説明

クリーニング部材、クリーニング装置、帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】像担持体、帯電部材、転写部材等のクリーニング対象物の摩耗を極めて少なくし、クリーニング対象物の性能を長期間良好な状態に維持することができるクリーニング部材を提供する。
【解決手段】本発明のクリーニング部材1は、少なくともクリーニング対象物2との当接部分がメラミン樹脂発泡体1aからなり、該メラミン樹脂発泡体1aは、元形状から加熱圧縮されている。このメラミン樹脂発泡体1aは加熱圧縮された後、所定の大きさに切り出されて構成される。メラミン樹脂発泡体1aの圧縮方向は、クリーニング対象物2の移動方向(矢印R方向)と略直角(矢印A方向)か、あるいはクリーニング対象物の移動方向と所定の角度をもった方向である。このようにメラミン樹脂発泡体1aを加熱圧縮して用いることによりクリーニング対象物の摩耗を極めて小さくすることができ、クリーニング性能を長期間良好な状態に維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ、プロッター等の画像形成装置に係り、より詳しくは、画像形成装置に使用するクリーニング部材、そのクリーニング部材を用いたクリーニング装置、さらには、そのクリーニング装置を有する帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真用感光体(光導電性の感光体)等からなる像担持体を帯電手段で帯電し、帯電された像担持体に光書込み等により静電潜像を形成し、像担持体に形成された静電潜像を現像手段の現像剤で現像して可視画像化した後、像担持体上の可視画像を転写手段により転写材に直接(または中間転写体を介して)転写し、転写材に転写された画像を定着して画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られており、プリンター、複写機、ファクシミリ、プロッター等として実用化されている。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置に対する大きな課題として長寿命化が注目されている。これは電子写真方式の画像形成装置の中心に位置する像担持体の膜減り、帯電手段、転写手段の対汚染性に対して、より長い時間、良好な画質形成を持続させようとするものであり、ランニングコストの低減に大きな効果をもたらすものである。
【0004】
像担持体の膜減りに対しては、帯電手段が大きく影響していることが判明している。前記帯電手段には種々のものがあり、例えば、接触帯電もしくは微小空間を持たせた超小ギャップ帯電(近接帯電)等があり、これらは、抵抗調整された弾性体からなる帯電ローラを像担持体に接触もしくは近接配置させ、従動回転させつつ帯電バイアスを印加するものである。この際の帯電バイアスとは、直流(DC)電圧に、該直流電圧の放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流(AC)電圧を重畳印加することを特徴としており、交流電圧の印加により像担持体表面の電位は印加された直流電圧の値に収束し、結果として像担持体表面の均一帯電を可能としている。
【0005】
しかしながら、上述の如く接触帯電もしくは近接帯電は、像担持体と帯電ローラとの微小空間で生じるパルス放電により像担持体表面を帯電するため、像担持体表面を常時エッチングしている状態となり、結果として像担持体の膜減りをより加速してしまうという弊害をはらんでいる。
【0006】
そこで像担持体の膜減りを低減させるため、いくつかの新たな帯電手段が提案されている。
(1) DC帯電(接触帯電ローラに直流電圧のみを印加する方法):
この方法は直流電圧のみで像担持体表面を帯電するものであり、交流電圧が印加されないので、像担持体への流入電流量が非常に少ない。つまり、像担持体へのパルス放電も減少していることを示しており、結果として像担持体(感光体)へのエッチング作用が低減され像担持体の膜減りが少なく抑えられると考えられる。
(2) 像担持体への潤滑材の塗布:
像担持体のクリーニング装置、もしくは独立した系からなる固体潤滑材塗布装置を用いて像担持体へ潤滑層を形成し、像担持体の膜削れを低減させる。固体潤滑材の代表としてはステアリン酸亜鉛がある。
【0007】
しかしながら、前記各帯電手段にはそれぞれ以下に示すような問題が存在する。
(1) DC帯電では帯電ローラ表面に汚れ(転写トナーおよび紙粉等)が付着しやすく、付着した汚れにより電気抵抗および表面状態が変化するため、均一帯電を阻害し易くなる。これは交流電圧を印加しないため、わずかな抵抗変動が画像汚れ、ムラを生じさせやすくなっていると考えられる。
(2) 固体潤滑材を像担持体に塗布した場合、像担持体の環境変動におけるクリーニング性は非常に安定する。それはクリーニングブレードに代表されるクリーニング手段との摩擦係数が低く安定化されるためである。しかし、この摩擦係数が低くなることで、ブレードからわずかづつ漏れていくトナー(ブレードすり抜けトナー)の量は増加してしまう。すなわち、像担持体の寿命を確保するあまり、帯電装置の汚れを誘うクリーニング装置からの漏れトナーが増えてしまうという状況となってしまう。
【0008】
近年の画像形成装置の作像手段は、交換性、メンテナンス性を重視して、像担持体とその回りの装置を一体にして構成されるプロセスカートリッジ構成を採るものが多い。このため、像担持体だけの寿命向上だけではカートリッジの寿命向上にならない。
すなわち像担持体のみならず像担持体の周りを構成する装置についても寿命を向上するための対策が必要となる。
さらに、近年、市場における高画質化の要求から重合トナーを採用したプリンターや複写機等の画像形成装置が発売されているが、一般的に重合トナーはクリーニングが困難であり、上記装置の寿命アップは従来の粉砕トナーよりハードルが高くなっている。
【0009】
