説明

クレーン車用墜落防護工

【課題】ガードポストの立ち上げや格納およびロック作業を容易に行なうことができるクレーン車用墜落防護工を提供する。
【解決手段】ガードポスト20〜22をメインブーム12と平行に倒した状態および垂直に立ち上げた状態の何れにおいても枢着ピン17〜19を結ぶ直線の一側に位置する各ガードポスト20〜22の下端部周辺位置にガードポスト20〜22と一体の第1の索具止着部29/34a,34b/41を設け、これらと対称となる位置に第2の索具止着部30/35a,35b/42を設ける。索具46〜49により相互に隣接するガードポスト20,21およびガードポスト21,22における第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士、もしくは、第1の索具止着部と第2の索具止着部とを接続し、基部側のガードポスト20の揺動に連動させて他のガードポスト21,22を一斉に揺動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン車用墜落防護工の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ブームの長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケットの各々に上下方向摺動自在に取り付けられたガードポストの上端部に命綱を掛け渡したクレーン車用墜落防護工が特許文献1として公知である。
このクレーン車用墜落防護工は、その使用時に全てのガードポストをブームの上面から突出させてブラケットとガードポストを貫通する位置決めピンでガードポストをブラケットに固定する一方、その格納に際しては、全てのガードポストをブームの上面から下面側に向けて縮退させることによってガードポストの大半部分をブーム内の空間に退避させられる構成を有する。
特許文献1に開示されるクレーン車用墜落防護工では、全てのガードポストの下端部にガードポストを上下動させるワイヤを通すための環状体が固設され、これらの環状体の内側をブームの長手方向に沿って一方向に貫通するようにして掛け渡されたワイヤの一端が、ブームの上面と略同等の高さでブームに固設された固定用の留め金に止着される一方、ワイヤの他端は、ブームの上面と略同等の高さで回転自在にブームに取り付けられたシーブの上側を経由して他の一時固定用の留め金に着脱可能に止着されるようになっている。
固定用の留め金に止着されたワイヤは、ガードポストを格納した状態、つまり、全てのガードポストをブームの上面から下面側に向けて限界位置まで摺動させた状態で、ブームの長手方向に沿って並ぶ全ての環状体と前述のシーブを経由して其の他端を一時固定用の留め金に止着するに足るだけの長さを備え、クレーン車用墜落防護工の格納時には、ワイヤの他端は一時固定用の留め金に止着されている。
従って、クレーン車用墜落防護工の格納状態にあっては、ワイヤの大半の部分は、ブームの上面からガードポストの全長に匹敵する間隔を置いて其の下方に位置し、ブームと略平行な状態となる。
クレーン車用墜落防護工の立ち上げ作業は、前述した一時固定用の留め金からワイヤの他端を外し、この部分にクレーン車の主巻ワイヤもしくは補巻ワイヤを接続してウインチで牽引することによって行われる。
ワイヤの一端がブームの上面と略同等の高さでブームに固設された固定用の留め金に止着され、且つ、ワイヤの他端がブームの上面と略同等の高さで回転自在にブームに取り付けられたシーブの上側を経由して牽引される結果、ワイヤの牽引が開始されると、ブームの上面からガードポストの全長に匹敵する間隔を置いて其の下方に位置していたワイヤがブームと略平行な状態を保ったまま徐々にブームの上面に接近し、ワイヤを通した環状体の各々が徐々にブームの上面に接近して、環状体と一体のガードポストの各々がブームの上面から突出することになる。
そして、最終的に、ガードポストの各々がブームの上面から限界位置まで突出した状態で、作業者がブームの上を渡り歩きながら、各々のブラケットとガードポストに次々と位置決めピンを貫通させることで、各ガードポストをブラケットに固定し、ワイヤの他端から主巻ワイヤもしくは補巻ワイヤを外して、ワイヤが邪魔にならないように、ワイヤの他端をブーム上の適宜箇所に着脱可能に止着する。
しかし、このような構成を有するクレーン車用墜落防護工では、ガードポスト下端部の環状体をワイヤのテンションのみで支えた不安定な状態で作業者がブームの上を渡り歩いて位置決めピンの取り付け作業を行わなければならず、作業に不安が伴う。より厳密には、複数のガードポストのうち両端に位置する2本のガードポスト、つまり、固定用の留め金やシーブに直近したガードポストに関してはワイヤの弛みによってガードポストが上下動するといった心配は少ないが、特に、中央部に位置するガードポストにあっては、その環状体が、両端を固定された弦の中央部で弾性的に支えられた形となり、ワイヤのテンションが強くても容易に上下動する状況となっているために上下動の不安が付きまとう。
また、これと同じ理由により、ワイヤのテンションを利用してガードポストを突出させる際にも、両端に位置する2本のガードポストに関しては特に問題はないが、中央部に位置するガードポストにあってはワイヤのテンションによる押し上げ力が十分に作用せず、例えば、ガードポストやブラケットに錆やカジリが生じていたような場合では、ワイヤのテンションでガードポストを限界位置まで突出させることが困難となり、作業者は、位置決めピンの取り付け作業に加え、更に、突出が不十分なカードポストを引き上げるといった作業をブームに乗った状態で行わなければならず、作業の不安が増大する。
クレーン車用墜落防護工を格納する際には基本的に位置決めピンを取り外してワイヤを緩めてやればガードポストが自重で下降する筈であるが、この場合も、前記と同様、ガードポストやブラケットに錆やカジリが生じているとガードポストの下降が妨げられる恐れがある。格納時にガードポストの下降が妨げられた場合、その段階では既にクレーン車用墜落防護工の状態が適正な使用状態とはなっていないので、作業者がブームの上を渡り歩いてガードポストを正常な格納位置にまで押し込むといった作業を行うことはできず、その状態を放置する以外にない。
【0003】
そこで、これらの不都合を改善するものとして、ブームの長手方向に沿って間隔を置いて設けられたガードポストの各々を圧力流体を駆動源とするシリンダで上下動させるものが特許文献2として提案されている。
ガードポストをシリンダで駆動する構成によれば、ガードポストの上下動は確実なものとなり、また、特に油圧シリンダを利用した場合にあっては、ガードポストの完全突出状態で油室を閉鎖することで位置決めピン等による固定操作も不要となるが、何本もの油圧シリンダを必要とすることから、クレーン車用墜落防護工の製造コストが問題となる。
【0004】
特許文献1や特許文献2に開示される技術は何れもトラス構造のブームに適用することを前提としたもので、外周部を被覆したブーム、特に、複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームには適さない。その理由は、上下方向に摺動するガードポストをブーム内の空間に退避させるのが困難なこと、また、ガードポストの退避自体は可能であっても、退避状態にあるガードポストがブームの伸縮の際にブームの構成部材に干渉することにある。
【0005】
他の構成を有するクレーン車用墜落防護工としては、例えば、ブラケットに対して揺動可能に取り付けられたガードポストを用いたクレーン車用墜落防護工が特許文献3として開示されている。
このものは、ブームの上面に固着されたブラケットに上下逆L字型に穿設された長穴に枢着ピンを介してガードポストの下端部を取り付け、この長穴のコーナー部分に枢着ピンを当接させた状態でブラケットに対してガードポストを回転自在とし、且つ、上下逆L字の長穴の2つの直線部によって構成される長穴の各々に沿って枢着ピンを摺動自在とすると共に、更に、ガードポストにおける枢着ピンの枢着位置よりも僅かに先端側に離間した位置でガードポストに固着されたロックピンを、前述の上下逆L字型の長穴のコーナー部分を中心として第二象限に形成されたブラケット側の1/4円弧状の長穴に摺動自在に嵌合させている。無論、上下逆L字型の長穴に代えて上下左右逆L字型の長穴を利用してもよく、その場合は、ブラケット側の1/4円弧状の長穴は第一象限に形成されることになる。
また、ブラケット側の1/4円弧状の長穴の両端部には上下逆L字型の長穴のコーナー部分に向かって直線状に伸びるロック用の長穴が円弧部分と一体に形成され、上下方向に延びるロック用の長穴の全長と上下逆L字型の長穴の上下方向の長さ、および、水平方向に延びるロック用の長穴の全長と上下逆L字型の長穴の水平方向の長さが等しくされると共に、ブラケットとガードポストを接続するコイルスプリングによって、前述のロックピンが上下逆L字型の長穴のコーナー部分に向かう方向でロックピンおよびガードポストが一体的に付勢されている。
つまり、クレーン車用墜落防護工の格納時には、ガードポストを水平に倒して上下逆L字型の長穴における水平方向の長穴部分の反コーナー側の端部にガードポストにおける枢着ピンを嵌合させると共に水平方向に延びるロック用の長穴にガードポストにおけるロックピンを嵌合させてガードポストの揺動を拘束し且つ其の状態をコイルスプリングの付勢力によって保持する一方、クレーン車用墜落防護工の使用時には、ガードポストを垂直に立ち上げて上下逆L字型の長穴における上下方向の長穴部分の反コーナー側の端部にガードポストにおける枢着ピンを嵌合させると共に上下方向に延びるロック用の長穴にガードポストにおけるロックピンを嵌合させてガードポストの揺動を拘束し且つ其の状態をコイルスプリングの付勢力によって保持する構成である。
そして、立ち上げや格納の際のガードポストの揺動操作は、手動でコイルスプリングの弾性復帰力に抗してガードポストを先端に向けて引くことによりロックピンをロック用の長穴から外すと共に枢着ピンを上下逆L字型の長穴のコーナー部分に当接させ、枢着ピンをコーナー部分に押し当てたまま、ガードポストにおける枢着ピンを1/4円弧状の長穴に沿って摺動させて枢着ピンを中心にガードポストを回転させることによって行われる。
このような構成を適用した場合にあっては、ガードポストを固定する位置決めピンの取り付け作業は不要であり、製造コストの心配はなく、ガードポストをブーム内の空間に退避させる必要もないので複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームにも適用可能であるが、クレーン車用墜落防護工の状態が適正な使用状態つまり全てのガードポストが直立していない状態または幾つかのガードポストが直立していない状態で、作業者がブームの上を渡り歩いてクレーン車用墜落防護工の立ち上げや格納の際のガードポストの揺動操作を行なわなければならないので、例えば、上面高さが2メートルを越すようブームを対象とした高所作業用のクレーン車用墜落防護工としては不適当である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−69585号公報(図1,図2)
【特許文献2】特開平7−144885号公報(図1,図2)
【特許文献3】特開平8−133671号公報(図5,図7,図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前記従来技術の不都合を改善し、トラス構造のブームにも複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームにも適し、作業者がブームに乗ったりブームの上を渡り歩いたりしなくてもガードポストの立ち上げや格納およびロック作業を容易に行なうことができ、しかも、製造コストの高騰といった弊害も生じないクレーン車用墜落防護工を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のクレーン車用墜落防護工は、ブームの長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケットの各々にブームの揺動する垂直面内で揺動可能となるようにして其の下端部を枢着ピンで固定された複数のガードポストと前記各ガードポストに掛け渡される命綱とを備えたクレーン車用墜落防護工であり、前記目的を達成するため、特に、
ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、前記ブームの長手方向に沿って並ぶ前記各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する前記各ガードポストの下端部周辺位置に、前記ガードポストと一体の索具止着部を備え、
相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポストにおける索具止着部同士が非伸縮性の索具で接続されると共に、
前記ブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作され、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で前記各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構を備えたことを特徴とする構成を有する。
【0009】
