。
【0294】
4.CyBi-Wellピペッターを使って15μlの停止溶液を添加。
5.18μlのアッセイ混合物をCyBi-Wellピペッターを使ってフラッシュプレート**に移す。ストレプトアビジン被覆フラッシュプレートへの結合を可能にするため室温で少なくとも3時間又は4℃で一晩インキュベーション。
6.各回Ca++とMg++不含有のPBS50μlを用いるフラシュプレートの洗浄。
【0295】
7.接着フィルムによりプレートをシールする。
8.トップカウントにおいて測定(60秒/ウエル)。
**フラッシュプレートの飽和:フラッシュプレートを50μlの飽和溶液を用いて少なくとも1時間予備インキュベートする。この溶液の18μlを捨てた後、アッセイ混合物の18μlをフラッシュプレートに移す。
【0296】
5μlの反応容量について算出した最終濃度:1ngのALK1/ウエル;1μMビオチン化α−カゼイン;0.5μM ATP;22nCi/ウエルの〔γ−33P〕ATP;1mM MnCl2;1mM DTT;50 mM Tris-HCl, pH 8.0;0.01%NP-40;0.5×完全EDTA不含有;1%又は5%DMSO。
データを標準化する(阻害剤なしの酵素反応=0%阻害;10 mM EDTAの存在下での酵素反応=100%阻害)及びIC50値は、自社ソフトウエアを用いた4パラメーター近似法を使って算出。
【0297】
ALK1トランス活性化アッセイ
この場合、HepG2細胞培養物を、ALK1プラスミド(ヒトALK1レセプター用の発現ベクター)を用いて既知技術により一時的にトランスフェクトせしめる。同時に、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に1.3kB(-1370 〜+86)ID1プロモーターを含むID1レポータープラスミドを同時トランスフェクトせしめる。ID1はALK1の既知標的遺伝子であり、従ってALK1レセプターによる同時トランスフェクションによりトランス活性化される。その特異的トランス活性化を、ルシフェラーゼに依存して検出されるRLU(相対光単位)により定量する。基質ルシフェリンを含んでなる市販のルシフェラーゼ検出用キットをこれに使用する。
【0298】
材料
HepG2細胞(肝細胞癌)、ATCC HB-8065
96ウエル培養プレート96白色(Packard# 6005680)
ポリプロピレン製96ウエルプレート、DMSO中での化合物希釈用
PBS−;PBS++、DMSO
10%透析済FCS、1%PenStrep及び200 mMグルタミンを含有するDMEM−ハムF12培地(Biochem #F4815)
OPTI MEM(Gibco #51985-026)
Fugene(Roche #1814443 1mL)
steadyliteHTS(Perkin Elmer#6016981)
【0299】
実験手順
1日目:96ウエルプレート上への細胞の播種
HepG2細胞を、DMEM/HamsF12+5%FCS(+1%P/S,+1%Gln)中7000細胞/ウエルの密度で96ウエルプレート上に播種する。
【0300】
2日目:細胞のトランスフェクション
ウエル当たり:
200ngDNA:100ng ID1−luc(pGL3basic, Promega)+5ng ALK1wt(pcDNA3.1)+95ng pcDNA3.1(空ベクター、Invitrogen)
0.4μlのfugene
6μlのOptiMEM
【0301】
FugeneとOptiMEMをRTで5分間インキュベートする。この混合物をDNAと共にRTで15分間インキュベートする。
次いで該プレートを振盪条件下でRTで1時間インキュベートする。37℃で4時間後、上清を吸引除去し、少量の血清(0.2%FCS)と試験物質とを含有する培地(100μl/ウエル)をウエルに添加する。プレートを37℃で更に18時間インキュベートする。
【0302】
3日目:RLU測定
100μlのルシフェラーゼ基質(SteadyliteHTS, Packard)をウエルあたり添加し、そして10分後に照度計(例えばViktor luminometer, Perkin Elmer)中でプレートを測定する。ルシフェラーゼ活性を相対光単位(RLU)により定量する。
【0303】
IC50の算出:
ALK1wt−DMSO対照(ALK1無し)=100%
物質(+ALK1wt)−DMSO対照(ALK1無し)=x%
IC50=ALK1トランス活性化の50%阻害
【0304】
DU-145増殖アッセイ
まず最初に、DU-145細胞をウエル当たり200細胞数の濃度で96ウエルマイクロタイタープレート(CulturPlate-96, 平底透明)に播種し(培地容量:100μl;飢餓培地中の負の対照)、そして培養条件下で18時間増殖させた。次いで100μlの培地を除去し、100μlの物質溶液(培地中の希釈液)を添加した。培養条件下で72時間、細胞をインキュベートした。物質の処理の終了後、5μlのAlamar Blue標識溶液(Biosource cat# DAL 1100、Lot# 143152SA;培地中に溶解したもの)を添加し(1:20希釈液を作製するため)、そして細胞を培養条件下で更に3時間増殖させた。次いで、各場合においてFLx800(BIO-TEK社からの蛍光測定装置)中での528 nmと590 nmでの測定により、増殖速度を分析した。
【0305】
細胞系及び細胞培養
ヒト細胞培養系を使用した:DU-145(前立腺細胞系ATCC No. HTB-81)。全ての細胞系は175cm2培養瓶中で37℃、5%CO2及び95%湿度において増殖させ、そしてそれぞれの分裂速度に従って80%周密にて1:5〜1:65に分割した。このために、細胞を最初に10mlのPBSで洗浄し、そして2mlのトリプシン(Gibco)で湿潤させた。過剰のトリプシンを除去し、細胞を室温で10分間インキュベートした。処理した細胞の完全な脱離を顕微鏡下で確認した。次いで細胞を培地中に取り出し、適当な容量比にて新しい培養瓶の中に移した。
【0306】
DU-145培地
DMEM HAM's F-12(Biochrom AG, cat#F4815)+1%P/S+1%グルタミン+10%FCS(Biochrom AG, Lot’0218G)
DU-145飢餓培地
DMEM HAM's F-12(Biochrom AG, cat#F4815)+1%P/S+1%グルタミン
【0307】
別の増殖アッセイ
ブロモデオキシウリシン(BrdU)を使ってDNA複製細胞を標識し、真核細胞の増殖の測度として使用した。この方法では、合成期(S期)にある細胞は、チミジンの代わりにチミジン類似体BrdUを増殖DNA鎖中に取り込む。こうして複製されたDNAは、修飾ヌクレオチドBrdUにより標識され、続いて蛍光団(フルオロフォア)で標識された抗BrdU抗体の助けにより検出することができる。この方法は、細胞増殖に対する物質の効果を調べるために使用した。
【0308】
最初に、HeLa細胞を7500細胞/ウエル(容量:200μl)の濃度で96ウエルのマイクロタイタープレート中に播種し、そして培養条件下で18時間増殖させた。次いで100μlの培地を除去し、100μlの物質溶液(培地中の希釈液)を添加した。細胞を培養条件下で6時間、18時間又は48時間インキュベートした。物質処理の終了後、BrdU標識溶液(培地中に溶解したもの)を添加し(BrdUの最終濃度10μM)、そして細胞を培養条件下で更に3時間増殖させた。BrdU含有上清を除去し、細胞をPBSで洗浄した。
【0309】
その後、細胞を4%強度のホルマリン溶液(PBS、0.1%Triton X-100中に溶解したもの)で4℃にて18時間固定し、そして細胞を200μlのPBSで3回洗浄した。取り込まれたBrdUを抗体標識に接近できるようにするために、細胞のDNAをヌクレアーゼ(GE/Amersham)により消化した。続いてモノクローナル抗BrdU抗体(GE/Amersham)を用いてBrdUを検出した。このために、固定された細胞を抗体/ヌクレアーゼ溶液(50μl/ウエル)と共に37℃で45分間インキュベートし、次いで200μlのPBSで3回洗浄した。蛍光標識は、抗BrdU抗体に結合する蛍光団標識された第二抗体を用いて行った。細胞核のクロマチンをHoechst 33342により染色した。
【0310】
各場合、ウエル当たり9つの映像断面を様々な蛍光チャンネルにおいて自動顕微鏡(Discovery-1, Molecular Devices)を使って記録し、そして高含量分析(HCA)法によってBrdU取込みと増殖速度を分析した。
【0311】
細胞系及び細胞培養
ヒト細胞培養系を使用した:HeLa(子宮頚癌由来)、PC3(前立腺癌由来)及びMCF-7(乳がん由来)。加えて、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣由来)を培養した。