下記の特許文献1や特許文献2によれば、メラミン発泡樹脂からなるメラミン樹脂発泡体をクリーニング部材として用いることで、像担持体や帯電部材、転写部材に付着した残留トナーや紙粉等の除去性が向上するため、上記寿命アップ策として良好な手段であることが報告されている。
ここで、メラミン発泡樹脂は、数十〜数百ミクロンのセルが連なり三次元網目状構造をした発泡樹脂である。小さな異物をその網の表面に吸着し、空間的に連なりにより多くの異物を収容することができるため、(電子写真方式の画像形成装置などの)クリーニング部材として有用な材料である。
【0010】
しかしながら、メラミン発泡樹脂を発泡成形したメラミン樹脂発泡体は、稀に直径数mm程度の大きな球状セルが発生することがあり、我々はそれを「ピンホール」と呼んでいる。このピンホールが存在する箇所は、当然ながら被クリーニング部材と接触しないため、クリーニングの機能を果さない。クリーニング部材としては失格なため破棄することになる。クリーニング部材を作成する時は、大きなブロック状のメラミン樹脂発泡体から必要な大きさだけ切り出し、支持部材に接着剤によって接着した後、部品精度を出すために切削、研磨を行う。よって、クリーニング部材の接触面にそのピンホールが存在するか否かは切削、研磨を行った後でしか判断できないため、破棄する際のコストデメリットが大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
メラミン発泡樹脂を発泡成形したメラミン樹脂発泡体は、発泡倍率にばらつきがあり、前述したように表面に直径数mm程度(直径φ1〜3(mm)程度)のピンホールが多く存在する。また、フォームをクリーニング部材として裁断、整形する際にも、これ以上の大きなホールが存在する。直径φ3(mm)以上の大きな欠落については、部品のレベルで選別を行うことは可能であるが、直径φ1〜3(mm)程度のピンホールは無数に存在し、これを部品不良とした場合、著しく歩留まりが悪くなり、実質良品を得ることができなくなる(これは、同じくメラミン樹脂発泡体を使用している家庭用スポンジの表面を見れば一目瞭然である)。
このピンホールの存在はクリーニング対象部材の接触面積を減らすことになり、部分的なクリーニング性の低下によって帯電不良、転写不良が発生する。これは特にカラーの電子写真においては色むらとなって現れ致命的となる。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、従来技術における不具合を簡易な方法で解決し、メラミン樹脂発泡体を用いる際のピンホールによる歩留りを改善して、安価で品質の良いクリーニング部材を提供することを目的(課題)とする。そして、本発明は、像担持体、帯電部材、転写部材等のクリーニング対象物の磨耗を極めて少なくし、クリーニング対象物の性能を長期間良好な状態に維持することができるクリーニング部材と、そのクリーニング部材を用いたクリーニング装置を提供することを目的(課題)とし、さらには、そのクリーニング装置を用いて装置の長寿命化を図った帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的(課題)とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための手段として、本発明の第1の構成は、クリーニング部材であって、少なくともクリーニング対象物との当接部分がメラミン樹脂発泡体からなり、該メラミン樹脂発泡体は元形状から加熱圧縮されたことを特徴とするものである。
第2の構成は、第1の構成のクリーニング部材において、前記メラミン樹脂発泡体は、元形状から加熱圧縮された後、所定の大きさに切り出されて構成されることを特徴とするものである。
第3の構成は、第1または第2の構成のクリーニング部材において、前記メラミン樹脂発泡体は、70%から30%の大きさに加熱圧縮(例えば、大きさを7/10〜3/10に圧縮)されたことを特徴とするものである。
第4の構成は、第1〜3のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記メラミン樹脂発泡体の圧縮方向が、前記クリーニング対象物の移動方向と略直角方向であることを特徴とするものである。
第5の構成は、第1〜3のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記メラミン樹脂発泡体の圧縮方向が、前記クリーニング対象物の移動方向と所定の角度をもってなることを特徴とするものである。
第6の構成は、第1〜5のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記クリーニング対象物が、像担持体、帯電部材、転写部材のうちの少なくとも一つであることを特徴とするものである。
第7の構成は、第6の構成のクリーニング部材において、前記クリーニング対象物が、非接触(あるいは近接)帯電方式の帯電部材であることを特徴とするものである。
第8の構成は、第7の構成のクリーニング部材において、前記帯電部材は像担持体との間に間隙を設けるための間隙保持部(像担持体と帯電部材との間に間隙を設けるための凸部分であり、例えばギャップテープ等)を有し、クリーニング部材は前記間隙保持部の少なくとも一部に当接されていることを特徴とするものである。
第9の構成は、第1〜8のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、パッド形状であることを特徴とするものである。
第10の構成は、第1〜8のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、ローラ形状であることを特徴とするものである。
第11の構成は、第1〜10のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記クリーニング対象物に対して自重加圧されていることを特徴とするものである。
