キャブ構造
【課題】広い前方視界と十分な強度を両立させることができるキャブ構造を提供する。
【解決手段】建設機械のキャブ1の前部に設けられ上下に延びて強度部材をなす左右のフロントピラー2と、それらフロントピラー2間に配置されて上記キャブ1の前面を覆うと共にその前面から天井内側へと開放可能なフロントウインドウ3とを備えたキャブ構造において、少なくとも一方の上記フロントピラー2を、上記フロントウインドウ3から後方に離間させて設け、それらフロントピラー2とフロントウインドウ3との間に、フロントサイドウインドウ8を設けたものである。
【解決手段】建設機械のキャブ1の前部に設けられ上下に延びて強度部材をなす左右のフロントピラー2と、それらフロントピラー2間に配置されて上記キャブ1の前面を覆うと共にその前面から天井内側へと開放可能なフロントウインドウ3とを備えたキャブ構造において、少なくとも一方の上記フロントピラー2を、上記フロントウインドウ3から後方に離間させて設け、それらフロントピラー2とフロントウインドウ3との間に、フロントサイドウインドウ8を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のキャブ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械のキャブ構造として、図15に示すようにキャブ71の四隅にピラー72が配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのキャブ71は、前端部に配置された左右のフロントピラー72、72と、それらフロントピラー72、72間に設けられたフロントウインドウ73と、キャブ71の左側面に設けられたドア74と、キャブ71の天井をなすルーフ75およびそのルーフ75に設けられたルーフカバー76とを備える。
【0004】
このような建設機械のキャブ71においては、作業上、フロントウインドウ73を開放して直接作業の基準(例えば、油圧ショベルでは地面の基準線)を確認する必要があり、このことから特にバケットのある右側前方の視界が重要であった。
【0005】
図15のキャブ71では、フロントウインドウ73が上下に分割されると共に、フロントウインドウ73の上側が、キャブ71の前面から天井内側へとスライド開放可能に形成される。
【0006】
具体的には、図16から図18に示すように、フロントウインドウ73を開閉可能に案内するためのウインドウレール77が、フロントピラー72に設置される。
【0007】
【特許文献1】特開2004−34783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したキャブ構造では、フロントピラー72が前方視界を妨げてしまうという問題があった。
【0009】
すなわち、図18に示すように、従来のキャブ71のピラー72は、転倒時および落下物に対して乗員の安全を確保するために入力に耐えうる断面強度が必要であるので、その強度を確保するために、太く形成されていた。そのため、前方の視界性が重要にも拘わらず、フロントピラー72が視界(図18中において、乗員のアイポイントをE、その死角を点線Dで示す)の大きな妨げとなっていた。
【0010】
また、転倒時および落下物に対して乗員の安全を確保する必要があったが、前方の上方視界、下方視界が重要であるため、ピラー72と他の強度部材(フロアクロスメンバ、フロントヘッダなど)とをつなぐリブ形状を設置できなかった。
【0011】
また、自動車のフロントウインドウのようにガラスを左右にわん曲させると視界は広がるが、像がゆがむためわん曲させることは、現実的でない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、広い前方視界と十分な強度を両立させることができるキャブ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、建設機械のキャブの前部に設けられ上下に延びて強度部材をなす左右のフロントピラーと、それらフロントピラー間に配置されて上記キャブの前面を覆うと共にその前面から天井内側へと開放可能なフロントウインドウとを備えたキャブ構造において、少なくとも一方の上記フロントピラーを、上記フロントウインドウから後方に離間させて設け、それらフロントピラーとフロントウインドウとの間に、フロントサイドウインドウを設けたものである。
【0014】
上記キャブの左右いずれかの側面に乗降のためのドアが設けられ、そのドア側のフロントピラーが、上記フロントウインドウと略同じ前後位置に設けられ、他方、上記ドアと反対側のフロントピラーが、上記フロントウインドウから後方に離間させて設けられたものでもよい。
【0015】
好ましくは、上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上記フロントピラーに沿って上下に延び、上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備えたものである。
【0016】
上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上下に延び上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備え、上記ドア側の下ウインドウレールが、上記ドア側のフロントピラーに取り付けられ、上記ドアと反対側の下ウインドウレールが、上記後方に離間されたフロントピラーに、そのフロントピラーから前方に延びるレールブラケットを介して、上記ドア側の下ウインドウレールと同じ前後位置で設けられたものでもよい。
【0017】
好ましくは、上記フロントウインドウの上端部に、上記上ウインドウレール上を転動可能な上ローラが設けられ、上記フロントウインドウの下端部に上記下ウインドウレール上を転動可能な下ローラが設けられたものである。
【0018】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、上記フロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材と、上記フロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材と、上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えたものでもよい。
【0019】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、上記ドア側のフロントピラーの上部に設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して、上記ドア側のヒンジ部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、上記ドア側のフロントピラーの下部に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して、上記ドア側の閉ロック係合部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えたものでもよい。
【0020】
好ましくは、上記フロントサイドウインドウの前端に沿って、該フロントサイドウインドウを支持するためのウインドウフレームが設けられ、そのウインドウフレームに、上記フロントサイドウインドウと上記フロントウインドウとの間を防水するためのウエザーストリップが設けられ、それらウインドウフレームとウエザーストリップとが、上記キャブ内の乗員から見て重なるように配置されたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、広い前方視界と十分な強度を両立させることができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
