説明

キーパッドアセンブリ

【課題】照明が均一で、明るく、電力消費が減少し、単純な構成を有するキーパッドアセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、その内部に光が伝播する導光板と、導光板に設けられ、導光板内に伝播する光を導光板の外部に出射するための少なくとも一つの光抽出パターンと、少なくとも一つのスイッチを備えるスイッチ基板と、導光板の内部に光を結合させるための少なくとも一つの光源とを含み、導光板の厚さは0.3〜0.6mmであるキーパッドアセンブリを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキーパッドアセンブリに関して、特に導光板を有するキーパッド及びキーパッドアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術の第1例によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。キーパッドアセンブリ100は、キーパッド110と、スイッチ基板150と、複数のLED(Light Emitting Diode:LED)170とを含む。
キーパッド110は、弾性パッド120と、弾性パッド120の上面122上に形成され、その上面に記号、符号、文字などがプリントされた複数のキーボタン140と、弾性パッド120の下面124上に形成された複数の突起130とを含む。各キーボタン140は、該当突起130及び該当スイッチ160とキーパッドアセンブリ100の厚さ方向に整列される。弾性パッド120の下面124上には複数の溝(groove)126が形成される。溝126は、LED170と突起130との干渉を避けるように各突起130の周囲に形成される。
スイッチ基板150は、プリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)155と、キーパッド110と対向するPCB155の上面に形成された複数のスイッチ160とを含む。各スイッチ160は、導電性のコンタクト部材(contact member)162と、このコンタクト部材162を完全に覆う導電性ドーム(dome)164とを有する。
複数のLED170は、PCB155の上面に装着され、弾性パッド120の該当溝126によって覆われるように位置する。
【0003】
ユーザーがキーボタン140の一つのキーを押すと、キーボタン140の下方に位置するキーパッド110の部分がスイッチ基板150側に変形される。その結果、変形された部分に属する突起130が、該当ドーム164を押すようになる。この押されたドーム164は、該当コンタクト部材162と電気的接触をなすようになる。
【0004】
図2は、従来の第2の例によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。キーパッドアセンブリ200は、キーパッド210、電界発光シート(electroluminescence sheet)260、スイッチ基板250、及び駆動部280を含む。
キーパッド210は、弾性パッド220と、弾性パッド220の上面に形成され、その上面に文字などが印刷された複数のキーボタン230と、弾性パッド220の下面に形成された複数の突起240とを含む。各キーボタン230は、該当突起240及びスイッチ270とキーパッドアセンブリ200の厚さ方向に整列される。
スイッチ基板250は、PCB255と、このPCB255の上面に形成された複数のスイッチ270とを備える。各スイッチ270は、導電性コンタクト部材272と、コンタクト部材272を完全に覆う導電性ドーム274とから構成される。
電界発光シート260は、スイッチ270を介在してPCB255の上面を覆うように配置され、印加された駆動信号によって発光する。
駆動部280は、電界発光シート260の片側に位置するようにPCB255の上面に装着され、電界発光シート260に駆動信号を印加する。
【0005】
しかしながら、上述したようなキーパッドアセンブリ100・200は次のような問題点を有する。
まず、第1の例によるキーパッドアセンブリ100は、各LED170から発光される光が弾性パッド120を通過して該当キーボタン140を斜角(oblique angle)で照明する。その結果、キーボタン140の照明が不均一で、暗いという問題点があった。特に、キーボタン140の中心部分はその周辺より暗く照明される。しかしながら、キーボタン140を均一で、明るく照明するためにより多くのLEDを使用すれば、構成が複雑になり、電力消費及び製造コストが増加する。
第2の例によるキーパッドアセンブリ200は、第1の例に比べて一層暗い照明を提供する。
したがって、均一で、明るい照明を提供し、電力消費が小さく、構成が単純なキーパッドアセンブリが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/107363号パンフレット
