説明

クランプ機能付コンパレータ

【課題】追加的な製造プロセスを不要としながら一定且つ任意のクランプ電圧を設定できる。
【解決手段】信号入力線6の電圧が参照電圧VHよりも低い場合、信号ScがLレベル、スイッチ回路16がオフ、スイッチ回路17がオンとなり、FET14、15がオフする。信号入力線6の電圧が参照電圧VH以上になると、信号ScがHレベル、スイッチ回路16がオン、スイッチ回路17がオフとなり、クランプ回路4が動作可能となる。入力電圧がさらに上昇してクランプ電圧VCL以上になると、FET13がオンとなり、抵抗11、端子1a、抵抗12を介してFET13、14に電流が流れ、それに応じてFET15に電流が流れてクランプ動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力電圧に対するクランプ機能を備えたクランプ機能付コンパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパレータは、例えば車両に搭載されたセンサから信号電圧を入力し、所定の参照電圧と比較する。この場合、コンパレータに供給されている電源電圧を超える大きさの信号電圧が入力されると、コンパレータの素子耐圧を超える虞が生じる。このため、特にICの端子に繋がるコンパレータの前段部にはクランプ回路が設けられている。
【0003】
例えば、MOSプロセスにより製造されるICにおいて入力電圧をクランプする場合、寄生のPNPトランジスタを用いる方法がある。しかし、寄生トランジスタの電流増幅率hFEは非常に小さいので、十分なクランプ作用が得られない。これに対し、特許文献1には、MOS構造の等価サブストレート型PNPトランジスタと、このトランジスタのベースに接続された分圧抵抗とから構成された入力クランプ回路が開示されている。このトランジスタは、そのエミッタ領域を形成するPウェルの深層部にNウェル(D−Nウェル)が配置された構造を備えており、そのD−Nウェルについてのイオン注入エネルギーおよびドーズ量を調整することで高い電流増幅度hFEを得ている。その結果、入力電流にかかわらず一定で且つ任意のクランプ電圧を設定することができる。
【特許文献1】特開2000−209085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の構成は、製造工程においてD−Nウェルを追加する必要があるため、製造コストの上昇が避けられない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、追加的な製造プロセスを不要としながら一定で且つ任意のクランプ電圧を設定できるクランプ機能付コンパレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
各請求項に記載した手段によれば、信号入力線を介してコンパレータに与えられる電圧は、クランプ回路によりクランプ電圧以下に制限されるので、当該クランプ電圧をコンパレータの参照電圧よりも高く且つ素子耐圧よりも低い適切な値に設定することにより、比較動作を妨げることなくコンパレータを過大な電圧から保護することができる。
【0006】
請求項1に記載した手段によれば、クランプ回路は、信号入力線と第2の電源線との間に直列に接続された第1および第2のトランジスタと、信号入力線と第2の電源線との間に接続された第3のトランジスタとから構成されている。第2および第3のトランジスタは、カレントミラー回路を構成している。第1のトランジスタの制御端子(ゲートまたはベース)には信号入力線に対するクランプ電圧を決定するための基準電圧Vcが印加されている。信号入力線の電圧VinがVc+Vth以上(FETの場合;Vthはしきい値電圧)またはVc+Vf以上(バイポーラトランジスタの場合;Vfはpn接合の順方向電圧)になると、各トランジスタに電流が流れ、信号入力線の電圧上昇が抑えられる。
【0007】
この場合、第2のトランジスタのサイズに対する第3のトランジスタのサイズ(ミラー比)を大きく設定するほど、第3のトランジスタの電流シンク能力が高くなる。これにより、追加的な製造プロセスを不要としながら、クランプ電圧を一定化できる。
【0008】
請求項2、3に記載した手段によれば、信号入力線に与えられる電圧が参照電圧よりも低い場合、第2、第3のトランジスタをオフさせる。これにより、クランプ回路に流れるリーク電流による入力電圧の変化を防止することができる。
【0009】
