説明

キースイッチ

【課題】 構造が簡単であり、認証動作を容易に行うことができるキースイッチを提供する。
【解決手段】 キースイッチにおいて、スイッチ本体1に加速度センサ7を内蔵し、前記スイッチ本体1に形成された挿入孔3に対し、キー9を操作することにより、前記加速度センサ7に衝撃を付与し、この付与された衝撃を運動情報パターンとして前記加速度センサ7で検出し、認証動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ本体に加速度センサを内蔵し、キー又はスイッチ本体に設けられる弾性部材で加速度センサに衝撃を与え、この衝撃を運動情報パターンとして検出し、認証動作を行うキースイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、固有情報を含んだ固有コードを有するキー(鍵)に対して、キーの固有コードをコード読取装置によって読み取り、メモリに記憶された情報と読み取った固有コードの情報を比較して、一致している場合にシリンダー錠の作動を許容し、一致していない場合にはロック機構により規制し、シリンダー錠の作動を禁止する構成とした開閉体施錠装置(下記特許文献1参照)や、第1のコーディングが第1の励磁装置の第1のインダクタンスの変化を生じさせ、第1のコーディングがキースイッチによって読み取られるキースイッチ(下記特許文献2参照)が既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−019430号公報
【特許文献2】特開2009−270430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の開閉体施錠装置は、固有コードの認証によりシリンダー錠の作動を許容または禁止するもので、キーの操作によって認証を行うことができない。そのため、設置された各シリンダー錠に対して異なる形状を有するキーが必要となり、複数のキーを1つのシリンダー錠で共用化することができない。
また、上記特許文献2記載のキースイッチは、キーの構成が煩雑であり、検出が高度である。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、構造が簡単であり、認証動作を容易に行うことができるキースイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕キースイッチにおいて、スイッチ本体に加速度センサを内蔵し、前記スイッチ本体に形成された挿入孔に対してキーを操作することにより、前記加速度センサに弾性部材により衝撃を付与し、この付与された衝撃を運動情報パターンとして前記加速度センサで検出し、認証動作を行うことを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載のキースイッチにおいて、前記キーが円柱形状のキーからなり、この円柱形状のキーの側面に1乃至複数の凸部を設け、前記スイッチ本体の前記加速度センサの天面近傍に前記弾性部材としての弾性片を備え、前記挿入孔に対し前記円柱形状のキーを操作することにより、前記凸部で前記弾性片を弾いて前記加速度センサに衝撃を付与することを特徴とする。
【0008】
〔3〕上記〔2〕記載のキースイッチにおいて、前記凸部は前記スイッチ本体ごとにそれぞれ異なる配置で複数配設することを特徴とする。
〔4〕上記〔2〕又は〔3〕記載のキースイッチにおいて、前記弾性片を複数設けたことを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕記載のキースイッチにおいて、前記円柱形状のキーの側面に1乃至複数の前記弾性部材を設け、前記挿入孔に対する前記円柱形状のキーの操作を行うことにより、前記弾性部材の弾発で前記加速度センサに衝撃を付与することを特徴とする。
【0009】
〔6〕上記〔5〕記載のキースイッチにおいて、前記弾性部材を前記円柱形状のキーの側面のそれぞれ異なる固有の位置に複数配設することを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕又は〔6〕記載のキースイッチにおいて、前記弾性部材としてコイルバネを介したスチールボールを備え、前記スイッチ本体の前記加速度センサの天面近傍に孔を形成し、前記円柱形状のキーの前記コイルバネによってバイアスがかけられた前記スチールボールが前記孔に嵌まる時、前記加速度センサに衝撃を付与することを特徴とする。
【0010】
〔8〕上記〔1〕から〔7〕の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記加速度センサを複数設けたことを特徴とする。
〔9〕上記〔1〕から〔8〕の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記キーを挿入孔に対し、挿入、引き抜き又は回転を行うことにより、認証動作を行うことを特徴とする。
【0011】
