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クリップ
説明

クリップ

【課題】台座の成形にスライド型などを不要とするのはもちろんのこと、台座に対するクリップの結合を簡素化するとともに強い保持力を確保し、装着部材に結合されたクリップの突出量が変化するのを解消する。
【解決手段】所定の装着部材を相手側のプレートに組み付けるために用いるクリップであって、プレートに開けられた取付け孔に挿入することで該プレートに取り付けられるアンカー26と、装着部材34から突出した形状の台座36に結合される取付け座12とを備えている。この取付け座12は、装着部材の台座36に対してその先端側から軸線に沿って差し込むことが可能な形状で、かつ、差し込みを終えた定位置においてベース12を軸線回りに回転させることにより、台座36の周面に食い込んで結合される複数の刃部18を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のセンタクラスタやドアトリムなどの装着部材をボデーなどのプレートに組み付けるために用いるクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のクリップとしては、例えば特許文献1に開示された技術が既に知られている。この技術では、クリップの基部に雄ねじ部が一体に形成され、ドアトリムなどの装着部材に形成されているクリップ用の台座に雌ねじが形成されている。そして、クリップの雄ねじを台座の雌ねじにねじ込むことにより、クリップと装着部材とが結合される。この結合構造を採用することで、台座にクリップとの係合孔などを設ける必要がなく、その成形にスライド型などが不要となる。なお、台座の成形にスライド型を不要とするための別手段としては、孔の内周に複数の爪を有する金属製のワッシャ(菊ワッシャ)が組み込まれたクリップと、菊ワッシャの孔に挿入可能な軸径の台座とを組み合わせた構造がある。この構造では、座部の外周と菊ワッシャの各爪との摩擦係合によってクリップが装着部材に結合される。
【特許文献1】特開平11−311223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された技術では、クリップの雄ねじを台座の雌ねじにねじ込むことによって該クリップを装着部材に結合しているので、作業性がわるく、かつ、結合のための操作荷重が大きい。また、ねじ込み量のバラツキによって装着部材からのクリップの突出量が変わってしまう。なお、菊ワッシャが組み込まれたクリップにおいても、菊ワッシャの各爪と座部との摩擦によって結合のための操作荷重が大きくなる。
【0004】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、台座の成形にスライド型などを不要とするのはもちろんのこと、台座に対するクリップの結合を簡素化するとともに強い保持力を確保し、装着部材に結合されたクリップの突出量が変化するのを解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
第1の発明は、所定の装着部材を相手側のプレートに組み付けるために用いるクリップであって、プレートに開けられた取付け孔に挿入することで該プレートに取り付けられるアンカーと、装着部材から突出した形状の台座に結合される取付け座とを備えている。この取付け座は、装着部材の台座に対してその先端側から軸線に沿って差し込むことが可能な形状で、かつ、差し込みを終えた定位置において取付け座を軸線回りに回転させることにより、台座の周面に食い込んで結合される複数の刃部を備えている。
【0006】
この構成にあっては、装着部材における台座の成形にスライド型などが不要になるのはもちろんのこと、この台座に対して取付け座を差し込んだ後に回転させるだけの簡単な作業により、複数の刃部を台座の周面に食い込ませて相互を強い保持力で結合することができる。また、取付け座は、装着部材の台座に対する差し込みを終えた定位置において回転させることにより、軸線方向の位置を一定に保ったままで各刃部を台座に食い込ませることができる。したがって、クリップの雄ねじを台座の雌ねじにねじ込んで結合するといった構造と異なり、装着部材からのクリップの突出量が変化するといった不都合は解消される。
【0007】