【特許文献2】特開平10−334718号公報
【特許文献3】特開2006−324240号公報
【特許文献4】特開2006−323843号公報
【特許文献5】特開2006−318905号公報
【特許文献6】特開2006−59583号公報
【特許文献7】特開2000−162594号公報
【特許文献8】特開2006−324253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来技術の問題点を解決するために、本発明の目的は、照明が均一で明るく、電力消費が減少し、単純な構成を有するキーパッドアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一側面によるキーパッドアセンブリは、その内部に光が伝播する導光板と、前記導光板に設けられ、前記導光板内に伝播する光を前記導光板の外部に出射するための少なくとも一つの光抽出パターンと、少なくとも一つのスイッチを備えるスイッチ基板と、前記導光板の内部に光を結合させるための少なくとも一つの光源とを含み、前記導光板の厚さは0.3〜0.6mmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるキーパッドアセンブリは、導光板と少数の光源を用いて明るく、均一の照明を得ることができ、かつコスト及び電力消費が低減する効果を有する。
また、キーパッドアセンブリは、導光板の厚さ及び導光板と光源との間の距離を制限することによって、高い照明輝度、製造工程で発生する不良率の最小化、及びスリム化が得られる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術の第1例によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。
【図2】従来技術の第2例によるキーパッドアセンブリを示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるキーパッドアセンブリの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるキーパッドアセンブリの構成を示す図である。
【図5】導光板の厚さ、光源と導光板との間隔、及び照明輝度の関係を示すグラフである。
【図6】導光板の厚さ、光源と導光板との間隔、及び照明輝度の関係を示す等高線図である。
【図7】キーボタンの操作によるスイッチ作動を説明するための図である。
【図8】キーボタンに加えられる圧力とキーボタンに伝えられる反発力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
下記に、本発明に関連した公知機能又は構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断された場合に、その詳細な説明を省略する。
【0012】
図3は、本発明の望ましい第1の実施形態によるキーパッドアセンブリの構成を示す。キーパッドアセンブリ300は、キーパッド310と、スイッチ基板360と、少なくとも一つの光源390とを含む。
キーパッド310は、キーシート(key sheet)320と、導光板330とを含む。キーシート320は、フィルム(film)322と、複数のキーボタン324とを含む。導光板330は、複数の突起340と、複数の光抽出パターン(light extracting pattern)350とを含む。
【0013】
フィルム322は、四角形の板などの多様な形態を有し、その上面に配置された複数のキーボタン324を備える。フィルム322は弾性を有し、そのため、キーボタン324がユーザーによって押された後に、再び原位置に戻ることができる。すなわち、フィルム322の自己復元力は、キーボタン324が変形された後に元の形態に復元させる。光漏れ現象を防止するために、キーボタン324が配置されていないフィルム322の上面部分は、例えば、ハウジング(housing)(例えば、携帯用無線端末機のハウジング)によって覆われ、或いは黒色インクでプリントされることができる。フィルム322は、導光板330との間に空気層を維持するために、導光板330から離隔された状態で固定される。例えば、フィルム322の縁は、接着剤を用いて導光板330の縁に付着されることができる。それによって、導光板330の中央部で光が漏れることを防止できる。光は、導光板330と空気層との境界で全反射(total reflection)する。導光板330と接着剤との境界で全反射条件を満たしていないと、不必要な光の漏れが発生する可能性がある。光の一部分はキーボタン324を照明し、残りの部分は導光板330の縁に到達するため、導光板330の縁はフィルム322の縁に付着されることが望ましい。また、キーボタン324がその上面に配置されたフィルム322の中央部が導光板330の上面に付着されると、導光板330との間に空気層を維持することができない。したがって、フィルム322は、導光板330の上面に付着されない表面特性を有することが好ましい。導光板330から容易に分離することができるように、フィルムの下面を粗くし、或いは離型剤(releasing agent)でコーティングすることができる。フィルム322は、低い硬度、高い弾性変形率、高い弾性復元力、及び高い光透過度を有する高透明ゴム材質で形成される。望ましくは、フィルム322は、ポリウレタン(polyurethane)又はシリコン(silicone)で形成される。
