説明

クラム及びパウダーゴムの製造方法及び製造装置

使用済みのゴム製品からクラム及びパウダーゴムを製造する方法を提供することを目的とする。また、所定の粒径範囲を有するクラム及びパウダーゴムを製造する装置を提供することを目的とする。本発明によれば、クラム/パウダーゴムを製造する方法及び装置が提供される。この方法及び装置は、冷却手段によって達成される冷却段階を含み、その温度、または、低温で冷却されて前処理されたゴム粒子は制御される。その方法及び装置は、粉砕手段によって達成される粉砕段階をさらに含み、粉砕の程度、すなわち生成物の粒径範囲は、制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再利用されるゴム供給源からクラムゴムとパウダーゴムを製造する方法及び装置を対象とする。より詳細には、本発明は、所定の粒径範囲を有する、前処理された使用済みのゴム粒子の供給源からクラムゴムとパウダーゴムを製造する方法及び装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
使用済みのタイヤが廃棄物処理場を制圧し、タイヤや類似のゴム粒子の無差別な廃棄が主たる環境問題を引き起こしている限りにおいて、使用済みのタイヤと他のゴム粒子の廃棄が主たる環境問題であることが長い間知られている。環境問題としてそれらを削減するだけではなく、それらのタイヤ廃棄処理の実行に対して報奨を与えるという方式でタイヤ廃棄物に対してプロセスが開発されたのは、この理由のためである。
【0003】
これらのプロセスは、最初は自動車タイヤの大きな可燃容量の固有の燃料価値を回収するタイヤ粉砕に注目した。最近になって、ゴムを含む製品の製造における再利用のために、自動車タイヤのゴム構成物を回収するプロセスが開発された。
【0004】
これらのプロセスは、新しいゴム製品をさらに製造することにおいてゴムの実用性のためのプロセスを提供することによって環境保護を促進したけれども、これらのプロセスに関連する主要な関心事は、買い手の生産供給装置に容易に取り入れることができるゴム材料をこれらのプロセスで生産されたゴム生成物の買い手に提供することについての能力のなさであった。すなわち、粉砕変数と種類の任意性や使用済みの自動車タイヤ供給物の状態は、不揃いなゴム生成物を提供している。おそらく、この不揃いの生産の最も望ましくない結果は、予測できないゴム生成物の粒径分布である。すなわち、活発な市場がクラムゴムとパウダーゴムのために存在するけれども、クラムゴムやパウダーゴム生成物の対象購入者でもある、タイヤや他のゴム製品の製造者に要求される粒度分布範囲のクラムゴムやパウダーゴムを製造する能力が欠けていたため、この市場は完全に利用されなかった。
【0005】
米国特許第5,588,600号明細書は、タイヤの低温粉砕の方法と装置を記述しており、粉砕が効率的に生じることができるようにタイヤを脆化するために採用される低温流体は再利用される。この方法は、タイヤや他のゴム製品の製造業者に望まれる、十分に小さい粒度のクラムゴムを作り出す。しかしながら、米国特許第5,588,600号明細書の方法でさえ、生成物のゴム粒径範囲が新しいタイヤや他のゴム生成物製品の製造業者である取引先によって切望されるという保証はない。
【0006】
ゴムを微小な粒径に縮小するための方法と装置の他の開示が米国特許第5,368,240号明細書と米国特許第4,863,106号明細書に含まれている。これらの開示の両方ともが低温流体を使用した微小サイズのゴムを製造する方法を記述しているけれども、これらの文献のいずれもそのような方法の商業化を高めるための生成物の粒径範囲を注文設計するための手段を開示していない。
【0007】
上記の所見は、環境の面から使用済みのゴム製品、特にタイヤを消費するだけではなく、タイヤや他のゴム生成物の製造業によって望まれる所定の粒径範囲と増大する量を提供する限りにおいて非常に市場性が高いクラム及びパウダーゴム生成物を製造する新しい装置や方法におけるこの分野での必要性を証明する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、使用済みのゴム製品からクラム及びパウダーゴムを製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、所定の粒径範囲を有するクラム及びパウダーゴムを製造する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここに、タイヤや他のゴム製造者がタイヤや他のゴム生成物の量産にそのようなクラム及びパウダーゴムを利用でき、所定の濃度において予測可能で予め決めておくことができる粒径範囲のクラム及びパウダーゴムを提供する方法と装置が開発される。この方法は、使用済みのタイヤや他の使用済みのゴム製品に存在する繊維や金属やそれらの類似物のような異物を実質的に提供しない。