請求項4に記載した手段によれば、信号入力線と第2の電源線との間に直列に接続された第1、第2および第3のトランジスタと、信号入力線と第2の電源線との間に接続された第4および第5のトランジスタとを備え、第2および第3のトランジスタ、第4および第5のトランジスタは、それぞれカスコード接続されている。第1のトランジスタの第1主端子(ドレインまたはコレクタ)の電圧が2・Vth(FETの場合)または2・Vf(バイポーラトランジスタの場合)に固定されるので、入力電圧の大小にかかわらず、第3および第5のトランジスタからなるカレントミラー回路のミラー比を所定値に維持することができる。
【0010】
第1のトランジスタの制御端子には基準電圧Vcが印加されている。信号入力線の電圧VinがVc+Vth以上またはVc+Vf以上になると、各トランジスタに電流が流れ、信号入力線の電圧上昇が抑えられる。この場合、第2のトランジスタのサイズに対する第4のトランジスタのサイズおよび第3のトランジスタのサイズに対する第5のトランジスタのサイズ(ミラー比)を大きく設定するほど、第4、第5のトランジスタの電流シンク能力が高くなる。これにより、追加的な製造プロセスを不要としながら、クランプ電圧を一定化できる。
【0011】
請求項5、6に記載した手段によれば、信号入力線に与えられる電圧が参照電圧よりも低い場合、第3、第5のトランジスタをオフさせる。これにより、クランプ回路に流れるリーク電流による入力電圧の変化を防止することができる。
【0012】
請求項7に記載した手段によれば、第1のトランジスタの制御端子には、基準電圧として参照電圧が印加されているので、自ずとクランプ電圧を参照電圧よりも高く設定できる。また、基準電圧を生成する回路を別途設ける必要がないので、レイアウト面積を低減することができる。
【0013】
請求項8に記載した手段によれば、第1の参照電圧とこれよりも低い第2の参照電圧とを有するヒステリシスコンパレータを採用する場合、第1のトランジスタの制御端子には、基準電圧として第1の参照電圧を印加すればよい。
【0014】
請求項9に記載した手段によれば、信号入力線と第1、第2の電源線との間には、それぞれダイオード接続されたFETからなる入力保護回路が接続されている。これにより、ESDにより生じるサージや過大な入力電圧に対し、一層確実に保護することができる。
【0015】
請求項10に記載した手段によれば、信号入力線においてクランプ回路が接続される位置よりも入力側には抵抗が介挿されているので、クランプ回路の通電時に当該抵抗で電圧降下を発生させてコンパレータの入力電圧を確実にクランプできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1を参照しながら説明する。
図1は、半導体集積回路装置内に形成されたクランプ機能付コンパレータの構成図である。IC1は、一般的なCMOSプロセスにより製造されており、例えば車載ECU(Electronic Control Unit)の制御基板に搭載されている。IC1は、車載センサなどからの信号電圧を入力する信号入力端子1a、電源電圧VDD(例えば5V)が供給される電源端子1b、1cなど種々の端子を有している。
【0017】
IC1のチップにおいて、端子1aからの入力部には、ESD(Electro Static Discharge)により生じるサージ電圧などの過大な入力電圧に対して保護する入力保護回路2が形成されており、その後段にはクランプ機能付コンパレータ3が形成されている。クランプ機能付コンパレータ3は、クランプ回路4とヒステリシスコンパレータ5とから構成されている。IC1には、この他にも図示しない種々の回路が形成されている。
【0018】
ICチップの信号入力線6、高電位側の電源線7(第1の電源線)、低電位側の電源線8(第2の電源線)は、それぞれ端子1a、1b、1cに接続されている。入力保護回路2において、信号入力線6と電源線7、8との間には、それぞれゲート・ソース間が接続されたPチャネル型FET9、Nチャネル型FET10が接続されている。IC1の端子1aに外付けされる抵抗11を介して、端子1aにVDD+Vf(Vfはpn接合の順方向電圧)以上の電圧または−Vf以下の電圧が印加されると、ダイオード接続されたFET9またはFET10がオンして端子1aの電圧を制限する。信号入力線6に介在する抵抗12は、サージがIC1の内部に侵入することを防止するために設けられている。
【0019】
クランプ回路4は、信号入力線6と電源線8との間に直列に接続されたPチャネル型FET13とNチャネル型FET14および信号入力線6と電源線8との間に接続されたNチャネル型FET15を備えている。これらFET13〜15は、本発明でいう第1〜第3のトランジスタであって、ドレインが第1主端子、ソースが第2主端子、ゲートが制御端子に相当する。FET13のゲートには、クランプ電圧VCLを決定するための基準電圧として参照電圧VH(後述)が与えられている。
【0020】