【0014】
別の実施形態によると、フィルム322は、導光板330の上面全体に密着又は付着されることができる。この場合に、フィルム322又は接着剤の屈折率は導光板330の屈折率より低くすることができる。
キーボタン324は、フィルム322の上面に配置される。特に、キーボタン324は、接着剤を用いてフィルム322の上面に付着され、或いは射出成形などを通じてフィルム322と一体に形成されることができる。各キーボタン324は、フィルム322と同一の材質で形成され、或いはポリカーボネート(polycarbonate)又はアクリル系樹脂(acryl-based resin)で形成されることができる。キーボタン324は四角ブロックの形状を有するが、円柱、楕円柱のような他の形状も有することができる。また、フィルム322を除去し、キーボタン324は導光板330の上面に直接付着することもできる。
【0015】
他の実施形態によると、導光板330にフィルム322の機能を組み込むことで、フィルム322を除去することができる。このような場合に、キーボタン324は、導光板330の上面に直接付着することができる。導光板330は、キーボタン324がユーザーによって押された後に再び元の位置に戻るようにする。例えば、導光板330は、外部環境の変化に関係なく光を安定的に導波させるように、相対的に低い屈折率の物質でコーティングされた両面を有する導電性フィルムで構成される。
導光板330は、四角形の板などの多様な形態を有し、その上面332がフィルム322の下面に対向するように配置される。図示のように、光源390と光学的に接続されるように、導光板330の周辺部(peripheral portion)336がPCB380の上面まで曲がるとともに、延出している。
光源390は、その発光面が導光板330の周辺部336の第1の側面と対向するようにPCB380の上面に装着される。光源390によって出射された光は、導光板330の第1の側面を通じてその内部に結合される。光源390として、通常のLEDが使用可能である。
【0016】
導光板330は、その内部に結合された光を導波させる。結合された光は、導光板330の第1の側面からその反対側に位置する第2の側面に伝播する。ここで、導光板330の第1の側面は、光源390からの光が結合される一つの側面を表す。導光板330の内部に結合された光は、導光板330とその外部空気層との境界で全反射され、導光板330の内部に伝播する。導光板330は、弾性(すなわち、自己復元力)を有し、キーボタン324の操作によって変形された後に元の形に復元されることができる。導光板330は、低い硬度、高い弾性変形率、高い弾性復元力、及び高い光透過度を有する材質で形成されることができる。望ましくは、導光板330は、ポリカーボネート、ポリウレタン、PMMA(polymethylmethacrylate)、又はシリコン材質で形成される。
【0017】
複数の突起340は、導光板330の下面334上に形成される。突起340は、導光板330と同一の材質又は異なる材質で一体的に形成される。また、突起340は、別途に形成された後に、導光板330の下面334に付着される。各突起340は、円錐台(truncated cones)、台形六面体(trapezoidal hexahedra)などの任意の形状を有することができる。突起340は、該当キーボタン324とキーパッドアセンブリ300の厚さ方向に整列される。
【0018】
導光板330は、導光板330内に伝播する光の一部を導光板330の外部に抽出することによって、該当キーボタン324に入射させる複数の光抽出パターン(light extracting pattern)350を有する。各光抽出パターン350は、該当キーボタン324とキーパッドアセンブリ300の厚さ方向に整列される。各光抽出パターン350の中央部分352は該当突起340の下面に形成され、光抽出パターン350の周辺部354は突起340の周辺に形成される。光抽出パターン350は、導光板330の上面332に形成されることもできる。光抽出パターン350の中央部分は、各突起340の下面でなく、導光板330と突起340との間に形成することもできる。
【0019】