【0010】
本発明によれば、使用済みのゴム製品からクラム及びパウダーゴムを製造する方法が提供される。この方法では、粒子の製造温度を厳格に制御することを可能にする状況で所定の粒径範囲のゴム粒子は低温流体によって冷却される。その後直ぐに、その冷却された粒子は、粉砕された生成物の減少した粒径範囲の正確な制御を可能にする状況下で粉砕される。縮小された粉砕ゴム粒子は、所望のクラム及びパウダーゴム粒径範囲に選別される。
【0011】
さらに本発明によれば、所定の粒径範囲を有するクラム及びパウダーゴムを製造する装置が提供される。その装置は、タイヤや他のゴム製品から粉砕されて前処理された所定粒径範囲の使用済みのゴム粒子の流体を冷却する冷却手段を含む。その装置は、冷却されたゴム粒子を所定の粒径範囲に粉砕する手段または造粒する手段を含む。その装置は、粉砕されたゴム粒子を選別するための選別手段をも有して提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、添付された図面を参照することによって、より理解されるであろう。図1は、本発明の製造方法及び製造装置の概略的なフローチャートであり、図2は、凍結するように制御されたゴム粒子を提供する冷却室の配置図であり、図3は、制御された粒径の生成物を提供する粉砕装置の概略正面図である。
【0013】
本発明の方法及び装置は、使用済みのゴム、特に使用済みタイヤの導入によって開始される。ある好ましい実施形態では、使用済みの自動車タイヤや他の使用済みのゴム製品を不規則に粉砕する実需筋から入手したゴム原料が利用される。そのような材料は、供給物計量ホッパー1に詰め込むことによって、本発明の方法と装置に導入される。このゴムは、通常、大袋(スーパーサック)の量で受け取られる。
【0014】
ある望ましい実施形態では、供給ゴム粒子は金属検知器の上に通され、好ましくは、それは、混入金属を意味する大きな鉄金属粒子を発見するための強さに調整される電磁場である。混入金属は、使用済みのスチールベルトを含むタイヤの粉砕がもたらす小さな鉄の粒子から区別される。これは、金属検知部2として図に示される。金属検知部2は、好ましくは大きな金属物を識別するために調整される電磁場である。小さい鉄の金属破片が識別されないように、すなわち取り除かれないように、電磁場の強度は調整される。本装置に導入される前に取り除かれなければ本発明の方法や装置に使用される機器を損傷するだろう大きな金属物から機器を保護するために混入金属検知が採用されることは強調される。混入金属の除去は手動操作であり、識別された大きな金属物は供給材料から物理的に取り除かれる。
【0015】
それから、混入金属(トランプメタル)が含まれていない供給材料は、第1造粒手段3に搬送される。第1造粒手段3は、回転手段と、それらの間でゴム粒子が造粒される固定羽根とによって進行粒子(course particle)の造粒を達成する。一般に、第1造粒手段は、およそ0.1875インチと米国篩サイズ番号30(US sieve size No.30)を通過する粒子の大きさとの間の範囲にその粒子を縮小させる。この造粒作業が周囲の熱力学条件下で起こることは強調される。
【0016】
造粒手段3に存在している粒化された粒子は、第1鉄金属除去手段4に搬送され、ここで、スチールベルトタイヤから得られたゴム粒子の造粒のために遊離された鉄合金破片は、造粒生成物を搬送するコンベアに好ましくは垂直に配置された磁気ベルトによって造粒された生成物の流れから取り出される。そのような配置がクロスベルト磁石を意味することを当業者は理解する。
【0017】
他の実施形態において、前述の処理ステップは、造粒手段3で得られるものとほぼ同じ粒径範囲に造粒されている規格外ゴム粒子のベンダーからの領収書に有利になるように省略され、第1鉄金属除去手段4で行うのと同じ鉄金属除去処理にかけられる。これは規格外スーパーサック供給ホッパー(off-specification supersack feeding hopper)5として図中に示されている。実際、本発明の方法と装置は、ホッパー5と第1鉄金属除去手段4との組合せを採用した実施形態を意図する。
【0018】
除去手段4、ホッパー5、またはその両方からのこの材料は、第1選別/第1繊維除去手段6に搬送される。この第1選別/第1繊維除去手段6は、大き過ぎる粒子を除去する篩(スクリーン)を含む。望ましい実施形態では、第1選別機(スクリーナー)は、約0.1875インチを越えるサイズを有する粒子を除去する。
【0019】