第12の構成は、第1〜8,10,11のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記クリーニング対象物に対して連れ回りすることを特徴とするものである。
第13の構成は、第1〜12のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記クリーニング対象物に対し接離自在に設置されることを特徴とするものである。
第14の構成は、第1〜13のいずれか一つの構成のクリーニング部材において、前記クリーニング対象物の軸方向に往復移動自在に設置されていることを特徴とするものである。
第15の構成は、画像形成装置を構成する像担持体、帯電部材、転写部材のうちの少なくとも一つのクリーニング手段として用いられるクリーニング装置であって、第1〜14のいずれか一つの構成のクリーニング部材を有することを特徴とするものである。
【0014】
第16の構成は、非接触(あるいは近接)帯電方式の帯電部材を有し、該帯電部材により像担持体を帯電する帯電装置において、前記帯電部材のクリーニング手段として、第15の構成のクリーニング装置を有することを特徴とするものである。
第17の構成は、像担持体上の画像を転写材に転写する転写部材を有する転写装置において、前記転写部材のクリーニング手段として、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とするものである。
【0015】
第18の構成は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体に形成された静電潜像を現像して可視画像化する現像手段と、像担持体上の可視画像を転写材に転写する転写手段と、転写後の像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有する画像形成装置において、前記像担持体のクリーニング手段、前記帯電手段の帯電部材をクリーニングするクリーニング手段、前記転写手段の転写部材をクリーニングするクリーニング手段のうち、少なくとも一つに、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とするものである。
第19の構成は、第18の構成の画像形成装置において、前記現像手段の現像剤として、重合トナーを用いることを特徴とするものである。
【0016】
第20の構成は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体に形成された静電潜像を現像して可視画像化する現像手段と、像担持体上の可視画像を転写材に転写する転写手段と、転写後の像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有する画像形成装置に装備され、前記帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、少なくとも一つと像担持体とを一体に構成して、画像形成装置本体に対して着脱可能としたプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体のクリーニング手段、前記帯電手段の帯電部材をクリーニングするクリーニング手段のうち少なくとも一つに、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とするものである。
第21の構成は、第20の構成のプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段の現像剤として、重合トナーを用いることを特徴とするものである。
第22の構成は、画像形成装置であり、第20または21の構成のプロセスカートリッジを装備したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、メラミン樹脂発泡体を元形状から加熱圧縮して用いることにより、クリーニング対象物との接触面積を増やすことができ、クリーニング対象物の性能を長期間良好な状態に維持することができる。また、元形状から70%から30%の大きさに加熱圧縮(例えば、大きさを7/10〜3/10に圧縮)して用いることにより、さらに好適なクリーニング性を維持できる。従って、像担持体、帯電部材、転写部材等のクリーニング対象物の磨耗を極めて少なくし、クリーニング対象物の性能を長期間良好な状態に維持することができるクリーニング部材を実現でき、そのクリーニング部材を用いたクリーニング装置を提供することができる。さらには、そのクリーニング部材を用いたクリーニング装置を用いて、装置の長寿命化を図った帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
また、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、少なくとも一つと像担持体とを一体に構成してプロセスカートリッジ化し、画像形成装置本体に対して着脱可能とすることにより、メンテナンスの面で有利となり、前記した部品または装置に起因した故障を起こした場合、プロセスカートリッジを交換するだけで、早期に現状回復させることができるため、サービス時間の短縮が行なえる。また、プロセスカートリッジに、前記クリーニング部材を有するクリーニング装置を用いて、像担持体(電子写真用感光体)や帯電部材のクリーニング性を良好にすることにより、プロセスカートリッジの高寿命化に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るクリーニング部材とクリーニング対象物の一例を示す概略斜視図である。
【図2】メラミン発泡樹脂の圧縮方向と、圧縮後の切り出し方向の説明図である。
【図3】メラミン発泡樹脂の圧縮方向に切り出してメラミン樹脂発泡体を構成し、これをローラ状のクリーニング部材に用いた場合のピンホール形状と、被クリーニング部材に対する接触面積の説明図である。