光抽出パターン350は、導光板330の上面に形成された少なくとも一つのV字形の要素(すなわち、V字形の断面を有する溝、凹凸など)で構成され、或いはピラミッド形態を有する複数の溝又は凹凸で構成されることができる。光抽出パターン350がV字形の要素である場合に、このV字形の要素は、導光板330の一つの側面からその反対側に位置する他の側面まで伸びることができる。V字形の要素は、鋸歯(saw tooth)状を有し、或いは任意の設計要件により多少変形された形状を有することができる。
その上、必要に応じて、各光抽出パターン350は、導光板330の上面に形成された多様な形態の溝又は複数の突起で構成されることができる。例えば、光抽出パターン350は、複数の溝又は突起で構成され、これらそれぞれは半球(semi-sphere)、三角錐(triangular pyramid)などの多様な形態で構成されることができる。必要によって、光抽出パターン350は、スクラッチ又は印刷によって形成された反射又は散乱パターンでも実現されることができる。
【0020】
各光抽出パターン350は、導光板330内に伝播する光の一部を導光板330の外部に抽出することによって、該当キーボタン324に入射させる。図示のように、光抽出パターン350が導光板330の下面に形成された場合に、光抽出パターン350は、入射される光の少なくとも一部を該当キーボタン324側に反射する。この反射は、正反射(mirror reflection)又は散乱反射(scattering (diffuse) reflection)でありうる。必要によって、光抽出パターン350は、導光板330の上面332に形成されることができる。この場合に、光抽出パターン350は、入射される光を該当キーボタン324側に散乱して透過させる。図示のように、全反射されて導光板330内に伝播する光は、光抽出パターン350に入射され、光抽出パターン350によってキーボタン324側に反射された光の大部分は全反射条件を満たしていないため(入射角が臨界角より小さい場合)、導光板330及びキーシート320を透過して外部に出射される。また、光抽出パターン350によって反射されずにそのまま通過する光と、反射された光の一部は全反射条件を満足しつつ導光板330内に継続して伝播し、それによって、他のキーボタンを照明するのに寄与することができる。
【0021】
導光板330内の光が光源390に隣接した第1の側面から第2の側面に伝播しつつ、一方で減衰するに従って、キーパッドアセンブリ300の上側に現れる輝度分布は、導光板330の第1の側面から第2の側面へ行くほど徐々に減少する。このような輝度の不均一を解消するために、全体のパターンサイズを同一に保ちながら、光抽出パターン350の密度を導光板330の第1の側面から第2の側面に進行するほど順次に増加させることができる。このとき、光抽出パターン350の密度変化は、その構成体の個数を変化させ、或いは全体又は構成体のサイズを変化させることによって実現することができる。光抽出パターン350の密度は、単位面積当たりの光抽出パターン350が占める面積として定義される。または、光抽出パターン350のサイズを導光板330の第1の側面から第2の側面に徐々に増加させることができる。光抽出パターン350がV字形の要素で実現される場合に、光抽出パターン350の密度は、全体のパターン及び要素サイズが同一であるという条件で、V字形の要素のピーク(peak)間隔として定義され、光抽出パターン350のピーク間隔を導光板330の第1の側面から第2の側面に進行するほど徐々に狭めることができる。
【0022】
スイッチ基板360は、PCB380と、ドームシート370とを含む。
PCB380は、その上面に形成された複数の導電性コンタクト部材382を有する。各コンタクト部材382は、該当ドーム372と共にスイッチを構成する。また、各スイッチ382・372は、該当キーボタン324とキーパッドアセンブリ300の厚さ方向に整列される。
ドームシート370は、PCB380の上面に付着され、半球形状を有する複数の導電性ドーム372を有する。各ドーム372は、該当コンタクト部材382を完全に覆う。
【0023】
ユーザーがキーボタン324のいずれか一つのキーを押す場合に、キーボタン324の下に位置するキーパッド310の一部がスイッチ基板360側に変形されることによって、変形された部分に属する該当突起340が該当ドーム372を押す。その結果、押されたドーム372は、該当コンタクト部材382と電気的接触をなす。結果的に、スイッチはオン状態となる。このような電気接触によって発生されるキー信号を感知することによって、ユーザーがキーボタン324を押すことを検知する。
【0024】
突起340がゴム材質である場合に、突起340の表面は粘り気があるため、ドーム372が突起340に容易に付着される。突起340から容易に分離するために、各ドーム372の表面を粗くし、離型剤でコーティングすることができる。別の実施形態によると、突起340は、導光板330に形成せずに、ドーム372の上端に付着させることができる。
【0025】