[第1の実施形態]
本実施形態のキャブ構造は、建設機械のキャブに適用され、例えば、運転席の右方にバケットが配置されたショベルカー(油圧ショベル)に適用される。
【0024】
図1から図6に基づき、本実施形態のキャブ構造の概略を説明する。
【0025】
図1および図4に示すように、本実施形態のキャブ構造は、建設機械のキャブ1の前部に設けられ上下に延びる左右のフロントピラー2、2と、キャブ1の後部に設けられ上下に延びる左右のリアピラー(図示せず)と、キャブ1の上部に設けられフロントピラー2、2からリアピラーまで延びる左右のルーフレール(図示せず)と、キャブ1の前面を覆い上下にスライド開閉可能なフロントウインドウ3と、そのフロントウインドウ3をキャブ1の前面から上部へとスライド可能に案内するための左右のウインドウレール4、4と、右側(バケットが配置される側)のフロントピラー2とリアピラーとの間を覆う右パネル5と、キャブ1の左側面に設けられた乗降のためのドア6と、キャブ1の天井をなすルーフ7と、フロントウインドウ3と左右のフロントピラー2、2との間に設けられたフロントサイドウインドウ8、8とを備える。
【0026】
上述のフロントピラー2、リアピラー、ルーフレールや、左右のフロントピラー2、2の上端部同士を接続するフロントヘッダー10(図6参照)などが、キャブ1の強度(特に、転倒時などの強度)を確保するための強度部材をなす。
【0027】
フロントピラー2、2は、互いに左右に離間され、フロントウインドウ3よりも後方に配置される。具体的には、キャブ1の乗員の前方視界の妨げとならないよう、かつ転倒時に乗員周囲に所望の保護スペースを確保できるように、キャブ1の前端部(フロントウインドウ3)から運転席側に(後方に)所定距離だけ離間させて配置される。
【0028】
図6に示すように、フロントピラー2は、キャブ1の下端から上端まで延び、中間部が僅かに前方に湾曲した弓状に形成される。例えば、フロントピラー2は、中空状のパイプ材(異形鋼管、あるいはプレス成形したパネルアウタインナで閉断面を形成するものなど)からなり、ルーフレールと一体的に形成される。なお、フロントピラーは弓状に限らず直線状のものでもよく、また、ルーフレールと分割されたものでもよい。
【0029】
フロントピラー2の上部には、前方に延び後述する上ウインドウレール17を支持する上レールブラケット15が設けられる。フロントピラー2の下部には、前方に延び後述する下ウインドウレール18を支持する下レールブラケット16が設けられる。
【0030】
ウインドウレール4は、天井内側(例えば、ルーフレールの側面など)に配置されると共に前後に延び、フロントウインドウ3の上端部を案内するための左右の上ウインドウレール17、17と、フロントピラー2に沿って上下に延び、フロントウインドウ3の下端部を案内するための左右の下ウインドウレール18、18とを備える。
【0031】
上ウインドウレール17は、キャブ1の後端から前方に、フロントピラー2を越えてキャブ1の前端(図6の閉位置のフロントウインドウ3)まで延びる。上ウインドウレール17は、断面コ字状のチャネル材からなり、そのチャネル材の両フランジ間に、フロントウインドウ3の後述する上ローラ31が前後に転動自在に嵌め合わされる。
【0032】
下ウインドウレール18は、フロントピラー2の上端から下方に該フロントピラー2に沿って延びる回動案内部21と、その回動案内部21から連続して、かつ下方に傾斜しつつキャブ1の前端(閉位置のフロントウインドウ3)まで前方に延びるスライド案内部22とを有する。下ウインドウレール18(回動案内部21およびスライド案内部22)は、断面コ字状のチャネル材からなり、回動案内部21のウェブがフロントピラー2の内側面に接合され、スライド案内部22のウェブがフロントピラー2の下レールブラケット16に接合される。また、回動案内部21およびスライド案内部22の両フランジ間に、フロントウインドウ3の後述する下ローラ32が転動自在に嵌め合わされる。
【0033】
図1に戻り、本実施形態のフロントウインドウ3は、上フロントウインドウ25と下フロントウインドウ26とで上下二分割して構成され、それら上フロントウインドウ25と下フロントウインドウ26との間に、防水のためのシール材27が設けられる。
【0034】
上フロントウインドウ25は、キャブ1の前面から天井内側へと上方にスライド開放可能に形成される。
【0035】
具体的には、図4に示すように、上フロントウインドウ25の左右両端部の後面側(キャブ内部側)に、上下に延びるローラフレーム30、30が各々設けられる。そのローラフレーム30の上端部に、ウインドウレール4の上ウインドウレール17上を転動する上ローラ31(図6参照)が軸支され、下端部に、ウインドウレール4の下ウインドウレール18上を転動する下ローラ32が軸支される。
【0036】
図1に戻り、フロントサイドウインドウ8は、フロントピラー2とフロントウインドウ3との間を塞ぎ、キャブ1の下端から上端(後述するフロントルーフウインドウ45の下面)まで延びる。
【0037】
そのフロントサイドウインドウ8は、図4に示すように、フロントピラー2から前方に、キャブ内方に傾斜しつつフロントウインドウ3まで延びる。本実施形態では、フロントサイドウインドウ8の前端が、フロントウインドウ3よりも左右方向外側に位置する。フロントサイドウインドウ8の後端は、フロントピラー2にシール材33を介して取り付けられる。
【0038】
フロントサイドウインドウ8の前端に沿って、フロントサイドウインドウ8を支持するためのウインドウフレーム35が設けられる。そのウインドウフレーム35は、断面略L字状で上下に延び、一方のフランジにフロントサイドウインドウ8がシール材36を介して取り付けられる。
【0039】
また、ウインドウフレーム35の他方のフランジには、フロントサイドウインドウ8とフロントウインドウ3との間を防水するためのウエザーストリップ41が取り付けられる。
【0040】
そのウエザーストリップ41は、断面コ字状で上下に延びウインドウフレーム35のフランジを挟持して組み付けられる組付部42と、その組付部42と一体的に形成され該組付部42とフロントウインドウ3の左右方向の端部との間に挟み込まれる中空のシール部43とを有する。
【0041】
本実施形態では、図4に示すように、ウインドウフレーム35とウエザーストリップ41とは、キャブ1内の乗員から見て重なるように配置される。つまり、キャブ1内に設定されたアイポイントEからキャブ1の前側の角部への投影面積が最小となるように、ウインドウフレーム35とウエザーストリップ41とが配置される。
【0042】
図1に戻り、ルーフ7とフロントウインドウ3との間には、フロントルーフウインドウ45が設けられる。フロントルーフウインドウ45の後端は、ルーフ7の前端に接着などにて取り付けられ、フロントルーフウインドウ45の前端には、フロントルーフウインドウ45とフロントウインドウ3との間の防水のためのウエザーストリップ(図示せず)が取り付けられる。
【0043】
次に、本実施形態のキャブ構造の作用を説明する。
【0044】
まず、図6から図8に基づき、上フロントウインドウ25の開閉について説明する。
【0045】
図6に示すように、上フロントウインドウ25が閉位置にあるとき、上ローラ31が上ウインドウレール17の前端に位置すると共に、下ローラ32が下ウインドウレール18のスライド案内部22の前端に位置する。