ガードポストと一体の索具止着部は、ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、ブームの長手方向に沿って並ぶ各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する。従って、ブームの長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を索具止着部に作用させ、索具止着部と枢着ピンの離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って索具止着部をブームの長手方向に対して正逆に変位させることにより、このガードポストを、ブームと平行に倒された状態からブームに対して垂直に立ち上げられた状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
ここで、仮に、相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、相互に隣接するガードポストにおいて前記直線の同じ側に索具止着部が設けられているとすれば、一方のガードポストを揺動させることにより、他方のガードポストにおける索具止着部もブームの長手方向に沿った方向で前記一方のガードポストにおける索具止着部と同じ向きに変位するので、一方のガードポストを揺動させることにより他方のガードポストを一方のカードポストと同方向に揺動させてブームと平行な状態に倒すことができる。ブームと平行な状態に倒されたガードポストを立ち上げる場合には揺動の方向性が逆になるが、動作原理に関しては此れと同様である。
また、仮に、相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、隣接するガードポストにおいて前記直線の相異なる側に索具止着部が設けられているとすれば、一方のガードポストを揺動させることにより、他方のガードポストにおける索具止着部はブームの長手方向に沿った方向で前記一方のガードポストにおける索具止着部と逆の向きに変位するので、一方のガードポストを揺動させることにより他方のガードポストを一方のカードポストと逆方向に揺動させてブームと平行な状態に倒すことができる。この場合、隣接するガードポストは其の上端部を相互に接近もしくは離間させるようにして揺動することになる。ブームと平行な状態に倒されたガードポストを立ち上げる場合には揺動の方向性が逆になるが、動作原理に関しては此れと同様である。
そして、相互に隣接するガードポストにおける索具止着部同士は全て非伸縮性の索具で接続されているので、ブームの基部側に位置するガードポストを1つだけ揺動させて倒せば他の全てのガードポストもブームに平行な状態に倒れ込み、また、ブームの基部側に位置するガードポストを1つだけ揺動させてブームと垂直な状態に立ち上げれば他の全てのガードポストもブームに垂直な状態に立ち上がることになる。
ブームの基部側に位置する1つのガードポストを揺動させることにより他の全てのガードポストの立ち上げ作業や倒し込み作業を行うことができるので、作業者がブームに乗ったりブームの上を渡り歩いたりしなくてもガードポストの立ち上げや格納が容易に実施でき、作業者の安全性が向上する。
また、ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で、各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構が設けられ、このガードポストロック機構はブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作されるようになっているので、作業者は、ブームの基部側に位置する操作桿の端部を持って操作桿を操作することで立ち上げられた状態のガードポストのロック操作およびロック解除操作を行うことができ、作業者がブームに乗ったりブームの上を渡り歩いたりしなくても立ち上げ状態にあるガードポストのロック操作およびロック解除操作を容易に行うことができるようになり、作業者の安全性が向上する。
また、ガードポストを揺動させて立ち上げ状態としたり格納状態としたりする構成であるから、ガードポストをブームの上面から下面側に向けて縮退させる必要は全くなく、トラス構造のブームにも複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームにも容易に適用することができる。
しかも、圧力流体を駆動源とする複数のシリンダを必要としないので、製造コストの高騰といった弊害も発生しない。
【0010】
あるいは、前記と同様の目的を達成するため、ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、前記ブームの長手方向に沿って並ぶ前記各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する前記各ガードポストの下端部周辺位置に、前記ガードポストと一体の第1の索具止着部を備える一方、前記直線の他の一側に位置する各ガードポストの下端部周辺位置には、前記ガードポストと一体の第2の索具止着部を備え、
相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士、もしくは、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部とが非伸縮性の索具で接続されると共に、
前記ブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作され、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で前記各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構を備えたことを特徴とする構成を採用してもよい。
【0011】
このような構成を適用した場合、ガードポストと一体の第1の索具止着部は、ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、ブームの長手方向に沿って並ぶ各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する。従って、ブームの長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第1の索具止着部に作用させ、第1の索具止着部と枢着ピンの離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第1の索具止着部をブームの長手方向に対して正逆に変位させることにより、このガードポストを、ブームと平行に倒された状態からブームに対して垂直に立ち上げられた状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
また、ガードポストと一体の第2の索具止着部は、第1の索具止着部とは逆に、ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、ブームの長手方向に沿って並ぶ各枢着ピンを結ぶ直線の他の一側に位置することになる。従って、ブームの長手方向に沿って働く引っ張り力や押圧力を第2の索具止着部に作用させることによっても、このガードポストを、ブームと平行に倒された状態からブームに対して垂直に立ち上げられた状態までの区間で正逆に揺動させることができる。但し、第1の索具止着部を操作する場合と同方向にガードポストを揺動させるためには、ブームの長手方向に沿って作用させる力を第1の索具止着部を操作する場合と逆向きにする必要がある。
ここで、仮に、相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、隣接するガードポストにおける第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士が非伸縮性の索具で接続されているとすれば、一方のガードポストを揺動させることにより、他方のガードポストにおける第1,第2の索具止着部もブームの長手方向に沿った方向で前記一方のガードポストにおける第1,第2の索具止着部と同じ向きに変位するので、一方のガードポストを揺動させることにより他方のガードポストを一方のカードポストと同方向に揺動させてブームと平行な状態に倒すことができる。ブームと平行な状態に倒されたガードポストを立ち上げる場合には揺動の方向性が逆になるが、動作原理に関しては此れと同様である。
ガードポストを揺動させる際には、一方のガードポストにおける第1の索具止着部と他方のガードポストにおける第1の索具止着部とを接続する索具、および、一方のガードポストにおける第2の索具止着部と他方のガードポストにおける第2の索具止着部とを接続する索具のうち、いずれか一方の索具に押圧力が作用し、他方の索具には引っ張り力が作用する。従って、索具の材質は必ずしも引っ張り力と押圧力を共に伝達できる剛体である必要はなく、容易に屈曲を生じるワイヤ等のものであっても非伸縮性の索具である限り、その材質は問わない。他方のガードポストにおける第1の索具止着部もしくは他方のガードポストにおける第2の索具止着部に作用する引っ張り力のみでも他方のガードポストを揺動させることができるからである。
また、仮に、相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部とが非伸縮性の索具で接続されているとすれば、一方のガードポストを揺動させることにより、他方のガードポストにおける第1,第2の索具止着部はブームの長手方向に沿った方向で前記一方のガードポストにおける第1,第2の索具止着部と逆の向きに変位するので、一方のガードポストを揺動させることにより他方のガードポストを一方のカードポストと逆方向に揺動させてブームと平行な状態に倒すことができる。この場合、隣接するガードポストは其の上端部を相互に接近もしくは離間させるようにして揺動することになる。ブームと平行な状態に倒されたガードポストを立ち上げる場合には揺動の方向性が逆になるが、動作原理に関しては此れと同様である。
ガードポストを揺動させる際には、一方のガードポストにおける第1の索具止着部と他方のガードポストにおける第2の索具止着部とを接続する索具、および、一方のガードポストにおける第2の索具止着部と他方のガードポストにおける第1の索具止着部とを接続する索具のうち、いずれか一方の索具に押圧力が作用し、他方の索具には引っ張り力が作用する。従って、前記と同様の理由により、非伸縮性の索具である限り、索具の材質は問わない。
そして、相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士、もしくは、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部とは全て非伸縮性の索具で接続されているので、ブームの基部側に位置するガードポストを1つだけ揺動させて倒せば他の全てのガードポストもブームに平行な状態に倒れ込み、また、ブームの基部側に位置するガードポストを1つだけ揺動させてブームと垂直な状態に立ち上げれば他の全てのガードポストもブームに垂直な状態に立ち上がることになる。
容易に屈曲を生じるワイヤ等のものを索具として利用できる点を除き、ガードポストの立ち上げや格納ならびにガードポストのロック操作およびロック解除操作を容易に行うことができるようになる点、トラス構造のブームにも複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームにも容易に適用できる点、圧力流体を駆動源とする複数のシリンダを必要せず製造コストの高騰といった弊害が解消される点に関しては前記と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のクレーン車用墜落防護工は、ブームの基部側に位置する1つのガードポストを揺動させるだけで他の全てのガードポストの立ち上げ作業や倒し込み作業を行うことができ、しかも、立ち上げられたガードポストのロックとロック解除もブームの長手方向に沿って配置された操作桿を操作することによって行われるので、作業者がブームに乗ったりブームの上を渡り歩いたりしなくてもブームの基部側の位置でガードポストの立ち上げや格納およびガードポストのロック操作およびロック解除操作を行うことができ、作業者の安全性が向上する。
また、ガードポストを揺動させて立ち上げ状態としたり格納状態としたりする構成であるから、ガードポストをブームの上面から下面側に向けて縮退させる必要はなく、トラス構造のブームにも複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームにも容易に適用することができる。
しかも、圧力流体を駆動源とする複数のシリンダを必要としないので、製造コストの高騰といった弊害も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のクレーン車用墜落防護工を具体化して適用した一実施形態のクレーン車の外観について示した側面図である。
【図2】同実施形態のクレーン車が備える旋回胴を車体から取り外した状態で示した平面図である。
【図3】同実施形態のクレーン車が備えるブーム支持台とブームを旋回胴から取り外した状態で示した斜視図である。
【図4】ブームに取り付けられたクレーン車用墜落防護工の構成を示した側面図である。