図4は、本発明の望ましい第2の実施形態によるキーパッドアセンブリの構成を示す。キーパッドアセンブリ400は、キーパッド410と、スイッチ基板450と、少なくとも一つの光源480とを含む。キーパッド410は、キーシート420と、導光板430とを含む。キーシート420は、フィルム422と、複数のキーボタン424と、複数の突起426とを含む。導光板430は、複数の光抽出パターン440を含む。キーパッドアセンブリ400は、突起426の位置と導光板430の設置形態を除き、図3に示すキーパッドアセンブリ300と類似した構成を有する。したがって、重複する説明は省略して簡略に説明する。
【0026】
フィルム422は、四角形の板などの多様な形態を有し、その上面に配置された複数のキーボタン424と、その下面に配置された複数の突起426とを含む。フィルム422は、弾性を有することによって、キーボタン424がユーザーによって押された場合に、元の位置に戻ることができる。すなわち、フィルム422の自己復元力は、キーボタン424が変形された後に元の形に戻るようにする。
キーボタン424は、フィルム422の上面に配置される。特に、キーボタン424は、接着剤を用いてフィルム422の上面に付着され、或いは射出成形によってフィルム422と一体に形成されることができる。
突起426は、フィルム422の下面に形成される。
導光板430は、四角形の板などの多様な形態を有し、キーシート420とスイッチ基板450との間に介在される。
【0027】
光源480は、その発光面が導光板430の第1の側面に対向するようにPCB470の上面に装着される。この光源480から出射された光は、導光板430の第1の側面を通じてその内部に結合する。
導光板430は、導光板430の第1の側面からその反対側に位置する第2の側面に光を導波させる。ここで、導光板430の第1の側面は、光源480から光が結合される一つの側面を表す。導光板430は、弾性(すなわち、自己復元力)を有することによって、キーボタン424の作動により変形された後に元の形に復元することができる。
導光板430は、導光板430内に伝播する光の一部を導光板430の外部に抽出することによって、該当キーボタン424に入射させる複数の光抽出パターン440を有する。光抽出パターン440は、該当キーボタン424とキーパッドアセンブリ400の厚さ方向に整列される。光抽出パターン440は、導光板430の下面でなく上面に形成することができる。
【0028】
各光抽出パターン440は、導光板430内に伝播する光の一部を導光板430の外部に抽出することによって該当キーボタン424に入射させる。図示のように、光抽出パターン440が導光板430の下面に形成された場合に、光抽出パターン440は、入射された光の少なくとも一部を該当キーボタン424側に反射する。必要によって、各光抽出パターン440は、導光板430の上面に形成されることができる。この場合に、光抽出パターン440は、入射される光を該当キーボタン424側に散乱して透過させる。
【0029】
スイッチ基板450は、PCB470及びドームシート460を含む。
PCB470は、その上面に形成された複数の導電性コンタクト部材472を備える。各コンタクト部材472は、該当ドーム462と共にスイッチを構成する。また、各スイッチ462・472は、該当キーボタン424とキーパッドアセンブリ400の厚さ方向に整列される。
ドームシート460は、PCB470の上面に付着され、半球状を有する複数の導電性ドーム462を備える。各ドーム462は、該当コンタクト部材472を完全に覆う。
【0030】
ユーザーがキーボタン424の一つを押すと、押されたキーボタン424の下に位置するキーパッド410の一部分がスイッチ基板450側に変形される。すると、変形された部分に属する突起426は、導光板430を介して該当ドーム462を押し付けるようになる。このドーム462は、該当コンタクト部材472と電気的接触をなす。結果的に、スイッチがオン状態となる。
【0031】
上述した本発明の第1及び第2の実施形態において、キーパッドアセンブリの照明輝度は、導光板の厚さ、光源と導光板との間の間隔(距離)、光源の輝度、光抽出パターンの形状、サイズ及び間隔、キーボタンのプリント方式、導光板の屈折率などによって影響を受け、その中で導光板の厚さと光源及び導光板の間隔によっく大きく左右される。
【0032】
以下、本発明の第2の実施形態に基づき、最適の輝度を得るための導光板430の厚さ及び光源480と導光板430との間隔の範囲を提供する。このような範囲は、第1の実施形態にも適用可能である。
【0033】
まず、導光板430の厚さ及び光源480と導光板430との間隔を決定することにおいて、予め与えられる値は次のようであり、これらの値は、照明用輝度に微小な影響を及ぼすため、設計要件により選択されることができる。