〔10〕上記〔1〕から〔8〕の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記キーを挿入孔に対し、挿入、回転及び引き抜きによる複合操作を行うことにより、認証動作を行うことを特徴とする。
〔11〕上記〔1〕から〔8〕の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記スイッチ本体にキースイッチの状態確認用報知装置を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スイッチ本体に内蔵された加速度センサに、キー操作によって衝撃を付与し、この衝撃を運動情報パターンとして検出し、認証動作を実施することができる。以下、詳細に説明するが、ここで、運動情報パターンとはキー操作によって加速度センサに付与される衝撃の羅列によって構成されるパターン(例えば、キーを右に1回転、1秒待機、右に2回転、1秒待機、右に3回転、といった操作をした時に加速度センサに与られた衝撃の羅列によるパターン)である。
【0013】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)構造が簡単で、検出が容易である。
(2)キー操作によって運動情報パターンを入力するため、一種類のキーで複数の運動情報パターンが入力することができ、スイッチ本体およびキーの共用化が可能である。
(3)キーの操作速度や操作回数などにより運動情報パターンを入力するので、セキュリティ性が向上する。
【0014】
(4)キーの凸部(凹部)または弾性部材をキー固有の位置に配置することでセキュリティ性が向上する。
(5)キーの複数の操作の組み合わせによって運動情報パターンを入力することで、セキュリティ性が向上する。
(6)表示装置(LED)などの状態報知装置を設けることにより、キースイッチの動作状態及び認証されたかどうかを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例を示すキースイッチの全体斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すキースイッチの縦方向断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すキースイッチの正面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すキースイッチの運動情報パターンの検出機構を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施例を示すキースイッチの認証処理フローチャートである。
【図6】本発明の第2実施例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例の変形例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
【図8】本発明の第3実施例の変形例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
【図9】本発明の第3実施例の変形例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
【図10】本発明の第4実施例を示すキースイッチの弾性片を複数配設したスイッチ本体の縦方向断面図である。
【図11】本発明の第4実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図12】本発明の第5実施例を示すキースイッチの加速度センサを複数配設したスイッチ本体の縦方向断面図である。
【図13】本発明の第5実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図14】本発明の第6実施例を示すキースイッチの斜視図である。
【図15】本発明の第6実施例を示すキースイッチの縦方向断面図である。
【図16】本発明の第6実施例を示すキースイッチの横断方向の断面図である。
【図17】本発明の第7実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図18】本発明の第7実施例の変形例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図19】本発明の第8実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図20】本発明の第8実施例の変形例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図21】本発明の第9実施例を示すキースイッチの縦方向の断面図である。
【図22】本発明の第9実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