【図5】メインブームの基部側の端部に固設されたブラケットの構成を示した図であり、図5(a)はブラケットの周辺を上方から見て示した平面図、図5(b)は図4と同方向からブラケットの周辺を示した側面図、図5(c)はブラケットの周辺を図5(b)の矢視A−Aに沿って示した断面図である。
【図6】メインブームの長手方向の中央部に固設されたブラケットの構成を示した図であり、図6(a)および図6(e)はブラケットの周辺を上方から見て示した平面図、図6(b)は図4と同方向からブラケットの周辺を示した側面図、図6(c)はブラケットの周辺を図6(b)の矢視B−Bに沿って示した断面図、図6(d)はブラケットの周辺を図6(b)の矢視C−Cに沿って示した断面図である。
【図7】メインブームの先端部に固設されたブラケットの構成を示した図であり、図7(a)はブラケットの周辺を上方から見て示した平面図、図7(b)は図4と同方向からブラケットの周辺を示した側面図、図7(c)はブラケットの周辺をメインブームの先端側から見て示した正面図、図7(d)はブラケットの周辺を図7(b)の矢視D−Dに沿って示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための一実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1は本発明のクレーン車用墜落防護工を具体化して適用した一実施形態のクレーン車1の外観について示した側面図、図2は同実施形態のクレーン車1が備える旋回胴2を車体3から取り外した状態で示した平面図、図3は同実施形態のクレーン車1が備えるブーム支持台4およびブーム5を旋回胴2から取り外した状態で示した斜視図である。
【0016】
この実施形態のクレーン車1は、自走に必要とされるエンジン,動力伝達装置,制動装置,操舵装置,走行輪,運転用キャビンや吊荷作業の姿勢の安定化に用いられるアウトリガー装置等を備えた車体3と、車体3上に旋回可能に取り付けられた旋回胴2、および、旋回胴2上に着脱可能に取り付けられたカウンターウェイト6と旋回胴2上に移動可能に取り付けられた作業用キャビン7と旋回胴2上に固設されたブーム支持台4、ならびに、ブーム支持台4に起伏可能に取り付けられたブーム5によって其の主要部を構成される。
【0017】
作業用キャビン7は、図2に示されるように、旋回胴2の側方の水平面内で揺動自在となるように旋回胴2に取り付けられたスイングアーム8と、作業用キャビン7が水平面内で揺動自在となるように作業用キャビン7をスイングアーム8の先端に枢着するためのキャビン枢着ピン9を介して旋回胴2に取り付けられている。
そして、スイングアーム8は、旋回胴2上に一端を枢着された油圧シリンダ10の伸縮動作によって旋回胴2の側方の水平面内で揺動するように構成され、スイングアーム8に枢着された作業用キャビン7は、作業用キャビン7とスイングアーム8に両端を枢着された油圧シリンダ11の伸縮動作によってスイングアーム8の先端側で水平面内を揺動するように構成されている。
図1および図2ではクレーン車1が吊荷作業を行う場合の作業用キャビン7の状態、つまり、油圧シリンダ10を完全に短縮すると共に油圧シリンダ11を完全に伸長させて作業用キャビン7をブーム支持台4の側方に位置決めした状態について示しているが、図1に示されるカウンターウェイト6を旋回胴2から取り外した状態で油圧シリンダ10を伸長させ、且つ、油圧シリンダ11を短縮してスイングアーム8および作業用キャビン7の各々を図2中でクロックワイズ方向に共に揺動させることにより、図2中の二点鎖線によって示した作業用キャビン7の格納位置7’、すなわち、カウンターウェイト6を取り外した後の旋回胴2上の空きスペースに作業用キャビン7を載置して固定することができるようになっている。
クレーン車1を公道で自走させる場合には、カウンターウェイト6を取り外してクレーン車1の自重を軽減させると共にカウンターウェイト6を取り外した後の旋回胴2上の空きスペースに作業用キャビン7を移動させることによってクレーン車1の全幅を短縮し、公道の重量制限や幅員制限等に対処する。
【0018】
ブーム5は複数の構成部材を内外に重合した4段式のテレスコピック型のブームであり、図3に示す通り、その最外筒を構成するメインブーム12上にクレーン車用墜落防護工13が取り付けられている。
【0019】
この実施形態のクレーン車用墜落防護工13は、図4に示す通り、メインブーム12の長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケット14,15,16と、ブーム5の揺動する垂直面内で揺動可能となるようにして其の下端部を枢着ピン17,18,19でブラケット14,15,16に固定された複数のガードポスト20,21,22と、メインブーム12に対して各ガードポスト20,21,22が垂直に立ち上げられた状態で各ガードポスト20,21,22の姿勢を保持するガードポストロック機構50と、ガードポスト20,21,22の上端部に掛け渡される命綱23(図3参照)を備える。
【0020】
そして、最も外側に位置する2つのブラケット14,16のうち、一方のブラケット16はメインブーム12の先端部に固設され、他方のブラケット14は、メインブーム12の基部側の端部に固設されている。
【0021】
ガードポスト20,21,22の上端部の各々には、図4に示すように、命綱23を掛け渡すための孔24,25,26がメインブーム12の長手方向に沿って貫通するかたちで穿設されており、図3に示されるように、メインブーム12の最先端部に設けられた命綱止着部27に一端を止着された命綱23が、此れらの孔26,25,24をメインブーム12の長手方向に沿って一方向に貫通している。
ガードポスト20の孔24を貫通した命綱23の他端部は、最終的に、メインブーム12の基部側に固設された命綱係止フック28に止着されるようになっている。
ガードポスト20,21,22の上端部に穿設された孔24,25,26の内径は、命綱23が遊嵌状態を維持して容易に摺動し得る程度の大きさである。
【0022】
図5は図4中のa部の詳細つまりメインブーム12の基部側の端部に固設されたブラケット14の周辺の構成を示した図であり、このうち図5(a)はブラケット14の周辺を上方から見て示した平面図、図5(b)は図4と同方向からブラケット14の周辺を示した側面図、図5(c)はブラケット14の周辺を図5(b)の矢視A−Aに沿って示した断面図である。
【0023】
ガードポスト20の下端部には、第1の索具止着部29と第2の索具止着部30を設けるための2枚板状のステー31,31が、図5(a)に示されるように、ガードポスト20の下端部を両側から挟み込むようにしてガードポスト20と一体的に固着して取り付けられている。ステー31,31はガードポスト20と一体であって、ガードポスト20をブラケット14に枢着する枢着ピン17を中心としてガードポスト20と一体に回転可能である。
【0024】
2枚板状のステー31,31のうち図5(c)に示されるようにメインブーム12に近い側に位置するステー31の一部は、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図5(b)に示される枢着ピン17の位置を座標原点とした場合の第一象限の方向に張り出しており、図5(c)に示されるように、ステー31の張り出し部分に対してメインブーム12に接近する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー31と一体的に固設された副ステー32と前述の張り出し部分との間に第1の索具止着部29として機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー31および副ステー32に一体的に固着されている。
【0025】
より具体的には、第1の索具止着部29として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン17の位置を座標原点とした場合の第一象限において図5(b)中で右斜め上方に45°の方向で枢着ピン17から離間している。
【0026】
メインブーム12の基部側の端部に位置するブラケット14に取り付けられたガードポスト20は、図5(b)に示される立ち上げ状態からメインブーム12の長手方向中央部に向けて、つまり、図5(b)におけるカウンタークロックワイズの方向に向けて90°揺動して格納される構成であるから、ガードポスト20をメインブーム12と平行な状態に倒したガードポスト20の格納状態にあっては、第1の索具止着部29として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン17の位置を座標原点とした場合の第二象限に位置して図5(b)中で左斜め上方に45°の方向で枢着ピン17から離間した状態となる。
【0027】
つまり、第1の索具止着部29として機能するピンは、ガードポスト20をメインブーム12と平行に倒した格納時の状態およびガードポスト20をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた使用時の状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の一側、すなわち、図4および図5(b)で言えば、此の直線の上方に位置する部分となるガードポスト20の下端部周辺位置に設けられていることになる。
【0028】
このように、ガードポスト20と一体の第1の索具止着部29は、ガードポスト20をメインブーム12と平行に倒した状態およびガードポスト20をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の一側に常に位置するので、メインブーム12の長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第1の索具止着部29に作用させ、第1の索具止着部29と枢着ピン17の離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第1の索具止着部29をメインブーム12の長手方向に対して正逆つまり図5(b)中の左右に変位させることにより、このガードポスト20をメインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態からメインブーム12と平行に倒された状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
【0029】
また、2枚板状のステー31,31のうち図5(c)に示されるようにメインブーム12から遠い側に位置するステー31の一部は、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図5(b)に示される枢着ピン17の位置を座標原点とした場合の第三象限の方向に張り出しており、図5(c)に示されるように、ステー31の張り出し部分に対してメインブーム12から離間する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー31に一体的に固設された副ステー33と前述の張り出し部分との間に第2の索具止着部30として機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー31および副ステー33に一体的に固着されている。
【0030】
より具体的には、第2の索具止着部30として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン17の位置を座標原点とした場合の第三象限において図5(b)中で左斜め下方に45°の方向で枢着ピン17から離間している。
【0031】
メインブーム12の基部側の端部に位置するブラケット14に取り付けられたガードポスト20は、図5(b)に示される立ち上げ状態からメインブーム12の長手方向中央部に向けて、つまり、図5(b)におけるカウンタークロックワイズの方向に向けて90°揺動して格納される構成であるから、ガードポスト20をメインブーム12と平行な状態に倒したガードポスト20の格納状態にあっては、第2の索具止着部30として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン17の位置を座標原点とした場合の第四象限に位置して図5(b)中で右斜め下方に45°の方向で枢着ピン17から離間した状態となる。
【0032】
つまり、第2の索具止着部30として機能するピンは、ガードポスト20をメインブーム12と平行に倒した格納時の状態およびガードポスト20をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた使用時の状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の他の一側、すなわち、図4および図5(b)で言えば、此の直線の下方に位置する部分となるガードポスト20の下端部周辺位置に設けられ、且つ、最も外側に位置する2つのガードポスト20,22のうちの一方であるガードポスト20において第1の索具止着部29として機能するピン、および、第2の索具止着部30として機能ピンは、図5(c)に示される通り、枢着ピン17の軸方向に離間してガードポスト20と一体に構成され、また、図5(b)に示される通り、枢着ピン17を挟んで第1の索具止着部29と対称となる位置に第2の索具止着部30が設けられていることになる。