第2の発明は、所定の装着部材を相手側のプレートに組み付けるために用いるクリップであって、プレートに開けられた取付け孔にアンカーを挿入することで該プレートに取り付けられるクリップ本体と、装着部材から突出した形状の台座に結合される取付け座とを備えている。これらのクリップ本体と取付け座とが個別に成形されているとともに、クリップ本体におけるアンカーの基部を取付け座に結合可能である。取付け座は、装着部材の台座に対してその先端側から軸線に沿って差し込むことが可能な形状で、かつ、差し込みを終えた定位置において取付け座を軸線回りに回転させることにより、台座の周面に食い込んで結合される複数の刃部を備えている。
【0008】
この構成によれば、使用箇所に応じて種々の形状に設定されているクリップ本体を選択して取付け座と組み合わせて使用することが可能となり、クリップとしての汎用性が高まる。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明において、装着部材における台座の周面には、取付け座が軸線に沿って差し込まれるときに、該取付け座の各刃部との干渉を避ける逃がし面が設けられている。
【0010】
これにより、取付け座を装着部材の台座に対して軸線に沿って差し込む作業が抵抗なく簡単に行える。
【0011】
第4の発明は、第1、2又は3の発明において、取付け座の外部にロック爪が設けられ、装着部材における台座の外側にリブが設けられている。取付け座が台座に差し込まれているときはロック爪とリブとが係合して台座に対する取付け座の軸線回りに回転が阻止され、取付け座が定位置まで差し込まれた時点でロック爪とリブとの係合が解除されるように設定されている。
【0012】
この構成においては、取付け座が装着部材の台座に対して定位置まで差し込まれるまでは該取付け座を回転させてその刃部を台座に食い込ますことができないので、取付け座を定位置まで差し込む前に取付け座と台座とを結合させる作業ミスが防止され、装着部材からのクリップの突出量(高さ)がより均一化される。
【0013】
第5の発明は、第2の発明において、クリップ本体の基部を取付け座に結合するための構成が、クリップ本体と取付け座との相対的な軸線位置を調整可能となっている。
【0014】
このようにクリップ本体と取付け座との相対的な軸線位置を調整することで、プレートの取付け孔とクリップ本体(アンカー)とのピッチのズレを吸収することができる。
【0015】
なお、本発明の取付け座と装着部材の台座との関係は、筒形状の取付け座を軸形状の台座の外周に被せるように差し込む構成、あるいは軸形状の取付け座を筒形状の台座内に差し込む構成の二タイプがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
実施の形態1
まず、本発明における実施の形態1を図1〜図11によって説明する。
図1はクリップを車両ボデーに組み付けられるセンタクラスタなどの一部と共に表した斜視図である。図2はクリップの正面図、図3はクリップの左側面図、図4はクリップの平面図、図5はクリップの底面図である。これらの図面で示されているクリップ10は、樹脂による一体成形品である。このクリップ10の構造は、取付け座12とアンカー26とに大別される。取付け座12は、センタクラスタなどの装着部材34に一体成形された台座36(図1)と結合される部分である。一方、アンカー26は、車両ボデーなどのプレート50(図2、図3)に開けられた取付け孔52に挿入することで、このプレート50に取り付けられる部分である。
【0017】
クリップ10の取付け座12は円筒形の筒状部13が主要部となっており、この筒状部13の上面は閉ざされ、下面は開放されている。この筒状部13の内部には上面内側から下方へ突出した芯出し軸16が設けられている。この芯出し軸16は、クリップ10の軸線、つまり取付け座12の筒状部13およびアンカー26と同軸線上に位置している。また、筒状部13の内周において180°間隔で対向する左右両側には、上下方向へ並んだ複数の刃部18がそれぞれ形成されている。これらの刃部18は、筒状部13の内周面(円弧面)から張り出した形状に設定されている(図5)。したがって、筒状部13内の両側に位置する各刃部18の先端間の距離は、筒状部13の内径よりも小さい寸法になっている。なお、筒状部13の周面において各刃部18を有する壁部を避けた前後両側は、筒状部13の内外に通じる開口14となっている。これらの開口14は、主として成形用金型の型割の都合から必要なものである。