光抽出パターン440は、複数の半球体で構成され、各半球体は直径0.03mmの範囲を有し、半球体間の間隔は0.06mmの範囲である。光抽出パターン440は、多様な形態の部材(member)で構成可能であるが、半球体は低コストな製造方式である熱圧着方式又はレーザエッチング方式によって容易に形成されることができる。
キーボタン424は、白色又は灰色インクでプリントされ、0.2〜2mmの範囲の厚さを有することができる。望ましくは、キーボタン424は、白色インクでプリントされ、0.2mmの厚さを有する。
【0034】
光源480は、1200〜1600mcd(milli-candela)の輝度、100゜〜130゜の放射角、0.4〜0.6mmの厚さを有することができる。望ましくは、光源480は、1400mcdの輝度、120゜の放射角、0.6mmの厚さを有する。光源480の厚さは、その発光面の高さと同一であると仮定する。もし、両者が同一でない場合には、後者を基準とする。また、光源480と導光板430は、その厚さ方向にその中心が相互に一致するように整列される。
導光板430は、1.4〜1.6範囲の屈折率を有し、望ましくは1.58(ポリカーボネートの屈折率)の屈折率を有する。
【0035】
図5は、導光板430の厚さと、光源480と導光板430との間隔と、照明用輝度の関係を示すグラフである。図示のように、照明用輝度は、導光板430の厚さに比例し、光源480と導光板430との間隔に反比例する。
【0036】
図6は、導光板430の厚さと、光源480と導光板430との間隔と、照明用輝度の関係を示す等高線図である。図示のように、照明用輝度が増加するほど、導光板430の厚さ及び光源480と導光板430との間隔の組合選択の幅が狭くなる。
【0037】
照明用輝度が導光板430と光源480との間隔に反比例するので、間隔の下限値を0に設定することができる。しかしながら、この間隔の縮小は、光源480と導光板430との間の非常に精密な整列を要求するため、製造コスト及び時間の増加をもたらす。したがって、この間隔は、照明用輝度の下限値を保証できる範囲内で最大限大きく設定することが望ましい。この照明輝度の下限値は、一般に1nitである。この値は、図2に示すように、電界発光シート260を用いるキーパッドアセンブリ200に対して業界から一般に提案される下限値である。図5に示すように、導光板430と光源480との間隔が0.75mm程度であると、照明用輝度の下限値を1nit以上に保証することができる。このようなキーパッドアセンブリの製造業界から一般に認められた最大公差は0.5mm程度である。間隔が0.75mm程度であると、照明用輝度の下限値を保証すると同時に工程中の不良率も最小化できる。例えば、光源480をPCB470に装着する過程で発生する位置公差、導光板430を切断する過程で発生する公差、導光板430と光源480を位置合わせする過程で発生する公差を考慮すれば、最大公差は約0.5mm程度である。上述したように、0.75mmの間隔でも1nit以上の照明が保証されるため、0.75mmを間隔の上限値とする。したがって、導光板430と光源480との間隔は、照明用輝度を最大化し、製造工程上の不良率を最小化することができる範囲0〜0.75mmに限定でき、望ましくは0〜0.5mmの範囲に限定できる。
【0038】
図5に示すように、照明用輝度は導光板430の厚さに比例して増加するが、これはキーパッドアセンブリ400の全体の厚さを増加させる結果をもたらすので、その範囲が制限されなければならない。また、導光板430の厚さが一定値を超えると、輝度の増加が低減される。これは、一定値を超えると、キーパッドアセンブリ400の厚さが増加するだけで、照明用輝度には大きく寄与しないようになることを意味する。要約すれば、導光板430の厚さは適切に制限されなければならない。図5を参照すると、導光板430の厚さが0.4〜0.6mmの範囲に至ったときに、輝度の増加が顕著に鈍化する。また、導光板430の厚さが一定値を超えると、照明用輝度が低下する現象が発生する。例えば、導光板430及び光源480との間隔が0である場合に、導光板430の厚さが0.6mmを超えると、この照明用輝度が低下する。これは、光結合効率(optical coupling efficiency)が一定になり、光損失(optical loss)が増加するためである。これは、導光板430の厚さが、使用される光源480の厚さより大きく設定される必要がないことを意味する。
【0039】
以上、光源480と導光板430との関係について説明した。以下に、導光板430の厚さの影響を受けるクリック感について説明する。
前述したように、キーボタン424の操作によってスイッチ462・472が作動されなければならない。スイッチ462・472とキーボタン424との間に位置する導光板430は、弾性を有し、それによってキーボタン424を操作すると容易に変形されて復元されることができる。このような性能、すなわちキーボタン424の押し動作が容易になされる程度を一般にクリック感と称する。このクリック感は、導光板430の材質と厚さによって影響を受ける。