【図23】本発明の第10実施例を示すキースイッチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のキースイッチは、スイッチ本体に加速度センサを内蔵し、前記スイッチ本体に形成された挿入孔に対し、キーを操作することにより、前記加速度センサに衝撃を付与し、この付与された衝撃を運動情報パターンとして前記加速度センサで検出し、認証動作を行う。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すキースイッチの全体斜視図、図2はそのキースイッチの縦方向断面図、図3はそのキースイッチの正面図である。
これらの図において、1はスイッチ本体、2はスイッチハウジング、3は挿入孔、4はスイッチ本体1の固定部(図示なし)へのスイッチ取付用ナット、5は端子、6はスイッチ本体内に配置されるプリント基板、7はプリント基板6に実装される加速度センサ、8は加速度センサ7に衝撃を付与する弾性部材としての弾性片(以下、単に弾性片という)、9は挿入孔3へ挿入される円柱形状のキー、9Aは円柱形状のキー9の摘み部、9Bは円柱形状のキー9の側面に形成された凸部である。
【0018】
本発明のキースイッチは、スイッチ本体1の挿入孔3に円柱形状のキー9を挿入して回転することにより、円柱形状のキー9の側面に形成された凸部9Bが弾性片8を弾いて、加速度センサ7に衝撃を与え、この衝撃を運動情報パターンとして検出して認証動作を行う。
なお、加速度センサ7として、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、水晶などの圧電素子が加速度により加圧されたときに電荷を生ずる性質を利用した圧電式加速度センサなどを用いることができる。
【0019】
図4は本発明の第1実施例を示すキースイッチの運動情報パターンの検出機構を示す模式図である。
円柱形状のキー9を挿入孔3に挿入して回転させると、図4(a)に示すように、円柱形状のキー9を円柱形状のキー9の側面に形成された凸部9Bが弾性片8を撓ませる。次いで、図4(b)に示すように、円柱形状のキー9をさらに回転させると、凸部9Bが弾性片8から離脱して弾性片8を弾く。すると、弾かれた弾性片8は加速度センサ7に衝撃を与える。この衝撃が加速度センサ7で検出され、加速度センサ7からの出力信号として増幅部10を介してマイクロコンピュータ11に取り込まれる。このマイクロコンピュータ11は、アナログ入力ポートとしてのデジタル変換部12と、このデジタル変換部12に接続され、そのデジタル変換部12からのデジタル信号のデコードを行い、そのデコード信号が解錠するスイッチ本体1に記憶された認証情報と一致するかを照会するコード処理部13と、このコード処理部13に接続され、解錠信号を出力するインターフェース部14とを備えている。マイクロコンピュータ11に取り込まれた運動情報パターンの信号をコード処理部13でデコードして予め記憶されている認証情報と照会し、デコード信号と認証情報が一致すればスイッチ本体1の解錠信号が出力される。
【0020】
図5は本発明のキースイッチの認証処理フローチャートである。
(1)まず、このキースイッチシステムの初期設定として、スイッチ本体1に検出された運動情報パターンと照会を行うための認証情報を記憶させておく(ステップS1)。
(2)次に、円柱形状のキー9の挿入が検知されたか否かをチェックする(ステップS2)。円柱形状のキー9が検知されていなければ、その検知を待つ。
【0021】
(3)円柱形状のキー9の挿入が検知された場合、円柱形状のキー9の操作から運動情報パターンの読み取りを行う(ステップS3)。
(4)上記ステップS3で読み取った円柱形状のキー9の運動情報パターンをデコードする(ステップS4)。
(5)次に、デコードされた信号が上記ステップS1で予め記憶されている認証情報と一致するか否かをチェックする(ステップS5)。
【0022】
(6)ステップS5において、デコード信号と認証情報が一致すれば、解錠信号15を出力する(ステップS6)。一方、一致しなければ、解錠信号15を出力せず、エンドとする。
図6は本発明の第2実施例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
この図において、21は円柱形状のキー、22は円柱形状のキー21の摘み部、23は円柱形状のキー21の側面円周方向に等間隔で形成された複数の凸部である。この円柱形状のキー21を図1〜図3に示すスイッチ本体1の挿入孔3に挿入して回転すると、複数の凸部23が弾性片8を次々と弾くので、加速度センサ7にそれらの衝撃が付与される。この複数の凸部23の配置に対応した衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。
【0023】
図7は本発明の第2実施例の変形例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