【0018】
取付け座12は、筒状部13の外周の左右両側において翼状に張り出した一対の操作部20を有する。これらの操作部20は、後で説明するように取付け座12を装着部材34の台座36に差し込んだ後に軸線回りに回転させるためのものである。同じく筒状部13の外周において、両操作部20の下側には個々に外方へ張り出したアーム22がそれぞれ設けられている。これらのアーム22は肉薄に成形されており、樹脂の弾性によって上下方向へ撓むことができる。そして両アーム22の先端部には、下向きに突出した係止爪24がそれぞれ設けられている。これらの係止爪24は、両アーム22の対称位置において同じ形状、同じ向きに設定されている(図5)。
【0019】
アンカー26は、取付け座12の上面から上方向へ突出した支柱28と、この支柱28における先端の両側から取付け座12の側へ延びる左右一対の弾性片30とを備えている。これらの両弾性片30は、樹脂の弾性によって内外方向へ撓むことができるとともに、個々の中間付近において最も外方へ膨出した係止肩32をそれぞれ備えている。このアンカー26がプレート50の取付け孔52(図2、図3)に挿入されると、両弾性片30が内方へ撓みながら個々の係止肩32が取付け孔52を通過して孔縁に係止する。これにより、クリップ10がプレート50に取り付けられる。
【0020】
図1で示されている装着部材34は樹脂による成形品であり、その意匠面の裏側にクリップ10と結合するための円筒状の台座36が一体に成形されている。この台座36の外径は、取付け座12における筒状部13の内径よりも僅かに小さい寸法に設定されている。この台座36の軸心孔38は、取付け座12の芯出し軸16が挿入可能な内径に設定されている。また、台座36の外周において180°間隔で対向する両側面には、上下方向に沿って逃がし面40がそれぞれ設けられている。これらの逃がし面40は、台座36の外周面を部分的に切り取った格好の平坦面である。そして、両逃がし面40間の距離は、取付け座12における筒状部13内の両側に位置する各刃部18の刃先間の距離よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
【0021】
台座36の基部寄りの部分は、4個のリブ44,45によって装着部材34に対する結合強度が補強されている。これらのリブ44,45は、外方への張り出し量が小さい一対のリブ44と、張り出し量が大きい一対のリブ45とが台座36を交点として相互に直交するように配置されている。これらのリブ44,45における張り出し量の違いは、取付け座12における両係止爪24の配置との関係で設定されており、その詳細については後で説明する。
【0022】
つづいて、クリップ10の使用について説明する。
まず、図6で示すように取付け座12の筒状部13を装着部材34の台座36に対し、その先端側から被せ付けるように軸線に沿って差し込む。この差し込みは、図8および図10で示すように筒状部13内の両側に設けられている刃部18と、台座36外周の両側に設けられている両逃がし面40とを一致させておくことによって可能となる。つまり、筒状部13内の両刃部18と台座36の両逃がし面40との間には、互いに干渉しない程度の隙間が確保されている(図8、図10)。なお、筒状部13を台座36に差し込むとき、取付け座12の芯出し軸16が台座36の軸心孔38に挿入され(図10)、クリップ10と台座36とが同軸状に保たれる。
【0023】
台座36に対する取付け座12の差し込み量は、筒状部13の下端面が、台座36の両逃がし面40の終端面および/または各リブ44,45の上縁で受け止められることによって規制される。また、この状態における取付け座12の両係止爪24は、張り出し量の小さい両リブ44とは干渉することなく、個々の外方に位置している(図6)。
【0024】
台座36に対して取付け座12の筒状部13を定位置まで差し込んだ状態で、両操作部20を利用して取付け座12を左右いずれかの方向へ軸線回りに約90°回転させることにより、図6の状態から図7の状態とする。例えば取付け座12を図6の矢印方向へ回転させた場合、筒状部13は図8および図10の矢印方向へ回転し、図9および図11で示すように両刃部18が台座36の外周面に食い込み、取付け座12と台座36とが強力に結合される。
【0025】