この選別装置は、規格内のサイズの粒子より大きなサイズの粒子を分離することを補助するための振動に頼っている。これらの振動によって起こされた外乱は、この処理段階が繊維撤去を含むことができるようにする。その造粒段階は、特にゴム粒子が自動車タイヤから得られる場合には、高濃度の繊維糸や繊維毛羽立ち(以下、“繊維”と呼ぶ)を作り出す。広い表面領域上に配置された粒子は、選別機の上流端から下流端まで移動する。この振動によって生じた外乱は、密度によってより軽い繊維をより重いゴム粒体から分離する「流動床」効果を形成する。下流端までの所定の距離において、ゴム粒体と繊維を含む固体流は、その流れが通過するために到達しなければならないバリアウェッジに遭遇する。この仕切り(バリア)は、さらに固体粒子の流れをかき回し、より重いゴム粒子からより軽い繊維をさらに分離する。第1選別/繊維除去装置6は、バリアウェッジの上流に配置された狭くて調整可能な幅を有する排気フードを含む。排気フードの長さは、繊維分離機の幅と同じである。この排気フードは、原料の上部からより軽い繊維を吸引する。その流動床より上の高さを有し、吸引が調整可能な排気フードは、繊維取込速度を制御する。
【0020】
第1選別/第1繊維除去手段6は、第2バリアウェッジを含む。粒子流体が第1バリアウェッジに遭遇する時にほとんどの繊維は除去されるけれども、第2バリアウェッジで更なる繊維吸引が起こる。第1選別/第1繊維除去手段6における吸引によって除去された抽出繊維は、ユニット集塵機(unit cyclone)/バグハウス9に運ばれる。ユニット集塵機/バグハウス9は、最適の繊維取込速度と最小の製品損失を可能にする。
【0021】
第1選別/第1繊維除去手段6の篩(スクリーン)を通過した粒子は、前処理ゴム粒子ホッパー8に搬送される。第1選別/第1繊維除去手段6のスクリーンを通過しない粒子は、第2造粒手段7に搬送される。第2造粒手段7は、望ましい実施形態では、第1造粒手段3を構成する装置と実質的に同一の装置である。同様に、第2造粒手段7におけるゴム粒子の処理は、第1造粒手段3で実施される処理を手本とする。従って、造粒は、大気圧及び大気温度で実施される固定羽根と回転羽根との間の粒子の造粒に依存する。第2造粒手段7に存在する生成物は、第1選別/第1繊維除去手段9に戻して再利用され、前述の処理が繰り返される。
【0022】
本発明の他の望ましい実施形態においても、前処理ゴム粒子ホッパー8に存在するゴム粒子生成物に相当するゴム粒子生成物は利用される。本発明の方法と装置のオペレーターによって指示された規格要求に適合するベンダーによって供給される、この同等の生成物はスーパーサックに詰め込まれ、ホッパー8と実質的に等しい前処理スーパーサック供給ホッパー(preprocessed supersack feeding hopper)11に詰め込まれる。
【0023】
ホッパー8、ホッパー11、または両方から搬送された生成物は、第2鉄金属/繊維除去手段30に搬送される。第2鉄金属/繊維除去手段30は、好ましい形態では、粒子を分離するためにかき混ぜられるゴム粒子流体をメッシュ表面に配置することによって提供される。強い鉄金属の引力を提供する磁気ドラムは、好ましくは希土類磁気ドラムであるが、鉄金属粒子を取り除く。同時に、混合は、メッシュコンベヤ表面上の非金属粒子の上昇を生じさせ、ここで、高上昇・低密度繊維粒子は、吸引によって低上昇・高密度ゴム粒子から分離され、容易に除去されるように、低密度繊維粒子は、高密度ゴム粒子上で分離する。吸引された繊維は、繊維集塵機/バグハウス(fiber cyclone and baghouse)9に搬送される。
【0024】
ゴム粒子生成物の繊維除去への関心は、第3繊維除去手段32で生じる次の処理段階によって強調される。第3繊維除去手段32は、好ましくは遠心分離機を採用する。その粒子は、第2繊維除去手段30における鉄金属と繊維との除去の後に、羽根車(インペラ)を有して提供される円筒形状のスクリーン容器に導入される。羽根車が回転すると、遠心力は所望の微粒子がスクリーンを通過し、装置の底に放出することを引き起こす。大き過ぎる粒子と繊維はまごつき、スクリーンを通過することができず、分離流路を通って放出される。
【0025】
したがって、処理されたゴム粒子流体は、制御された流量を提供する放出物計量部を有して提供された収納箱10に搬送される。収納箱10からの計量されたゴム粒子流体は、少なくとも1つの冷却手段12に供給される。図に示されている望ましい実施形態では、2つの並列の冷却手段12、12’は、向上された生産性を提供するために採用される。
【0026】