すべての細胞系を175cm2培養瓶中で37℃、5%CO2及び95%湿度において増殖させ、そしてそれぞれの分裂速度に従って80%周密にて1:5〜1:65に分割した。このために、細胞を最初に10mlのPBSで洗浄し、そして2mlのトリプシン(Gibco)で湿潤させた。過剰のトリプシンを除去し、細胞を室温で10分間インキュベートした。処理した細胞の完全な脱離を顕微鏡下で確認した。次いで細胞を培地中に取り出し、適当な容量比にて新しい培養瓶の中に移した。
【0312】
HeLa培地
ダルベッコ培地(Gibco)、2mMグルタミン(Gibco)、100U/mlペニシリン(Gibco),100μg/mlストレプトマイシン(Gibco)及び10%(v/v)ウシ胎児血清(PAA)。
PC3培地
RPMI 1640培地(Gibco)、2mMグルタミン(Gibco)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(Gibco)及び10%ウシ胎児血清(PAA)。
【0313】
MCF-7培地
RPMI 1640培地(Gibco)、2mMグルタミン(Gibco)、100U/mlペニシリン(Gibco)、100μg/mlストレプトマイシン(Gibco)及び10%ウシ胎児血清(PAA)、0.1nMエストラジオール(Sigma)及び0.2U/mlインスリン(Sigma)。
CHO培地
ハムF12培地(PAA)、2mMグルタミン(Gibco)、100U/mlペニシリン(Gibco)、100μg/mlストレプトアビジン(Gibco)及び3%ウシ胎児血清(PAA)。
【0314】
追加の先行技術
追加の先行技術は下記の刊行物とそれらの刊行物中に引用された文献により形成される。
【0315】
【表134】

【0316】
本願の優先権:
本特許出願は、ドイツ国特許出願DE 10 2005 042 742.1(出願日:2005年9月2日)の優先権を主張し、それは米国特許出願第60/713 333(出願日:2005年9月2日、予備出願)の全ての優位性も主張する。
優先権出願の独立請求項は以下の通りである:
【0317】
1.式Iの化合物:
【化22】

【0318】
〔上式中、Qはアリール又はヘテロアリールであり;
A及びBは同一又は異なり、そして
i) H,Hal,−OH,−NR34,−CN又は−NO2
ii)所望によりモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、−NR34−又は−(CO)−NR3−Lで置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであって、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ることがあり、及び
iii)−NR3(CO)L,−NR3(CO)−NR3−L,−(CO)−R6,−O−(CH2p−R6,−(CO)−(NR3)−L,−NR3(CS)−NR34又は−O−(CH2p−アリール、
から成る群より選択され、
ここで、多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0319】
A及びBは上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってQ融合C5〜C7シクロアルキル又はC5〜C7ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、後者の場合には環中に少なくとも1つの酸素又は1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の酸素、窒素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
pは0〜4であり;
【0320】
Lは所望によりモノ−もしくはポリ−C1〜C6アルキル−、C1〜C6ヒドロキシアルコキシ−、C1〜C6アルコキシアルコキシ−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−又は−NR34−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであり、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
【0321】
1とR2は同一又は異なり、そしてj) −H、及び
jj)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6、−NR34、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール
から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル基は、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0322】
1及びR2は上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR1及びR2により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0323】
3及びR4は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−もしくは−COOR7−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、
から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0324】
3及びR4基は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR3とR4により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキルにより、−NR67、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−もしくは−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0325】
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)所望によりモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
並びにそれの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【0326】
2.R1及びR2が同一又は異なり、そしてj)−H,及びjj)任意にモノ−又はポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキルから成る群より選択され;ここで、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、場合により、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで多置換の場合の置換基は、同一であっても異なってもよく;そして
【0327】
1とR2が上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、ここでR1とR2により形成される環は、場合により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−もしくは−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、1回又は複数回置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一又は異なってもよい、請求項1に記載の化合物。
【0328】
3.R1及びR2が同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)所望により、モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリールオキシ−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)L−又は−NR3COOR7で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは場合により環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで
【0329】