このとき、取付け座12の両係止爪24のうち、図6および図8の左側に位置する係止爪24Aが、そのアーム22の撓みによって張り出し量の大きい両リブ45の一方を通過して反対側に位置する(図7、図9)。これによって両係止爪24が共に両リブ45の同じ側(図9で右側)に位置することとなり、台座36に対する取付け座12の回転がロックされる。また、係止爪24Aが一方のリブ45を通過したときの節度感により、回転のロックを認識できる。なお、取付け座12を図6の矢印とは反対方向へ回転させた場合は、係止爪24Aとは反対側の係止爪24が他方のリブ45を通過して同様の回転ロックおよびその節度感が得られる。
【0026】
このように取付け座12における複数の刃部18を台座36の外周に強制的に食い込ませることにより、取付け座12と台座36とが強い保持力で結合される。そして、この結合作業においては、取付け座12を軸線方向の定位置で約90°回転させるだけであるから、装着部材34に対するクリップ10の突出量が変化することなく、一定に保たれる。また、台座36については、クリップとの結合用の係合孔などが不要であることから、その成形にスライド型などを必要としない安価な金型を使用できる。
【0027】
装着部材34の種類によっては複数の台座36を備えているので、その場合は各台座36に対してクリップ10の取付け座12を個々に結合する。そして、既に述べたようにクリップ10のアンカー26を図2および図3で示すプレート50の取付け孔52に挿入することにより、クリップ10を通じて装着部材34をプレート50に取り付けることができる。
【0028】
実施の形態2
つづいて、本発明における実施の形態2を図12〜図22によって説明する。
図12は実施の形態2のクリップを装着部材34の一部と共に表した斜視図である。この図面で示すように実施の形態2におけるクリップは、個別に成形されたクリップ本体60と取付け座70とによって構成されている。クリップ本体60については汎用の樹脂製クリップの一例を示しており、その構造は基部62とアンカー64とに大別される。クリップ本体60の基部62は、円板形状をした上下一対の保持板62a,62bが頸部62cを介して配置され(図17)、かつ、保持板62aの上面側に皿形状のスタビライザー62dが設けられた構造になっている。
【0029】
クリップ本体60のアンカー64は、基部62におけるスタビライザー62dの中心部から上方向へ突出している。このアンカー64は、軸心に位置する支柱66の外側に複数の弾性片68が設けられた構成であり、各弾性片68は樹脂の弾性によって内外方向へ撓むことができる。クリップ本体60のアンカー64をプレート50の取付け孔52(図2、図3)に挿入することにより、各弾性片68が内方へ撓みながら取付け孔52に入って孔縁に係止する。これにより、クリップ本体60がプレート50に取り付けられる。
【0030】
図13は取付け座70の正面図、図14は取付け座70の右側面図、図15は取付け座70の平面図、図16は取付け座70の底面図、図17は取付け座70の縦断面図である。これらの図面からも明らかなように、取付け座70は円筒形の筒状部71と、この筒状部71の下部に設けられた左右一対のアーム78と、筒状部71の上面側に位置する結合部82とを備えている。
【0031】
取付け座70における筒状部71の下面は、その内部に装着部材34の台座36を進入させるために開放されている。また、筒状部71の内周において180°間隔で対向する左右両側には、上下方向へ並んだ複数の刃部74がそれぞれ形成されている。これらの刃部74は、筒状部71の内周面(円弧面)から張り出した形状に設定されている(図16)。したがって、筒状部71内の両側に位置する各刃部74の先端間の距離は、筒状部71の内径よりも小さい寸法になっている。なお、筒状部71の周面において各刃部74を有する壁部を避けた前後両側は、実施の形態1における取付け座12の開口14と同様の理由から筒状部71の内外に通じる開口14となっている。
【0032】
一対のアーム78は、それぞれ筒状部71の左右両側から横向きに突出した後、直角に折れ曲がって下向きに延びた形状になっているとともに、ここに樹脂の弾性によって左右方向へ撓むことができる。そして両アーム78の先端部には、それぞれの内側面から内方へ突出したロック爪80が設けられている。これらのロック爪80は、一つのアーム78につき2個ずつあり、それらが所定の間隔をもって対向している(図12、図16)。この間隔は、図12で示す装着部材34のリブ44,45が入り込み可能な寸法に設定されている。また、両アーム78における各ロック爪80の外側面は斜面81になっている(図16)。