冷却手段12は、ゴム粒子の温度を厳密に制御することができることによって特徴付けられ、その中でゴム粒子は処理される。この制御は、冷却剤、好ましくは低温流体の制御の結果である。望ましい低温流体は液体窒素である。これは、液化したアルゴン、ネオンまたはヘリウムのような液体不活性ガスが使われることができないと言っているわけではない。しかしながら、大気圧で非常に低い温度を有し、比較的低コストで容易に入手することができる液体窒素は、液化された不活性ガスに対して著しく大きいコスト利点を有している。しかしながら、特別な状況が正当化する場合、液化された不活性ガスが使用されるかもしれない。
【0027】
低温流体は、通常液体窒素であるが、制御された容積流速で、噴射ノズル、ポート、多岐管あるいは同種のものを使って、円筒形状の容器13に供給される。液体窒素は、注入口端と排出口端との間のほぼ中間まで円筒形状の容器13に導入される。熱伝導の分野の当業者に知られているように、冷却効率は、収容箱10からのゴム粒子流体の測定された導入と同時に、ゴム粒子の冷却中に液体窒素の加熱から得られる低温の蒸発した窒素ガスを容器13の注入口端に再循環することによって最大化される。この予冷は、液体窒素によって予め達成されるゴム粒子流体の最終冷却をより効率的にする。
【0028】
収容箱10からのゴム粒子流体は、ゴム粒子流体16によって示されるように回転オーガー(rotating auger)14に搬送され、その速度、従って、ゴム粒子が冷却手段12に残っている存続時間は、オーガー速度を制御する変速ローター15によって制御される。従って、ゴム粒子供給速度、オーガーを回転するモーターの速度、低温流体の容量供給速度の組合せは、冷却手段12に存在する冷却されたゴム粒子の温度の制御を可能にする。図に示されるように、蒸発した冷たい窒素ガス18は、ゴム粒子流体16と同時に流れるように円筒形容器13の注入口に再循環される。
【0029】
冷却手段12は、円筒形容器13の下流端の下流に配置される粉砕手段20と連通している。冷却手段12と粉砕手段20は、円筒形容器13に残っている冷却されたゴム粒子19の正確な所望の量が粉砕手段20に導入されるように調整される。
【0030】
粉砕手段20は、そこで造粒されたゴムの粒径分布の正確な制御を提供する。粉砕手段20は、アウター逆円錐部(outer inverted cone)22を含む。アウター逆円錐部22の内表面23は、鋸歯状であり、一般的な衝撃式製粉機であらゆる衝撃表面が行うように振る舞う。一般的な衝撃式製粉機の衝撃面に対応する構成要素は、多数のナイフの刃(エッジ)25を有して提供される逆円錐形表面24である。衝撃表面24は、ローター27によって回転可能であり、矢印26によって示されるように回転される。ゴム粒径分布の制御は、アウター逆円錐部22の調整機能に起因する。アウター逆円錐部22は、矢印29で示されるように上下させることができる。アウターの逆円錐部22を上昇させることは、回転ナイフ25と逆円錐部22の鋸歯状の表面23との間の空間を増加させる。従って、要求される生成物の粒径範囲に依存して、アウターの逆円錐部22は、より正確なサイズのゴム粒子を得るために下方に移動される。明らかに、アウター逆円錐部22の上方への移動は、より大きなサイズのゴム粒子をもたらす。
【0031】
動作中、冷却手段12から放出された凍結したゴム粒子19は、粉砕手段20の上部に入り、衝撃面24のナイフ25とアウター逆円錐部22の鋸歯状の表面23との間に落下する。衝撃面ローター27は、ナイフ25と鋸歯23との間のゴム粒子を粉砕するために所望の回転速度で衝撃面を回転させる。
【0032】
上記で議論され、図面で示された好ましい実施形態では、粉砕手段20は円錐形状である。粉砕手段20を製造する材料は、低温条件で動作するように設計される。好ましい実施形態では、アウタージャケットは、低温動作温度に耐えることができる鋳造金属合金である。アウター逆円錐部22は、清掃、標準的なメンテナンス、応急修理のために水圧で取り外し可能である。望ましい実施形態では、衝撃面24は、約1800RPMの速度で回転する。円錐形の表面24の上に配置されるナイフ25は、好ましくは“C”形状であり、アウター逆円錐部22の内部表面23上の鋸歯状の縁で補足的に組み合わされる。ナイフ25は、研磨と交換のために取り外し可能である。
【0033】
粉砕手段20の動作は、粉砕手段20の上部を通して供給され、衝撃面24の上にある一連の水平ナイフ25に直ぐに衝突する材料、すなわち冷却されたゴム粒子の導入と共に開始される。水平列における表面24のナイフ25の数がより高い削り速度を有する下方で増加する限りにおいて、ゴム粒子流体が粉砕手段20の下方に流れるにつれてゴム粒子の粒径の減少は続く。ゴム粒子流体は、粉砕手段20の底部に最終的に放出される。
【0034】