【図4】メラミン発泡樹脂の圧縮方向に対して垂直方向に切り出してメラミン樹脂発泡体を構成し、これをローラ状のクリーニング部材に用いた場合のピンホール形状と、被クリーニング部材に対する接触面積の説明図である。
【図5】メラミン発泡樹脂の圧縮方向に対して斜め方向に切り出してメラミン樹脂発泡体を構成し、これをローラ状のクリーニング部材に用いた場合のピンホール形状と、被クリーニング部材に対する接触面積の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図7】図6に示す画像形成装置に搭載されるプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置の画像形成部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のクリーニング部材、クリーニング装置、帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置の実施形態について説明する。
【0020】
<クリーニング部材及び装置>
図1は、本発明に係るクリーニング部材とクリーニング対象物の一例を示す概略斜視図である。
本発明に係るクリーニング部材1は、少なくともクリーニング対象物(被クリーニング部材)2との当接部分が加熱圧縮後のメラミン樹脂発泡体1aからなる。加熱圧縮前(すなわち、元形状)は、数十〜数百ミクロンのセルが連なり三次元網目状構造をした発泡樹脂であり、小さな異物をその網の表面に吸着し、空間的な連なりにより多くの異物を収容することができるため、電子写真方式の画像形成装置に使用されるトナーなどをクリーニングする部材として有用な部材である。しかしながら、加熱圧縮前(すなわち、元形状)は、稀に直径数mm程度の大きな球状セル(ピンホール)が発生することがあり、このピンホールが存在する個所は被クリーニング部材2と接触しないためクリーニングの機能を果たさず、クリーニング部材としては不十分である。そこで本発明のメラミン樹脂発泡体1aは、加熱圧縮することにより、直径数mmのピンホールを楕円状にし、ピンホールを小さくすることにより、メラミン樹脂発泡体1aと被クリーニング部材との接触面積を増やしている。加熱圧縮の圧縮率は、30%以下であると塑性変形し難く、高温・高湿度下に放置すると膨張して部品精度を保つことが困難となる。これは、装置を船による輸送時、船底に積み、赤道直下の熱帯地域などを航海するような場合に影響が顕著である。また、70%以上となるとセル同士の空間的な連なりが狭まるため異物を奥まで収容できず、クリーニング機能を十分に発揮できなくなる。よって、圧縮率は30%〜70%が好ましい。
【0021】
ここで、図2(a),(b)はメラミン発泡樹脂の圧縮方向と、圧縮後の切り出し方向の説明図である。図2(a)はメラミン発泡樹脂のブロックであり、図示される矢印Aは圧縮方向を示す。加熱圧縮後のメラミン樹脂発泡体の切り出し方向としては、図2(b)に示すように、[1]圧縮方向に切り出す場合と、[2]圧縮方向に対して垂直方向に切り出す場合とがある。
【0022】
一例として、[1]圧縮方向に切り出してメラミン樹脂発泡体1aを構成し、これを例えば、図3(a)に示すようにローラ状のクリーニング部材に用いた場合、圧縮方向とクリーニング部材1の軸方向を一致させることにより、表面に現れた楕円形状のピンホールは軸方向に圧縮されているので、一律に周方向が長径となる。従って、図3(b)に示すように、メラミン樹脂発泡体1aと被クリーニング部材2との接触面積を大きくすることができ、クリーニングが良好となる。
【0023】
また、圧縮後のメラミン樹脂発泡体を、[2]圧縮方向に対して垂直方向に切り出して、メラミン樹脂発泡体1aを構成しても良い。このようにすると、図4(a),(b)に示すようにクリーニング部材1をローラ形状とした場合、クリーニング部材1の周面の場所によって、楕円形状が異なるようになるが(周方向に圧縮されたピンホールと、圧縮されずに円形を保ったピンホールとが混在する)、メラミン樹脂発泡体1aと被クリーニング部材2との接触面積を大きくすることができる。なお、メラミン樹脂発泡体1aの圧縮方向側では断面が楕円形状(ただし、表面は円形状)となり、ピンホールの深さが浅くなっている。よって、クリーニング部材1を被クリーニング部材に押し付けることにより、接触面積を増やすことができ、クリーニングが良好となる。
【0024】
また、上記とは別の方法として、[3]メラミン発泡樹脂のブロックの圧縮方向を斜めにする、またはブロックを斜めに切り出すようにし、メラミン樹脂発泡体1aを構成しても良い。すなわちメラミン樹脂発泡体1aの表面に現れた楕円形状のピンホールが一律斜めになるよう構成することで、図5に示すように、ローラ状のクリーニング部材1または被クリーニング部材2が移動すると、ピンホールが被クリーニング部に接触する部分を分散することができ、クリーニングが良好となる。
以上により、ピンホールによる歩留りを改善し、品質の高いクリーニング部材を提供できる。
【0025】
なお、一例として、図1ではクリーニング部材1のメラミン樹脂発泡体1aは、元形状から70%から30%の大きさに加熱圧縮(例えば、大きさを7/10〜3/10に圧縮)されている。すなわち、メラミン樹脂発泡体1aをクリーニング対象物2の長手方向(クリーニング対象物の移動方向Rと略直角方向)に7/10〜3/10の圧縮率で圧縮(矢印Aで示す圧縮方向に圧縮)を行い、これを所望のクリーニング部材の形状、すなわちパッド形状もしくは前述のロール形状に整形していく。
ここで、クリーニング対象物2の長手方向(クリーニング対象物の移動方向Rと略直角方向)に圧縮をかけるのは、ローラ形状にした場合、長手方向以外の方向に圧縮をかけた場合にはロール断面で圧縮の方向が不均一となるためである。また、パッド形状に整形する場合には、圧縮方向については使用が可能な方向で変更してもかまわない。従って、クリーニング部材がローラ形状の場合は、メラミン樹脂発泡体の圧縮方向は、クリーニング対象物の移動方向と略直角方向にするのがよく、パッド形状の場合は、クリーニング対象物の移動方向と所定の角度をもってなるようにしてもよい。