前記jj)において定義されたアリール又はヘテロアリール基は、アルキルが含まれない限り置換されることができ、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく、R1とR2が上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、ここでR1とR2により形成される環は、場合により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−もしくは−(CO)−R6で任意に置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、1回又は複数回置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一又は異なってもよい、請求項1又は2に記載の化合物。
【0330】
4.Qが−OH−,−Hal−,−CN−,アルキル−,−OR6−もしくは−NR34で置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チオフェニル、フリル、イミダゾリル又はピラゾリルである、請求項3記載の化合物。
【0331】
5.R1とR2は同一又は異なり、そして
−H、所望により更に−Hal、−OH、−CN、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、−S−C1〜C6アルキル、−(CO)−R6、−NR3(CO)−L又は−NR3COOR7により1回もしくは複数回置換されることがある、NR34−置換C1〜C4アルキルから成る群より選択され、ここで前記R3とR4は同一又は異なるC1〜C6アルキルであることができ、あるいはR3とR4は一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、R6及びR7が同一又は異なり、−H、−OH、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C3アルキルである、請求項4に記載の化合物。
【0332】
6.R1が−H及びC1〜C3アルキルから成る群より選択され、R2がNR34で置換されたC3〜C4アルキル、所望により付加的にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7−により置換されることがある、C3〜C4アルキルから成る群より選択され;
【0333】
3及びR4が同一又は異なり、所望によりモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−又は−COOR7により置換されることがある、C1〜C6アルキルであり、あるいはR3とR4が一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、そして
6及びR7が同一又は異なり、−H、−OH、C1〜C6アルコキシ又はC1〜C3アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【0334】
7.(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン、
(3−モルホリン−4−イルプロピル)−(3−フェニル−イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン、
(3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミン、
〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピリジン−3−イルメチルアミン、
【0335】
(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)ピリジン−3−イルメチルアミン、
(3−イミダゾ−1−イルプロピル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(4−フルオロベンジル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
シクロヘキシルメチル(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(2,4−ジフルオロベンジル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
【0336】
〔3−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)プロピル〕−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
1−〔2−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エチル〕イミダゾリジン−2−オン、
(2−モルホリン−4−イルエチル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
*1,N*,1−ジエチル−N*4−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)ペンタン−1,4−ジアミン、
N,N−ジエチル−N′−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
【0337】
(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミン、
〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピリジン−3−イルメチルアミン、
〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−(3−イミダゾール−1−イルプロピル)アミン、
3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(4−フルオロベンジル)アミン、
3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)シクロヘキシルメチルアミン、
【0338】
3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(2,4−ジフルオロベンジル)アミン、
1−{2−〔3−(3−フェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕エチル}イミダゾリジン−2−オン、
**−〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−N**,N**−ジエチルペンタン−1,4−ジアミン、
N′−〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−N,N−ジエチルプロパン−1,3−ジアミン、
〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミン、
【0339】
(3−イミダゾール−1−イルプロピル)−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
(4−フルオロベンジル)−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
シクロヘキシルメチル−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
(2,4−ジフルオロベンジル)−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−〔5−メチル−(1H−ピラゾール−4−イル)プロピル〕アミン、
【0340】
1−{2−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕エチル}イミダゾリジン−2−オン、
(3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(2−モルホリン−4−イルエチル)アミン、
*1,N*,1−ジエチル−N*4−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ペンタン−1,4−ジアミン、
N,N−ジエチル−N′−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕プロパン−1,3−ジアミン、
〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミン、
【0341】
ピリジン−3−イルメチル−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(4−フルオロベンジル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
シクロヘキシルメチル−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(2,4−ジフルオロベンジル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