上述のように、望ましい実施形態では、生産量を増加するために、本発明の方法と装置は並列した同一の粉砕手段を含んでいてもよい。その望ましい実施形態では、図に示されるように、並列の手段20と同一である並列の粉砕手段20’が提供される。この望ましい実施形態では、粉砕手段20に搬送される冷却手段12のゴム粒子生成物19と同時に、冷却手段12’のゴム粒子生成物は、粉砕手段20’に供給される。1つあるいは2つの冷却手段と粉砕手段が利用されようとも、粉砕手段20、または、粉砕手段20と20’のゴム粒子生成物は乾燥手段35に搬送される。
【0035】
乾燥手段35は、主として粉砕手段20の粉砕処理のゴム粒子生成物の温度を周囲の温度に上昇させるために提供される。望ましい実施形態では、乾燥手段35は、乾燥されたゴム粒子生成物を“洗浄”するためのガス噴流手段(好ましくは空気)を有して提供される回転式乾燥機によって提供される。この“洗浄”は、ゴム粒子と繊維をかき混ぜる効果があり、従って繊維の吸引によってゴム粒子生成物からより低密度の繊維を分離する。再び、この繊維は、繊維集塵機/バグハウス9に搬送される。
【0036】
乾燥手段35の下流に、鉄金属と繊維を除去するための最終鉄金属/第4繊維除去手段50は提供される。鉄金属除去手段50は、乾燥手段35の乾燥されたゴム粒子生成物を受け取るものであるが、乾燥手段35の直ぐ下流に配置される。望ましい実施形態では、鉄金属除去手段50は、希土類ドラム磁石の形態である。
【0037】
この処理ステップにおいて、金属粒子がドラム磁石に引き付けられて除去される振動スクリーン上で乾燥されたゴム粒子は、好ましくは鉄金属粒子から分離される。同時に、スクリーンの振動動作は、より高密度の粒子からより低密度の繊維の密度分離をもたらす。この分離された繊維は除去されて、繊維集塵機/バグハウス9に移動される。
【0038】
さらにもう1つの繊維分離は、上記の繊維除去段階の下流で起こる。この処理段階は、第5繊維除去手段60によって提供される。繊維除去手段60は、望ましい実施形態では、鉄金属を含まないゴム粒子を遠心分離機に搬送することを含み、ここで、ゴム粒子流体に存在する繊維は除去され、繊維集塵機/バグハウス9に搬送される。その遠心分離機は、第3繊維除去手段32と同型のものであり、同様に動作する。
【0039】
クラムゴムとパウダーゴムとを製造する本発明の方法と装置がゴム粒子生成物流体からの繊維除去を含むことを上述の記載は何度も強調する。本発明がゴム生成物、特にタイヤの成功した製造における繊維除去に対する重要性を示すということを当業者は理解できる。したがって、この考えと一致して、選別処理段階である、本発明の方法と装置における最終段階は、繊維除去を含む。
【0040】
第1の最終選別作業は、繊維除去手段60に存在するゴム粒子生成物を二層選別手段65に搬送することである。二層選別手段65は、クラム及び/又はパウダーゴム購入者の要求を満たすには大き過ぎるサイズの粒子を除去する選別機(スクリーナ)を含む。典型的に、米国篩サイズ番号40(US sieve size No.40)のスクリーンを通過しない粒子は大き過ぎるため、クラムゴムとして効果的ではない。従って、望ましい実施形態では、そのスクリーナーは米国篩サイズ番号40である。このスクリーンを通過しない粒子は、再処理のために収容箱10に戻して再利用される。
【0041】
米国篩サイズ番号40のスクリーンを通過する粒子は、最終の三層選別手段70に搬送される。実際に、望ましい実施形態では、そのような2つの選別手段が提供される。これは、第2の三層選別手段70’として図に示されている。
【0042】
三層選別手段70は、クラムゴムとパウダーゴムを定義する、受け入れられるサイズの限界値内の粒径の分離を可能にする。これは、微小選別機の上にコーサー選別機(courser screener)を配置することによって達成され、その結果、本発明の方法と装置の生成物である3つの異なる粒径の生成物をもたらす。
【0043】
望ましい実施形態では、上部のコーサー選別機を通過しないゴム粒子を構成する上層生成物は、三層選別手段70で採用された好ましいコーサーサイズのスクリーンである、米国篩サイズ番号40よりは小さく、米国篩サイズ番号80よりは大きい粒径のゴム粒子である。この生成物は、流路手段71と流路手段71’(存在する場合)によって収容箱75に搬送される。収容箱75へのこの搬送は、以下で議論される他の2つの生成物の搬送装置である空気装置によって達成される。
【0044】
三層選別手段70で取り出されたゴム粒子の第2の中間の切断片は、微小選別機を通過するには大き過ぎるが、コーサー選別機を通過する粒子を含む。望ましい実施形態では、微小選別機は、米国篩サイズ番号140のスクリーンによって提供される。従って、微小選別機によって保持された粒子は、流路手段71と流路手段72’(存在する場合)を通して収容箱78に搬送される。収容箱78は、米国篩サイズ番号80を通過するが、米国篩サイズ番号140を通過しない粒子の粒径範囲を有するゴム粒子を保持する。