【0046】
この閉位置から上フロントウインドウ25が開放する際、まず、上ローラ31が上ウインドウレール17に沿って後方に移動し、下ローラ32が下ウインドウレール18のスライド案内部22に沿って後方に移動する。これにより、上フロントウインドウ25は、全体的に後方に、キャブ内部へと移動する。
【0047】
次に、下ローラ32が、下ウインドウレール18の回動案内部21に沿って上方に移動すると共に、上ローラ31が上ウインドウレール17に沿って後方に移動する。これにより、上フロントウインドウ25は、後方に移動する上ローラ31を中心に下ローラ32側が上方に回動する(図7参照)。
【0048】
その後、図8に示すように、下ローラ32が、下ウインドウレール18の上端まで移動し、かつ上ローラ31が上ウインドウレール17の後端まで移動すると、上フロントウインドウ25は、開位置となる。
【0049】
なお、上フロントウインドウ25の閉鎖は、開放とは逆に、図8から図6の順に行われる。
【0050】
次に、図4および図18に基づき、キャブ1の前方視界について説明する。
【0051】
図4に示すように、本実施形態のキャブ構造では、フロントピラー2をキャブ1の前端から所定距離だけ後方に設けているので、アイポイントEからの前方視界における死角Dは、図4中点線で示すように、ウインドウフレーム35およびウエザーストリップ41によるものだけとなる。ここで、ウインドウフレーム35は、フロントピラー2のようにキャブ1の強度を確保する強度部材でないため、フロントピラー2よりも細く形成される。
【0052】
これに対して、図18に示すように、従来のキャブ構造では、フロントピラー72がキャブ71前端に配置されていたため、それらフロントピラー72による乗員の死角D(図18中点線で示す)は、本実施形態のキャブ構造に比べて大きなものとなってしまう。
【0053】
このように、本実施形態のキャブ構造は、従来のピラーを、キャブ1の強度、剛性部材としてのピラーと、フロントウインドウ3のレールとしてのピラーと、フロントウインドウ3のウエザーストリップ41を組み付けるためのピラーというように、機能ごとに分解し、フロントウインドウ3用のウエザーストリップ41をフロントサイドウインドウ8(側面ガラス)に組み付けることで、フロントピラー2を後方に設けることを可能とした。
【0054】
すなわち、キャブ1の前部にフロントサイドウインドウ8を設け、その後方にフロントピラー2を設け、そのフロントピラー2に沿って下ウインドウレール18の回動案内部21を設けると共に、フロントピラー2から前方に突出させるようにスライド案内部22を設けることで、ウインドウレール4(下ウインドウレール18)が前方視界の妨げとならない構造が可能となった。
【0055】
また、本実施形態では、図6に示すように、フロントピラー2に伴いフロントヘッダー10も後方に設けられることになるので、従来のキャブ構造(図16参照)に比べ上方視界が向上する。すなわち、本実施形態では、フロントルーフウインドウ45が、従来のキャブ構造のフロントヘッダーの位置に配置されるので、キャブ1の上部前端の視界を確保することができる。
【0056】
以上の結果、本実施形態のキャブ構造によると、前方視界および上方視界を画期的に向上させることができる。
【0057】
その他にも、視界性を損なうことなく、転倒時に乗員を保護するための構造部材をなすフロントピラー2のサイズUP、およびフロントピラー2と他の強度部材(フロアクロスメンバ、フロントヘッダー10など)とを接続するリブ形状設置を実施でき、キャブ1の強度向上を図ることができる。
【0058】
このように、本実施形態のキャブ構造では、広い前方視界と十分な強度を両立することができる。
【0059】
なお、上述の実施形態では、フロントサイドウインドウ8を支持するためのウインドウフレーム35を設けたが、これに限定されず、ウインドウフレーム35を省略してもよい。この場合、図9に示すように、ウエザーストリップ41を、フロントサイドウインドウ8の前端に直接取り付ける(嵌め合わす)ことが考えられる。
【0060】
また、図10に示すように、ルーフ7に、フロントルーフウインドウと一体化させたルーフカバー46を設け、そのルーフカバー46を開閉自在とすべく、ルーフカバー46の後端をヒンジ47、47により上下に回動可能に支持することも考えられる。
【0061】
また、上述の実施形態では、左右両方のフロントピラー2、2を、フロントウインドウ3の後方に離間させたが、一方のみでもよい。
【0062】
例えば、小型のキャブ1では、両方のフロントピラー2、2を後方に離間させると、ドア6の開口部が狭まり乗降性が悪化してしまう懸念がある。
【0063】
そこで、図11に示すように、ドア側のフロントピラー51を、フロントウインドウ3と略同じ前後位置に設けると共に、そのドア側のフロントピラー51に、ドア側の下ウインドウレール52を取り付け、他方、ドア6と反対側のフロントピラー2を、フロントウインドウ3から後方に離間させて設けると共に、その後方に離間させたフロントピラー2に、フロントピラー2から前方に延びるレールブラケット16を介して、ドア6と反対側の下ウインドウレール53をドア側の下ウインドウレール52と同じ前後位置で設けるようにしてもよい。
【0064】
具体的には、フロントピラー2の上下レールブラケット15、16の間に図示しない中間レールブラケットを設け、その中間レールブラケットにより下ウインドウレール52の回動案内部22を支持させることが考えられる。
【0065】
[第2の実施形態]
次に、図12および図13に基づき第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、主にフロントウインドウ3の開閉構造が図11の変形例と異なり、それ以外は、図11の変形例と略同じ概略構造を有する。そこで、図11の変形例に示したものと同一要素には、同一符号を付した。
【0066】
図12に示すように、本実施形態では、キャブ1の左側面に、乗降のためのドア6が設けられ、そのドア側のフロントピラー51が、フロントウインドウ3(上フロントウインドウ55)と略同じ前後位置に設けられる。他方、図13に示すように、ドア6と反対側のフロントピラー2は、フロントウインドウ3から後方に離間させて設けられる。
【0067】
本実施形態のキャブ構造は、上フロントウインドウ55を、上端を支点に下端側からキャブ1の内側へと跳ね上げ開放可能にすべく、上フロントウインドウ55の下端に設けられた左右のロック部材と、上フロントウインドウ55の上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材57(ドアと反対側のヒンジ部材のみ図示する)と、上フロントウインドウ55の下端を閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材58、59(図14参照)と、上フロントウインドウ55の下端を開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材60、60とを備える。
【0068】
図示しない左側(ドア側)のヒンジ部材は、ドア側のフロントピラー51の上部に設けられ、右側(ドア6と反対側)のヒンジ部材57は、ドア6と反対側のフロントピラー2の上部に、フロントピラー51から前方に延びるヒンジステー61を介して、ドア側のヒンジ部材56と同じ前後位置で設けられる。
【0069】
図14に示すように、閉ロック係合部材58、59は、ドア側の閉ロック係合部材58が、ドア側のフロントピラー51の下部に設けられ、ドア6と反対側の閉ロック係合部材59が、ドア6と反対側のフロントピラー2の下部に、そのフロントピラー51から前方に延びるロックステー63を介して、ドア側の閉ロック係合部材58と同じ前後位置で設けられる。