【0040】
図7は、キーボタン424の操作によるスイッチ462・472の作動を説明するための図である。図8は、キーボタン424に加えられる圧力曲線510とキーボタン424に及ぼす反発力曲線520を示すグラフである。
キーボタン424の操作(すなわち、ユーザーがキーボタン424を押す場合)によって、キーシート420の該当部分が下側に変形され、キーボタン424と整列される突起426が導光板430を押す。導光板430がこの圧力によって下側に変形されると同時に、キーボタン424と整列されるドーム462が下側に変形される。このような変形は、ドーム462がコンタクト部材472に密着されてこれ以上変形されない時点(TB)まで継続してなされる。その時点以後にユーザーがキーボタン424から手を離すと、キーボタン424に力が加えられる。これは、図8に示す時間軸に対する圧力変化の逆に該当する。
【0041】
図8を参照すると、ユーザーによってキーボタン424に加えられる圧力は、区間0−Tで非線形的に増加し、区間T−Tで減少し、T以後の区間で線形的に増加する。T以後の区間での圧力の線形的な増加は、ユーザーがキーボタン424に継続して圧力を加えることを意味する。
図8において、区間0−Tでキーボタン424に加えられる最大圧力を動作力と称し、Tでの反発力を復元力と称する。通常、クリック感は、動作力と復元力との比によって示される。クリック感が大きいほど、ユーザーは、クリックが確実かつ容易に行われたことを認識するようになる。動作力と復元力は、導光板430の曲げ強度に関係している。すなわち、導光板430の曲げ強度が高いほど、導光板430を変形することがより難しくなる。言い換えれば、ユーザーは、キーボタン424をクリックするために一層大きな力を加えなければならない。
【0042】
下記の<表1>は、多様なキーパッドアセンブリ構造において動作力及びクリック感とを比較して示すものである。
【0043】
【表1】

【0044】
上記の<表1>において、ポリカーボネート材質の導光板430が125μm、178μmの厚さを有する場合を比較する。
<表1>からわかるように、導光板430を使用した場合に、クリック感は、導光板430の厚さが大きいほど減少する。実験的に、導光板430の厚さが0.3mm以下である場合に、良好なクリック感が維持されることを確認することができる。したがって、導光板430がポリカーボネート材質である場合に、その厚さの上限値は、クリック感を考慮するときに0.3mmに制限することが望ましい。
導光板430がPMMA材質である場合には、曲げ強度がポリカーボネートより大きいため、より薄い厚さで良好なクリック感が維持される(実験的に、厚さが0.2mm以下である場合)。
【0045】
ゴム系列の材質(例えば、シリコン及びポリウレタン)は、プラスチック系列の材質(例えば、ポリカーボネート及びPMMA)に比べて数十〜数百倍大きい曲げ強度を有する。これは、ゴム材質の場合には非常に大きい厚さでも、良好なクリック感が維持されることを意味する。しかしながら、前述したように、光源480の厚さを超えると、照明用輝度の増加が鈍化されるため、望ましくない。また、これより大きい厚さでは、光源480の中心と導光板430の中心とが一致しない場合が発生して輝度が減少する。したがって、前述した材質に対して、導光板430の最大厚さは0.6mmに制限することが望ましい。導光板430の最小厚さは、照明用輝度によって制限される。特に、導光板430の厚さが薄いと、光結合の効率が低下して照明輝度が減少する。この厚さは、基準輝度以上の輝度を保証できるように制限され、一般に、キーボタンの文字が認識可能な基準輝度は1nitである。これは、図2に示す電界発光シート260を用いるキーパッドアセンブリ200に対して要求される基準輝度である。
【0046】
一側面において、このような基準輝度を保証するために、導光板430の最小厚さはおおよそ0.03mmでなければならない。
つまり、良好なクリック感及び基準輝度を提供する導光板430の厚さの範囲は、ゴム系列の材質(例えば、シリコン、ポリウレタン)である場合に0.03〜0.6mmであり、プラスチック系列の材質(例えば、ポリカーボネート、PMMA)である場合に0.03〜0.2mmである。これは、非常に薄い導光板430の製造工程が難しく、高コストとなることを考慮し、それに基づいた範囲である。
【0047】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲を外れない限り、様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0048】
300 キーパッドアセンブリ
310 キーパッド
320 キーシート
322 フィルム
324 キーボタン
330 導光板
332 導光板上面
334 導光板下面
336 導光板周辺部
340 突起
350 光抽出パターン