〔3−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)プロピル〕−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
【0342】
1−〔2−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エチル〕イミダゾリジン−2−オン、
(2−モルホリン−4−イルエチル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
*1,N*,1−ジエチル−N*4−〔3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ペンタン−1,4−ジアミン、
N,N−ジエチル−N′−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
(2−ピロリジン−1−イルエチル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
【0343】
8.請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の調製方法であって、下記の段階:
A1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
A2) 段階A1からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて3−ブロモ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
A3) 段階A2からの生成物を、Buchwald-Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12との反応により、(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンに変換し、
A4) 段階A3からの生成物を、例えば基AとBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式Iの化合物を与える;あるいは
【0344】
B1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて、6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
B2) 段階B1からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて、3−ブロモ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
B3) 段階B2からの生成物を、例えば基AとBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式IIの化合物を与え、
B4) 段階B3からの生成物を、Buchwald-Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12との反応により、一般式Iの化合物に変換する;あるいは
【0345】
C1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
C2) 段階C1からの生成物を、Buchwald-Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12との反応により、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンに変換し、
C3) 段階C2からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンを与え、
C4) 段階C3からの生成物を、例えば基AとBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて一般式Iの化合物を与える、
を有する、一般式Iの化合物の調製方法。
【0346】
9.医薬組成物を調製するための請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
10.細胞性キナーゼ、特にプロテインキナーゼCファミリー、例えばPKCシータ(θ)、デルタ(δ)、イオタ(ι)、アルファ(α)及びツェータ(ζ)の群からのキナーゼを阻害するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
11.細胞性キナーゼ、特に請求項10に記載の細胞性キナーゼの過剰発現又は突然変異に関連する疾患の治療又は予防用の医薬組成物の製造のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
12.前記疾患が表皮過剰増殖、例えば乾癬、アルツハイマー病、自己炎症性疾患、クローン病、過剰免疫応答、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、ALS、糖尿病、喘息から成る群より選択された疾患である、請求項9に記載の使用。
【0347】
13.免疫応答を活性調節し、特に減少させ、例えば移植を行った後の臓器の拒絶を避けるための、請求項9に記載の使用。
14.医薬組成物の製造方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の生理学的有効量を少なくとも1つの医薬賦形剤と混合し、そして剤形を製造することを含んで成る方法。
15.細胞キナーゼの過剰発現又は突然変異に関連した疾患、特に請求項12に記載の疾患の治療又は予防のための方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の生理学的有効量を含んで成る医薬組成物を、該疾患を患っているか又は罹患する恐れのある人に投与することを特徴とする方法。
【0348】
16.一般式IIaの中間体:
【化23】

【0349】
〔上式中、
Yは−H又は−Halであり;
1とR2は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−もしくは−NR3COOR7−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は所望により環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0350】
1及びR2は上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで、R1とR2により形成された環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−もしくは−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0351】
3及びR4は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−もしくは−COOR7−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は所望により環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0352】
3及びR4は上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで、R3とR4により形成された環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキルにより又は−NR67、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又は、モノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−もしくは−(CO)−R6で置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0353】
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H及びjj) モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
並びにそれらの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及びその塩。
【0354】
17.一般式IIbの中間体:
【化24】

【0355】
〔上式中、
Qはアリール又はヘテロアリールであり;
【0356】
A及びBは同一又は異なり、そして
i) H,Hal,−OH,−NR34,−CN又は−NO2