【0026】
本発明のクリーニング部材1は、クリーニング対象物2、例えば、像担持体、帯電部材、転写部材等のうちの少なくとも一つをクリーニングするためのクリーニング装置に使用されることが好ましい。尚、クリーニング部材1によりクリーニングされる帯電部材とは主に帯電ローラをいい、転写部材とは主に転写ローラをいう。
本発明によるクリーニング部材の形状は特に制限されず、図示のようなパッド形状の他、ローラ形状等、種々の形状で使用することができる。また、クリーニング部材全体をメラミン樹脂発泡体で構成してもよいが、図1に示すように像担持体や帯電部材等のクリーニング対象物2に当接する部分1aのみをメラミン樹脂発泡体とする構成としてもよい。
また、クリーニング部材1は、クリーニング対象物2に接触して用いるが、その際、クリーニング対象物2に対して自重によって加圧されるように構成するとよい。すなわち、クリーニング部材1をバネやスプリング等によってクリーニング対象物2に圧接するようにすればクリーニング性は向上するが、この場合、クリーニング対象物の摩耗も促進され、寿命が短くなってしまう。従って、クリーニング部材1はクリーニング対象物2に対して自重によって加圧されるようにした方が、クリーニング性能の維持と寿命アップの両立を図ることができる。
また、クリーニング部材1をローラ形状にした場合には、クリーニング対象物2に対して自重によって加圧され、かつクリーニング対象物2の移動(例えば図中の矢印R方向への回転)に対して連れ回りするように構成するのが良い。
【0027】
さらに本発明のクリーニング部材1は、像担持体、帯電部材、転写部材等のクリーニング対象物2に対し、図中の矢印C方向(接離方向)に接離自在に設置されるように構成してもよい。すなわち、画像形成装置の停止時には、クリーニング部材1をクリーニング対象物2から離間させておいた方がクリーニング対象物2の寿命アップを図れるので、接離自在に設置することが好ましい。尚、この場合には、クリーニング装置は、クリーニング部材1と、該クリーニング部材1を支持する図示しない接離機構を備えた構成となる。
また、本発明のクリーニング部材1は、クリーニング対象物2の軸方向(図中の矢印B方向(往復移動方向))に往復移動自在に設置されるように構成してもよい。この場合には、クリーニング装置は、クリーニング部材1と、該クリーニング部材1を支持する図示しない往復移動機構を備えた構成となる。
【0028】
<帯電装置>
本発明に係る帯電装置は、非接触(あるいは近接)帯電方式の帯電部材(例えば、帯電ローラ)を有し、該帯電ローラにより像担持体(例えば、電子写真用の感光体)を帯電する帯電装置であり、帯電ローラのクリーニング手段として、上述の構成のクリーニング部材1を用いたクリーニング装置を有している。具体的には、前記クリーニング部材1が、クリーニング対象物2である帯電ローラの表面に接触して設けられている。あるいは前記クリーニング部材1が、クリーニング対象物2である帯電ローラの表面に接離自在に設けられている。そして、クリーニング時には、クリーニング部材1は帯電ローラ表面に接触して連れ回り、帯電ローラ表面をクリーニングする。
また、帯電装置は、非接触(あるいは近接)帯電方式であり、帯電ローラは像担持体との間に間隙を設けるための間隙保持部(像担持体と帯電ローラとの間に間隙を設けるための凸部分であり、例えばギャップテープ等)を有しているので、この間隙保持部の少なくとも一部に本発明のクリーニング部材が当接されている構成とすると良い。
【0029】
<転写装置>
本発明に係る転写装置は、像担持体(例えば、電子写真用の感光体)上の画像を転写材に転写する転写部材(例えば、転写ローラ)を有する転写装置であり、転写ローラのクリーニング手段として、上述の構成のクリーニング部材1を用いたクリーニング装置を有している。具体的には、前記クリーニング部材1が、クリーニング対象物2である転写ローラの表面に接触して設けられている。あるいは前記クリーニング部材1が、クリーニング対象物2である転写ローラの表面に接離自在に設けられている。そして、クリーニング時には、クリーニング部材1は転写ローラ表面に接触して連れ回り、転写ローラ表面をクリーニングする。
【0030】
<画像形成装置>
次に本発明のクリーニング部材が適用される画像形成装置の一実施形態について、図面に従って説明する。本実施形態は、前述のクリーニング部材を画像形成装置の帯電ローラ用のクリーナとして適用した例である。
まず図6により本実施形態の画像形成装置の全体構成を説明する。図6は胴内排紙型画像形成装置の一例を示しており、略中央に画像形成部100が配置され、この画像形成部100のすぐ下方に給紙部300が配置されている。必要に応じ別の給紙装置を下部に増設することができる。画像形成部100の上方には、排紙収納部400を隔てて原稿を読み取る、読み取り部200が配設されている。画像形成部100と読み取り部200との空間部が排紙収納部400として、画像形成された転写材(例えば記録用紙)が排紙収納される。
【0031】
画像形成部100では、ドラム状をした像担持体(例えば電子写真感光体)10の周囲に、感光体10の表面に帯電処理を行う帯電装置11、画像情報を感光体表面にレーザ光で照射する露光装置12、感光体10の表面に露光されて形成された静電潜像を可視化する現像装置13、感光体10上で現像されたトナー像を用紙に転写する転写装置15、転写後の感光体表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置16等がそれぞれ配置されている。本発明のクリーニング装置16は帯電装置11に付勢・当接されている。また、近年では、メンテナンスの容易さから、感光体10、帯電装置11、現像装置13、クリーニング装置16等をプロセスカートリッジ23として1つのユニットに組み込んでいる。トナー像を得た用紙上のトナーを定着処理する定着装置19が用紙の搬送経路での下流に配置されている。定着装置19を通過した用紙は排紙ローラ22を経て排紙収納部400に排紙収納される。
