説明

キーパネルユニットおよび該キーパネルユニット搭載の電子機器

【課題】電子機器に搭載される操作キー部分の防水並びにコンパクトな載置構造を有するキーパネルユニットおよび該キーパネルユニット搭載の電子機器を提供する。
【解決手段】筐体の外面側に載置されるキー基板と、キー基板のさらに外面側に載置されるキーパネルユニットとを有する電子機器であって、前記キーパネルユニットは、キートップと、キーパネルと、キーシートと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面と該キーシートの外面とを接着する第1の両面テープと、該キーパネルおよびキーシートの内面側に載置され、前記キー基板の外面側全体を覆い周縁が前記筐体の外面にかぶさる防水シートと、該キーパネルの周縁の第2の内面と該防水シートの外面の周縁とを接着する第2の両面テープと、該防水シートの内面の周縁と前記筐体の外面とを接着する第3の両面テープとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、防水構造を有するキーパネルユニットおよび該キーパネルユニット搭載の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機(電子機器)は防水化が進み、携帯電話機に搭載される操作キー部分も防水構造が必要とされる。携帯電話機のキー構造は、電気接点のあるキー基板と、キー基板の電気接点を押下するキートップ等のキーパネルの組み合わせで構成される。この電気接点のあるキー基板への水の浸入を防止する必要があると共に、携帯電話機の筐体へのコンパクトな載置構造が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−33203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器に搭載される操作キー部分の防水並びにコンパクトな載置構造を有するキーパネルユニットおよび該キーパネルユニット搭載の電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態の電子機器は、筐体と、該筐体の外面側に載置されるキー基板と、該筐体およびキー基板のさらに外面側に載置されるキーパネルユニットとを有する電子機器であって、前記キーパネルユニットは、キートップと、該キートップが挿入される穴部が形成されたキーパネルと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面側に載置されたキーシートと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面と該キーシートの外面とを接着する第1の両面テープと、該キーパネルおよびキーシートの内面側に載置され、前記キー基板の外面側全体を覆い周縁が前記筐体の外面にかぶさる防水シートと、該キーパネルの周縁の第2の内面と該防水シートの外面の周縁とを接着する第2の両面テープと、該防水シートの内面の周縁と前記筐体の外面とを接着する第3の両面テープとを有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の各実施例に係る電子機器100の外観図。
【図2】本発明の実施例1に係る上筐体80の主面側の分解平面図。
【図3】本発明の実施例1に係る上筐体80のキー部等のX−X断面図。
【図4】本発明の実施例2に係る上筐体80の主面側の分解平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の各実施例に係る電子機器100の外観図である。電子機器100は、スライド型の携帯電話機の例であり、上筐体80と下筐体90とがスライド自在に係合される。下筐体90の主面には、テンキー91が載置される。上筐体80の主面には、キーパネルユニット20とディスプレイパネル40が載置される。
【0008】
次に、上筐体80の主面のキー部等の構造について説明する。なお、主面以外の側面および背面側の防水構造については、本発明の意図するところではなく、説明しない。
【実施例1】
【0009】
図2は、本発明の実施例1に係る上筐体80の主面側の分解平面図である。上筐体80の主面側には、キー基板30とディスプレイパネル40が載置される。キー基板30には、キードーム30aが形成され、キードーム30aの中にキー接点(不図示)があり、キー基板30を防水する必要がある。キーパネルユニット20は、キー基板30の外面側に取り付けられて、キー基板30の外面側を防水する。
【0010】
外面側とは、上筐体80の主面側で筐体外部への方向を以降称する。内面側とは、主面側で筐体内部への方向を以降称する。
キーパネルユニット20は、キー基板30の外面側を覆う全体部分であり、キー外面カバー10、両面テープ5(第2の両面テープ)、防水シート6、両面テープ7(第3の両面テープ)等から構成される。キー外面カバー10は、電子機器100の使用者が触れる最外面部分であり、キーパネル1、キートップ2、両面テープ3(第1の両面テープ)、キーシート4等から構成される。