【0033】
このように、ガードポスト20と一体の第2の索具止着部30は、ガードポスト20をメインブーム12と平行に倒した状態およびガードポスト20をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の他の一側に常に位置するので、メインブーム12の長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第2の索具止着部30に作用させ、第2の索具止着部30と枢着ピン17の離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第2の索具止着部30をメインブーム12の長手方向に対して正逆つまり図5(b)中の左右に変位させることにより、このガードポスト20をメインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態からメインブーム12と平行に倒された状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
【0034】
図6は図4中のb部の詳細つまりメインブーム12の長手方向の中央部に固設されたブラケット15の周辺の構成を示した図であり、このうち図6(a)および図6(e)はブラケット15の周辺を上方から見て示した平面図、図6(b)は図4と同方向からブラケット15の周辺を示した側面図、図6(c)はブラケット15の周辺を図6(b)の矢視B−Bに沿って示した断面図、図6(d)はブラケット15の周辺を図6(b)の矢視C−Cに沿って示した断面図である。
但し、図6(a)はガードポスト21をロック状態としたときの態様を表した図、また、図6(e)はガードポスト21をロック解除状態としたときの態様を表した図であり、細部の状況が相違する。
【0035】
ガードポスト21の下端部には、第1の索具止着部34a,34bと第2の索具止着部35a,35bを設けるための2枚板状のステー36,36が、図6(a)に示されるように、ガードポスト21の下端部を両側から挟み込むようにしてガードポスト21と一体的に固着して取り付けられている。ステー36,36はガードポスト21と一体であって、ガードポスト21をブラケット15に枢着する枢着ピン18を中心としてガードポスト21と一体に回転可能である。
【0036】
2枚板状のステー36,36のうち図6(d)に示されるようにメインブーム12から遠い側に位置するステー36の一部は、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図6(b)に示される枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第二象限の方向に張り出しており、図6(d)に示されるように、ステー36の張り出し部分に対してメインブーム12から離間する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー36に一体的に固設された副ステー37と前述の張り出し部分との間に第1の索具止着部34aとして機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー36および副ステー37に一体的に固着されている。
【0037】
これと同様に、メインブーム12に近い側に位置するステー36の一部も、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図6(b)に示される枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第二象限の方向に張り出しており、図6(d)に示されるように、ステー36の張り出し部分に対してメインブーム12に接近する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー36に一体的に固設された副ステー38と前述の張り出し部分との間に第1の索具止着部34bとして機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー36および副ステー38に一体的に固着されている。
【0038】
より具体的には、第1の索具止着部34a,34bとして機能する各ピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第二象限において図6(b)中で左斜め上方に45°の方向で枢着ピン18から離間している。
【0039】
メインブーム12の長手方向の中央部に位置するブラケット15に取り付けられたガードポスト21は、図6(b)に示される立ち上げ状態からメインブーム12の基部側に向けて、つまり、図6(b)におけるクロックワイズの方向に向けて90°揺動して格納される構成であるから、ガードポスト21をメインブーム12と平行な状態に倒したガードポスト21の格納状態にあっては、第1の索具止着部34a,34bとして機能する各ピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第一象限に位置して図6(b)中で右斜め上方に45°の方向で枢着ピン18から離間した状態となる。
【0040】
つまり、第1の索具止着部34a,34bとして機能する各ピンは、ガードポスト21をメインブーム12と平行に倒した格納時の状態およびガードポスト21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた使用時の状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の一側、すなわち、図4および図6(b)で言えば、此の直線の上方に位置する部分となるガードポスト21の下端部周辺位置に設けられ、且つ、最も外側に位置する2つのガードポスト20,22を除く他のガードポストであるガードポスト21における第1の索具止着部34aとして機能するピンと第1の索具止着部34bとして機能するピンの各々は、図6(d)に示される通り、枢着ピン18の軸方向に離間して併設されるかたちでガードポスト21と一体に構成されていることになる。
【0041】
このように、ガードポスト21と一体の第1の索具止着部34a,34bは、ガードポスト21をメインブーム12と平行に倒した状態およびガードポスト21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の一側に常に位置するので、メインブーム12の長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第1の索具止着部34a,34bに作用させ、第1の索具止着部34a,34bと枢着ピン18の離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第1の索具止着部34a,34bをメインブーム12の長手方向に対して正逆つまり図6(b)中の左右に変位させることにより、このガードポスト21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態からメインブーム12と平行に倒された状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
【0042】
また、メインブーム12から遠い側に位置するステー36の他の一部は、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図6(b)に示される枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第四象限の方向に張り出しており、図6(d)に示されるように、ステー36の張り出し部分に対してメインブーム12から離間する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー36に一体的に固設された副ステー39と前述の張り出し部分との間に第2の索具止着部35aとして機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー36および副ステー39に一体的に固着されている。
【0043】
これと同様に、メインブーム12に近い側に位置するステー36の他の一部も、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図6(b)に示される枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第四象限の方向に張り出しており、図6(d)に示されるように、ステー36の張り出し部分に対してメインブーム12に接近する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー36に一体的に固設された副ステー40と前述の張り出し部分との間に第2の索具止着部35bとして機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー36および副ステー40に一体的に固着されている。
【0044】
より具体的には、第2の索具止着部35a,35bとして機能する各ピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第四象限において図6(b)中で右斜め下方に45°の方向で枢着ピン18から離間している。
【0045】
メインブーム12の長手方向の中央部に位置するブラケット15に取り付けられたガードポスト21は、図6(b)に示される立ち上げ状態からメインブーム12の基部側に向けて、つまり、図6(b)におけるクロックワイズの方向に向けて90°揺動して格納される構成であるから、ガードポスト21をメインブーム12と平行な状態に倒したガードポスト21の格納状態にあっては、第2の索具止着部35a,35bとして機能する各ピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン18の位置を座標原点とした場合の第三象限に位置して図6(b)中で左斜め下方に45°の方向で枢着ピン18から離間した状態となる。
【0046】
つまり、第2の索具止着部35a,35bとして機能する各ピンは、ガードポスト21をメインブーム12と平行に倒した格納時の状態およびガードポスト21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた使用時の状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の他の一側、すなわち、図4および図6(b)で言えば、此の直線の下方に位置する部分となるガードポスト21の下端部周辺位置に設けられ、且つ、最も外側に位置する2つのガードポスト20,22を除く他のガードポストであるガードポスト21における第2の索具止着部35aとして機能するピンと第2の索具止着部35bとして機能するピンの各々は、図6(d)に示される通り、枢着ピン18の軸方向に離間して併設されるかたちでガードポスト21と一体に構成され、また、図6(b)に示される通り、枢着ピン18を挟んで第1の索具止着部34a,34bと対称となる位置に第2の索具止着部35a,35bが設けられていることになる。
【0047】
このように、ガードポスト21と一体の第2の索具止着部35a,35bは、ガードポスト21をメインブーム12と平行に倒した状態およびガードポスト21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の他の一側に常に位置するので、メインブーム12の長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第2の索具止着部35a,35bに作用させ、第2の索具止着部35a,35bと枢着ピン18の離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第2の索具止着部35a,35bをメインブーム12の長手方向に対して正逆つまり図6(b)中の左右に変位させることにより、このガードポスト21を、メインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態からメインブーム12と平行に倒された状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
【0048】
図7は図4中のc部の詳細つまりメインブーム12の先端部に固設されたブラケット16の周辺の構成を示した図であり、このうち図7(a)はブラケット16の周辺を上方から見て示した平面図、図7(b)は図4と同方向からブラケット16の周辺を示した側面図、図7(c)はブラケット16の周辺をメインブーム12の先端側から見て示した正面図、図7(d)はブラケット16の周辺を図7(b)の矢視D−Dに沿って示した断面図である。
【0049】
ガードポスト22の下端部には、第1の索具止着部41と第2の索具止着部42を設けるための2枚板状のステー43,43が、図7(a)に示されるように、ガードポスト22の下端部を両側から挟み込むようにしてガードポスト22と一体的に固着して取り付けられている。ステー43,43はガードポスト22と一体であって、ガードポスト22をブラケット16に枢着する枢着ピン19を中心としてガードポスト22と一体に回転可能である。
【0050】