【0070】
開ロック係合部材60、60は、キャブの左右の内面における後方上部に設けられ、例えば、ルーフレールRHおよびルーフレールLHの内面などに設けられる。
【0071】
上フロントウインドウ55のロック部材は、ローラフレーム30の下端に各々設けられ、閉ロック係合部材58、59および開ロック係合部材60に係合可能に各々形成される。
【0072】
本実施形態でも、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0073】
なお、第2の実施形態では、右側のフロントピラーのみを後方に配置したが、これに限定されず、左右両方のフロントピラーを、上フロントウインドウ55の後方に配置するようにしてもよい。
【0074】
その場合、キャブ構造は、フロントピラー2の上部にヒンジステー61を介して設けられ、上フロントウインドウ55の上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材56、56と、フロントピラー2の下部にロックステー63を介して設けられ、上記上フロントウインドウ55の下端を閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材58、58と、キャブ内部の後方上部に設けられ、上フロントウインドウ55の下端を開位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材60、60とを備えることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、本発明に係る一実施形態によるキャブ構造の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1のII方向矢視図である。
【図3】図3は、図1のIII方向矢視図である。
【図4】図4は、図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、第1の実施形態のウエザーストリップの概略斜視図である。
【図6】図6は、図1のVI−VI線断面図であり、上フロントウインドウの閉位置を示す。
【図7】図7は、第1の実施形態の上フロントウインドウの開閉を説明するための図であり、開閉途中を示す。
【図8】図8は、第1の実施形態の上フロントウインドウの開閉を説明するための図であり、開位置を示す。
【図9】図9は、第1の実施形態に係るウエザーストリップの変形例を示す。
【図10】図10は、第1の実施形態に係るルーフの変形例を示す。
【図11】図11は、第1の実施形態に係るキャブ構造の変形例を示す。
【図12】図12は、第2の実施形態に係るキャブ構造の側面図である。
【図13】図13は、第2の実施形態に係るキャブ構造の縦断面図である。
【図14】図14は、第2の実施形態に係るキャブ構造の横断面図である。
【図15】図15は、従来のキャブ構造の概略斜視図である。
【図16】図16は、従来のキャブ構造の縦断面図である。
【図17】図17は、従来のキャブ構造のピラーの詳細図である。
【図18】図18は、従来のキャブ構造の横断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 キャブ
2 フロントピラー
3 フロントウインドウ
4 ウインドウレール
8 フロントサイドウインドウ
41 ウエザーストリップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のキャブ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械のキャブ構造として、図15に示すようにキャブ71の四隅にピラー72が配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのキャブ71は、前端部に配置された左右のフロントピラー72、72と、それらフロントピラー72、72間に設けられたフロントウインドウ73と、キャブ71の左側面に設けられたドア74と、キャブ71の天井をなすルーフ75およびそのルーフ75に設けられたルーフカバー76とを備える。
【0004】
このような建設機械のキャブ71においては、作業上、フロントウインドウ73を開放して直接作業の基準(例えば、油圧ショベルでは地面の基準線)を確認する必要があり、このことから特にバケットのある右側前方の視界が重要であった。
【0005】
図15のキャブ71では、フロントウインドウ73が上下に分割されると共に、フロントウインドウ73の上側が、キャブ71の前面から天井内側へとスライド開放可能に形成される。
【0006】
具体的には、図16から図18に示すように、フロントウインドウ73を開閉可能に案内するためのウインドウレール77が、フロントピラー72に設置される。
【0007】
【特許文献1】特開2004−34783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したキャブ構造では、フロントピラー72が前方視界を妨げてしまうという問題があった。
【0009】
すなわち、図18に示すように、従来のキャブ71のピラー72は、転倒時および落下物に対して乗員の安全を確保するために入力に耐えうる断面強度が必要であるので、その強度を確保するために、太く形成されていた。そのため、前方の視界性が重要にも拘わらず、フロントピラー72が視界(図18中において、乗員のアイポイントをE、その死角を点線Dで示す)の大きな妨げとなっていた。
【0010】
また、転倒時および落下物に対して乗員の安全を確保する必要があったが、前方の上方視界、下方視界が重要であるため、ピラー72と他の強度部材(フロアクロスメンバ、フロントヘッダなど)とをつなぐリブ形状を設置できなかった。
【0011】
また、自動車のフロントウインドウのようにガラスを左右にわん曲させると視界は広がるが、像がゆがむためわん曲させることは、現実的でない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、広い前方視界と十分な強度を両立させることができるキャブ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、建設機械のキャブの前部に設けられ上下に延びて強度部材をなす左右のフロントピラーと、それらフロントピラー間に配置されて上記キャブの前面を覆うと共にその前面から天井内側へと開放可能なフロントウインドウとを備えたキャブ構造において、少なくとも一方の上記フロントピラーを、上記フロントウインドウから後方に離間させて設け、それらフロントピラーとフロントウインドウとの間に、フロントサイドウインドウを設けたものである。
【0014】
上記キャブの左右いずれかの側面に乗降のためのドアが設けられ、そのドア側のフロントピラーが、上記フロントウインドウと略同じ前後位置に設けられ、他方、上記ドアと反対側のフロントピラーが、上記フロントウインドウから後方に離間させて設けられたものでもよい。
【0015】
好ましくは、上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上記フロントピラーに沿って上下に延び、上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備えたものである。
【0016】