【0032】
なお、給紙部300においては、未使用の転写材(記録用紙)14が収容されており、給紙ローラ20の回転により、最上紙は給紙カセットから送り出され、レジストローラ21へと搬送される。レジストローラ21は用紙の搬送を一時止め、感光体表面のトナー像と用紙の先端との位置関係が所定の位置になるよう、タイミングをとって回転が開始するよう制御される。
【0033】
読み取り部200では、コンタクトガラス31上に載置される原稿(不図示)の読み取り走査を行うために、原稿照明用光源32とミラー33〜35よりなる読み取り走行体30が往復移動する。この読み取り走行体30により走査された画像情報は、結像レンズ36の後方に設置されている撮像素子(例えばCCD)35に画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理される。そして画像処理された信号に基づいて、露光装置12のレーザダイオード(不図示)の発光により感光体10の表面に静電潜像が形成される。レーザダイオードからの光信号は、公知のポリゴンミラーやレンズ等を介して感光体10に露光される。
【0034】
次に本発明のメラミン樹脂発泡体をクリーニングローラに用いたクリーニング装置を、図6に示す画像形成装置のプロセスカートリッジ23の帯電ローラ用クリーナとして適用した一実施形態について図7を用いて説明する。
直径φ4mmの金属製の芯金にメラミン樹脂発泡体を所定の厚みをもって接着剤を用いて被覆し、直径φ8.5mmのクリーニングローラ17を形成した。このクリーニングローラ17の両端部のジャーナル部分に軸受(不図示)を嵌め込む。軸受には圧縮スプリング24が取り付けられており、スプリング24の反対側をプロセスカートリッジ23の筐体部分に取り付け支持するようになっている。クリーニングローラ17は圧縮スプリング24によって非接触式の帯電ローラ11へ付勢されている。
このように、プロセスカートリッジ23に、前述のメラミン樹脂発泡体を用いたクリーニングローラ17を有するクリーニング装置を用いて、帯電ローラ11のクリーニング性を良好にすることにより、プロセスカートリッジ23の高寿命化に大きく寄与することができる。
【0035】
次に図8を参照して本発明のクリーニング部材を有する画像形成装置のより具体的な構成例を説明する。図8は画像形成装置の画像形成部のみを図示しており、像担持体(例えば、電子写真用の感光体)10と、像担持体10を帯電する接触帯電方式の帯電装置の帯電ローラ11と、帯電された像担持体10にレーザ光を照射して静電潜像を形成する潜像形成手段である露光装置(レーザ露光光学系)12と、像担持体10に形成された静電潜像を現像して可視画像化する現像剤(例えばトナー)を用いた現像装置13と、像担持体10上の可視画像を転写材(記録用紙)14に転写する転写装置の転写ローラ15と、転写後の像担持体10をクリーニングするクリーニング装置16と、転写材14に転写された画像(トナー像)を定着する定着ローラ対19a,19bからなる定着装置19を有している。そして、像担持体10のクリーニング装置16、帯電装置の帯電ローラ11をクリーニングするクリーニング装置17、転写装置の転写ローラ15をクリーニングするクリーニング装置18のうち、少なくとも一つに、前述のメラミン樹脂発泡体を用いたクリーニング部材(例えばクリーニングローラ)を有するクリーニング装置を用いており、該クリーニング部材が、像担持体10、帯電ローラ11、転写ローラ15に対し接触あるいは接離自在に設けられている。尚、クリーニング部材が設けられる場所は、上記の例に限定されるものではなく、像担持体10、帯電ローラ11、転写ローラ15のうちのいずれか1以上をクリーニングするように設けられる。
【0036】
ここで、図8に示すような構成の画像形成装置においては、図7に示したように、帯電ローラ11、現像装置13、クリーニング装置16のうちの少なくとも一つと、像担持体10とを一つのケース(カートリッジ)内に一体に構成して画像形成装置本体に対して着脱可能としたプロセスカートリッジの構成とするとよく、この場合には、像担持体10のクリーニング装置や、帯電ローラ11をクリーニングするクリーニング装置などもプロセスカートリッジ内に一体に備えた構成となる。
このように、帯電装置、現像装置、クリーニング装置のうち少なくとも一つと像担持体とを一体に構成してプロセスカートリッジ化し、画像形成装置本体に対して着脱可能とすることにより、メンテナンスの面で有利となり、前記した部品または装置に起因した故障を起こした場合、プロセスカートリッジを交換するだけで、早期に現状回復させることができるため、サービス時間の短縮が行なえる。
また、帯電装置と像担持体及びクリーニング装置を一つのケース(カートリッジ)内に一体に構成したプロセスカートリッジとした場合、そのプロセスカートリッジに、前記クリーニング部材を有するクリーニング装置を用いて、像担持体(電子写真用感光体)や帯電部材のクリーニング性を良好にすることにより、プロセスカートリッジの高寿命化に大きく寄与することができる。
【0037】
以上に説明したプロセスカートリッジや画像形成装置においては、前記クリーニング部材を有するクリーニング装置を用いてクリーニング性を大幅に向上することができるので、現像装置で用いる現像剤として重合トナーを用いることができる。
【実施例】
【0038】
次に本発明のより具体的な実施例を説明する。
直径φ5mmの金属芯金の外周面に、数十〜数百ミクロンのセルが連なった三次元網目状構造をしたメラミン樹脂発泡体(BASF社製、商品名:パソテクト)からなる層を加熱圧縮させて接着剤で貼りつけた後、回転研磨することにより、厚さ1.75mmとなるように形成し、外径8.5mmのロール形状のクリーニング部材(クリーニングローラ)を作製した。