2枚板状のステー43,43のうち図7(d)に示されるようにメインブーム12に近い側に位置するステー43の一部は、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図7(b)に示される枢着ピン19の位置を座標原点とした場合の第二象限の方向に張り出しており、図7(d)に示されるようにステー43の張り出し部分に対してメインブーム12に接近する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー43に一体的に固設された副ステー44と前述の張り出し部分との間に第1の索具止着部41として機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー43および副ステー44に一体的に固着されている。
【0051】
より具体的には、第1の索具止着部41として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン19の位置を座標原点とした場合の第二象限において図7(b)中で左斜め上方に45°の方向で枢着ピン19から離間している。
【0052】
メインブーム12の先端部に位置するブラケット16に取り付けられたガードポスト22は、図7(b)に示される立ち上げ状態からメインブーム12の長手方向中央部に向けて、つまり、図7(b)におけるクロックワイズの方向に向けて90°揺動して格納される構成であるから、ガードポスト22をメインブーム12と平行な状態に倒したガードポスト22の格納状態にあっては、第1の索具止着部41として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン19の位置を座標原点とした場合の第一象限に位置して図7(b)中で右斜め上方に45°の方向で枢着ピン19から離間した状態となる。
【0053】
つまり、第1の索具止着部41として機能するピンは、ガードポスト22をメインブーム12と平行に倒した格納時の状態およびガードポスト22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた使用時の状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の一側、すなわち、図4および図7(b)で言えば、此の直線の上方に位置する部分となるガードポスト22の下端部周辺位置に設けられていることになる。
【0054】
このように、ガードポスト22と一体の第1の索具止着部41は、ガードポスト22をメインブーム12と平行に倒した状態およびガードポスト22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の一側に常に位置するので、メインブーム12の長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第1の索具止着部41に作用させ、第1の索具止着部41と枢着ピン19の離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第1の索具止着部41をメインブーム12の長手方向に対して正逆つまり図7(b)中の左右に変位させることにより、このガードポスト22を、メインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態からメインブーム12と平行に倒された状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
【0055】
また、2枚板状のステー43,43のうち図7(d)に示されるようにメインブーム12から遠い側に位置するステー43の一部は、図4に示されるようにメインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、図7(b)に示される枢着ピン19の位置を座標原点とした場合の第四象限の方向に張り出しており、図7(d)に示されるようにステー43の張り出し部分に対してメインブーム12から離間する方向で一定の間隙を置いて此の張り出し部分と平行になるようにステー43と一体的に固設された副ステー45と前述の張り出し部分との間に第2の索具止着部42として機能するピンが掛け渡され、このピンの両端がステー43および副ステー45に一体的に固着されている。
【0056】
より具体的には、第2の索具止着部42として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン19の位置を座標原点とした場合の第四象限において図7(b)中で右斜め下方に45°の方向で枢着ピン19から離間している。
【0057】
メインブーム12の先端部に位置するブラケット16に取り付けられたガードポスト22は、図7(b)に示される立ち上げ状態からメインブーム12の長手方向中央部に向けて、つまり、図7(b)におけるクロックワイズの方向に向けて90°揺動して格納される構成であるから、ガードポスト22をメインブーム12と平行な状態に倒したガードポスト22の格納状態にあっては、第2の索具止着部42として機能するピンは、枢着ピン17,18,19を結ぶ直線を水平軸とし、且つ、枢着ピン19の位置を座標原点とした場合の第三象限に位置して図7(b)中で左斜め下方に45°の方向で枢着ピン19から離間した状態となる。
【0058】
つまり、第2の索具止着部42として機能するピンは、ガードポスト22をメインブーム12と平行に倒した格納時の状態およびガードポスト22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた使用時の状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の他の一側、すなわち、図4および図7(b)で言えば、此の直線の下方に位置する部分となるガードポスト22の下端部周辺位置に設けられ、且つ、最も外側に位置する2つのガードポスト20,22のうちの一方であるガードポスト22において第1の索具止着部41として機能するピン、および、第2の索具止着部42として機能ピンは、図7(d)に示される通り、枢着ピン19の軸方向に離間してガードポスト22と一体に構成され、また、図7(b)に示される通り、枢着ピン19を挟んで第1の索具止着部41と対称となる位置に第2の索具止着部42が設けられていることになる。
【0059】
このように、ガードポスト22と一体の第2の索具止着部42は、ガードポスト22をメインブーム12と平行に倒した状態およびガードポスト22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、メインブーム12の長手方向に沿って並ぶ枢着ピン17,18,19を結ぶ直線の他の一側に常に位置するので、メインブーム12の長手方向に沿って働く押圧力や引っ張り力を第2の索具止着部42に作用させ、第2の索具止着部42と枢着ピン19の離間距離を半径とする円弧軌跡の一部に沿って第2の索具止着部42をメインブーム12の長手方向に対して正逆つまり図7(b)中の左右に変位させることにより、このガードポスト22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態からメインブーム12と平行に倒された状態までの区間で正逆に揺動させることができる。
【0060】
そして、図4に示されるように、相互に隣接する1組のガードポスト20,21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態で、ガードポスト20における第1の索具止着部29とガードポスト21における第2の索具止着部35bが非伸縮性の索具たとえば金属ワイヤ等からなる索具46で弛みなく接続され、更に、ガードポスト20における第2の索具止着部30とガードポスト21における第1の索具止着部34aが非伸縮性の索具たとえば金属ワイヤ等からなる索具47で弛みなく接続されている。以下、このようにして索具が交差する接続状態を、相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部を索具で接続した状態、と称する。図4に示されるように索具46と索具47は側面から見た状態では交差するが、図5(c)および図6(d)に示される通り、ガードポスト20における第1の索具止着部29とガードポスト21における第2の索具止着部35b、つまり、索具46の接続先は相対的にメインブーム12に近い位置にあり、また、ガードポスト20における第2の索具止着部30とガードポスト21における第1の索具止着部34a、つまり、索具47の接続先は相対的にメインブーム12から遠い位置にあるので、索具46と索具47が接触することはない。
【0061】
また、図4に示されるように、相互に隣接するガードポスト21,22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態で、ガードポスト21における第1の索具止着部34bとガードポスト22における第1の索具止着部41が非伸縮性の索具たとえば金属ワイヤ等からなる索具48で弛みなく接続され、更に、ガードポスト21における第2の索具止着部35aとガードポスト22における第2の索具止着部42が非伸縮性の索具たとえば金属ワイヤ等からなる索具49で弛みなく接続されている。以下、このようにして索具が平行となる接続状態を、相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士を索具で接続した状態、と称する。図6(d)および図7(d)に示される通り、ガードポスト21における第1の索具止着部34bとガードポスト22における第1の索具止着部41、つまり、索具48の接続先は相対的にメインブーム12に近い位置にあり、また、ガードポスト21における第2の索具止着部35aとガードポスト22における第2の索具止着部42、つまり、索具49の接続先は相対的にメインブーム12から離間した位置にあるので、索具48と索具49は共にメインブーム12の側面に平行な状態となり、かつ、相互に平行でもあるから、当然、索具48と索具49は接触しない。
【0062】
この実施形態では、相互に隣接するガードポスト20とガードポスト21の接続関係については、相互に隣接するガードポスト20,21における第1の索具止着部と第2の索具止着部を索具で接続した状態(段落0061参照)を適用しているので、一方のガードポスト20を図5(b)中のカウンタークロックワイズの方向に揺動させてメインブーム12と平行な状態に倒すと、他方のガードポスト21における第1,第2の索具止着部34a,35bはメインブーム12の長手方向に沿った方向で一方のガードポスト20における第1,第2の索具止着部29,30とは逆の向きに変位し、他方のガードポスト21が図6(b)中のクロックワイズの方向に揺動してメインブーム12と平行な状態に倒れる。
また、相互に隣接するガードポスト21とガードポスト22の接続関係については、相互に隣接するガードポスト21,22における第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士を索具で接続した状態(段落0062参照)を適用しているので、一方のガードポスト21を図6(b)中のクロックワイズの方向に揺動させてメインブーム12と平行な状態に倒せば、他方のガードポスト22における第1,第2の索具止着部41,42もメインブーム12の長手方向に沿った方向で一方のガードポスト21における第1,第2の索具止着部34b,35aと同じ向きに変位し、他方のガードポスト22が図7(b)中のクロックワイズの方向に揺動してメインブーム12と平行な状態に倒れることになる。
そして、相互に隣接するガードポスト20,21における第1の索具止着部と第2の索具止着部、および、相互に隣接するガードポスト21,22における第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士は全て索具で接続されているので、メインブーム12の基部側に位置するガードポスト20を1つだけ揺動させて倒せば、例えば、図4に二点鎖線で示すようにして他の全てのガードポスト21,22もメインブーム12と平行な状態に倒れ込み、また、メインブーム12の基部側に位置するガードポスト20を1つだけ揺動させてメインブーム12と垂直な状態に立ち上げれば、他の全てのガードポスト21,22もメインブーム12と垂直な状態に立ち上がることになる。
索具46,47,48,49としては、容易に屈曲を生じる金属ワイヤを利用しているので、ガードポスト21を倒すときの力は図6(b)中でガードポスト21における第1の索具止着部34aを右に向けて引く索具47の引っ張り力によって与えられ、ガードポスト22を倒すときの力は図7(b)中でガードポスト22における第1の索具止着部41を右に向けて引く索具48の引っ張り力によって与えられることになる。また、ガードポスト21を立ち上げるときの力は図6(b)中でガードポスト21における第2の索具止着部35bを右に向けて引く索具46の引っ張り力によって与えられ、ガードポスト22を立ち上げるときの力は図7(b)中でガードポスト22における第2の索具止着部42を右に向けて引く索具49の引っ張り力によって与えられる。
【0063】