ii)任意にモノ−又はポリ−Hal−、−OH−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、−NR34−又は−(CO)−NR3−L−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであって、ここで前記C3〜C6ヘテロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、及び
【0357】
iii) −NR3(CO)−L,−NR3(CO)−NR3−L,−(CO)−R6,−O−(CH2p−R6,−(CO)−(NR3)−L,−NR3(CS)−NR34,又は−O−(CH2p−アリール、
から成る群より選択され、
ここで、多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0358】
A及びBは上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってQ融合C5〜C7シクロアルキル又はC5〜C7ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、後者の場合には環中に少なくとも1つの酸素又は1つの窒素原子を含んで成ることができ、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の酸素、窒素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
pは0〜4であり;
【0359】
Lは所望によりモノ−もしくはポリ−C1〜C6アルキル−、C1〜C6ヒドロキシアルコキシ−、C1〜C6アルコキシアルコキシ−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−又は−NR34−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、又はC3〜C6シクロアルキルもしくはC3〜C6ヘテロシクロアルキルであり、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
【0360】
Xは塩素、臭素、O−SO2−CF3又はO−SO2−C49であり;
3とR4は同一又は異なり、そして
j) −H、及び
jj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−又は−COOR7により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール(ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なっていてもよい)
から成る群より選択され;
【0361】
3及びR4基は上記定義に加えて又は上記定義の代わりに、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR3とR4により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、−NR67、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−又は−(CO)−R6−で任意に置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換もしくは多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
【0362】
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)モノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
並びにそれの異性体、ジアステレオマー、鏡像体および塩。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔上式中、
Qはピリミジンを除く、アリール又はヘテロアリールであり;
A及びBは同一又は異なり、そして
i) H,Hal,−OH,−NR34,−CN又は−NO2
ii)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、−NR34−、−SO2NR34−、−SO23−又は−(CO)−NR3−L−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキルであり、ここで前記C3〜C6ヘテロアルキルは、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく、及び
iii)−NR3(CO)−L,−NR3(CO)−NR3−L,−(CO)−R6,−O−(CH2p−R6,−(CO)−(NR3)−L,−NR3(CS)−NR34,−NR3(SO2)−L,−(SO2)−NR34,−NR3(CO)NR34,−(CO)NR34,−CO27、−NR3(SO2)R4又は−O−(CH2p−アリール
から成る群より選択され、
ここで、多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
A及びBは上記定義に加えて、一緒になってQ融合C5〜C7シクロアルキル又はC5〜C7ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、後者の場合には環中に少なくとも1つの酸素又は1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1つもしくは複数の酸素、窒素又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
pは0〜4であり;
Lは任意にモノ−もしくはポリ−ヒドロキシ−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6ヒドロキシアルコキシ−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6アルコキシアルコキシ−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−又は−NR34−により置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、又はC3〜C6シクロアルキルもしくはC3〜C6ヘテロシクロアルキルであり、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;
1とR2は同一又は異なり、そして
j) −H、及び
jj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−,−NR3COOR7−、−COOR7−、−NR3CONR34−、−NR3SO24−,−SO2NR34−、−CONR34−又は−SO23−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール
から成る群より選択され、あるいは
−(CH2r8基(ここでrは0〜3の数であり、そしてR8は基
【化2】

である)を有し、
ここで前記R1又はR2中に任意に存在するアリール、ヘテロアリール、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル基は、−Hal、−CN、−OH、−C1〜C6アルキル、−C1〜C6ハロアルキル、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C6ハロアルコキシ、−C1〜C6ヒドロキシアルキル、−C3〜C6シクロアルキル、−NO2、−NH2、−NR34、−CONR34、−NR3COR4、−NR3SO24,−COR6、−CO27、−SO2NR34、−SR3、−SOR3、−SO23、−OR3、−O(CH2p6により単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
ただし2つ以上のアリール又はヘテロアリール基がR1又はR2中の同一炭素原子上の置換基であることはできず;
1及びR2は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR1及びR2により形成される環は、−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6−で任意に置換されることがある、アリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
3及びR4は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−もしくは−COOR7−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、