【0011】
キー外面カバー10の詳細は、あと(図3)で説明する。両面テープ5は、中抜きの構造で、キー外面カバー10と、防水シート6とを接着する。
【0012】
両面テープ7は、中抜きの構造の防水両面テープであり、防水シート6とキー基板30の周縁側の上筐体80とを接着する。
【0013】
次に、X−Xで示したX−X断面について説明する。
図3は、本発明の実施例1に係る上筐体80のキー部等のX−X断面図である。
上筐体80の外面側には、キー基板30が載置される。キー基板30に形成されるキードーム30a等は図示を省略する。上筐体80には、配線穴80aが形成され、キー基板30と上筐体80の内部の回路基板(不図示)との間を接続する配線31が通される。
【0014】
このキー基板30を覆うように載置されて、キー基板30を防水するキーパネルユニット20について次に説明する。
キーパネルユニット20は、キー外面カバー10(=符号1〜4)と、両面テープ5(第2の両面テープ)、防水シート6、両面テープ7(第3の両面テープ)等から構成される。
【0015】
キー外面カバー10(=符号1〜4)について説明する。キーパネル1には、穴1a、第1の内面部1b、第2の内面部1cが形成される。穴1aには、キートップ2が載置される。キーパネル1の第1の内面部1bおよびキートップ2の内面部2bに対して、キーシート4が両面テープ3で接着される。このキー外面カバー10のキーパネル1の第2の内面部1cに対して、防水シート6が両面テープ5で接着される。この両面テープ3と両面テープ5は、それぞれの両面側の部材を接着するためであり、接着部分の幅W1、W2は、防水機能については考慮せず、接着強度のみを考慮した狭い幅とすることができる。
【0016】
防水シート6の内面側には、さらに両面テープ7が貼り付けられている。以上の符号1〜7から構成されるユニットがキーパネルユニット20である。
【0017】
このキーパネルユニット20をキー基板30を覆うようにかぶせて、両面テープ7によりキー基板30の周縁側外部の上筐体80に接着する。キー基板30は、外面側が全て防水シート6で覆われ、また、横方向は、両面テープ7で接着されているので、キー基板30を防水することができる。両面テープ7の接着部分の幅W3は、防水性能上、所定値以上の幅が必要である。このキーパネルユニット20をキー基板30を覆うようにかぶせて、両面テープ7で接着することで、キーパネルユニット20自体の上筐体80への取り付けが完了する。
【0018】
本発明の実施例1によれば、キーパネルユニット20自体でキー基板30への防水機能を有しており、キーパネルユニット20を上筐体に接着することで、防水シート6と両面テープ7による防水と上筐体への取り付けとを完了することができる。
【0019】
しかも、両面テープ3と両面テープ5の接着部分の幅W1、W2は、防水機能については考慮せず、接着強度のみを考慮した狭い幅でよいため、キーパネルユニット20の占める面積を増やすことがなくなる。また、使用者が操作するキートップの面積を小さくする必要がなくてすむ。
【0020】
このように、防水機能を有すると共に、全体の占有面積が小さく、キートップの操作性のよいキーパネルユニット20とすることができる。
【実施例2】
【0021】
図4は、本発明の実施例2に係る上筐体80の主面側の分解平面図である。実施例1と同様に、キー基板30への防水機能は、防水シート6と両面テープ7による防水を行う。実施例1との相違点は、キーパネル1をディスプレイパネル40の方へ延伸して、ディスプレイパネル40と接着することで、主面のデザインが、キーパネル1とディスプレイパネル40と一体化したデザインとすることができる点である。以下、相違点を主に説明する。
【0022】
ディスプレイパネル40は、上筐体80の外面側で、キー基板30と同じ面に両面テープ41(第5の両面テープ)により接着される。
キーパネルユニット20のキーパネル1は、ディスプレイパネル40の方へ延伸した延伸部1dを有する。この延伸部1dを両面テープ8(第4の両面テープ)によりディスプレイパネル40に接着する。また、キーパネルユニット20は、両面テープ7により上筐体80に接着される。これにより、キーパネルユニット20は、上筐体80に取り付けられる。
【0023】
本発明の実施例2によれば、キーパネルユニット20自体でキー基板30への防水機能を有しており、キーパネルユニット20を上筐体に接着することで、この防水と上筐体への取り付けとを完了することができる。さらに、主面のデザインがキーパネル1とディスプレイパネル40と一体化したデザインとすることができる。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
1 キーパネル
1a 穴
1b 第1の内面部
1c 第2の内面部
1d 延伸部
2 キートップ
2a 外面部
2b 内面部
3 両面テープ(第1の両面テープ)
4 キーシート
5 両面テープ(第2の両面テープ)
6 防水シート
7 両面テープ(第3の両面テープ)