ここでは、一例として、相互に隣接するガードポスト20,21における第1の索具止着部と第2の索具止着部を索具で接続した状態(段落0061参照)とし、且つ、相互に隣接するガードポスト21,22における第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士を索具で接続した状態(段落0062参照)とした構成について説明しているが、相互に隣接するガードポスト20,21における第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士を索具で接続した状態とし、且つ、相互に隣接するガードポスト21,22における第1の索具止着部と第2の索具止着部を索具で接続した状態とした構成を採用してもよい。
そのような構成を採用した場合、メインブーム12の基部側に位置するガードポスト20を揺動させて倒すことによってガードポスト21が図7中でカウンタークロックワイズの方向つまりガードポスト20と同方向に倒れ、ガードポスト22は、前記と同様に図7中でクロックワイズの方向に倒れることになる。
メインブーム12の先端部に位置するガードポスト22とメインブーム12の基部側の端部に位置するガードポスト20を共にメインブーム12の長手方向中央部に向けて揺動させて倒すようにするのは、メインブーム12の基部側の最端部とメインブーム12の最先端部でガードポスト20,22を立ち上げること、すなわち、メインブーム12のフルスパンに亘って命綱23を張れるようにすること、および、メインブーム12の基部側の最端部とメインブーム12の最先端部にブラケット14,16を配置した状態でガードポスト20,22を倒して格納するようにしてもガードポスト20,22がメインブーム12の全長を超えて外側に突出しないようにすることが目的であるから、ガードポスト20とガードポスト22の間に何本のガードポストがあろうと、それらの揺動方向は問題ではない。
【0064】
次に、メインブーム12に対して各ガードポスト20,21,22が垂直に立ち上げられた状態で各ガードポスト20,21,22の姿勢を保持するガードポストロック機構50の構成について説明する。
【0065】
図6(e)に示されるように、メインブーム12の長手方向の中央部に固設されたブラケット15におけるメインブーム12側の一側には、メインブーム12に対して垂直に立ち上げられたガードポスト21の不用意な揺動を防止するためのテーパピンによって構成される係合部材51を固着したカム板52を保持するためのカムケース53が、ブラケット15と一体的に固設されている。
【0066】
カムケース53の左右の端部は図6(b)に示されるように下方に向けて略直角に屈曲され、この屈曲部の内側にカム板52の左右両側が摺接することによって、カム板52の移動方向がメインブーム12の側面に対して接離する方向、つまり、図6(b)中の紙面垂直方向に規制されている。
また、カム板52には、メインブーム12の側面に対して斜交しながらメインブーム12の長手方向に延びる長穴55が穿設されている。
【0067】
そして、カムケース53の左右の屈曲部の中央部には、メインブーム12の長手方向に沿って、少なくとも、基部側のブラケット14から先端部のブラケット16にまで延びるようにして配置されたロッド材からなる操作桿54を通すための孔が穿設され、操作桿54が、此れらの孔を貫通して軸方向移動自在に取り付けられている。
操作桿54には、カム板52における長穴55に突入して摺接する柱状の係合片56がカシメ加工等によって一体的に固着して取り付けられている。
【0068】
図6(e)は操作桿54をメインブーム12の基部側の限界位置にまで引いてガードポスト21をロック解除状態としたときの態様を表したものである。
【0069】
この状態では、操作桿54に固着された係合片56がカム板52における長穴55の右端部に当接し、カム板52およびカム板52に固着されたテーパピンによって構成される係合部材51が、メインブーム12に接近した方向に移動している。
【0070】
この状態から操作桿54をメインブーム12の先端側つまり図6(e)中の左側に向けて移動させると、柱状の係合片56が操作桿54と共にメインブーム12の先端側に向けて移動し、長穴55の内側に摺接した係合片56がカム板52を押圧することにより、カム板52およびカム板52に固着されたテーパピンによって構成される係合部材51が、ブラケット15に接近する方向に移動する。
【0071】
一方、ガードポスト21の下端部に一体的に固設された舌片57には、ガードポスト21が立ち上げられた状態で係合部材51と凹凸嵌合することが可能な位置つまりガードポスト21の下端部周辺位置に穿設された孔からなる係合部58が設けられており、ブラケット15に向けて移動するカム板52の係合部材51が係合部58に突入することによって、メインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態にあるガードポスト21の不用意な揺動が防止される。
テーパピンによって構成される係合部材51が孔からなる係合部58に完全に突入した状態を図6(a)に示す。
【0072】
なお、図6(a)および図6(c)に示されるように、ブラケット15上にはガードポスト21における舌片57の表裏を挟むようにしてサポート板59,60が固設されており、テーパピンからなる係合部材51は、此れらのサポート板59,60に穿設された孔を貫通するかたちで舌片57の係合部58に突入するようになっているので、垂直に立ち上げられた状態にあるガードポスト21を揺動させる方向の外力が作用した場合に其の外力を受けるのは、ガードポスト21の下端部に固設された舌片57とサポート板59,60および此れら3枚の板を纏めて貫通するテーパピンからなる係合部材51と、サポート板59,60を固設したブラケット15のみであり、カム板52や操作桿54にまで外力が伝達されることはない。
【0073】
そして、図7(a)〜図7(d)に示す通り、メインブーム12の先端部に固設されたブラケット16にも、前述のカムケース53に相当するカムケース63や前述のサポート板59,60に相当するサポート板69,70が固設され、更に、ブラケット16に枢着されたガードポスト22の下端部には、ガードポスト21における舌片57や係合部58に相当する舌片67や係合部68(孔)が設けられている。
また、ブラケット16に固設されたカムケース63には、前述のカム板52に相当するカム板62が内嵌され、カム板62には、前述の長穴55に相当する長穴65が穿設されると共に、前述の係合部材51に相当する係合部材61(テーパピン)が固設され、更に、操作桿54にカシメ加工等で固着された柱状の係合片66がカム板62の長穴65と嵌合しているが、これらの構成や機能に関しては前述した係合部材51,カム板52,カムケース53,長穴55,係合片56,舌片57,係合部58,サポート板59,サポート板60と全く同様であるので、図7(a)〜図7(d)中に対応する符号を記すにとどめ、詳細な説明は省略する。
【0074】
一方、メインブーム12の基部側の端部に固設されたブラケット14には、図5(a)に示されるように、前述のサポート板59,60やサポート板69,70に相当する機能を有するサポート板71,72が固設されると共に、前述のカムケース53やカムケース63に相当する形状を有する操作桿支持体64が固設され、操作桿支持体64の左右の屈曲部の中央部に穿設された孔によって操作桿54が軸方向移動自在に支えられている。
【0075】
そして、ガードポスト20の下端部には、図5(b)に示されるように、ガードポスト21における舌片57に相当する形状の舌片73が設けられ、舌片73の中央部に、図5(a)に示されるようなロックキー74を貫通させるための孔75が穿設されている。
【0076】
図5(a)および図5(b)は操作桿54をメインブーム12の先端側に向けて限界位置まで押し出し、ガードポスト21,22をロック状態としたときの態様を表したものである。
【0077】
この状態で、カシメ加工等によって操作桿54に固着して取り付けられたロック片76における孔77の位置が、立ち上げ状態にあるガードポスト20における舌片73の孔75の位置、および、舌片73を表裏から挟むようにしてブラケット14上に設けられたサポート板71,72の孔(図示せず)の位置と一致するようになっている。
【0078】
つまり、立ち上げられた状態にあるガードポスト20は、その下端部に固設された舌片73の孔75およびサポート板71,72の孔を共に貫通して差し込まれるロックキー74によって不用意な揺動を防止される構成であり、前述したガードポスト21,22の場合とは異なり、操作桿54の押し引き動作に連動する凹凸嵌合を利用して揺動を防止するものではない。
【0079】
そして、舌片73の孔75およびサポート板71,72の孔を貫通して差し込まれたロックキー74の先端を更にロック片76の孔77に突入させることにより、ロック片76と一体の操作桿54の軸方向の移動が防止される。
【0080】
図5(a)および図5(b)に示される通り、操作桿54における基部側の端部には、操作桿54を軸方向に押し引きするためのロック用操作片78が固設されているので、操作桿54の押し引き操作は容易である。
【0081】
この実施形態のガードポストロック機構50では、操作桿54を軸方向に移動させることによって操作桿54と一体に移動する係合片56,66と嵌合したカム板52,62をガードポスト21,22の舌片57,67に対して接離移動させ、カム板52,62に固着されたテーパピン状の係合部材51,61の先端を舌片57,67の孔からなる係合部58,68に一斉に突入あるいは離脱させるようにしているので、少なくとも、メインブーム12に対して垂直に立ち上げられた状態にあるガードポスト21,22のロック操作およびロック解除操作をワンタッチで実施することができる。
【0082】
ここで、クレーン車用墜落防護工13の立ち上げ操作と格納操作について簡単に説明する。
【0083】
但し、ガードポスト20,21,22は図4中の二点鎖線で示す位置に格納され、命綱23の先端は既に命綱止着部27に止着された状態にあって、命綱23の他端はガードポスト22,21,20の先端の孔26,25,24を通って弛みなく命綱係止フック28に掛け止めされ、操作桿54がメインブーム12の基部側の限界位置にまで引かれてロックキー74が取り外されているものとする。
【0084】
ガードポスト20,21,22を立ち上げた場合に必要とされる命綱止着部27と命綱係止フック28との間の命綱23の長さは、図3から明らかなように、当然、ガードポスト20,21,22を格納したときに必要とされる命綱止着部27と命綱係止フック28との間の命綱23の長さよりも長いので、命綱23の他端を命綱係止フック28に掛け止めしたままではガードポスト20,21,22を立上げることはできない。
【0085】
従って、ガードポスト20,21,22の立ち上げ作業に際しては、まず、命綱係止フック28に掛け止めされている命綱23の他端を命綱係止フック28から取り外す必要がある。
【0086】
次いで、メインブーム12の基部側に位置するガードポスト20を図4中に二点鎖線で示される格納位置から枢着ピン14を中心としてクロックワイズの方向に揺動させると、既に述べた通りの理由により、ガードポスト21,22は各々の枢着ピン18,19を中心としてカウンタークロックワイズの方向に揺動し、ガードポスト20,21,22が一斉に立ち上がることになる。
【0087】
この際、隣接するガードポスト20,21は其の先端部を相互に離間させる方向に揺動し、ガードポスト20,21の孔24,25間の離間距離が大きく変動するが、命綱23はガードポスト20,21,22の上端部に穿設された孔24,25,26を遊嵌状態で貫通しているので孔24,25,26に対して容易に滑ることが可能であり、命綱23の摩擦でガードポスト20,21,22の立ち上げ操作が阻まれることはない。
【0088】
次いで、ガードポスト20,21,22がメインブーム12に対して垂直な状態に立ち上がったことを確認したならば、作業者は、ロック用操作片78を持ってガードポストロック機構50の操作桿54をメインブーム12の先端側に向けて押し込む。
【0089】
すると、操作桿54に固着された係合片56,66によって押圧されるカム板52,62に設けられたテーパピン状の係合部材51,61が図6(e)に示されるようなロック解除状態の位置から図6(a)に示されるようなロック状態の位置に移動し、係合部材51,61の先端が舌片57,67の孔によって形成されるガードポスト21,22の係合部58,68に一斉に突入して、垂直に立ち上げられた状態にあるガードポスト21,22の姿勢をロックする。
【0090】
そして、ガードポスト20の舌片73に穿設されている孔75およびサポート板71,72の孔に図5(a)に示されるようにしてロックキー74を突入させると、垂直に立ち上げられた状態にあるガードポスト20の姿勢がロックされ、更に、ロックキー74の先端を操作桿54と一体のロック片76の孔77に突入させることによって操作桿54の軸方向の移動も防止される。
【0091】
最終的に、ガードポスト22,21,20の上端部に穿設された孔26,25,24を遊嵌状態で貫通している命綱23の他端を弛みなく命綱係止フック28に掛け止めすることにより、ガードポスト22,21,20に張設された命綱23に適切なテンションを与え、クレーン車用墜落防護工13の立ち上げ作業は全て完了する。
【0092】