から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−又は−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
3及びR4基は上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく;ここでR3とR4により形成される環は、任意に−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシにより、−NR67、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又は、モノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6で任意に置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
6及びR7は同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−で任意に置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、から成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい〕
で表わされる化合物、並びにそれの異性体、ジアステレオマー、鏡像体及び塩。
【請求項2】
1及びR2が同一又は異なり、そしてj)−H,及びjj)任意にモノ−又はポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキルから成る群より選択され;ここで、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、場合により、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;そして
1とR2が上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、ここでR1とR2により形成される環は、場合により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6アルコキシ−もしくは−(CO)−R6で任意に置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換又は多置換されることがあり、ここで多置換の場合の置換基は同一又は異なってもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1及びR2が同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C2ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C2ハロアルコキシ−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−、−NR3COOR7−、−COOR7−、−NR3SO24−、−SO2NR34−、−CONR34−又は−SO23−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキルから成る群より選択され、あるいは
−(CH2)R8基(ここでR8は基
【化3】

である)を有し、
前記R1又はR2中に任意に存在するアリール、ヘテロアリール、C3〜C6シクロアルキル又はC3〜C6ヘテロシクロアルキル基は、任意に−Hal、−CN、−OH、−C1〜C6アルキル、−C1〜C2ハロアルキル、−C1〜C6アルコキシ、−C1〜C2ハロアルコキシ、−C1〜C6ヒドロキシアルキル、−C3〜C6シクロアルキル、−NO2、−NH2、−C1〜C6ハロアルキル、−NR34、−CONR34、−NR3COR4、−NR3SO24,−COR6、−CO27、−SO2NR34、−SR3、−SOR3、−SO23、−OR3、−O(CH2p6により単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;
ただし、R1又はR2中の2つ以上のアリール又はヘテロアリール基が同一炭素原子上の置換基であってはならない、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1及びR2が同一又は異なり、そしてj) −H、及びjj)任意にモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリールオキシ−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR34−、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7−で置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから成る群より選択され、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは、場合により、環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含むことができ、ここでjj)において定義したアリール又はヘテロアリール基は、アルキルが含まれない限り置換されてもよく、多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく;そしてR1とR2が、上記定義に加えて、一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成りそして所望により付加的に環中に1もしくは複数の窒素、酸素もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は所望により1もしくは複数の二重結合を含んで成ることができ、ここでR1とR2により形成される環は、所望により−CN、−Hal、−OH、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、−NR34、−CONR67、−(CO)−R6もしくは−COOR7により、及び/又はモノ−もしくはポリ−Hal−、C1〜C6ハロアルコキシ−又は−(CO)−R6で任意に置換されることがあるアリールもしくはヘテロアリールにより、単置換もしくは多置換されることがあり;ここで多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよい、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
Qが場合によりモノ−もしくはポリ−OH−、−Hal−、−CN−、アルキル−、−OR6−又は−NR34で置換されることがある、フェニル、ピリジル、チオフェニル、フリル、イミダゾリル又はピラゾリルである、請求項3又は4に記載の化合物。
【請求項6】
1及びR2が同一又は異なり、そして−H;NR34で置換されたC1〜C4アルキル;および−Hal、−OH、−CN、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6ヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルキニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、−S−C1〜C6アルキル、−(CO)−R6、−NR3(CO)−L又は−NR3COOR7で更に単置換もしくは多置換されることがある、C1〜C4アルキルから成る群より選択され、ここで前記C3〜C6ヘテロシクロアルキルは環中に1もしくは複数の窒素、酸素及び/又は硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−又は−SO2−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んでもよく、そして多置換の場合の置換基は同一であっても異なってもよく、R6及びR7は同一又は異なり、そして−H、−OH,C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ又はC1〜C3アルキルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1が−H及びC1〜C3アルキルから成る群より選択され、R2がNR34置換C1〜C4アルキル;モノもしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−S−C1〜C6アルキル−、−(CO)−R6−、−NR3(CO)−L−又は−NR3COOR7で更に置換されることがあるC1〜C4アルキルから成る群より選択され、R3及びR4基は同一又は異なり、そしてモノ−もしくはポリ−Hal−、−OH−、−CN−、C1〜C6アルキル−、C1〜C6ハロアルキル−、C1〜C6アルコキシ−、C1〜C6ハロアルコキシ−、C1〜C6ヒドロキシアルキル−、C3〜C6シクロアルキル−、C3〜C6ヘテロシクロアルキル−、C2〜C6アルキニル−、アリール−、アリールオキシ−、ヘテロアリール−、−NR67−、−CONR67−、−(CO)−R6−又は−COOR7−で任意に置換されることがある、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキルから成る群より選択され;R3とR4は一緒になってC3〜C6ヘテロシクロアルキル環を形成することができ、前記C3〜C6ヘテロシクロアルキル環は環中に少なくとも1つの窒素原子を含んで成り、そして場合により環中に更に1もしくは複数の窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子、及び/又は1もしくは複数の−(CO)−もしくは−(SO2)−基、及び/又は1もしくは複数の二重結合を含んで成ってもよく; R6及びR7が同一又は異なり、そして−H、−OH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ又はC1〜C3アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