【0045】
パウダーゴムを代表とする第3のゴム粒径生成物は、微小選別機、すなわち、米国篩サイズ番号140(US sieve size No.140)のスクリーンを通過する粒子を含む。“140”で示されるその切断片は、流路手段73と流路手段73’(存在する場合)によって収容箱80に空気圧で搬送される。
【0046】
再び繊維除去に戻って、繊維は、三層の生成物のそれぞれから吸引で除去され、繊維集塵機/バグハウス40に導かれる流路手段に放出される。
【0047】
これらの生成物の購入者に搬送されるために、収容箱75、78、80が袋詰め/計量手段(不図示)を有して提供されることは強調される。
【0048】
上記の実施形態は、本発明の目的及び思想を例示するために提供される。これらの実施形態から当業者には他の実施形態や実施例が明らかであろう。これらの他の実施形態や実施例は、本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の製造方法及び製造装置の概略的なフローチャートである。
【図2】凝固するように制御されたゴム粒子を提供する冷却室の配置図である。
【図3】制御された粒子サイズ生成物を提供する粉砕装置の概略正面図である。
【符号の説明】
【0050】
12 冷却手段
13 円筒形容器
15 変速ローター
16 ゴム粒子流体
18 窒素ガス
19 冷却されたゴム粒子
20 粉砕手段
22 アウター逆円錐体
23 内表面
24 円錐形表面
25 ナイフエッジ
26 矢印
27 ローター
29 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)所定の粒径範囲を有する前処理された使用済みのゴム粒子の流体を低温流体を用いて冷却し、前記粒子の最終の冷却温度を制御する段階と、
(b)前記冷却されたゴム粒子の流体を粉砕し、前記粉砕されたゴム粒子の粒径分布を制御する段階と、
(c)前記粉砕された粒子の流体を所望のクラム及び/又はパウダーゴム粒径範囲に選別する段階と、を含むクラム及びパウダーゴムの製造方法。
【請求項2】
前記使用済みのゴム粒子は、使用済みの自動車タイヤの粒子である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記段階(a)の前に、
(i)あらゆる混入金属の除去後にゴム粒子の初期充填物を粒状にし、
(ii)前記粒状にされた粒子から鉄金属を除去し、
(iii)前記粒状にされた粒子から繊維を選別すると同時に除去することを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記段階(iii)の後であって前記段階(a)の前に、前記選別された粒子から鉄金属と繊維とを除去することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維除去段階は、前記ゴム粒子を撹拌し、高密度ゴム粒子から低密度繊維を吸引することを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記(a)段階における粒子温度の制御は、前記低温流体を用いた前記ゴム粒子の接触の継続時間の制御を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ゴム粒子温度の制御は、前記ゴム粒子に接触する前記低温流体の体積流量制御を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記(b)段階における前記粒径分布の制御は、衝撃表面速度を変化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粒径分布の制御は、前記衝撃表面と跳ね返り表面との空間を変化することをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記低温流体は、液体窒素である請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記(b)段階の後に、低温で冷却されたゴム粒子の前記粉砕流体は乾燥され、大気温度にされる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記(b)段階の後に、低温で冷却されたゴム粒子の前記粉砕流体は乾燥され、前記粉砕流体に存在する繊維は除去される請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記ゴム粒子の乾燥された流体の中の鉄金属と繊維は除去される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