352 光抽出パターン中央部
354 光抽出パターン周辺部
360 スイッチ基板
370 ドームシート
372 ドーム
380 PCB
382 コンタクト部材
390 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム系列の材質からなり、0.3〜0.4mmの厚さを有する導光板と、
前記導光板に設けられ、前記導光板内に伝播する光を前記導光板の外部に出射するための少なくとも一つの光抽出パターンと、
少なくとも一つのスイッチを備え、前記導光板と対向して配置されたスイッチ基板と、
前記導光板の内部に光を結合させるための少なくとも一つの光源と、
を含むことを特徴とするキーパッドアセンブリ。
【請求項2】
前記導光板と前記光源との間隔は0.75mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項3】
前記導光板及び前記光源の間隔は0.5mm以下であることを特徴とする請求項2記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも一つのキーボタンと、その上面に前記キーボタンが形成されたフィルムを有するキーシートをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項5】
前記フィルムと前記導光板との間に空気層が維持されることを特徴とする請求項4に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項6】
前記フィルムは前記導光板の上面に付着されることを特徴とする請求項4に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項7】
前記導光板は、その下面に形成された少なくとも一つの突起をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項8】
前記光抽出パターンは、前記導光板の下面に形成され、前記突起の周辺に形成されることを特徴とする請求項7に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項9】
前記導光板の周辺部は前記スイッチ基板の上面まで曲がるとともに、延出していることを特徴とする請求項1に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項10】
前記導光板は、外部圧力により変形された後に元の形に戻ることを特徴とする請求項1に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項11】
前記キーシートは、前記フィルムの下面に形成された少なくとも一つの突起をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項12】
前記光抽出パターンの密度は、前記導光板内に伝播する光の方向に増加することを特徴とする請求項8に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項13】
前記光抽出パターンの要素はV字形であることを特徴とする請求項8に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項14】
前記光源は1200〜1600mcdの輝度であることを特徴とする請求項8に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項15】
ゴム系列の材質からなり、0.3〜0.4mmの厚さを有する導光板と、
前記導光板上に形成された複数のV字形の要素で構成され、前記導光板内に伝播する光の方向に密度が増加する少なくとも一つの光抽出パターンと、
少なくとも一つのスイッチを備え、前記導光板と対向して配置されたスイッチ基板と、
前記導光板の内部に光を結合させるための少なくとも一つの光源と、
を含むことを特徴とするキーパッドアセンブリ。
【請求項16】
前記導光板は自己復元力を有する材質からなることを特徴とする請求項15に記載のキーパッドアセンブリ。
【請求項17】
前記導光板と前記光源との間隔は0.75mm以下であることを特徴とする請求項15に記載のキーパッドアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−175981(P2011−175981A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123332(P2011−123332)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【分割の表示】特願2008−87803(P2008−87803)の分割
【原出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】