1又はR3が−Hに等しい、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン、
(3−モルホリン−4−イルプロピル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)アミン、
(3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミン、
〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピリジン−3−イルメチルアミン、
(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)ピリジン−3−イルメチルアミン、
(3−イミダゾ−1−イルプロピル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(4−フルオロベンジル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
シクロヘキシルメチル−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(2,4−ジフルオロベンジル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
〔3−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)プロピル〕−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
1−〔2−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エチル〕イミダゾリジン−2−オン、
(2−モルホリン−4−イルエチル)−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
*1,N*,1−ジエチル−N*4−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)ペンタン−1,4−ジアミン、
N,N−ジエチル−N′−(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)プロパン−1,3−ジアミン、
(3−フェニルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミン、
〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ピリジン−3−イルメチルアミン、
〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−(3−イミダゾール−1−イルプロピル)アミン、
3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(4−フルオロベンジル)アミン、
3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)シクロヘキシルメチルアミン、
3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(2,4−ジフルオロベンジル)アミン、
1−{2−〔3−(3−フェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕エチル}イミダゾリジン−2−オン、
**−〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−N**,N**−ジエチルペンタン−1,4−ジアミン、
N′−〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−N,N−ジエチルプロパン−1,3−ジアミン、
〔3−(3−クロロフェニル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミン、
(3−イミダゾール−1−イルプロピル)−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
(4−フルオロベンジル)−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
シクロヘキシルメチル−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
(2,4−ジフルオロベンジル)−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕アミン、
〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−〔5−メチル−1H−ピラゾール−4−イルプロピル〕アミン、
1−{2−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ〕エチル}イミダゾリジン−2−オン、
(3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(2−モルホリン−4−イルエチル)アミン、
*1,N*,1−ジエチル−N*4−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ペンタン−1,4−ジアミン、
N,N−ジエチル−N′−〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕プロパン−1,3−ジアミン、
〔3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕−(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミン、
ピリジン−3−イルメチル−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(4−フルオロベンジル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
シクロヘキシルメチル−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
(2,4−ジフルオロベンジル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
〔3−(5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)プロピル〕−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
1−〔2−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イルアミノ)エチル〕イミダゾリジン−2−オン、
(2−モルホリン−4−イルエチル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
*1,N*,1−ジエチル−N*4−〔3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕ペンタン−1,4−ジアミン、
N,N−ジエチル−N′−〔3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル〕プロパン−1,3−ジアミン、
(2−ピロリジン−1−イルエチル)−(3−チオフェン−3−イルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)アミン、