上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上下に延び上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備え、上記ドア側の下ウインドウレールが、上記ドア側のフロントピラーに取り付けられ、上記ドアと反対側の下ウインドウレールが、上記後方に離間されたフロントピラーに、そのフロントピラーから前方に延びるレールブラケットを介して、上記ドア側の下ウインドウレールと同じ前後位置で設けられたものでもよい。
【0017】
好ましくは、上記フロントウインドウの上端部に、上記上ウインドウレール上を転動可能な上ローラが設けられ、上記フロントウインドウの下端部に上記下ウインドウレール上を転動可能な下ローラが設けられたものである。
【0018】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、上記フロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材と、上記フロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材と、上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えたものでもよい。
【0019】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、上記ドア側のフロントピラーの上部に設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して、上記ドア側のヒンジ部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、上記ドア側のフロントピラーの下部に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して、上記ドア側の閉ロック係合部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えたものでもよい。
【0020】
好ましくは、上記フロントサイドウインドウの前端に沿って、該フロントサイドウインドウを支持するためのウインドウフレームが設けられ、そのウインドウフレームに、上記フロントサイドウインドウと上記フロントウインドウとの間を防水するためのウエザーストリップが設けられ、それらウインドウフレームとウエザーストリップとが、上記キャブ内の乗員から見て重なるように配置されたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、広い前方視界と十分な強度を両立させることができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
[第1の実施形態]
本実施形態のキャブ構造は、建設機械のキャブに適用され、例えば、運転席の右方にバケットが配置されたショベルカー(油圧ショベル)に適用される。
【0024】
図1から図6に基づき、本実施形態のキャブ構造の概略を説明する。
【0025】
図1および図4に示すように、本実施形態のキャブ構造は、建設機械のキャブ1の前部に設けられ上下に延びる左右のフロントピラー2、2と、キャブ1の後部に設けられ上下に延びる左右のリアピラー(図示せず)と、キャブ1の上部に設けられフロントピラー2、2からリアピラーまで延びる左右のルーフレール(図示せず)と、キャブ1の前面を覆い上下にスライド開閉可能なフロントウインドウ3と、そのフロントウインドウ3をキャブ1の前面から上部へとスライド可能に案内するための左右のウインドウレール4、4と、右側(バケットが配置される側)のフロントピラー2とリアピラーとの間を覆う右パネル5と、キャブ1の左側面に設けられた乗降のためのドア6と、キャブ1の天井をなすルーフ7と、フロントウインドウ3と左右のフロントピラー2、2との間に設けられたフロントサイドウインドウ8、8とを備える。
【0026】
上述のフロントピラー2、リアピラー、ルーフレールや、左右のフロントピラー2、2の上端部同士を接続するフロントヘッダー10(図6参照)などが、キャブ1の強度(特に、転倒時などの強度)を確保するための強度部材をなす。
【0027】
フロントピラー2、2は、互いに左右に離間され、フロントウインドウ3よりも後方に配置される。具体的には、キャブ1の乗員の前方視界の妨げとならないよう、かつ転倒時に乗員周囲に所望の保護スペースを確保できるように、キャブ1の前端部(フロントウインドウ3)から運転席側に(後方に)所定距離だけ離間させて配置される。
【0028】
図6に示すように、フロントピラー2は、キャブ1の下端から上端まで延び、中間部が僅かに前方に湾曲した弓状に形成される。例えば、フロントピラー2は、中空状のパイプ材(異形鋼管、あるいはプレス成形したパネルアウタインナで閉断面を形成するものなど)からなり、ルーフレールと一体的に形成される。なお、フロントピラーは弓状に限らず直線状のものでもよく、また、ルーフレールと分割されたものでもよい。
【0029】
フロントピラー2の上部には、前方に延び後述する上ウインドウレール17を支持する上レールブラケット15が設けられる。フロントピラー2の下部には、前方に延び後述する下ウインドウレール18を支持する下レールブラケット16が設けられる。
【0030】
ウインドウレール4は、天井内側(例えば、ルーフレールの側面など)に配置されると共に前後に延び、フロントウインドウ3の上端部を案内するための左右の上ウインドウレール17、17と、フロントピラー2に沿って上下に延び、フロントウインドウ3の下端部を案内するための左右の下ウインドウレール18、18とを備える。
【0031】
上ウインドウレール17は、キャブ1の後端から前方に、フロントピラー2を越えてキャブ1の前端(図6の閉位置のフロントウインドウ3)まで延びる。上ウインドウレール17は、断面コ字状のチャネル材からなり、そのチャネル材の両フランジ間に、フロントウインドウ3の後述する上ローラ31が前後に転動自在に嵌め合わされる。
【0032】
下ウインドウレール18は、フロントピラー2の上端から下方に該フロントピラー2に沿って延びる回動案内部21と、その回動案内部21から連続して、かつ下方に傾斜しつつキャブ1の前端(閉位置のフロントウインドウ3)まで前方に延びるスライド案内部22とを有する。下ウインドウレール18(回動案内部21およびスライド案内部22)は、断面コ字状のチャネル材からなり、回動案内部21のウェブがフロントピラー2の内側面に接合され、スライド案内部22のウェブがフロントピラー2の下レールブラケット16に接合される。また、回動案内部21およびスライド案内部22の両フランジ間に、フロントウインドウ3の後述する下ローラ32が転動自在に嵌め合わされる。
【0033】
図1に戻り、本実施形態のフロントウインドウ3は、上フロントウインドウ25と下フロントウインドウ26とで上下二分割して構成され、それら上フロントウインドウ25と下フロントウインドウ26との間に、防水のためのシール材27が設けられる。
【0034】
上フロントウインドウ25は、キャブ1の前面から天井内側へと上方にスライド開放可能に形成される。
【0035】
具体的には、図4に示すように、上フロントウインドウ25の左右両端部の後面側(キャブ内部側)に、上下に延びるローラフレーム30、30が各々設けられる。そのローラフレーム30の上端部に、ウインドウレール4の上ウインドウレール17上を転動する上ローラ31(図6参照)が軸支され、下端部に、ウインドウレール4の下ウインドウレール18上を転動する下ローラ32が軸支される。
【0036】