FET14と15のゲートは接続されており、スイッチ回路16を介してFET13、14のドレインに接続されている。FET14、15のゲートと電源線8との間にはスイッチ回路17が接続されている。これらスイッチ回路16、17は、Pチャネル型FETとNチャネル型FETとを組み合わせたCMOSスイッチにより構成されている(後述するスイッチ回路24、25も同様)。ヒステリシスコンパレータ5からの信号ScがLレベルのとき、スイッチ回路16がオフ、スイッチ回路17がオンとなり、信号ScがHレベルのとき、スイッチ回路16がオン、スイッチ回路17がオフとなる。
【0021】
ヒステリシスコンパレータ5は、コンパレータ18、第1の参照電圧VHとこれよりも低い第2の参照電圧VLとを生成する分圧回路19、コンパレータ18の出力信号に応じて参照電圧VH、VLの一方を選択する切換回路20から構成されている。ここで、分圧回路19は、電源線7、8間に直列接続された抵抗21〜23から構成されている。切換回路20は、参照電圧VH、VLを持つ各ノードとコンパレータ18の反転入力端子との間に接続されたスイッチ回路24、25と、コンパレータ18の出力端子に対し直列に接続されたインバータ26、27から構成されている。
【0022】
コンパレータ18の出力信号がLレベルのときスイッチ回路24がオン、スイッチ回路25がオフとなり、Hレベルのときスイッチ回路24がオフ、スイッチ回路25がオンとなる。また、インバータ27の出力信号が、上述したスイッチ回路16、17をオンオフする信号Scとなる。なお、コンパレータ18からの出力信号は、バッファ回路28を介して図示しない制御回路に出力されている。
【0023】
次に、本実施形態の作用および効果を説明する。
ヒステリシスコンパレータ5は、端子1aへの入力電圧が参照電圧VLより低い場合、参照電圧VHと入力電圧とを比較し、端子1aへの入力電圧が参照電圧VHよりも高くなると、参照電圧VLと入力電圧とを比較する。
【0024】
クランプ回路4は、信号入力線6の電圧がクランプ電圧VCLを超えて上昇することを抑制する。ヒステリシスコンパレータ5を正常に動作させるため、クランプ電圧VCLは参照電圧VHよりも高く設定する必要がある。また、IC1を過大な電圧から保護するため、クランプ電圧VCLは、IC1の素子耐圧よりも低い値に設定する必要がある。なお、低耐圧の素子を用いたIC1の場合、素子耐圧はVDD+Vfよりも低くなるため、入力保護回路2だけでは十分な保護が図れない。
【0025】
本実施形態のクランプ回路4では、FET13のゲートに参照電圧VHが与えられているので、クランプ回路4のクランプ電圧VCL(=VH+Vth;VthはFET13のしきい値電圧)は必ず参照電圧VHよりも高くなる。従って、本実施形態のクランプ回路4では、VH+Vth<素子耐圧となるように設定すればよい。
【0026】
信号入力線6の電圧が参照電圧VHよりも低い場合には、クランプ回路4を動作させる必要がないため、信号ScがLレベルの期間はスイッチ回路16をオフ、スイッチ回路17をオンして、FET14、15をオフさせている。これにより、クランプ回路4を介したリーク電流による信号入力線6の電圧変化(電圧誤差)を抑制することができる。
【0027】
信号入力線6の電圧が参照電圧VH以上になり信号ScがHレベルになると、スイッチ回路16がオン、スイッチ回路17がオフとなり、クランプ回路4が動作可能となる。入力電圧がさらに上昇してクランプ電圧VCL以上になると、FET13がオンとなり、抵抗11、端子1a、抵抗12を介してFET13、14に電流が流れ、それに応じてFET15に電流が流れる。このとき、FET14に対してFET15の素子サイズを大きく設定するほど、FET14、15からなるカレントミラー回路のミラー比が大きくなり、FET15の電流シンク能力が高まる。その結果、信号入力線6の電圧を精度よく所望のクランプ電圧VCLにクランプすることができる。
【0028】
以上説明したように、クランプ回路4は、ヒステリシスコンパレータ5における比較動作を妨げることなく、素子耐圧を超える過大な電圧からIC1を保護することができる。この場合、クランプ回路4を構成するFET14と15のミラー比を大きく設定するほど、高精度のクランプ電圧VCLを得られる。クランプ回路4には、従来技術で用いられていたD−Nウェルが不要であり、通常のCMOSプロセスにより製造することができるため、製造コストを低減することができる。
【0029】
信号入力線6においてクランプ回路4が接続される位置よりも入力側には抵抗12が介挿されており、さらに端子1aの外側には抵抗11が接続されているので、クランプ回路4の通電時に抵抗11、12で電圧降下を発生させて、ヒステリシスコンパレータ5への入力電圧を確実にクランプすることができる。また、入力電圧が参照電圧VHよりも低いときにFET14、15をオフさせるので、クランプ回路4のリーク電流に起因する信号入力線6の電圧誤差を抑制することができる。