鉄金属と繊維が除去された前記ゴム粒子流体は、クラムゴムの最大粒径を越える粒径を有するゴム粒子を除去するために選別され、さらに繊維が除去される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
過大サイズの粒子が除去された前記粒子は、クラム及びパウダーゴムの粒径範囲内で3つのゴム粒径に選別される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゴム粒子は、米国篩サイズ番号40を通過するが米国篩サイズ番号80を通過しない粒子の第1粒径範囲と、米国篩サイズ番号80を通過するが米国篩サイズ番号140を通過しない粒子の第2粒径範囲と、米国篩サイズ番号140を通過する粒子の第3粒径範囲と、を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前処理された使用済みゴム粒子の流体と低温流体とを導入する手段によって提供される、所定の粒径範囲を有する前処理された使用済みゴム粒子の流体を冷却する冷却手段であって、前記ゴム粒子が所定の温度まで冷却されるところの冷却手段と、
前記所定の温度で前記冷却されたゴム粒子を前記所定の粒径範囲まで粉砕する粉砕手段と、
前記粉砕されたゴム粒子を所望のクラム及び/又はパウダーゴム粒径範囲に選別する選別手段と、を含むクラム及びパウダーゴムを製造する装置
【請求項18】
前記使用済みのゴム粒子は、使用済みの自動車タイヤ粒子である請求項17に記載の装置。
【請求項19】
使用済みゴム粒子の初期充填物に存在する混入金属を除去するための金属検知手段と、
前記初期充填物を粒状にするための第1造粒手段と、
前記造粒されたゴムから鉄金属と繊維とを除去するために繊維除去手段を有して提供される第1鉄金属除去手段と、
前記造粒された粒子を選別するために繊維除去手段を有して提供される第1選別手段と、を含み
前記手段の全ては前記冷却手段の上流側に配置されている請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第1選別手段を通過しないゴム粒子の造粒のための第2造粒手段と、
前記第1及び第2造粒手段に存在する前記ゴム粒子を保持するための前処理ゴム粒子ホッパーと、を含む請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記前処理ゴム粒子ホッパーに存在する前処理ゴム粒子から鉄金属と繊維とを除去するための第2鉄金属/繊維除去手段を含む請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第2鉄金属/繊維除去手段に存在する前記ゴム粒子から繊維を除去するための第3繊維除去手段を含む請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記全ての除去手段で除去された除去繊維の保管用の繊維集塵機とバグハウスとを含む請求項22に記載の装置。
【請求項24】
第1選別/繊維除去手段に規格外の使用済みゴム粒子を導入するための規格外スーパーサック供給ホッパーを含み、
前記規格外の使用済みゴム粒子は、過大な粒子を除去し、前記規格外の使用済みゴム粒子内に存在する繊維を除去するために選別され、
前記ホッパーと第1選別/繊維除去手段は、冷却手段の上流に配置される請求項17に記載の装置。
【請求項25】
鉄金属と繊維が除去された、クラム及びパウダーゴムの範囲内の大きさより大きい粒子を選別して除去するために前処理された使用済みゴム粒子の導入のための前処理スーパーサック供給ホッパーと、
前記スーパーサック供給ホッパーから供給された前記前処理された使用済みゴム粒子から鉄金属と繊維とを除去するための第2鉄金属/繊維除去手段と、
前記第2鉄金属/繊維除去手段に存在する前記ゴム粒子から繊維を除去する第3繊維除去手段と、を含む請求項17に記載の装置。
【請求項26】
前記第3繊維除去手段に存在する前記ゴム粒子の保管のために放出物計量部を有する保管箱を含み、前記前処理された使用済みゴム粒子は、前記冷却手段に供給される請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記冷却手段は、前記低温流体の導入を制御し、前記低温流体と前記使用済みゴム粒子の前処理された流体との時間制御された接触のための手段を有して提供される円筒形容器を含む請求項17に記載の装置。
【請求項28】