次に図8に示すように、画像形成装置の像担持体(感光体)10のクリーニング装置16と、帯電ローラ11のクリーニング装置17とに、それぞれ上記の作製したクリーニングローラを用い、像担持体10と帯電ローラ11に対してクリーニングローラ16,17を自重(または圧縮スプリング等により加圧した状態)で当接させるように取り付け、像担持体10と帯電ローラ11の回転に対してそれぞれクリーニングローラ16,17が連れ回りするようにした。
【0039】
次に上記の画像形成装置を用いて、下記の(1)〜(3)のそれぞれの環境下で、40000枚の画像出力テストを行った。
環境:
(1) 高温/高湿環境(温度32℃、湿度54%RH)、
(2) 低温/低湿環境(温度10℃、湿度15%RH)、
(3) 標準環境(温度23℃、湿度50%RH)。
【0040】
このとき、帯電装置の帯電ローラ11への印加バイアスは交流(AC)バイアス+直流(DC)バイアスで像担持体10の帯電が安定する電圧値に各々調節して印加している。
また、帯電ローラ11には、図示しない間隙保持部材により約50μmの空隙を設けた非接触帯電方式を用いた。
さらに現像剤には、重合トナーを用いた。
【0041】
画像出力テストの結果、(1)〜(3)の何れの環境下においても初期および40000枚目の画像には全く問題が無く、像担持体10や帯電ローラ11に傷やピンホール等の異常は全く観察されなかった。
また、画像出力テストを終えたメラミン樹脂発泡体はトナー色に染まり、汚れの主原因であるトナーを効率的に発泡体に取り込むことができている。
尚、比較例1として、メラミン樹脂発泡体の真直度が悪く、メラミン樹脂発泡体が帯電ローラに対して全周で当接しない条件で行った画像出力テストでは、逆に帯電ムラによる画像汚れが発生した。
また、比較例2として、帯電ローラの別のクリーニング部材であるナイロン繊維を静電植毛させてなるブラシを当接させた条件で同時に行った画像出力テストにおいても、帯電ムラによる画像汚れが発生している。
【0042】
本発明のクリーニング部材が他のクリーニング部材と圧倒的に異なる点は、テストを終えた帯電ローラ表面に、他材料ではフィルミング上に付着物が存在するのに対して、メラミン樹脂発泡体では、うっすらと汚れが乗っているような状態であったことである。
すなわち、本発明のクリーニング部材では、クリーニング対象物の表層にフィルミングを形成せず、良好なクリーニング性能を維持できているといえる。
【0043】
また、前述の比較例1のように、クリーニング部材の真直度が低く(搭載したローラは0.5mm程度の反りがあった)、クリーニング対象物から離間してしまう領域が多くなると、クリーニングの能力が低下してしまう。これはピンホールの存在においても同様であるが、本発明のようにメラミン樹脂発泡体を加熱圧縮してピンホールの存在を目立たなくさせることによってクリーニング能力を最大限に引き出すことが可能となる。従って、メラミン樹脂発泡体の加熱圧縮は最小7/10から最大3/10が妥当である。
【0044】
以上のように、本発明によれば、メラミン樹脂発泡体を加熱圧縮して用いることにより、像担持体(感光体)、帯電部材、転写部材等のクリーニング対象物の磨耗を極めて少なくし、クリーニング対象物の性能を長期間良好な状態に維持することができるクリーニング部材を実現でき、そのクリーニング部材を用いたクリーニング装置を提供することができる。さらには、そのクリーニング部材を有するクリーニング装置を用いて装置の長寿命化を達成した、帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のクリーニング部材は、画像形成装置を構成する像担持体(電子写真用感光体)、帯電部材、転写部材等をクリーニングするクリーニング装置に好適に用いることができる。そして、そのクリーニング部材を有するクリーニング装置を用いて、装置の長寿命化を達成した帯電装置、転写装置、プロセスカートリッジを実現でき、クリーニング性が良好で、高画質化、長寿命化を達成することができ、メンテナンス性も良好なプリンター、複写機、ファクシミリ、プロッター等の画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 クリーニング部材
1a メラミン樹脂発泡体
2 クリーニング対象物
10 像担持体(感光体)
11 帯電ローラ(帯電装置)
12 露光装置(潜像形成手段)
13 現像装置
14 転写材(記録用紙)
15 転写ローラ(転写装置)
16 像担持体のクリーニング装置
17 帯電ローラのクリーニング装置(クリーニングローラ)
18 転写ローラのクリーニング装置(クリーニングローラ)
19 定着装置
20 給紙ローラ
21 レジストローラ
22 排紙ローラ
23 プロセスカートリッジ
30 読み取り走行体
31 コンタクトガラス
32 原稿照明用光源
33〜35 ミラー
36 結像レンズ
37 撮像素子(CCD)
100 画像形成部
200 画像読み取り部
300 給紙部
400 排紙収納部
A 圧縮方向
B 往復移動方向
C 接離方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2002−221874号公報
【特許文献2】特開2003−66807号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともクリーニング対象物との当接部分がメラミン樹脂発泡体からなり、該メラミン樹脂発泡体は元形状から加熱圧縮されたことを特徴とするクリーニング部材。
【請求項2】
請求項1記載のクリーニング部材において、
前記メラミン樹脂発泡体は、元形状から加熱圧縮された後、所定の大きさに切り出されて構成されることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項3】
請求項1または2記載のクリーニング部材において、