図1に戻り、フロントサイドウインドウ8は、フロントピラー2とフロントウインドウ3との間を塞ぎ、キャブ1の下端から上端(後述するフロントルーフウインドウ45の下面)まで延びる。
【0037】
そのフロントサイドウインドウ8は、図4に示すように、フロントピラー2から前方に、キャブ内方に傾斜しつつフロントウインドウ3まで延びる。本実施形態では、フロントサイドウインドウ8の前端が、フロントウインドウ3よりも左右方向外側に位置する。フロントサイドウインドウ8の後端は、フロントピラー2にシール材33を介して取り付けられる。
【0038】
フロントサイドウインドウ8の前端に沿って、フロントサイドウインドウ8を支持するためのウインドウフレーム35が設けられる。そのウインドウフレーム35は、断面略L字状で上下に延び、一方のフランジにフロントサイドウインドウ8がシール材36を介して取り付けられる。
【0039】
また、ウインドウフレーム35の他方のフランジには、フロントサイドウインドウ8とフロントウインドウ3との間を防水するためのウエザーストリップ41が取り付けられる。
【0040】
そのウエザーストリップ41は、断面コ字状で上下に延びウインドウフレーム35のフランジを挟持して組み付けられる組付部42と、その組付部42と一体的に形成され該組付部42とフロントウインドウ3の左右方向の端部との間に挟み込まれる中空のシール部43とを有する。
【0041】
本実施形態では、図4に示すように、ウインドウフレーム35とウエザーストリップ41とは、キャブ1内の乗員から見て重なるように配置される。つまり、キャブ1内に設定されたアイポイントEからキャブ1の前側の角部への投影面積が最小となるように、ウインドウフレーム35とウエザーストリップ41とが配置される。
【0042】
図1に戻り、ルーフ7とフロントウインドウ3との間には、フロントルーフウインドウ45が設けられる。フロントルーフウインドウ45の後端は、ルーフ7の前端に接着などにて取り付けられ、フロントルーフウインドウ45の前端には、フロントルーフウインドウ45とフロントウインドウ3との間の防水のためのウエザーストリップ(図示せず)が取り付けられる。
【0043】
次に、本実施形態のキャブ構造の作用を説明する。
【0044】
まず、図6から図8に基づき、上フロントウインドウ25の開閉について説明する。
【0045】
図6に示すように、上フロントウインドウ25が閉位置にあるとき、上ローラ31が上ウインドウレール17の前端に位置すると共に、下ローラ32が下ウインドウレール18のスライド案内部22の前端に位置する。
【0046】
この閉位置から上フロントウインドウ25が開放する際、まず、上ローラ31が上ウインドウレール17に沿って後方に移動し、下ローラ32が下ウインドウレール18のスライド案内部22に沿って後方に移動する。これにより、上フロントウインドウ25は、全体的に後方に、キャブ内部へと移動する。
【0047】
次に、下ローラ32が、下ウインドウレール18の回動案内部21に沿って上方に移動すると共に、上ローラ31が上ウインドウレール17に沿って後方に移動する。これにより、上フロントウインドウ25は、後方に移動する上ローラ31を中心に下ローラ32側が上方に回動する(図7参照)。
【0048】
その後、図8に示すように、下ローラ32が、下ウインドウレール18の上端まで移動し、かつ上ローラ31が上ウインドウレール17の後端まで移動すると、上フロントウインドウ25は、開位置となる。
【0049】
なお、上フロントウインドウ25の閉鎖は、開放とは逆に、図8から図6の順に行われる。
【0050】
次に、図4および図18に基づき、キャブ1の前方視界について説明する。
【0051】
図4に示すように、本実施形態のキャブ構造では、フロントピラー2をキャブ1の前端から所定距離だけ後方に設けているので、アイポイントEからの前方視界における死角Dは、図4中点線で示すように、ウインドウフレーム35およびウエザーストリップ41によるものだけとなる。ここで、ウインドウフレーム35は、フロントピラー2のようにキャブ1の強度を確保する強度部材でないため、フロントピラー2よりも細く形成される。
【0052】
これに対して、図18に示すように、従来のキャブ構造では、フロントピラー72がキャブ71前端に配置されていたため、それらフロントピラー72による乗員の死角D(図18中点線で示す)は、本実施形態のキャブ構造に比べて大きなものとなってしまう。
【0053】
このように、本実施形態のキャブ構造は、従来のピラーを、キャブ1の強度、剛性部材としてのピラーと、フロントウインドウ3のレールとしてのピラーと、フロントウインドウ3のウエザーストリップ41を組み付けるためのピラーというように、機能ごとに分解し、フロントウインドウ3用のウエザーストリップ41をフロントサイドウインドウ8(側面ガラス)に組み付けることで、フロントピラー2を後方に設けることを可能とした。
【0054】
すなわち、キャブ1の前部にフロントサイドウインドウ8を設け、その後方にフロントピラー2を設け、そのフロントピラー2に沿って下ウインドウレール18の回動案内部21を設けると共に、フロントピラー2から前方に突出させるようにスライド案内部22を設けることで、ウインドウレール4(下ウインドウレール18)が前方視界の妨げとならない構造が可能となった。
【0055】
また、本実施形態では、図6に示すように、フロントピラー2に伴いフロントヘッダー10も後方に設けられることになるので、従来のキャブ構造(図16参照)に比べ上方視界が向上する。すなわち、本実施形態では、フロントルーフウインドウ45が、従来のキャブ構造のフロントヘッダーの位置に配置されるので、キャブ1の上部前端の視界を確保することができる。
【0056】
以上の結果、本実施形態のキャブ構造によると、前方視界および上方視界を画期的に向上させることができる。
【0057】
その他にも、視界性を損なうことなく、転倒時に乗員を保護するための構造部材をなすフロントピラー2のサイズUP、およびフロントピラー2と他の強度部材(フロアクロスメンバ、フロントヘッダー10など)とを接続するリブ形状設置を実施でき、キャブ1の強度向上を図ることができる。
【0058】
このように、本実施形態のキャブ構造では、広い前方視界と十分な強度を両立することができる。
【0059】
なお、上述の実施形態では、フロントサイドウインドウ8を支持するためのウインドウフレーム35を設けたが、これに限定されず、ウインドウフレーム35を省略してもよい。この場合、図9に示すように、ウエザーストリップ41を、フロントサイドウインドウ8の前端に直接取り付ける(嵌め合わす)ことが考えられる。
【0060】
また、図10に示すように、ルーフ7に、フロントルーフウインドウと一体化させたルーフカバー46を設け、そのルーフカバー46を開閉自在とすべく、ルーフカバー46の後端をヒンジ47、47により上下に回動可能に支持することも考えられる。
【0061】
また、上述の実施形態では、左右両方のフロントピラー2、2を、フロントウインドウ3の後方に離間させたが、一方のみでもよい。
【0062】
例えば、小型のキャブ1では、両方のフロントピラー2、2を後方に離間させると、ドア6の開口部が狭まり乗降性が悪化してしまう懸念がある。
【0063】
そこで、図11に示すように、ドア側のフロントピラー51を、フロントウインドウ3と略同じ前後位置に設けると共に、そのドア側のフロントピラー51に、ドア側の下ウインドウレール52を取り付け、他方、ドア6と反対側のフロントピラー2を、フロントウインドウ3から後方に離間させて設けると共に、その後方に離間させたフロントピラー2に、フロントピラー2から前方に延びるレールブラケット16を介して、ドア6と反対側の下ウインドウレール53をドア側の下ウインドウレール52と同じ前後位置で設けるようにしてもよい。