前記時間制御された接触は、前記円筒形容器内に配置され、前記ゴム粒子が配置される変速オーガーによって提供される請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記粉砕手段は、速度制御された衝撃面とアウター逆円錐体の表面との間に、冷却されて前処理された前記ゴム粒子流体の導入手段を含む請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記速度制御された衝撃面は、交換可能な複数の刃を有して提供される衝撃面であり、前記アウター逆円錐体の表面は、前記前処理されたゴム粒子流体と接触する内表面を有し、鋸歯面を有する請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記アウター逆円錐体の表面は、垂直方向に移動可能であり、前記衝撃面とアウター逆円錐体の表面の鋸歯面との間の体積は増減される請求項30に記載の装置。
【請求項32】
低温に冷却されたゴム粒子の前記粉砕流体を乾燥して大気温度にするための乾燥手段を含む請求項17に記載の装置。
【請求項33】
前記乾燥手段は、高密度ゴム粒子から低密度繊維を分離するための気体噴流流体を有して提供される回転式乾燥機である請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記低温流体は液体窒素であり、前記冷却手段は、前記ゴム粒子の冷却によって生じる前記蒸発した窒素ガスの再利用のための管路を有して提供され、前記蒸発した窒素ガスは、前記前処理されたゴム粒子流体を有する前記冷却手段に共に流れる請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記乾燥されたゴム粒子から鉄金属と繊維とを除去するための前記乾燥手段の下流に配置される最終鉄金属/第4繊維除去手段を含む請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記乾燥手段の下流に配置される前記最終鉄金属/第4繊維除去手段は、振動する器の篩の下に配置される磁気選別機を含み、前記鉄金属は前記篩の下で除去され、前記繊維は前記篩の上で除去される請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記最終鉄金属/繊維除去手段に存在する前記ゴム粒子から繊維を除去するために、前記最終鉄金属/第4繊維除去手段の下流に配置される第5繊維除去手段を含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第5繊維除去手段は、軽い繊維を除去して繊維集塵機とバグハウスに移動する遠心分離機を含む請求項37に記載の装置。
【請求項39】
クラム及びパウダーゴムの粒径範囲を超える粒径を有するゴム粒子の除去のために前記第5繊維除去手段の下流に配置される二層選別手段を含む請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記過大の粒子は放出物計量部を有して提供される収容箱に再利用され、前記収容箱は、下流の前記冷却手段に連通して配置され、前記二層選別手段を通過した前記粒子は、三層選別手段に搬送される請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記三層選別手段は、
米国篩サイズ番号40の篩を通過し、米国篩サイズ番号40から80のゴムをクラムゴム粒子収容箱に搬送する手段を有して提供される上部の篩の上に保持される粒子を保持する上部の米国篩サイズ番号80の篩と、
底部の米国篩サイズ番号140の篩と、を含み、
前記粒子は、米国篩サイズ番号80から140のゴムを収容箱に搬送する手段を有して提供される底部の篩の上に保持され、米国篩サイズ番号140より小さい粒子を保持する収容箱にパウダーゴムを搬送するための手段を有して提供される前記底部の篩を通過する請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記収容箱への搬送は、空気手段によって達成される請求項41に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−511365(P2007−511365A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541318(P2006−541318)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038332
【国際公開番号】WO2005/049656
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506166918)リハイ・テクノロジーズ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】