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
次の実施例:
・2.0〜2.21、
・3.0〜3.80、
・4.0〜4.11、
・5.0〜5.389、
・6.0〜6.2、
・7.0〜7.1、又は
・8.0〜8.1
のいずれかに係る化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の調製方法であって、下記の段階:
A1) 3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(II)に変換し、
A2) 段階A1からの生成物を3−ハロ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(III)に変換し、
A3) 段階A2からの生成物を、化合物NHR12との反応により、一般式IIaの化合物に変更し、
A4) 段階A3からの生成物を一般式Iの化合物に変換する;あるいは
B1) 3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(II)に変換し、
B2) 段階B1からの生成物を3−ハロ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(III)に変換し、
B3) 段階B2からの生成物を一般式IIbの化合物に変換し、
B4) 段階B3からの生成物を一般式Iの化合物に変換する;あるいは
C1) 3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン(II)に変換し、
C2) 段階C1からの生成物を、化合物NHR12との反応により、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミン(IV)に変換し、
C3) 段階C2からの生成物を一般式IIaの化合物に変換し、
C4) 段階C3からの生成物を一般式Iの化合物に変換する
を含んで成る、
一般式Iの化合物の調製方法。
【請求項12】
下記の段階:
A1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
A2) 段階A1からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて3−ブロモ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
A3) 段階A2からの生成物を、Buchwald-Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12との反応により、(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンに変換し、
A4) 段階A3からの生成物を、例えば基AとBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式Iの化合物を与える;あるいは
B1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
B2) 段階B1からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて3−ブロモ−6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
B3) 段階B2からの生成物を、例えば基AとBにより置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式IIの化合物を与え、
B4) 段階B3からの生成物を、Buchwald-Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12との反応により、一般式Iの化合物に変換する;あるいは
C1) 3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて6−ハロイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジンを与え、
C2) 段階C1からの生成物を、Buchwald-Hartwig交差カップリング反応において化合物NHR12との反応により、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンに変換し、
C3) 段階C2からの生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて、(3−ブロモイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−6−イル)−(R1)−(R2)−アミンを与え、
C4) 段階C3からの生成物を、例えば基AとBにより任意に置換されることがあるボロン酸と反応させて、一般式Iの化合物を与える
を含んで成る、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
医薬組成物を調製するための請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
細胞性キナーゼを阻害するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
請求項14に記載の細胞性キナーゼを阻害するための請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記キナーゼがプロテインキナーゼCファミリー、例えばPKCシータ(θ)、デルタ(δ)、イオタ(ι)、アルファ(α)及びツェータ(ζ)の群に属することを特徴とする使用。
【請求項16】
請求項15に記載の細胞性キナーゼを阻害するための請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、前記キナーゼがALKファミリー、好ましくはALK1,ALK2,ALK4又はALK5の分類群からのものである使用。
【請求項17】
請求項14に記載の細胞性キナーゼ、特に請求項15に記載の細胞性キナーゼ又は請求項16に記載の細胞性キナーゼの過剰発現又は突然変異に関連する疾患の治療用又は予防用の医薬組成物の製造のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
前記疾患が良性腫瘍、悪性腫瘍、白血病、例えば骨髄性白血病、リンパ腫、肉腫、例えば骨肉腫又は軟骨肉腫、神経芽腫、ウィルムス腫瘍、膀胱、胸部、肺、膵臓、前立腺、腎臓の悪性新生物、上皮由来の新生物、例えば乳癌又はその転移癌から成る群より選ばれた疾患である、請求項13に記載の使用。
【請求項19】
前記疾患が表皮過剰増殖、例えば乾癬、アルツハイマー病、自己炎症性疾患、線維症、外傷治癒障害、糖尿病性網膜症、腎症、加齢性黄斑変性症、クローン病、過剰免疫応答、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、ALS、糖尿病、喘息から成る群より選択された疾患である、請求項13に記載の使用。
【請求項20】
免疫応答を活性調節するため、特に免疫応答を減少させるため、例えば移植を行った後の臓器の拒絶を予防するためである、請求項13に記載の使用。
【請求項21】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の生理学的有効量を少なくとも1つの医薬賦形剤と混合し、そして剤形を製造することを含んで成る、医薬組成物の調製方法。
【請求項22】
細胞性キナーゼの過剰発現に関連した疾患の治療又は予防のための方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の生理学的有効量を含んで成る医薬組成物を、該疾患を患っているか又は罹患する恐れのある人に投与することを特徴とする方法。
【請求項23】
一般式IIaの中間体:
【化4】

(上式中、
Yはハロゲン原子であり;そして
1とR2は請求項1において定義した意味を有する)。
【請求項24】
一般式IIbの中間体:
【化5】

(上式中、Q,A及びBは請求項1において定義した意味を有し、そして
Xは塩素、臭素、O−SO2−CF3又はO−SO2−C49である)。

【公表番号】特表2009−506993(P2009−506993A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528339(P2008−528339)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【国際出願番号】PCT/DE2006/001564
【国際公開番号】WO2007/025540
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】