そして、作業者は、着用したハーネスに取り付けられているD環やカラビナ等を命綱23に取り付け、メインブーム12の先端の主巻きワイヤや補巻ワイヤの調整あるいはジブや他のアタッチメントの着脱操作等のために、メインブーム12の上に登って移動する。
【0093】
一方、ガードポスト20,21,22を倒してクレーン車用墜落防護工13を格納する際には、まず、命綱係止フック28に掛け止めされた命綱23を命綱係止フック28から外し、ロック片76の孔77やガードポスト20の孔75およびサポート板71,72の孔からロックキー74を引き抜いて、操作桿54の軸方向の移動とガードポスト20の揺動を許容し得る状態とする。
【0094】
次いで、ロック用操作片78を持ってガードポストロック機構50の操作桿54をメインブーム12の基部側に向けて引くと、操作桿54に固着された係合片56,66に摺接したカム板52,62に固着されたテーパピン状の係合部材51,61が図6(a)に示されるようなロック状態の位置から図6(e)に示されるようなロック解除状態の位置に移動し、その先端が舌片57,67の孔からなるガードポスト21,22の係合部58,68から一斉に離脱して、垂直に立ち上げられた状態にあるガードポスト21,22の姿勢のロックが解除される。
【0095】
次いで、メインブーム12の基部側に位置するガードポスト20を図4中に実線で示される立ち上げ位置から枢着ピン14を中心としてカウンタークロックワイズの方向に揺動させると、既に述べた通りの理由により、ガードポスト21,22が各々の枢着ピン18,19を中心としてクロックワイズの方向に揺動して図4に二点鎖線で示される格納位置に倒れこむ。
【0096】
既に述べた通り、命綱23はガードポスト20,21,22の上端部に穿設された孔24,25,26を遊嵌状態で貫通しているので、命綱23の摩擦でガードポスト20,21,22の倒し込み操作が阻まれることはない。
【0097】
最終的に、ガードポスト22,21,20の上端部に穿設された孔26,25,24を遊嵌状態で貫通している命綱23の他端を弛みなく命綱係止フック28に掛け止めして、命綱23がメインブーム12の起伏動作や吊荷作業の邪魔にならないように格納する。
【0098】
以上に述べた通り、この実施形態のクレーン車用墜落防護工13にあっては、メインブーム12の基部側に位置する1つのガードポスト20を揺動させることにより他の全てのガードポスト21,22の立ち上げ作業や倒し込み作業を行うことができ、しかも、メインブーム12の基部側に位置するロック用操作片78を持ってガードポストロック機構50の操作桿54を軸方向に移動させるだけで、立ち上げられた状態にあるガードポスト21,22の姿勢のロック操作およびロック解除操作を行うことができるので、作業者がメインブーム12に乗ったりメインブーム12の上を渡り歩いたりしなくてもガードポスト20,21,22の立ち上げや格納に関わる全ての作業を容易に実施でき、作業者の安全性が向上する。
【0099】
また、ガードポスト20,21,22を揺動させて立ち上げ状態としたり格納状態としたりする構成であるから、ガードポスト20,21,22をメインブーム12の上面から下面側に向けて縮退させる必要は全くなく、トラス構造のブームにも複数の構成部材を内外に重合したテレスコピック型のブームにも容易に適用することができる。
【0100】
しかも、圧力流体を駆動源とするシリンダを必要としないので、製造コストの高騰といった弊害も発生しない。
【0101】
更に、この実施形態においては、特に、最も外側に位置する2つのブラケットのうちメインブーム12の先端部とメインブーム12の基部側の端部にブラケットを固設し、メインブーム12の先端部に位置するブラケット16のガードポスト22とメインブーム12の基部側の端部に位置するブラケット14のガードポスト20を共にメインブーム12の長手方向中央部に向けて揺動させて格納するように構成しているので、メインブーム12の先端位置を越えてガードポスト22を突出させたりメインブーム12の基部側の端部位置を越えてメインブーム12の後方側にガードポスト20を突出させたりすることなく、メインブーム12の最先端部とメインブーム12の基部側の端部の限界位置にガードポスト22,20を直立させることが可能である。
従って、ガードポスト20,21,22の高さに応じた一定の高さの命綱23をメインブーム12のフルスパンに亘って張ることが可能となり、これにより作業者の安全性が更に向上する。
そして、ガードポスト20,21,22を倒した格納状態にあってもメインブーム12の先端からガードポスト22が突出したりメインブーム12の後方からガードポスト20が突出したりすることはないので、メインブーム12の起伏や通常の吊荷作業に際してガードポスト20,21,22が邪魔になる恐れは全くない。
【0102】
更には、命綱23を掛け渡すための孔24,25,26を各ガードポスト20,21,22の上端部に設け、メインブーム12の最先端に一端を止着した命綱23を此れらの孔26,25,24にくぐらせて、メインブーム12の長手方向に沿って一方向に遊嵌状態で貫通させているので、複数のガードポスト20,21,22が様々な方向に揺動することにより隣接するガードポスト20,21の上端部の離間距離が変動したような場合であっても、張り詰められた命綱23がガードポスト20,21の孔24,25に干渉してガードポスト20,21の立ち上げ作業を阻むといった不都合は発生せず、また、ガードポスト20,21,22の立ち上げ作業が完了した時点で改めて命綱23を強く張り詰めるといった作業も作業者がメインブーム12に乗ったりメインブーム12の上を渡り歩いたりしなくても容易に実施できるようになるので、作業者の安全性が更に向上する。
しかも、ガードポスト20,21,22を倒して格納した状況下でも命綱23を強く張り詰めることが可能であるから、格納時における命綱23の弛みが邪魔になるような不都合も解消される。
【0103】
また、最も外側に位置する2つのガードポスト20,22のうち一方のガードポスト20における第1の索具止着部29と第2の索具止着部30を枢着ピン17の軸方向に離間してガードポスト20と一体に構成し、且つ、他方のガードポスト22における第1の索具止着部41と第2の索具止着部42を枢着ピン19の軸方向に離間してガードポスト22と一体に構成する一方、最も外側に位置する2つのガードポスト20,22を除く他のガードポスト21における第1の索具止着部34a,34bと第2の索具止着部35a,35bの各々を、枢着ピン18の軸方向に離間して併設するかたちでガードポスト21と一体に構成し、各索具46,47,48,49の全てを相互に非接触の状態で各々の索具止着部29,30,34a,34b,35a,35b,41,42に接続するようにしているので、各索具46,47,48,49同士の相互接触はなく、索具46,47,48,49に摩擦および磨耗や縺れが生じにくく、ガードポスト20,21,22の起伏作業を長期間に亘って安定的に実施することができる。
【0104】
ここでは、一例として、操作桿54における基部側の端部にロック用操作片78を固設し、このロック用操作片78を持って手動で操作桿54を軸方向に押し引きするガードポストロック機構50の構成について述べたが、更に、ガードポスト20の下端部周辺にも前述したガードポスト21の周辺構造における係合部材51,カム板52,カムケース53,長穴55,係合片56,舌片57,係合部58,サポート板59,サポート板60と同様の部材を設け、操作桿54を各種のエアシリンダやソレノイド等のアクチュエータによって直動させることによって、ガードポスト20,21,22のロック操作やロック解除操作を一斉に行うようにしてもよい。
その場合は、作業用キャビン7内でアクチュエータ用のスイッチを操作するだけで立ち上げ状態にあるガードポスト20,21,22のロック操作やロック解除操作を行うことができる。
この場合、操作桿54の手動操作は不要となるから、手動操作の場合のロック用操作片78とは違い、操作桿54を直動させるためのアクチュエータの取り付け位置をメインブーム12の基部側に制限する必要はなく、操作桿54を直動させるためのアクチュエータは、メインブーム12上の何処に設置しても構わない。
【0105】
なお、ガードポスト20の手動操作による梃子作用を利用せずに索具46,47,48,49をメインブーム12の長手方向に移動させるには相当の力が必要であるが、索具46,47,48,49の何れかを押し引きする出力の大きな直動式アクチュエータ、あるいは、ステー31,36,43の何れかを回転させる出力の大きなロータリー式アクチュエータを用いるようにすれば、前述したガードポスト20,21,22のロック操作やロック解除操作に加え、ガードポスト20,21,22の立ち上げ操作や格納操作も作業用キャビン7内からアクチュエータ用のスイッチを操作することによって実施することが可能である。
【0106】
また、この実施形態においては非伸縮性ではあっても容易に屈曲を生じる金属ワイヤ等からなる索具を用いている関係上、索具に作用する引っ張り力のみでガードポスト21,22の揺動操作を実現する必要があるので、ガードポスト21,22毎に各2本の索具と第1,第2の索具止着部、つまり、ガードポスト21を立ち上げるための索具46および第2の索具止着部35bとガードポスト21を倒し込むための索具47および第1の索具止着部34a、ならびに、ガードポスト22を立ち上げるための索具49および第2の索具止着部42とガードポスト22を倒し込むための索具48および第1の索具止着部41が必要となるが、索具として非伸縮性であって且つ容易に屈曲・座屈しないロッド材等の剛体を用いる場合にあっては、索具に作用する引っ張り力と押圧力の双方を用いてガードポスト21,22の揺動操作を実現することができるので、ガードポスト20,21,22に設ける索具止着部を最低限度1つ、つまり、第1の索具止着部もしくは第2の索具止着部のうち何れか一方を索具止着部として設け、ガードポスト20,21,22をブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポスト20,21およびガードポスト21,22における索具止着部同士を剛体からなる索具で接続すれば済む。
【0107】
例えば、相互に隣接する1組のガードポスト20,21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態で、ガードポスト20における第1の索具止着部29をガードポスト20のための1つのみの索具止着部とし、ガードポスト21における第2の索具止着部35bをガードポスト21のための1つのみの索具止着部として、これらを金属ワイヤ等の索具46に代わる剛体からなる索具で接続し、かつ、相互に隣接するガードポスト21,22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態で、ガードポスト21における第2の索具止着部35a(35bでも可)をガードポスト21のための1つのみの索具止着部とし、ガードポスト22における第2の索具止着部42をガードポスト22のための1つのみの索具止着部として、これらを金属ワイヤ等の索具49に代わる剛体からなる索具で接続すれば、図4に示される立ち上げおよび格納動作と同様の動作が可能である。
あるいは、相互に隣接する1組のガードポスト20,21をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態で、ガードポスト20における第2の索具止着部30をガードポスト20のための1つのみの索具止着部とし、ガードポスト21における第1の索具止着部34aをガードポスト21のための1つのみの索具止着部として、これらを金属ワイヤ等の索具47に代わる剛体からなる索具で接続し、かつ、相互に隣接するガードポスト21,22をメインブーム12に対して垂直に立ち上げた状態で、ガードポスト21における第1の索具止着部34b(34aでも可)をガードポスト21のための1つのみの索具止着部とし、ガードポスト22における第1の索具止着部41をガードポスト22のための1つのみの索具止着部として、これらを金属ワイヤ等の索具48に代わる剛体からなる索具で接続しても、図4に示される立ち上げおよび格納動作と同様の動作が可能である。
【0108】
このように、第1の索具止着部もしくは第2の索具止着部のうち何れか一方を索具止着部として設け、相互に隣接するガードポスト20,21,22をブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポスト20,21およびガードポスト21,22における索具止着部同士を剛体からなる索具で接続した構成を適用した場合では、剛体からなる索具のうちの何れか1つを固定すればガードポスト20,21,22の姿勢を保持することができるので、これらの索具、例えば、索具46に代わる剛体の索具と索具49に代わる剛体の索具それ自体、もしくは、索具47に代わる剛体の索具と索具48に代わる剛体の索具それ自体を、ガードポスト20,21,22の姿勢を保持するためのガードポストロック機構として利用することができる。
その場合は、メインブーム12の最も基部側に配置される索具、つまり、金属ワイヤ等の索具46に代わる剛体の索具もしくは金属ワイヤ等の索具47に代わる剛体の索具を更にメインブーム12の基部側に向けて延出させてガードポストロック機構を操作するための操作桿として利用し、この操作桿を、メインブーム12に対して固定するための着脱自在のピン等を前述の索具46に代わる剛体の索具および索具49に代わる剛体の索具からなるガードポストロック機構、もしくは、索具47に代わる剛体の索具と索具48に代わる剛体の索具からなるガードポストロック機構の構成要素の1つとして追加する。