【0030】
FET13のゲートに基準電圧として参照電圧VHが印加されているので、クランプ電圧VCLは参照電圧VHよりも必ず高くなり、コンパレータ18の比較動作を妨げることがない。また、基準電圧を生成する回路を別途設ける必要がないので、レイアウト面積ひいてはチップ面積を低減することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。
図2も、図1と同様に製造される半導体集積回路装置内に形成されたクランプ機能付コンパレータの構成図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して示し、以下異なる構成部分について説明する。
【0032】
IC31は、信号入力端子31a、電源電圧VDDが供給される電源端子31b、31cなど種々の端子を有している。IC31のチップにおいて、入力保護回路2の後段にはクランプ機能付コンパレータ32が形成されている。クランプ機能付コンパレータ32は、クランプ回路33とヒステリシスコンパレータ5とから構成されている。
【0033】
クランプ回路33は、信号入力線6と電源線8との間に直列に接続されたFET13、34、14および信号入力線6と電源線8との間に接続されたFET35、15を備えている。FET13、34のドレインとFET34、35のゲートは接続されており、FET14、15とFET34、35とがカスコード接続された回路形態を備えている。FET13、34、14、35、15は、本発明でいう第1、第2、第3、第4、第5のトランジスタに相当する。
【0034】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用、効果が得られる。さらに、クランプ回路33の構成をカスコード接続とすることで、FET13のドレイン電圧がほぼ2・Vth(VthはFETのしきい値電圧)に固定される。従って、信号入力線6の電圧の大小にかかわらず、FET14、15からなるカレントミラー回路のミラー比を所定値に維持することができる。
【0035】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
第1のトランジスタであるFET13のゲートには第1の参照電圧を印加したが、クランプ電圧VCLがヒステリシスコンパレータ5の参照電圧VHよりも高く且つ素子耐圧よりも低い電圧となる限りにおいて、他の任意の電圧を印加してもよい。
【0036】
クランプ回路4、33は、高電位側の電源電圧を超える電圧についてクランプ動作するものであるが、低電位側の電源電圧より低い電圧についてクランプ動作する構成としてもよい。この場合には、本発明でいう第1、第2の電源線をそれぞれ電源線8、7とし、第1の参照電圧をそれぞれVL、VHとすればよい。さらに、高電位側の電源電圧より高い電圧についてのクランプ回路と、低電位側の電源電圧より低い電圧についてのクランプ回路とを組み合わせてもよい。
【0037】
クランプ回路をウィルソン型の接続形態により構成してもよい。
ヒステリシスコンパレータ5に替えて、ヒステリシスを持たないコンパレータを採用してもよい。
第1ないし第5のトランジスタは、バイポーラトランジスタであってもよい。この場合、コレクタが第1主端子、エミッタが第2主端子、ベースが制御端子に相当する。
スイッチ回路16、17は省略可能である。
入力保護回路2は省略可能である。
抵抗11、12の何れか一方或いは両方は省略可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すクランプ機能付コンパレータの構成図
【図2】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【符号の説明】
【0039】
図面中、2は入力保護回路、3、32はクランプ機能付コンパレータ、4、33はクランプ回路、5はヒステリシスコンパレータ(コンパレータ)、6は信号入力線、7、8は電源線(第1、第2の電源線)、9、10はFET、11、12は抵抗、13、14、15はFET(第1の実施形態において第1、第2、第3のトランジスタ)、13、34、14、35、15はFET(第2の実施形態において第1、第2、第3、第4、第5のトランジスタ)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2の電源線から電源電圧の供給を受けて動作し、信号入力線に与えられる電圧と参照電圧とを比較するコンパレータと、前記信号入力線と前記第2の電源線との間に設けられたクランプ回路とを備え、