前記メラミン樹脂発泡体は、70%から30%の大きさに加熱圧縮されたことを特徴とするクリーニング部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記メラミン樹脂発泡体の圧縮方向が、前記クリーニング対象物の移動方向と略直角方向であることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記メラミン樹脂発泡体の圧縮方向が、前記クリーニング対象物の移動方向と所定の角度をもってなることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記クリーニング対象物が、像担持体、帯電部材、転写部材のうちの少なくとも一つであることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項7】
請求項6記載のクリーニング部材において、
前記クリーニング対象物が、非接触帯電方式あるいは近接帯電方式の帯電部材であることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項8】
請求項7記載のクリーニング部材において、
前記帯電部材は像担持体との間に間隙を設けるための間隙保持部を有し、クリーニング部材は前記間隙保持部の少なくとも一部に当接されていることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
パッド形状であることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
ローラ形状であることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記クリーニング対象物に対して自重加圧されていることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項12】
請求項1〜8,10,11のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記クリーニング対象物に対して連れ回りすることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記クリーニング対象物に対し接離自在に設置されることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載のクリーニング部材において、
前記クリーニング対象物の軸方向に往復移動自在に設置されていることを特徴とするクリーニング部材。
【請求項15】
画像形成装置を構成する像担持体、帯電部材、転写部材のうちの少なくとも一つのクリーニング手段として用いられるクリーニング装置であって、
請求項1〜14のいずれか一つに記載のクリーニング部材を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項16】
非接触帯電方式あるいは近接帯電方式の帯電部材を有し、該帯電部材により像担持体を帯電する帯電装置において、
前記帯電部材のクリーニング手段として、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項17】
像担持体上の画像を転写材に転写する転写部材を有する転写装置において、
前記転写部材のクリーニング手段として、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とする転写装置。
【請求項18】
像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体に形成された静電潜像を現像して可視画像化する現像手段と、像担持体上の可視画像を転写材に転写する転写手段と、転写後の像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有する画像形成装置において、
前記像担持体のクリーニング手段、前記帯電手段の帯電部材をクリーニングするクリーニング手段、前記転写手段の転写部材をクリーニングするクリーニング手段のうち、少なくとも一つに、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項18記載の画像形成装置において、
前記現像手段の現像剤として、重合トナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像担持体に形成された静電潜像を現像して可視画像化する現像手段と、像担持体上の可視画像を転写材に転写する転写手段と、転写後の像担持体をクリーニングするクリーニング手段を有する画像形成装置に装備され、前記帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、少なくとも一つと像担持体とを一体に構成して、画像形成装置本体に対して着脱可能としたプロセスカートリッジにおいて、
前記像担持体のクリーニング手段、前記帯電手段の帯電部材をクリーニングするクリーニング手段のうち少なくとも一つに、請求項15記載のクリーニング装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項21】
請求項20記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記現像手段の現像剤として、重合トナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項22】
請求項20または21記載のプロセスカートリッジを装備したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−128656(P2011−128656A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70059(P2011−70059)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【分割の表示】特願2004−202005(P2004−202005)の分割
【原出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】