8 両面テープ(第4の両面テープ)
10 キー外面カバー
20 キーパネルユニット
30 キー基板
30a キードーム
31 配線
40 ディスプレイパネル
41 両面テープ(第5の両面テープ)
80 上筐体
80a 配線穴
90 下筐体
91 テンキー
100 電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、該筐体の外面側に載置されるキー基板と、該筐体およびキー基板のさらに外面側に載置されるキーパネルユニットとを有する電子機器であって、
前記キーパネルユニットは、
キートップと、該キートップが挿入される穴部が形成されたキーパネルと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面側に載置されたキーシートと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面と該キーシートの外面とを接着する第1の両面テープと、該キーパネルおよびキーシートの内面側に載置され、前記キー基板の外面側全体を覆い周縁が前記筐体の外面にかぶさる防水シートと、該キーパネルの周縁の第2の内面と該防水シートの外面の周縁とを接着する第2の両面テープと、該防水シートの内面の周縁と前記筐体の外面とを接着する第3の両面テープとを有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
筐体の外面側に載置されるキー基板のさらに外面側に載置されるキーパネルユニットであって、
キートップと、該キートップが挿入される穴部が形成されたキーパネルと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面側に載置されたキーシートと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面と該キーシートの外面とを接着する第1の両面テープと、該キーパネルおよびキーシートの内面側に載置され、前記キー基板の外面側全体を覆い周縁が前記筐体の外面にかぶさる防水シートと、該キーパネルの周縁の第2の内面と該防水シートの外面の周縁とを接着する第2の両面テープと、該防水シートの内面の周縁と前記筐体の外面とを接着する第3の両面テープとを有する
ことを特徴とするキーパネルユニット。
【請求項3】
筐体と、該筐体の外面側に載置されるキー基板およびディスプレイパネルと、該筐体およびキー基板のさらに外面側に載置されるキーパネルユニットと
を有する電子機器であって、
前記キーパネルユニットは、
キートップと、該キートップが挿入される穴部が形成されたキーパネルと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面側に載置されたキーシートと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面と該キーシートの外面とを接着する第1の両面テープと、該キーパネルおよびキーシートの内面側に載置され、前記キー基板の外面側全体を覆い周縁が前記筐体の外面にかぶさる防水シートと、該キーパネルの第2の内面と該防水シートの外面とを接着する第2の両面テープと、該防水シートの内面の周縁と前記筐体の外面とを接着する第3の両面テープと、該キーパネルの前記ディスプレイパネル側に対峙する部分を前記ディスプレイパネル側へ延伸し、該延伸部分の内面と前記ディスプレイパネルの外面とを接着する第4の両面テープとを有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
筐体の外面側に載置されるキー基板およびディスプレイパネルのさらに外面側に載置されるキーパネルユニットであって、
キートップと、該キートップが挿入される穴部が形成されたキーパネルと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面側に載置されたキーシートと、該キートップおよびキーパネルの第1の内面と該キーシートの外面とを接着する第1の両面テープと、該キーパネルおよびキーシートの内面側に載置され、前記キー基板の外面側全体を覆い周縁が前記筐体の外面にかぶさる防水シートと、該キーパネルの第2の内面と該防水シートの外面とを接着する第2の両面テープと、該防水シートの内面の周縁と前記筐体の外面とを接着する第3の両面テープと、該キーパネルの前記ディスプレイパネル側に対峙する部分を前記ディスプレイパネル側へ延伸し、該延伸部分の内面と前記ディスプレイパネルの外面とを接着する第4の両面テープとを有する
ことを特徴とするキーパネルユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−59487(P2012−59487A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200633(P2010−200633)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】