【0033】
結合部82は、クリップ本体60の基部62を取付け座70に結合するためのもので、前面側に開放面84を有する中空の円盤形状をしている。そして、結合部82の上面には開放面84から切り込まれた格好の案内溝86が設けられている。この結合部82に対して、その開放面84の側からクリップ本体60の基部62を組み付けて相互を結合することができる。この結合構成は周知の技術であり、基部62の一方の保持板62aを結合部82の上面に位置させ、他方の保持板62bを結合部82の中空内に位置させ、かつ、頸部62cを案内溝86に位置させ、この案内溝86に沿って基部62を挿入する(図17)。これによって取付け座70の結合部82とクリップ本体60の基部62とが、簡単には外れない状態で結合される。
【0034】
またクリップ本体60の基部62を結合部82の案内溝86に沿って移動させることにより、クリップ本体60と取付け座70との相対的な軸線位置が調整される。この調整機能により、図2および図3で示すプレート50の取付け孔52とクリップ本体60とのピッチのズレを吸収することができる。
【0035】
取付け座70が結合される装着部材34の台座36については、実施の形態1と同一構造である。ただし、装着部材34における4個のリブ44,45のうち、台座36の両逃がし面40と対応する側に位置している2個のリブ44については、個々の高さ方向の途中から外方への張り出し量が装着部材34に近づくに連れて大きくなっている。これにより、両リブ44の側縁が個々の高さ方向の途中から外方へ広がるように傾斜した案内面44aとなっている。
【0036】
つづいて、実施の形態2における取付け座70を装着部材34の台座36に結合する手順を説明する。
まず、図18で示すように取付け座70の筒状部71を、装着部材34の台座36に対して被せ付けるように軸線に沿って差し込む。このとき、筒状部71内の両刃部74と台座36外周の両逃がし面40とが一致しているとともに、取付け座70における両アーム78における2個ずつのロック爪80の間に装着部材34の両リブ44がそれぞれ入り込んでいる(図21)。つまり、筒状部71を台座36に差し込んでいる途中では、両アーム78のロック爪80と両リブ44との係合によって台座36に対する取付け座70の軸線回りに回転が阻止されている。
【0037】
装着部材34の台座36に対して取付け座70の筒状部71が図18の状態から図19で示す定位置まで差し込まれると、両アーム78の先端部が両リブ44の案内面44aに倣って移動し、両アーム78がそれぞれ外方へ押し広げられる。これによって両アーム78における2個ずつのロック爪80の間から両リブ44が脱出し、ロック爪80とリブ44との係合が解除された状態に保たれる。したがって、筒状部71が定位置(図19)に差し込まれた時点では、台座36に対する取付け座70の軸線回りに回転が可能となる。
【0038】
台座36に対して取付け座70の筒状部71を図19で示す定位置まで差し込んだ状態で、取付け座70の結合部82外周を握って取付け座70を軸線回りに約90°回転させる。例えば取付け座70を図19の矢印方向へ回転させて図20の状態としたとき、筒状部71は図21の矢印方向へ回転し、図22で示すように両刃部74が台座36の外周面に食い込み、取付け座70と台座36とが強力に結合される。
【0039】
また、取付け座70を図19の矢印方向へ回転させることに伴い、両アーム78が装着部材34の一方のリブ44から離れて他方のリブ45にそれぞれ接近する。これにより、両アーム78における2個ずつのロック爪80のうち、取付け座70の回転によって先行しているロック爪80Aの斜面81が、図22の仮想線で示すように個々の対応するリブ45に干渉する。したがって、これらの斜面81に倣って両アーム78が外方へ押し広げられ、両ロック爪80Aがそれぞれのリブ45を通過する。この結果、図22の実線で示すように両リブ45が両アーム78における2個ずつのロック爪80の間に入り込んだ状態となり、台座36に対する取付け座70の回転がロックされる。また、両ロック爪80Aがそれぞれのリブ45を通過したときの節度感により、回転がロックされたことを認識できる。
【0040】