この実施例では、円柱形状のキー21の側面円周方向の固有の位置に複数の凸部24を形成する。したがって、加速度センサ7には、円柱形状のキー21の固有の位置の複数の凸部24の配置に対応した衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。
【0024】
このように、複数の凸部24を配置することで、スイッチ本体ごとにそれぞれ異なる運動情報パターンで認証を行うキースイッチとして構成することができるので、所定位置以外の位置に凸部を有するキーでは解錠することができず、セキュリティ性の向上を図ることができる。
また、凸部の配置だけでなく、凸部の高さを変えることにより加速度センサに付与する衝撃の大きさを変えて、さらに多様な運動情報パターンを構成することができる。
【0025】
図8は本発明の第3実施例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
この図において、31は円柱形状のキー、32は円柱形状のキー31の摘み部、33は円柱形状のキー31の側面軸方向に等間隔で形成された複数の凸部である。この円柱形状のキー31を図1〜図3に示すスイッチ本体1の挿入孔3に挿入すると、複数の凸部33が弾性片8を弾き、加速度センサ7にその衝撃が付与される。この複数の凸部33の配置に対応した衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。
【0026】
図9は本発明の第3実施例の変形例を示すキースイッチのキーの斜視図である。
この実施例では、円柱形状のキー31の側面軸方向の固有の位置に複数の凸部34を形成する。したがって、加速度センサ7には、円柱形状のキー31の固有の位置の複数凸部34の配置に対応した衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。
図10は本発明の第4実施例を示すキースイッチの弾性片を複数配設したスイッチ本体の縦方向断面図、図11はそのキースイッチのキーを示す斜視図である。
【0027】
これらの図において、41はスイッチ本体1内に配置されるプリント基板、42はプリント基板41に実装される弾性片43を複数配設した加速度センサ、44は円柱形状のキー、44Aは円柱形状のキー44の摘み部、44Bは円柱形状のキー44の側面に形成される複数の凸部である。
この実施例では、スイッチ本体1の挿入孔3に円柱形状のキー44を挿入して回転させると、円柱形状のキー44の側面に形成される複数の凸部44Bで複数の弾性片43がそれぞれ弾かれて、加速度センサ42にそれらの衝撃が付与される。この凸部44Bの配置に対応した衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。
【0028】
図12は本発明の第5実施例を示すキースイッチの加速度センサを複数配設したスイッチ本体の縦方向断面図、図13はそのキースイッチのキーを示す斜視図である。
これらの図において、51はスイッチ本体1内に配置されるプリント基板、52はスイッチ本体1の挿入孔3に複数配置される加速度センサ、53は複数の加速度センサそれぞれに衝撃を付与する弾性片、54は円柱形状のキー、54Aは円柱形状のキー54の摘み部、54Bは円柱形状のキー54の側面に形成される複数の凸部である。
【0029】
この実施例によれば、スイッチ本体1の挿入孔3に円柱形状のキー54を挿入して回転させると、円柱形状のキー54の側面に形成される複数の凸部54Bで弾性片53がそれぞれ弾かれて、複数の加速度センサ52それぞれに衝撃が付与される。この複数の凸部54Bの配置に対応した衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。
上記のように円柱形状のキーをスイッチ本体に挿入し、円柱形状のキーの側面に設けられた凸部で弾性片を弾くことにより、この弾性片が加速度センサに衝撃を付与し、この付与された衝撃が運動情報パターンとして検出されることによって、キースイッチの解錠の認証動作を行う。
【0030】
図14は本発明の第6実施例を示すキースイッチの斜視図、図15はそのキースイッチの縦方向断面図、図16はそのキースイッチの横断方向の断面図である。
これらの図において、61はスイッチ本体1に配置されるプリント基板、62はプリント基板61に実装される加速度センサ、63は加速度センサ62の天面近傍に形成された孔、64は円柱形状のキー、64Aは円柱形状のキーの摘み部、64Bは円柱形状のキー64の側面に配置される、コイルバネ64Cによってバイアスがかけられた弾性部材としてのスチールボール(以下、単にスチールボールという)である。
【0031】
この実施例では、スイッチ本体1の挿入孔3に円柱形状のキー64を挿入すると、円柱形状のキー64が挿入孔3を進んでスチールボール64Bが加速度センサ62の天面近傍に形成された孔63に嵌まる時、コイルバネ64Cによってバイアスがかけられたスチールボール66Bが加速度センサ62に衝撃を付与する。その付与された衝撃が運動情報パターンとして検出され、認証動作が行われる。円柱形状のキー64の挿入又は引き抜きにより、認証動作が行われる。更には、円柱形状のキー64を回転することにより、加速度センサ62に衝撃を加えるようにしてもよい。