無論、剛体からなる索具それ自体をガードポストロック機構としては利用せずに、先に述べた実施形態と同様の構成を有するガードポストロック機構50を独立的に設けるようにしてもよい。
【0109】
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
例えば、ガードポスト20における第1の索具止着部29とガードポスト22における第2の索具止着部42との間、および、ガードポスト20における第2の索具止着部30とガードポスト22における第1の索具止着部41との間を索具で接続し、更に、ガードポスト22の第1の索具止着部41に併設したもう1つの第1の索具止着部(図示せず)とガードポスト21の第1の索具止着部34aとの間、および、ガードポスト22の第2の索具止着部42に併設したもう1つの第2の索具止着部(図示せず)とガードポスト21の第2の索具止着部35bとの間を索具で接続することによっても、前述した実施形態と同方向にガードポスト20,21,22の揺動動作を連動させることが可能である。
しかしながら、索具止着部の接続に際し、隣接するガードポストを飛び越えて他のガードポストの索具止着部との接続を行なった場合には、全てのガードポストの揺動を同調させるために必要とされる索具の全長が大幅に冗長するといった不都合が生じる。
非伸縮性の索具ではあっても其の伸びが皆無というわけではないので、索具の全長が不用意に冗長すれば其の伸びの為に最後に揺動されるカードポスト21の揺動量が不足し、係合部材51と係合部58との凹凸嵌合によるカードポスト21のロックが適切に行なわれなくなるといった可能性も高くなるので、隣接するガードポストを飛び越して相互に隣接しないガードポスト間で索具止着部を接続するといった構成、つまり、同じ経路に索具を重複または複線化して配置するといった構成は望ましいものではない。
【0110】
〔付記1〕
ブームの長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケットの各々にブームの揺動する垂直面内で揺動可能となるようにして其の下端部を枢着ピンで固定された複数のガードポストと前記各ガードポストに掛け渡される命綱とを備えたクレーン車用墜落防護工であって、
ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、前記ブームの長手方向に沿って並ぶ前記各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する前記各ガードポストの下端部周辺位置に、前記ガードポストと一体の索具止着部を備え、
相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポストにおける索具止着部同士が非伸縮性の索具で接続されると共に、
前記ブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作され、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で前記各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構を備えたことを特徴とするクレーン車用墜落防護工。
【0111】
〔付記2〕
前記複数のブラケットのうち最も外側に位置する2つのブラケットのうちの一方が前記ブームの先端部に固設されると共に他方のブラケットが前記ブームの基部側の端部に固設され、
少なくとも、相互に隣接する1組のガードポストの間で、これら相互に隣接するガードポストにおける索具止着部が前記直線を挟んで相異なる側に位置することによって、ブームの先端部に位置するブラケットのガードポストとブームの基部側の端部に位置するブラケットのガードポストとが共にブームの長手方向中央部に向けて揺動するように構成されていることを特徴とした付記1記載のクレーン車用墜落防護工。
【0112】
〔付記3〕
前記ガードポストロック機構は、前記索具および前記索具のうちの何れか1つを前記ブームに固定するための着脱自在のピンによって構成され、前記操作桿は、前記索具のうち最もブームの基部側に位置する索具を更にブームの基部側に向けて延設した部分によって形成され、前記着脱自在のピンは、ブームの基部側に位置する索具の操作桿部分をブームに固定するように構成されていることを特徴とした付記1または付記2記載のクレーン車用墜落防護工。
【0113】
〔付記4〕
ブームの長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケットの各々にブームの揺動する垂直面内で揺動可能となるようにして其の下端部を枢着ピンで固定された複数のガードポストと前記各ガードポストに掛け渡される命綱とを備えたクレーン車用墜落防護工であって、
ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、前記ブームの長手方向に沿って並ぶ前記各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する前記各ガードポストの下端部周辺位置に、前記ガードポストと一体の第1の索具止着部を備える一方、前記直線の他の一側に位置する各ガードポストの下端部周辺位置には、前記ガードポストと一体の第2の索具止着部を備え、
相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士、もしくは、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部とが非伸縮性の索具で接続されると共に、
前記ブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作され、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で前記各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構を備えたことを特徴とするクレーン車用墜落防護工。
【0114】
〔付記5〕
前記複数のブラケットのうち最も外側に位置する2つのブラケットのうちの一方が前記ブームの先端部に固設されると共に他方のブラケットが前記ブームの基部側の端部に固設され、
少なくとも、相互に隣接する1組のガードポストの間で、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部とが前記非伸縮性の索具で接続されることによって、ブームの先端部に位置するブラケットのガードポストとブームの基部側の端部に位置するブラケットのガードポストとが共にブームの長手方向中央部に向けて揺動するように構成されていることを特徴とした付記4記載のクレーン車用墜落防護工。
【0115】
〔付記6〕
前記ガードポストロック機構は、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で、前記各ガードポストの下端部周辺位置にガードポストと一体に設けられた係合部に嵌合してガードポストの揺動を防止する複数の係合部材からなり、前記操作桿の軸方向の移動によって前記複数の係合部材が前記各ガードポストの係合部に対して一斉に係脱するように構成されていることを特徴とする付記4または付記5記載のクレーン車用墜落防護工。
【0116】
〔付記7〕
命綱を掛け渡すための孔が前記各ガードポストの上端部に設けられ、ブームの最先端に一端を止着された命綱が、此れらの孔をブームの長手方向に沿って一方向に遊嵌状態で貫通していることを特徴とする付記1,付記2,付記3,付記4,付記5または付記6のうち何れか一項に記載のクレーン車用墜落防護工。
【0117】
〔付記8〕
最も外側に位置する2つのガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部が前記枢着ピンの軸方向に離間してガードポストと一体に構成される一方、
最も外側に位置する2つのガードポストを除く他のガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部の各々が、前記枢着ピンの軸方向に離間して併設されるかたちでガードポストと一体に構成され、
前記各索具の全てが、相互に非接触の状態で各々の索具止着部に接続されていることを特徴とする付記4,付記5または付記6のうち何れか一項に記載のクレーン車用墜落防護工。
【符号の説明】
【0118】
1 クレーン車
2 旋回胴
3 車体
4 ブーム支持台
5 ブーム
6 カウンターウェイト
7 作業用キャビン
8 スイングアーム
9 キャビン枢着ピン
10,11 油圧シリンダ
12 メインブーム
13 クレーン車用墜落防護工
14,15,16 ブラケット
17,18,19 枢着ピン
20,21,22 ガードポスト
23 命綱
24,25,26 孔
27 命綱止着部
28 命綱係止フック
29 第1の索具止着部(ピン)
30 第2の索具止着部(ピン)
31 ステー
32,33 副ステー
34a,34b 第1の索具止着部(ピン)
35a,35b 第2の索具止着部(ピン)
36 ステー
37,38,39,40 副ステー
41 第1の索具止着部(ピン)
42 第2の索具止着部(ピン)
43 ステー
44,45 副ステー
46,47,48,49 索具
50 ガードポストロック機構
51 係合部材(テーパピン)
52 カム板
53 カムケース
54 操作桿
55 長穴
56 係合片
57 舌片
58 係合部(孔)
59,60 サポート板
61 係合部材(テーパピン)
62 カム板
63 カムケース
64 操作桿支持体
65 長穴
66 係合片
67 舌片
68 係合部(孔)
69,70,71,72 サポート板
73 舌片
74 ロックキー
75 孔
76 ロック片
77 孔
78 ロック用操作片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームの長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケットの各々にブームの揺動する垂直面内で揺動可能となるようにして其の下端部を枢着ピンで固定された複数のガードポストと前記各ガードポストに掛け渡される命綱とを備えたクレーン車用墜落防護工であって、
ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、前記ブームの長手方向に沿って並ぶ前記各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する前記各ガードポストの下端部周辺位置に、前記ガードポストと一体の索具止着部を備え、
相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポストにおける索具止着部同士が非伸縮性の索具で接続されると共に、
前記ブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作され、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で前記各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構を備えたことを特徴とするクレーン車用墜落防護工。
【請求項2】
ブームの長手方向に沿って間隔を置いて固設された複数のブラケットの各々にブームの揺動する垂直面内で揺動可能となるようにして其の下端部を枢着ピンで固定された複数のガードポストと前記各ガードポストに掛け渡される命綱とを備えたクレーン車用墜落防護工であって、
ガードポストをブームと平行に倒した状態およびガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態の何れにおいても、前記ブームの長手方向に沿って並ぶ前記各枢着ピンを結ぶ直線の一側に位置する前記各ガードポストの下端部周辺位置に、前記ガードポストと一体の第1の索具止着部を備える一方、前記直線の他の一側に位置する各ガードポストの下端部周辺位置には、前記ガードポストと一体の第2の索具止着部を備え、
相互に隣接するガードポストをブームに対して垂直に立ち上げた状態で、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部同士と第2の索具止着部同士、もしくは、これら相互に隣接するガードポストにおける第1の索具止着部と第2の索具止着部とが非伸縮性の索具で接続されると共に、
前記ブームの長手方向に沿って配置された操作桿によって操作され、前記ブームに対して各ガードポストが垂直に立ち上げられた状態で前記各ガードポストの姿勢を保持するガードポストロック機構を備えたことを特徴とするクレーン車用墜落防護工。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−140233(P2012−140233A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−862(P2011−862)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000140719)株式会社加藤製作所 (29)
【Fターム(参考)】