前記クランプ回路は、前記信号入力線と前記第2の電源線との間に直列に接続された第1および第2のトランジスタと、前記信号入力線と前記第2の電源線との間に接続された第3のトランジスタとを備え、前記第1および第2のトランジスタの第1主端子と前記第2および第3のトランジスタの制御端子は共通に接続されており、前記第1のトランジスタの制御端子には前記信号入力線に対するクランプ電圧を決定するための基準電圧が印加されていることを特徴とするクランプ機能付コンパレータ。
【請求項2】
前記信号入力線に与えられる電圧が前記参照電圧よりも低い場合、前記第2および第3のトランジスタをオフ状態にすることを特徴とする請求項1記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項3】
前記信号入力線に与えられる電圧が前記参照電圧よりも低い場合、前記第2および第3のトランジスタの制御端子と第2主端子との間を短絡するとともに、前記第1および第2のトランジスタの第1主端子から前記第2および第3のトランジスタの制御端子を切り離すことを特徴とする請求項2記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項4】
第1、第2の電源線から電源電圧の供給を受けて動作し、信号入力線に与えられる電圧と参照電圧とを比較するコンパレータと、前記信号入力線と前記第2の電源線との間に設けられたクランプ回路とを備え、
前記クランプ回路は、前記信号入力線と前記第2の電源線との間に直列に接続された第1、第2および第3のトランジスタと、前記信号入力線と前記第2の電源線との間に接続された第4および第5のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタの第1主端子、前記第2のトランジスタの第1主端子と制御端子および前記第4のトランジスタの制御端子は共通に接続されており、前記第2のトランジスタの第2主端子、前記第3のトランジスタの第1主端子と制御端子および前記第5のトランジスタの制御端子は共通に接続されており、前記第4のトランジスタの第2主端子と前記第5のトランジスタの第1主端子は共通に接続されており、前記第1のトランジスタの制御端子には前記信号入力線に対するクランプ電圧を決定するための基準電圧が印加されていることを特徴とするクランプ機能付コンパレータ。
【請求項5】
前記信号入力線に与えられる電圧が前記参照電圧よりも低い場合、前記第3および第5のトランジスタをオフ状態にすることを特徴とする請求項4記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項6】
前記信号入力線に与えられる電圧が前記参照電圧よりも低い場合、前記第3および第5のトランジスタの制御端子と第2主端子との間を短絡するとともに、前記第2のトランジスタの第2主端子および前記第3のトランジスタの第1主端子から前記第3および第5のトランジスタの制御端子を切り離すことを特徴とする請求項5記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項7】
前記第1のトランジスタの制御端子には、前記基準電圧として前記参照電圧が印加されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項8】
前記コンパレータは、第1の参照電圧とこれよりも低い第2の参照電圧とを有するヒステリシスコンパレータであって、
前記第1のトランジスタの制御端子には、前記基準電圧として前記第1の参照電圧が印加されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項9】
前記信号入力線と前記第1、第2の電源線との間には、それぞれゲート・ソース間が接続されたFETからなる入力保護回路が接続されていることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載のクランプ機能付コンパレータ。
【請求項10】
前記信号入力線において前記クランプ回路が接続される位置よりも入力側には抵抗が介挿されていることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載のクランプ機能付コンパレータ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−11012(P2010−11012A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167223(P2008−167223)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】