【0032】
図17は本発明の第7実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
この実施例によれば、円柱形状のキー71の側面円周方向に等間隔で複数のスチールボール73を配設するようにしている。なお、72は円柱形状のキー71の摘み部である。
図18は本発明の第7実施例の変形例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
この実施例によれば、円柱形状のキー71の側面円周方向の固有の位置に複数のスチールボール74を配設するようにしている。
【0033】
これらの複数のスチールボール73,74が配置された円柱形状のキー71をスイッチ本体1内に挿入し回転することによって、加速度センサに与えられた衝撃を運動情報パターンとして検出し、認証を行う。
図19は本発明の第8実施例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
この実施例によれば、円柱形状のキー81の側面の軸方向に等間隔で複数のスチールボール83を配設するようにしている。なお、82は円柱形状のキー81の摘み部である。
【0034】
図20は本発明の第8実施例の変形例を示すキースイッチのキーを示す斜視図である。
この実施例によれば、円柱形状のキー81の側面軸方向の固有の位置に複数のスチールボール84を配設するようにしている。
これらの実施例によれば、円柱形状のキー81の挿入時又は引き抜き時に加速度センサに与えられた衝撃を運動情報パターンとして検出し、認証を行うことができる。また、円柱形状のキー81の回転時にも認証を行うことができる。
【0035】
図21は本発明の第9実施例を示すキースイッチの縦方向の断面図、図22はそのキースイッチのキーを示す斜視図である。
これらの図において、91はスイッチ本体1に配置されるプリント基板、92はプリント基板91に実装される複数の加速度センサ、93は複数の加速度センサ92のそれぞれの天面近傍に形成された孔、94は円柱形状のキー、94Aは円柱形状のキーの摘み部、94Bは円柱形状のキー94の側面に配置されるコイルバネ(図示なし)によってバイアスがかけられたスチールボールである。
【0036】
この実施例では、スイッチ本体1の挿入孔3に円柱形状のキー94を挿入すると、円柱形状のキー94が挿入孔3を進んで、スチールボール94Bが加速度センサ92の天面近傍に形成された孔93に嵌まる時、コイルバネによってバイアスがかけられたスチールボール94Bが加速度センサ92に衝撃を付与する。その付与された衝撃が運動情報パターンとして検出される。また、円柱形状のキー94を回転させて、スチールボール94Bが加速度センサ92の天面近傍に形成された孔93に嵌まる時にスチールボール94Bによって加速度センサ92に衝撃を付与することもできる。
【0037】
上記のように円柱形状のキーをスイッチ本体に挿入し、円柱形状のキーに設けられたコイルバネによってバイアスがかけられたスチールボールが加速度センサの天面近傍に設けられた孔に嵌まる時に、スチールボールが加速度センサを叩くことにより衝撃を付与し、この付与された衝撃が運動情報パターンとして検出されることによって、キースイッチの解錠の認証動作を行う。
【0038】
なお、操作部材としてスチールボールを用いた機構は、操作者がクリック感を認識することもでき、操作者の操作感が向上する。
また、スチールボールをキー固有の位置に配置し、スイッチ本体ごとにそれぞれ異なる運動情報パターンで認証を行うキースイッチとして構成することで、所定位置以外の位置にスチールボールを有するキーでは解錠することができず、セキュリティ性の向上を図ることができる。
【0039】
さらに、スチールボールにバイアスをかけるコイルバネの強さを変えることにより、加速度センサに付与する衝撃の大きさを変えて、多様な運動情報パターンを構成することができる。
図23は本発明の第10実施例を示すキースイッチの斜視図である。
この図において、101はスイッチ本体の1の天面、102は天面101に配置された表示装置(例えば、発光素子)である。
【0040】
この実施例では、スイッチ本体の1の天面101にキースイッチの状態確認用の表示装置(例えば、発光素子)102を設ける。この表示装置102は、スイッチハウジング2内に配置されるプリント基板に接続される、挿入孔3の開口部(図示なし)に設けられる機械的スイッチ(例えば、マイクロスイッチ)(図示なし)により、キースイッチのキーの挿入部3の通過を検出して、その検出信号によって点灯(例えば、赤色)される。この点灯と同時に、認証機構が駆動される。
【0041】