装着部材34の台座36に取付け座70を結合した後、この取付け座70の結合部82に対してクリップ本体60の基部62を結合する。ただし、作業の事情などによっては先に取付け座70にクリップ本体60を結合しておくことも可能である。また、クリップ本体60は、その基部62の形状および寸法を統一しておくことで、各種タイプのものを選択的に使用することができる。
【0041】
このように実施の形態2においては、取付け座70の筒状部71が装着部材34の台座36に対して定位置まで差し込まれない限り、この取付け座70を軸線回りに回転させることができない。このため、筒状部71を定位置まで差し込む前に取付け座70と台座36とを結合させてしまう、といった作業ミスが回避され、装着部材34に対する取付け座70およびクリップ本体60の突出量(高さ)がより均一化される。なお、この構成は実施の形態1における取付け座12に適用することも当然可能である。
【0042】
実施の形態3
つぎに、本発明における実施の形態3を図23〜図27によって説明する。
図23は実施の形態3の取付け座90を装着部材100の一部と共に表した斜視図である。図24は取付け座90を装着部材100に取り付けた状態の正面図である。これらの図面から明らかなように実施の形態3においても、実施の形態2と同様にクリップを構成するクリップ本体(図示省略)と取付け座90とが個別に成形されている。また実施の形態3では、取付け座90の軸状部91を装着部材100の筒形状の台座102内に差し込む構成となっている。
【0043】
取付け座90の軸状部91外周には、180°間隔で対向する二箇所において円弧状の刃部92がそれぞれ形成され、これらの刃部92を除く二箇所は平坦面となっている。そして、両刃部92の先端間の距離は軸状部91の外径と同じ寸法であり、両平坦面間の距離は軸状部91の外径よりも小さい寸法になっている。なお、取付け座90の結合部94については、実施の形態2における取付け座70の結合部82と同様に、開放面96側からクリップ本体の基部を案内溝98に沿って挿入することで、クリップ本体との結合が可能である。
【0044】
装着部材100における台座102の内径は、取付け座90における軸状部91の外径よりも僅かに大きい寸法に設定されている。この台座102の内周において、180°間隔で対向する両側面は円弧状の逃がし面104となっており、両逃がし面104を除く二箇所はそれぞれ平坦面になっている。両逃がし面104間の距離は、軸状部91における両刃部92の刃先間の距離よりも僅かに大きい寸法に設定されている。
【0045】
実施の形態3の取付け座90を装着部材100の台座102に結合する手順は、まず図24で示すように取付け座90の軸状部91を、装着部材100の筒状の台座102内に差し込む。このとき、軸状部91外周の両刃部92と台座102内周の両逃がし面104とを一致させている(図26)。そこで、取付け座90を台座102に対して例えば図24の矢印方向へ約90°回転させる。これにより、図25および図27で示すように軸状部91の両刃部92が台座102の内周面に食い込み、取付け座90と台座102とが強力に結合される。
【0046】
なお、実施の形態3においても装着部材100に対して実施の形態1,2のリブ44,45を設けるとともに、取付け座90の結合部94に実施の形態1のアーム22あるいは実施の形態2のアーム78を設けることは可能である。これにより、実施の形態1で説明した台座36に対する取付け座12の回転ロック機能、あるいは実施の形態2で説明した取付け座70の差し込み途中における回転防止機能をもたせることができる。
【0047】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えば実施の形態1,2における筒状部13,71と台座36との断面形状、実施の形態3における軸状部91と台座102との断面形状は、図示のものに限定されるものではなく、楕円や多角形状に代えることも可能である。また取付け座12,70,90に設けられる刃部18,74,92の個数や形状についても図示のものに限定されず、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】クリップを装着部材の一部と共に表した斜視図
【図2】クリップの正面図
【図3】クリップの左側面図
【図4】クリップの平面図
【図5】クリップの底面図
【図6】クリップの取付け座を台座に差し込んだ状態の正面図
【図7】クリップの取付け座を台座に結合した状態の正面図
【図8】図6のA-A矢視方向の拡大断面図