【0064】
具体的には、フロントピラー2の上下レールブラケット15、16の間に図示しない中間レールブラケットを設け、その中間レールブラケットにより下ウインドウレール52の回動案内部22を支持させることが考えられる。
【0065】
[第2の実施形態]
次に、図12および図13に基づき第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、主にフロントウインドウ3の開閉構造が図11の変形例と異なり、それ以外は、図11の変形例と略同じ概略構造を有する。そこで、図11の変形例に示したものと同一要素には、同一符号を付した。
【0066】
図12に示すように、本実施形態では、キャブ1の左側面に、乗降のためのドア6が設けられ、そのドア側のフロントピラー51が、フロントウインドウ3(上フロントウインドウ55)と略同じ前後位置に設けられる。他方、図13に示すように、ドア6と反対側のフロントピラー2は、フロントウインドウ3から後方に離間させて設けられる。
【0067】
本実施形態のキャブ構造は、上フロントウインドウ55を、上端を支点に下端側からキャブ1の内側へと跳ね上げ開放可能にすべく、上フロントウインドウ55の下端に設けられた左右のロック部材と、上フロントウインドウ55の上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材57(ドアと反対側のヒンジ部材のみ図示する)と、上フロントウインドウ55の下端を閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材58、59(図14参照)と、上フロントウインドウ55の下端を開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材60、60とを備える。
【0068】
図示しない左側(ドア側)のヒンジ部材は、ドア側のフロントピラー51の上部に設けられ、右側(ドア6と反対側)のヒンジ部材57は、ドア6と反対側のフロントピラー2の上部に、フロントピラー51から前方に延びるヒンジステー61を介して、ドア側のヒンジ部材56と同じ前後位置で設けられる。
【0069】
図14に示すように、閉ロック係合部材58、59は、ドア側の閉ロック係合部材58が、ドア側のフロントピラー51の下部に設けられ、ドア6と反対側の閉ロック係合部材59が、ドア6と反対側のフロントピラー2の下部に、そのフロントピラー51から前方に延びるロックステー63を介して、ドア側の閉ロック係合部材58と同じ前後位置で設けられる。
【0070】
開ロック係合部材60、60は、キャブの左右の内面における後方上部に設けられ、例えば、ルーフレールRHおよびルーフレールLHの内面などに設けられる。
【0071】
上フロントウインドウ55のロック部材は、ローラフレーム30の下端に各々設けられ、閉ロック係合部材58、59および開ロック係合部材60に係合可能に各々形成される。
【0072】
本実施形態でも、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0073】
なお、第2の実施形態では、右側のフロントピラーのみを後方に配置したが、これに限定されず、左右両方のフロントピラーを、上フロントウインドウ55の後方に配置するようにしてもよい。
【0074】
その場合、キャブ構造は、フロントピラー2の上部にヒンジステー61を介して設けられ、上フロントウインドウ55の上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材56、56と、フロントピラー2の下部にロックステー63を介して設けられ、上記上フロントウインドウ55の下端を閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材58、58と、キャブ内部の後方上部に設けられ、上フロントウインドウ55の下端を開位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材60、60とを備えることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、本発明に係る一実施形態によるキャブ構造の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1のII方向矢視図である。
【図3】図3は、図1のIII方向矢視図である。
【図4】図4は、図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、第1の実施形態のウエザーストリップの概略斜視図である。
【図6】図6は、図1のVI−VI線断面図であり、上フロントウインドウの閉位置を示す。
【図7】図7は、第1の実施形態の上フロントウインドウの開閉を説明するための図であり、開閉途中を示す。
【図8】図8は、第1の実施形態の上フロントウインドウの開閉を説明するための図であり、開位置を示す。
【図9】図9は、第1の実施形態に係るウエザーストリップの変形例を示す。
【図10】図10は、第1の実施形態に係るルーフの変形例を示す。
【図11】図11は、第1の実施形態に係るキャブ構造の変形例を示す。
【図12】図12は、第2の実施形態に係るキャブ構造の側面図である。
【図13】図13は、第2の実施形態に係るキャブ構造の縦断面図である。
【図14】図14は、第2の実施形態に係るキャブ構造の横断面図である。
【図15】図15は、従来のキャブ構造の概略斜視図である。
【図16】図16は、従来のキャブ構造の縦断面図である。
【図17】図17は、従来のキャブ構造のピラーの詳細図である。
【図18】図18は、従来のキャブ構造の横断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 キャブ
2 フロントピラー
3 フロントウインドウ
4 ウインドウレール
8 フロントサイドウインドウ
41 ウエザーストリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械のキャブの前部に設けられ上下に延びて強度部材をなす左右のフロントピラーと、それらフロントピラー間に配置されて上記キャブの前面を覆うと共にその前面から天井内側へと開放可能なフロントウインドウとを備えたキャブ構造において、
少なくとも一方の上記フロントピラーを、上記フロントウインドウから後方に離間させて設け、それらフロントピラーとフロントウインドウとの間に、フロントサイドウインドウを設けたことを特徴とするキャブ構造。
【請求項2】
上記キャブの左右いずれかの側面に乗降のためのドアが設けられ、そのドア側のフロントピラーが、上記フロントウインドウと略同じ前後位置に設けられ、他方、上記ドアと反対側のフロントピラーが、上記フロントウインドウから後方に離間させて設けられた請求項1記載のキャブ構造。
【請求項3】
上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上記フロントピラーに沿って上下に延び、上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備えた請求項1記載のキャブ構造。
【請求項4】
上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上下に延び上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備え、