また、表示装置102では、図4で示した解錠信号15が検出されたら、その検出信号によって点灯色を、例えば赤色から緑色に変色させることにより、認証されたかどうかが確認しやすい利点がある。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の認証機能付きキースイッチは、簡単な構成で、認証動作を容易に行うことができる認証機能付きキースイッチとして利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 スイッチ本体
2 スイッチハウジング
3 挿入孔
4 スイッチ取付用ナット
5 端子
6,41,51,61,91 プリント基板
7,42,52,62,92 加速度センサ
8,43,53 弾性部材(弾性片)
9,21,31,44,54,64,71,81,94 円柱形状のキー
9A,22,32,44A,54A,64A,72,82,94A 円柱形状のキーの摘み部
9B,56 凸部
10 増幅部
11 マイクロコンピュータ
12 デジタル変換部
13 コード処理部
14 インターフェース部
23,33,44B,54B 複数の凸部
24,34 固有の位置に形成された複数の凸部
52,92 複数の加速度センサ
63,93 加速度センサの天面近傍に形成された孔
64B 弾性部材(スチールボール)
64C コイルバネ
73,83,94B 弾性部材(複数のスチールボール)
74,,84 固有の位置に形成された複数の弾性部材(複数のスチールボール)
101 スイッチ本体の天面
102 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ本体に加速度センサを内蔵し、前記スイッチ本体に形成された挿入孔に対してキーを操作することにより、前記加速度センサに弾性部材により衝撃を付与し、この付与された衝撃を運動情報パターンとして前記加速度センサで検出し、認証動作を行うことを特徴とするキースイッチ。
【請求項2】
請求項1記載のキースイッチにおいて、前記キーが円柱形状のキーからなり、該円柱形状のキーの側面に1乃至複数の凸部を設け、前記スイッチ本体の前記加速度センサの天面近傍に前記弾性部材としての弾性片を備え、前記挿入孔に対し前記円柱形状のキーを操作することにより、前記凸部で前記弾性片を弾いて前記加速度センサに衝撃を付与することを特徴とするキースイッチ。
【請求項3】
請求項2記載のキースイッチにおいて、前記凸部は前記スイッチ本体ごとにそれぞれ異なる配置で複数配設することを特徴とするキースイッチ。
【請求項4】
請求項2又は3記載のキースイッチにおいて、前記弾性片を複数設けたことを特徴とするキースイッチ。
【請求項5】
請求項1記載のキースイッチにおいて、前記円柱形状のキーの側面に1乃至複数の前記弾性部材を設け、前記挿入孔に対する前記円柱形状のキーの操作を行うことにより、前記弾性部材の弾発で前記加速度センサに衝撃を付与することを特徴とするキースイッチ。
【請求項6】
請求項5記載のキースイッチにおいて、前記弾性部材を前記円柱形状のキーの側面のそれぞれ異なる固有の位置に複数配設することを特徴とするキースイッチ。
【請求項7】
請求項5又は6記載のキースイッチにおいて、前記弾性部材としてコイルバネを介したスチールボールを備え、前記スイッチ本体の前記加速度センサの天面近傍に孔を形成し、前記円柱形状のキーの前記コイルバネによってバイアスがかけられた前記スチールボールが前記孔に嵌まる時、前記加速度センサに衝撃を付与することを特徴とするキースイッチ。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記加速度センサを複数設けたことを特徴とするキースイッチ。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記キーを挿入孔に対し、挿入、引き抜き又は回転を行うことにより、認証動作を行うことを特徴とするキースイッチ。
【請求項10】
請求項1から8の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記キーを挿入孔に対し、挿入、回転及び引き抜きによる複合操作を行うことにより、認証動作を行うことを特徴とするキースイッチ。
【請求項11】
請求項1から8の何れか一項記載のキースイッチにおいて、前記スイッチ本体にキースイッチの状態確認用報知装置を設けることを特徴とするキースイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−202451(P2011−202451A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72362(P2010−72362)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000230722)日本開閉器工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】