【図9】図7のB-B矢視方向の拡大断面図
【図10】図6における取付け座と台座との状態を表した模式図
【図11】図7における取付け座と台座との状態を表した模式図
【図12】実施の形態2のクリップを装着部材の一部と共に表した斜視図
【図13】実施の形態2における取付け座の正面図
【図14】実施の形態2における取付け座の右側面図
【図15】実施の形態2における取付け座の平面図
【図16】実施の形態2における取付け座の底面図
【図17】実施の形態2における取付け座の縦断面図
【図18】実施の形態2の取付け座を台座に差し込む途中を表した正面図
【図19】実施の形態2の取付け座を台座に対して定位置まで差し込んだ状態の正面図
【図20】実施の形態2の取付け座を台座に結合した状態の正面図
【図21】図18のC-C矢視方向の拡大断面図
【図22】図20のD-D矢視方向の拡大断面図
【図23】実施の形態3の取付け座を装着部材の一部と共に表した斜視図
【図24】実施の形態3における取付け座の正面図
【図25】実施の形態3の取付け座を台座に結合した状態の断面図
【図26】図24のE-E矢視方向の拡大断面図
【図27】図25のF-F矢視方向の拡大断面図
【符号の説明】
【0049】
10 クリップ
12 取付け座
18 刃部
26 アンカー
34 装着部材
36 台座
50 プレート
52 取付け孔
60 クリップ本体
64 アンカー
70 取付け座
74 刃部
80 ロック爪
90 取付け座
100 装着部材
102 台座


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の装着部材を相手側のプレートに組み付けるために用いるクリップであって、
プレートに開けられた取付け孔に挿入することで該プレートに取り付けられるアンカーと、装着部材から突出した形状の台座に結合される取付け座とを備え、この取付け座は、装着部材の台座に対してその先端側から軸線に沿って差し込むことが可能な形状で、かつ、差し込みを終えた定位置において取付け座を軸線回りに回転させることにより、台座の周面に食い込んで結合される複数の刃部を備えているクリップ。
【請求項2】
所定の装着部材を相手側のプレートに組み付けるために用いるクリップであって、
プレートに開けられた取付け孔にアンカーを挿入することで該プレートに取り付けられるクリップ本体と、装着部材から突出した形状の台座に結合される取付け座とを備え、これらのクリップ本体と取付け座とが個別に成形されているとともに、クリップ本体におけるアンカーの基部を取付け座に結合可能であり、取付け座は、装着部材の台座に対してその先端側から軸線に沿って差し込むことが可能な形状で、かつ、差し込みを終えた定位置において取付け座を軸線回りに回転させることにより、台座の周面に食い込んで結合される複数の刃部を備えているクリップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたクリップであって、
装着部材における台座の周面には、取付け座が軸線に沿って差し込まれるときに、該取付け座の各刃部との干渉を避ける逃がし面が設けられているクリップ。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載されたクリップであって、
取付け座の外部にロック爪が設けられ、装着部材における台座の外側にリブが設けられ、取付け座が台座に差し込まれているときはロック爪とリブとが係合して台座に対する取付け座の軸線回りに回転が阻止され、取付け座が定位置まで差し込まれた時点でロック爪とリブとの係合が解除されるように設定されているクリップ。
【請求項5】
請求2に記載されたクリップであって、
クリップ本体の基部を取付け座に結合するための構成が、クリップ本体と取付け座との相対的な軸線位置を調整可能となっているクリップ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−116035(P2008−116035A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212077(P2007−212077)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(000208293)大和化成工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】