上記ドア側の下ウインドウレールが、上記ドア側のフロントピラーに取り付けられ、上記ドアと反対側の下ウインドウレールが、上記後方に離間されたフロントピラーに、そのフロントピラーから前方に延びるレールブラケットを介して、上記ドア側の下ウインドウレールと同じ前後位置で設けられた請求項2記載のキャブ構造。
【請求項5】
上記フロントウインドウの上端部に、上記上ウインドウレール上を転動可能な上ローラが設けられ、上記フロントウインドウの下端部に上記下ウインドウレール上を転動可能な下ローラが設けられた請求項3または4記載のキャブ構造。
【請求項6】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、
上記フロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材と、
上記フロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材と、
上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えた請求項1記載のキャブ構造。
【請求項7】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、
上記ドア側のフロントピラーの上部に設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して、上記ドア側のヒンジ部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、
上記ドア側のフロントピラーの下部に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して、上記ドア側の閉ロック係合部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、
上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えた請求項2記載のキャブ構造。
【請求項8】
上記フロントサイドウインドウの前端に沿って、該フロントサイドウインドウを支持するためのウインドウフレームが設けられ、そのウインドウフレームに、上記フロントサイドウインドウと上記フロントウインドウとの間を防水するためのウエザーストリップが設けられ、
それらウインドウフレームとウエザーストリップとが、上記キャブ内の乗員から見て重なるように配置された請求項1から7いずれかに記載のキャブ構造。
【請求項1】
建設機械のキャブの前部に設けられ上下に延びて強度部材をなす左右のフロントピラーと、それらフロントピラー間に配置されて上記キャブの前面を覆うと共にその前面から天井内側へと開放可能なフロントウインドウとを備えたキャブ構造において、
少なくとも一方の上記フロントピラーを、上記フロントウインドウから後方に離間させて設け、それらフロントピラーとフロントウインドウとの間に、フロントサイドウインドウを設けたことを特徴とするキャブ構造。
【請求項2】
上記キャブの左右いずれかの側面に乗降のためのドアが設けられ、そのドア側のフロントピラーが、上記フロントウインドウと略同じ前後位置に設けられ、他方、上記ドアと反対側のフロントピラーが、上記フロントウインドウから後方に離間させて設けられた請求項1記載のキャブ構造。
【請求項3】
上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上記フロントピラーに沿って上下に延び、上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備えた請求項1記載のキャブ構造。
【請求項4】
上記天井内側に配置されると共に前後に延び、上記フロントウインドウの上端部を案内するための左右の上ウインドウレールと、上下に延び上記フロントウインドウの下端部を案内するための左右の下ウインドウレールとを備え、
上記ドア側の下ウインドウレールが、上記ドア側のフロントピラーに取り付けられ、上記ドアと反対側の下ウインドウレールが、上記後方に離間されたフロントピラーに、そのフロントピラーから前方に延びるレールブラケットを介して、上記ドア側の下ウインドウレールと同じ前後位置で設けられた請求項2記載のキャブ構造。
【請求項5】
上記フロントウインドウの上端部に、上記上ウインドウレール上を転動可能な上ローラが設けられ、上記フロントウインドウの下端部に上記下ウインドウレール上を転動可能な下ローラが設けられた請求項3または4記載のキャブ構造。
【請求項6】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、
上記フロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するための左右のヒンジ部材と、
上記フロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための左右の閉ロック係合部材と、
上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えた請求項1記載のキャブ構造。
【請求項7】
上記フロントウインドウに設けられた左右のロック部材と、
上記ドア側のフロントピラーの上部に設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの上部に該フロントピラーから前方に延びるヒンジステーを介して、上記ドア側のヒンジ部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウの上端を回動自在に支持するためのヒンジ部材と、
上記ドア側のフロントピラーの下部に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、上記ドアと反対側のフロントピラーの下部に該フロントピラーから前方に延びるロックステーを介して、上記ドア側の閉ロック係合部材と同じ前後位置で設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを閉位置にてロックするための閉ロック係合部材と、
上記キャブ内の後部上方に設けられ、上記フロントウインドウのロック部材に係合して該フロントウインドウを開位置にてロックするための左右の開ロック係合部材とを備えた請求項2記載のキャブ構造。
【請求項8】
上記フロントサイドウインドウの前端に沿って、該フロントサイドウインドウを支持するためのウインドウフレームが設けられ、そのウインドウフレームに、上記フロントサイドウインドウと上記フロントウインドウとの間を防水するためのウエザーストリップが設けられ、
それらウインドウフレームとウエザーストリップとが、上記キャブ内の乗員から見て重なるように配置された請求項1から7いずれかに記載のキャブ構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−195234(P2008−195234A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32532(P2007−32532)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(390001579)プレス工業株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(390001579)プレス工業株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
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